1. 笑う警官
訴えたいモノはなんとなく理解できるのだが、それを表現する技術・センスが稚拙な為、緊迫感、重厚感の欠片ひとつない寂しい仕上がりとなっている。 角川氏には、ひとりよがりの監督業はいいかげん、卒業していただき、埋もれた人材の発掘や世間を驚嘆させる企画などプロデューサーとしての手腕を遺憾なく発揮して欲しいものだ。もちは餅屋である。 いい年になっても自己の見極めができない事を、見苦しいと言う。 [映画館(邦画)] 3点(2009-11-19 22:09:39) |
2. わたし出すわ
小池栄子の性格で、小山田サユリの容姿の妻なら人生幸福だなぁ~と思いつつ・・・ 80年代からの邦画衰退期において、瑞々しい感性を持って、スモッグに霞む夜空に唯一輝く一等星だった森田氏は、(ハル)以降、自らの進化を止めてしまったのだろうか? 現在の邦画隆盛は若手監督の台頭に拠る処大であるが、オジサン世代にも挑戦を続けてもらいたいものである。どうせ枯れるなら、徹底して枯れてくれ! [映画館(邦画)] 4点(2009-11-16 01:58:06) |
3. 私の中のあなた
ネタバレ ドレス&メイクアップしたケイトが階段から降りてくるシーン~「メリーに首ったけ」でプラムに向かう高校生メリーの姿に重なった! 当時のキャメロン・ディアスの美しさと言ったら・・・こんなに立派な大女優になられるとは・・・と、つい別の感慨に耽ってしまいました。 微妙に前後する回想シーンの中を、全登場人物(犬も含む)の感情表現がきめ細かく描かれており、非常に好感の持てる作品だと思います。ただ、歌詞が耳障りな挿入曲が情景を歪めており、インストルメンタルに統一して欲しかった。 全員が善人という、現実には有り得ない設定を最期まで貫き通し「命と愛」を表現した点は敬服しますが、「美しすぎる虚構」に涙する余裕は、私にはありませんでした。 [映画館(字幕)] 5点(2009-11-11 01:55:08) |
4. 私がクマにキレた理由
なんと素晴らしいセンスの邦題! 廻りをほとんど女性客に囲まれた中年サラリーマンは「俺はテディベア・フェチでもなければ、ヨハンセン・マニアでもない。純粋な映画ファンなのだ!」と心の中で叫ぶのでした・・・ [映画館(字幕)] 5点(2008-11-04 02:07:26) |
5. 悪い男
ネタバレ ありえない設定が多過ぎ!女子大生が突然、売春宿に押し込まれても、この現代なら逃げられないわけがないし。投獄されてすぐに絞首台に送られそうになったり。2度も腹をえぐられても非常にお元気のようだし。一番納得できないのは、本屋で画集のページを切り取り、財布を置き引きするような女(恋人もいるのに)が処女だったりして。これらのめちゃくちゃな設定もすべて受け入れてしまう位、強烈なラブストーリーです。ソナが娼婦として、女として日増しに美しくなり、ハンギを必要としていく姿を見事に描いており、面会室のシーンなどは涙ものです。色彩感豊かな娼婦ファッションも素晴らしい。ハンギの地声を初めて聞いて、彼が歩いてきた人生が見え、彼の「愛し方』が理解できた。砂浜で見つからなかった写真の切り抜きが出てきた時、二人は確信したわけですね。美し~い!女性には不快感を感じる人も多い映画かもしれないが、これは男心を揺るがす佳作です。昔の東映ヤクザ映画とATGの敏八作品を足して2で割ったような哀愁を感じずにはいられません。 9点(2004-04-09 02:48:59) |