1. ロッキー・ザ・ファイナル
自分がかかえている思いだけで肉体的限界を超えることができる、という基本プロットがそもそも非現実的です。 不人気に陥っているチャンピオンという設定ですが、勝って当たり前の試合で挽回できるはずもありません。弱い者いじめととらえられて、逆効果になりかねません。もし負けでもしたら(調べると、デレクターズカット版ではロッキーの勝利になるとのことです)、弱い相手ばかりを選んでいたという疑惑を強めることになってしまいます。こんな何のメリットもない試合をチャンピオン側から組むわけがありません。 とは言え、エンタメ的には十分楽しめました。例によって何も描かず最終ラウンドに持って行く、という点には目をつぶりましょう。 有名人の息子という苦しい立場というのは分かりますが、父親の庇護の元に入るというのは、かわいそうな描き方でしょう。 [3D(字幕)] 7点(2025-05-19 22:05:10) |
2. アンビュランス(2022)
わざとらしいカーチェイスを見せられて、最初の方からげんなりしますした。事故に必然性が見えません。ほとんど警察車両が自主的に暴走しているようにしか見えません。 そもそも、瀕死の警官を助けようとするという設定を受け入れるのに努力が必要です。二人はそういう善人なんですと言われてもなあ。 皆さんおっしゃっているように、途中で降ろせよとも。複数の救急車で目くらましとする作戦も、前段のおしゃべりを置いたために無理矢理突っ込んだ感が。伏線と位置付けたかったんでしょうけど、これじゃあねえ。病院に着いたのだから、医者を呼ぶべきでは?。何のために病院へ行ったのだ?。なぜ誰も担架を持ってこない?。最後まで、突っ込みどころ満載です。 最後に出て来る女の子は?あの札束何?という疑問は、皆さんの投稿に教えていただきました。ありがとうございました。 [地上波(字幕)] 6点(2025-05-14 21:52:56) |
3. 野良犬(1949)
なにしろ、もう76年も前の映画です。技術的に、現代的な感性に耐えられなくても仕方ないなと。映画史的な観点を加えれば別な評価になるのでしょうけど、私にとって映画は基本的には単なる娯楽なのでそんなことはしません。という評価です。 いくら時代が違うとは言 え、昔は本当にこんなに緩かったのでしょうか?。今 警察官が拳銃を盗まれたら、問答無用で即 懲戒免職でしょう。違和感をずっと抱きながら見ることになりました。おまけに表彰されるって…。 [地上波(邦画)] 6点(2025-04-28 16:58:07) |
4. パーフェクト・ドライバー 成功確率100%の女
吹替えの水準が致命に低いという鑑賞環境だった事情はあるものの、元々が妙に作り物めいた作品だと思いました。 主人公のキャラからして、とても自然体に見えません。背伸びして演技していますというオーラが全開です。 冒頭のうそ臭いカーチェイス・子供のおもらし等々、わざとらしさが目につきます。 そして、何故か死んでいなかった主人公…???。 [地上波(吹替)] 4点(2025-04-21 11:30:56) |
5. 三大怪獣地球最大の決戦
人間の行動や思考のあり方から完全に外れたシーンが初っ端から続いて、げんなりしました。後は、4つの人形がゴロゴロ転がるだけです。 ゴジラが岩を相手に岩を投げつけるというチャチな攻撃を連発するのは、怪獣作品としていかがなものかと興ざめです。怪獣が知性的な会話を始めるのも反則。「そうだ、そうだ」って…。 こうなってくると何もかもが気に障ってきて、赤いロープにまでケチを付けたくなります。 [地上波(邦画)] 2点(2025-04-20 21:47:35) |
6. ラスト サムライ
日本らしからぬ農村風景が広がります。調べると、ニュージーランドとのことでした。 昔の農村がこんな牧歌的で清潔だったとはとても思えなません。ということで、日本に似ている架空の国を舞台としたファンタジーとしてすんなり受け入れられました。 綺麗ごとが鼻に付く「武士道」、かっこ良い主人公、現代美人のヒロイン…。端から作り物という前提が、頭の中で出来ているので、素直に楽しめました。 いつもこうとは限らないので、その条件が何かは自分でも解明できませんでしたが。 [地上波(字幕)] 7点(2025-04-20 10:35:20) |
7. ロッキー4/炎の友情
科学的なトレーニングに原始的なトレーニングを対比させることによって、ドラマとして盛上げたいというのは分かりますが非現実的です。ドラゴが勝つでしょ、普通。ドラゴが薬の副作用を発症して自滅するくらいの説得力が欲しいものです(実は見ていてそう予想していました)。 1・2ラウンドの試合のシーンはさすがです。最終ラウンドまで引っ張りたかったというのは分かりますが、3ランド以降 が映像的に何もないに等しいのが残念です。 融和を訴えるのはあざといとは言え意外性たっぷりでした。 ラストやエンドロール最後ののストップモーションのロッキーの絵は奇跡的なかっこよさでした。 否定的なことを書き連ねましたが、十分楽しめました。これまでで一番良かったかもしれません。 [3D(字幕)] 7点(2025-04-06 08:09:35) |
8. 天国から来たチャンピオン
古い作品を見直す際には、どうしてもどこか冷めた目線になってしまいます。 事故シーンそのものの描写を避けながら事故があったことを表現するというのはお約束の手法ですが、現代はそれをどう解決しているんだっけ?とか。大富豪の社長にすんなり面会できるというのも、いくら50年近く前でも牧歌的すぎないかなあ、とか。天使長は何故老人を推薦した?。天使長の言う通り元暴走族にしておきゃ良かったんじゃね?。記憶を奪うのは人格を奪うも同然で保障にならない。主人公の人格は現世にも天国にも存在しなくなってしまうのでは?。等々、突っ込みどころは満載です。 まあ、ラストも覚えていたので、自分にとっては安心して見られる好作ではあったのですが、初めて見る人はどう感じるのでしょう?と皆さんの投稿を読ませていただくと…。 [地上波(吹替)] 6点(2025-04-03 12:29:31) |
9. 生きる
歴史的な作品に臨む場合には、どういうスタンスに立つかで評価が変化してしまいます。当時の技術水準や文化的背景を基準とするのか、現代に生きている自分が現在存在する数多の作品の一つとして鑑賞するという立場に立つのか。私は後者です。 手元の自分の記録では、26年前に見た時には最高点を付けています。今回は、そうは感動しませんでした。良く出来たプロットだとは思いますが、あっさりとまとまり過ぎと思えました。物語の規模が小さいのも痛いところですし、予定調和的に進行してしまうことにも物足りなさを感じます。過去のメモでさえ「ステレオタイプ」「技術的に稚拙」とあります。 映画の水準がどんどん向上し、それを数千本鑑賞してしまった後では高い評価を出せなくても無理はないでしょう。 まあ、初心に帰る的な意義はあると思います。 [地上波(邦画)] 6点(2025-04-03 12:00:56) |
10. ラーゲリより愛を込めて
冒頭から作り物めいた空襲シーンに驚きました。セットだから仕方ない…のか?。他にやり様はなかったのかと思わざるを得ません。 全編を通して、演出も演技も稚拙です。台詞も臭いし、現代的美人というヒロインの造形にも不自然さを感じます。実話ベースとのことですが、一割が亡くなったという過酷さが描かれたとは思えません。眼鏡が無事に保たれるのも、本当かしらと?。犬の忠犬ぶりはいくらなんでも実話ではないでしょう?。 皆さんの投稿読んで、我慢がまんと見続けました。おお来ました。遺書を届けるシーンは確かに涙を誘います。時間が無駄にならなくて良かった。でも頭は冷めたままです。読む上げる者の涙が、特に一人目がわざとらしさが目につきます。そもそも一人で止めとけよ、とも。そこで映画のエンディングにしなければ。後は興ざめです。 親族ががあんなスピーチをするものかなあという結婚式は人間関係をきちんと捉えることができませんでした。ネットで調べて77年後のことだと分かり、やっと理解できました。ついでに、製作サイド内の忖度があったという理解も可能だなと考察を深めることができました。 [地上波(邦画)] 6点(2025-03-30 21:27:19) |
11. 水戸黄門(1957)
早々に聞こえづらい台詞が出てきて、顔の識別も難しい。これはいかんと、ネットであらすじをお勉強。なんとか物語に付いて行けました。 息子を養子にして藩を乗っ取るというメインに据えられた陰謀の内容に、そもそもの違和感を感じます。実子を作ることを諦めたという設定が、絶対に必要でしょうに。将軍・綱吉を人格者と評させていますが、執務を放棄したただの怠け者です。スリの頼みをホイホイきいたりと、お人よしが過ぎますね。ダサダサなキャラ造形は時代ゆえ仕方ない所でしょうけど、動きにも切れが見られないのは許容できません。特に殺陣がちゃちい。多勢に無勢で勝てるわけないという状況をひっくり返す迫力が必要でしょう。側室にされそうになった女はいつまで綺麗なべべを着ているんだ等々、突っ込み所は他にも満載です。 [地上波(邦画)] 3点(2025-03-27 13:38:24) |
12. 96時間 レクイエム
ネタバレ 映画を見終わったとたんに内容を忘れてしまうようになってから随分たちます。で、手元のメモによれば五段階評価で、「1」が3点・「2」が4点になっています。 今作も私としては大満足です。主人公が超人チックだったり、ピンチを切り抜けるタイミングが絶妙すぎたりはしますが、プロット的に無駄や不自然さがなく、全編に緊張感が保たれた傑作だと思います。ラストの転換もゴリ押し気味ですが、意外性十分ということで堪能できました。 唯一ベーグルについては、見ている方はすぐに気付くのに、警察は最後まで扱わないのが不満でした。もっと物語りに組み込めば良いのにと。 主人公の娘への勘違い・娘が唯諾々と薬を口にすること・元妻の死・カーチェイスが難点として論じられているようですが、私はキャラ設定や大規模シーンによる作品全体の底上げとして受け入れられました。 [地上波(吹替)] 9点(2025-03-26 17:59:25) |
13. ロッキー3
「2」と「4」に挟まれて妙に点数が低いなと皆さんの投稿を読ませていただきましたが、かなり賛否両論なのですね。ちなみに、映画com.は3.6ポイントで「4」より上でした。 私としては「2」同様に相当に満足できました。主人公の敗北とリベンジでの勝利・かつてのライバルとの共闘・ヒールっぽい挑戦者。物語の王道ですね。まあベタとも言いますけど、きちんと作品に昇華できていると思います。古巣でのぎらついた目つきの若いボクサー達との対比も印象的でした。 プロレスラーとのチャリティーは必要だったのかな?。大怪我を負って再起不能になるほどの内容でしたね。あれがレスラー側ではショーマンシップだったというのが驚きと言うか、プロレスらしいと言うか… [地上波(字幕)] 7点(2025-03-26 15:31:32) |
14. 夜の大捜査線
差別の問題について、描かれているな以上の深い考察を伴わせずに漫然と鑑賞してしまいました。皆さんの投稿を読んで、過去と現在についてあらためて考えさせられました。ありがとうございました。 そんなもんで、木の根は布石じゃなかったのか?とか、別な場所で殺されて運ばれたんじゃなかったの?とか。そんなことの方に気を取られてしまったのですが…。その辺りは、どんなもんでしょう?。 [地上波(字幕)] 6点(2025-03-26 11:43:39) |
15. トゥルーライズ
大真面目な作品のつもりで臨んでしまいました。悪役のリーダーが現場に出てくるところから、はて?となりました。主人公が拉致される理由が分からりません。薬でフラフラの超人が大活躍。階段を転がって行く銃が的確に敵を倒していく。ギリギリのバランスで橋から落ちそうになっている車に鳥がとまって転落。しかも残骸に衝突する前に爆破。何を積んでいた?。立てこもりや娘の誘拐も必然性が理解できません。これじゃあコメディだよと思ったら、本当にコメディなんですね。皆さんの投稿を読んで初めて知りました。ありがとうございました。 [地上波(字幕)] 6点(2025-03-24 20:43:34) |
16. ロッキー2
試合のシーンが迫力満点でした。「1」ではあっさり流した感を受けましたが、17分間たっぷり緊迫感を持続させます。ボクシングに全く興味のない自分も思わず引き込まれました。 はやりの作品を敬遠する傾向があるので、結末を知りませんでした。果たして王道的な勝利で締めるのか?、「3」への布石的に「1」同様の惜敗となるのか?、と。結末を知っている人より楽しめたでしょう。 [地上波(字幕)] 7点(2025-03-09 18:07:31) |
17. 今そこにある危機
見終えてからここをチェックすると、アッと驚く5.51ポイントという低評価。そんな筈はと、「映画.com」を見ても3.4ポイント(こちらは5点満点)とやはり高くありません。これは何か投稿せねばと。 本作は27年前にも見ていて、自己採点メモでは5点満点で5点となっています。今回見て、内容を何も覚えていないことに、まず唖然とした…ということは置いておいて…。 初見時のメモには「プロットも様々に入り組み飽きない」とありましたが、この人だれだっけ?とか、この女秘書はなぜ殺されるのか?とか…加齢ゆえか?と。「複雑」とか「入り組んで」とかの投稿があり、ちょっと一安心しました。 主人公のヒーローぶりが鼻に付くし、米の秘密作戦やら生き残りメンバーの救出やらのモチーフにも もはや新鮮味はありません(公開時はあったのでしょうか?)。しかし、テンポの良さと持続するスリリング性で、飽きることなく見ることができました。まあ、満点を付けようとは思いませんでしたけど。無駄に規模の大きい爆破作戦も見事でした。また、女子供を巻き込んでも構わないという冷酷さについても、政治・軍事とは何かについて考えさせられました。 [地上波(字幕)] 8点(2025-03-01 21:57:35) |
18. 夜逃げ屋本舗2
現実の自己破産手続きについての知識を私は持っていません。そのため、描かれている状況がどこまでリアルなのかと、終始 違和感を抱かざるを得ませんでした。手持ちの資産を極限的に縮小しなければ受けられない生活保護と比べて、あまりに緩い。高価な家具に囲まれた生活を続け、豪華な結婚式を挙げる。こんなことが本当に可能なのでしょうか。で、急いで調べてみると、例えば現金は99万円までしか残せないそうです。結婚式の費用は申し立て前に支払ったという設定なら…。 役人が殺生与奪の権限を持っているんだぞと言わんばかりの妙に偉そうな態度を取っていますが、30年前はこんな物だったのかなあ、とも。 夜逃げの方はドラマ重視でタイミングがうますぎてわざとらしいのが鼻に付きます。他人の家に押し入る犯罪には目をつぶるとしても、箪笥等で行く手を阻まれるというのは演出的にあまりに稚拙。 逃亡先での仕事や学校が準備済みというのも手際が良すぎ。名義はどうするんだろう?。本名のままだったらばれないのかな?、とも。 いつも通り少々大根が入った風間杜夫と、キャラ作り過ぎの細川俊之が、中村雅俊を食ってしまっている構図に、予算の潤沢さを感じます。 私は前作同様に十分楽しめましたけど。 [地上波(邦画)] 6点(2025-02-22 16:14:55) |
19. サウンド・オブ・ミュージック
お姉さんが子供たちと歌を歌って楽しむホンワカ映画だと思い込んでいて、長年避けてきました(そういう投稿が幾つもあり一安心です)。まあ、これも教養ということで見てみることにしました。 皆さんとは異なり、音楽に感動はしませんでした(プレグレ者だからかな?)。へーこの曲もそうなのかと、世の中への影響の大きさには感心しましたが。 主人公が一家に与える変化は、露骨さは感じるものの安定感のあるプロットでした。予定調和なロマンスも、それなりに花を添えます。 そしてナチスの登場がばっちりラストを引き締めます。特に自らすすんでナチス側に身を投じる者・洗脳されたように従順に従う者。現代の日本人として教訓とすべき存在を配置することで、普遍性さえ獲得していると思いました。 [地上波(字幕)] 7点(2025-02-16 18:08:44) |
20. 蜘蛛巣城
ネタバレ 本作を初めて見たのは2001年のことでした。その時に自分で取ったメモには「聞き取りずらい台詞・ステロタイプな展開・部下の反乱等の無理のある展開・等の欠陥はあるが、迫力のある映像と緊張感に満ちた演出の傑作」とあり、5段階評価で5を付けていました。 今回見直してみると、時代的制約を大きく感じる結果に終わりました。ま、「歴史的傑作」ということでしょう。 ところで「森が動く」というのがあれというのには頭をひねりましたが、何か物語上の必要性があったのでしょうか?。 [地上波(邦画)] 6点(2025-02-13 12:42:07) |