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花守湖さんの口コミ一覧[この方をお気に入り登録する

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201.  トランスアメリカ 《ネタバレ》 
男は男らしく、女は女らしくとは言いますが、人にはさまざまな生き方がある。と言いつつも実際に自分の父親や息子が、「男から女になりたい!」と言い出したら悪夢としかいいようがない。理解を示せる人は皆無でしょう。本作は性同一性障害を抱える主人公が高く評価されて主演女優賞にもノミネートされましたが、障害を抱える主人公よりもむしろ主人公の家族たちの苦悩や戸惑いのほうが印象に残りました。女性になったブリーをみて母親は泣き叫び、息子は怒って殴り飛ばす。理解しようとしない家族が悪いのではない。それは当然なのである。やはりブリーのやろうとしていることは家族にとっては絶対に許せない行為だ。他人事じゃなくて実際に自分の父親が女性になったことを想像してみればよく分かる。しかし許せない行為だけど、けっきょく最後には本人が決めることであり多くの人を傷つけても自分らしくあろうとする生き方を選ぶのは強い生き方だと思う。私たちはブリーのように「変態」ではない。しかし私たちはブリーのように自分を肯定して生きることはなかなかできない。すぐに自己嫌悪の襲われ、今の自分を否定しています。ラストシーンではブリーの息子がホモAV男優になることを、女性になった父親に告白します。異常なシュチエーションですが、2人とも今の自分に対して自己嫌悪の感情はなく、あるがままの自分を受け入れている。この映画は「変態となった自分」を他人に認めてもらうことが目的はない。いかに現状の自分を、自分自身が肯定できるかが問われているのだと思う。やさしい映画でした。やはり私だったらこの映画に10点をつけるしかない。 
[DVD(字幕)] 9点(2007-08-18 18:27:05)(良:1票)
202.  ダ・ヴィンチ・コード 《ネタバレ》 
よりによってイエス・キリストの末裔を「人間」にして、しかも「女」にして、あげくのはてに「アメリ」にしたのですから、これはレベルの高い挑発でした。キリスト教の信者なんて偉そうなことをいっても、しょせんは男尊主義の思想がある差別主義者の集団なんですね。腹がたちます。だったらアメリじゃなくて、パリス・ヒルトンをキリストの末裔にして信者たちを失神させてほしかった。それが本当の「挑発」をするということです。それと悪の親玉にマグニートが出てしまいたがすぐに逮捕されました。やはり念力を使わないとただのじじいでした。
[CS・衛星(字幕)] 6点(2007-08-15 21:18:09)(笑:1票)
203.  時をかける少女(2006) 《ネタバレ》 
少女漫画の世界でした。ようするにハンサムな男2人が1人の女の子をめぐるラブトライアングルムービーです。金髪のヤンキー兄ちゃんがいきなり「オレは未来からやってきたんだ」なんて言い出します。おまえはターミネーターか。 
[地上波(邦画)] 4点(2007-07-26 20:53:51)(笑:2票)
204.  硫黄島からの手紙
アメリカ人独特の、敗者に対する優越感が鼻につく。イーストウッドさん、今度はナチスの視点で戦争映画をつくって、ドイツ人にも同情してあげてくださいな。さらに驚いたことに、ジャニーズ事務所のタレントが主役ですか。この頭の軽そうな芸能人が、時代にそぐわない不自然な現代語をぺらぺら喋っていることを、なぜイーストウッドが放置したのか分かりますか?その理由は日本語の台詞は、アメリカでは英語字幕に変わるから放置されたのです。声が小さいことが放置されたのも同じです。つまり、これは「日本」を描いた作品でありながら、日本人観客には優しくない映画になっている。しかもこれだけ長い映画なのにアホな男ばかりで、うつくしい女性がまったく登場しない・・。窒息させる気か!事実を知るだけなら教科書で充分だ。これは「映画」じゃないのか?それによくぞここまで大根役者を集めたものです。大根役者よろしく大根兵士にしか見えません。大根が銃を持って何をやってもしょせん大根にすぎない。中村よ。浮気しているヒマがあるなら演技を磨け。この監督の作品は、夢や希望がないということが一貫している。他人から元気を奪い取ることが、イーストウッドの老後の唯一の楽しみなのだということは、もう分かった。だ、け、ど、ね、こんなにも暗い気分にさせられて、あげくのはてに戦勝国のアメリカ人から日本の歴史をねちねちと教えられている自分が不憫で涙が出てきそうなのです。日本人にとって非常に残酷な映画でした。私はイーストウッドの偽善を許せません。 
[DVD(字幕)] 0点(2007-06-16 01:14:58)(笑:3票) (良:3票)
205.  リトル・ミス・サンシャイン
1人じゃ走れないオンボロ車でも家族みんなで押してやれば、もう一度走り出すことができる。あの車の存在は「負け組み家族」のメタファーとして見ることもできる。典型的なミニシアターでありながら、コンテスト会場に車で突入するシーンは、低予算であるにもかかわらず、お金のかかった映画の爆破シーンに劣らないほどエキサイティングでした。また、ゲイの叔父が必死にコンテストの受付に向かって走り出したときに流れてくる音楽がじつに素晴らしい。「娘の晴れ舞台のために」という共通した目的のために、負け組家族が1つにまとまります。本作の見所は何と言っても家族の個性的なキャラクターにつきる。たとえば、ライ麦のホールデンのようにひねたアニキは、ニーチェに影響を受けて無言を貫く。勝ち組にこだわり続けるオヤジは、自己啓発本の出版に失敗し破産する。ゲイの恋人にふられた叔父は自殺未遂を起こす。みんな負け犬です。そして何よりも老人ホームから追い出されたエロじじいが最高でした。あのエロじじいの喋ることのすべてがデンジャラスでした。彼の存在そのものが、この映画がR指定された原因でしょう。しかも、そのエロじじいは、途中でドラッグ中毒で逝ってしまう。それにもかかわらず、助演男優賞をゲットしている。そして何人かの人が同じことを感じたかもしれませんが、じじいが死んだ直後から、彼が息を吹き返すのではないか?と思わせるシーンがいくつかあったと思います。私は何度となく彼が息を吹き返すのではないかと考えてドキドキしていました。だから死んでからも強い存在感を発揮していました。娘の舞台に家族が乱入するシーンは恥ずかしくて目を開けていられなかった。しかしあのシーンでも、「勝つこと」が全てではないというメッセージだけは確実に伝わりました。ナポレオン・ヒルやカーネーギーのように「成功の法則」に関する本ばかり読んでいる人々がこの映画を観ればパラダイム転換につながるのではないでしょうか。とても、あたたかくて、すごく好きな映画です。 
[DVD(字幕)] 10点(2007-06-05 20:35:22)(良:3票)
206.  Vフォー・ヴェンデッタ
V様が最高でした。最初はオペラ座のファントムのような感じのキャラクターだと思いましたが、思いのほか変態でした。フェチ心をくすぐりそうなキャラクターだし、半官びいきの日本人には好かれるタイプだと思います。N・ポートマンが唐突に坊主になったのには驚いた。あれはV様が坊主にしたのではなくてポートマンの希望だったと思う。「ワタクシは体当たりの演技をしてまーす、アカデミー賞をクダサーイ」というポートマンの心の叫びはしっかり受け止めました。
[ビデオ(吹替)] 5点(2007-05-19 22:56:17)(良:1票)
207.  手紙(2006) 《ネタバレ》 
差別や偏見はいけませんよ、という物語ではないと思う。この物語からは「差別からは逃げられないんだよ!」という強いメッセージを感じます。主人公は差別のない国へ行きたいと言う。しかしそんな世界は存在しない。主人公が勤める会社の社長さんはこう言いました。要約すると「あなたが差別されるのは当然のことだ。しかし差別をしない人間も大勢いる、そういう人間を自分のまわりに増やしていきなさい」といった。差別はなくならないと思います。親が離婚しているという理由だけで理不尽な偏見を持たれる子供もいる。そういう差別や偏見は悪い!と腹をたてるよりも、それが人生の一部だと思わなくてはいけないのでしょう。世の中は公平ではありません。差別する人と差別される人で構成されています。デブ、ブサイク、貧乏人、白人、黒人、どんな差別でも同じです。結婚してようやく落ち着いたと思った主人公ですが、今度は我が子が差別されることを怖がってまた逃げ出そうとする・・社長さんの言っていることをしっかり理解せいや!と思いましたが最後は妻のひとことがききました。「私は逃げない!」と毅然とした態度で言い放ったところでこの問題は決着がついたと思います。つまり・・・・差別されることを避けるためにずっと逃げてきた主人公は、ようやくここにきて「差別」と一生つきあっていく覚悟を決めたのでしょう。「差別」というものは、避けたりするものではなくて、つきあっていくものだと思う。大切なことは差別する人間より差別しない人間の絆をつなげていくことなんですね。とてもためになった映画でした。ラストシーンはすばらしい。あの漫才に最初は寒気を覚えましたが最後は泣かされました。笑いませんでしたけど。さあ、みなさん、いっしょに!!マンボー  
[DVD(字幕)] 8点(2007-05-14 20:56:12)(良:4票)
208.  トゥモロー・ワールド 《ネタバレ》 
生まれてくる赤ん坊の命と、あっけなく死んでいく人間の命の対比を意図的に見せようとしていました。しかし・・・命に軽いも重いもないやろ!たしかに生まれてくるということは素晴らしいですよ。しかし老人として生きつづけることも同じくらい素晴らしいじゃないか。あの老人が愛妻と愛犬を殺して自らも命を捨てて赤ん坊を守る様子はどう考えても尋常じゃありません。クレイジーです。この赤ん坊にかかわった人間たちがみんな蚊みたいに殺されていく。1つの命のためにここまで命を落とす人が出てくればそれゃどう考えても命の重さって人によって違うのかい?なんて思ってしまいますよ。若いほど命は尊いのか?冗談じゃない。べつに赤ん坊に恨みはないですが生まれてくる命を尊いものに見せようとして「命」に差をつけすぎなのです。クライブ・オーウェンは濃いので元々好きではありませんでしたが今回ばかりは彼に同情しましたよ。ヒロインは速攻に殺されるし、主役の彼ですら赤ん坊様の尊い命に比べれば虫けらのような命でした。彼が死んだ瞬間にトゥモロー号がやってきました。そのとき、注意して耳をすますと何ということでしょうか・・・鼻歌が聞えてくるのではありませんかぁぁ!母親は嬉しさのあまり、オーウェンの死体を前にして「ふん♪ふん♪」と上機嫌に鼻歌まじりで歌っていたのでした。これで赤ん坊様は助かりました。一件落着めでたしめでたし。 
[DVD(字幕)] 1点(2007-05-14 20:51:54)
209.  日本沈没(2006) 《ネタバレ》 
観ているのが苦痛だったというよりむしろハイレベルな拷問を受けているようでした。どうして原作をここまでくだらなくできるのか不思議を通り越して神秘的でした。もしかしたらこれは小松左京さんを陥れようとする陰謀じゃないでしょうか。スポンサーや芸能人にいいように操られて監督は置物状態になっている。映画監督というのはですね、もっと戦わなくちゃいけないんですよ!これじゃ宮崎監督のバカ息子と一緒だ。どうせ主役のスマップも芸能事務所から使ってくれと言われて「はいはい」といって使ったのだろう。それにしてもあのスマップはもっと自然に喋れないのだろうか。「笑っていいとも」に出てた時のほうがよっぽど普通に喋っているのになぜ映画に出るとキザな話し方になるのか?本当にイライラした。途中で観るのをやめようと思いましたが、スマップがアルマゲドンの真似をして死ぬと途中でわかったので頑張って最後まで観ました。むかつく主人公が死んで少しだけ気分が晴れました。けど終わってみれば一番目立っていたのは大物芸能人のあのおばさんだった気がする。これだけ大勢のタレント連中をコネや芸能事務所の都合で大量に主演させれば良い映画ができるはずもないです。親友だからという理由でアニメ監督まで主演させている。どうせなら監督の親兄弟全員登場させてしまえ。映画が面白くないだけならまだ我慢できますが映画に対する姿勢が許せない。日本映画の悪い点の1つはしがらみの多さだと私は言いたい。GW最後の日に観たのですが罰ゲームを受けた気分です。もしこれを映画館で観ていたら私は間違いなく憤死していたことでしょう。 
[CS・衛星(邦画)] 1点(2007-05-09 18:50:19)(笑:2票) (良:4票)
210.  ブラッド・ダイヤモンド 《ネタバレ》 
この作品の舞台となっているシエラレオネは世界で一番寿命が短い国として有名だそうです。RUF(反政府ゲリラ)が残酷非道な悪者として描かれていましたが、政府も腐敗しているのでしょう。少なくとも政府が弱くて頼りないという事実はそれだけで民衆に対する罪です。それにこれはダイヤモンドを買わなければそれで良いという問題じゃないでしょ?ダイヤモンドに限らず石油だって貴重な資源です。その資源を持っている中東では石油を売ったお金で武器を買って内戦をやっていますか?だ、か、ら、ね、ダイヤなんて買いたければ好きなだけ買えば良いんですよ。ダイヤを買ったからアフリカで血が流れているという理屈はちょっとおかしい。ダイヤがなくてもこの国の現状はちっとも変わらないはずです。かりに日本にダイヤがあったところで絶対に血まみれのダイヤモンド(ブラッドダイヤモンド)なんて言われないでしょう。北朝鮮やイラクがダイヤを持っていればそのダイヤを売ったお金で核や生物兵器を買うでしょう。つまりけっきょくはダイヤを持つ国そのものに問題があるんだから。そういう意味ではこの映画は少し一方的にダイヤを悪者にしすぎている印象を受けました。しかし物語としてみると、ソロモンとアーチャーの2人がとても良かったです。アーチャーは欲深い人間ですが悪い人間じゃない。両親を惨殺されているせいで虚無主義に陥っている。ヘリコプターの中であろうが、殺されるかもしれない車の中だろうが平気で眠ることができる神経の持ち主。強い男というよりもタフな男を演じていると感じましたね。ディカプリオは巧い。本当に巧い。娯楽作品としてはパーフェクトでした。 ダイヤに対する偏見を持つ人が増えそうなことだけが気がかりです。
[映画館(字幕)] 9点(2007-05-09 18:42:02)(良:2票)
211.  エリザベスタウン 《ネタバレ》 
クロウの映画にはM男が多く登場する。本人もMなのでしょう。そしてオーランド・ブルームはそういう意味では適役のMでした。キルスティン・ダンストは底抜けに明るくて気さくな女性を演じている。まるで2人の関係は、しっかりしたお姉さんと頼りない弟という関係です。彼女はいい意味でオーランドを攻め続ける。オーランドは始めのうちは、上の空で彼女の話を受け流していましたが、だんだん彼女の熱のおびた話しかけにひきこまれていく。・・・・・。 いきなりですがここでキルスティン・ダンスト論をぶちまけます。彼女はヘタレ男を癒す不思議な魅力があると思う。ヘタレヒーローのスパイダーマンが惚れるのも無理はない。 この女優さんは、弱い男を励ましたり癒したりすると、なぜかスクリーンのなかで不思議な輝きを増す。その理由は彼女の母性本能の強さにあると考える。彼女を起用する映画業界もそのことを充分に理解しているのではないだろうか。だから彼女と競演する男優はみんな筋金入りのヘタレばかりである。今回、はじめてその事実に気がつきました(気のせいでしょうか?) それと私はどうしてもオーランドのキャラが気に食わなかった。車のなかで、おいおい泣きまくる姿をみて、そんなに死にたいなら勝手に死ねや!と素直にそう感じたものです。人間を廃業して一生エルフでもやってなさい。 そういうわけで、キルスティンダンストには幸せになってもらいたいという思いと、オーランドには即刻死んでもらいたいとおもうジレンマを抱えながら、恋の行く末を見守っていました。 
[CS・衛星(字幕)] 6点(2007-04-25 19:45:37)(笑:1票)
212.  ヒストリー・オブ・バイオレンス 《ネタバレ》 
どの映画においても、残酷な殺し屋は愛に目覚めて更生しようとすると、最後は善人になり、そして99%の確率でラスト5分前に死ぬ。なぜなら映画は因果応報にはうるさい世界だからです。つまり罪をおかした人間は法律で罰せられなくても必ずなんらかの償いをさせられる。本作の主人公は冒頭、小さな女の子をためらいもなく殺す。法則にのっとればこの主人公はラストで死ぬことになる。しかし結果は予想外でした。だから考えさせられる。ガンジーのように非暴力主義では愛する人は守れません。しかし「愛する者のために戦うんだ」といえば聞こえがいいですが、暴力に対して暴力で立ち向かう事と一緒です。主人公は暴力を捨てようとしましたが、暴力で対抗するしか方法がなかった。戦争や核や銃の心理もこれと同じで守るための暴力から発生する。つまり「暴力はいけませんよ」なんていう台詞はそもそも暴力について何も考えていない人のいう言葉であって、この監督のように暴力をずっと考えてきた人が「暴力」を語るとき、そのメッセージは含蓄がある。ラストで主人公が家に帰ってくる。わたしはまだ油断していなかった。更生した元殺し屋はいつもラスト5分前に必ず死ぬ。それが物語の鉄則。暴力にめざめた息子が「オヤジ~!」といって銃をぶっ放すことも想像した。食卓には母親と息子と小さな娘がいる。主人公は家の険悪な様子に恐れをなして家から立ち去ろうかどうか考えている。1つの終わり方としてはこのまま彼が何も言わずに家を立ち去る終わり方がある。家族を失うことで、いちおう主人公の罪に対する罰が成り立つ。しかし違った。小さな娘が立ち上がる。そして小皿を父親の席に無言で置いたのだ。父親はおずおずと食卓につく。しかしまだ安心できない。息子の目がおかしい。挙動不振だ。すると息子は食べ物を父親の空の小皿にのせたのだった(泣) 息子は両親の様子を心配して2人の表情を交互に眺めていたのでした。ふとオヤジの顔が画面に映し出されると泣いている。妻も泣いている。私は2人より早く号泣中。 息子と娘は父親をふたたび家族の一員として迎え入れたのでした。一番うれしかったのは母親かもしれません。この食卓のシーンはすべて無言で行われます。映画史に残る素晴らしいラストシーンです(泣)
[DVD(字幕)] 9点(2007-04-20 21:08:52)
213.  デイジー 《ネタバレ》 
ロック好き?の刑事とクラシック好きの殺し屋という組み合わせ。殺し屋は芸術を愛する男でした。この物語のテーマはズバリ「芸術」です。私は殺し屋の定義なんてあんまりこだわらなくていいと思う。あんがい本当の殺し屋とは、お洒落でロマンチックで芸術的なのかもしれません。それとオランダは日本のように電柱がないので、すっきりしていて空の青さが目立ちました。なによりも22時にならないと日が沈まない時期にこの場所で撮影したことは評価できます。だって綺麗じゃないですか?なにゆえにオランダ?というつまらない理屈よりも、「綺麗だ」と思う感性が上回りました。しかもオランダの建築物は川と緑と一体となって1つの色彩を形成していて、すべてが川に向き合うように建物がたっている。派手な広告看板の乱立で、どぎつい色彩の町並みが目立つ日本とは大違いで美的感覚に優れていました。ひたすら明るく芸術的な舞台を背景に、芸術を志す女性と芸術を愛する殺し屋が中学生のようにものすごい純愛を展開するわけですから、恥かしながらもメルヘンチックな気分にひたれます。日本のごちゃごちゃしたダサい街並みを忘れましょう。そしてすすんで癒されましょう。これはそういう映画でした。 
[CS・衛星(字幕)] 7点(2007-04-18 23:31:49)
214.  かもめ食堂
これはドロップアウトした人たちの物語でした。彼女たちがうらやましい。ふつう、あんな意味不明な理由でフィンランドに行きますか?しかしこのバカらしいまでの彼女たちの行動力にわたしは感動すら覚えます。普通はこんな真似はできません。なぜなら、わたしたちは、家庭があって仕事があって、常になにかに縛られて生活している。そして時間がなくて忙しいという理由をでっちあげて「やりたくてもできないのだ」と自分に言い聞かせている。でも、疲れてしまって、どうしようもなくなってしまったら、無責任になって、なにもかも放り出して、ちょっと行方不明になってみるのも、楽しいかもしれません・・・・・。これは、まさにドロップアウト疑似体験映画です。今やる気十分でバリバリ仕事をしている人が観てもピンとこないかもしれませんが、時間に追われる毎日に少し疲れと疑問を感じている人が観たならば、そこからなにかヒントが生まれてくるような気がします。 私たちは生活を維持していくために、歯を食いしばって毎日働いていますが、かもめ食堂の女性たちの「働く」という意味はちょっと違う。彼女たちにとって「仕事」とは、好きな人と毎日会ってぺちゃくちゃと話をするための口実です。なんて魅力的なのでしょうか。 人間は、やろうと思えば、なんだってできる。疲れきってノイローゼになって追い込まれて自滅するくらいならば、思い切ってドロップアウトしよう。世界地図を広げて、目をつぶって、さあ、指を指してみましょう!この映画をみて真似した人も多いのではないでしょうか?私もやってみました。北朝鮮でした。 
[CS・衛星(邦画)] 8点(2007-03-26 19:28:55)(笑:4票) (良:2票)
215.  ウォーク・ザ・ライン/君につづく道 《ネタバレ》 
ジョニーキャッシュと一番目の妻ヴィヴィアンとのあいだに生まれた娘さんは、自分の母親が映画の中で公平に描かれていないと反論しているそうです。私が不思議に思ったのは、娘と妻を捨てて愛人の元に走ったジョニーが、なんで映画の中で美化されているの?と感じたことです。ひどいのは、まるで正妻ヴィヴィアンが夫を捨てたように見せかけているところです。その理由はあえて言いませんが映画関係者の利己的な考えがあるらしいです。ジョニーが家の電気を止められてしまったのは慰謝料をがっぽり請求されたからじゃないの?(関係ないけど歌手のポールの慰謝料は60億円!自業自得ですが、こういう馬鹿な男から慰謝料をもらっても女性の受けた傷は癒されません) しかし、いま不倫で苦しんでいる女性がこの映画を観たら、別な見方をするかも?「わたしもいつか、ジューンのように妻の座を勝ち取ってみせるわ!」と元気が出たりして(笑) 不倫というのは難しい問題です・・・。男にとってはたんなる浮気でも女性にとっては真剣な恋。 私はジューンの幸せを心から願いました。そのジューンを演じたのがウィザースプーン。この人は常にあらゆる女性の希望の象徴です。でもジョニーキャッシュの人間性に吐き気がしたほうが自分としては大きかった。いっておきますがジューンとジョニーのセックスシーンは一度しかありませんから誤魔化されやすいですが、彼らは友達同士から結婚したのではなくて愛人同士から結婚したということです。 
[CS・衛星(字幕)] 1点(2007-03-10 20:47:37)
216.  モーターサイクル・ダイアリーズ 《ネタバレ》 
「旅行もの」としても純粋に楽しめました。彼らの旅行はかなり無謀。それは猪突猛進的な旅行であり、若者特有の怖いもの知らずの行動であり、歳をとって過去を振り返れば「若気の至り」という言葉で笑ってすませることもできるような体験なのでしょう。少し呆れたのは何度もバイクで転ぶシーン。学習能力が足らないですね。彼らが旅行する道は、道とは言えないところばかりだったから、逆によかったのかもしれない。もし日本のかたいアスファルト道路であんなに転んでいたら即死です。無茶な運転ですが、あの様子からも、あふれ出るエネルギーをどうしていいか分からない若者らしさが出ていたようにおもいます。旅行中は、雪が降ってきたり、台風でテントが飛ばされたり、大雨が降ってきたり、灼熱の砂漠を歩いたりと、わざとらしいくらいに、ありとあらゆるシュチエーションが用意されていたのが笑えました。不安と期待が入り混じった本当の旅行の楽しさを味わうことができる映画だとおもいます。今の日本のように道路も整備されて、バスも電車も車も何でもあって、そのうえにカーナビまで揃っている現代では便利な旅行はできるでしょうが、便利であるがゆえに何か寂しい気もします。この映画をみて本当の旅行の楽しみを実感できました。  
[DVD(字幕)] 7点(2007-03-09 23:35:06)
217.  サイレントヒル 《ネタバレ》 
いやぁ、楽しかった!これは生死を越えた奇跡の母娘の物語です!神を愛し魔女をでっちあげ、そして仲間の連帯意識を高めようとするサイレントヒルの住民たちは、ドッグヴィルの村人たちと似ていると感じました。最後にリーダー格のおばはんがアレッサに復讐されるシーンは、控えめながらに言わせていただくと、もっと苦しんで殺してやればよかったと感じたのは私だけ? 子役のジョデルフェルランド嬢は素晴らしかった。舌が噛みそうな名前ですが、2歳ですでにデビューしている天才少女らしいです。覚えておいて損はないでしょう。この子はアレッサの善のこころが生んだシャロンと、彼女の憎しみが生んだ死神の一人二役を見事に演じていましたね。とくに死神の時の顔の表情がすごくいい。メイクで怖そうにみせたり、悪ぶっていましたが、やはりかわいさは隠せない(笑) 死神は憎しみの塊のような存在ですが、強がっていても繊細な一面もありました。そこが切ない。 それと母親のローズは偉い!化け物を相手に彼女は一歩もひかずに我が子を取り返そうと走り回る。その姿に感動しました。それにしてもローズの夫は本当に使えない奴だ。サイレントヒルのなかにいて我が子を取り返そうと戦っている母親と、サイレントヒルの外にいてオロオロしている父親の姿が対象的にえがかれています。子供にとって母親は神であり、父親は用なしということか? 実の母親に裏切られて傷ついたアレッサの良心(シャロン)を、あたらしく母親になったローズが癒してくれた。 私にとってこの映画は絶対ハッピーエンドだ。 
[DVD(字幕)] 9点(2007-02-27 19:27:42)(良:3票)
218.  嫌われ松子の一生 《ネタバレ》 
フェリーニ監督の映画「道」に登場していたジェルソミーナと松子が似ていると思ったのは私だけでしょうか。松子の持つトラウマは、体の弱い妹のみが父から溺愛され、彼女自身は愛情を受けず育てられたために極端に自己評価の低い人間になってしまったことです。松子は完全にアダルトチルドレン。彼女がどうしようもない男ばかりを好きになってしまうのも、「どうしようもない人間だからこそ、私がいなかったらこの人は生きていけない」という思い込みがあったからだと思う。つまり松子は他者に必要とされることでしか自分の存在意義を見出すことができなかったのだと思います。ザンパノに対するジェルソミーナの想いもそれととても似ている。どちらも重度の「共依存」だと考えます。 ・・・・・。松子は1人ぼっちが寂しくていつも他人を求め続けましたが、そんなのは基本的に2人になっても解消されるわけないんですけどね。 2人になったら今度は2人ぼっちじゃないですか・・・。誰にとっても人生は寂しいものです。しかし最後にとうとう人を求めなくなった松子をみて、松子らしくないと感じて悲しかった。ラストシーンはやはり「道」を思い出します。松子に暴力を振るい続けたヤクザ男は松子が死んだことを知ってショックを受ける。その姿はザンパノの姿と重なる・・・。 
[DVD(字幕)] 8点(2007-02-12 21:13:16)(良:1票)
219.  フライトプラン 《ネタバレ》 
面白い!これは母親の物語でした。娘を見失った母親が必死になって我が子を探す。わめく、泣く、怒鳴る、威嚇する、とにかくみっともないジョディー・フォスターを意外な思いで眺めていました。しかし最後になってようやく彼女の演じた「母親」がとても母親らしかったことに気がつきました。一般的に母親というのは「いい人」ではありません。極端なことを言えば全世界が滅びようとも我が子だけは救い出そうと考えるのが母親の本能なんだと思う。だから母親は仏教の世界では餓鬼地獄に落ちると言われたりもする。ジョディーが演じた母親は、乗客たちの安全よりも、とにかく娘のことを最優先に考えていた。その自己中心的な姿に共感する人は少ないと思いますが、私はこれこそ真の母親の姿だと感じる。反対に「男」という生き物は、いつも世間体ばかり気にしてカッコつけようとする。今回のジョディーは、本能をむき出しにした母親を演じていたように思います。そこに偽善が一切ないのが好感が持てる。まわりの迷惑を一切考慮せずに停電騒ぎをおこしたり、逆ギレしてアラブ人を犯人扱いにしたり、謝りもせず、お礼もいわず、ひたすら「娘~~!!」と叫びながら鬼気迫る形相で、善人の機長に食ってかかる母親はもちろん「いい人」じゃありません。乗客全員から悪意のこもった拍手をされているシーンが特に印象的です。しかし彼女は悪びれる様子もなければ自分の行っている行動に微塵の疑いも持っていない。それは「ははおや」だからです。全世界を敵にまわしても我が子を守ろうとする強い意志を感じました。私はそこに潔さを感じる。最後に殺す必要も無い犯人を爽快にぶち殺して、さっぱりした顔で娘を抱いて出てきた母親をみたとき、私は呆れるよりもむしろ感動してしまいました。いやはや痛快です。これぞ母親!これぞジョディー・フォスター! 
[CS・衛星(字幕)] 9点(2007-02-12 20:56:58)(良:2票)
220.  グエムル/漢江の怪物 《ネタバレ》 
グエムルがどんな殺され方をしたかというと、アメリカ軍が散布した枯葉剤をイメージさせるオレンジ色の毒性のガスをかけられて、もがき苦しみ、そのあとに頭上に灯油をかけられて、アーチェリーの火の矢で目を射抜かれ丸焼けにされ、最後は口の中に鉄の棒を突っ込まれてお陀仏(おだぶつ)である。これじゃ集団リンチだ。私は素直にカタルシスを得ることができなかった。 家族愛よりむしろ憎悪だけが目立つ。家族は娘を救出しようとして失敗した。したがってグエムル退治は単なる復讐劇であり、娘を救うための戦いではなかった。 やはり映画の中で娘のヒョンソを殺したことは許しがたい。「君たち、ヒョンソが死んで意外だったでしょ?」と、監督はさぞかし得意げに笑っていることだろう。さすが社会派監督。冗談じゃない。激しい憤りを覚える。 ヒョンソの魅力は母性だと思う。小さな女の子であるにもかかわらず、駄目オヤジを見るまなざしや、男の子をぎゅっと抱きしめる姿は聖母のような神々しさを感じる。彼女は母親から見捨てられ、駄目パパ1人に育てられた。しかしぐれる事もなく、まっすぐに育つ。いつかは実の母親とも対面したいと願っている(と、想像する・・)たぶん結婚願望も強いだろう。 そう思うと娘1人守れないソン・ガンホのへたれオヤジぶりにも怒りがわいてくる。ヒョンソが生きていることを説明するのに携帯電話を口の中にいれるパフォーマンスをしたときはイライラも最高潮に達する。いくら無垢な男でもあまりにも脳みそが足りない馬鹿だ。別な見方をすれば観客にそう思わせるだけソン・ガンホは見事にヘタレオヤジ役を演じきったとも言えるのだが、今回はそれを褒める気力もわかない。あげくのはてに、わけの分からない身寄りのいないガキを、死んだ娘の代替品として育てようとする・・・・。このオヤジ・・お前が一番最初にくたばれや!と素直に思った・・・。グエムルが怪物ならソン・ガンホは怪優。演技とわかっていてもそれが許せない。 
[DVD(字幕)] 6点(2007-02-06 21:20:41)
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