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黒猫クックさんの口コミ一覧[この方をお気に入り登録する

プロフィール
コメント数 791
性別
自己紹介 猫と一緒に映画を見ていると、ヤツらは私より先にコイツはクソ映画だというのを察知します。ストーリー展開や伏線回収が怪しくなってくると席を立ってしまうのです。だけどそんなおっちょこちょいな映画にだって良いところはいっぱいあるんですよ。
猫のヤツらは冷酷です。

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201.  男はつらいよ 口笛を吹く寅次郎 《ネタバレ》 
寅さんをほとんど見ていないのだけど、子供の頃この竹下景子が出て来る本作を見て、あのラストシーンのあの切なさと言ったら。見ていて寅さんがどちらに転ぶのか、何となくわかっているのにどこかでそれを否定してしまう。 でも、あのまま寅さんがくっつく姿もまるで想像できないんだよなあ。邦画の良さが大爆発している。
[地上波(邦画)] 9点(2012-05-01 03:08:35)
202.  チェブラーシカ(1969) 《ネタバレ》 
子供向けでかわいいチェブラーシカをやっと観ることが出来た。 単純に観ると味わいがあって、どことなく寂しくて、小さな世界がすべてのこの世界には優しさが溢れていた。ワニのゲーナは誰にでも優しくて、だまされたりもするけどそのことを決して怒したり憂いたりしない。込められた寓意が心地よい。  細かく観ていくと、ソビエトの国力の衰退が始まっている時期であることが伝わってくる。体制批判と取れるような、何もない事への嘆きや国土の汚染、欧米からの略奪者を思わせるハンター、働かない大人などをそこここに散りばめている。 かなりきわどい描写であろう事が窺われるが、これが現存して資本主義圏の国で楽しまれている事から想像するにソビエト型の社会主義というのはすでに不可能であることが見通されていたのかもしれない。  でも、そんなことは置いておいて良い。チェブラーシカの可愛さにそんなことはどうでも良くなってしまう。ゲーナに可愛がられ、子供らしい甘えを楽しむ彼を見ていると暖かい気持ちになる。そこに流れるロシア民謡のようなあの曲が、疑いを持たずにあるがままを受け入れた生涯を送った、たくさんのソビエトの人たちのことを想って切なくなった。
[地上波(吹替)] 9点(2012-05-01 02:52:31)
203.  ぼくのエリ/200歳の少女 《ネタバレ》 
うげぇ。これしか出てこない。 意図的にハーフスピードで区切られているとおぼしき間は、この映画の映像と様式を人間の世界にない美しさに昇華させて、そこに置き去りにしてしまった。  いや、違うな。置き去りにされたのはむしろ私の方で、この映画が一人で高い遠いところに行ってしまったんだと、見終わってから気づく。美しい情景に、凄惨な殺害が重なっているその場面に視線を保っていられなかったのは私。酷い有様になった死体が引きずられていく時だって、対比もせずに美しい世界は美しい世界のまま死体が引きずられていく。 この世界に嫌悪感と恐怖感を覚え、そこに近づくことが出来なかった。  美しい少年と少女の愛情は、何世代にもわたって何人にも引き継がれ続けていくのだろうか。それとも社会の高度化とともに彼女と彼女が愛した人間の居場所は消滅してしまうのだろうか。その寂しさをかみ砕けないまま、エンドロールが始まり私は黙りこくってお茶を口にすることしかしなかった。  だからホラー耐性、スプラッター耐性が低いとこう言う映画は全く楽しめなくて損をする。うわぁ気持ち悪い。
[DVD(吹替)] 4点(2012-05-01 02:28:13)(良:1票)
204.  ビー・バップ・ハイスクール 高校与太郎哀歌 《ネタバレ》 
なんじゃこりゃあああ。 これはマジでやばい。ほとんど意味がわからない。おもしろさが全くわからない。 高校生でヤクザ映画を置き換えたとかそういうことなのかな。それが面白いのか?わからない。時代なんだろうな、きっと。  気になって仕方がなかったのは、中山美穂の前歯。なんか前歯が奥の歯と生えてる位置の高さがあっていないように見えて目が笑顔に釘付けになってしまった。差し歯なのかな。  ちなみにこの監督、デビルマンの監督だよね。これよりもさらにヤバいデビルマンにたどり着くサーガはすでに20年の歳月をさかのぼって幕を開けていたのですね。 映画の神なんて居ないんだ。もし存在していたらこれをその力をもって阻止したはずだから。
[DVD(邦画)] 2点(2012-04-30 05:11:33)
205.  きかんしゃトーマス劇場版 魔法の線路
うわあああああ。もうね、俺たちのトーマスを返せと。 この実写パートが許せねえ。アレックボールドウィンの無駄遣いじゃねえか。 もっとトーマスを出せトーマス。
[地上波(吹替)] 3点(2012-04-29 19:42:48)
206.  ルパン三世 DEAD OR ALIVE 《ネタバレ》 
モンキーパンチ的な作画にちょっと感動した。 ファーストシーズンのような固めの絵に、心躍ったがそれは長く続かない。 ストーリーが年に一回のテレビムービーのようで、全然新しさが無かったからだ。  カリオストロを後にした、泥棒としては焼きが回ってしまった1968年のルパンではない、年を取らないルパンの方にはどうも違和感を感じてしまう。キャラクター原案をしたモンキーパンチは、ルパンのキャラクター造形に一つのこだわりがあるようなのだが、自身が作り出したかつての大泥棒で荒くれだったルパンはここにはいない。 アニメ版のルパンを作るために、ルパンに詳しい漫画家をお招きして、アニメ版の雇われ監督としてそれ以上のことはしてもらわなかった。そういう雰囲気だったのが残念。  作り出したルパンというキャラクターをテレビアニメが育て、育てた者達の手を離れ制御不能になりかけたルパンに、宮崎駿と大塚康生がそっと幕を引いた。育てた彼らは道化や猿回しの猿になっていくルパン達に我慢が出来なかった。 その結末に納得がいかなかったのか、それとも元の、昔のルパンにもう一度会おうとしたのか、モンキーパンチは奮闘したけれどうまくいかなかった。  大人の事情って怖い。
[DVD(邦画)] 6点(2012-04-29 08:29:11)(良:1票)
207.  その男、凶暴につき
もうどうしようもなく凄い。 怖い。ちっともすっきりしない。腑に落ちていかない。 何でこれはこんなにも映画の定石を外そうとするのか。でも凄く映画している。 凄いリアルで、気持ち悪さすらある。  何も得る物なんかないんだけど、これを観てがんばれる気持ちが沸くわけでもないんだけど、でもなんか凄い物を観たって言う、体験ができる。これはテレビじゃ得られない。
[ビデオ(邦画)] 8点(2012-04-29 08:25:38)
208.  オーバー・ザ・トップ 《ネタバレ》 
もう何年も前、学生の頃にボーッと眺めていたテレビで流れていたこの映画に、思わずめちゃくちゃ感動しているのだった。  自分にはもう何もない、そういう気持ちで生き続けていた。家族の元にいられなくなった彼の中にあるのは、妻と子供だった。取り返しのつかない過去にもがいて、生きるか死ぬかを決める最後の賭に出る彼の心境はどのようなものだっただろう。 画面の中で、自分の惨めさにつぶされそうになるホークを見ていると胸がつぶされそうになった。ハッピーエンドに心が洗われ、彼の人生をやり直せるだけの大きな何かを手にした彼の手には、お金ではないもっとしっかりした物が握られていた。  この後、彼らの人生がすさんだりしないだろうかと本当に心配している自分にちょっと気恥ずかしさを感じたりしたが、誰にも言わないでそれをそっと心の中にしまって記憶のなかに置いてある。直球で語られる良い映画だったが、それを真っ昼間に放送する12チャンの懐の深さも相当なものだ、と思う。
[地上波(吹替)] 8点(2012-04-29 07:59:22)
209.  カンニング・モンキー/天中拳 《ネタバレ》 
78年。この年、アフガニスタンではイスラム原理主義者の武装蜂起が起こった。 共産政権に反旗を翻したテロリストたちは、瞬く間に全土を制圧しソ連との泥沼の戦争を繰り広げることになる。 80年代の終わりまで続くこの戦いが存在した時代の正義は「ソ連以外なら何でも良い」と言うことで世界中が即断した。してしまった。この甘さが、21世紀をとんでもないところに向かわせてしまうのだったが、このころの誰もがそれを知らない。  80年代、僕らがほんの子供だった時代に、日本では2人の少年が泥沼の戦いに興じた。彼らは互いに自分こそが正統であると主張し、その正しさに疑いを差し挟ませることをしなかった。 「おい、お前。俺こそがカンフーの達人、ジャッキーチェン様だ」 ボ、ボボーとインチキ臭い構えを取ると、彼に相対するもう一人のジャッキー様がボボッとさらにインチキ全開な珍妙スタイルを見せつける。 ものすごいゆっくりな攻防をお互いの特殊効果音で飾る。暗くなり始めると、 「今日はこれくらいだな、明日吠え面かかしてやるぜ」と石丸博也の口まねをして家に帰るのだった。  お互いが家に帰ると彼らが目にするニュースにはしっかりアフガニスタンの事が報道されていたのだが、もちろん全く目に入りはしなかった。 「こんなのジャッキーなら一発で解決だよな」 なんてセリフは一瞬で忘れてしまったりしたのだが、この後映画の世界ではジャッキーではなくランボーが解決してしまった。  容赦なく時が過ぎて二人は学校の帰り道、 「ランボー、スッゲエよな」 「やっぱ機関銃がタマンネエよな」二人はうなずいた。 そうやってカンフーマスターのジャッキーは少しずつ記憶から消えていき、スタローンやヴァンダムのようなアクションスターのワンオブゼムになっていった。  激動の時代に、のんきなカンフーマスターを演じていたジャッキーに憧れていた二人の少年はあの時代の不安定の脈動を後に知ることになったが、それと同時に偉大な達人を忘れていってしまった。  僕らは大切な何かを、永遠に忘れてしまいそうになる。それでも時々何かのきっかけで目にするマスターに、敬意を表してボボーと構えを取る。鏡の中のポーズは、あの頃となんにも変わらない珍妙なスタイルだ。あのともだちも、きっと時々自分の姿にがっかりしているに違いない。そんな友情がこの映画には詰まっている。  ほんとか?
[DVD(吹替)] 6点(2012-04-29 06:55:06)
210.  GANTZ:PERFECT ANSWER 《ネタバレ》 
いや、かなり面白かったし。なんていうか、邦画のSFとしては相当な懲りよう。 画的にも演出的にも前作とは一線を画すというか、全然カテゴリーの違う物になってた様に感じた。アクションにも進歩が見られたが、その分一対一になると急にポーズ取ったり待ったりおしゃべりに興じたり、ロボットアニメの様になってしまうのが気になった。  たえちゃんとの親密な関係と禁欲的な抑制は巧くバランスされていて、作品全体の中での立ち位置としてやれるだけやった感じが効いていた。青年誌的なセックスや投げやりさといったエッジはすべて落とされていたが、これを入れたがためにバラバラになるという危険を冒さなかったのは正解だったと思う。  また、話の大きさを前作の続きの範囲にとどめたのも大正解。いろんな星人を出すことで話を薄くする方向を選ばなかったのは英断。その分弟の生活が描かれていて、いつ帰ってくるかわからない兄のためにショートケーキを作り続けると言うのが泣けた。すぐに腐ってしまうであろうショートケーキを用意するのは大きな負担だっただろうが、玄野と多恵ちゃんが支えたのだろう。プロットを作中で説明しすぎない事でじわっとくる。意外と細かいことをやってくるので驚く。  しかし、なんでたえちゃんが標的になったのか腑に落ちず気になった。GANTZメンバー同士が殺し合ったりしている間にも星人が生き残っているのはわかっていたはずなのに、たえちゃんを殺すことで星人を抑えることが出来るという理由がよくわからなかった。ガンツが壊れてたという設定だろうか。見終わってから気づく分には巧くだまされていいのだが、見てる途中に何で?だった。やはり星人を迎え撃ってから、彼女を殺して生き返らせる選択肢は無かったのだろうか。どちらかというとだまし切れると判断したのだろうと邪推してしまう。  後味の悪い落ちも良くて、日本のSFとしては秀逸なできばえではないだろうか。問題点も多いが、どこが問題なのかがはっきりしているためここから日本のSF映画が始まる可能性を秘めている予感すらある。もちろん予感だけで終わるのも邦画の得意技ではある。
[地上波(邦画)] 8点(2012-04-28 02:18:02)
211.  ショーガール 《ネタバレ》 
ヴァーホーベン。本気出しやがった。 後に「なぜSFや特殊効果を多用した映画を撮るかって?英語が苦手で会話劇が作れないからだ」 的な事をインタビューで語った。しかし、その割にはこの作品は非常に心情表現がうまくいっている。さもアメリカの象徴であるかのような世界はヴァーホーベンのいつものにおいがぷんぷんしているのが不思議ですらあった。  で、この映画の見所である「ちょっと勘違いが入ったアメリカ」だ。なんというか、セガールが撮った新宿のようなそこまで行くと経済的に成立しないだろ的なショービジネスになぜかリアリティを纏わせる。 ちょうど我々が「こんな日本は日本じゃない。ふざけてんのか」と日本を描くハリウッド映画に対して抱く感情に似た感情をアメリカ人も持ったらしい。 しかし、彼らの場合は敬意をもってヴァーホーベンをラズベリー賞グランドスラマーとして迎え、スピーチまでやってのけてしまう監督に拍手喝采を送った。  ここに合致度にしか目もくれない日本の観客と、映画そのものをどうとでも楽しむアメリカの観客の決定的な違いがある。作らせる側も観る側も底の深さが決定的に違うのである。  ここまでのことを書いておいてなんだが、褒めてはいない。
[DVD(字幕なし「原語」)] 7点(2012-04-27 17:04:47)(笑:2票)
212.  ねこタクシー 《ネタバレ》 
動物物を文芸風にきちんと作った映画は珍しい。あるようでそんなに無い。 結構しっかりした作りに見入った。  偶然御子神さんによって繋がりが正しく強く作り上げられた家族の話や、人生との繋がりを初めて感じるその父親といった純文に近いテイストのストーリーに好感が持てる、と思ったら原作があった。目の付け所が良いなあ。  御子神さんじゃなかったらこの家族はこうならなかった。御子神さんじゃなかったらこのようなドラマは生まれなかっただろう。そう思わせるからこの話は成立している。 それだからこそ、ねこ小説に必須のあのラストの味わいが良い。邦画ならではの後味はやみつきになる。この後の彼の生き様を想像すると胸が痛くなるが、あれほどの思い入れを持った人生の一部を捨てる事と、そこに居てももう二度と得られない隣人を待ち続けることは、徒事としてしまうには様々な苦悩があったはずだ。そこに焦点が当たる事は無かったけれど、馴染む事は無いかもしれない新しい生活はきっと彼を優しく守ってくれると思う。  観る人自身を映す結末は最後のページをめくったときの感覚そのものだった。
[DVD(邦画)] 8点(2012-04-22 17:09:22)
213.  4デイズ 《ネタバレ》 
そう。こう言った問題提起。 プロ市民的な道徳。商業的な道徳。社会を無視した自己完結的な道徳。全てが怪しい。  この映画には、作品自体にトリックが掛かっている。 それは、登場人物以外には道徳もクソも無いのであって、どのような手段で得られた平穏であろうとその大切さに価値などと言う概念は無いと言うことだ。ここに出てくるヒューマニティは作り物だ。人間は、見殺しにした見ず知らずの人間に対しての罪の意識で壊れる生き物なのだ。目の前のテロリズムに対するヒューマニティでは救われない生物だ。  Hが自ら凶人を演じ切り贖罪を引き受けると言い、テロリストとの戦いを続けたにもかかわらずその場の雰囲気に流されてしまった。通常兵器の居住区への誤爆でさえどれだけの火力があるか、どれだけの死傷者がでるのか、どれだけの人が悲しむのか。爆発するまで思い出せない。それが人間だったりする。  だから、ラストショット。ブロディが子供を抱えて自己憐憫に酔う様を見たとき、吐き気に似た憎悪を覚えた。リアルで絶妙。現実であれば、この後彼女はこれまで人類が経験したことの無い罪の重さに耐えることは出来ない。これほどで有れば事後の罪の重さで決めるしか無いのだ。  難しくない。凶人の命と正常な社会に生きるそれ以外の全ての人類の命は等価では無い。視野狭窄なヒューマニティに対して映画という媒体で手をつけたという意味で非常に意義のある作品だと思う。こう言った問題にはプロ市民が積極的に介入しようとしているが、プロ市民が口出しできる分野では無い、と言うことは様々なテロ事件で彼ら自身が身にしみているはずだ。だが、ホモサピエンスである彼らにも実装されているはずの精神機能が作動しないのは何故なのだろう。見せかけのヒューマニティはより多くの人を殺し、それにすがった者の精神も壊すはずなのだが。  ちなみに、米国内では『ジュネーブ協定で』拷問は禁止されている。この作品、そういう意味も含まれている。いろいろなメッセージがいろいろなセリフで発せられている。
[DVD(字幕なし「原語」)] 8点(2012-04-21 17:06:54)(良:1票)
214.  GANTZ 《ネタバレ》 
そこそこ面白かった。が、日本の映画の悪いところ全開。  まず、なんで作る側が原作とか気にするんだろう。見る側でさえ普通は熱心な読者しか気にしない。二時間しかないんだから翻案しろってば。 漫画の再現度ばかり気にする客もそりゃいるだろうけど、そういう層は合致度しか見て無くて内容全然覚えてないんだから切り捨てるべき。違う部分が出て来ると具体的な内容とか全然覚えてなくてただ作業してるだけ。切り捨てなさいって。彼らが満足するとき、それは高級な再現ドラマを見させられる映画ファンの怒りが爆発するんだから。  うまくいった話として攻殻機動隊があるが、これがうまくいったやり方とは全然違う、普通の原作再現映画になってしまった。高級仮装大賞とも言う。 見終わった後、すぐにコンビニで総集編を買って漫画を読んでみた。そこそこ面白かったからだ。だけど漫画の田中星人編の迫力の方がおこりんぼう星人編より迫力がある。致命的だと後から気づいた。  相対的な問題なのだが、本がこれだけ迫力があるのに、予算の都合からか画が絵に負けてしまった。こういうことが起こらないために、単なる再現は止めた方が良い。所々で出て来る不自然な流れはやっぱり漫画のコマを再現しようとしていた。再現できなくて削った部分はタダ削られたり変更されたりでがっかり。  全く未知の人にはそこそこ楽しんでもらおう。ファンにはこのくらいの再現度で許してもらおう。という感じではないだろうか。 未知の状態ではそこそこだった。原作が好きになってみると邦画じゃしょうがないと思っている。全くの日本的な事情にため息が出る。
[ビデオ(邦画)] 6点(2012-04-21 04:21:17)
215.  100,000年後の安全 《ネタバレ》 
なかなか良かった。2011年だが、震災前の映画。 この映画で問題提起をした人たちは詰めの甘さに臍をかんだのではないだろうか。最終処理場をテーマにし、いつか漏れる。ということにスポットを当てたのは当時画期的だったのかもしれないが現在においてそれはやや的外れであると感じられた。  文明がすっかり滅亡してしまった未来、次の世代の新文明がこの施設を掘り起こしてしまったら?などという事ばかりが論じられているが、今であれば断言できてしまう。こんな想定不足で検証不足なら非科学的すぎて心配してもしょうがない。  作中で以下の点が指摘されているが怪しい。 再処理を完全否定しているが、この施設が完成することよりも先に非ウランベースに乗る。こんな施設を実用化するよりよほど難易度も低い。この施設への口実と取るべきか。 ウランが底をつきる話も出ており、そのことを心配している体を演じていながら、人口増でそれに伴う廃棄物の増加を憂いている。核施設の恐ろしさばかりをあおっている。ONKALOという施設だが、見た限り岩盤を掘削してコンクリート詰めするだけの施設にしか見えない。こんなレベルの土木工事で最終処理場を作って10万年も保つわけがない。核関連の技術は今後急速にウラン脱却に向かうはずで、作っている間に廃止になるのではないだろうか。  不完全な物の告発ではなく、人間が管理している内は完璧だが未来人が開けたら心配であるというスタンスでまとめてしまったのがどうもいけない。 現在の人類は、稼働可能な非ウランベースの炉をすでに持っており、主燃料であるトリウムと同時に他の核物質の燃焼と消滅が可能で、長寿命の核種が出来にくい方式もある。方式による長短があるが、それぞれが実証されていることを素直にわかりやすく問題点も含め告発するべきだったのではと思う。  こういった心配がされた時代はだいぶ昔に過ぎ去っている。すでに既存で既知なのだ。次の世代の方式の心配を告発するべきだったのではないだろうかとも思う。 けど、限られた情報の中で良く作られていて面白かった。
[DVD(吹替)] 7点(2012-04-21 03:50:12)
216.  フランティック 《ネタバレ》 
そこそこ面白い。テレビでやってたらおすすめ。 巻き込まれるタイプのサスペンスで、とにかくヒッチコック味。80年代後半の映画なのでやや緻密さを嫌っているのが悔やまれるが、良く出来ていた。 ヒッチコックの類似作品と比べるとやはり華やかでわかりやすいのだが、それが味を損ねている。  晩年のヒッチコックがハリウッドでこけたとか言われたらたぶん信じちゃうと思う。
[地上波(字幕)] 6点(2012-04-21 02:17:54)
217.  アジョシ 《ネタバレ》 
韓国映画はバイオレンス要素がハンパではないので余り好みでは無いのだが、これはいけた。 ストーリーはオーソドックスでは有るが、キャラの造形がしっかりしており2時間しっかりぶれないので集中が途切れない。凄く上手に作られている。今まで敬遠していたため数本しか見たことが無かったのだが、これが普通であるなら日本映画よりも地力は勝るのでは無いだろうか。  日本映画は今となっては誰も求めていないんじゃ無いかと思えるような、昭和から続く独特の様式に落とし込むことが技術とされているような雰囲気があり、それが決定的に映画をつまらないものにする。この様式を外すなりやめるなりした映画が面白い場合が多い。しかし、このアジョシははじめからこのような様式が存在しないため、はじめから映画している。 日本映画は日本映画だが、アジョシは映画。この差はとてつもなく大きい。 韓流コーナーっていうのがあるくらいだから、もしかしたら韓国映画にも独特のルールがあって、これもそれに則っているのかもしれないが、日本映画のフォーマットほど歪んでは居ないのでは無いかと推察してみたりしたが、そこまで行くと邪推かもしれない。  この映画はアクション重視。このレベルのアクションは昔の香港映画やハリウッドでないと拝めない。ダンスみたいな予定調和なアクションに飽きたならこれは非常にお勧め。全盛期のセガールのような獰猛な体裁きは一見の価値あり。最終戦のリアルさは近年に無い秀逸なものだった。  腹を撃たれてこの元気さとか笑ってしまうところもあるし、ちょと残酷すぎないかとか、拳銃のリアリティがとかいろいろな部分で調整の後が見られるが、軍隊がある国の映画でその観客がそこに気づかない訳が無いことを考えると、意図的なものだろう。近接格闘がメインでそれ以外は余り考えないと言うことか。
[DVD(吹替)] 7点(2012-04-20 16:20:20)
218.  小説家を見つけたら 《ネタバレ》 
良い話。凄く良い話。 老人と少年の友情っていうのは、それだけで深みを感じちゃったりして。この話に限らず良いよな。 ページが折れてるのを見つけたウォレスはジャマールに「作者に失礼だ」っていう。ちょっと良いな。  こう言うやりとり、良いなあ。すがすがしい。
[DVD(吹替)] 7点(2012-04-15 04:20:11)
219.  トレーニング デイ 《ネタバレ》 
ジリジリと長い一日が過ぎる。誰にでも経験があるのだと思う。 こうなんだからしょうがないだろ、とどうしても腑に落ちない説明を受け、真似させられる。それがいつしか、真似じゃなくなる。  それが不正であったり、不法行為であったとしても、明らかに犯罪ではないだろうかという行為でも人はそこから抜けられないかもしれないと思えばだんだんと染まっていく。最初は屈従だったものが、ただの言い訳になって最後にはしょうがないだろうと同情までさせようとしてしまう。ただし、それが人間かというとそうではない。そういう人間もいる、と言う話だ。多くの人はこのような引き返すことが出来ない生き方を選んでしまうが、同時に多くの人はそんなはずないだろうと牙をむいて不軌をさらけ出す。  アロンゾとジェイクはその狭間を見て、お互いが決して選ばなかった方に歩を向けた人間だ。アロンゾは自分の言いなりになる追従者に支配者然とした圧力を当然のように掛けたが、ジェイクはそう考えていなかった。自分の人生とまるで交わらない人間であるという気持ちを確かなものにした。  マフィアを絡めた物語になっているが、根底に流れる人間の心理は誰の日常にも漂い得るものだ。恐ろしいのは、アロンゾのように抜けられないと思い込んで抜けられなくなるまで染まった人間は、自分の行為に酔っていることだ。端から見たら馬鹿じゃないのかと黙殺されるような事柄に恐怖感や閉塞感で他人を引きずり込もうとする。そうなる分かれ道に理由なんかない。人間の強さがあるかないかだ。  そういうわけでかなり骨太な映画だと思う。
[DVD(吹替)] 8点(2012-04-15 03:58:42)(良:1票)
220.  イーグル・アイ
驚きの既視感。 実験的とすら言える新しさの無さ。ちょっとスゴいんじゃないのかこれは。 観ながらもしかして……と思った瞬間その通りに起こる。事件事故。先入観をなくしてすら頭によぎる。  とは言え、自然さを追求している映像が結構好き。SFと言えばSFで、現代劇だがキーとなるSF的オブジェクトが最小限に抑えられていて、話のバランスが非常に良い。普段この手の映画を全然観ない人が最初に観るとしたら非常に高品質だと思う。  話そのものは可もなく不可もないのだが、製品としての作り込み度は相当に高い。
[DVD(字幕なし「原語」)] 6点(2012-04-15 00:24:54)
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