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なんのかんのさんの口コミ一覧[この方をお気に入り登録する

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2221.  ゾディアック(2007) 《ネタバレ》 
主人公の漫画家ギレンホールの言う「とにかく犯人の目を見てこいつだと確信したい」っていう気持ちに、こちらも同化する。最初の事件のなんともいやらしい車の動きぶり、あれだって覆面しているようなもので、それ以来ずっと、こういうことする奴はどういう顔してるんだろう、いう興味がつのっていく。容疑者リー・アレンに警察が会うシーンが、この映画で一番ドキドキした。やってることはどうってことないんだけど、こいつかもしれない、こいつでないかもしれない、そういう宙ぶらりんの気持ちのまま、こいつかもしれない容疑者の顔を見つめることの緊迫。こういうシーンで映画としての充実を覚えたのは珍しい。この映画、犯人の分析や事件の社会へ与えた影響などにはあまり関心を示さず、犯人に関心を示した人たちへの関心を持ち続ける。ラストに主人公が犯人(というか濃厚な容疑者)の目を見つめるシーンが置かれるのも、その流れだろう。首尾一貫してはいるが、これだけの長尺を持ちこたえるには、ちょっと物足りなくもあった。
[DVD(字幕)] 6点(2008-02-05 12:23:35)(良:2票)
2222.  色彩幻想
画面に縦線が出てきて、それがそよいだり、きらきら輝いて砕けたり、遠退いたりする抽象画アニメ。言ってること分かってもらえるかなあ。「ファンタジア」にちょっとアイデア似てるのあるけど、ずっとデリケート。最も純粋な映画とは、って考えるとき、必ずこのノーマン・マクラレンのアニメが思い浮かぶ。この人には、動かないアニメ「灰色の若い牝鶏」という傑作もあって、空がいつのまにか野原になり、月が卵になり、それらが星になり、と画面が静かに変容し続ける世界。動きの美としては「パ・ド・ドゥー」というこれまた傑作がある。洒落た感覚の「ドッツ」。「隣人たち」は人間のコマ撮りアニメ。「いたずら椅子」での物体への感情移入。「天体」では、奥へ奥へと向かう前後の動きを平面のスクリーンで表現する。映画を一番音楽に近づけた映像作家だろう。/「天体」(フィルムセンターで上映されたときの邦題)は本サイトに登録されている「球の配列」とたぶん同じだと思うが、こちらにまとめて書かせてもらった。
[映画館(字幕なし「原語」)] 9点(2008-02-04 12:25:56)(良:1票)
2223.  ここに泉あり 《ネタバレ》 
納得半分、反発半分。納得は、岡田英次の脇に小林桂樹を置いたことで、これが適度に批判者の役を持ち、いやらしさを緩和させている。一つの文化に接触させる機会を地方に与えるというのは、悪いことではない。ただそこに中央から周辺への啓蒙という意識が加わると、どうしても反発を感じざるを得ない。山奥の子どもたちに「彼らもあのまま木こりで終わってしまうんだなあ」などと上から憐れむような態度を見せられると、それは違うでしょ、と思う。楽団員たちが聞けない美しい音(たとえば小川紳介の「ニッポン国古屋敷村」で出来たての炭がたてた澄んだ響きのようなもの)が確固としてあるわけだ。地方で生まれ地方だけで充足している文化というものがあるわけだ。中央的なものを地方に広めることが文化活動のすべてであってはならない。中央の山田耕筰を連れてきて「オーケストラの少女」をやらないと映画が終わらないところに、都会人の作る良心的社会派映画の弱さがある。
[映画館(邦画)] 6点(2008-02-03 12:22:34)
2224.  パリ、ジュテーム 《ネタバレ》 
18もあると、短編集というより俳句集で、なんだかよくわかんないうちに、え、これだけ? で次に移ってしまうのもある。何だったんだろう、と考えてる暇はない。ということで、けこう疲れる。私は途中で休み、二度に分けて見た。記憶に残っていることを列挙すると、1移民の話が多かった、今現在の切実な問題なのだろう。2チュイルリーを描くのに、ずっと地下鉄の駅構内ですますコーエン兄弟の皮肉。3ムラカミの小説は、ああいったニュアンスで受容されているのか(ムラカミの小説だったら、男が内心で「やれやれ」と言うところ)。4パントマイムのやつで「一緒にしないでくれ」と叫ぶ同囚に笑った。5イライジャ・ウッドは「シン・シティ」といい、暗いイメージがけっこう合う。6豪華配役陣ではジーナ・ローランズの貫禄が一つ抜けている。7ラストのおまけで、全体がオムニバスからアルトマン的群像劇にも見える仕掛け。8これを複数人で見た場合、見終わってから一つずつ思い出していくゲームができると思った。最後の方まで出てこないのは、あれかあれか。
[DVD(字幕)] 6点(2008-02-02 12:23:57)(良:1票)
2225.  ことの次第
フィルムを待っているそのけだるい時間そのものを楽しめばいいのかもしれないし(映画撮影チームの話なの)、不意に飛び込んでくる松の根っこや、夜の荒れた海なんかとてもいいんだけど、でもとうとう映画の中の時間に溶け込めないで終わってしまった。物語を語ると生命がなくなってしまう種類の映画なんだろうが、でもそれなら物語の代わりになるものがあるのかってこと。はたして後半は映画で表現することだったのだろうか。言葉の「意味」と音楽の「無意味」の間にある、映画という芸術の難しいところだ。パンする画面と一緒に左へ去っていくタイトルと、びっくりするぐらい低空で下りてくる飛行機が、印象に残った。
[映画館(字幕)] 6点(2008-02-01 12:12:45)
2226.  女番長 野良猫ロック
タイトルでは和田アキ子のほうが梶芽衣子より先だった。和田の演技力によっては女番長シリーズを考えていたのかもしれないが、彼女には歌に専念してもらうことにして、梶芽衣子の野良猫ロックとしてシリーズ化したということか。でも今見ると主人公はどちらでもなく、70年の新宿そのものだ。開発中の西口がたっぷり見られる。ガスタンクまで見通せる広大な空き地、工事中のとこってすぐ子どもの遊び場になっちゃうもので、もう藤竜也はじめみんなで走り回って遊んでる気分。オートバイとクルマの追っかけで、地下道や歩道橋を走り回るの、今じゃOK出ないだろう。いっぽう東口はサイケな気分、モップスにオックス、あとひとつ知らないGSも登場し、そのグループが歌ういかにもあのころのセンチな響きが、恥ずかしくも懐かしい。そうそう、虚無感を漂わせて話を終えるのもこのころの流儀だったっけ。ボクサーのコーチ役が青木富夫、かつての突貫小僧だ。
[DVD(邦画)] 5点(2008-01-31 12:19:00)(良:1票)
2227.  ガートルード
昔、日本語字幕なし・あらすじの配布なし、という厳しい条件下で鑑賞した。この人の映画はいつもそうだけど、照明がまだらで、室内なのに木洩れ日の下にいるような奇妙な世界になる。人物は闇の中から立ち現われ、闇の中へ消えていく。幽明の世界とでも言うんでしょうか。そのなかで登場人物たちはなかなか目を合わせない。向かい合ったときは切り返しになって、同一画面の中では向かい合わない。一人が一人を見てると、見られているほうは正面を向いていることが多い。なんか小津みたいだが、ぜんぜん質感が違い、環太平洋の温帯と北欧の空気の差か、こちらははるかに冷たい。終わりのほう、実際は向かい合っていても、女のほうが鏡に映っているために、画面では二人が並んでいる格好になる。それぞれが相手を背景にしてしまい、孤立してる感じ。なにせ言葉が分からないので、そんなことばかり見てましたっけ。
[映画館(字幕なし「原語」)] 6点(2008-01-30 12:17:56)
2228.  魂萌え! 《ネタバレ》 
シニア料金にとうてい見えない風吹ジュンをあえて使った、って意図は分かる。寂しい笑顔をやらせると右に出るものがない人で(次点が樋口可南子かな)、林隆三の目に映る「自信なげな慎ましい奥さん」像にピタリなわけ。で、そういう彼女の内側から徐々に胎動してくるものを描けたら、そりゃ成功だったんだけど、どうもそうは思えなかった。内側からというより、付け焼き刃で張り切ってしまってるって印象なの。中央線での窓外への凝視なども、私には段取りが弱いように感じられた。空回りした果てにどうかなっちゃう第二幕が来るのかな、と思ってしまう。風吹ジュンはテレビドラマ黄金期に、倉本聡・向田邦子・山田太一の三大ライターに重宝され、しばしばドロドロから一歩引いたところで生きる女性を好演してきた、その記憶が強すぎるのかもしれない。役者が芸域を広げようとするのは大事なことだが、どうしてもその人のニンという限界はあるもので、加藤治子・三田佳子が出番は少なくても強烈な印象を残すのに対し、これは風吹ジュンの役どころではなかったのではないか。そう思うこと自体が、ホラ林隆三の目になってる、って言われると返せないんだけど。この世代の女性を主人公にした映画が作られたことには大賛成。
[DVD(邦画)] 6点(2008-01-29 12:24:43)
2229.  インド行きの船 《ネタバレ》 
原作ものでベルイマンは脚色だけなんだけど、登場人物たちが恐れに支配されている、すっかりあの人の世界。自分の生に忠実であろうとすることからくる他者への過酷さ。愛人と外国に行こうと思っていることを妻に淡々と告げる船長も船長なら、妻は妻で、旦那の失明が決定的になって自分の保護下に置かれる時を待っている。せがれは父親の圧倒的な支配を恐れ、また自分の背骨の曲がり具合が他人の目にどう映るかを恐れている。せがれと船長の愛人が舟遊びをするシーンの、水のきらめき、空の雲、風車、清潔だけどなにか希薄な世界の美しさが、唯一ホッとする場面。でクライマックス、せがれが潜水しているとき、父親の船長が潜水服へ空気を送っていたポンプを止めてしまうところが怖い。ポンプを押す手が次第にゆっくりになっていく、あたりを見回すと誰もいない、ドライヤーの「吸血鬼」を思わせるシルエットがついに動きを止める。人が魔になる瞬間を、圧倒的な静けさの中で説得力を持って描ききった。
[ビデオ(字幕)] 6点(2008-01-28 12:15:01)(良:1票)
2230.  悲しい色やねん
私の日記によると『小林薫と藤谷美和子のとこだけ面白い。藤谷がピューッとお酒とばしてビール瓶で殴られるところのみ唯一緊張してた。森尾由美の「そ~れ~ま~で~」でシラけちゃった(まったく似合わない彼女が緋牡丹まがいに賭場で仕切ってるシーンの記憶)。マットーな人が一人も出てこないってことで、かえって森田の世界が空回りしちゃったのか。繰り返される水面上を滑るカットが森田好みって気もするが、この人は基本的には室内シーンが多い映画のほうがいいのかもしれない。江波杏子(ヤクザの親分)は男に見えなかった』そうだ。
[映画館(邦画)] 5点(2008-01-27 12:25:34)
2231.  カンバセーションズ
青春時代から微妙な距離にある30代後半。やり直せそうな、もう遅すぎそうな。青春時代はもっと大胆で、行動にためらいがなかった。だけど30代後半の男女は、行動の代わりにカンバセーションで探り合わなければならない、なにしろ二人の間には縦にざっくりと画面を分割する境が生まれているから。男は太り、女の脚には知らない怪我の傷が残り、それぞれが互いに知らないヒストリーを刻んでいる。二つに切られた画面の片方に二人がうまく納まると、今度はもう一方に青春時代の記憶が入り込んできて、現在と過去との境を際立たせようとする。その記憶も、セーターの色が変わったりと不確かなのだが。分割画面という趣向、それがすべてで成功しているかどうかはおいても、目一杯使い切ろうとしたその姿勢を褒めたい。おそらくDVDで見た人は必ず、ラストシーンをもう一度目を皿のようにして見直したと思う。
[DVD(字幕)] 6点(2008-01-26 12:19:59)(良:1票)
2232.  化石
渋味だなあ。長い長い映画を見ながら、ときに「生きる」を思い起こし(おもに仕事について考えるとき)、ときに「野いちご」を思い起こし(おもに孤独について考えるとき)、ときに「ベニスに死す」を思い起こす(おもに夫人について考えるとき)。佐分利信の芝居は、その芝居くささが重厚さを生むのに、栗原小巻・滝田裕介・神山繁の芝居くささは、ただ芝居くさいだけなのはどういう違いなのだろう。枯れるってことの利点か、新劇俳優の宿命か。フランスでの想念と日本での結末との間にちょっとズレを感じる、日本に帰ってきて少し観念性が強まったような。でもおそらくそういうことを考える映画ではなく、老年の心象風景にひたることが眼目の作品なのだろう。
[映画館(邦画)] 6点(2008-01-25 12:22:32)
2233.  回転扉
日記によるとこの映画見ているのだが、その記述をいくら読んでも思い出せない。これだけきれいに記憶から抜け落ちる映画というのも大したものだと思うので、無責任ながら記述の要点を写して記念とする。『舞台はカナダ。サイレント映画伴奏ピアニストの青春と、その孫との2つ(過去と現在)の話が並行する。彼女のスクリーンへの憧れ、ハリウッドスター的衣裳を着て、スポットライトで銀幕の前を通っていく昂然としたところ。でもトーキーになってしまう(「雨に歌えば」のようなトーキー出現での失業話が、過去のほうのメインストーリーだったようだ)。金持ちの家との確執は新鮮味なし。孫のほうの話は離婚家庭で、母と子の愛がダブってくる。祖母から孫へ一つおいた遺伝(たぶん孫も音楽をやるのであろう)がしみじみ。』当時の自分なりの評価でCになってたので…
[映画館(字幕)] 5点(2008-01-24 12:21:48)
2234.  ピンチクリフ・グランプリ
とにかく人形の動きが丁寧で驚かされる。楽団の演奏のところなど、ピアノやベースの指つかいまでが、たぶんかなり正確で、現実の演奏を記録してそれを参考にしたのかもしれない。動きが実になめらか。もっともここまでなめらかだと、着ぐるみの人間が芝居する実写と違わなくなってしまう。アニメは、本来動かないはずのものが動いてる! って驚きが基本だと思うんだけど、動きをリアルにすればするほど、その驚きが薄れてしまうというパラドックスがある。つらいところだ。CGの普及で、毎日のように奇抜なコマーシャル映像に浸かっている我々の目が、刺激に麻痺してしまっているということもあるだろう。その目で見ると、ストーリーの展開もいささか素朴すぎて感じられる。でもだからこそ、この丁寧な仕事は見ていて気持ちいい。すがすがしい。崖の上の自転車修理工という孤高の主人公の栄光を、この作品にも捧げたい。
[DVD(吹替)] 6点(2008-01-23 12:20:01)
2235.  鳳城の花嫁 《ネタバレ》 
日本初のワイド画面映画に、こういうユーモラスな時代劇を選んだということが嬉しい。あんまりカメラを動かさないですむからなのかもしれないけど。日本の時代小説には、中里介山・大菩薩峠系の暗いニヒルな主人公の流れと、白井喬二・富士に立つ影系の明朗な主人公の流れがあり、時代劇映画もそれを踏襲した。でも大きな流れとしてはニヒルなほうがやや優勢で評価も高め。はぐれものや股旅もの、さらにやくざものと、主流はニヒルになった。明朗派の傑作といわれる山中貞雄の「盤嶽の一生」はフィルムが失われてしまった。こうなれば明朗派を応援したくなる。大友柳太朗の若殿さまが江戸へ出て花嫁探しする、ってだけでもう明朗でしょ。主人公の天真爛漫さが常に映画を明るいほうへと運び、ラストでいいもんも悪もんも走る走る。爽快感がワイドのスクリーンに満ちてくる。横長の画面は、向かい合う二人をその距離ごと横から捉えられる、ってことで生き、それは後の仁侠映画で最も効果をあげることになるわけだ。仁侠映画といえば、田崎潤の役どころ、まず主人公と出会い・次に敵味方に分かれ・でも最後には一緒に悪を倒す、ってのは、やがて昭和残侠伝シリーズでの池部良につながっていく型。
[映画館(邦画)] 6点(2008-01-22 12:29:00)
2236.  越後つついし親不知
みんなでクヨクヨする映画。貧しい風土をなんとか変えていこう、ってよりは、みんなでクヨクヨしてるんだなあ、という感慨にひたることで満ち足りてしまう国民性。菜の花畑、子守りをしているときの立ち木、など回想シーンが美しいのも邦画の特徴。今しか知らない人は信じられないかもしれないけど、佐久間良子ってすごくかわいかったの、昔。石橋蓮司がセーター着た青年で登場してきたときに、場内にざわめきが起こったことを記憶している。資料によるとこれが石橋の映画デビューらしい。同じ今井監督の「にごりえ」で子役で登場し、やはり場内にざわめきを生じさせたような記憶もうっすらとあるのだが、これはあまり自信がない。
[映画館(邦画)] 6点(2008-01-21 12:11:02)
2237.  美しすぎて
設定は面白そうなんだがなあ。美人で完璧な妻がいるにもかかわらず、ブスの秘書に一目惚れしてしまう男、っての。冒頭、ほとんどのカットが移動撮影で、これもなんか面白いかなあ、って思ったの。でも、フランス映画特有の洒落っけっていうか、きっとあっちの人に言わせると“これがエスプリってやつでね”となるんだろうが、なんかまどろっこしい展開になるのね、異邦人の私には。けっきょくこの設定も気取ってみせたいためのダシだったのかなあ、とか思った。意識の流れ的なものが、どうも味わいとはなってくれず、ただいじくってるって感じなんです。素直にツーッと語れんのかね、フランス人て人種は。
[映画館(字幕)] 5点(2008-01-20 12:27:43)
2238.  市川崑物語
もしかして映像による作家論ではないかという期待を抱いて見た。作家論の本で、いろいろシーンについて触れてあっても、スチール写真が参考に掲載されているだけだと、もひとつよく分からないことが多い。動く映像には動く映像で説明してほしい、と常々思ってた。まして市川崑となれば、あのカットのリズムの秘密を、同業者に分析してもらえるかと期待する。でもそういうことやってくれないの。金田一シリーズのとこで、そのリズムだけ見せて、やっぱりすごいな、と唸らせてそれだけ。さらに「照明について多く語りあった」と証言しながら、その内容を教えてくれないのは、これはもうイジワルと言うしかない。けっきょく、うっすらと危惧していたとおりの、新犬神家公開へ向けたPR映画でしかなかった。
[DVD(邦画)] 5点(2008-01-19 12:27:40)
2239.  プロビデンス
死ぬ方法を選ぶ権利がある、という文句がキーか。それがひとつは政治的圧殺のイメージに向かい、もうひとつは主人公の病身の苦痛にもぐりこむ。この設定がどういう効果をあげているのかだが、よくわかんない。家族肉親を駒にしてストーリーを組んでいる孤独な老作家、それが「プロビデンス=神の摂理」とダブらせられているらしいんだけど、よくわかんない。狼男のエピソードは面白そうだったんだが、あれとブルジョワ論と関係があるのか、よくわかんない。ダーク・ボガードが車運転してるときの、どんよりとした家々の重さは、ヨーロッパだなあ、としみじみ思った。
[映画館(字幕)] 6点(2008-01-18 12:13:08)
2240.  無理心中 日本の夏
この映画の大島モチーフとしては「通り魔」がひとつあるけど、もひとつ「西洋人に対する日本人」てのもある。大島作品に登場する西洋人は、しばしば弱者の形をとって現われる。「飼育」と「戦場のメリークリスマス」では、捕虜だった。黒船以来、西洋に対してコンプレックスを抱き続けてきた日本人の前に、西洋人が弱者として置かれたときの日本人のとまどい、みたいなものが描かれた。遠巻きに眺めたり、かえって居丈高になったり、どうも普通にコミュニケーションがとれない。まあそれは西洋人に限らず、大島にとってのもう一つの重要な外国、朝鮮半島の人々に対してもそうなのだけど。で、この映画のアメリカ人通り魔をどう捉えればいいのか。社会からあぶれていた日本人連中が、日本人を殺してきた通り魔にすり寄っていく心理、どうもこのすり寄りは強者の殺人鬼に対してというより、警察に追いつめられた弱者ゆえのようなのだ。ここらへんの屈折がうまく生きて、強者と弱者が立場を入れ替えながら作る輪がもっと大きく広げられたら、この映画、重要な作品になったかもしれない。暑い夏の夜の熱気に包まれた戸田重昌のセットが重厚、田村正和が美少年で笑える。
[映画館(邦画)] 6点(2008-01-17 12:23:54)
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