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221.  何者 《ネタバレ》 
原作既読。なので、最後のオチもわかってたし、拓人の常にケータイいじってる動きを気にしながらの鑑賞で、これは原作読んでないほうが楽しめたかな、とは思った。ただ、それでも楽しませてくれたのは実力派が揃った俳優さんの力。90分という短い上映時間ながら、全員「見ていられない」ヒリヒリした緊張感に溢れていて、就活中の4人が部屋に集まったところで「もうやめておけ」感満載だった(ほめています)。菅田くん演じるコータローの無自覚に人の劣等感を煽る感じとか、二階堂さんの演じるリカちゃんのとにかくイタくて残念なところとか、有村さんのミズキさんの過剰なまでの「フツーさ」「凡庸さ」とか、一見美男美女揃いの「リア充」面々なのに、その背後にある「悪意」をそのまま形にしたようで凄い。岡田くんの何事にも中途半端すぎる痛さもいい。それと比べると、佐藤くんの拓人は難しい役どころだったと思うけど、佐藤くんの「受け身」な演技でなんとか応えていたと思うし、ラストの少し前に進む感じは素晴らしかった(そこで流れる主題歌もいい)。ただ、登場人物全員に「これは自分だ」と思わせる要素がある一方、それぞれの内面を丁寧に描くというよりは類型的に突き放した表現(とくに学生演劇の場面の多用)のおかげ(?)で、そこまで感情移入するわけでもなかった。むしろ、見ている側の感情が宙ぶらりんになって行き場を失ってしまう感じは、三浦大輔監督の手法なのかなとは思うけど、個人的にはもう少しじっくり見たかったかなと思う。もう少し違う表現方法で、120分の少し長めの映画でも見てみたいなと思った。
[CS・衛星(邦画)] 7点(2017-03-05 13:35:24)(良:1票)
222.  イコライザー 《ネタバレ》 
同じバイオレンス系アクションでありながらも、『エンド・オブ・ホワイトハウス』と同じ監督とは思えない、静かでスタイリッシュな本作。名優デンゼル・ワシントンの起用は大正解で、静かな所作を積み重ねても「ただ者ではない感」満載の冒頭のシークエンスから、最後のロシア・マフィアとの対決まで、独特の緊張感を携えたデンゼルの目の演技は、「サイコなのにいい人」という独自の領域を切り開いてしまったと思います。そして、その笑っちゃうくらいの無敵ぶり。敵役のニコライもけっこうヤバいやつであることが次々と描かれて、これとマッコールが対決したらどうなる・・・と思わせて、あっさり完勝してしまう完全無双。ただ、ラストのホームセンターの対決では、同僚を人質に取ったことが全く活かされていないのはちょっと残念。この辺は、前作『エンド・オブ・・・』でも露呈したフークア監督おなじみの詰めの甘さ。あそこでマッコールを追い込みながら、きっちりとしたロジックで逆転する様を描ければ、アクション映画の新しい傑作になったと思う。
[CS・衛星(字幕)] 6点(2017-02-16 13:26:22)
223.  イミテーション・ゲーム/エニグマと天才数学者の秘密 《ネタバレ》 
まさに佳作。面白かった。見所はやはりエニグマ解読後の葛藤。非情な決断の背景にある、自分の計算でより多くの人を救えるという天才ならではの自信と、少しずつ人間味を増しつつあった主人公のエモーションのあいだの揺らぎをしっかりと演じたカンバーバッチに拍手。3つの時間軸が交差する展開を混乱なく見せる脚本と演出も、派手さはないけどとてもよかったと思います。ラストシーンで資料を燃やす暗号解読チームの姿をバックに、チューリングは「自殺した」との字幕が流れますが、その前のホルモン剤投与によって、身体的・精神的な安定だけでなく、天才的な頭脳のひらめきも失っていたこともしっかりと描かれていて、「国家」によって彼は「抹殺」されたと言ってもいい。それはナチスの同性愛者への迫害に等しい、国家の罪であるという怒りとメッセージも明確に伝わりました。ただ、難点は解読までのプロセス。やはり暗号解読の「ロジック」、なぜクロスワード・パズル名人が暗号解読に向いているのか、といった部分の論理的な裏付けや説明が端折られていて、何が困難で、チューリングのチームの発見の何が凄かったのか、がわかりにくかったところでしょうか。そういう論理的な面白さを期待して見たら、セクシュアリティ描写も含めて、思ったよりもエモーショナルな映画であった、という感じです。
[CS・衛星(字幕)] 7点(2017-02-05 17:44:57)
224.  俺たちニュースキャスター 《ネタバレ》 
コメディにしては、1970年代のサンディエゴというマニアックな舞台設定だけど、男性中心の職場にやってきたキャリア志向美女をめぐるあれこれという展開はこの設定だからこそ笑えた(現代でやったら寒すぎる)。ラストのクレジット後のシーンが象徴するように「こんな時代があったんだよね」というちょっとほろ苦い絶妙の雰囲気で包まれた、でも徹底的にバカな映画。出色は、各放送局のアンカーたちのバトルロイヤル!これぞカメオ出演の手本というべき、思わずニヤリとしてしまう大物俳優の使い方が素敵! ルーク・ウィルソンも、ベン・スティラーも、ティム・ロビンスも楽しそう。燃える男、駆ける馬、ふっとぶ腕など演出もぶっ飛んでます。そして動物園のシーン、政治的に「リベラル派」として知られるティム・ロビンス演じる、これまたリベラルな志向の公共放送局PBSのアンカーにあんなことを言わせる&やらせるなんて! 風刺とおバカが絶妙にミックスしたSNL出身のアダム・マッケイ監督とウィル・フェレルのコンビだからこその楽しい90分でした。
[CS・衛星(字幕)] 7点(2017-01-28 21:09:45)
225.  バクマン。 《ネタバレ》 
原作未読。内容的には「好きなものは好き!」というど真ん中の青春映画だけれど、大根監督らしい一筋縄ではいかない映像表現や役者さん達の好演もあって楽しめた。とくにプロジェクトマッピングのようにマンガの絵が映り込む執筆シーンは出色。こうゆう工夫で、「マンガを書く」という行為が躍動感にあふれててとても魅力的だった。あと、小松菜奈さんがまさに「少年マンガのヒロイン」的魅力全開で、大根監督が「モテキ」でも見せた演出力がうまく働いていたと思う。ただ、少年ジャンプ的な「友情、努力、勝利」をあくまで大肯定するストーリーには乗り切れず。その「犠牲者」となったおじさんと同じことをしようとする主人公にはちょっとがっかりした。もちろん、おじさんとの違いは「仲間がいた」ってことなんだろうけど、命を危険にさらしてもマンガを書き続けることを、「狂気」としてではなく「友情、努力、勝利」の美しい象徴として描いてしまうのは、やっぱり恐ろしいセンスだと思ってしまう。せっかく「少年ジャンプ文化」のメタ批評にもなりうる題材だったのに、結局はベタな賞賛としてまとめてしまったのはちょっと残念。エンドロールが、「少年ジャンプ文化」に対するとっても優れたオマージュでもあったことは、自分もジャンプ最盛期に夢中で読んでた世代なのでよくわかる。だけど、この物語が描く「少年ジャンプ」的なものを「懐かしい」の一言で表現できない程度には、自分はつまんねー大人になってしまっということなのだろう。
[CS・衛星(邦画)] 6点(2017-01-25 16:54:00)(良:1票)
226.  マネー・ショート 華麗なる大逆転 《ネタバレ》 
面白かった。サブプライム・ローン問題についての最低限の知識と関心があれば、ついて行ける作りにはなってる。これをみれば、そもそもリーマンショックに結びついた金融バブル自体が、「今日ある繁栄は明日も続くはずだ」「みんなで言ってるんだから、そうに違いない」という非科学的な思い込みが、「事実」から目を反らして問題を先送りする制度をつくり出した結果であるというのが、本当によくわかる。そして、その「事実」に気づくのは、どこか現実世界になじめない人びとだったというのも面白い。とくに、スティーヴ・カレル演じる、善悪の判断にはこだわるのに空気を読まない偏執狂的モラリスト、マークのキャラ造形はお見事で、初登場シーンでは「絶対友達にはなれない」と思ったのに、最後にはその人間らしい表情に心を打たれてしまうのだから、映画って面白い(クリスチャン・ベイルのマイケルは僕には現実離れしすぎていたけど)。あと、金髪美女や国際的スター(笑)に金融問題を解説させるなどの面白い仕掛けも、重く難しくなりすぎない工夫として評価できる。でも、この映画の本当にすばらしいところは、現実問題に直接対峙しない、癒着と腐敗で凝り固まった金融業界を批判しながらも、主人公たちの「成功」が数百万単位の人たちの「破滅」を意味するという「大不況」の恐ろしさをしっかりと描いているところ。ブラピにそれを指摘されて思わず固まる若者投資家や、自分の予測があたったのに沈痛なマークやマイケルの表情、そして何よりも家を追われる人びとの映像などが、この映画が描いたのは「華麗なる大逆転」なんかじゃなくて、責任をとるべき人たちが取らない(取れない)金融業界の仕組みと、なぜこんなことが起きてしまったのか、という社会派ど真ん中のテーマだってことを物語ってる。いや、単にサブプライム問題だけじゃなく、根拠のないまま希望的観測だけで問題を見過ごしてしまう、いまの時代が背負ってる雰囲気(日本の少子高齢化とか、原発問題とかもそうだ)を描ききった映画だったと思う。だから、コンゲーム的なものを連想させる邦題は本当に最悪です。配給会社は猛省してほしい。
[CS・衛星(字幕)] 8点(2017-01-22 18:19:44)(良:3票)
227.  君の名は。(2016) 《ネタバレ》 
気にはなっていたけど映画館まで足を運ぶほどではないよなあということで、飛行機のエンタメサービスで鑑賞。それでも映像の美しさは十分にわかる出来でした。新海監督作品としては「ほしのこえ」以来。「ほしのこえ」はSF設定に純愛メロドラマ的すれ違いを直結させる手腕にちょっと関心した覚えがあり、その要素は今作も健在だったものの、背景でガンガン流れるJ-Popのせいか、より「作品」というよりも「商品」になったなあという印象でした。というか、こうゆう話にドキドキできない程度に、自分はおっさんになったことを実感して、中学生くらいで見たらハマっただろうなあと思いました。あと、残念だったのは、「東京」対「地方」のわかりやすすぎる二項対立の構図。たとえば、「岐阜」と「東京」のあいだには、「名古屋」という中途半端な大都市があって、三葉があこがれる程度の都市生活はそこでも可能なんだけど、「故郷」がなくなった途端に、みんな「東京」に住んでる、っていう設定には、「おいおい、日本には「東京」か「田舎」しかないのかよ」と、愛知県の田舎出身者として感じた次第でした。これは、地方出身者のつまらない愚痴でもあるんですが、同時に、この映画が描いている「日本」のどうしようもない「薄っぺらさ」でもあるように思うのです。消滅する側は地方であり、東京は地方出身者を抱え込んでますます大きくなる。地方は都会人をほっとさせるノスタルジーとしてのみ存在する。たとえば宮崎駿みたいな人たちが格闘してきたものを、いとも簡単にスルーして、この構図をためらいもないまま物語の軸として置けてしまうあたりには、「作品(work)」ではなく「商品(product)」なんだと感じた根源があるように思います。あと、完全に蛇足ですが、上白石さんの声はとてもよかったけど、一瞬息継ぎをしてからセリフを話すアニメ独特の発声法、かなり苦手です。
[CS・衛星(邦画)] 5点(2017-01-08 12:26:26)(良:4票)
228.  ローグ・ワン/スター・ウォーズ・ストーリー 《ネタバレ》 
自分は「スピンオフ」というのはあまり好きじゃない。映画はやっぱりその作品内で完結するほうがいいし。だから、マーベルとかの最近の展開はあまり歓迎していない。というわけで、「ローグワン」もあまり期待しないままというかネガティヴな先入観のもとでの鑑賞でした。で、鑑賞後の感想は、「好きじゃないけど、悪くない」というものでした。「好きじゃない」部分は、やはり自己犠牲モノになってしまっていること。「大義のために死ぬ」ことを美談として感動的に描くこと自体、好きではないし、この作品では命を賭けてまで取り組んだミッションへの動機が弱いので、なおのことその死への盛り上がりに頼っているように見えてしまう。別に1人くらい生き残ったっていいんじゃないかと思うんだけどなあ。逆に「悪くない」というのは、おなじみのスターウォーズの世界のなかで、今作限りのオリジナルキャラクターたちが出会い、チームを作って、戦う、という一連の流れが思ったよりよかったこと。EP7ですら、ハンソロやチューバッカの存在感は大きかったし、EP1-3だったらヨーダやオビワンらの存在が物語の軸にあった。この作品でも、ダースベイダーなんかも出てくるけど、あくまで「ゲスト」扱いに徹して、物語の軸は、ローグワン部隊とあの中間管理職のクレニックのあいだの戦いにあったのがよかった。というわけで、スピンオフの利点をそれなりに活かしながらも、結局はその設定先行によって残念な展開になってしまった、という感じ。
[映画館(字幕)] 6点(2017-01-05 00:06:52)
229.  ゴーストバスターズ(2016) 《ネタバレ》 
オリジナル作品ははじめて映画館で見た洋画という個人的な思い入れもあったこの作品だけど、勝手にオリジナル版の「続編」(前作の事件があった後の世界を舞台にしている)だと思っていたので、前作の話はなかったものとしての1からのリブートだったことにちょっと戸惑った。4人の主要キャラはどれも個人的には好感度高いけど(個人的にはエリンが面白かった。ホルツマンは期待しすぎた)、それぞれの絡み合いが今ひとつ楽しくないのが残念。あと、前作キャストのカメオ出演もリブート作品としてはペースが乱れるだけで、あまり意味がなかったような。マシュマロマンの中途半端な登場やら、変にオリジナルを意識させるのに、話自体は関係ないというのは、なんというかちょっとしたストレスだった。最新技術で再現されたゴーストが、完全に現代風CGではなく、かつての「SFX風味」を残していたのはプラス。ただ、そのせいもあって新味はなく、オリジナルなファンにとっても、新しい観客にとっても、総じて「誰得?」な状態だったのが本当に残念。
[CS・衛星(字幕なし「原語」)] 4点(2017-01-04 23:45:39)(良:2票)
230.  運命じゃない人 《ネタバレ》 
「アフタースクール」がよかったので、いつか見たいと思っていていたのだけれど、やっと見られた。予備知識ゼロ。冒頭の失恋した者どうしのちょっとダルい出会いエピソードから、探偵視点の第2幕に入って途端に転がり始める展開は本当にお見事。まさか、あのオープニングで最後に現代ヤクザの悲哀の物語になるとは思ってもみなかった。この方の映画の凄いなあと思うのは、これみよがしではない絶妙な伏線の張りめぐらせ方。たとえば、宮田くんのガッツポーズ脇を通り過ぎるクラウン。意識するほど見たわけじゃないけど、どこか意識下に残ってて、それで後半のヤグザ視点になった瞬間に急に意識上に現れて、あーっそうだったってなる。別に前半を1シーンも見逃さないぞという意気込みで見る必要は全くない。フツーに物語を楽しんでいても、意識しないうちにどこかで引っかかってる程度の絶妙さ。そんなシーンが2幕から3幕にかけて続けて登場するのが気持ちいい。登場人物に感情移入したり、エモーショナルに盛り上がるタイプの映画ではなく、キャストが弱い分脚本の技巧的な部分ばかりが目立ってしまうのが少し気になるけど(その点では「アフタースクール」のほうが好きかな)、限られた予算とキャストでこれだけやれたら十分。楽しませていただきました。
[CS・衛星(邦画)] 7点(2016-12-26 10:44:06)(良:1票)
231.  清須会議
某大河ドラマを見ていたので、かなり混乱してしまったけど、それはまあこちらの事情。某大河ドラマで三谷時代劇に慣れたこともあって、思ったよりは楽しめた。ただ、こちらはオールスターキャストが完全にあだになってる。劇中、役名ではなく役所広司と佐藤浩市と妻夫木聡とかおなじみの人たちが、おなじみのコメディ演技でなんかドタバタ言ってるようにしか見えない。そのなかでちゃんと「秀吉」だった大泉洋は見事。この人で本当にこの映画は救われた。秀吉の狡猾さ、人間的魅力、エネルギー、名古屋弁(笑)まで、正直こんな作品にはもったいないくらい、しっかりと演じていた。某大河とのギャップも吹き飛ばす快演でした。三谷さんの映画的演出力の欠如はあいかわらずで、会議や根回しのシーンの会話劇は面白いのに、あいだに挟み込む蛇足シーン(「旗取り」やら走る滝川一益やら)でテンポを崩し、大勢が決したのにダラダラ続くエンディングなどは、豪華キャストに見せ場を1人ずつ設けろという契約でもあるのかと思えるくらい残念だった。
[CS・衛星(邦画)] 5点(2016-12-26 10:03:15)(良:1票)
232.  青天の霹靂 《ネタバレ》 
導入のマジック&一人語りから立て続けに大小の不幸が襲い、父の写真を手にするまでの序盤の出来は秀逸。「生きる」ことの意味を失う気持ちに見事に感情移入させられます。ただ、タイムスリップ後の展開はベタすぎてちょっと・・・。結局、主人公は、それから何が起きるかを知っていても過去を変えようとするわけでもなく、ある種の「傍観者」になってしまうのが残念。この展開だったら、タイムスリップなくても過去の母親の日記を見つけるとか、そういう展開でも十分成立しちゃうわけだし。あと、柴咲コウのキャラが美人でいい人過ぎて場末の劇場に似合わなさすぎ。ビンタ癖はそのへんを補ってのことなのかもしれないけど、マジシャンの助手の段階ですでにオーラありまくりで、ちょっと不自然過ぎた。とはいっても、この映画で感心したのは、劇中の「ぺぺと陳さん」のマジックコントが本当に笑えてしまうこと。芸人を描いた映画って肝心の芸が面白そうに見えないと本当に悲惨なことになるのだけれど(音楽映画とか芸術映画でも一緒だよね)、その点、あのマジックコントは大泉洋と劇団ひとりのキャラにもあってて本当に面白そうだった。その説得力は、芸人出身の監督さんでもなかなか難しいはず。そういう意味でも、劇団ひとり監督の次作もちょっと楽しみです。
[CS・衛星(邦画)] 6点(2016-11-24 00:01:52)
233.  エンド・オブ・ホワイトハウス 《ネタバレ》 
大ざっぱな勢いだけで最初から最後まで押し切ったアクション映画。ここまで「伏線」というものを無視した映画も珍しい。冒頭の自動車事故、ホワイトハウスに詳しい息子、妻との小さなすれ違い、大統領夫人を救えなかった主人公、主人公と現役シークレットサービスとの微妙な関係、「私がコードを言わなければいい!」(笑)などなどの要素はほとんど全く顧みられず、それを示唆したり想起させるシーンもほとんどないまま、とにかくその場の思いつきの行動ですべて進んでいく。過去の事故はテロとつながっているとか、息子は絶対どこかで人質になりながらも事件の解決の鍵になるとか、最後にどうやって大統領からコードを聞き出すのかとか、そういう積み上げられた問いの斜め上をひたすら突き進みます。冒頭のホワイトハウス侵入シークエンスからして、ほとんど正面突破に近いやり方で、ある意味、ここにこの映画の全体のトーンが集約されていたのかも。また肉体派で行くんだったら、たとえばテロリストの殺され方にいろんなバリエーションを用意するみたいな工夫もあってもよかったと思うけど、それもなし。それでも何とか見られたのは、わかりやすい敵役さんの好演とジェラルド・バトラーの容赦ない殺戮マシーンぶりで映画に「勢い」があったから。観客もそれに巻き込まれるように映画の世界に入れればいいけど、途中で何か疑問に思い始めると耐えられなくなる、そういう映画です。
[CS・衛星(字幕)] 5点(2016-11-20 22:43:29)(良:1票)
234.  闇金ウシジマくん Part2
原作未読。ドラマ版は一部のみ。ドラマ版だと若手俳優の演技力に難があって続けて見てられなかったのですが、この映画版は、若手の実力派の俳優を擁して、しっかりキャラクターを作り込んだあたり、ドラマでできなかったことを映画でやる利点をしっかり活かしていたと思う。菅田君、門脇さん、窪田君の3人はもちろんですが、この映画で一番輝いていたのは、やっぱり愛沢役の中尾君。ガキギャングを引き連れるクズ暴走族崩れで、物語上も最悪のキャラなのに、なぜか憎めず、チャーミングですらある。ウシジマの「俺は愛沢のことが大好きなんだぞ」というセリフ、まさにそのとおりでした。ただ、前作同様、全体の尺が長いしダレる。とくに最後の物語を収束させる一連のシーンに15分以上かかっているのはやっぱり説明過剰。五円玉のエピも重ねすぎてくどい。ワンショットの映像やセリフ1つだけでことの顛末を伝えるのはドラマ版でもできていたのだから、映画版でもそのストイックさは残して欲しかったと思います。
[CS・衛星(邦画)] 5点(2016-10-16 12:00:12)(良:1票)
235.  闇金ウシジマくん 《ネタバレ》 
原作未読。ドラマは一部見たことあり。映画版だからといって、無駄に派手な展開を入れ込まず、カネで転落する人たちの地味な群像劇に徹しているのはマル。ただ、アイドル出身の女優さんの起用は逆効果だったような。大島さんの演技は悪くなかったけど、この物語の魅力は、どん底まで落ち込んでもう行き場もなくなった人たちの人間模様にあると思うので、落ちるところまで落ちずに中途半端なところでこらえてしまうミコの話はやっぱりイマイチ。その物語的な中途半端さが、アイドル女優さんの起用が理由だったとすれば、それはキャスティングする側の問題でしょう。一方の林君がよくがんばっていただけに、この対比は残念。あと、ドラマではテンポよく進む話が、映画になったとたんに停滞気味になるのもマイナス。この内容で2時間越えはダメでしょう。片瀬さんも完全な蛇足。ドラマ版できれいに退場していたのだから、再登場は全く必要なかった。
[CS・衛星(邦画)] 4点(2016-10-16 11:43:40)
236.  マネーボール 《ネタバレ》 
本作自体が、劇中で実践されるマネーボール理論の産物のようにも見える。チームの絆とか、精神力とか、スター性とかではなく、「データ」で野球を変えた弱小チームの物語。だから映画としても、徹底したアンチドラマ、アンチクライマックスの作りで、主人公が自分の気持ちを叫んだり、誰かと熱く抱擁したり、チームが一致団結して困難に立ち向かう、的な描写は皆無です。主人公は、野球をちゃんと見ることはできないし、もう大丈夫かと思って球場にいったら11点差を追いつかれるという「もう、野球と関わるのやめたら?」と思ってしまう経験もして、チームと団結することもないし、監督(フィリップ・シーモア・ホフマン!)とも和解しないし、結局はチームの誰からも(さらにファンからも)感謝されない。唯一評価したのは、金満球団の1つレッドソックスという皮肉。ラストの「パパはおバカ」「本当に自分は野球を楽しんでるのか?」と娘の歌ににじむ涙は、GMという仕事の本質にこだわった男の誇り(だからレッドソックスのオファーは断るわけだし)と、それでも感じてしまう虚しさの両方を描いた名シーンだと思います。そのあたりは、人間の二面性・両義性を描く名人監督ベネット・ミラー&脚本アーロン・ソーキンだからこそできた名人芸でした。そして、本作最大のパラドクスは、この映画の主演・プロデュースが大スター俳優ブラッド・ピットであること。その矛盾をブラピ自身も理解していて、だからこその抑えた名演技だったと思います。この作品で注目されたジョナ・ヒルやクリス・プラットのその後の活躍を見れば、この作品が、ブラピという巨大な矛盾を抱えながらも、出塁率の高い才能あふれる俳優たちで作られた優れたアンサンブルであったこともわかります。
[CS・衛星(字幕)] 8点(2016-09-19 12:20:17)(良:2票)
237.  シン・ゴジラ 《ネタバレ》 
久々のゴジラは想像以上の迫力で、映画館で見て本当によかった。一番インパクトがあったのは、正体不明生物が上陸して、最初に全体を晒すシーンで現れる、目玉ギョロギョロの珍獣。その前のヒレや尻尾のチラ見せで煽られていただけに、その瞬間は「え・・・これ・・・何?」とこっちも目をまん丸に(あと、石原さとみの初登場シーンもみんな口あんぐりだったかも)。いい意味で期待を裏切られつつも、その後の使徒ばりの変態過程はお見事で、あの珍獣がちゃんとゴジラになって、最後に火を噴くまでの変態過程を見られただけでも満足でした。一方のドラマパートの会議室描写はお見事で、ベテラン俳優のみなさんのとぼけた演技が最高です。ただ、後半のゴジラ凍結作戦は残念ながら乗り切れず・・・。なんというか世界に見捨てられた日本人がその智恵と組織を総動員して反撃っっていつの映画なのかと(しかもアメリカ特使まで「日系人」という設定)。そもそもあれだけ会議シーンがあるのに、それはすべて日本人どうしの会議。21世紀にもなって、もう一つの会議(=国際会議)が全く出てこないという、この閉じた世界観(1984年版にはあったよね)。一方には震災や原発の災厄が明らかに描かれているのに、その先に開かれるのは、細かく描写された自衛隊兵器や新幹線特攻とか在来線爆弾とかも含めたガラパゴスなオタク日本の逆襲。こうゆうストーリーにアガるのは理解できるけれども、これに熱狂していていいのだろうかという不安をどうにもぬぐうことはできませんでした。
[映画館(邦画)] 6点(2016-09-09 15:45:38)(良:3票)
238.  ソロモンの偽証 前篇・事件
原作既読。タイトル画面で原作者の名前がでてきて、なんというか志の低さに不安になる。原作でも裁判になるまでは結構好きだったので、それなりに見ることはできた。ただ、『八日目の蟬』の成功が足かせになってるのか、似たような音楽がこの話と合ってない。それから、どうにも類型的で見るに(聞くに)堪えないセリフの数々。先生たち、マスコミ関係者、そして親たち。こういう主軸になる物語の周辺的部分こそ、映像や演技で膨らましてリアリティをもたせられる部分なのに、そこが大きく足を引っ張っている。そもそも途中でふつうに終わるので、1本の映画として評価できない。前編だけを映画館で見る気って個人的にはまったくしないのだけれど、興行的にも難しいんじゃないかな。原作読んでる人だったら、きっと前編では何も起こらないってわかるし、原作読んでない人だったら怒るでしょ、こんなところで終わったら。
[CS・衛星(邦画)] 4点(2016-09-09 15:09:54)
239.  ソロモンの偽証 後篇・裁判 《ネタバレ》 
原作既読。中学生が裁判をやるっていう時点でファンタジーなわけで、あのガリ勉君の判事とか、神原君とか、みんなのキャラ設定はジュブナイル小説のノリで話は進んでいくのだけれど、扱ってる事件は中学生の自殺事件という、ある意味、連続殺人の犯人捜しなんかよりもリアルでヘビー。この辺のバランスの悪さは原作そのままというか、中学生日記的な子どもたちの演技もあって、増幅しちゃったような気がする。あと、よくわかんないところで流れる一筋の涙とか、やたら倒れたり気絶したりとか、演出面でもくどいし疑問符もいっぱい。保健室での三宅さんと母の涙の抱擁シーンとか必要? 永作さんに見せ場を用意するためにしか見えないし。ほかにも、校長先生にみんなで礼とかもくどいし、テンポも悪い。そして、最悪だと思ったのは音楽。メロドラマ調の音楽が終始流れてるんだけど、中学生主体のシーンには合ってないし、くどさを倍増させる。とどめはU2。あの曲の名イントロをもってしても、違和感しか残らない。全体として、成島監督の名作『八日目の蟬』で成功した手法を踏襲した感じなんだけど、この話には合ってない。数少ないよかった点は、前編で主人公の名前が「中原涼子」になってたことで一番危惧していた原作最大の蛇足が省略されていたことくらい。最後にその話が出てきてU2だったら0点にしてやろうと思った。
[CS・衛星(邦画)] 3点(2016-09-09 14:56:48)
240.  ワールド・ウォー Z 《ネタバレ》 
序盤の事件発生からヘリで脱出までは、家族が一緒だったこともあってサスペンス感高し。また事件の全容が見えないまま、各都市がゾンビで壊滅していく映像も見応えあり。その後のブラピの世界旅行になってからは、家族という枷が外れたこともあって、サスペンス感は減退して安心して眺められる。ここでもゾンビがお互いを踏み台にして壁を越えるという、なかなかインパクトのある映像も見られて満足。そして、終盤の研究所での閉鎖空間でのアクションは、なかなかのハラハラ感。要するに、それなりに楽しんだわけですが、全体としては、ややしまりのない大味な展開が目につく。どんな実績があるのかわからないのにみんなにやたら大切にされる元国連職員のブラピとか(でもブラピだからそれが当然にも思える不思議)、前半活躍したけど後半完全に空気になったヒスパニックの少年とか、飛行機墜落現場から腹になんか刺さったまま歩いて研究所へ行くとか、「WHO Research Facility」というあまりにもアバウトな建物の名前とか、細かい作り込みとは無縁な感じです。「ワールドウォー」という大げさなタイトルも含めて、「そういうもの」として期待せずにみれば、サスペンスやアクションの演出はうまいので、それなりに楽しめる1本だと思います。
[CS・衛星(吹替)] 6点(2016-07-30 21:59:17)
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