221. トッツィー
もう、きっちり仕事してくる演技達者なD・ホフマンと、対するジェシカ・ラングの軽やかな存在感。この対比が面白くて新鮮。ああ、太めの眉とふわっとした髪型。こんな元気印の女の子、いましたねえ。80年代を感じるなあ。 [地上波(字幕)] 6点(2011-11-02 00:39:11) |
222. 教授と呼ばれた男
《ネタバレ》 こわっ マフィアこわっ。鮮やかすぎるというか情け容赦ない人殺しっぷりに震え上がりましたねえ。マフィアの男と関係しただけで硫酸漬け・・怖いっ。絶対イタリアンマフィアとは近づかないでおこうと誓ったもんです。そんな機会ないけど。最後の細長い独房、あれが一番怖いかも。 [ビデオ(字幕)] 5点(2011-10-29 08:47:54) |
223. ポゼッション(1981)
愛嬌の無いグロ映画。漫画スケバン刑事だったと思うんだけど、ミミズ樽の中に突っ込まれるリンチシーンがあったけど、あのグロ感を実写で追体験、なんてこった。監督ど変態。I・アジャーニが線の細い病的な美貌なので、青っぽい画面にぴったりはまってたちの悪いことに美しささえ感じなくもない。観たあと昼寝して悪夢を見ました。ベタですが。 [ビデオ(吹替)] 4点(2011-09-30 14:16:19) |
224. 白い町で
南欧の光の一粒一粒まで捉えたような、美しい映像。社会不適合な男がえんえん彷徨う白い町 白い部屋 白い孤独 白い沈黙。実体がないかのように通り過ぎる妻・恋人・ホテル支配人・チンピラがゆらゆらと。会話の量の少なさにびびる。主人公の内省に付き合っているうちに私の頭も漂白されて真っ白になってしまった。 [ビデオ(字幕)] 5点(2011-09-29 16:12:12) |
225. 英国式庭園殺人事件
最初から最後まで意味がわからなかったことは確か。でも妙に記憶に残る映像美ではありました。時間を潰してもよい、という奇特な方向け。 [ビデオ(字幕)] 5点(2011-09-21 18:17:18) |
226. 黒い瞳
美しくて、哀しい。いいかげんなイタリア男に腹も立たないのはひとえにM・マストロヤンニの愛すべき憎めなさがあってこそ。「君を愛してる。嘘偽り無く心からだ。」この文言に当時ガーン、とやられたものでした。結果嘘になったとしても美しい思い出だけを残してゆく。恋上手。名優マストロヤンニの腕の冴え、鮮烈です。 [映画館(字幕)] 8点(2011-09-21 17:44:09) |
227. 恋のゆくえ/ファビュラス・ベイカー・ボーイズ
酔った、酔った。ミシェル・ファイファーの身体の線に。きらきらした彼女の腕飾りに。そして苦い大人の恋に。陶然となった。これ以前のM・ファイファーの印象は、「研ナオコ顔の女優だなあ」だったのが、突然大輪の花開いた、と言う感じ。パーティの終わった後の風船が散らかったホールの寂しい美しさ、とか音楽に加えて画がしっとりとして素敵。最後に訪れたミシェルが着ているコート、初めに登場したシーンと同じものなのですよね。細部にもセンスを感じる上質な映画です。 [映画館(字幕)] 8点(2011-09-21 00:16:47) |
228. ダルク家の三姉妹
『悲しみと退屈なら悲しみを選ぶわ』これ当時の宣伝コピーです。まんまと引っかかった気分でした。まさかこの台詞が三姉妹でなくどこぞの男の口から出るとは。はあ・・ 女の子たちの内面描写も一切ないままぽかん、としてるうちに終わってしまった。当時憤懣やるかたなかった思い出あり。 [映画館(字幕)] 3点(2011-09-20 23:43:23) |
229. 友だちのうちはどこ?
《ネタバレ》 なんともしみじみ幸せになります。向こうの国ではオトナは生活に厳しくてコドモのことなんかかまっちゃいないのですね。日本にあふれる「子供の目線に立って理解しましょう」的な育児マニュアルが阿呆らしくなってくる。大人の無理解のなか走る少年が健気でもう。石段が多くて曲がりくねった街並みとかドアを大事にする考え方とか、なじみの薄いイランの風景にも目を奪われた。夜が本当に真っ暗なんだなあ。こっちまで心細くなってくる。ラストシーン、息をつめて見守りました。先生の一言で涙がじわっ。よかった。ノートにはさんだ押し花が粋です。 [地上波(字幕)] 9点(2011-09-13 00:18:44)(良:1票) |
230. スタンド・バイ・ミー
12歳。秘密基地とエロ本で頭がいっぱい・・、だったのが自分の抱えているものがそろそろ言葉になって立ち現れてくる年頃。なにしろ役者も映像も瑞々しくて、身体の隅々まで肌水のごとく郷愁水が行き渡る。小学校への通学路を思い出す。草の匂いも雪の感触も。自分の思い出も彼らの苦悩も、まとめて抱きしめてやりたくなる。 [映画館(字幕)] 9点(2011-09-07 18:22:22) |
231. コクーン
《ネタバレ》 結局のところ「老い」から目をそらしたいだけだよな。若さがとにかく最良のものなのかな。枯れたら枯れたなりの味わいというか重さ・渋みもあるはずなのにな。例えばディスコでのシーン。老夫婦がオールドダンスを美しく踊りきって喝采をあびるのなら良かった。まさかのブレイクダンスを披露したところで、年寄りの冷や水というか逆に見世物的になっちゃうじゃないか。宇宙人に手助けしてもらって不老不死を手に入れました、と言われてもこの先歳を重ねる勇気や希望をこの映画からはもらえない。 [CS・衛星(字幕)] 4点(2011-09-07 17:32:48) |
232. グラン・ブルー/グレート・ブルー完全版
リュック・ベッソンが撮ったイルカ大好きな西洋人のためのファンタジー。ジャン・レノはこの作品はおそらく素なのだろう。ボロが出ず無難にこなしている。ほっ。ジャックはまるでかぐや姫。海のものだから最後は海に還ってしまうのね。でもさあ それなら陸の女に恋するのは掟違反だよ。R・アークエット扮するジョアンナがあまりに不憫で一言物申す。 [CS・衛星(字幕)] 6点(2011-09-05 23:44:35) |
233. 偶然の旅行者
原作が大好きなのでどうしても比べてしまうのだけど・・。アン・タイラーの小説は、確かに地味。この話が映画化されると聞いて作者本人が「あんなに何も起こらない話を?」とコメントしたほど。でも面白いんですよ。普通の人への作者の愛があふれてしみじみといい話だなあと思う。原作は。で映画、おそらく監督はまじめな方でしょう。人物も話もきちんとなぞってはいる。けどいかんせん映画として立ち上げるなら行間のかわりにプラスαが必要で、それが無い。しっとり焼き上げるためにはメレンゲを泡立てすぎてもいけない、そんな隠し技が原作にはある。んーたとえがうまく浮かばなくて申し訳ない。 [映画館(字幕)] 6点(2011-09-03 05:22:14)(良:1票) |
234. 田舎の日曜日
人々の日常が淡々と、穏やかな映像美のなか交錯してゆく。フランスの片田舎のあふれんばかりの陽光と木々の緑。しっとりした邸宅。わんぱくな男の子と金髪縦ロールの女の子。挿入される音楽はなし。時折蜂の羽音がぷん、と耳をつく。うらうらと暖かい陽射しのなかでなんと心地よい音だろう。懐かしくて美しくてみんなの午睡にいっしょに引き込まれそうな心地よい退屈。 [ビデオ(字幕)] 8点(2011-09-01 00:15:33) |
235. レインマン
《ネタバレ》 十数年ぶりに再び観ました。以前はスルーしていたアメリカの大地の広さ、美しさがこんなにきちんと挿入されていたとは。T・クルーズの芝居が大きいなあ。極めて内向きのD・ホフマンとの対照をねらってやってるのか?とはいえ、兄弟の心が交錯する場面の描き方が上手くて素直にじん、とくる。過去が現れるモーテルの洗面所だとかホテルでのダンスレッスンとか。終盤でシロップを隠した弟のいたずらをわかっちゃうレイモンド、この場面が一番好き。レイには難解な質問をあびせる医者を制するチャーリーの台詞にも泣かされた。大岡裁きみたいで。(ちょっと違う) [CS・衛星(字幕)] 8点(2011-08-24 16:52:43) |
236. パリ、テキサス
《ネタバレ》 崩壊した家族のかつての幸せの欠片を探すトラヴィス。やり直しのできない不器用な男を巡るこの話が独特の美しさを獲得しているのはハンターとN・キンスキーとライ・クーダーの音楽があればこそ。ハンターが好きだ。子供らしい駄々こねを見せたかと思うと、父親の精神年齢を超える明晰さをさらりと表したり。無駄にドレスアップしたトラヴィスを前に「ラッキーだったのさ」と友だちに何気なく言うシーン。「左だよ、パパ」と明確に促すシーン。泣けて泣けて。そしてナスターシャ・キンスキー。ぐらり、とバランスが崩れると異形の造形にもなりそうな危うい彼女の美貌が、薄暗く妖しい風俗店のミラーの中でとてつもない迫力。息を呑んだ。彼女とハンターが抱擁する場面、二人の金髪がさらさらと溶け合って、こんなにきれいなものは初めて見た、と思った。きっとこの先は大丈夫なんだ。いざとなったら、ハンターにはお父さんもお母さんも二人づついるんだし。 [ビデオ(字幕)] 8点(2011-08-21 01:17:48) |
237. 風の谷のナウシカ
ナウシカってさ 例えばクラスにいたら必ず学級委員で板書の字も書写のお手本のようにきれいなはず。でも今ひとつ冗談がかみ合わず、こちらが放った渾身のギャグも真面目に問い返されて大ケガしそうな、つまりなんか付き合いづらいひと。 [地上波(邦画)] 6点(2011-08-17 00:01:19)(笑:1票) (良:1票) |
238. となりのトトロ
田舎の景色が美しくて懐かしくて、子供の頃会っていた物の怪たちに再会できるのが単純にうれしい。難癖つける余地がありゃしません。糸井氏の声は・・もう耳に馴染んじゃったからこれはこれでいいや。 [地上波(邦画)] 9点(2011-08-11 00:37:06) |
239. インド夜想曲
《ネタバレ》 光と影の映像の魔術に絡めとられて二時間頭も身体も痺れっぱなし。じっとり暑いインドの昼の喧騒と翻ってただただ黒い幽玄のごとき夜。J・Y・アングラードの深い瞳に連れられて、青い夜光灯が点滅する夜行列車に乗ってるうちに酔いつぶれた。謎かけのようなナイチンゲールという言葉や失踪した友人のことなど、結局明かされることはないのだけど、途中からどうでも良くなってしまった。魔法にかかってふらふらだったからだ きっと。 [映画館(字幕)] 9点(2011-08-10 16:13:15) |
240. マイ・ライフ・アズ・ア・ドッグ
《ネタバレ》 宇宙で死んだライカ犬と自分を比べて心折れないようにしてる少年の心情はけなげだし、変わり者の多い田舎村の描写にも心がなごむ・・のですが。性的な部分をちょいちょい突かれるのがなんか苦手で。女の子たちがみんなやたらと積極的なのはお国柄なのかしら。サガが胸をはだけるシーンは必要かなあ なんかくどいな。メリンダちゃんは撮影嫌じゃなかったのかなあ。やたらとモテるイングマル 個人的にはこの年頃は男同士の友情をもっと培ってほしかった。 [ビデオ(字幕)] 6点(2011-08-07 23:31:08) |