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241.  トキワ荘の青春 《ネタバレ》 
 しかし、自分のやり方が通用しなくて、後から来た若者がどんどん認められてゆく状態というのは、キビシイものだ。客観的な優劣がない代わりに、人々の支持という形で現れる類のモノでは、なおさら辛かろうと思う。   そういう人が、次々と成功する後続を見つめ続けるこの物語は、タイトルがイメージさせるほど若く明るいものではない。むしろ「寺田の苦悩」ともいうべき物語に見える。…まあ、そうは言っても描写が淡白すぎて、彼がどう葛藤しているのかいないのか、分かりにくい事は事実。  そうかと言って、トキワ荘に住む若者たちの群像劇だといわれると、ちょっと視線が寺田に寄り過ぎている。   つまり、何を描きたいのかがよく分からない。正直、あのアパートで見たいものは新しい漫画のムーブメントを作った若者たちの話であって、道半ばに倒れた若者の話をではない。それをするするなら、別の素材もしくは成功側の若者を排除した視点でやるくらいの「絞り込み」が必要ではないだろうか。   それと、暗転が長い。多い。物語に無関係な、昔の写真の時間がもったいない。セリフが聞き取りづらい。
[DVD(邦画)] 3点(2013-07-24 23:56:18)
242.  首都消失 《ネタバレ》 
 理不尽で不可解な超常現象に対して、人間が右往左往しながら対峙する物語。基本的に、怪獣映画のセンスで作られているが、異常事態が発生した時の政治家たちや報道機関、安全地帯にいる一般人などを、リアルに描こうとする姿勢が見て取れ、まだゴジラシリーズよりはまともに見れる。もっとも、SCMトラックなどはメーサー砲のセンスで辟易ではある。   この東京を包み込む謎の雲の正体が、全く語られないのが逆に良かった。自然現象と説明するのは無理がありすぎるし、兵器・地球外からのいたずらや攻撃などでも規模が規模だけにウソっぽい。人間にはどうしようもない事のメタファとしてそのままで良いと思う。  電気的な特徴を持っているとか、薄い皮のような状態だとかの、雲の詳細が少しづつ分かってくるあたりは、とてもワクワクする面白さなのだが、人間の家族ドラマのほうがありきたりで、つまらない。さらに「特殊兵器」への展開には、やっぱり日本のSFなのだなあ、と思い知らされる。
[ビデオ(邦画)] 4点(2013-07-23 20:05:40)
243.  シュガー・ラッシュ 《ネタバレ》 
 こんなに登場人物に感情移入したのは、久しぶりであった。その世界で汚れ役を押し付けられて、当然と思われている男。それが職業であるのに、その為に忌み嫌われている男。  「神に選ばれてそれをしただけなのに、なぜユダは救われないんだ問題」である。  まあ、そんな重たいテーマでは、子供に見せられる映画にはならない。しかし、さすがディズニー映画、疎外する周りの人達を含めて、巧いこと着地させている。   私としては、ラルフが去りゲーム世界が成立しなくなったシーンが最高に小気味よい。世の中には必要悪というのがあるのだ、と思うよりは、この世に必要ない人なんていないんだ、とディズニー的に解釈したい。  しかし、多分この物語の一番の重要所であろう、フェリックスが嫌われた事を嘆き、以ってラルフの苦悩を知るところの描写が、ちょっと軽かったのではないか。  が、その後の大団円までの怒涛の展開が素晴らしい。うっかり忘れそうになっていたアレと彼女が、ラルフたちの物語に絡んできて、まさかのアレがそんな伏線になっていようとは…。つくづく、見事だった。   唯一気に入らないのは、ラルフの疎外についての結末で、物語途中でフェリックスと理解し合った描写はあるものの、他の住人たちに関しては、ほとんど描写のないことだ。「君がいないとダメなんだ」くらいの事を言わせても良かったと思うのだが。
[DVD(字幕)] 8点(2013-07-22 21:04:08)(良:1票)
244.  わさお 《ネタバレ》 
 自分にもネコの家族がいる身なれば、こういう動物と心通わす物語は大好きである。古くは、マリリンに逢いたいや、ハチ公物語、最近ではきな子なんて犬映画があった。どれも実在の犬の実話ベース。皆それぞれ見たくなるよなドラマがあった。  しかし、このわさお君はこれといったドラマの無いタダの人気者なので、感動ドラマを作って本人が演じたという。  その物語というのが、どうにも…。   少年の母親が大事故に合うシーン。古典的なボールの落とし方から、レースコース上でまさかの自動車事故など、色々言いたいことはあるが、もう敢えて全てに目をつぶろう。  それでも受け入れられないのは、東京から少年に会いに帰ってきた犬が、直前で彼を見守るっているだけって所だ。訳あって離れている息子を陰から見守る親、なんてのを思い浮かべる。しかし、彼は犬である。  コレと、薬師丸の飼っている犬達が、同じ生き物だと納得するのは難しい。もちろん、訓練もしていない、マタギ犬でもないわさおが、クマと戦って相手を殺すなどという話にも。  主人公わさおに関する話が、説得力皆無というのは、致命的だ。   語るドラマも無い本人と、本当のドラマを演じる別人。多くの観客は、本人よりも劇映画を見に来ているはずである。わさお君が見たい人は会いに行くべきだ。映画を見たい人は、コレではない何かを見るべきだ。
[DVD(邦画)] 3点(2013-07-15 11:38:44)
245.  拳銃は俺のパスポート 《ネタバレ》 
 いかにも何かのマカロニ・ウエスタンを参考に作った感のある、決闘映画。冒頭の音楽を聞いた時に感じたことが、クライマックスの決闘時になるほどと理解できる。…と思ったら原作あるのか!藤真利子のお父さんか!  請け負った殺しの事情などはあまり重きを置かず、主人公たちとそれを追う連中の攻防に的を絞った話がゾクゾクさせて良い。途中、アニキと一緒に逃げようと思っていた女、駿とうまくやれるといいな。  胸に仕込んだ鉄板や棺桶から出すガトリングガンに相当するヤツ、もうちょっと謎めかしても良かったかもしれないが。   ところで、画面で見た時に思ったし、セリフでも言ってるけど、コルトじゃなくてベレッタじゃん。だれがこのタイトル決めたんだ?
[DVD(字幕)] 6点(2013-07-13 22:53:29)
246.  突破口! 《ネタバレ》 
 井筒和幸がラジオで「映画の義務教育」などと絶賛していた映画。まあしかし、よくよく考えてみると放送当時公開していた、自作のギャング映画の宣伝に担がれたっぽく、その辺若干腹立たしい。本作自体には関係ないけど。   銀行強盗で得た金を持って逃げる犯人と、それを追うマフィア一味との追っかけっこ。犯罪者が逃亡に使う闇の商売に、(当然だが)ことごとくマフィアの手が回っているのを、うまくかわしながら逃げる主人公の頭の良さに唸る。  飛行機の曲乗りの設定が生きる、ラストの展開も見事。   …だけど、歯のレントゲン写真の小細工といい、名前入りオーバーオールの処置といい、まだまだ警察に追われちゃうよな。
[DVD(字幕)] 7点(2013-07-12 07:22:33)
247.  アイコ十六歳 《ネタバレ》 
 原作のアイコを研磨してすっかりカドを落とした感じがするのは、その面白さでもある、彼女の一人称で語られる若者らしい考えの数々が、映画では見えないからだろう。  その代わり、さすが女の子映画の旗手、今関よしあきによる目にも楽しい美少女たちの、ごく普通の学校生活が楽しく美しく描かれている。   その辺、方向を違えていくのかと思ったら、数々のエピソードの中から、生き死にというテーマにそって、オリジナルとして首吊り死体発見や新任教師の自殺騒動など加えながら、次第に原作通りのクライマックスへ誘う展開は巧みである。そしてそれとは繋がりそうもなかった紅子の問題も、自殺未遂教師の件で着地(完全にではないけど)させているのも巧い。   しかし、今作の最大の魅力は、なんといっても(あんまり活躍しないが男子も含めての)高校生たち。夏の強い光をそのまま反射させているような、その輝きだ。ちなみに最後のシーンは本来年末の設定だったが、映画はすべてを夏(少なくとも夏服の時期)として描いている。これも正解。若い魅力にはまぶしい光がよく似合う。
[DVD(邦画)] 9点(2013-07-11 10:46:46)
248.  大奥~永遠~[右衛門佐・綱吉篇] 《ネタバレ》 
 こんなに手当たり次第に子作りしてると、いざご懐妊という時に、誰の子?となる事必至だろうな。  一応、後継ぎの父はそれなりに地位を与えられる仕組みらしいから、結構厄介なことになると思うのだが。  ま、いいけど。   主に女性(と、男の好きな人)向けの「たくさんの若いイケメンを楽しむ」という目的で、男女逆転の世界を作ったハズのわりには、今回女将軍に選ばれる人たちが、どれもこれも田舎のにいちゃんっぽいのは、いかがなものか。いや、自分は別に構わないけど。  好意的に解釈すれば、今回の映画はそんなところに主眼は無く、堺雅人と菅野美穂のラブストーリーなのだ、と取れるが、それなら男女逆転してなくて良くないか?   この設定を生かすなら、冒頭書いたような騒動でも起こって、男と女の否応ない違いと役割を問う位しないと、意味が出てこない気がする。あっ、若いイケメンを楽しむのが意義だったか。
[DVD(邦画)] 4点(2013-07-09 10:25:50)
249.  アラモ(2004) 《ネタバレ》 
 リメンバー・ジ・アラモ。結果的に砦を見捨てて、その敵討ちに力を入れる。アメリカ人ってのは復讐に燃えるタチなんだな。日本軍は最悪な手を打ったのかも知れないな。まあ、冗談はさておき。   ジョン・ウェインのアラモよりも(多分)史実に近いのだろう、リアルなアラモ砦の物語。デイビー・クロケットはアライグマ帽を被ってないし、鹿皮服も着ていない。そしてこちらは、アラモ陥落の後、サンタアナに討ち勝ち、テキサス共和国が独立するまでを描いている。どちらかというとアラモ砦の攻防というより、テキサス独立戦争を描いている感じ。   せっかく史実をリアルに描こうとしているのだけれど、その為にと言ってはナンだが、実際に戦っている人たちの闘いにかける思いなどが見え辛いのが難点。その点はクロケットが「共和国」への期待を語る、60年版の方が好きだ。それがあってこそ、彼は夢や主義に命を懸けた戦士として見えるのだから。
[DVD(字幕)] 6点(2013-06-29 17:30:58)
250.  アラモ(1960) 《ネタバレ》 
 史実であるアラモ砦の戦いを、大胆に脚色して魅せるウエスタン大作。と言っても、アメリカの歴史などよく分かっていないのだが、おそらくクロケットがサン・アントニオに入ってから戦況が厳しくなるあたりまでは(あれ?殆どか)、創作だろう。だが、そこの所が面白い。西部劇のいろんな要素を目いっぱい詰め込んだ、「特盛り」感があり、お腹いっぱい楽しめる。上映時間が長いのは、そういった意味でのサービスの結果なのだろう。   内容的には、ヘンにアメリカの国土拡張の思惑などの政治的な部分を描かずに、男の信念と「共和国』に対する思いを、前面に出した話なのが良い。デイビー・クロケットが、子供を慈しむように共和国への思いを話すシーンは、私の大好きなシーンだ。 
[DVD(字幕)] 8点(2013-06-29 17:30:23)
251.  デンデラ 《ネタバレ》 
 アレは違う所の話で、ましてや続編などではないのは百も承知だが、どうしたって『楢山節考』を思い出す。あの、親を捨てなくてはいけなかった息子の苦悩、息子たちの負担になるまいとして捨てられることを喜んだ母の思い。そういったものが台無しになった感がとても悲しい。あれとは違う世界なのだと、自分に言い聞かせながら見なくてはいけない。   まあしかし、有名な伝説であり、後日談を書くのは自由だ。だが、いきなり捨てられた事への復讐という、期待と違う方向へどんどん行ってしまう話に焦る。姥捨ての生き残りの話なら、どう考えても貧しさと生き死にに関する話だ。  復讐譚が未遂に終わり、やっと野生動物との生き死にをかけた話になるが、はやり期待した世界観とは違って戸惑う。だが、良く考えると、熊は生きるために人間を食う。そのためにやむを得ず人には死んでもらう、姥捨てと同じ論理である。   だから、この話の中で老婆たちが熊の論理に、片鱗でも思いを巡らせたら、その上でやはり人間は死ぬ訳にはいかないと結論したなら、私はこの物語を評価したと思う。だが、彼女らは自分を滅ぼすものとして徹底して熊を悪者にしているだけだ。ある意味、草笛長老の意思通りなのだが。  その境地に至るのは我らが主人公、浅丘ルリ子だけだ。彼女は今度こそ、極楽浄土へ行くことだろう。
[DVD(邦画)] 5点(2013-06-26 17:32:35)
252.  綱引いちゃった! 《ネタバレ》 
 私たちは一人じゃないんだ。人生は団体戦だ。良いじゃないですか、このテーマに沿って、それぞれの選手たちの(人生の)チームメイトの物語が語られて、何のかんの言ってもクライマックスの試合に、彼らみんなが駆けつけて彼女らの力になる。  いい話です。それに、一本の綱にみんなで掴まるというのが、人のつながりを象徴的に表しているようで、また良いですな。   ホント言うと、チームを続ける決意の裏に「勝って給食センターがらみの件をアピール」とか、作戦があるのでは?と思ったが、そんな自分が下衆でした。  予選的なものがもう一試合あっても良かった気はするが、彼女らの試合のキモは「人生の団体戦を戦う」って所にあった訳だから、闘っている部分で終わって正解!なのだと思う。   しかし一方、小学校の運動会くらいでしか経験のない、この競技についての興味を満たしてくれるような解説を、も少し見せてくれても良かったのではないか。綱は一直線にというのは聞いたことがあるし、専用靴のカバーの件は些細すぎる。
[DVD(邦画)] 6点(2013-06-25 18:28:36)
253.  不知火檢校 《ネタバレ》 
 盲や障害者の人たちは善人だという根拠の無い思い込みを、これだけ豪快にぶっ飛ばしてくれると、清々しくもある。そして、その悪行ぶりも目の見えない事を理由にしておらず、純粋な悪意として描かれており、勝新の演技の生々しさと相まって、実に憎々しい悪党ぶりだ。  最後に自ら仕掛けた罠に、返り討ちに会うように身を滅ぼすのも気持ちイイ!
[DVD(邦画)] 7点(2013-06-22 22:14:58)(良:1票)
254.  鍵泥棒のメソッド 《ネタバレ》 
 ただの人生入れ替わり&ヤバい連中との攻防戦だけだったら、そんなに良くは思わなかった。だが、非常に臆病で不器用な結婚願望の女と、地の真面目な「殺し屋」の微妙な関係の話が、ちゃんと恋愛物語として帰結するのがウレシイ。  自殺未遂の男が、(多分)最後にもう一度頑張り直すんだろうと思わせるのも、良し。   ところでこれは何だ?と思ったら、「大人の『転校生』」なんだな。記憶喪失と出来心で入れ替わった二人の男が、自分の生き方で相手の人生を生き直す。  そして、元に戻った後の彼らにエールを送りたくなる……。
[DVD(邦画)] 7点(2013-06-19 10:20:21)(良:1票)
255.  草を刈る娘 《ネタバレ》 
 石坂洋次郎と言う人の原作映画は、イマイチ自分には面白味が判らない。何となく、古い価値観と新しいそれとの、対立や対比を描いているというイメージなのだが……。   で、原作を読んでみると、これが実に純朴な農村の若者たちの恋物語であった。確かに作中で殺される少女もいるし、その事件も未解決だが、それはこの草を刈る部落の外の話。都会帰りの青年も、縁日にモノを売りに来る男も登場しない、純粋な農村部落内での物語。いいじゃないの、これ。   さて映画版では、殺される女に余計な設定を付けて、金ばかりためている女はどうとか、それに惚れてる青年の描写の危うさなど、若干不快感を起こさせる部分もある。それが、小百合ちゃんの最後の決断に余計な「ガヤ」となっているのがイヤな部分。  イメージしていた新旧の価値観的なものは、薄っすらと存在しているのだが、驚いたことにそれは映画版の方がよりハッキリと描かれていた。殺人犯は明確に都会の人間だったし、暴力的で小百合ちゃんにフラれる青年など、町にいいイメージは無い。時造さえも、都会の論理を振り回すが、彼に関してはそれほどそこが機能していないのが、救い。   しかし全体としては、二つの部落の婆さんらのやり取りや、部落中で喧嘩になってしまう人たちやら、人のいいお巡りさんなどの登場人物たちの好感度が高く、微笑ましく魅入ってしまう。  
[DVD(邦画)] 6点(2013-06-18 12:28:50)
256.  ライフ・オブ・パイ/トラと漂流した227日 《ネタバレ》 
 なかなか宗教的で、我々日本人にとっては居心地の悪い結末の物語である。   最後に二通りの話を聞いた白人が、言った。「シマウマと君の母は足を骨折し、コックはハイエナで、トラは君だ」と。しかし、私は違う気がしている。船員とコックの話にはトラはいない。なぜなら、トラこそが神であり、だからこそ、そちら側が神の物語なのだと。  思えば、少年時代の「数々の神」を信じようとするエピソード、最後に神を信じない人の代表として日本人を出す為に、渡航するのに日本の船を使う事など、うまく構築されているのだと思った。   この物語で描かれようとしたのは、信じる対象としての神ではなく、いつもそばにいる神、助けてくれるばかりでなく時に厳しい神。そんなものだと思う。  確かに、聖書などを読むと、神と言うのは実によく人間を試す、ダメと思ったら簡単に滅ぼす。供物を怠れば苦しめられ、テリトリーを侵せば怒り、恩恵は共にいてくれる事だけ。付き合いずらい事この上ない。そんな相手と彼は共にいる術を身に着け始める。インドでどんな宗教を学んでも、判らなかった神と共にいる事を。  だから、主人公は最後に振り向いてほしかったのだ。共に生きた者として、相手に認められたかった。恐ろしいモノ、畏怖するものではなくなった相手に、そっちもそう思ってもらいたかった。  あゝ、神よ。私はあなたにとって何だったというのですか?創作物でよく見るこの問い掛けこそ、彼の涙の意味だったのではないだろうか?  だからと言って、この結末は不幸ではないと思う。いや逆に彼は、心委ねられるモノ・そばにいるものを実感した事による、信仰力とでもいったものを得たのだろう。あの幸せそうな家庭は、そういったものに裏打ちされている気がするのだ。   そして日本人、である。八百万の神などと言うが、日本人ほど神に対して無節操で、心の奥底でそれを信じていない国民は無い、とも言われる。  そういう事への皮肉を、自虐的に笑う事は出来るが、気持ちの良くない表現ではある。
[DVD(字幕)] 8点(2013-06-15 08:55:55)
257.  009 RE:CYBORG 《ネタバレ》 
 今作の話は何から連なる話なのか、よく分からんが、かつて武器商人たちと戦っていた戦士が、任を解かれたからと言って軍産関係に従事するなど、とても受け入れ難い設定だ。「武器は悪くない、要は使い方なのだ」という論理を捨てきれないアメリカ人が書いたホンなら、それもあるかもしれん。しかしこれは、石森章太郎が生み出した「サイボーグ009」のアニメーション化なのだ。  しかも「世界の平和と自由を守ってきたのは俺たちアメリカ人だ!俺にとっての正義は俺の邪魔をするものを排除する事だ!」と、002ことジェット・リンク。  何だ、これは?サイボーグ達が、様々な人種・国の人間で構成されているのを、台無しにするこのセリフは!彼はダークサイドにでも落ちたのか?   百歩譲って、今回の話はそんなお子様正義の話じゃなく、もっとシリアスな「神」をめぐる物語なのだ、という主張があるのかも知れない。確かに、聖書の冒頭とバベルの塔の物語をあからさまに引用した、「彼」の物語が示すように、今回の事件の首謀者は「神」である。  しかもこの神は、人間が頭の中で作り上げたモノ、人間の脳の働きソノモノという解釈だそうだ。実際、現実世界で言う神は、人の作った概念だ。だが、「死への恐怖により(脳が)作り上げた」神が、実行すると自らを死に至らしめる「人類のやり直し」を行うというのも、矛盾しており納得しがたい。  ここまでなら、自ら作ったモノに自ら苦しめられる愚かさの物語、といういささかイタイ寓話と捉えることも出来よう。  しかし、最後に神は超常的な力を発揮してしまう。支離滅裂である。   …と考えてきて、ふと思った。何か、一回りしちゃった感はあるが、最後の超常現象を成したもの以外の神を、「彼の声」ではなく「悪魔の声」と読み変えれば、事はスッキリする。ずいぶんと振り回されはしたが、今まで通りの「サイボーグ009」と言えるような気もする。その代り、既存の宗教をすべて敵に回すことになるが…。
[DVD(邦画)] 4点(2013-06-11 15:56:50)(良:3票)
258.  シンバッド七回目の航海 《ネタバレ》 
 こういうのは、というかこの作品は、特撮の凄さを楽しむための映画なのだろう、普通に勧善懲悪的な冒険活劇だ。  日本の着ぐるみ特撮になれた目には、どうしてもカクカク感が邪魔をするが、一方着ぐるみでない分、人の形に引きずられない造形が見事でもある。例えば巨人の馬の後ろ足のような形。胴体と手足がキリッと分けて模られた恐竜的なヤツ。ラドンやモスラのように人形然としていない双頭の鳥。  見事である。   ところが、お話の方はどうも間抜け。いや、登場人物が間抜けなのか。蛇と人の合成をその目で見ていながら、小さくなった人を見て誰の仕業か判らない主人公。魔法使いが毒だと言ってるのに、水を飲んじゃう手下。生まれてくるのが巨大ヒナなのも判り切ってるのに、卵を割っちゃう連中。『プロメテウス』の学者たちを思い出す。ああ、そうか、それのレビューで読んだ「志村後ろ!」を楽しむ映画なのだな、コレは。
[DVD(字幕)] 6点(2013-06-09 20:20:18)
259.  シンドバッド虎の目大冒険 《ネタバレ》 
 んー、このシリーズは初めて見たのだが、私の求めている世界観とズレているのは、最後の神殿を含む大いなる力が、妙にシステマチックな所かな?女の魔法使いとその手下の金の牛男は、最終的に神の怒り的なものによって滅ぶんだと思っていた。一応主人公たちは正義だが、それよりも大いなる神の存在する世界なら、悪は神の裁きを受けるべきだ。  魔法で命を与えられた怪物(ロボット?)は、造形的にも動き的にも良いのだが、やはり活躍しなすぎではある。いわばエンジンを得たと言って良い妙にカッコイイ船をみると、海戦を見たかった気もするが、主人公に分が悪すぎだろうか?  それと、人間の祖先だという大男。道を教えてもらって窮地を救ってもらったんだから、遺体を担いで神殿を出るくらいの礼を尽くしてほしいものだ。 
[地上波(字幕)] 5点(2013-06-09 20:19:56)
260.  あすの花嫁 《ネタバレ》 
 連れ合いを無くしたお父さんお母さんの、再婚問題。それぞれ事情の異なる問題だから、一概にどうこう言えないけど、小百合ちゃんのお母さんの場合は、お父さんと結婚する以前から続く話なので、ちょっと深刻だ。    と思っていると、学友の女の子なんて睡眠薬まで飲んでしまう有り様なのに、意外にも小百合ちゃんは、母の相手である宇野重吉に会っただけで、その男を忽ち認めてしまう。何でしょうか、この安直さ。ひょっとして「血は争えない」って事かな?その勢いをかって、浜田光男も一気に結婚できそうで、まあめでたそうですね。って感じ。
[DVD(邦画)] 5点(2013-06-06 13:56:14)
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