2921. 恋するシャンソン
歌の部分がただの「歌の挿入」にしかなっておらず、演技部分と一体化されていない、というかむしろ逆に明白に別物になってしまっている。この時点で私にとってはダメです。内容自体も、いろんな人が登場する割にみんな似たような感じなので、手法としての群像劇の意味がありません。 [CS・衛星(字幕)] 3点(2010-05-31 23:41:45) |
2922. 夕陽のガンマン
初見ではあまり面白くないと思っていたのですが、後になって良さが分かりました。とにかく作品の目的は主演の二人をじっくりねっとり格好良く映すこと。軽々しくドンパチには行かないが、いったんそこに行ったら容赦がない。ストーリーはシンプル極まりないのですが、その「役者がいる風景」に存分に浸りまくる(浸れる)映画です。 [CS・衛星(字幕)] 6点(2010-05-31 23:29:41) |
2923. 硫黄島からの手紙
イーストウッドとも思えない、ステレオタイプな軍人の描写と平坦な進行が大きなマイナス。あえて硫黄島の戦いを(しかも日本側から)描くのであれば、少ない戦力の日本軍がどうやって日本軍以上の損害を米軍に与えたのか、その背景にはどのような思考や発想があったのか、また地下壕でどれほど苛酷な環境を耐え抜いたのか、といった点の描写をきっちりとやってほしかった。 [CS・衛星(字幕なし「原語」)] 4点(2010-05-26 04:30:24)(良:2票) |
2924. 父親たちの星条旗
イーストウッドはやはり、特定の人間(それもどこにでもいそうな人)の内面をじっくりしっとりねっとりと描き上げる作風の方が本領を発揮できる。音響効果や大道具やエキストラを派手に使う作品は似合わない。自分の演出力を自分で持て余しているようにも見える。 [CS・衛星(字幕)] 4点(2010-05-24 23:58:15) |
2925. ヒトラーの贋札
ネタバレ 収容所内の贋札作成作業は、意外にスリリングさがなく平坦な印象を受けるが、この作品が際立っているのは、解放後のモンテカルロのシークエンスを入れていること。何かに取り憑かれたように贋札を注ぎ込み続ける主人公の姿は、別の方向から収容所生活の後遺症を浮き彫りにしている。 [DVD(字幕)] 6点(2010-05-19 23:53:01) |
2926. トゥルー・クライム(1999)
ネタバレ 12時間しか時間がないはずなのに、前半はえらくのんびり、前置き長く進行している。しかも、これだけの危機を覆すのならばどれほど劇的な新証拠なり裏の真相があるのかと思ったら、ほとんど2時間ドラマレベルの安直な覆し方。これではご都合主義と言われてもやむをえません。事件追求とプライベート部分の絡ませ方も中途半端。 [CS・衛星(字幕)] 5点(2010-05-16 23:06:55) |
2927. 明日に向って撃て!
筋立て自体はほかにも類作がいろいろあると思うが、この作品を際立たせているのは、名手コンラッド・L・ホールのカメラワーク。遠景とミドルとアップを存分に使い分け、大平原の雄大さと登場人物の細かい心理状態を同時に印象づけることに成功している。光と影と闇の使い方も印象的で、単なる脳天気逃亡作品に陥ることを防止し、哀感と寂寥感をあふれ出させることに貢献している。 [DVD(字幕)] 6点(2010-05-16 00:29:44) |
2928. 荒鷲の要塞
イーストウッドはこの種のアクション軍人役は全然似合わない、とよく分かったのが唯一の収穫でした。 [CS・衛星(字幕)] 3点(2010-05-15 01:29:36) |
2929. ペイルライダー
ネタバレ 冒頭の集落襲撃シーンから、カメラ、音響、エキストラの動きなどどこをとっても強烈。さすがイーストウッド作品はこうしたお約束シーンもひと味違うと思わせるが、中盤くらいからは妙にテンションが落ちてしまう。どこに原因があるのかと考えたら、やはり、キーパーソンの母娘の存在感が妙に希薄なのですね。どういう考えでどういう生活をしているのかが今ひとつ分からない。主人公とは逆に一般人側の代表なのだから、ここはきちんとした描写が必要でした。ただし、逆に主人公の背景をあまり説明していないのは、作品に不思議な余韻を残しています。 [CS・衛星(字幕)] 6点(2010-05-13 22:38:42) |
2930. すてきな片想い
ネタバレ 笑わせようとしている箇所がすべってばかりで、本筋と関係ないシーンも多く、見ているときはマイナスイメージばかりだったのですが、強引なハッピーエンドぶりに、終わってみたら何となく許せてしまいます。内容を的確に象徴させた原題がいい感じですね。ただし、ジャスティン・ヘンリー君があんなになっちゃってたのは、見なかったことにするべきなんでしょうか・・・。 [DVD(字幕)] 5点(2010-05-11 02:50:13) |
2931. 続・菩提樹
ネタバレ こちらが、アメリカ入国後のトラップ・ファミリーのお話です。実に意外だったのは、いつまでたってもハッピーにならないこと。まず、仕事がなくて食うにも事欠く生活が延々と描かれ、やっと仕事があっても、今度はお客さんがいません。やっと満員っぽくなっても、今度は歌う曲がまったくウケません(涙)。「この辺でそろそろ運が上向いて順調な営業になるだろう」という予想は全部外されます。途中で救世主っぽく現れる人たちも、期待に反して機能しません。はっきりいって、オーストリア脱出とかよりもはるかに危機的な描写です。ラスト近くでやっと何とか成功みたいな感じになります。ですが、こっちの方が史実に近かったのかもね。 [CS・衛星(字幕)] 6点(2010-05-08 00:55:36) |
2932. 菩提樹
ネタバレ これが「サウンド・オブ・ミュージック」のオリジナル・・・というか、トラップ・ファミリーに関する「サウンド~」より先の映画作品です。もちろん「ドレミの歌」も「エーデルワイス」もありませんが、その分、登場人物の心理のやりとりにポイントを絞った鑑賞ができます(逆に、「サウンド~」はいかに上手く各楽曲を構成・挿入したかについてもよく分かります)。ただし、あっちでは3時間かけて行った描写を、こっちでは正味90分程度で行っていますので、かなりの慌ただしさは禁じ得ません。あと、オーストリア脱出は実にあっさりと完了しており、むしろその後のアメリカ入国の方が時間をかけてスリリングに描かれています。そりゃ、アメリカ映画ではカットされるわな。 [CS・衛星(字幕)] 6点(2010-05-08 00:43:33) |
2933. ラ・マンチャの男
ネタバレ 牢内の光景からドン・キホーテの再現になだれ込む強引な展開はなかなか迫力がありましたが、その後は、同じような話が行ったり来たりしていて、冗漫な印象を受けました。結局、あえて映画の形をとりながら、舞台劇の表現手法から離れられなかったんではないでしょうか。ラストの大合唱のインパクトで得している気がします。 [DVD(字幕)] 5点(2010-05-04 02:32:22) |
2934. 熱いトタン屋根の猫
同じ家の中での家族喧嘩をひたすら延々と見せつけられても・・・表現手法としての映画の長所が、全然生かされていません。 [CS・衛星(字幕)] 3点(2010-05-02 23:52:03) |
2935. アップタウン・ガールズ
ネタバレ 特に新鮮味も何もない、最初の設定からほとんど予想できるとおりの内容。ラストの盛り上がりで何とか形になったような感じ。ただし、"Molly Smiles"は良い曲だと思います。 [DVD(字幕)] 4点(2010-05-01 01:02:13) |
2936. ショウほど素敵な商売はない
画面が華やかで、歌と踊りも迫力があるのはいいのだが、問題は、歌は歌、それ以外はそれ以外、と完全に分かれてしまっていること。つまり、歌というのがこの家族の日常業務の状態を表しているだけになっていて、家族の状況やそれぞれの心理を表現する手段にはなっていないのです。 [CS・衛星(字幕)] 5点(2010-04-30 00:35:34) |
2937. 世代
素朴に実直に作っているのは分かりますが、あまりにも描写が地味すぎて、入り込めませんでした。ただし、これが後作の原型になっていることはよく分かります。 [CS・衛星(字幕)] 4点(2010-04-29 23:17:13) |
2938. プレシャス
もっと悲惨で陰鬱な内容かと思っていたのですが、その要素はそうでもありませんでした。ストーリー自体は基本的に一直線なのですが、中心人物のキャラクターの強力さが作品の印象を強めています。マライア・キャリーが意外にちゃんとした演技をしていたのも驚きました。カメラがちょっと雑だったのが残念です。 [映画館(字幕)] 6点(2010-04-29 22:57:40) |
2939. ナイアガラ
サスペンスなはずの作品なのに、当事者に切迫感や緊張感がほとんど存在していないのが最大の問題。ペース配分も、最初から最後まで淡々と進むだけであって、盛り上がるべき部分でも盛り上がらない。 [CS・衛星(字幕)] 3点(2010-04-29 03:46:02) |
2940. 紳士は金髪がお好き(1953)
マリリン・モンローをただ可愛く撮っているだけではなく、その天然キャラの素養を上品に引き出したところにこの作品の価値がある。見ているだけで楽しくなってくるカラフルな色彩構成も強力。 [CS・衛星(字幕)] 6点(2010-04-27 04:07:15) |