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花守湖さんの口コミ一覧[この方をお気に入り登録する

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281.  ゴーストワールド
若者からみた大人はいつだってペコペコ頭を下げていて、何かを諦めていて、妥協していて、ダサい存在だとは思うけどイーニドさん、あなたは他人ばかり批判しているけど自分はどうなのと聞くと彼女は「あたしとあんなダサイ連中と一緒にしないでくれる?私はただ韜晦しているだけなのよ」という言葉が返ってくると思う。 あたしは他人とは違うんだという自負心。 しかし自分らしく個性的でありたいと思っていてもイーニドの強烈な自意識は虚栄心に変化しそれが本当の自分を殺しているという事実を実はイーニドは知っていて、ダサい他人を小馬鹿にすることしかできない彼女が一番嫌いな人間はたぶん自分自身。 この痛みをどうやって切り抜けていくかというと、平凡である自分を受け入れることなんだと思う。 ただし難しいのは「受け入れる」ということと「諦める」ということはとても似ていること。 イーニドがシーモアに興味を持った理由は「弱さ」に対する共感だと考えましたが、それだけではなくて彼は人間的な弱さや欠陥を隠そうとはせずにそれを受け入れてしまっている所に自分には無いもの感じましたのではないでしょうか。若い者にとって一番苦しいのはいつの時代も過剰な自意識だと思います。 
[DVD(字幕)] 9点(2006-02-12 00:18:16)(良:2票)
282.  スウィングガールズ 《ネタバレ》 
これは視聴率重視のバラエティー番組であり、それをわざわざ映画館で上映したから映画と呼ばれただけのものであり、男の裸で女を釣り、今度は女子高生で男を一本釣りするこの監督のマーケティング戦略を見て分かることは「観客とは本来馬鹿である」という驕りが感じられることです。もうここまでくると演奏がうまいから高得点であるとか下手であるから低得点であるという次元を超えているのではないでしょうか? 監督さん、山形県民が喋っている言葉がそんなにも笑えるのでしょうか? ガールズたちの演奏が下手なときの周りの冷たい態度が上手になった途端に急に一変する様子には呆れかえりました。 むしろ下手でも努力して練習している時に周りのあたたかな態度が必要じゃなかったの? 乾いた笑いのみが印象に残りそこにはガールズたちを取り巻く人間たちの温かみがまったく感じられません。そもそも主人公がジャズを頑張るモチベーションが、オタク女に負けたくないという動機なのが信じられない。ひたすら明るく軽く、そして低俗でした。 
[DVD(吹替)] 1点(2006-02-12 00:04:36)(良:4票)
283.  ヴァン・ヘルシング
おえっ!真っ黒な夜中にあんなにもピカピカやられたら気分も悪くなりますよ!ピカチュウ事件ではありませんが人によっては光感受性発作が起きるかもしれませんので、どうか良い子の皆さん、ヴァン・ヘルシングを観る時はお部屋を明るくして離れて観ましょう。 だけどこれでチェコ映画を制覇しました。世界各国の映画をいっぱい観ようともくろんでいる私にとっては満足ですね。以上です。
[DVD(字幕)] 5点(2006-02-11 23:53:40)
284.  驟雨
成瀬監督の作品をはじめて観ようと思ったのもみんなのシネマレビューのおかげです(笑) 結論から言いますとこれは見事に私のツボを直撃しました。銃撃戦はありません。誰も死なない映画、いわゆる何も起きない映画ですが非常に面白い! 何かを説明しようとするとき、それを台詞ではなくて情景やこころの描写によって説明することが映画の醍醐味だと私は感じます。 監督は観る者の「想像力」をよほど信頼して映画を作っているということが伝わってきて好感を持ちました。 私は想像力を喚起させる映画をなによりも愛します。あの胃弱の亭主は亭主関白のように見えて滑稽なほど頼りないところが哀愁を誘います(笑)あのキャラクターは大好き。 男の描写がうまいからこそ「女」の存在感が活きている、そのように感じました。特にラストシーンは腰をぬかすほど驚きました。ああいう終わり方もあるのだなぁと妙に感心したのですね。庭に舞い降りた1つの風船をめぐってなぜか夫婦が何かにとりつかれたように激しい打ち合いを始める。もう最高です。涙が・・涙が止まりませんでした。 笑いの涙が。 あの風船とあの夫婦・・・それをどう見るかはまさに観客の想像力に委ねられているのではないでしょうか。 私もこの映画から自分だけの真実を見つけ出しました。
[地上波(吹替)] 9点(2006-01-28 20:18:19)(良:1票)
285.  理想の女
この映画は魅せてくれます。舞台は南イタリアの避暑地アマルフィ。原作はたしかに有名な作家のものですが、あまりそれにこだわらないで観てくれたほうが楽しめるはずです。これは映画です。紛れも無く正真正銘「これぞ映画だ!」と叫び、視覚に訴えかけてくる映像に酔いしれました。 特に妻が夫の行動を疑問に思いはじめたシーンでは、日が没する瞬間の燃えるような夕焼けの美しさが、疑惑の炎と交錯して見事でした。海辺の街が舞台ではありますが、澄み渡った真っ青なブルーのイメージよりは、むしろ「バグダット・カフェ」のように、「赤」という色が印象に残りました。 私は「赤」が基調の映画だと思います。 それにこの当時の上流貴族の絢爛たる身装を、スカーレットヨハンソンという女優を通して思う存分に堪能することができるのが素晴らしい。 すごい!耽美な世界観を終始一貫して魅せつけられましたね。 そして「理想の女」は、「りそうのおんな」と読むのではなく「理想のひと」と読みます。ここがこの映画の1つの謎かけとなっているのですが、「理想の女」の謎が分かった瞬間やっぱり泣きそうになりました。「いい女は2種類しかいない。全てを知り尽くした女と何も知らない女」という触れ込みがありますが、女が好きでたまらない野郎も、美しさを愛する女性も、親に深い悩みを抱えている若者も是非この映画を見てください。これはそういう映画でした。
[映画館(字幕)] 9点(2006-01-22 17:41:49)
286.  皇帝ペンギン
もしこれがハリウッドが作った映画だったら、ペンギンたちは、大変な仕事をさせられていたと思います。ジョニーデップなみの演技を要求されていたはずです。 それはともかく・・ 母親ペンギンは産卵後に遥か遠くの餌場へ行進し、この間に夫は卵を守りますが、帰ってきたとき母親はあの大勢の中から、ちゃんと旦那様の顔が見分けがつくのでしょうか?? 私にはどれも同じペンギンの顔に見えました。 こういう「不思議」を神秘と呼ぶのかもしれません。 それから夫婦の愛の会話をフランス語で聞くとなぜかロマンティックでした。 これは天然のラブストーリー。 愛する夫婦が協力しあって命がけで我が子を守るために、過酷な行進を繰り返すのです!その行進は100キロにも及ぶのです。その間に力尽きて死んでいく者も大勢いるのです。 つーか、餌場の近くで子供を生めよっ!と言いたくなるのが本音ですが、これも本能のなせることなのでしょう。 いろいろ言いたいこともありますが、まずはペンギンに生まれなくてよかったと言いたいです。 ちなみに撮影時間は8000時間を越えたらしいですが、それをうまく100分以内にまとめた監督の手腕を評価したいと思います。キングコングを作ったピータージャクソンには絶対にできないでしょう。
[DVD(字幕)] 6点(2006-01-22 12:07:29)
287.  野生のエルザ 《ネタバレ》 
はじめて「ライオン」という動物に興味を持ちました。百獣の王と呼ばれ、動物の中でも最強だと言われるライオン、しかし子供の頃は子犬と見分けがつかないくらいに本当に可愛かったです。その子供ライオンが成長して無敵のライオンに変貌する様子は圧巻としか言いようがありません。ライオンが人間と共生できない理由は、ライオンがあまりにも強すぎるからだと思います。犬とは違うのですね。 だたし、この映画では、野生を失ったライオンのエルザの「ひ弱さ」を遠くから心配そうに見守る人間夫婦の姿があまりにも印象的で、涙腺を刺激します。 この夫婦は子供がいないのに、エルザの前では、妻が夫のことを「パパ」と呼んでいるのですよ(笑) ライオンを、わが子同様に思っており、終始、エルザに対するこの夫婦の視線は愛情に溢れていて温かさを感じました。 そして一番の見所は、海を一度も見たことが無いエルザをはじめて海へ連れて行ったシーン。私はライオンが泳ぐのをはじめて見ましたよ。 ライオンは泳げないと思いましたが、しっかりと犬かきで泳ぐではありませんか! いや犬ではないので、ライオンかきかもしれません。泰然自若としたエルザの泳ぎっぷりに、私はどうしてこのライオンが主演男優賞を取れなかったのか不思議でなりませんでした。エルザと夫婦が一緒に泳ぐシーンは幸せの絶頂だと感じましたが、逆にそれがラストの暗雲を予想せずにはいられませんでした。心配性の私としては、最近キングコングを観た影響もあって、実は野生のエルザがラストで悲運の最期を遂げるのではないかと嫌な予感を抱きながら見ていたのです。人間社会は自分勝手ですからね。 しかしその暗雲も一瞬に吹き飛ばす文句のつけようが無い完全無欠のハッピーエンド!やはり哀しい涙を流して感動する映画よりも、嬉しい涙を流して感動する映画を私は愛します。「実話と違う」なんて考えずに、ファンタジー映画としてみると本気で号泣できます。最近、インパクトだけを重視したよく意味の分からない邦題をつけた映画が多いですが、「野生のエルザ」というタイトルのなんと素晴らしいことでしょうか! いやはや、久しぶりに夢を見させて貰いました。
[DVD(字幕)] 9点(2006-01-21 20:57:34)(良:1票)
288.  うなぎ 《ネタバレ》 
妻を刺し殺した夫と、肉欲に溺れて自殺未遂を起した不倫女の「再生」の物語です。私は、罪を抱えた人間が再生していく物語が好きです。だからこの映画の「再生」というテーマには当然のごとく惹かれます。嫉妬により妻を刺し殺した男は、人間不信になり、物言わぬうなぎだけにしか心を開かないようになってしまいますが、その男が床屋を開業しようという発想はかなり笑えます。 このセンスの良さは買います。 そして刑務所で知り合った柄本明が扮する高崎は、主人公が作り出した幻想だったと考えても良いのではないかと思います。 つまり、主人公がなぜ妻を殺したのか?ということを延々と語り続けさせるために高崎は必要だったのです。 「自問自答」という自分の内面と向き合って行う行為を、劇的に読者に魅せようとする手法は日本の映画にはあまりないようですが、それを見事に表現しているところが私は素晴らしいと感じました。人を救うことによって自分が救われる。この世の中の普遍的な原理を、再生の物語として映画に取り上げた時点ですでにこの映画の勝利を確信していました。
[DVD(字幕)] 9点(2006-01-15 21:05:42)
289.  ナイトメアー・ビフォア・クリスマス
懐かしさを帯びた不思議な音色は、観ている者の想像力を激しく刺激せずにはいられないでしょう。 そして注目すべきは、人造人間のサリーというキャラクターではないでしょうか。 悲しくて聡明で、お茶目で、無垢で、すぐに壊れてしまう体を持つ女性・・それがサリー。 町の連中は、ちょっと恐くて変な連中です。しかし、クリスマスが終わった途端に「次ぎのクリスマスまであと364日しかない」と言い出す彼らが、たまらなく好きです。 レベルの低い映画では3時間かけても人物描写がいい加減なものですが、この映画はたった1時間ちょっとですが、この構成力は見事としか言いようがありません。 最近のCG技術を駆使した機械的な映像とは違って、あたたかみを重視した映像がさらに好感を呼びます。 映画好きの恋人を持つ人や愛すべき妻や夫も持つ人は、今年のクリスマスに贈るプレゼントはこの映画にしてみてはいかがでしょうか? 春のようにあたたかい映像、音が目に見える音楽、海底のように幻想的な世界観、どれをとっても映画を愛する者にとって最高のプレゼント。
[DVD(字幕)] 9点(2006-01-14 23:01:12)
290.  少女の髪どめ
仕事を奪った相手に逆ギレして、ひどい仕打ちを繰り返してきた男が、その相手が可愛い女の子と分かった途端に態度が豹変します。 最初は男のそういう態度を眉唾に思って眺めていました。 しかしその女の子に対する恐ろしいまでに不器用な、男の接し方を見ていると、思わず「おまえ、いい奴だったのか!」と微笑んでしまいます。これは紛れもなく初恋でしょう(苦笑) 「初恋のきた道」の男バージョンだと思いました。 男は夢中を通り越して、もう狂っています。男の壊れっぷりが実に見事でした。 最初に抱いていた男に対する不信感は吹き飛び、その行動に苦笑いの連続です、しかしさわやかな苦笑いという感じです。 基本的に映画とは、監督が自分の作る作品に「戦争と平和」など、何らかのメッセージを残したからといって、必ずしもそういう見方をしなくてはいけないとは限りません。 映画は公開されれば、すでに監督の手を離れ、1人1人の観客にすべての答えを委ねられるわけです。 映画とは学校の試験のように答えがあるわけではありません。 この映画は、1人の男の恋の物語。これが私の答えです。
[DVD(字幕)] 9点(2006-01-02 22:22:54)(良:1票)
291.  バグダッド・カフェ
この映画は、あの太ったおばさんを主人公に据えた時点で、外見の偏見に挑戦したものだったのではないでしょうか。 基本的にセピア色は好きですが、舞台が砂漠だということで、その色を自然に表現することができまていました。 しかしあの夕日の色彩には驚きました。 中国の巨匠チャン・イーモウも脱帽して裸足で逃げ出すほどに鮮やかな赤色です。 バグダットカフェだからこその色彩であり、これが色のある映画だと言われる所以ではないでしょうか。 その砂漠に帰る所がない者たちが集まってくる。監督は、これでもかと思えるくらいに、しけた連中を登場させて、最後には彼らを魅力的な人物へと変えていきます。黒人女はイライラ、太った女はノソノソ。そういう外見からくる偏見は、感情移入していくうちに気にならなくなっていきます。これをETの法則といいます。 美的感覚に優れ、想像力を養うにはもってこいの映画だとは思いますが、基本的には退屈な映画だと思って欲しいです。 考えることが好きな人、名作映画が好きな人にはお勧めします。 娯楽性はありませんが文学的な映画です。
[DVD(字幕)] 5点(2006-01-01 10:12:38)
292.  ウィスキー 《ネタバレ》 
靴下工場のおじさんも、従業員のマルタも、無愛想な人間たちですが真面目な善人です。2人は人生に対して寂しさも感じているようにも見えます。 この物語に陽気な弟を登場させた理由は、より一層、2人のそういう部分を強調したかったからだと思いました。 監督は、このように真面目に生きる2人の老人に向って、「しかめっ面をしないで、さあ笑って!」と応援しているようにも感じます。 それが「ウィスキー」というタイトルのメッセージではないでしょうか。執拗に繰り返される同じ日常シーンが印象に残る映画ですが、こういう何気ないシーンでも感情移入ができる自分がいます。 毎日の生活は本当に孤独だし、時には辛く、そして楽しいのだと思う。 そういう微妙な空気に少しはまりました。 マルタという老女を見ていると、女はいつまでたっても女なのだなぁと感心しました。 たった3人だけの平凡な物語ですが、ぐいぐいと観客を引き込む力はあったと思います。 ミニシアター系映画の好きな人には観る価値はあるでしょう。 この映画のラストのように、人生は寂しさが付きまといますが、それでも下を向かずに笑って前に進みたいものです。 生きて生活をするということは、それだけでちょっとだけ素晴らしいことだと思います。
[DVD(字幕)] 8点(2005-12-31 23:05:31)(良:2票)
293.  エターナル・サンシャイン
自分なら、即刻、ラクーナ社に行って記憶を消してもらいます。 費用が100万円だったら、迷わずに払います。ただしローンにしてもらいますが。 だけど、あの会社の従業員に脳を預けるのは危険なことはよく分かりました。 ラクーナ社のような会社はある意味では貴重な会社だと思いました。 失恋の傷を癒すのは、ただ時間しかありません。または他の人を好きになることでしょう。愛によって壊れた心は愛によってのみ修復されると言いますからね。 失恋が切ない思い出と変化する、というのは、もうそれは愛じゃなくなったときなのだから、辛くないのは当然でしょう。過剰演技のジムキャリーが抑えた演技をしたことと、キルスティン・ダンストの小顔に点数を捧げます。美しい女性はいつだって子顔です。
[DVD(字幕)] 6点(2005-12-31 22:37:10)
294.  カノン 《ネタバレ》 
バッフェルベルのカノンの音楽をバックにして、泣きながら抱き合う父娘のシーンは、男に愛情があったことを証明しているのではないと思います。あれは男の、動物としての本能的な「性欲」を表していました。 父が娘の乳房を揉み続けるラストは、「これから近親相姦が実行されますよ」と監督が暗示しているのです。これが我々に挑んだ監督の狙いでしょう。人間は動物です。 モラルというものは、人間が動物とは違うという証明のような類だと考えます。 もし父親が、実際に近親相姦後に、娘を殺し、自分も自殺していたならば、彼はモラルを犯したことに耐えられなかったということになります。 しかし現実的には、彼は娘を女として愛し、なおかつ、これからも生きていこうと考えている。つまり彼はモラルを完全否定し、動物である自分を肯定したのです。 すべてを本能に委ねたのだと思う。 私たちは動物とは違って精神性が高いので「心で人を愛する」ことができると考えがちですが、愛する相手は必ず異性です。男は女を愛し、女は男を愛する。それじたいが、動物的な本能ではないでしょうか。
[DVD(字幕)] 0点(2005-12-31 19:38:51)
295.  デリカテッセン
この映画を満足して観られる生き物はふくろうだけでしょう。ストーリーは、人肉食人のアパートに人肉を売る肉屋がいて、そこに獲物のピエロがやって来て、ぐだぐだとやっていましたが、それも暗いせいで何をやっているのかよく分かりません。この映画は美術的には優れているのだと思いますが、はっきりと言わせていただくと、停電した夜中の美術館と一緒です。 とにかく暗い!くらい!!クライ!!! こんな映画を観てしまった私はCRY。  
[ビデオ(字幕)] 1点(2005-12-26 20:20:21)
296.  キング・コング(2005) 《ネタバレ》 
「キングコング映画」を今まで一度も観た事がない私でも、今絶頂の監督ピーター・ジャクソンの映画史上最高の「映像」は、どうしても見たかったのです。アンが意を決して、船に足を踏み入れた後からは、まるで心地良いジェットコースターに乗っているような感覚でした。間違いなく世界最高峰の映像でしょう。恐竜の宝庫のようなスカル島で、コングとTレックスとの壮絶な対決があるのですが、ここでコングの尋常でない強さが、縦横無尽に発揮されます。その様子はもう開いた口が閉まらないくらいに圧巻の一言です。この時点で観ているほうは息切れ寸前でしょうが、人間の想像の限界を超えた凄まじい映像は、我々に休む暇すらも与えずに、また更なる映像を投げかけてきます。ここまで来ると、まさに問答無用。監督の徹底した娯楽主義・潔さに、みんなで万雷の拍手を浴びせたい気持ちでいっぱいです! さらには、みなさんの熱いレビューにも拍手です。
[映画館(字幕)] 9点(2005-12-17 21:21:32)(良:2票)
297.  誰も知らない(2004)
事実をありのままに伝えるのがニュースの役割であり、事実を大げさに伝えるのがワイドショーの役割だと思います。 では映画の役割とは何でしょうか? 実際の長男の明は、かなり残酷な人間であったようですが、それをあえて善人に仕上げたことを、私は評価します。 現実には、非情な親が存在して、その親の子供たちは、同じく悪の道に進むか、それともトラウマを抱えて自殺するケースが多いのは事実です。 映画の役割とは、このような不幸な人々を、物語のなかで救うことだと思うのですね。 私はニュースには真実を求め、映画という物語には希望を求めたいのです。 監督が、この映画を作るきっかけとなったのは、救いがたい事実をニュースのように、ありのままに伝えるためではなく、不幸な人間たちを物語の中で再生させることだったのだと思いたいです。 つまり、監督はこう考えたのではないでしょうか? 実際の事件では、子供たちが悲惨な生活をしていることは、誰も知らなかったが、物語の中では、実は多くの人たちが知っていたことにしよう。それはあのコンビニの店員であったり、母親の昔の夫だったり、いじめを受けていた女の子たちです。 自分を守ることで精一杯である彼らは、明らかに社会的な弱者だと思います。そういう彼らが、戸惑いながらも、子供たちに救いの手を差し出します。 こういうのを、「捨てる神あれば、拾う神あり」というのかもしれません。 社会の底辺で必死に生きている弱者の温かいつながりが感じられました。 「誰も知らない」というタイトルには、誰もが知っていたという逆説的な意味が含まれていたのではないでしょうか。 監督が作りたかった映画は、厳しい現実の姿ではなく、絶望の中のひとすじの再生の物語だったと信じています。
[DVD(字幕)] 9点(2005-12-08 19:10:17)(良:5票)
298.  アメリカン・ラプソディ 《ネタバレ》 
ハンガリーからアメリカに亡命するとき、1人だけ家族から置き去りにされてしまった女の子が、ようやくアメリカで家族と再会したとき、すでに女の子と家族との間に深い亀裂が生じていました。 この女の子は監督自身です。これが監督の自伝映画だということは、DVDのメイキングで知りました。一度壊れた家族の絆は元に戻るのか?家族とは何か? 人にとってふるさととは何か? これは私のツボを直撃した映画でした。 前半の6歳の主人公は、可愛らしい女の子が演じ、後半の16歳になった主人公は、スカーレット・ヨハンソンが演じています。 特に印象的な場面は、このスカーレットが、家族の反対を押し切って、ハンガリーにいる育ての親に会いにいくところです。 美しいブダペストの街並みを、物思いに耽りながら、彼女が歩いていく姿は、まるで美術品を見ている様に、絵になる光景でした。 それと主人公の育ての親は本当に人が良い人たちなのですが、逆にそれが育ての親と、生みの親との狭間で、彼女が悩み続ける原因になっていくのでした。 実の母親と娘の激しい争いも見られます。スカーレットのヤンキー姉ちゃんぶりも必見ですが、母親を演じるナスターシャキンスキーも、娘から愛されない苦悩をうまく演じていました。 娘から愛されないと焦る母親の気持ちが、娘に対する束縛心に変貌し、それが異常な行動を駆り立てて、悲劇へとつながっていきます。 家族のあいだでおこる様々な困難を抱えつつ、スカーレットがブダペストで知った真実とはなにか? 旅を通して1人の少女が大きく成長した様子が伺えます。これは家族の再生の物語。 家族に悩みと救いと希望を抱く人の道しるべになりえる作品。
[DVD(字幕)] 10点(2005-12-06 22:32:45)
299.  ハウルの動く城
大御所になってしまった宮崎監督は、もう「ラピュタ」のような単純爽快なアニメを作る気持ちはないのだろうか? これは知的な映画なのかもしれないけど、ワクワクしない映画でした。ハウルや、おばあちゃんの心の内面を思わせぶりに、ぐたぐたと見せることで、外国の映画祭で立派な賞を獲ってやろうという色気だけは感じました。それになんでヒロインが、おばあちゃんなの? シーターや、ナウシカやキキのような魅力溢れる女の子が映画を面白くするのです。 宮崎監督は「紅の豚」で、ただのクソ豚を主人公にして大コケしたのに、まだ懲りていないのでしょうか。 あげくの果てに倍賞千恵子の声を聞いていると、ふうてんの寅さんをどうしても思い出してしまいます。 ソフィーがいつ「お兄ちゃん」というのかずっと気になってしまいました。 だいいち、ハウルに「守りたいものができた。それは君だ」というセリフを言わせておいて、いったいお子様たちにどういう反応を期待しようとしているのか意味不明じゃないですか。 まさか子供さんに無償の愛の素晴らしさでも説こうとしているのでしょうか? 冗談じゃありませんよ。この映画には、メタファーもかなり多く盛り込まれており、それはそれで立派だと思いますよ。しかし子供を無視するのもいい加減にしてほしい。 たしかに考えさせられる映画ではありますが、私はあえて「考えさせるな!」と言いたいのです。 宮崎アニメは、徐々に子供から離れていっている。それを確信できた映画でした。 近い将来、親が「宮崎アニメは立派な映画だから観なくてはいけませんよ!」と言って、嫌がる子供を無理やり映画館に連れて行くという光景が社会現象を起すかもしれないと予言しておきましょう。
[DVD(吹替)] 1点(2005-12-04 19:00:48)(良:5票)
300.  海を飛ぶ夢
過剰な自意識の持ち主ほど、自殺するとき、自分の死に意義を見出そうとして尊厳死などと嘯きます。 ちなみに日本における自殺者は、年間3万人を越えていると言われますが、この数字は少し勘違いしやすい。 これは自殺に成功した数であり、自殺未遂者を含めると、約10倍の30万人なのです。 つまり30万人の人が、どこかで自殺を行って、そのうちの1割は自殺に成功し、9割は失敗しているのですね。 「絶望」は、いつ私たちを襲うか分かりません。 現代における私たちは、病魔に殺されるよりも、自分に殺される可能性が高くなってきたように思います。 こういう状況だからこそ、「人が生きることは権利であり、義務ではない」という言葉が胸に響きます。主人公の死を望む気持ちが「尊厳死」であれ、「自殺」であれ、もし生きることが義務ではないのなら、私たちには死ぬ権利があるのではないでしょうか。 それとも人間は、自殺したいほど人生に絶望していても、愛してくれる相手や、お世話になっている人のために生き続けるべきなのか? しかし人は絶望したとき、他人のことを考えられるほど寛大ではないと思います。 ラモンのことを自分勝手だと思うことは、絶望を知らない健常者の傲慢な見方かもしれません。 人は絶望の前では、みんな自分勝手になるのだと思います。 ただし尊厳死という言葉は存在してはいけないと思う。これは死を正当化したり美化する言葉です。自殺といえばいいじゃないですか。問題は自殺が悪いのかどうかということだと思います。 自分から死を選ぶことは立派ではありませんし肯定できるものではないと思いますが、完全に否定しきれない難しさがこの映画から伺い知ることができます。
[DVD(字幕)] 9点(2005-12-01 20:30:26)
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