281. ラスト サムライ
泣きました。明治だけでなく太平洋戦争から現代までをも視野に入れたであろう表現には素直に感服しました。 時代考証についてはインタビューで「この時代に武士が甲冑着る事はありえないので、あえて甲冑様式の時代色は排除した。」とか言っていますが、甲冑様式に突っ込みを入れられる位に日本文化に知悉してない限り、逆に製作者に笑われてしまいそうです。 不満がある点といえば、官憲が公衆の面前で勝元(子)の髷を削ぎ落とすシーン。元は彼らも武士であったり髷を結ってたりしたわけで、あれはあり得ないでしょう。ここら辺り日本人的感性への理解がもう一つという感じで少し残念でした。(逆に中国・朝鮮あたりの映画にはありがちなシーンですが…「捏造してもいいから相手を悪く言えば勝ち」みたいな。ああいうのとは一緒にしてほしくないです。) 9点(2004-01-24 00:16:31) |
282. 病院坂の首縊りの家
あのややこしい原作を映像化して果たして面白いのだろうか…と思ってたけど意外と楽しめました。病院坂の風景が叙情があって綺麗。草刈正雄の演技には拍手です。 7点(2004-01-18 21:39:25) |
283. ラスト・ワルツ
リアルタイムを知らないので60年代に思い入れは無いのですが、このバンドは好きです。この人達の音楽は何か、温故知新の感覚に満ちているように感じられるので。ロバートソン、90年に入り、自らアメリカの先住民族であるインディアン(ネイティブアメリカン)の末裔である事を表明、インディアンの地位向上のために奮闘しているようです。今のスコセッシの映像にも物語の背景となる民族音楽取り入れたサウンドを展開。過去の栄光に安住しない現在の姿勢も素敵です。 7点(2004-01-17 02:22:14) |
284. コモド
数多いB級動物パニックもの中ではストーリー、演出ともかなり良質だと思います。チープといえばギャングの親分の演技がちょっと変な事くらいかな。基本プロットが2年後の「ジュラシック3」にあまりに似ているんですが、これは一体… 6点(2004-01-17 01:24:20) |
285. 八つ墓村(1996)
豊川金田一は頑張っていて好感持てましたが、もちょっと落ち着いてほしかったです。それよりも「鍾乳洞の無い八つ墓」なんてメインディッシュの無いフルコース料理みたいです。予算が無いならこんな大作でなく、もっと地味目の物にすればよかったのに。 5点(2004-01-17 00:31:45) |
286. 八つ墓村(1977)
原作の好きなシーンを色々端折っている所があって残念。でも映像化された本作の中では一番いい出来では。炎上する田治見邸、それを見下ろす亡者たち…派手なラストでイイです。渥美金田一は意外と合ってると思いました。袴姿で見たかったです。 7点(2004-01-17 00:22:34) |
287. ブエナ・ビスタ・ソシアル・クラブ
共産主義崩壊・衰退に伴って幾多の優れた民族音楽が世に知られるようになりましたが、「ソン」はその最右翼。今まではキューバ音楽というと騒がしいイメージしかなかったけど、こんなにまったりとした音楽だとは思いませんでした。 7点(2004-01-15 00:57:36) |
288. 獄門島(1977)
《ネタバレ》 原作の雰囲気がうまく映像化されてる感じです。不満は原作では幽玄な祭のようだった山狩りがいまひとつしょぼかった事。これだと「~遊女も寝たり萩と月」の句の味わい、喧騒から離れて佇む静寂さの風情…が生きてこないと思いますがどうでしょうか。 個人的には推理小説は「犯人は一人」が理想なので、変更はさほど気にならなかったです。むしろ二人というのが中途半端な感じ。 [ビデオ(字幕)] 7点(2004-01-15 00:34:22) |
289. プラトーン
ベトナム戦敗北によってアメリカで反省映画が流行ったけど、今のイラク~アラブ戦にどれだけ生かされてるのか疑問。当時のベトナム戦争は今のイラク戦争よりもまだまともな理由があった。今後のイラク戦争、もしアメリカが負ければこの映画同様に反省映画が流行るだろうし、アメリカが勝てば「テロは悪」を標榜した自賛映画が流行るだろうし…この「善と悪」の適当さ加減は今一ついていけません。 5点(2004-01-15 00:11:34) |
290. 犬神家の一族(1976)
原作世界を忠実に再現してるのが良かった。テレビ版と比べると色彩感覚やヒロインの美しさ等、映画ならではの「華」が感じられてイイです。どことなく旅情を感じさせる所も良。古谷金田一と石坂金田一は甲乙つけがたいですが、映画の警部はちょっと不満。テレビ版のように締めるべき所はきちっと締めてほしい感じです。 7点(2004-01-12 22:24:15) |
291. バトル・ロワイアル
戦闘時間が正味90分として1人当たり2分ちょっと…テンポが速すぎて訳わからない話になるんじゃないかと思ってました。2人が転校生である事や三村戦のセミファイナルへの格上げなどは、限られた時間枠の中、話を分り易くする手段として個人的に評価できます。ただ原作で感じられたアツさ、生命感がほとんど感じられないのが残念。 6点(2004-01-12 10:37:20) |
292. 鉄塔 武蔵野線
《ネタバレ》 原作が好きであえて映像を観る気がしなかったのですが、観て良かったと思います。とにかく映像が美しい。時折効果的に音楽が挿入される以外は蝉の鳴き声だけがBGMという演出も良。非常に懐かしい感覚や風景をしみじみと堪能できました。確かに家庭問題は必要あるのかな?という感じですが、原作のようにラストをファンタジー風にシメずに、現実の中で自力で終着地まで到達するという結末は、逆にこちらの方が良かったです。いかにも一途そうな主人公と、とぼけたような相棒。子役の演技にも好感が持てました。 9点(2004-01-12 10:17:21) |
293. M:I-2
1と違う発想で撮れば良いというものでは… 単なる平凡なアクション映画になってしまった感じ。監督の選出から間違いだったのかも。 5点(2004-01-11 22:48:29) |
294. ミッション:インポッシブル
スパイ映画が本来持つ二転三転の知的ゲーム感覚の復活。アクションは少なめながらその分強烈、独創的。007すらネタに困ってるのに今頃なぜ?という思いが払拭された納得の一本でした。 8点(2004-01-11 22:42:34) |
295. バンカー・パレス・ホテル
どうやってホテルに入るのかわからない所が個人的にツボでした。たまたま「アンダーグラウンド」と一緒に借りて、あまりの似てさ加減にビックリしました。欧州人の発想の基幹にこういう感覚があるのかなという感じ。 6点(2004-01-11 22:29:31) |
296. 白い刻印
《ネタバレ》 炎上する納屋を見ながらの一服のコーヒー…今までの努力を全て水泡に帰して得る暗い開放感、この感覚はどこかで…と思ったらマルケスの「百年の孤独」のラストでした。シュールな描写は全く無いけど、「不条理もの」としてマルケスや安部公房辺りと同列に認識してしまう不思議な映画。 6点(2004-01-11 22:15:39) |
297. クリムゾン・リバー
《ネタバレ》 犯人の女性の演技力は凄かった。血統を重視しながらその辺の村人の血を入れるって発想が変。プロットが破綻してるのでは? あと細かい所だけど、雪崩の際に雪が「キュキュキュ」と鳴りながら迫ってくるのは他の遭難物には無いリアルさだと思った。 5点(2004-01-11 20:13:19)(良:1票) |
298. ワイルド・アット・ハート
純愛映画なのにバイオレンスでグロテスク。この感覚、他にどこかで見た事あるな、と思ったら漫画「愛と誠」でした。デフォー…「処刑人」も凄かったけど、こちらでも結構きてます。 7点(2004-01-11 13:28:03) |
299. ザ・ビーチ(2000)
「伝説のビーチ」の美しさは素晴しかった。CG(かな?)にはこういう使い方もあるんだなって思った。ただそれ以外の共同体とかが魅力無いので、3日で飽きそう。わざわざ和を乱す言動を取るリーダーがよくわかりませんでした。 一世代前のヒッピーの理想郷という感じ。 5点(2004-01-11 05:43:36) |
300. セブン・イヤーズ・イン・チベット
「ナチのホロコーストに匹敵する」と言われる中国のチベット侵略を、極めて控えめな表現で描写。仏教国チベットらしく淡々と、必要以上に被害者意識を強調しすぎない所に好感が持てました。これは「既に過ぎ去った出来事」ではなく今現在も「進行中」の侵略、こういった映画が作られる意義は極めて大きいでしょう。少年は実在のダライ・ラマによく似てるなと思いました。死んでから思いっきり美化される人物はいますが、この人はまだ現役、ゴマカしようが無いです。といっても中国の圧力で訪日すらできない現状だそうで、ダライ・ラマ知ってる方は少ないかもしれませんが…(誰に訪日を許可しようが日本の自由なはずなのにおかしな話です。) 映像の美しさが特筆もので、中央アジアの雄大な光景を舞台にした一種のロードムービー的な味わいが素晴しかったです。 9点(2004-01-11 05:15:40) |