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281.  WOOD JOB! ~神去なあなあ日常~
自分の祖先がかつて一生懸命世話をした木々を今の自分が刈るという林業の考え方にはハッとさせられた。今の自分が生きていることを自分の家族や他者とのつながりのなかに見いだすという、今どこかおろそかにされている考えをズバリと言い当てられた感がした。こういう「哲学」を軸に置きつつも、内容は矢口監督らしいエンターテインメント。たしかに自分も子どもが行方不明になるエピソードは不要だったと思うし、恋愛パートもちょっと違うようなという違和感もある。でもそれ以上に山男たち(とくに伊藤英明は特筆モノ)の気持ちのいい描き方に、すっきり爽やかな気持ちで見ることができた。くだらないネタに笑いながら(苦笑を含むけど)、その「哲学」がじわじわと染みこんでくる、矢口監督らしい快作だと思います。
[CS・衛星(邦画)] 7点(2014-10-11 06:18:29)
282.  ガーディアンズ・オブ・ギャラクシー 《ネタバレ》 
70年代懐メロとSFアクションの融合という技法は新鮮でとにかく楽しい! ダメキャラ5人(?)組が団結し、強敵に立ち向かうという物語の骨格はシンプルだからこそ、随所に散りばめられたチャレンジ精神が光る。コメディとドラマのバランスもよく、うまくハズしつつもきちんと伏線を回収し、物語の流れを損なわない演出技術は確か。正直、今回使用された70年代の「名(迷)曲」はよく知らない曲ばかりでしたが、それでも物語にしっかりハマってちゃんとこっちの気分を上げてくれるのだから見事です。むしろ、自分もよく知らない曲ばっかだった分、「Vol.2テープ」からのラストの(みんな知ってるアノ)2曲でガツ~ん! こういう憎い演出が随所に光ってて、まさに新感覚のSFファンタジーとして新しい流れを作るかもしれない。もちろん、物語的な突っ込みどころの多さ、物語がサクサク展開しすぎて「タメ」がない、5人があんまり極悪人に見えない、ハワード・ザ・ダック(苦笑)・・・などケチをつける箇所もあるけど、「ダークナイト」以降、リアル路線一辺倒だったアメコミ系大作の流れを変える可能性を秘めた快作。本国では興行的にも成功したみたいなので、次作では、ジェームス・ガン監督のカラーをもっと押し出して、これぞ新世代スペースオペラだ、というのがもっと見たい!
[映画館(字幕)] 8点(2014-10-10 06:13:43)(良:1票)
283.  フルートベール駅で 《ネタバレ》 
映画公開時、事件の起きたフルートベール駅がある町の近くに住み、実際に事件が起きた地下鉄(BART)にほぼ毎日乗っていました。この映画で描かれる黒人に対する警察の暴力は、いま(2014年夏)ちょうど、アメリカではミズーリ州ファーガソンという町でも大きな問題となり(警察による10代の黒人少年の射殺事件とその後の抗議運動の強圧的な取締・・・)、この映画がアメリカが抱える大きな闇を象徴するものであることを物語っています。このようなテーマですから、当然もっと「主張」や「抗議」を全面に出した映画にすることもできたかもしれません。でも、この映画はそういう方法をとらず、1人の黒人青年の1日を丁寧に描くことによって、アメリカ固有の問題というよりも、普遍的なメッセージを持つ映画として昇華するのに成功したと思います。この映画が描く主人公は、かつて刑務所にいたこともあったが、いまは家族に囲まれ、うまくいかない日常とも対峙しながら何とかまっとうに生きようとしています。彼が過ごす一日は、決して特殊なものではなく、多くの人が共有できるものであろうと思います。また、ラストの事件の描き方も、一方的な正義対悪の図式というよりは、新米警官が取り押さえた相手に抱く不安と恐怖が引き金となっているところも、非常によく考えられた脚本であると思います。この映画は、アメリカの社会問題を深いレベルで描いていますが、それにとどまらず、現代という社会が共有する「他者への不安」と「武装と威嚇への依存」という問題をしっかりと捉えている点で、すばらしい作品です。
[映画館(字幕なし「原語」)] 9点(2014-09-04 17:23:17)(良:1票)
284.  キャプテン・アメリカ/ウィンター・ソルジャー 《ネタバレ》 
これは最近の大作系の映画のなかでは、ひさびさにアクションに見応えがある良作。ノーラン以来、アメコミ大作でアクション系ではない監督を起用することが多くなっている分、アクションそのものの魅力で語られるものが少ないなか、この映画は、ジェイソン・ボーン的な迫力ある肉弾戦と壮快なスカイアクションの両方を楽しめる。スカーレット・ヨハンソンやサミュエル・L・ジャクソンらのサブキャラも魅力的で脇役まで丁寧に描いているのもいい。ただ、ストーリーは、「自由を制約するのではなく、自由を差し出させる」というあたりの狙いはいいけど、監視社会の倫理的問題そのものは、『ダークナイト』でも描かれているわけであまり新味はない。悪役の荒唐無稽さ(+キャプテン・アメリカの衣装のダサさ)と、リアルな物語展開のバランスの悪さも少し気になる。いずれにしても、最近のアメコミ系のなかでは魅力的なアクションのスピード感は一件の価値あり。
[CS・衛星(字幕なし「原語」)] 7点(2014-08-31 10:56:27)(良:1票)
285.  ウルヴァリン:SAMURAI 《ネタバレ》 
予想どおりというか、残念な出来。日本をめぐる描写を抜きにしてもつまらない(むしろ、ハラキリ、ニンジャ、ラブホのヘンテコな日本に突っ込むしか楽しみがない)。キャラが不必要に多くてごちゃごちゃしてるうえに、唯一まともにアクションができていた真田広之は無駄遣いとしかいいようのない使い方(その後、アメリカ・ドラマやハリウッドでも活躍しているようで、この作品への出演が躓きにならなくてよかった)。ミュータントが蛇女以外出てこないわけだから、X-MENシリーズならではの楽しさもない。あと、監督は日本語の演技のチェックができないんだったら、役者に日本語をしゃべらせないように。マリコ役の女優さんのひどい日本語の台詞まわしは、相手をしていた真田広之が気の毒になった。あの「ファースト・ジェネレーション」の次がこれだったのが、本当に残念。
[CS・衛星(字幕なし「原語」)] 3点(2014-08-29 12:52:54)(良:1票)
286.  ハンナ・アーレント 《ネタバレ》 
うーん、俳優のみなさんは熱演してたと思うし、映画としてもがんばってまとまっていたと思う。けど、「よくできた再現ドラマ」以上のものであったのかどうか。特に、白黒のアイヒマンの映像が強烈すぎて俳優さんたちのカラー画面での演技を喰ってしまい、ドラマと事実のバランスそのものがおかしくなってしまったように思う。また、映画としてのクライマックスとなる最後の講義が、ハイデガーの「受け売り」であったのも残念。いや、そもそも「言うこと」と「やること」が違っていたハイデガーの言葉を、そのまま文字どおりに受け止めて実践したのがアレントだったってことか・・・(え、それでいいの?)。講義の後の、学生の拍手もなんかベタ過ぎる。なんか、根源的な人間をめぐる問題を扱っている映画であるようでいて、実はそれはアレントがそうだったというだけで、映画そのものは、「そういう問題を扱っている」風に終始したのが残念でした。
[DVD(字幕)] 5点(2014-08-24 12:39:31)
287.  2012(2009) 《ネタバレ》 
いやー、わかってて見る私が悪いのだとは思いますが・・・。序盤からの映像の洪水は「見世物」としての映画の本領ではある。ただ、映像が凄いから話がダメでもいい、ということではないのではないかと。映像すごくても、話もちゃんとしようっていう気概が全くないのはちょっと・・・。あと、エメリッヒさんの一つの傾向として、実はラストがしょぼいというのもあるのですが、今回のラストは全くスケール感がない「密室での水攻め」。それまでにすんごい映像ネタは使い果たしちゃったのかもしれないけど、もう少しバランスも考えましょう。
[CS・衛星(字幕なし「原語」)] 3点(2014-08-24 08:58:56)
288.  GODZILLA ゴジラ(2014) 《ネタバレ》 
総じて残念な感じ。低予算映画のような「煽り→寸止め」の繰り返しで、ひたすらストレスが溜まる。そのうえ、最後の決戦のシーンは暗闇で何がなんだか。さらにドラマ部分も退屈きわまりない。とはいえ、暗闇のなかでチラリと光るモンスターの見せ方、バスから見たゴジラの描き方、人間視点の落下シーンなど、スリルある映像の数々から、この監督の才能も感じたのは確か。ただ、その才能が最もいきるのが、「ゴジラ」であったのかどうかは、やはり疑問だ。
[映画館(字幕)] 5点(2014-08-18 12:00:20)(良:1票)
289.  her 世界でひとつの彼女 《ネタバレ》 
いやあ、スカーレット・ヨハンソンに「サマンサ」役をあてた配役の勝利。ハスキーで明瞭さに欠けるあの声は、ふつうに考えれば、もっとも人工音声向きではないのだけれど、これがドはまり。これを考えた人(スパイク・ジョーンズ?)はすごい。そのおかげで、人工知能との恋愛というテーマにも妙に自然に入っていけた。そして、恋愛って何だろうということを妙に深く考えさせるエピソードの数々。声だけのセックスはOK(ここは『恋人たちの予感』のメグ・ライアン以来の名シーン!)なのに人間の体を借りたら急に気分が下がったり、ラストのサマンサの告白をどうしても受け入れられないセオドアなどなど。久々にスパイク・ジョーンズらしい皮肉とユーモアと探究心が同居する世界を楽しめました。
[DVD(字幕なし「原語」)] 8点(2014-08-12 22:59:19)
290.  アメイジング・スパイダーマン2 《ネタバレ》 
前作よりはアクションも映像もグレードアップ。スパイダーマンの飛翔シーンや戦闘シーンも凝っていて、なかなか楽しめる。あと、新生スパイダーマンの青春映画路線にも慣れてきたのか、恋愛ドラマ部分も(よくあるラブコメだけど)、これはこういうものとして受け入れられた。残念なのは、敵の登場のタイミングや戦闘シーンのバランスがちぐはぐしてるところ。3つ巴になるわけでもなく、順番に出てきてくれるのも何か苦笑。あとラストの最大のサプライズは素直に驚いた。それまでが基本的に軽快路線だったので、突然の悲劇にけっこううろたえた。で、その気持ちの持っていき方がわからないうちに、主人公のほうが立ち直って終幕。なんか観客が置いてきぼりの展開でした。
[DVD(字幕なし「原語」)] 6点(2014-08-12 22:40:51)(良:1票)
291.  アメイジング・スパイダーマン 《ネタバレ》 
作品単体としてはまあまあ。ただ、やはり「リブート」のタイミングとして謎。アクションはサム・ライミ版のほうがクオリティ高かったと思うし、青春ドラマとしても素材をいかしきれていない。ヒロインも敵も早い段階でスパイダーマンの正体を知っているという展開も、マスクものの利点を自ら捨ててるようなもの。そして最悪なのは、ラストで(今作の本編とは直接的には関係がない)謎かけをするとこ。結局、この作品単体では観客を続編に呼び込めないってことを、監督や製作陣が白状しているようなもので、ラストのグウェンの笑顔がよかっただけにそれに見事に水を差してしまった。
[DVD(字幕)] 4点(2014-08-09 12:24:04)
292.  ゼロ・ダーク・サーティ 《ネタバレ》 
いやあ、なんだろう、不思議な映画。主人公があれだけの執念を見せつけてるのに、どこか実在感がない。与えられた情報は「マヤ」という名前だけ。なぜ彼女が抜擢されたのか、何が彼女をそこまでさせるのかよくわからない。ラストで「名字は聞いてない」と言われ、一人だけで空っぽの輸送機に乗るときの空虚さ。まるで彼女自身が9.11以降のアメリカが陥った「狂気」を体現しているかのよう。テロから数年たって、国民の関心は薄れ、戦争や拷問への批判が巻き起こり、行き場を失いつつあった「狂気」は、ビンラディン追討への執念として生き延びた。この映画では、あの死体が本当にビンラディンだったのかどうかもわからない。そういうことにしなければならない空気だけは理解できた。そして少なくとも、あの時代の「狂気」をなかったことにはできない。そういうことは十分に伝わった。
[DVD(字幕)] 7点(2014-07-24 16:19:21)(良:1票)
293.  ラッシュ/プライドと友情 《ネタバレ》 
ロン・ハワードらしくて堅実だけどそれ以上ではない、という感じ。レースとドラマのバランスもよく、2人の主人公も個性的でわかりやすい。ただ、ラストの2人の会話の舞台設定には違和感ありあり。ボローニャで2人が会うような伏線ってありました? ラストシーンの為にとってつけたような設定で、最後のレース後からの流れも悪い。ロン・ハワードってラストにだめ押しのシーンを用意する傾向があるように思うのですが、あれ必要ないというか、この2人の場合あんなふうに「互いに認めました」みたいな会話のやりとりって必要? 言葉で語らなくてもレースで会話するのがF1ドライバーなんじゃないのかな。あとF1をTV観戦してた世代からすると、最後の日本GPのスタートでスローモーションを多用したのはダメ。スタートの時の静寂から轟音へというスピード感や緊迫感があれでは伝わらない。それからハントのレース前の緊迫感や恐怖を表現するのにアノ描写というのは、理解できるけど、毎度毎度繰り返されるともう少し別のやり方なかったものかと思ってしまう。全体的に堅実なのに詰めが甘いのもロン・ハワード印なのか。
[DVD(字幕なし「原語」)] 6点(2014-03-22 17:24:32)(良:1票)
294.  グッドフェローズ 《ネタバレ》 
実は公開直後にも見たのだけど、当時はピンとこなかった。最近、なぜかこの映画が急に見たくなり、久々の再見。すると、なんと素晴らしい作品だったのか。暴力と犯罪と些細な日常が交錯するギャングの下っ端の世界。物語全体を包むのは、人間の愚かさ、偏狭さ、そしてユーモア。淡々としているけどスピード感のあるタッチと効果的な音楽(「レイラ」のメロディの美しさをああいうふうに使うのは、狙いすぎと見る見方もあると思うけど、やっぱり凄いと思う)。主役3人のキャスティングは言うことなし。あと、個人的に評価したいのは、実はアイルランド人の親を持っていることでイタリア人ギャングの世界の中心にはなれないというヘンリーたちの立場。そのギャング世界の構造のなかでもがき破滅する姿は、どこか普遍的な人間の生き方を描いているようにも思えて妙な共感を導く。現代の多くの映画にも影響を与えた演出で、愚かで魅力的な登場人物たちを描いたスコセッシの傑作。
[DVD(字幕なし「原語」)] 9点(2014-03-20 14:28:24)
295.  アナと雪の女王 《ネタバレ》 
昨年末に娘を連れてアメリカ国内の映画館で鑑賞。完全なこどもの付き添い気分だったので、「こどもの間で流行っているらしい」という情報のみで事前チェックなし。久々のピクサー以外のディズニー映画を映画館で見ましたが、意外といい・・・というか、いまや超有名な「Let It Go」のシーンは映画館で初めてみて、もう号泣。歌詞も、エルサが抱えてきた苦悩からの解放を描いてて本当にすばらしい(日本語版のこのシーンをYoutubeで見て、松たか子さんの歌はすばらしいと思いましたが、あの日本語歌詞は本来の意味を全く伝えていない・・・「姉」「長女」としての苦悩の部分が伝わってこないのが残念)! 正直、この映画はこのシーンがピーク。あとは、既存のプリンセスものの図式をうまくずらした展開はなかなかだし、オラフはキュートなキャラで「Some people are worth melting for」は名台詞でしたが、脚本全体はちょっと荒っぽく、残念な展開も少なくない・・・。なんか記録的な大ヒットとあとで聞いて、そこまでの映画かどうかはちょい微妙です。あとで知りましたが、日本では予告編でLet It Goのシーンをノーカットでオンエアしていたとのこと。でもあれは、その前の流れがあるからこそ感動的なわけで、あそこだけ見ても、まあ「いい曲だね」とか「CGきれいだね」で終わってしまうのが本当に残念。事前情報ぬきで、あのシーンを映画館で見て号泣できた私は幸せ者でした。あのシーンを最高の環境で見たいという理由だけで映画館に行く、というのもアリだと思います。
[映画館(字幕なし「原語」)] 8点(2014-03-18 01:27:28)(良:1票)
296.  華麗なるギャツビー(2013) 《ネタバレ》 
『ムーランルージュ』が大好きなので期待しましたが・・・2番煎じ感は否めないか。背後に花火が上がる中で満面の笑顔!という、完全な「出オチ」と言えるギャツビー登場シーンが、映画のなかでテンションが一番上がったけど、あとは下降線だった。ディカプリオ見てれば楽しいけど、バズ・ラーマンらしい映画全体を1つのパッケージにしてしまうパワーはいまひとつ感じられず・・・。
[DVD(字幕なし「原語」)] 6点(2014-03-11 13:30:36)
297.  グランド・イリュージョン 《ネタバレ》 
よく回るカメラ、主人公なのに存在感の薄い4人組、無駄に豪華なキャスト(コナン・オブライエンまで!)、特殊効果頼みで魅力薄のマジック・・・。エンターテイメントとして「飽きさせない」ことは大事ですが、「飽きさせない」ことが自己目的化したような、とってつけたようなアクションシーンや薄っぺらい演出にもがっかり。壮大なイリュージョンの「タネ」も、正直そこまでやるか?というもので、もはやマジシャンとしての能力とかそういう話ではなくなっているし・・。まあ、メラニー・ロラン観賞ビデオとしてはまずまず。
[DVD(字幕なし「原語」)] 5点(2014-03-07 02:14:20)
298.  それでも夜は明ける 《ネタバレ》 
昨年12月にアメリカ国内の映画館で見ました。小さな町の映画館でしたが、始まる前に映画館スタッフから「私たちにとってとても重要な作品です」という挨拶があり、上映。映画の内容は、原題どおりの、自由黒人から奴隷となった男性の12年間の奴隷生活を描きます。ドラマチックというよりも絵画的な映像が印象的ですが、つるし上げのシーンや最後のむち打ちのシーンなどでは「直視せよ」と言わんばかりの長回し。ラストで主人公は奴隷の身分から解放されますが、そんな彼を見つめるパッツィーをはじめとする他の奴隷たちの姿から、奴隷制という残酷な制度はその後もずっと続いていたのだということを痛感させ、何のカタルシスもありません。「それでも夜は明ける」という邦題からイメージするものに反して、この映画が描くのは、「希望」のような前向きな感情ですらなく、ただ「生きたい」とだけ願った、もっと原初的な欲求のようなものだと思います。見終わったあと、恐ろしいものを見たという気持ちだけが残りました。奴隷制はアメリカの歴史の暗部と言われますが、それが、醜いもの、酷いものであるということを最高の演技と映像技術でしっかりと描いた、もの凄い作品だと思います。オスカー作品賞受賞も納得です。
[映画館(字幕なし「原語」)] 10点(2014-03-05 09:06:34)
299.  大統領の執事の涙 《ネタバレ》 
主人公が大統領執事として仕えた大統領たちの個性も楽しめますが(しかし、スルーされたフォードとカーターは気の毒)、ドラマの軸は、「節度」を重んじる執事セシルと、「変革」のために身を投げ出す息子ルイスの関係。若さと理想で突っ走る息子は『フォレスト・ガンプ』のジェニーのように危なっかしく、そういう意味では『フォレスト・ガンプ』と構図も似ていますが、大きく異なるのは、この映画は、そんな息子の生き方の意味を、父親が理解し、それを認めるシーンがあること。このシーンこそ、この映画の白眉です。これがなかったら、次々出てくる大統領のモノマネショーを楽しむだけの映画になってたかもしれない。とはいえ、アラン・リックマンとジェーン・フォンダのやり過ぎカップルは笑える。これは必見。
[映画館(字幕なし「原語」)] 7点(2014-02-12 08:10:01)(良:1票)
300.  (500)日のサマー
物語内の時間が前後して一回目はちょっと混乱したので(200~300日あたりの前後関係がごっちゃになった)二回見た。完全にトム目線のストーリーなので、後半のサマーの行動はちょっと理解できないものだけど、でもある意味「恋愛」とはそういうもの。自分目線でしか見えない世界で、相手が何を考えているのか、すくない材料から推測して一喜一憂しまくるもの。そういう姿を、あれこれの映像技法で楽しめます。恋愛があれば、人生はミュージカルにだってなるし、都合のいい妄想と現実とのギャップに引き裂かれるときだってある。それを本当に映像にするというアイデアの勝利(まあ、『アニー・ホール』という偉大な先達があるわけですが)。十分おっさんになった今ではやや達観しながら楽しめましたが、たぶんイケてなかった10代~20代の頃にみたら悶絶して即10点付けそうな、愛すべき作品です。
[DVD(字幕なし「原語」)] 8点(2014-02-08 02:38:39)(良:1票)
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