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S&Sさんの口コミ一覧[この方をお気に入り登録する

プロフィール
コメント数 2400
性別 男性
自己紹介 〈死ぬまでに観ておきたいカルト・ムービーたち〉

『What's Up, Tiger Lily?』(1966)
誰にも触れて欲しくない恥ずかしい過去があるものですが、ウディ・アレンにとっては記念すべき初監督作がどうもそうみたいです。実はこの映画、60年代に東宝で撮られた『国際秘密警察』シリーズの『火薬の樽』と『鍵の鍵』2作をつなぎ合わせて勝手に英語で吹き替えたという珍作中の珍作だそうです。予告編だけ観ると実にシュールで面白そうですが、どうも東宝には無断でいじったみたいで、おそらく日本でソフト化されるのは絶対ムリでまさにカルト中のカルトです。アレンの自伝でも、本作については無視はされてないけど人ごとみたいな書き方でほんの1・2行しか触れてないところは意味深です。

『華麗なる悪』(1969)
ジョン・ヒューストン監督作でも駄作のひとつなのですがパメラ・フランクリンに萌えていた中学生のときにTVで観てハマりました。ああ、もう一度観たいなあ・・・。スコットランド民謡調のテーマ・ソングは私のエバー・グリーンです。


   
 

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281.  ある戦慄 《ネタバレ》 
むかしTV放映で観たとき、「NYの地下鉄って真夜中でも動いてるんだ、それにしても汚い車両だな」と感じたことが思い出されます。この映画の乗客たちの様なシチュエーションには絶対遭遇したくないものですが、大人になっても体験してないのはラッキーなのかもしれません。この二人のチンピラは、良く考えると肉体的な暴力はほとんど乗客に加えず言葉の暴力と突拍子もない動作で痛めつけているのです。その絡み方がけっこう理屈っぽいところが無教養な若者らしくないんだが、ヤクザに理詰めで詰められるほど怖いものはないと言うことのいい見本かもしれません。まあそのプロットが乗客たちの赤裸々な実像を浮かびあがらせると言ういかにも演劇的な効果を生むわけで、良く練り込まれている脚本です。 ラストにやっと登場した警官までもが、刺されたボー・ブリッジスを介護しようともせず、黒人を見たとたんに犯人と決め付けて飛びかかるなぞ、とにかく観る者の不快指数を上げてくれる素晴らしい映画でした。
[DVD(字幕)] 7点(2012-05-26 01:23:50)(良:1票)
282.  銃殺(1964・英) 《ネタバレ》 
キューブリックの『突撃』のプロットを英軍に置き換えた様な感じですが、もとは舞台劇だったそうで、戦場の廃墟が軍事法廷となりあと映されるのはハンプ二等兵が監禁されている室内だけでほとんど密室劇の様な展開です。弁護人のハーグリーブスをダーク・ボガードが演じているので、『突撃』のカーク・ダグラスとは打って変わってポーカーフェイスでお行儀のよい弁護を展開しますが、その冷淡な弁論に徐々に感情がこもってゆく演技が秀逸です。ハンプ二等兵は個性がない平凡そうな男で、その当り前さが戦場にいる普通の兵士たちを代表している様な演出です。 弁護は成功したかの様に見えましたが、「攻撃前に士気を高める必要がある」という将軍からのお達しで判決はあえなく有罪・銃殺。なんの救いもない結末ですが、「彼にはなんの軍功もない、ただ生き残ってきただけの臆病ものだ」「生き残ることが罪だとおっしゃるのですか?」、このやり取りに重い反戦のメッセージが込められていました。
[DVD(字幕)] 8点(2012-05-09 22:25:03)
283.  招かれざる客(1967) 《ネタバレ》 
しかし、どうですか皆さん、自分の娘が突然2週間前に知り合った男とすぐに結婚すると言い出したら、ふつう親として反対しませんか、たとえ相手が異人種であろうが無かろうが。 せっかく米国のタブーに切り込むテーマだったのに、なんでこの脚本家はこんな無茶な設定にしたのでしょうかね? 娘にしたって典型的な苦労知らずのお嬢様にしか見えないですしね。ドレイトン家の外の世間は実に類型的な描かれかたなのも、ちょっと監督の意図に首をかしげてしまいます(家政婦の親戚らしいドロシーという娘なんか、どういう狙いがあって登場させたのでしょうかね) ある意味、キャサリン・ヘップバーンとスペンサー・トレイシーというゴールデン・カップルを再び銀幕に引っ張り出すための企画だったんでしょうね。 それにしても、キャサリン・ヘップバーンはほんと凄い女優ですね。実際に涙を流したシーンはひとつだけですが、そのシーンにいたるまで劇中ずっと涙をためた様な潤んだ眼で演じ続けているんですよ。そりゃ映画ってのは脚本の順番通りに撮影されることはまずないですから、彼女の“眼ぢから演技”は驚異的です。
[CS・衛星(字幕)] 6点(2012-04-30 23:22:08)
284.  アメリカ上陸作戦 《ネタバレ》 
冷戦時代の米ソ対立とアメリカ人の国民性を皮肉った映画ですが、この笑いの狙いが“ブラック・ユーモア”なのか“ほのぼのヒューマン系”かどっちつかずなのが痛いところです。ブラック・ユーモアというからには「おい、そこまでやるかよ」というハチャメチャさがなくちゃね、似た様なプロットの『1941』ぐらいはじけなくっちゃいかんでしょう(たとえそれが観客に受けなかったとしてもね)。 名優アラン・アーキンはこれが映画デビューですけど、さすがに上手いし可笑しい。もっと前面に出すプロットにして、主役として活躍させたほうが良かったでしょう。その主役はカール・ライナー(『オーシャンズ』シリーズのソールです)ですが、40年前の彼は不気味なほどニコラス・ケイジにそっくりなんですよ、あの後退した生え際なんかもね。そうか、そのうちああなっちゃうのか、ニコラス・ケイジも40年後には…
[CS・衛星(字幕)] 6点(2012-04-24 20:04:05)
285.  グラン・プリ(1966)
そういや、自分が子供のころ流行ってましたよね、シネラマが。現代の3D映画みたいな感じでしたけど、テアトル東京もOS劇場も消えてしまった今日もうシネラマで映画を観ることは不可能なんでしょうか。 この映画は、シネラマで観ないと価値が半減するのかもしれません。葉巻型フォーミュラ・レーシングカーはいまの眼で見ると実にストイックで、車番以外何も記されていない車体は現在の走る広告みたいなF1とは違ったシンプルな美があります。ジェームズ・ガーナーが笑っちゃうほどカッコ良いキャラだったり(彼がプロデューサーなので当然かもしれませんが)、イブ・モンタン以下のレーサーたちのドラマが薄っぺらという欠点があるけど、こんな迫力ある実車を使ったレース映画はもう造られないでしょうね。 気になったことがひとつ、音楽はモーリス・ジャールなんですが、本作のテーマが彼の手がけた『パリは燃えているか』とメロディがあまりによく似ていることで、モーリス・ジャールめ手を抜きやがったな(笑)
[CS・衛星(字幕)] 7点(2012-03-31 20:08:33)
286.  ファントマ/ミサイル作戦 《ネタバレ》 
ファントマ映画は三作撮られたわけですが、観通してみて消えなかった最大の?は、結局ファントマって何者?この人何がしたかったの?ということに尽きます。 本作ではついに“地球を破壊する最終兵器”の開発に成功したと言う前触れですが、その割には世界の大富豪たちに「殺されたくなかったら“生存税”を払え」なんて突拍子もないこと言いだしたり、要は単なるユスリですよね。 本作はスコットランドの大富豪のお城に舞台を移して、お城の中で繰り広げられるミステリー謎解きという今までにない趣向ですが、ルイ・ド・フュネスが見せてくれるひとり芝居のグダグダさは相変わらずです。いつの間にか古城の地下がファントマの秘密基地に改造されていて、ラストに突然ミサイルが…、これが邦題『ミサイル作戦』の所以です。まったくどこが『作戦』なんだよ、ってぼやきたくもなります。 でもこのシリーズで最大の収穫は、若きミレーヌ・ドモンジョの美を堪能出来たことでしょう。同時期のドヌーブやバルドーにも決して負けてませんよ!
[CS・衛星(字幕)] 4点(2012-02-28 22:43:23)
287.  ファントマ/電光石火 《ネタバレ》 
ファントマ・シリーズ第二弾は007に対抗してテーマは“ガジェット大作戦”というところでしょうか。ルイ・ド・フュネスのジューブ警視(前回の手柄で勲章もらって昇進!)が思わず失笑させられてしまう様な“フェイク・ハンド・ガン(?)”と呼ぶしかないバカバカしい秘密兵器を繰り出せば、ファントマの方は火山をくり抜いた秘密基地や、なんと空飛ぶシトロエン(ちょっといくらなんでも、これは空力的に無理があり過ぎ)まで出てくる無節操ぶりです。そして本作では“恋するファントマ”でもあり、前作で愛人に肘鉄を喰らわされて人恋しくなったファントマが、ミレーヌ・ドモンジョに熱をあげて彼なりの流儀で求愛しちゃいます。このファントマというキャラ、けっこう女にだらしないところがあるみたいで、そこが愛敬と言えなくもない。またファントマだけでなく、ジューブ警視やファンドールまでもがとっかえひっかえ色んな変装をして相手を欺こうとするのが、実にくだらない。 本作も前作に続いてラストまで約20分がひたすらの追っかけっことなるのですが、例の空飛ぶシトロエンに乗ったファントマが御茶目なFINを見せてくれます。 シリーズ中で本作がいちばんくだらないかもしれませんが、おバカ映画好きは琴線をちょっとくすぐられるかも。
[CS・衛星(字幕)] 5点(2012-02-26 01:08:45)
288.  ファントマ/危機脱出 《ネタバレ》 
“元祖ブルーマン”、ファントマでございます。60年代、アクション映画で世界を席巻したのはご存知『007』シリーズで、その勢いに対抗というか便乗して製作されたのがイタリアでは『黄金の七人』シリーズ、フランスでは『ファントマ』という位置づけになるでしょうか。ファントマはサイレント時代に大ヒットした連続活劇を60年代に合わせて復活させたもので、ファントマが何者で何を目論んでいるのかなどという説明はこの映画では一切なく、「ファントマのことは知っていて当然」というスタンスなのです。基本的にはこのシリーズはファントマとジューブ警部の対決に、新聞記者ジャン・マレーと彼の恋人ミレーヌ・ドモンジョが絡むと言うスタイルですので、正直この中で誰が主役なのか良く判らなないところもあります。強いて言えばジューブ警部のルイ・ド・フュネスなんでしょうが、この人のオーヴァー・アクションとくど過ぎる演技は、本国では偉大な喜劇役者として名を残しているのですが、はっきり言って日本人向きではありません。この映画のヘンなところはラストまで30分近く延々とファントマとジューブの追っかけっこを見せられることで、これはサイレント時代のファントマ映画に対するオマージュなんでしょうか。 結局ファントマが悪人なのかアンチ・ヒーローなのか良く判らない映画なんですが、まあお楽しみはファントマ役は誰なのかって推測することですね。じっくり見てれば判ってきますよ(笑)
[CS・衛星(字幕)] 5点(2012-02-21 21:55:47)
289.  魂のジュリエッタ 《ネタバレ》 
ジュリエッタ・マッシーナの顔を観ているとなんか誰かに似ている様な気がしてきて、そう、山東昭子にそっくりじゃないですか(笑)。そんな歳がばれる与太話は別にして、彼女には不思議なオーラがただよってました。この後20年後の『ジンジャーとフレッド』まで実質映画出演がないなんて、この人フェリーニと結婚しなかったらもっと他の監督と仕事をして錚々たる大女優になっていたかもしれないと思えて残念です。巨女フェチのフェリーニが小柄なジュリエッタを女房にしたのもまた不思議ですが。 この映画は言ってみればユング式精神分析の啓蒙映画みたいなもので、祖父が乗る飛行機や籠を使って出入りする樹上の部屋など、心理学的には判りやすいメタファーが多いのでちょっと拍子抜けするところもありました。フェリーニにとってまだ二作目のカラー作品ですので、セットや帽子を強調した衣装の色使いは今観ても斬新です。モノクロ作品時代が長かったと言う共通点があるせいか、フェリーニと黒澤明はカラー映像に対する感覚が似ている様な気がします。
[CS・衛星(字幕)] 7点(2012-02-08 00:29:04)
290.  戦争と平和(1965-1967) 《ネタバレ》 
念願かなってついにオリジナル全長版を観ることが出来ました、ありがとうBSプレミアム、と思ったら何と4月にブルー・レイと新版DVDが発売されるんですね、知らなかった。三夜に分けて放送と言ってもなんせ上映時間7時間ですから滅多に味わえない映画体験です。まあ原作を7時間ではとうてい読破できないわけですから、これだけ時間をかけてもダイジェストみたいにストーリーを展開させちゃう部分が一部あるのはやむを得ないところでしょう。その代わり国家プロジェクトみたいなもんですから、カネとヒトはもう惜しげなく投入されているのは圧巻です。ボロジノ会戦のシークエンスも凄かったけど、もっとも映画的なスペクタルを感じたのはモスクワ炎上シーンで、ほんとこりゃすげぇもんを観てしまった、というのが正直な感想です。そして特筆すべきはナターシャ=リュドミラ・サベリーエワの奇跡の様な可憐さと美しさ、あの舞踏会のシーンで彼女が踊り出すシーンはそりゃ思わず息をのむほどです。そういうこともあって、自分としては第二部『ナターシャ・ロストヴァ』がいちばん良かったですね。 セルゲイ・ボンダルチュクお得意の「舞い上がるカメラ」と「急降下するカメラ」の映像は冴え渡っていて、とくに屋内の舞踏会シーンでもカメラがぐーんと降りてくるのは見ものです。まあ『戦争と平和』の完全映画化なんて『指輪物語』を映像化するよりもはるかに困難な偉業で、監督の手腕は称賛されてしかるべきだと思います。
[CS・衛星(字幕)] 8点(2012-02-02 19:52:59)
291.  いそしぎ 《ネタバレ》 
美しいカラー映像はダグラス・サークが50年代に撮ったメロドラマを彷彿させるところがありますが、教師でもある聖職者が生徒の母親と不倫・肉体関係を持つなんて50年代では考えられない過激なテーマです(この程度の描写でも)。ハリウッド映画を規制していた悪名高いヘイズ・コードが緩んできた時期だったんですね。 リチャード・バートンとエリザベス・テイラーは、今でいうとブラッド・ピットとアンジェリーナ・ジョリーみたいなセレブ・カップルで、ブラピとアンジーとは違い共演した映画は5本もあるんです。本作は二人にとっては、翌年撮られる映画史に残るような壮絶な演技合戦を見せた『バージニア・ウルフなんかこわくない』のための肩慣らしみたいなもんでしょう。 まあとにかくこの映画は名曲"The Shadow of Your Smile"がすべてで、この曲のために映画をこしらえたみたいなもんです。そんなに悪い映画とは思いませんが…
[CS・衛星(字幕)] 5点(2012-01-31 21:53:19)(良:1票)
292.  荒鷲の要塞 《ネタバレ》 
小説化を前提に冒険小説の巨匠アリステア・マクリーンがオリジナル原案と脚本を書いただけあって、とくに後半は二転三転するストーリーはなかなかのものです。勇壮なロン・グッドウィンのメイン・テーマも、戦争アクション映画のベスト3に入れちゃいたいほど好きです。 リチャード・バートンは名優ですけどアクション映画に不向きで、どうも体の動きが鈍重なんですよね。この手の映画にはそりゃバート・ランカスターやカーク・ダグラスが適役ですけど、この二人はとても英国人には見えないので、まあバートンでも良しとしておきましょう。ハリウッドに復帰したばかりのイーストウッドも頑張っていますが、多少短くしているとは言ってもあの髪型は特殊部隊の将校らしくないですよね。二挺拳銃みたいにしてシュマイザーをぶっ放すシーンがありますが、いくらなんでもあれはやり過ぎです。イーストウッド自身が希望して撮ったアクションなんだそうですが、あんな撃ち方が実際に出来るわけがないでしょう(カッコ良いのは確かですけど)。サービスで二人も出てくる女スパイも、定石では少なくとも一人は途中で死ぬところですがラストまで銃撃ちまくって大活躍しちゃうし、こいつら弾に当たらない超人部隊か!
[映画館(字幕)] 6点(2012-01-28 20:18:08)
293.  恋する女たち(1969) 《ネタバレ》 
ケン・ラッセルの得意としたジャンルは音楽家の伝記とD・H・ロレンス小説の映像化でしたが、本作はそのロレンス文学の初の映画化です。ロレンス文学らしく、登場人物がみな観念的で理屈っぽいところは、はっきり言って観ていて鬱陶しいところです。マイケル・ベイツとオリバー・リードのフルチン・レスリングはいかにもケンちゃんらしい画ですけど、別に彼の創作ではなく原作通りなのです。それよりも彼らしさが出ているのは、2回出てくる女性が踊るシーンでしょう。ケンちゃんの映画では常にダンスが、良く言えばシュール、ぶっちゃけて言えば奇妙奇天烈な振り付けで、本作でもグレンダ・ジャクソンが牛の群れにダンスを見せるシーンはいちばんインパクトがあったシーンでした。本作でケンちゃんはオスカー監督賞にノミネートされ新しい文芸派監督が誕生と称賛されたのですが、その男が70年代になると映画史に残る変態監督になろうとは、誰も予想してなかったでしょうね。 その私が愛してやまないケンちゃんも昨年ついに昇天してしまいました、合掌。
[ビデオ(字幕)] 6点(2012-01-22 00:05:23)
294.  フレンチ・ドレッシング(1964) 《ネタバレ》 
先日天に召された鬼才ケン・ラッセルの劇映画デビュー作です。英国南部のさびれた海岸町ゴームレー、町おこしのためにカンヌみたいな映画祭を開催してBB(ブリジッド・バルドー)を招待しようと目論むジムだったが、そんな田舎町に人気絶頂のBBが来てくれるはずもない。そこで目をつけたのが同じフランスのセクシー女優FF(フランソワ・フェイヨール)で、アタックしたら何とOKしてもらえちゃった。かくしてお色気女優を招いて第一回ゴームレー映画祭はドタバタのうちに開幕したが、果たしてその首尾は? というわけで、町内会の夏祭りにタレントを呼んだらAV女優が来ちゃったと言う様なお話しです。「ジャック・タチの映画を研究してコメディ映画を撮った」とケンちゃんは語っていたそうですが、そう言われれば海辺のリゾートで展開するコメディなので、『ぼくの伯父さんの休暇』みたいですが、似ているのはそれだけ、まだ薄味ながらもケン・ラッセル印の毒気はしっかり出ています。市長と、金魚のフンみたいに市長と必ず一緒にくっついてくる市会議員たちが傑作で、彼らが海辺でFFと戯れるシーンはもう笑ってしまいました。そしてリチャード・レスター映画の常連であるロイ・キニアも大活躍で、60年代英国コメディには彼は欠かせませんね。ラストもなんか青春映画っぽいさわやかな終わり方で、このセンスが後に撮った傑作ミュージカル映画『ボーイフレンド』に繋がってゆくんですよ。
[ビデオ(字幕)] 7点(2012-01-11 23:43:17)
295.  いのちの紐 《ネタバレ》 
名匠シドニー・ポラックの監督デビュー作です。シドニー・ポワチエ、アン・バンクロフト、テリー・サバラス、音楽クインシー・ジョーンズ、衣装イーディス・ヘッド、とてもデビュー作とは思えない豪華なキャスト・スタッフですこと! ポラックはそれまでTVドラマの演出で評価されていただけあって、ポワチエやバンクロフトからも高いレベルの演技を引き出しています。睡眠薬を飲んで自殺を図った女性がホットラインに電話をしてきて、それをボランティア相談員であるポワチエが必死に話を続ける一時間あまりの出来事がストーリーです。その間に電話を逆探知しようとするのですが、アナログ交換機を使っていた時代の原始的な逆探知の手法が面白いです。結末は、まあ予想通りなのですが、ポワチエとバンクロフトが最後まで顔を合わさないで映画が終わるところがいいですね。そしてクインシー・ジョーンズ、この映画はシアトルが舞台だけど彼の都会的な音楽が実にマッチしていてサントラが欲しいくらいです。ポラック、シドニー・ルメット、ペキンパーとハリウッドではTV界出身の名匠が多いのに、なんで日本ではTVディレクターから良い映画作家が出てこないのか、実に不思議です。
[CS・衛星(字幕)] 7点(2011-11-10 00:11:23)
296.  if もしも.... 《ネタバレ》 
「造反有利、毛沢東万歳!」の嵐が全世界で吹きまくり団塊世代が暴れまくっていた時代ですから、こういう若造の反乱は当時としては“直球ど真ん中”のテーマだったんでしょうね。英国のエリート養成機関でもあるパブリック・スクールの坊ちゃんたちまでもがついに…、というプロットですが登場人物たちの人物描写が妙に浅いので、彼らの怒り(らしきもの)が全然響いてこないのは困ったものです。『時計じかけのオレンジ』のアレックスを十分の一に薄めた様なマルコム・マクドウェルのキャラはいかにも物足りない(もっともアレックスのリハーサルみたいな経験だったかもしれませんが)。この監督、『オー!ラッキーマン』は三時間超える上映時間ですから、ほんとはこの映画も長かったのをプロデューサーあたりが勝手に30分くらいカットしたのかもしれませんね。ですけど、モノクロとカラーの使い分けやシュールな演出も交えるなど、英国フリーシネマの掉尾を飾るに相応しい映像に満ちているのも確かです。
[ビデオ(字幕)] 5点(2011-11-01 23:12:51)
297.  ビスマルク号を撃沈せよ! 《ネタバレ》 
なんせ50年前の映画ですので色あせてはいますが、ビスマルク追撃戦をテーマにした映画はいまだに本作だけなので貴重とは言えます。CGの存在しない時代ですから海戦モノは模型による特撮の出来に評価がおかれますが、考証的にはまあ満足できるレベルで、特撮も同時代の東宝特撮と同水準ですかな。ドイツ海軍もこの時代にしては公平に描かれていますが、史実と違ってリュッチェンス提督をゴリゴリのナチ信奉者にしてるが目立ちます。ビスマルクが袋叩きにされて沈むラストがけっこうあっさりしてるのも印象が悪いです。実際には英国海軍の戦艦が多数参加しているのに、バジェットの関係か1隻しか出てこないのもさびしいところですね。この海戦は有名な“フッド轟沈”など見せ場が多い戦いなので、CGを駆使してジェームズ・キャメロンかヴォルフガング・ペーターゼンあたりにぜひリメイクして欲しいところです。
[地上波(吹替)] 5点(2011-10-30 00:52:43)
298.  ジョン・レノンの僕の戦争 《ネタバレ》 
ジョン・レノンはいちおう出てますけど、あまり目立たない役です。この映画の出演のために切ったそうですが、それでも彼の短めのマッシュルーム・カットは周囲からは浮いてましたねー。レノンより遥かに存在感を見せてたのはジャック・マッゴーラン(『エクソシスト』でリーガンにぶっ殺される映画監督です)で、ほとんど彼の独演会みたいな印象でした。この映画、まるでキャロル・リードの『最後の突撃』を思いっきり茶化してパロディにした様な内容で、まあ、無能な上官のせいで兵士がバタバタ死んでゆくという本作のプロットの方が現実に近いというのが強烈な皮肉です。「戦場にクリケット場を造れ!」なんて不条理な設定は非常にシュールで面白いのですが、戦場が北アフリカからヨーロッパに移ってからは普通の戦争映画みたいになっちゃって、どうせなら「クリケット場を造って転戦してるうちに戦争に勝っちゃった」というストーリーの方がはるかに良かったと思います。笑いのセンスは実にベタで、悪い意味での英国調なのですが、監督のリチャード・レスターは生粋のアメリカ人というのは実に不思議です。
[ビデオ(字幕)] 4点(2011-10-28 18:35:50)
299.  昼下りの決斗 《ネタバレ》 
考えてみると、ペキンパーは劇場公開の西部劇をあまり撮ってないんですよね(TVでは『ガン・スモーク』など多数を監督してますけど)。それでも少ない彼のフィルモグラフィの中では半数はウェスタンだというのは大したものです。本作はランドルフ・スコットとジョエル・マクリーの引退記念作みたいな感じで撮られていますが、全盛期のふたりを知らない私でもその存在感だけはひしひしと感じました。冒頭、自動車が登場したりして、ペキンパー・ウェスタンお決まりの「フロンティア時代の終焉」がこんな初期の作品からプロットに盛り込まれていんですね。結局、世間知らずの娘っ子の早まった行動が老雄ふたりの運命を翻弄した騒動だったわけですが、ジョエル・マクリーのラストの死にざまは実に印象的でした(そう言えば本作のマクリーって、『ワイルド・バンチ』の“パイク”ウィリアム・ホールデンに風貌からしてそっくりですね)。
[CS・衛星(字幕)] 7点(2011-10-18 00:05:22)
300.  原始獣レプティリカス 《ネタバレ》 
才人イブ・メルキオールが脚本に参加しているので、バラバラになった肉片が再生してもとに戻るなどセンス・オブ・ワンダーが感じられるところもある(東宝特撮のフランケンシュタインの“不死身の細胞”というプロットの元ネタではないでしょうか)。ところが恐ろしく稚拙な特撮技術と監督シドニー・ピンクのいい加減な仕事のせいで、ダサダサ怪獣映画の一方の雄みたいに語り継がれる出来になっちゃいました。“レプティリカス”は古代爬虫類という設定なのに見た目は西欧神話に出てくるドラゴンそのままで、その造形もあまりにダサくて“レプティリカス”が画面に登場したとたんにこの映画を観るのをやめちゃった人が大勢いたのでは。あの“レプティリカス”のご面相はもうコメディとしか言いようがありません。デンマークが舞台で現地でロケしているので、コペンハーゲン市内でのエキストラは沢山動員出来たみたいですが、まるでシティ・マラソンみたいに街中を全力で走っているだけ。対怪獣戦ではデンマーク軍の協力は得られたみたいですが、なぜか空軍や航空機はまったく登場せずでした。取り柄と言えば、普段眼にする機会が少ないデンマーク軍の当時の装備が判ることぐらいでしょう。実はデンマークは世界で初めて軽機関銃を開発した国ですが、そのマドセン機関銃を50年経ってもまだ使っていたのは驚きました。
[地上波(字幕)] 2点(2011-09-23 21:40:54)
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