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FSSさんの口コミ一覧[この方をお気に入り登録する

プロフィール
コメント数 854
性別 男性
自己紹介 <レビュアー引退について>

他の方にとってはどうでもいい事ですが(笑)、
こちらでのレビュアーを引退させて頂きます。
理由はあまり映画自体を見なくなった事と、
結局、映画以外にもレビューを書けるAmazonが
レビュー投稿の中心になってしまった事ですね。

長い間、お世話になりました。 2021/11/27
   
<ジャンルの好みについて>

・好きなジャンルは「ホラー」「サスペンス」「ミステリー」。
・嫌いなジャンルは「ミュージカル」「恋愛」「韓国映画」「感動押し付け系」。
・どちらでもないのは「アクション」「SF」「コメディ」「時代劇」。

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301.  ぼくは怖くない 《ネタバレ》 
「スタンドバイミー」とは似て非なる作品。今作の方が深刻度は高いものの、その分、起こる事件が少し突飛で、「誰でも感情移入できる」という訳にはいかないが、少年の成長の物語としては相通ずるものがある。  子供たちを取り巻く広大な麦畑とよそよそしいまでの青空は、その広がりの中で自由に走り回る事を許容しながら、広漠とした世界の中で彼らを拘束もしている。そしてそのコントラストは、小さな片田舎の村と家庭に縛りつけられている子供たちの立場と心象をも象徴している。  自分たちの信じていた大人の世界の裏側を垣間見ることの恐怖は、子供が精神的に成長するためには避けては通れない儀式でもあるだろう。   ただ残念なのは、事件を通して活躍するのも、悩むのも、成長するのも、すべて主人公の少年だけで、せっかく他に友人たちがいるのに、まったく彼らに「出番」が無いという点。いいキャラが揃っていただけに、非常にもったいなく感じた。主人公と共に彼らの友情と成長を描くべき。
[ビデオ(字幕)] 6点(2005-01-17 20:42:43)
302.  十二人の怒れる男(1957) 《ネタバレ》 
純粋にミステリーとして見れば、目撃証言の矛盾をついて行く推理過程に驚かされる部分は無いが、本作の見所は言うまでも無く、陪審員室に集う12人の人間ドラマ。それぞれが「劣等感」「嫉妬心」「猜疑心」「偏見」「無関心」「差別意識」といった、負の人間性を代弁する事で、あの狭い一室に「現実社会」の象徴的な一面が現出している。  また「多数決による陪審員制度」は、まさに民主主義の象徴ではあるが、議論と説得を重ねながら有罪を無罪に導く過程と、最後まで「客観的な事実」が分からないラストを持ってくる事で、「いかようにも民意は誘導できる」という民主主義の潜在的な危険性に対する警鐘も見出せる。
[映画館(字幕)] 9点(2005-01-17 19:40:07)
303.  漂流街 THE HAZARD CITY 《ネタバレ》 
外国の異文化により侵食された近未来の日本の姿を見ているような気分。舞台となる「漂流街」とは、まさに歴史の縦軸を喪失した「個人」が漂流する世界の象徴なのだろう。  その中で、ひとりの女との繋がりを保とうとする男を描いた物語。意外と深いテーマが根底にあるが、全体的にテンポが悪く娯楽性が薄い事と、主役を始め、出演者たちの濃いキャラクターに好き嫌いが分かれる点が難点。個人的には苦手。
4点(2005-01-17 19:10:52)
304.  フロム・ダスク・ティル・ドーン 《ネタバレ》 
「バカっぷり」が中途半端。  映画製作における「常識的文法の破壊」を目的としているのは明白なんだから、どうせやるなら、もっと徹底してもらいたい。この作品のように、単に「前半と後半の展開」をまったく変えれば、それで良いってもんじゃないでしょ。「面白く破綻させる」ってのはそんなに簡単な事ではないはず。  実際、前半はただの人質サスペンスがダラダラと一時間近く続くだけだし、後半も単に「前半との繋がりが破綻している」だけであって、独立して見れば、よくある安っぽいB級ホラー。  演出や展開にしても特に見るべき部分は無い(善戦するも一人ひとり襲われる→仲間が吸血鬼(もしくはゾンビ)として復活→愛する者が止めを刺す、みたいなホラーによくあるパターンの繰り返し)。肝心のストーリーに意外性が無いのでは本末転倒。  私がやるなら、あの牧師の親子3人が、実は「吸血鬼ハンター」としての裏家業をやっていたとか、主役の強盗ふたりも、もっとキレた「二重人格」を宿しているとか、一緒に店にいた客の中に、とんでもない殺人技術を持った「連続殺人鬼」が紛れ込んでいたとか、さらに店内に潜入調査に来ていた刑事(実は正体は「狼男」で、途中で変身する)がいたとか、そんな連中による、三つ巴、四つ巴の血みどろの「人外の者どもの饗宴」を描くんだけどなあ。  で、最終的にはみんな揃って吸血鬼かゾンビになっているにも関わらず、また「犯人と人質」という立場で逃走劇を再開するってオチにするけど。どう?こっちの方がはるかにキレてるし、娯楽映画の展開としてもインパクトがあると思うんだけど?日本の漫画なら、これくらいは言われなくてもやるねw。
[映画館(字幕)] 4点(2005-01-17 18:10:04)(良:1票)
305.  ドラゴンストーム<TVM> 《ネタバレ》 
やっぱり外国はファンタジーものを撮るためのロケーションに事欠かないから羨ましい。恐らく舞台となった城も本物を借りて撮影しているのだろう。その方が手っ取り早いし、当然セットより雰囲気も重厚になって、一石二鳥。しかし残念ながら、それは監督やスタッフの手柄ではない。  肝心の内容はお粗末の一言。アクションをやりたいのか、ファンタジーをやりたいのか、どっちつかずで中途半端。ドラゴンのCGも昨今のレベルから言えば低い。ただ火を吹くだけのドラゴンなのに、わざわざ「宇宙から来た」なんて設定にする必要があるのか疑問。デザインもそのまんまだし、おまけに弱い。もっとサンダードラゴンとか、アイスドラゴンみたいに属性があってもいいのに。  中途半端なアクションに中途半端なファンタジーに中途半端な人間ドラマに中途半端なコメディ要素に中途半端な恋愛模様。金がかけられないなら、もっと別の部分で工夫しなきゃダメでしょ。
[ビデオ(字幕)] 1点(2005-01-14 21:50:37)
306.  ミッション:インポッシブル 《ネタバレ》 
TVシリーズ共々、有名作品ながら、もともとあまり「スパイもの」に興味が無い事もあり、最近まで見た事がありませんでした。  シナリオは丁寧に作られていますが、裏表の顔があるであろうスパイ家業なんですから、当然、身内に裏切り者がいるとか、「お前は死んだはず!」みたいな「どんでん返し」はデフォルトでしょう。そう言う意味では特に意外性のある展開も無く、良くも悪くもオーソドックスな内容です。  PS.電車の屋根の上でのアクションシーンは、ほとんどドリフのコントに見えました。
5点(2005-01-14 20:53:07)
307.  ドミノ(2002) 《ネタバレ》 
真面目なホラーかと思えば、こりゃどう見ても「おバカホラー」ですな。少しだけ爪先立ちで歩いている女性とか、トイレでひとりで笑っている女性とか、前半は「ゾクっ」とするうまい演出が多いものの、国民性なのか、後半に行くに従って、微妙にストーリー展開や「恐怖のツボ」がB級路線にズレて行ったような気がする。  あのラストのどんでん返しも無理があると言うか、強引と言うか…。
4点(2005-01-11 13:31:46)
308.  デッドサイレンス(1996) 《ネタバレ》 
聾唖学校の生徒を人質にとった凶悪犯とFBI捜査官の駆け引きを描いたサスペンス。  せっかくの「手話で情報をやり取りする」というアイデアがあまり生きていないため、基本的に「よくある」当たり前な展開になってしまっている。サスペンス映画における「人質を取っての立て篭もり」ネタなんて、最終的にどうなるか分かり切っている訳だから、あまり工夫の無い過程をダラダラ見せられても退屈なだけ。これと言ったアクションも心理戦もなく、ちょっとこじんまりし過ぎ。 
4点(2005-01-11 13:18:54)
309.  ジャスティス/闇の迷宮 《ネタバレ》 
1970年代の軍事政権下のアルゼンチン。軍部による思想弾圧により起きた多数の失踪事件を解決するため、国家の暗部に立ち向かう夫婦の姿を描いた政治サスペンス。  こうした悲劇を忘れないようにすると共に、自由と民主主義の大切さを認識する事は当然としても、問題は軍事政権が台頭する背景にも様々な理由がある訳で、単純に「国家=悪」、「民衆=善」とするのも、また問題があるのではないでしょうか。  実際、ナチスの台頭は、当時、世界で最も民主的と言われたワイマール憲法によって、国民が支持した結果であるように、その軍事政権の成立にも色々な側面があるものです。国が暴走しないように政府を看視するとともに、国民が自らのあり方を内省するのも、その国に住まう国民の責任であるという事は考えておく必要があるでしょう。  また今作は、主人公に「失踪者の行方を透視する特殊な能力がある」と言う設定以外、見るべき部分がなく、あくまでも当時のアルゼンチンの実情を綴ったドキュメンタリー性の強い作品であり、サスペンス映画としての娯楽性はまったく無いので、その辺を期待すると肩すかしを食うかも。
5点(2005-01-11 13:03:01)
310.  TAXi2
<前作未見>  見所は「レース中の車をあっさり追い抜いて行く暴走タクシー」という導入シーンのみ。見るのはここだけで十分なほど、その後の大暴落ぶりが著しい。あからさまに取って付けたような、どうしようもなく稚拙なストーリー。娯楽映画という事を言い訳にして日本人をバカにする事を目的にしているような、センスの無いギャグの数々。弾け切れていない主人公の中途半端なキャラクター。グダグダな展開に、盛り下がるだけ盛り下がったまま終わる適当なラスト。駄作。  他国や自国を風刺するも、ギャグを混ぜるも、何事もセンスとポリシーが無ければ、この作品のように、ただ下品になるだけという良い見本。
1点(2005-01-08 06:12:11)
311.  穴/HOLES
空から靴が降ってきたり、主人公の家族が「靴の匂い消し」の発明に躍起になっていたり、無数の穴を掘らせる矯正施設に入れられたりと、最初はそのシュールな展開から、単なる不条理コメディかと思っていたが、少年達に穴を掘らせる行為にはちゃんと理由があるし、登場人物の繋がりや伏線も考えられていて、それなりに楽しめるものになっている。あまり感動という側面に押し付けがましさを感じない点が好印象。  ただ、どの作品にも言える事だけど、この程度の内容なら、もう少し時間を短めにして欲しいところ(90分前後)。テンポが悪くなっている場面が多々見受けられ、無駄に間延びしてしまっている。    
5点(2005-01-04 00:28:17)
312.  光の旅人 K-PAX 《ネタバレ》 
妄想と宇宙人、どちらに決着をつけても疑問が残ったであろうから、見ている人に解釈を任せるという終わり方にしたのは妥当。その見せ方も絶妙で、「ひょっとしたら…」と思わせる引きの上手さがラストにある。  ただ、「現実を見ろ」という単純なメッセージを込めた作品ではなく、病院の患者達に及ぶ影響が「宗教」や「自己開発セミナー」のそれに近く、彼らの変化は必ずしも患者達の能動的かつ自立的な思考から生じたものではないと言う点には留意すべきだと思う。  つまり、人間にとって大切な事は、「客観的な真実」よりも、「主観としての真実」なのだろう。そこに自己欺瞞があるとしても、その弱さを持つのが人間というものなのかも知れない。問題は、それで前向きになった事をどう考えるかという事と、それを本人が自覚しているかどうか。   また、作品としては全体的にちょっと展開がスローテンポなのがマイナス。謎に関しても、「彼が宇宙人かどうか」という点の検証をもっと徹底して欲しかった。無駄なシーンを編集し直して、時間を短め(90分前後)にしてくれれば飽きずに最後まで見られたはず。  そういう意味で、傑作と言うには、今一歩、何かが足りてない。惜しい。
[ビデオ(字幕)] 6点(2005-01-03 21:33:42)(良:2票)
313.  CUTIE HONEY キューティーハニー
何だかんだ言っても、さすがは庵野監督といったところ。「キューティー・ハニー」の実写化なんて、色々な意味で難しいはずだが、あの原作の持つ独特なテイストをうまく生かしたまま実写化している。まあ「キューティー・ハニー」と言うよりは、「サトエリ・ハニー」だが、そのバカっぷりや、「分かっている」アクション演出の上手さは「キル・ビル」などよりも上。  ただ惜しむらくは、やはり予算の無さ。「狙ったチープさ」ではなく、普通にチープな映像になっているのが残念な限り。もっと予算があれば…。  また、バカ映画とは言え、もう少し脚本的には真面目さとのメリハリをつけて欲しかった。ちょっと「おバカ寄り」になりすぎ。ハニーの性格も能天気すぎる。アクション面の演出も庵野監督にしてはイマイチ。もっと鳥肌の立つような、「漫画的にカッコ良い演出」を期待していただけに残念。低予算ゆえか、ちょっと手抜きしている印象。  例えばあの「♪パッパッパヤッパ、パヤッパ~」のBGMやOPテーマは連発せずに、「ここぞ」と言う時にこそかけて欲しかった。  でもまあ、限られた予算の中で健闘したことは評価したいところ。PS.ぜひ庵野監督には「デビルマン」を撮り直して欲しい。より「エヴァ」っぽい演出が似合う作品だし(w。
6点(2005-01-03 20:53:40)(良:2票)
314.  デイ・アフター・トゥモロー 《ネタバレ》 
現実には表現するのが難しい自然災害の映像は、高いCG技術でうまく映像化されている。その表現の方向性は正しいし、そのおかげで人類に牙を向く自然の脅威にも説得力が出ている。  ただ、今さら環境問題というテーマでお説教を聞かされてもなあ、というのが正直なところ。もし仮に、こういう作品を見て始めて、「自然や環境って大事なんだな~」と本気で感心しているような人がいるとしたら、よほど普段は何も考えていないのだろうと言うしかない。  たかが二~三日でさっさと嵐が過ぎ去ってしまうから、切迫感や絶望感にも欠けている。主人公を含む数人が生き残るのも、単に図書館から動かなかったからだけで、そこに何かサバイバルとして学ぶべき含蓄も見られない。場合によっては、その場を離れた方が良い場合だってあるだろう。  展開もありがちで意外性に欠ける。ここまで極寒地獄の中でのサバイバルとなったら、食料と火種を確保した後は、出来るだけ体力の消費を抑えてじっとしているくらいしかない訳で、「生き延びる」という描写より、「自然に翻弄される人間」という描写に焦点があるため、映画としてかなり地味な展開になっている。各人のドラマも、ちょっとした「愛情」とか「自己犠牲の精神」といった奇麗事を描くために用意されたようなものばかりで薄っぺらい。  「本を焼く」という文明批判も露骨。まるで監督の「自分はちゃんと環境の事を考えてまっせ」と言うような自己満足が垣間見える。これだけの映画を作った後に出るセットや資材などの「ゴミ」は相当な量だと思うが、それを処分するのだってエネルギーを消費し、地球温暖化に一役買っているという事を考えているのだろうか?また、映画を作る上でも、多くの撮影機材やコンピューターという「文明の恩恵」があるからこそ、これだけの映像を表現できている事をどう考えているのか。その辺りの自己矛盾をきちんと処理し、内省しているのか甚だ疑問。
[ビデオ(字幕)] 3点(2005-01-03 18:44:39)
315.  華氏911 《ネタバレ》 
この作品が真実をどれだけ正確に伝えているかはともかく、基本的に情報というものには、必ず何らかのバイアスがかかっている訳で、その客観性と信憑性は、受け取る人が決めるしかないものです。また受け取った地点での、その人の知識や価値観、立場等によって、解釈が180度変わる場合もあります。  まして、それが国家レベルでの情報と言う事になれば、「事実の客観性」なんて事は決めようがなく、結局はマスコミから流される情報を一歩引いて見ているしかないのが個人の現実でしょう。  ただ、それでも多くの情報が出されるに越した事はない訳で、多くの選択肢の中から、より客観性のある真実に近づくためには、こうした作品が作られる事にも意味はあるはずです。その地点で報道や表現の自由が守られている確認にもなる訳ですから。  特に単一民族である我々日本人にとっては、裏表の激しい国際社会の弱肉強食の原理を忘れがちです。他ならぬこの映画も含め、情報の大切さと危険性を再認識させてくれるだけでも、この映画の価値はあると思います。 
7点(2004-12-31 14:25:28)
316.  スクール・オブ・ロック
マイノリティである事をまるでマジョリティの抑圧によるものとする発想や、そこにアイデンティティの核を持ってくるという感覚自体、大人になっちゃうと、ちょっとカッコ悪いと感じてしまうようになった私は元ヘビメタバンドのドラマー(現30代)。  世の体制や諸矛盾に対する怒りの衝動こそがロックの原動力だろうが、その内なる衝動がヘンに社会問題と絡んだり、全共闘世代のように「反体制」自体が目的化してしまうことは非常にカッコ悪いのである。  この作品でも、生徒達のバンドを始める動機が勉強同様、ただ大人に押し付けられた価値観に流されているだけで、そこに自分の意思で何かを変えよう、変わろうとする衝動が無い。それは体制の中で安全を保障された「反体制ごっこ」であり、大人や社会の保護下にある子供のお遊びでしかない。所詮、学校での勉強や校則などは本当の意味での「抑圧」ではないのだから。そもそも生徒達の年齢が低すぎる。価値観を自分で選択する自由や、好き勝手に振舞うことを覚える前に、抑圧に対する忍耐というものを学ばなければならない時期だろう。義務を果たさずして主張される権利や理想などには何の説得力も価値もない。  主人公が生徒達を学歴社会という価値観から解放する者でありながら、また新たな抑圧者として自分のロック観を押し付ける抑圧者になるという欺瞞と矛盾がある。その対立構造を自覚した上での脚本なら秀逸だが、単に学校という管理社会からの解放のみを肯定しているとしたら幼稚な限り。  PS.自論ですが、所謂「価値観」というものは、「一周」しなきゃ身にならないと思います。   
5点(2004-12-28 23:10:26)
317.  21グラム 《ネタバレ》 
現実にもありそうな悲劇で、出てくる人物すべてに感情移入が出来るものの、映画として見ると、中途半端にリアルな分、ドラマとしてもサスペンスとしても弱くなっている。  時系列をバラバラにして謎めかしてあるのも、その脚本の弱さを目立たせなくするための「手段」でしかなく、ストーリー構成上の「必然性」がほとんど見られない。そういう観点でなら、まだ「メメント」の方が、パズルに徹していた分、意味のある脚本構成だった。  ラストもどんでん返しがあれば良いという訳ではないが、ここまで思わせぶりな展開で引っ張っておいて、最後はいまいち意味不明な自殺で尻つぼみ気味に終了されては、色々な意味ですっきりしない。解釈を見ている人にまかせているような終わり方も、単にどう収拾をつければベストなのか分からなくなった監督の苦肉の策という印象。  「悲劇により齎された命を永らえること無く、自ら命を断つことで、新たな悲劇の循環を未然に防ぐ」という物語であろう事は理解できるものの、結果的には、誰一人救われていない訳で、その「悲劇性」をやたらと強調した、バッドエンドを狙いすぎている展開が鼻につく。
[ビデオ(字幕)] 5点(2004-12-28 13:06:08)
318.  ペイチェック 消された記憶 《ネタバレ》 
「中途半端」を見事に体現している駄作の典型。最後までSFサスペンスとして行くか、アクションとして行くか、どっちつかずのまま作っちゃったという印象。「マイノリティ・リポート」もそうだったけど、肝であるはずのタイムパラドックスを含む「時間」に対する考証がいい加減で、SFとして穴だらけ。「未来を見た」といっても、いったいどこまで未来を見たのか説明されないし、未来を知っていると結果を回避できるというのも、結局、その地点でタイムパラドックスによる矛盾を生じているはずなのに、そんな事はお構いなし。設定のために、都合の良いように「時間」や「未来」という単語を使い回しているだけの安直さがイヤ。それで面白くなっていれば何も文句は無いけど、予想通りのご都合主義的な展開と中途半端なアクションがダラダラと続くだけで、娯楽映画としてもつまらないからどうしようもない。  「20のアイテム」を使って窮地を切り抜けるというアイデアは良いけど、記憶を消されて、これから何が起こるかを知らない主人公が、数多くのアイテムをとっさの状況下で適切に扱えるとはとても思えない。自分だったら、銀貨やクリップや鉄の球が入っていても、いつ、どこで、どう使えばいいのかなんて、さっぱり見当がつかんけど。  あのアクションもしょぼい。なんでただの技術者があんなに強いんだ?どんなに近距離で銃を撃ちまくられても、主役にはカスリもしないという幼稚な演出はもう止めてくれ。アクション演出における思考停止状態だよ。  また個人的に主役ふたりにも魅力が感じられない。特にユマ。「キル・ビル」の時は「復讐に燃える殺し屋」という役どころだったから、あの濃ゆい顔にも違和感はなかったが、いざ、普通の女性として恋愛ドラマを演じられるとちょっと引く。個性的な顔立ちが悪い訳ではないが、恋愛対象というキャラ設定としては、はっきり言ってミスキャスト。ベン・アフレックもあの眉間の一本線と、中途半端なしゃくれが気になって仕方がない。何を考えているのか分からない、何とも締まりの無い表情が見ていて鬱陶しい。アップが多いし。  まあ、とにかく、どんなジャンルでも「中途半端」な事をしている作品はダメ。ひとつの事にも徹底できていないのに、全体としての完成度が高くなる道理がないという事を、この作品が証明している。 
3点(2004-12-28 11:22:37)(良:1票)
319.  グリマーマン
このタイトルを新聞で見て、「グリマーって何だ?」と思い、「The Glimmer Man」をExciteのテキスト翻訳で訳してもらったら、「微光人」と出ました。ものすごく日常で使わない言葉です。  「???」余計分からなくなったので、辞書で調べたら、「ちらちら光る」「かすかに光る」とありました。  つまり、相方の黒人の頭のことだと思います。
2点(2004-12-27 12:29:31)(笑:1票)
320.  トロイ(2004)
映像表現に金をかけているので、一見すると重厚だが、原型になっている叙事詩から「神話性」を取り除いてしまったため、何とも中途半端な内容になっている。神話や叙事詩には興味があるものの、伝承を単に「実写化」するだけでは、こんなにつまらなくなってしまうものかと驚かされた。  戦闘シーンは「ロードオブザリング」同様、ただ単に集団でワーッとやりあっているだけで、戦略もクソもない集団戦の連続にウンザリ。人や船をコピペしまくっているような画面からは、もはや驚きよりも、表現における「下品さ」しか感じられない。  メインの「トロイの木馬」のシーンも、こういうリアルな映像で見せられると、その作戦の幼稚さが目立つ目立つ。いくら何でも敵さん由来のものなんだから、城内に入れるにしても、燃やすにしても、まず調べろよ(w。もう少し、独自の解釈による大胆な変更があっても良かったのでは。  ブラピも悪くはないものの、あの不死身のアキレスにしては、いまいち迫力不足。それは決闘シーンの演出の仕方にも問題があるからだろう。「強いんだな」って事は伝わるものの、それはあくまでも「人間レベル」のもので、あんな程度では「神の血を引く者」としての凄味は感じない。例えば、ヤリを投げるにしても、何人もの敵兵を鎧ごと貫いて串刺しにするくらいのパワーがあるとか、身体を切りつけられても、すぐに傷口がふさがるとか、デカい戦斧の一撃を素手で受け止めるとか、たった一人で何千人もの敵兵を屠っていくとか、まさに「一騎当千!」と言うべき「見せ方」ってものがあるはず。それは神話ベースだからこそ出来る、そして「やって欲しい」演出なのに、ハリウッド映画はそういうアクション面の演出が本当に下手くそ。  全体の展開も、重厚さや長大さを出したいのか、無駄に長くなっていて、ダラダラとしているのもマイナス。どうせやるなら、原作の解釈を変えて、もっと現代風にアレンジした、エンターテイメント性の高い叙事詩を見てみたかったなあ。   PS.ブラピの身体はなかなかスゴかったけど、まさかCGじゃないよね?
4点(2004-12-19 06:59:10)
0475.50%
1627.26%
2647.49%
312514.64%
416319.09%
514516.98%
6829.60%
7758.78%
8495.74%
9303.51%
10121.41%

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