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花守湖さんの口コミ一覧[この方をお気に入り登録する

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301.  ミリオンダラー・ベイビー 《ネタバレ》 
クリント・イーストウッドは、昔から人の生死を軽くみているところがあり、それがこの映画にも、見事に反映されていました。 マギーは死んだほうが良かったのでしょうか? そんなわけがありません。 「生きる」ということは、誰にとっても、苦しくて大変なことなのです。 それなのに、自分らしく生きられないからという理由だけで、マギーに死を与えたのは、イーストウッドの、生死軽視の誤った思想が反映されているからです。 「愛する者を殺す」という行為を、正当化しようとした偽善ぶりに、怒りを通り越して呆れるばかりでした。 この人は今まで低俗な映画の中で、あまりにも多くの人間を殺しすぎて、生命に関する感覚が麻痺していると感じました。 許されざる者には死を!愛する者にも死を! もう笑うしかありません。これからもたくさん人を殺し続けてください。 イーストウッドの一連の作品を観ていると、まるでアルベール・カミュきどりです。 いくら世の中が不条理であるとはいえ、それをそのまま映画にしないでほしい。 なぜ夢を与えようとしない?老人のあなたには、もう夢の欠片も残っていないくらいに萎れてしまったのか? それとも社会派映画監督として、こういう低俗な映画をつくって、自己満足に陶酔しているのでしょうか? すでに人間として老人になり、枯れ果ててしまったイーストウッド。彼は、したり顔で、「それが現実なんだよ、君たち」というメッセージをヌケヌケと送っている。 映画とは、観ているものに、勇気を与えてくれるものであってほしい。 映画界にも定年を設けるべきです。老害とは、まさにイーストウッドのためにある言葉ではないでしょうか。老人が映画を作るな、とは言いませんが、『元気が無くなる映画』など私は観たくないのです。
[DVD(字幕)] 0点(2005-11-27 21:36:37)(笑:1票) (良:4票)
302.  宇宙戦争(2005)
見事としか言いようがありません。 宇宙戦争は「絶望」という名の、壮大なメタファーでした。 私は、宇宙戦争は実際には、起こっていなかったと思います。 つまり、駄目パパを自覚しているトムにとって、子供たちを預かった日が、宇宙戦争の始まりだったわけです。分かりますか? もう修復不可能な家族とのコミニケーションは、トムパパにとっては、「絶望」を意味していたのです。 始まりは、ダメパパに心を閉ざした子供とのコミニケーションでした。 一縷の望みをかけて、なんとか息子との関係を修復しようとするトムパパが、強引に息子とチャッチボールを断行しますが、予想以上に親子の亀裂が深いことが分かりました。 トムパパにとって、それは、あたかも、地底から宇宙人が突然現れることに等しかった。 だからそれを表現するために、トムパパの目の前で、宇宙人を地底から突然出現させるという演出を行ったのでしょう。 そして宇宙人に攻撃されているような絶望感で、トムパパは、子供たちとの関係を、どうやって修復すれば考えました。 しかし、その直後に彼のとった行動は、母親のいるボストンに子供たちを送り届けるということ。 それが何になる?いや、どうでも良いのです。 とにかく父親はそれをしなければいけなかったのです! それが子供から愛されない父親が、必死で考え出した最後の希望でした。 いや希望などなく、無償の愛と言ったほうが良いのかもしれません。 ダメパパと思われようが、父親とはこういう人種なのです。 ラストは、誰かも仰っていましたが、トムパパが、ボストンにたどり着いたから、宇宙人はその存在意義がなくなりました。 もともと、宇宙人は、トムパパが生んだ幻だったと考えるならば、彼が目的を達成すれば消えるのは必然でしょう。 どうです?これでみなさんの、この映画に対する疑問は解決したでしょうか。 ちなみに、トライボットというのは、 かつて火の七日間と呼ばれる戦争で、世界を焼き尽くした巨神兵に似ていましたね。 恐さは1級品。それにスピルバーグ風味が絶妙にスパイスされていました。 
[DVD(字幕)] 9点(2005-11-27 13:31:19)(良:1票)
303.  ワンダフルライフ 《ネタバレ》 
建物の中を意図して暗くしたことによって、窓から漏れるぼんやりとした白い光が、幻想的な雰囲気を醸し出しています。 そして冒頭から、かなり意識して、徹底的に外の空間を見せないようにしています。 まるで詩のように、観ている観客の感性を、グングンと高めていく手法は非常に巧いと感じました。 地上ではない天国に一番近い不思議な場所を、CGを駆使して作って魅せようとするのではなく、観客に想像させるのですね。 この監督さんは、「幻の光」でもそうでしたが、なんでもない光景を、神秘的なものに変化させることが非常に巧い人です。 映画の雰囲気は、一貫して静けさを保っており、冬であるにも関わらず、建物の中だけは、人のこころの温かさに満ち溢れています。 そして否が応でも、自分の人生を振り返って考えさせられる普遍的なテーマが、観客の意表をついて見せようとする訳でもなく、ごくシンプルに提示されている点が好感を呼びます。 是枝監督は、まさに日本のチェーホフです。
[DVD(字幕)] 9点(2005-11-13 17:52:26)
304.  LOVERS
チャン・イーモウという監督は素晴らしい! 私は高く評価していました。チャン・イーモウは、純小説家なのです。 しかし、私はもう1つ言わなくてはいけないことがあります。 チャン・イーモウは、「昔」は、素晴らしい監督だった、ということです。 彼は名声と引き換えに大切なものを失いました。 「ヒーロー」の失敗は、何とか我慢できましたが、この映画を見て、ついにぶち切れました。 映画監督チャン・イーモウの堕落は、もう手の施しようがありません。この人は、もう二度とまともな映画は作れないでしょう。 これは映画ではなく、チャン・ツイィのプロモーションビデオです。 日本のバラエティー番組と同じ低俗さがあります。どうせならば、途中でチャンの歌も挿入すればよかった。日本のシングルチャートで100万枚突破間違いないでしょうね。 だけど、これは映画ではありません。 低俗なTVです。 チャンイーモウはついに、裸の王様になりました。 そしてチャン・ツイィーは、二の腕が、やたらと太くなりましたが、あいかわらず可愛いです。しかしやはりこれは映画とは呼べません。アメリカのハリウッドに媚びる最低の低俗映画です。
[地上波(吹替)] 0点(2005-11-05 21:30:56)
305.  きみに読む物語
「普通っぽさ」を強調した映画なのに、無理して「意外性」を見せようとしています。たとえば、若いときのノアがいきなり、道路に寝転がって、「君も道路に寝ろよ!自由になれるぞ」なんて、嘘ぶく姿をみて、車に引かれてしまえばいいのに、と素直に思いました。 観覧車のシーンだって、ちょっと「普通」ではありませんね。「僕とデートしてくれなきゃ、ここから落ちて死んでやる」なんてことを言う男の人が、普通の恋愛をしているとは、私は思いません。 私は平凡でありふれた恋愛は好きです。しかし、はっきり言わせて貰うと、2人の恋愛は特に平凡ではありませんでした。この映画そのものなのが平凡なのです。 それから、一番の見せ所である認知症が一時だけ、治ったあの奇跡のシーン。あのときのおばあさんの演技は、深田恭子並にひどいです。私は、認知症の回復など、どうせありえない話を実現した物語なのだから、徹底的にファンタジーにしたほうが良かったと思いました。 2人の老人が、あの大雨のあった過去に戻って、あのときのことを、思い出そうとするという設定のほうが夢があります。そのとき、雷が落ちてきて、おばあさんだけを直撃する。するとそのショックで記憶が甦る。 めでたし。めでたし。 もし私が監督だったら、このようにファンタジックに原作を変更して映画を作ると思います。
[DVD(字幕)] 6点(2005-11-05 18:51:46)
306.  ブラザーフッド(2004)
アニキ~!あんた強すぎるよっ。いったい何人殺したんだよー。ランボーといい勝負するよ!でもアニキの弟おもいには、素直に感動しましたよ。自分にも弟がいますが、弟のために、何かを買ってあげたことは、一度もないと思います。それどころか、悪代官のように、いつも弟から何かを搾り取ってきました。 だから弟は私のことを嫌っているはずです。 ラストの兄弟愛は、じーん、ときました。 弟のほうが、「アニキ。一緒に帰ろう」と言います。それに対して、アニキは「お前だけ逃げろ。お前だけでも生き抜いてくれ!」 うおおおぉ!なんという切ない兄弟の会話でしょうか! 私が同じ立場だったら、死ぬのが恐いので、弟の足にしがみついて、命乞いをするでしょう。しかし弟は、金色夜叉の貫一のように、私を足で蹴り飛ばして、去っていくでしょう。いや、もしかしたら、私が瀕死の状態なのを良いことに、絶好の機会だと思って、とどめをさそうとするかもしれません。 そういうことで、この映画の兄弟愛は私にはちょっと信じがたいものがありました。
[DVD(字幕)] 5点(2005-10-29 11:38:51)
307.  乙女の祈り
基本的に同性同士の親子は、葛藤を抱えているケースが目立つ。とくに「母親と娘」という関係は、一般的にみると、あまり仲が良くない場合が多いように思う。 心理学では、娘というのは大人になろうとする一時期、母親に将来の自分の姿をみて、それを無意識のうちに嫌悪するといいます。それは「母の眠り」という映画に出てくる母娘を見れば、もっとよく分かるかと思います。この映画でいえば、娘が同居人の男を引き入れてしまったことを、母親にとがめられたとき、「私もお母さんと同じ血が流れている(淫乱の)」と言ったことで判断できます。娘は母親のようになりたくなかった。 彼女の同性愛は、純愛というよりも、むしろ不安定な精神状態を埋めるために必要だった手段だと私は思う。しかしそれも愛の1つなのかもしれないが・・。 彼女が得た一時の安定も、母親によって邪魔される。しかし、ただ単に「邪魔されたから殺した」という話にせずに、2人の少女が作り上げた第4の世界(空想世界)を滅ぼそうとする者が現れたことに対する脅威が、殺意に変わっていく、という説明が丁重になされている。ここがうまい。つまり母親に対する殺意は、憎しみの気持ちよりも、むしろ、どうにもならない所まで追い詰められた末の行動だったということが読み取れます。 これは純文学。
[DVD(字幕)] 8点(2005-10-29 11:20:38)(良:1票)
308.  リード・マイ・リップス
私も「ピアニスト」をチラリと思い出しましたが、女性のほうが意外と逞しくて、私の心が救われました。 社内でのけ者にされていた女性。しかしそれでも他人を求める気持ちを強く持っていたという所に魅かれました。 日本の現代の若者だったら、すぐにひきもりになって、人間と会うことを恐れるようになるでしょう。しかしどんなに軽蔑されていても、誰かとツナガリタイという意志を強く持っていた主人公は素晴らしい。応援したくなります。 そのお相手の男のほうは、まるで救いようがないチンピラ。金のために女を利用し、お金が見つからなかったら、逆ギレして、女性の乗っている車を足ゲリして「お前はしっかり見張ってろ」と怒鳴り散らす最低男でした。 恋愛映画ではないとは思います。 1人の女性の決意を表現した映画だと思いました。
[ビデオ(字幕)] 7点(2005-10-09 22:37:14)
309.  オペラ座の怪人(2004) 《ネタバレ》 
この映画は、不幸な人殺しのファントム様に感情移入できるかどうかで評価は分かれると思います。 このファントム様は、自分にとって都合の悪い人間を簡単に殺すオペラ座の逆ギレストーカーでした。 しかも無職のくせに、給料まで要求する図々しさは、オペラ座の怪人というよりは、オペラ座のニートです。 しかも地下にこもって、人形遊びをしている姿をみると、ただのひきこもり野郎にしか見えませんでした。いったいどういう女性がこのような気色の悪い男を好きになるのでしょうか? しかし、クリスティーヌは、まるで聖母のように、この陰険な悲劇のヒーロー気取りの男を哀れみました。私は彼女の神々しいまでの美しさに感動致しました。 彼女は、人殺しのファントム様の罪のすべてを受け入れて彼を癒したのでしょう! さて、ラストシーンでは、クリスティーヌの墓前に花と指輪が添えられていましたね。 この場面から、ファントム様がここにやってきたことが、瞬時に理解できました。 なんと、逆切れストーカー男は、クリスティーヌよりも長生きしていたのですね!! ファントム、てめーが真っ先に死ねや!と、素直に感じました。
[DVD(字幕)] 1点(2005-10-09 21:55:44)(良:1票)
310.  おばあちゃんの家
これは孫の演技を褒めなくてはいけません。 あそこまで超生意気なクソガキを演じられる子役は見た事がありません。 孫を散髪するシーンは、私だったら、あのクソガキをモヒカン刈りにしてやるでしょう。 それほど生意気だと思わせる演技を行う天才子役なのです。 そしてこの映画をみると、例外なく、多くの人が自分とおばあちゃんの関係を思い出すのではないでしょうか? 私も、おばあちゃんの家に2年ほど暮らしていた時がありました。私も、おばちゃんと、激しい言い争いをしていた時期がありました。 それを思い出しました。 おばあちゃんは死にましたが、私は本当におばあちゃんと和解できたのか今もって確信がもてません。 あの当時の私を冷静に振り返ると、第3者からみたら、私はやはりクソガキに見えたと思います。 家族から受ける愛情というものも、なかなか感謝できないのは、あまりにも、その愛情が当たり前のようにもらえるからだと思います。 私は、そういう当たり前のものを、失った後に気がつくことが多くて、いろいろな後悔があります。 この映画をみて、当たり前にもらえる愛情のありがたみを、再度実感できました。 ありがとう、おばあちゃん。
[DVD(字幕)] 10点(2005-09-25 09:20:07)
311.  マグダレンの祈り 《ネタバレ》 
激しい怒りが・・・。 レイプされた女性の「罪」は、男を誘惑させるような態度をとったからだとさっ! だから長くて美しい髪の女性は、娼婦扱いされ、修道女に、はさみでばっさり切られる。まるで悪夢。 美しいというだけで、 「あなたが、わざと男を誘っているのです」と言われてしまう。 レイプされた少女、恋人と交際中に、気が付いたら妊娠していた女性、また父親に犯された娘などが、娼婦と認定されて、修道院に監禁されてしまう異常さに目のくらむ怒りを覚えます。 彼女達は、そこで洗濯をさせられます。 「娼婦は己の汚れきった心を、自分で洗濯しなさい」という意味があるようです。 修道女は、修道服に身を包んだ虐待者の集団でしょう。 正義を信じて実行する人間の恐さは、過ちを犯した人に対する冷酷さだと思います。弱さに対する哀れみはまったく見られませんでした。 しかし、この修道女よりも、アイルランドの「社会」そのものに問題があることがこの映画から分かりました。カトリックの教えでは、避妊が許されないので、恋人とつきあっていて妊娠するケースが多かった。そのせいで未婚の母親となると、町の噂になる。それを嫌った家族が、修道院に自分の娘を捨てるのです。 「預ける」のではなく、「捨てる」のですよ! この映画では、1人の女性が施設を脱走して実家に帰ったとき、父親が娘を血が出るまで殴りつけて、「一生戻ってくるな」と追い返すという場面がそれを実証しています。 自立こそが支配から逃れる手段だということを、痛切に感じました。 孤児院で育ったバーナデットも幼くて自立できず、支配され続けた女性でした。しかし脱走し、自分で仕事をもち、見事に自立しました。あの雨の印象的なラストシーン。 彼女の強い目が「もう私は、誰にも支配されていないから逃げる必要がない」と言っているようでした。女性の経済的自立が、支配の壁を打ち破った瞬間だと思います。 まさに女たちのジハード! 怒りの10点です。
[DVD(字幕)] 10点(2005-09-24 20:18:41)(良:1票)
312.  過去のない男
主人公の男は最初から記憶を失っていなかったと思う。暴漢たちに頭を叩かれたことを、逆に利用して記憶喪失のフリをしていたと考えます。 この映画のタイトルを変更するなら、ズバリ「ピアノマン」が良いでしょう。
[DVD(字幕)] 7点(2005-09-19 18:40:01)
313.  スーパーサイズ・ミー
実は私もこの映画が出来る前から、3ヶ月間マックを1日2食ずつ、ほぼ毎日のように食べ続けていた時期がありました。マックを食べ続ければ「すぐ太るのは当たり前」だという意見もありますが、けっしてそんなに簡単には太れないと思います。私は最初の1ヶ月間は全然太れませんでした。 つまり人の体質によってそれは違ってくるのだと思います。私も監督同様に身をもって体験したので、簡単に太れない、という事実があることも知ってもらいたいです。私の場合は身長に見合う平均体重が、人よりも11kgも少なかったので太りたいと思い、マックを食べ続けたのですが、それでも太れずに非常に苦労しました。「私にいったい何が足りないのか?」と真剣に悩み、栄養バランスが悪いからマックだけでは太れないのだと考えました。世の中には痩せるための本は存在しても、太るための本は1冊もありません。私は苦労したあげく、作戦を変更して、ひたすら納豆(たんぱく質)とマックという組み合わせで食べ続けました。マック、納豆、マック、納豆、マック、納豆、マック、納豆、マック、納豆・・・きりがないのでこのへんでやめますが、さすがに苦しかったです! しかし3ヶ月後にはなんと9kgの体重が増加! 「マック、ありがとう!!!!!!」 と思わず叫びましたね。 こうして私の体重増加計画は終了しました。今はベスト体重です。 ちなみに私はマック関係者じゃありません。
[DVD(字幕)] 5点(2005-09-19 18:19:21)(笑:2票)
314.  ひかりのまち
わたしは学生時代に東京でアパート暮らしをしていたことがあるのですが、その当時の「東京の夜」を思い出しました。大都市の夜の溢れんばかりの光ってなにか寂しくなってきます。 1人で誰もいない道を歩いていても、あまり寂しさを感じることはないかと思います。 しかし誰も知らない人ごみの中をかき分けて歩いているとき、すごく孤独を感じることはないでしょうか? 私にはありました。 タイトルは「ひかりのまち」しかし賑やかで人ごみ溢れる都会の夜の街という意味とは対極のものがここにはあると考えます。 それを言葉ではなく、映像で表現していることころが素晴らしい。 日常的な人々を描くことで、観客はよりいっそう感情移入することができ、私たちもそれぞれの「ひかりのまち」を歩いていた時のことを思い出すのではないでしょうか
[DVD(字幕)] 6点(2005-09-10 20:03:29)
315.  パッチギ! 《ネタバレ》 
うーん、とにかく熱い映画でした。夏バテもこれ1本みればすぐに回復します(きっぱりと断言します) まず出だしのバスをひっくり返すシーンに圧倒されつつも思わず爆笑。まさにあれは「痛快無比」一気に映画の中に引き込まれました。 日本において在日というのは少数派であり「弱者」というイメージがあったのですが、それを吹き飛ばした瞬間でもあります。あの在日の3人の不良の存在感が素晴らしい。負け犬になっていないし卑怯でもありません。ひたすら熱い奴らでしたね。 ラストで「イムジン河」がラジオから聞こえてきたときは、不覚にもじーんときました。日本映画独特の、しんみりとした感動ではなく、胸が熱くなるような感動がこの映画にはあると思います。 監督はこの映画によって、日朝問題に対して「日本人は反省の意味も込めてもっと考えて欲しい」と言っていましたが、たぶんそのような見方をした人はあまりいないでしょう(笑) 監督がどういう意図でこの作品を作ったにしろ、すでのこの作品は、監督の手から離れていると思います・・。 ここのレビューをみてそれを強く感じたのでした。 しかしあのような熱い俳優たちを縦横無尽に使いこなせるのはやはりこの監督の手腕なんでしょうね。
[DVD(字幕)] 9点(2005-09-10 19:18:07)(良:1票)
316.  エレファント
この事件を知っていてこの映画を観るのと、知らないで観るのでは全然違うと思います。私はこの事件を知ってからこの映画を観ることをお勧めします。知っている人がこの映画を観ると、平穏な学校生活を見せられても、のんきな青い空を見せられても、生徒たちの戯れた姿を見せられても1つも退屈しません。観客はあれが「いつ始まるのか?」ということをドキドキしながら緊張感を持って待ち続けることができます。 あのマイケル・ムーア監督はこのコロンバインの事件で「銃社会アメリカ」をクローズアップしていました。しかし「エレファント」では、人を殺すのは「銃」ではなく「人」だということを伝えていたように感じました。 自殺願望を持った人間だからこそ、この事件は生まれたのではないでしょうか。 大切なことは銃の問題ではなく、なぜ2人の少年が人生に絶望したのかということだと考えます。銃の問題やインターネットの問題は原因ではなくきっかけに過ぎません。 心の闇の深さは訴えかけた映画のように思いました。さすがにカンヌの頂点にたった作品だけのことはあります。
[DVD(字幕)] 9点(2005-09-04 02:49:48)(良:2票)
317.  マレーナ 《ネタバレ》 
いったいあのリンチの「怒り」はどこから生まれるのだろうか? そのリンチをかわいそうに見ている偽善者の少年にも腹がたつ。リンチの終わったあと、美しい海辺でひっそり1人で悔やんでいる姿も憎憎しい。感傷に浸るんじゃねーっつーの!余裕があるから感傷に浸れるのです。そもそも初恋の女性に性欲をもち、妄想する少年にはリアリティがありません。思春期の男の子というのは普通の女の子に性欲を持って妄想することはありますが、初恋の女の子や特別に好きな女の子には無意識のうちにそういう妄想を避けるのです。 たしかに妄想してしまうこともありますが、すぐにそういう自分を嫌悪します。つまりこの段階の男の子の恋というのはオスとしてのものではなくもっと純粋なのものだと思う。だからこの映画の少年の恋はリアリティがない。だたのエロガキに過ぎません。マレーナーを性のシンボルとして見ていた町の男たちと何1つ変わらない。いや覗き見をしたり下着を盗んだりするのだから余計にタチが悪いかもしれません。 このエロガキをして「一般的な男の子」と誤解されそうなことが心配です。
[DVD(字幕)] 5点(2005-09-04 02:11:15)
318.  列車に乗った男 《ネタバレ》 
「殺人の追憶」は、セピア色の映像で独特の世界観を作り上げましたが、この映画はまさにブルー。とても心地いいブルーです。 この映画を観てふっと「乞食と王様」を思い出しました。 アウトローの生き方に憧れる平凡な元学校の先生は乞食に憧れる王様のように見えました。 しかしそれも仕方ないかもしれない。 彼は自分があと数日で死ぬかもしれないと思い始めたとき、今までの自分の人生に疑問を持ち始めたのだと思う。それが手術を控えたジャン・ロシュフォールの演技から切実に伝わってきました。 たぶん死を前にしたときの人間は自分の過去を振り返り、疑問や後悔やいろいろな思いがあふれてくるのだと思う。姉に対しての行動もその1つだと思う。 みっともないようにも思えるがそれが人間の本当の姿のようにも思える。 「列車」というのはもちろん「人生」の比喩のことを指しています。 ラストは「生まれ変わった」ということを言いたかったのでしょう。 生まれ変わってこれからあの死んだ男のような人生を送るということを暗示しているように見えました。その是非はともかく、後悔のない人生を送りたいものですね。 印象に残ったのはこのカッコいい2人の男は1人ぼっちで死にました(1人は生き返りましたが)。それをみて、どんな人生を送るにせよ、1人ぼっちで死にたくはないな、と・・・それだけは強く思いましたね。 面白い映画ですよ、これは。いったい自分はどういう最後を迎えるのか久しぶりに深く考えてしまいました。 
[DVD(字幕)] 8点(2005-08-29 21:29:04)
319.  アララトの聖母 《ネタバレ》 
日本人がこの映画をみて頭に浮かべることは、いまだに中国から「嘘」か「本当」か分からない南京虐殺事件を責められていることだと思います。 興味深かったのは、アルメニア人大虐殺映画に主演してしまったハーフのトルコ人役者の心の葛藤です。 これは日本人が中国に行って南京虐殺映画に主演するようなもの。たとえ役者としての出世がかかっているにせよ後悔の念や自己嫌悪で苦しんでいる様子が随所に伺えます。 憎しみから何も生まれないとはよく言います。歴史認識に関しては疑問はありましたが、アルメニア人の両親をもつエゴヤン監督にとってこれは、自分のルーツを確認するための映画なのかもしれない。 しかしこの映画は歴史を扱っただけの映画ではなく私は再生の物語だと感じました。 これだけは絶対に言いたいことですが、この映画は時間軸の使い方が非常にうまく、3つの時間の流れと、2つの家族が丁寧に描かれています。 これほど完璧な構成力を持った映画にお目にかかることは1年に1度あるかないかだと思う。 登場人物では、父親の死に対する悲しみを義母への怒りに変えてしまった娘や、どうしてもゲイの息子を認められない堅物の父親(税関の仕事をしている)が特に印象的でした。 娘の悲しみが怒りに変わる心理はアルメニアの歴史と似ている。 そしてこの2つの壊れかかった家族が、アルメニアの主人公をきっかけにして再生していく─。 娘の刑務所のシーンや車のシーンがそれに当たります。 ところで取調室で主人公の少年を救ったのは税関検査官ですが、本当に救われたのは税関検査官だと思う。 赦すという事が理解に変わり自分が変わることもある。 そしてアルメニアの画家ゴーキーが時間軸を越えて現在の義母の前に現れたあの瞬間、監督がこの映画に望んでいた本当の目的が見えてきました。これはアルメニアに深い想いを抱く監督が作った執念の傑作です。なんと素晴らしい構成力を持った映画でしょうか。
[DVD(字幕)] 10点(2005-08-22 19:56:51)(良:1票)
320.  ほたるの星 《ネタバレ》 
頼りない新人の先生が主人公で、クラスには家族問題を抱える子供が1人いる。同僚の先生たちは意地悪。そして保健室には美人の先生がいる。 最初にこういう構図を見せられたときに嫌な予感がしました。あまりにもありきたりな学園ドラマの雰囲気だったからです。結果は予定調和でした。しかしなぜか退屈せずに、むしろ新鮮だと感じたくらいです。DVDで観たのですが街並みが非常に美しい。自転車をこいで学校へ行くときの風景や、女の子を家まで送っていったときの城下町っぽい雰囲気が印象的です。最後の蛍の乱舞は・・あれはやりすぎでしょう・・・と思いつつ、やはり感動します。 宮本輝の小説で「蛍川」という作品があるのですがそれを思い出させます。小説を読んだとき、実際に蛍の乱舞を見ることはずっとないかと思っていましたが、映画であるにせよ美しい光景を見ることができて良かったです。また「心の目」によって自分の会いたい人を見ることができるようになるという話も良かったです。DVDのメイキングでは監督のこの作品にかける情熱が伝わってきますし、主演の先生と生徒たちの仲の良い雰囲気が伝わってきます。良い作品はこうやって出来上がるのですね。   
[DVD(字幕)] 8点(2005-08-22 19:16:58)
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