301. DOOM ドゥーム
ネタバレ 王道の娯楽アクション映画ですね。 序盤に研究所の職員達が逃げ惑い、閉ざされるドアに挟まれて手首が千切れちゃうシーンなど、掴みも上々。 盲腸の手術痕によって、怪物が元人間だと気が付く件も良かったし、BFGを発見するシーンに関しては、原作未プレイな自分ですらテンション上がるものがありました。 「後ろにいるんだな?」って台詞も、お約束だけど面白かったです。 そして何といっても、クライマックスのFPS風演出が楽しい。 ゲームならではの臨場感を映画的手法として取り入れたという意味においても、非常に価値ある数分間だったんじゃないかな、と思います。 その一方で、ゲームとは違い「主人公が誰なのか分からない」という映画ならではの特徴を活かし「隊長役のザ・ロックではなく、カール・アーバンこそが真の主人公だった」というネタも盛り込んでいるのですが…… これに関しては、ちょっと微妙に思えてしまいましたね。 まず、種明かしを勿体ぶっているせいで衝撃が薄れている点が痛い。 唐突に豹変させるのではなく、段階を踏んで丁寧に「実は隊長は主役ではなく、悪役」と描写するのは誠実だと思いますが、ちょっとやり過ぎかと。 せめて、命令に従わない部下を殺した時点で種明かしをしていても良かった気がしますね。 その時点で観客としては「こいつがラスボスか」と分かっているのに、その後も隊長は味方側のままストーリーが進行し、最後になってようやく明確な敵となる形なので「そんなの、とっくに分かっていたよ」と白けてしまうんです。 今となっては悪役のザ・ロックって結構貴重だし、上手く描いてくれていたら、ラスボスとしての暴れっ振りを素直に楽しめたかも知れないなと思うと、非常に残念。 ストーリーの流れとしては「隊長に殺された同僚達の仇を討つ主人公」という形なのに、主人公と同僚が全然仲良く見えなかったというのも難点ですね。 唯一まともに交流し、絆が窺えたのはヒロイン格の双子の姉だけであり、彼女だけは死なずに共に生還する訳だから、敵を倒しても復讐のカタルシスなんて皆無なんです。 これは如何にも寂しいし、勿体無い。 そういう細かい部分を、もうちょっと何とかしてくれたら「傑作」と言えそうなポテンシャルは窺えただけに、惜しくなってしまう一品でした。 [DVD(吹替)] 5点(2017-09-12 21:31:10) |
302. カンガルー・ジャック
ネタバレ 監督の前作「コヨーテ・アグリー」は好きだったので、期待を込めて観賞。 序盤からカーチェイスを盛り込んだりと、観客を楽しませようとしている作りなのは分かるのですが、今一つノリ切れなかった気がしますね。 全体の雰囲気などは好みなのに、細部に引っ掛かる点が多かったです。 例えば「義父のサルは主人公達を殺すつもりだった」と序盤で分かる以上、終盤にて何らかのどんでん返しがあるだろうと思っていたのに、全然そんな事は無かったりするんだから、これは如何にも寂しい。 それでも、そこをサラッと流すなら気にならなかったかも知れないけど、如何にも衝撃の事実を明かすかのように「分かってねぇな、坊や」と悪役が種明かしする形なんですよね。 観客の目線からすると「そんなの、とっくに分かってるよ」と呆れちゃうし、その告白に対して驚いている主人公達には、距離を感じてしまう。 映画のクライマックスにて、こういう事をされちゃうのは、大いに興醒めです。 カンガルーやラクダなども登場するけど、彼らを可愛いとも面白いとも思えなかったのも、辛いところ。 激辛キャンディーを舐めて悶えるとか、おならネタとか、何ていうか扱い方が下品なんですよね。 だから「画面に動物が映っているだけでも癒される」って事も無いしで、ちょっとキツかったです。 長所としては、飛行機内でのやり取りや、絶景の滝で水浴びする場面など、きちんと「旅行映画」ならではの魅力を感じ取れる内容であった事。 そして、主人公チャーリーとルイスの友情が微笑ましく、気持ち良いハッピーエンドであった事が挙げられそうですね。 特に終盤、崖から落ちそうなルイスをチャーリーが助け、子供時代に命を助けられたという借りを返し、二人が対等の関係になる流れなんかは、凄く良かったです。 「これでチャラだ」 「お前と俺とは、負い目だけで結ばれていたんだ」 と会話を交わし、いつも迷惑を掛けてばかりな相棒から離れようとしたルイスを「それは違うよ。ずっと必要だった」「これまでの人生で、人に話せるような話は、どれもお前と一緒だ」と言って、チャーリーが引き止め、笑顔でハグし合う場面は、本作の白眉かと。 二人の友情を描いた部分だけでも、観て良かったなと思えた映画でした。 [DVD(吹替)] 5点(2017-09-10 19:59:37) |
303. Mr.ボディガード/学園生活は命がけ!
ネタバレ オーウェン・ウィルソンという人は、綺麗な金髪で二枚目なのに、こういう「負け犬男」を演じても妙にハマっているから不思議ですね。 どこか間の抜けた感じや、愛嬌があるからこそ出来る芸当なのだろうけど、それでいて元々のルックスは良いものだから「ダメ男でも、やれば出来る」を実践してみせるシーンで、しっかり説得力があったりする。 これは俳優さんとして、凄く強みになっているんじゃないかな、と思います。 そんな彼を主演に据えた本作は、お約束の「スクール下剋上映画」であり、特に目新しさは無い内容。 セス・ローゲンが原案と脚本を担当している為か、子供達三人のキャラクターも「スーパーバッド 童貞ウォーズ」と似通っており、既視感を覚えてしまうくらいでしたね。 でも、だからこそ安心して、しっかり楽しむ事が出来たように思えます。 子供側の主人公であるウェイドの義理の父が「私もイジメっ子だった」と誇らしげに語るような奴だったもので、彼と弟達が逞しくなったウェイドを見直すなり、幼少期にイジメていた相手に仕返しされるなりの顛末を迎えるかと思ったら、何にも無しで拍子抜けした事。 そしてヒロインの女教師が主人公を許し、刑務所に迎えに来るまでの心理描写が足りないように思えた事など、細かい不満点は色々あるんですが、面白い部分の方が多かったです。 物凄ぉ~くベタなんだけど、最初は金目当てでボディガードを引き受け、子供達を騙していた主人公が、徐々に優しさに目覚めていく流れが良いんですよね。 最初からそうなるって分かっていたし、見え見えのあざとい展開かも知れないけど、やっぱりグッと来ちゃう。 一緒に撮った写真を渡し「作戦が終わっても友達でいて」と訴えられて、何とも言えない表情を浮かべる辺りなんかは、特に好き。 一度は仲間を見捨てたかと思われたがエミットが、土壇場で「やっぱり仲間だった」と証明し、一緒に戦ってくれる展開も、これまたベタながら素敵でありました。 クライマックスの喧嘩に関しては、あくまで「リーチが長い」で通して、ウェイド達が自力でイジメっ子達を倒す方が良いんじゃないかなとも思いましたが、主人公が助けに来てくれる展開も熱かったし、判断が難しいところですね。 とはいえ、相手が十八歳で成人していると分かった途端、容赦無く殴り飛ばして「本当に強かったんだ!」と驚かせてくれる主人公の姿に関しては、実に痛快で、大満足。 日本刀を掴み、子供達の命を救った訳だけど、作中で過度にヒーロー扱いされる事は無いというバランス感覚も良かったです。 窃盗やら軍法違反やらの罪状で逮捕され、しっかり罪は償う事になる。 でも、たった三週間で出所して、ヒロインと子供達に再会するハッピーエンドを迎えてくれるから、後味は悪くないし、妙な罪悪感も残らないしで、とても爽やかな終わり方。 作中で描かれる「特別な時間」が過ぎ去った後も、彼らはずっと仲間のままなんだろうなと思える、良い映画でした。 [DVD(字幕)] 7点(2017-09-05 23:21:06) |
304. バウンティー・ハンター(2010)
ネタバレ 愉快な雰囲気の映画でしたね。 追う者と追われる者、賞金稼ぎと賞金首が元夫婦であり、二人が追いかけっこを通して、徐々に復縁していくというストーリーラインも良かったと思います。 ただ、自分としては今一つ楽しめなくて……その理由は、主人公の性格。 野性味があって、毒舌で、所謂ツンデレ気質でと、女性目線なら魅力的なキャラクターに思えたかも知れませんが、単なる「嫌な奴」としか思えない場面も多く、感情移入するのが難しかったです。 演じているジェラルド・バトラーは嫌いじゃないし、なんだかんだで一途な男なんだろうなぁ、って事は伝わってくるんですが、あまり応援出来ないタイプ。 元妻の家に忍び込んで、トイレの便器に歯ブラシを落としたり、録画されていた番組を消したり、ベッドの上でスナック菓子を貪り枕で口元を拭うシーンなんかは、流石に呆れちゃいましたね。 しかも、そこをさも痛快な復讐劇みたいなタッチで描いているもんだから、どうにもノリ切れない。 監督さんは傑作映画「最後の恋のはじめ方」なども手掛けられているし、全体的な演出や音楽の使い方なんかは、結構好みだったんですけどね。 カジノのシーンにおける「最初は乗り気じゃなかったヒロインも、勝ち続けるにつれ段々ヒートアップしていく」という流れや「軍資金片手にエレベーターに乗り込んだ主人公が、次の瞬間には酒のグラス片手に出てきて、ボロ負けした事を示す」という表現なんかも、良かったと思います。 「主人公とヒロインは元夫婦である」という設定も活かされており、互いを知り尽くしている夫婦ならではの会話が劇中に散りばめられている点も、好感触。 で、そんな主人公カップルを囲む脇役陣はというと……ヒロインの母親は結構良い味出していたけど、精々それくらいで、他は微妙に思えちゃいましたね。 中でも、ヒロインに片想いしている男のエピソードなんかは、本筋に全然関係無いし、人違いで骨を折られたりして悲惨な目に遭うだけなので、全然笑えない。 主人公目線なら「俺の元妻に言い寄るから悪いんだ、ざまぁみろ」と思えたかも知れませんが、ちょっとキツかったです。 「結婚記念日を一緒に過ごす為、嫌味な警官を殴って主人公もヒロイン共々逮捕され、檻の中でキスをして終わり」というハッピーエンドに関しては、中々オシャレだし、綺麗に纏まっていたと思います。 終わり良ければ全て良し……という程ではありませんが、この結末のお蔭で、そんなに後味は悪くない。 まずまずの満足感を味わえた一品でした。 [DVD(吹替)] 5点(2017-09-05 18:36:41)(良:2票) |
305. ノウイング
ネタバレ 「お前と」「パパは」「ずっと一緒」「何時までも」という手話は、絶対伏線だろうなと思っていたので、それが当たっていて嬉しかったですね。 永遠の別れとなるはずの場面にて「ずっと一緒」と父子が伝え合う姿には、グッと来るものがありました。 飛行機事故や電車事故の映像なども迫力があったし、ちゃんと「終末映画」としての娯楽的要素も満たしているんですよね。 とても宗教的な内容でありながら、さほど胡散臭さを感じさせなかったのは、作り手に「観客を退屈させない、楽しませる」という意識があったからこそだと思います。 「預言を知った主人公が惨事を警告したら、予告テロかと疑われる」という、この手の映画のお約束ネタを盛り込んでくれる辺りも嬉しい。 実はこれ、劇中でそれほど重要とは思えなくて「別にやらなくても話としては成立したよな」という部分だったりするんです。 でも「やっぱり、こういう映画なら、このネタはやっておかないと!」とばかりに実行してくれたんだから、観ているこちらとしては、ニヤリとさせられました。 不満点としては、上述の息子と別れるシーンでの「最後の手話」が良かっただけに、その後の「主人公が父母と妹と抱き合って迎える、地球消滅の瞬間」が、ちょっと蛇足に思えてしまった事でしょうか。 作中の描き方としても、主人公は明らかに父や妹よりも息子の存在を重視していた訳だから、如何にもオマケ的な付け足しというか「ついでに和解してみた」感があったんですよね。 そもそも父親との長年の確執についても「今となっては、理由も忘れた」と作中で言っているくらいなんだし、映画のラストに「父との和解」を用意するにしては、ちょっとフリが弱かったように思えます。 ヒロイン格かと思われた女性が、交通事故でアッサリ死んでしまうというのも、何だか拍子抜け。 新たな星でアダムとイムになった幼い二人を映し出して終わるのは、中々幻想的で良かったですし「世界の終わり」と「主人公の死」の中にも救いを見出そうとするような「前向きなバッドエンド」とも言うべき作風は、決して嫌いじゃないんですけどね。 丁寧に作られた、良質なSF宗教映画なんだろうな、とは思います。 でも、根本的に信仰心が薄い自分には、あんまり向いていなかったみたいです。 [DVD(吹替)] 5点(2017-09-04 10:34:10)(良:2票) |
306. 免許がない!
ネタバレ 「あの舘ひろしが、実は運転免許を持っていない」という、出オチのようなアイディアだけで撮られたとしか思えない映画。 こういうネタである以上、やはりクライマックスでは主人公が実際の事件か何かに遭遇し、映画的なカーチェイスを繰り広げるのでは……と期待してしまうのですが、そこを外してくる惚けっぷりが、如何にも森田脚本らしく思えましたね。 全体的にユル~い空気が漂っており、退屈さも感じる一方で、何処か心地良さもあるという、不思議な作風。 作中で飛び出す駄洒落「クリープ現象。ミルクじゃないよ」も、最初はツマンなかったはずなのに、二度言われると少しクスッとしたりするんですよね。 映画全体もこんなノリであり、観賞中は(面白くないなぁ……あっ、でもここの場面は、ちょっと良いな)という反応を繰り返す事になりました。 大前提として、主演が舘ひろしでなければ成立しない話なのですが、序盤に変装して教習所に通う姿が、本当に「冴えない中年のおじさん」にしか見えない事には、驚きましたね。 それが正体を現すと、ちゃんと恰好良くなって、映画スターのオーラをビンビンに感じさせる立ち居振る舞いになるのだから、やっぱり凄い人なんだなぁ……と、感嘆。 ちょっぴり気障で、嫌味っぽいところもあるんだけど、フッと渋い笑みを浮かべるだけで色気と愛嬌が漂うもんだから、憎めないんですよね。 作中で観衆にキャーキャー言われているのも当然だなと、自然に納得出来ちゃいます。 踏切の前では窓を開けて音を確認するようにと教官に注意され「一般車で、そんな事やってるの見た事ねぇ」と反発するも「教習所では、そうすんだよ」と諭される件も皮肉が効いていて面白かったし、ミスを犯した後、教官に減点されちゃう嫌ぁ~な雰囲気なんかも、上手く表現されていたように思えますね。 特に、仲の悪かった教官が妻と復縁出来るようにと、主人公が手伝ってあげる場面なんかは、本作でも一番のお気に入り。 ……でも、その後の展開にて「純粋に合格した訳ではなく、借りを返す為に教官がハンコを押してあげた」と思える形になっているのは、それこそ大幅減点です。 そりゃあ教官だって感謝はするだろうけど、仕事に私情を挟んだような描き方をしているのは、ちょっと違うんじゃないかと。 あれだけ真面目に努力する主人公を描いておいたくせに、最終的には「映画スタッフが色々と助力して、反則まがいの方法で免許を取らせた」というのも、何とも納得し難い結末。 そこはやはり、実力で合格出来たんだと、スッキリ納得させて欲しかったところです。 中盤にて、やたらとお色気シーンが多くてウンザリさせられた事も含め、どうにも「好きな映画」とは言えそうにない本作。 とはいえ、憎み切れない愛嬌も備えているし「ここの場面は、結構好き」と言えるような部分も幾つかはあった為、何だかんだで観ておいて良かったと思えるような……そんな一品でありました。 [DVD(邦画)] 4点(2017-08-23 07:05:20)(良:1票) |
307. アナコンダ2
ネタバレ 前作とは異なり「如何にも胡散臭いが頼りになりそうな男」が、一貫して味方側だったのが嬉しいですね。 ワニをナイフ一本で倒すシーンなんかもう、恰好良くて惚れ惚れしちゃうくらい。 終わってみれば、そんな彼=ビルこそが主役であり、当初主役格かと思われたジャックが悪役に転じるという構成なのですが、その辺りの「転換」描写も巧みでした。 始まってから大体四十分くらいでビルは「金よりも人の命が大事」ジャックは「人の命よりも研究(と、それによって齎される金)が大事」という考えだと分かる為、観客も自然と善悪が判別出来るという形。 そんな「主役交代」の仕掛けを用意する一方で、作中全体を通してのヒロインとしてサムも用意している為、視点が散漫に感じられる事も無く、素直に楽しめたように思えます。 序盤では「川下り映画」としての魅力を堪能出来たし、巨大な滝に落ちて船が壊れ、徒歩となった後も「吸血ヒル」「毒蜘蛛」など、様々な障害を用意して、飽きさせない作りになっている辺りも良い。 本命の「アナコンダ」は要所要所で襲い掛かる程度に留め、最終的には人類にとって最も恐ろしい動物である「人間」との戦いになる構成も、王道な魅力があったかと。 その他「JAWS/ジョーズ」や「サバイバー」をパロった場面ではニヤリとさせられるし、ビルのペットの子猿は可愛いしで、全体的に愛嬌がある作りなんですよね。 アナコンダの恐怖だとか、人間同士の争いで剥き出しになる醜さだとか、そういった面は薄味なんだけど、それゆえ気軽に、肩の力を抜いて楽しめる。 繁殖期の為、沢山の大蛇が集まっているという設定なのに、実際は単体の蛇に襲われるシーンばかりな点など、物足りなさを感じる部分もありますが「まぁ、面白いし良いか」と納得出来る範囲内でした。 最後は爆発オチで倒すというお約束も守ってくれたし、四人という結構な人数が生き残る事が出来て、妙に明るいノリで終わる辺りも好みでしたね。 総合的な面白さという意味では前作と甲乙付け難いですが、どちらが好きかと問われたら、本作の方を挙げちゃいそうです。 [DVD(吹替)] 7点(2017-08-22 10:06:54)(良:1票) |
308. アナコンダ
ネタバレ こういった川下りを疑似体験出来る映画、好きですね。 「アフリカの女王」みたいなロマンス物も良し、本作のようなモンスターパニック物も良し、という感じ。 出発シーンにて、上空からグルリと回って船を映し出す件なんて、荘厳な音楽も合わさり「実際に船旅をしても味わえない程の高揚感」を与えてくれるように思えます。 しかしまぁ、映画冒頭の説明文「獲物を呑み込むだけでは満足出来ず、捕った獲物をわざわざ吐き出して、また新たな獲物に襲い掛かる」が伏線だったと判明するシーンには、もう吃驚。 ジョン・ヴォイト演じる悪役のサローンが、大蛇に吐き出された後、死にかけの体であるにも拘らずウインクしてみせるのだから、忘れ難いインパクトがありました。 サローンに関しては「殺す相手の目は見るな」「見ると亡霊が付き纏うぞ」などの台詞も恰好良く、悪党には悪党の魅力があるのだと教えてくれた気がしますね。 もしかしたら生きていて、2で再登場する事も有り得るのではないか? と思えただけに、1にしか出て来ないのが残念です。 その他、あえて不満を述べるとすれば、贔屓の俳優であるオーウェン・ウィルソンが、散々な役どころだったという事くらいでしょうか。 一応、最後は川に落ちた恋人を救った末に殺されているけど、主要人物の中で一番情けないキャラクターだったように思えます。 物語の欠点と呼べるような類ではありませんが、彼のファンとしては寂しかったですね。 ダニー・トレホが冒頭でアッサリ死んじゃうのも、ちょっと勿体無い。 でも、その分他のキャラクターには見せ場が用意されており、バランスは良かったです。 ヒロインの恋人役であるケイルが、昏睡状態の身体を押してサローンを倒してみせたり、気弱で嫌味なだけの男かと思われたウエストリッジが、意外な活躍を見せたりと、気持ち良いサプライズ感を味わえました。 最後も、派手な爆発オチで大蛇を倒してくれるし「実は、まだ生きていた」なオチも交えて、二重に盛り上げてくれるしで、大いに満足。 当初の目的通り「霧の民」と遭遇するのに成功した事も、ハッピーエンド感を強めてくれましたね。 細かいツッコミどころはあるかも知れないけど、観賞後は、そんなの気にならなくなる。 楽しい映画でした。 [DVD(吹替)] 7点(2017-08-22 06:34:25)(良:2票) |
309. ディープ・ブルー(1999)
ネタバレ 以前観た時は何の疑いも無く、トーマス・ジェーン演じるカーターが主人公だと思っていたし、特に奇抜な内容だったという印象も残っていなかったのですが、改めて観賞してみると、色々と遊び心満載の映画でしたね。 まず、序盤は明らかに、サミュエル・L・ジャクソン演じるラッセルを主人公として扱っています。 俳優さんがビッグネームであるというだけに留まらず「海に浮かぶアルカトラズ」な研究施設に彼が訪れ、色々と説明してもらったり、人物を紹介してもらったりするという流れですからね。 観客の目線とラッセルの目線とが、自然に重なり合い、彼に感情移入してしまう形。 だから、中盤にて彼が食い殺されるシーンはショッキングだし(こりゃあ誰が生き残るか分からないぞ……)と思わせる効果もあるしで、非常に計算された構成であったと思います。 それも、ただ「予想を裏切る」「お約束の展開とは逆にする」という天邪鬼な作りというだけじゃなくて、ちゃんと観客が納得して、受け入れられるように作ってあるのが凄いですね。 上述のラッセル死亡シーンにおいても、事前に「水際は危険だ」と警告させているので、不意打ちの衝撃はあっても(こりゃあ反則だよ)という不快感には繋がらない。 カーターの存在にしたって、ルックスや性格を考えれば彼が一番主人公に相応しいし、何より劇中でもラッセルより先に登場しているので「実は彼こそが主人公だった」と後半に判明しても、自然と納得出来ちゃう訳です。 それは「一緒にビールを飲む」という生存フラグを立てつつ死んじゃったヒロインも然り。 「遺言ビデオを撮影する」という死亡フラグを立てつつ生き残った黒人コックも然り、ですね。 前者には「嫌な女だ」と思わせるような場面があったし、そもそも彼女が事態の元凶だったりする訳だから、死んでもそこまで衝撃は受けないし、逆に黒人コックは観客に「こいつは良い奴だ。生き残って欲しいな」と思わせる描写が色々あったからこそ、生存を素直に喜べるという形。 今の自分のように、伏線だの何だのアレコレ考えながら観て(おっ、このナンバープレートは「JAWS/ジョーズ」のパロディだな)とニヤリとしちゃうような映画オタクでも、昔の自分のように(男前さんだから、きっとこの人が主人公だろう)と直感的に考えるような初心な人であっても、等しく楽しめるように作られているのだから、これは凄い事だと思います。 ちゃんと中盤に爆発シーンという山場を用意しているし、サメが人を食い殺すシーンも間隔を開け過ぎず、それぞれ工夫して演出しているしで、シンプルな娯楽映画としてもレベルが高い。 敵となるサメが求めていたものが「自由」だったと判明するシーンも、情感が込められていて、良かったですね。 お約束の爆発と共にラスボスを倒した後「サメは本当に三匹だけか?」と、わざわざ確認して「生き残りに襲われるエンド」の可能性を摘み取ってくれる辺りなんかも、実に心憎い。 昔観た時とは、受ける印象が全く違ったけれど、それでも面白かったという本作品。 「期待外れ」でも「期待通り」でもない、不思議な満足感を味わう事が出来ました。 [DVD(吹替)] 7点(2017-08-18 06:41:39) |
310. 赤い珊瑚礁 オープン・ウォーター
ネタバレ 見渡す限りの大海原で、船が転覆。 いずれ船は完全に沈んでしまう為、助かりたければサメがいる海を泳ぎ、陸を目指すしかない…… その、陸地までの距離が16から20キロという設定なのが絶妙でしたね。 これが10キロなら迷わず決断出来たと思うし、100キロなら多分諦めて船に残って救援されるのを待っただろうなと思える、程好い塩梅。 実際には20キロ以上の距離があったらしく「やっぱり船に残っていれば良かった」とグループ内で言い争いに発展する辺りも、非常にドロドロしていて良かったです。 そんな中で、陸地を見つけた時の安堵感といったらもう、観ているこちらまでホッと息を吐いちゃうぐらい。 実話ネタという事もあってか、主人公達の装備が貧弱であり、食糧も武器も殆ど持ち合わせてないから、心細さが半端無いんですよね。 だからこそ「サメと戦う」という選択肢は有り得ず、ひたすらゴールの陸地を目指すしかない。 それはともすれば「退屈さ」にも繋がっちゃいますし、実際自分も中盤で(なんか飽きてきた……)という考えが頭をよぎったりもしたんですが、終わってみれば、その手法は正解だったように思えます。 とにかく、余計な可能性を与えたりしない。 唯一にして絶対のゴール目指して、ひたすら泳ぐしかない。 勝利条件、助かる方法は「陸地に辿り着く」事しか無いんだという、この単純明快さこそが、本作の特長であったかと。 最後の最後でヒロインは無事に陸地に辿り着き、生き延びるも、未だ海中にいたルークは引き上げられる直前で殺されるという辺りも、その「陸地に辿り着けば大丈夫」という価値観に則してるんですよね。 だから「主人公格のルークが殺される」という終わり方にも拘らず、理不尽さを感じさせない。 この辺りは、本当に上手かったです。 「地味」「堅実」「単調で退屈」「シンプルで力強い」と、貶す事も褒める事も簡単に出来そうな本作品。 自分としては「生存ハッピーエンド」ならぬ「一人だけ生き残ってしまったバッドエンド」とも言うべき、重苦しい終わり方まで含め、なんだかんだで楽しめた一品でした。 [DVD(吹替)] 6点(2017-08-17 01:11:24)(良:1票) |
311. オープン・ウォーター2
ネタバレ しっかりと作られた娯楽映画ですね。 前作に比べると、死の恐怖や絶望感などは薄れているかも知れませんが、その代わり展開に起伏があるし、無事に船に上がる事が出来たシーンではカタルシスを味わえるしで、自分としては、本作の方が好み。 最後ちょっとボカす感じになっているのが気になりますが、一応ヒロインも元彼氏のダンも生還し、ハッピーエンドに近い形なのも良かったと思います。 難点を挙げるとすれば、登場人物の言動にツッコミ所が多く(おいおい、何でそんな事を……)と戸惑う場面が存在する事ですね。 特に、携帯電話を投げ捨てる件なんかは衝撃的で(いやいや、流石に無理あるだろ)と思っちゃいました。 極限状況で頭が回らなかったんでしょうけど、あそこは、もう少し何とかして欲しかったかも。 逆に、良い意味で印象深いのは、梯子を下ろさぬまま海に飛び込む場面。 思わせぶりにスローモーションになっていて「あぁ、やっちゃった……」感が、ひしひしと伝わって来るんです。 あそこで飛び込みさえしなければ、何事も無く楽しい船旅で終わっていたはずだし、何ともやり切れない。 イルカの浮袋や、風に靡く旗、水着を結んで作ったロープなど、様々なアイテムを駆使して、色んな脱出法を次から次に試してくれるのも面白かったですね。 中には(おぉ、その手があったか……)と驚くものもあり、そのアイディアの豊富さには、素直に感心。 自分としては(船体に隙間があるんだから、そこにナイフを突き刺し、誰かが支えて足場にすれば良いのでは?)と思っていたもので、解決策がそれに近い形だったのも嬉しかったです。 もう一つ、本作の巧い点は「赤ん坊が船内に取り残されている」という状況設定にしている事。 「馬鹿な事をしてしまった若者達が、何とか助かろうと足掻く話」で終わらせず「我が子を救おうとする母親の話」という側面も備えている為、自然とヒロインを応援出来るんですよね。 過去の水難事故や、トラウマの克服などもドラマ性を高める効果があるし、何よりもそれによって「ヒロインだけが救命胴衣を装備している」という状況を作り出し、グループの中でもヒロインの判別を容易にして、感情移入させやすくしている辺りも、お見事でした。 仲間割れにより死傷者も出してしまったけど、最終的には、やはり「大切な友達同士」であったと感じさせる終盤の展開も、良かったですね。 「このまま死ぬのを待つなんて嫌。岸を目指して泳いでみる」と言い出し、ヒロインとハグをして別れたローレンの件なんかは、中々感動的。 欲を言えば、ラストで現れた漁船の中に、彼女の姿もあって欲しかったものです。 [DVD(吹替)] 6点(2017-08-16 07:08:46)(良:1票) |
312. オープン・ウォーター
ネタバレ この映画を最も楽しむ方法とは「実話ネタである、という情報を元に観賞する」→「実話なら最低でも一人は助かったはずだ、と思い込む」→「二人とも死ぬのかよ! とツッコむ」ではないでしょうか。 で、自分はといえば「実話ネタ」という以上に「サメ映画」との情報を元に観賞したせいか、受けた衝撃は弱かったように思えますね。 「サメ映画である以上、実話ネタでも間違いなく話を盛っている」との認識があったせいか、ラストシーンの妻の自殺(?)に関しても「あれ、二人とも死んじゃうのか」とアッサリした感想になっちゃいました。 別に実話云々が絡まなくても、劇中世界に没頭していれば衝撃的な結末だったのでしょうが……正直、あまり楽しめなかったがゆえに「バッドエンドでも後味が悪くない」という形になってしまった気がします。 「実話なら生存者の証言を元に作られているはずなのに、それを裏切られた」という不快感も無い代わりに、特にハラハラドキドキもしなかったという形。 一見して低予算映画であると分かる作りであり、映像や音楽などが洗練されていないのが、観ていて盛り上がれなかった一因かも知れませんね。 こういう映画って、ついつい「アイディアが素晴らしい」「大金をかけた映画より遥かに面白い」と褒めたくなるものですが、ちょっと厳しかったです。 前半部の「旅行」パートが、あんまり楽しそうに見えない辺りなんかも、非常に残念。 やっぱり、そういう部分で観客のテンションを高めておいてこそ、その後の海中に取り残される絶望的な展開に、落差が生じる訳ですからね。 なのに、それが一般人のホームビデオ撮影みたいなノリで全然盛り上がれなかったものだから、正直ガッカリです。 問題を抱えた夫婦なのだから、能天気に描く訳にはいかない……って訳でもなく、明るい音楽が流れ、俳優さん達も笑顔を見せているんだから、ちゃんと観客側にも「楽しさ」が伝わってくるように仕上げて欲しかったところ。 サメの模型の口元に頭を突っ込んで、おどけてみせたりする辺りは悪くないだけに、勿体無かったです。 良かった点としては、サメを前にしてナイフを落としてしまう絶望感とか、眠った隙に互いが離れ離れになってしまうも何とか合流出来た時の安堵感とか、持ち物の中に飴玉があると知った時の喜びとか、その辺りが挙げられそうですね。 五十分近くも「海中で孤立する主人公夫妻」というシーンで引っ張る為に、あの手この手のアイディアを出してくれており、観ていて退屈させなかったのだから、これは素直に凄いと思います。 序盤にて、主人公夫妻が「我が家に帰ってくる」事を前提に電話をかけたり、防犯の為に自宅の電気を点けたままにしておく描写を挟む辺りも、皮肉が効いているというか、非常に残酷な描写であり、印象深い。 ハッピーエンドではないし、観ている間楽しかった訳でもないけれど「こういう映画があったよ」という形で、語り易いし、記憶に残り易い一品であったと思います。 [DVD(吹替)] 5点(2017-08-16 02:26:01)(良:1票) |
313. アンストッパブル(2010)
ネタバレ 私生活が上手くいっていない主人公達が、事件を解決してヒーローになるという、非常に単純明快で気持ちの良い映画。 こういったストーリーの場合、現実逃避的な色合いが濃くなり、興醒めしてしまう事も多いのですが、本作に関しては「実話が元ネタなんだ。文句あるか」とばかりに、開き直った作りになっているのが良かったですね。 その為、素直に主人公達の活躍を祝福出来たように思えます。 若手とベテランの対立を軸に据え、両者の衝突と和解を、スピーディーさを損なう事無く描いている辺りも、素晴らしい。 「今はそんな会話している場合じゃないだろう。事態の解決に集中しろよ」とツッコませる作品も少なくない中で、本作はその辺りを非常にスムーズに、自然に描いているんだから、これは凄い事だと思います。 人為的なミスによって列車の暴走が始まり、周りのスタッフも当初は笑っていたのに、それがどんどん取り返しのつかない事態に発展していく流れも、上手く描かれていましたね。 お偉いさんが「命令に逆らったらクビにする」と脅してきた際に「とっくにクビになっていますよ」とベテラン機関士役のデンゼル・ワシントンが返す場面も、実に恰好良い。 自分としては相棒役のクリス・パインの方が贔屓だったりもするのですが、本作は完全にデンゼル側が「オイシイ」役でしたね。 緊迫した場面でも冗談を飛ばす剽軽さと、命を投げ打つ覚悟で暴走列車を止めようとする生真面目さ、両方を持ち合わせた男。 正に、彼の為にあるような役柄だったと思います。 難所のカーブを曲がり切る場面や、並走する車に列車から飛び移る場面なども、トニー・スコット監督らしい迫力があって、良かったですね。 無事に暴走を止めた後、エンディングのテロップにて「出世後、円満退社」「第二子が誕生」と、主人公達の幸福な顛末が語られる演出も、ハッピーエンド色を強めてくれている。 ただ、会社のお偉いさんや、事故を起こした機関士のテロップが、それぞれ「解雇」「ファストフード業界へ」となっているのは、喜ぶべきかどうか、迷っちゃいました。 そりゃあ作中で主人公達を「クビにするぞ!」と脅していた傲慢な上司がクビになるというのは、皮肉が効いていて面白いし、後者に関しても転職出来たなら、一応めでたしめでたしと思えますが、そのテロップで映画が終わってしまうというのは、如何にも寂しい。 順番を入れ替え、まずは上司達の末路について説明し、最後に主人公二人の幸福な顛末を示す形にしてくれていたら、もっと好きな映画になっていたかも知れませんね。 そこだけ、ちょっと残念。 とはいえ総合的には充分楽しめたし、娯楽作品としてレベルの高い一品だったと思います。 [DVD(字幕)] 7点(2017-08-08 22:08:20)(良:2票) |
314. ブルークラッシュ2<OV>
ネタバレ あまり期待せずに観賞したのですが、意外や意外。 良質な青春ロードムービーでしたね。 流石にサーフィン場面の美しさでは前作に及ばないかも知れませんが、その他の部分が魅力たっぷり。 金持ちのブロンドお嬢様で、サーフィンなんて出来る訳無いと嘲笑われていた主人公が、見事な波乗り姿を披露して周りを黙らせるシーンなんて、実に痛快です。 ここでハートを掴まれ、以降は最後まで、明るい気分で楽しめたように思えます。 それと、前作と共通している「家族の問題を乗り越えての自己再生」と「プロサーファーになる夢を叶える」という二つの要素を、二人の人物に分担させたのも上手かったですね。 主人公のデイナが一人で思い悩み、精神的に成長したりするのをカメラが捉えている間にも、親友のプッシーはプロになる為に必死に練習しているんだろうな……と、自然と脳内補完出来る形。 二人の出会いと友情、共に特訓するシーンについても描かれているので、主人公と同じようにプッシーを応援したくなるし、彼女が合格した際には、一緒に祝福したい気持ちになれました。 ヒッチハイクしたトラックの荷台に乗せてもらって移動するシーンなど「旅行」「家出」ならではの風情が感じられるのも良かったし、浜辺のコミュニティで皆が住んでいる住居の数々も、思わず泊まってみたくなるような魅力があります。 そんな住居の中の一つが、改造を施したバスであり「その気になれば、何時か動かしてみせる」という台詞が伏線だった事には、本当に吃驚。 立ち退き命令によって、皆の住居が強制的に取り壊されていく中、バスが動き出すシーンの爽快感は、特筆物でしたね。 その後のバス旅行に関しても、短い時間ながら「コミュニティの皆が家族」という絆の強さが伝わってきたし、全員で一斉に橋から河に飛び込むシーンなんかも、凄く好き。 物語のクライマックスとして「プッシーのプロテスト合格」を用意し、そこで最高潮に盛り上げておいて、その後に「父との和解」「母の思い出の場所でサーフィンする主人公」を静かに、情感たっぷりに描いて終わるのも、良い流れだったと思います。 難点を挙げるなら、ティムとグラントとの三角関係が微妙というか、好みでは無かったという事でしょうか。 ティムの方は自然保護活動をしている気の良い青年、グラントの方は少々嫌味っぽい気障なイケメン、という両者のキャラ付けが分かり易過ぎたのですよね。 前者と結ばれるのが見え見えなのに「主人公はグラントの方に惹かれている」「でもグラントは嫌な奴だったと分かる」「結局ティムの方と良い感じに」と、お約束の流れを辿るのが、ちょっと退屈でした。 その後、グラントにも「悪事に手を染めていたのは、経済的に困窮して止むを得ずだった」などと、色々とフォローが入るし、後味は決して悪くないんですけどね。 後は、ゾウやサイと遭遇するシーンが(如何にも合成映像って感じだなぁ……)と思えてしまうクオリティなのも残念。 この辺りは、低予算ゆえの悲しさを感じます。 でも、そんな難点についても「女の子が主人公なんだから、恋愛要素が濃い目になるのは仕方ない」「低予算なんだから特撮が拙いのは仕方ない」と、妥協出来る範囲内でしたね。 魅力的な部分の方が、ずっと多いので「そんなの、別に良いじゃん」と軽く流し、受け入れてあげたくなります。 中々レアな「初代よりも続編の方が面白かった」例の一つとして、オススメしたい映画です。 [DVD(吹替)] 7点(2017-08-06 22:18:34) |
315. ジョーズ 恐怖の12日間
ネタバレ 「JAWS/ジョーズ」の元ネタになったという、実際に起きた事件を映画化した一品。 監督は傑作映画「ヒドゥン」を手掛けたジャック・ショルダーという事もあり、期待を込めて観賞したのですが……ちょっと微妙な出来栄えでした。 大きな欠点は見つからないし「古き良きアメリカ」を感じさせる1916年当時の雰囲気も心地良かったしで、決して嫌いな映画ではないのですけどね。 ビーチで監視員をやっている主人公も好青年であり、仲の良かった少年や親友の仇討ちに燃える姿を、素直に応援出来たように思えます。 じゃあ、どこが微妙なのかといえば、まず「主人公達の三角関係」が原因として挙げられそうですね。 主人公と、その親友の男性との友情描写は中々良かったと思うのですが、とにかくヒロインの出番が少なくて、彼女の魅力が伝わって来ない。 しかも、数少ない登場シーンでは「主人公の親友との結婚を控えているのに、未だに主人公に未練たらたら」という描写だったりするものだから、正直言って、彼女に好感を抱くのは難しいです。 ラストにて、婚約者が死んだばかりなのに主人公に乗りかえるかのように寄り添って終わりというのも、少々幻滅。 あとは、肝心のサメの造形がイマイチなのも困り物。 前半部分は、それを上手く誤魔化して撮っていたのですが、後半にて全長が明らかになると、如何にも迫力不足。 観ているこっちは(なぁんだ、精々3メートルくらいか。意外と小さいサメだったんだな……)と思っているのに、劇中の人物は「あんなデカい奴なんて!」と驚いているもんだから、チグハグに感じてしまいました。 実話ネタなのだし、冷静に考えれば十分大きいって事は分かるんですが、この辺りは他のサメ映画を色々観過ぎているがゆえの「映画の嘘」に慣れてしまった弊害なのでしょうね。 恐らく、監督さんとしてはそれら諸々を承知の上で「前半はサメの大きさが分からないように、誤魔化して撮る」という手法を選択されたのでしょうが、それが結果的に、終盤にて全長が明かされた際の落胆に繋がってしまった気がします。 もうちょっと早い段階でサメの全長を明らかにし「小さいけど、充分に人を食い殺す力がある」と思わせる演出にしていたら良かったんじゃないかと思うんですが……まぁ、これは欲張りというものでしょうか。 そんな本作の白眉としては、サメに手足を食い千切られた後の、事後描写とも言うべき恐ろしさや悍ましさが挙げられそうですね。 主人公の同僚であるダニーを海中から引き上げたら、両足が失われていたと分かる件なんて、特にショッキング。 変な話、サメの特撮は稚拙だったのに、人間の特殊メイクは結構レベル高いなぁ、なんて感心してしまったくらいです。 現代ではなく、百年近く前のアメリカが舞台のサメ映画というだけでも目新しいし、真面目に作られているのは伝わってくるので、後味も悪くない。 良い映画だった……というのは言い過ぎかも知れませんが、まずまずの満足感は得られた一品でした。 [DVD(吹替)] 5点(2017-08-06 22:09:38)(良:1票) |
316. ジョーズ'87/復讐篇
ネタバレ 初代「JAWS/ジョーズ」では夫であるマーティン・ブロディにスポットが当たり、二作目では次男であるショーンに、三作目では長男であるマイクに、そして四作目では妻であるエレンにスポットが当たっている。 即ち、このシリーズは巨大鮫とブロディ一家との戦いの歴史を描いた一大抒情詩なのである……と言いたいところなのですが、ちょっと無理がある気がしますね(主に次男) いずれにしても、過去作においてさほど存在感を発揮していなかったエレンなので、四作目にて主人公に抜擢されても「消去法で、仕方なく」という理由にしか思えないのが、寂しいところです。 前作で水中遊園地を舞台にし、娯楽色を強めていたのと比べると、海を舞台にしたシリアスな作りとし、原点回帰を目指したのが窺える本作品。 でも、それにしてはジョン・ウィリアムズの音楽を使用していなかったりして、何だか片手落ちな印象が強いですね。 エレンの恋愛要素にスポットを当てたのは原作小説からの引用とも考えられるのですが、それならそれで、原作通りのリアルなサメの描き方も再現して欲しかったなぁ……なんて、つい思っちゃいます。 サメの造形も、シリーズ中で一番酷いんじゃなかろうかと思える出来栄えだし、おまけに模型をプカプカと水に浮かべているだけなシーンまである始末。 終盤にエレンが襲われる件でも、口の開け方が同じままガーっと斜めに突き出しているだけって感じの描き方であり、これにはガッカリしちゃいました。 何というか「チャチな作りを誤魔化そう」とか「なるべく本物っぽく見えるようにしよう」とか、そういう意思が伝わってこないんですよね。 たとえ特撮技術のレベルが低くとも、作り手の熱意が感じられたら「愛嬌」として笑って楽しむ事も出来るんですが、本作に関しては「手抜き」「やる気が無い」という印象だけが残りました。 それと、本作はシリーズ中で最も恋愛色が濃い作品なのですが、それが未亡人エレンの老いらくの恋というのも(何だかなぁ……)とゲンナリしちゃいましたね。 中年や老人をテーマとした恋愛映画も悪くないとは思うんですが、本作に限っては「初代の主人公であるブロディ署長が、心臓麻痺で死んだ事にされている」「未亡人のエレンがポッと出の中年男にアプローチをかけられ、嬉しそうにしている」って図式の為、どうしても二人の恋を応援する気持ちになれなかったです。 また、本作には二通りのエンディングが存在しており、DVDに収録されていた使い回し爆発エンドに比べると、劇場公開版(自分が観たのは、そちらを地上波で放送したバージョン)は多少は現実的な倒し方になっているのですが、いずれにしてもカタルシスを得られるとは言い難い内容。 劇場公開版に点数を付けるとしても、DVD版と同じ点数になってしまいそうです。 長所としては、舞台となるバハマの海が綺麗であった事。 そして、サメは歴代でも一番大きいと思われるサイズの為、迫力を感じるシーンも幾つかはあったと、その辺りが挙げられそうですね。 何にも増して、シリーズ最終作がハッピーエンドを迎えてくれた事に関しては、素直に喜びたいところです。 [DVD(字幕)] 3点(2017-08-03 23:55:46)(良:1票) |
317. ジョーズ3
ネタバレ サメの造形については、前二作よりも明らかにレベルアップしています。 それに伴い、ストーリーの方も進化している……と言いたいところなのですが、ちょっと厳しかったですね。 主人公はブロディ署長の長男マイクであり、可愛い恋人もいたりして、前二作を観賞済みの身としては「立派な大人になったねぇ」と、ほのぼのさせられるのですが、正直マイクである必然性は薄かったように思えます。 父親からサメ退治のコツを教わっているとか、前作で負ったトラウマを今回乗り越える事になるとか、そういう要素が無いんですよね。 弟のショーンも登場するのですが、兄弟らしく絡んだのなんて最初の二十分程であり、以降は全く出番無しというのだから「何の為に出てきたの?」と呆れちゃいます。 水中にある遊園地がサメに襲撃され、客達が園内に閉じ込められてしまうというプロットは、決して悪くなかったと思うんですけどね。 いざ観てみると、どうもバランスが悪いというか、展開がチグハグに思えて「う~む」と首を傾げてしまう感じ。 例えば、中盤にてシー・ワールドに客が訪れるシーンでの、楽し気な雰囲気なんかは良かったと思うんです。 でも、事前にサメとの対決(=生け捕り)が描かれた後なので、その落差で今一つ楽しめないし、どうせ再びサメに襲われるのは分かっているんだから、どうしても「中弛み」に感じられてしまう。 ベタな考えかも知れませんが、こういった「楽しい遊園地」という日常的なシーンは、やはり序盤で描いておくべきだったのではないでしょうか。 そして、中盤にサメの襲来によって日常が崩壊し、後はクライマックスまで一直線……という作りにした方が、良かったのではないかと。 それと、これは恐らくサメの模型を素早く動かす事が出来なかったという技術上の問題なのでしょうが、とにかく襲撃シーンのテンポが悪いんです。 水中のガラス越しにサメが体当たりを行い、中の人々が悲鳴を上げるという、本作最大の見せ場においても「サメの動きが遅いので、仕方なくスローモーション演出にしました」という感じがして、観ていて興醒め。 その後、五分程でサメを爆殺して終わりを迎えるというのも、こちらは逆に早過ぎるというか、アッサリ倒し過ぎに思えちゃいましたね。 緩急のある演出と褒める事も出来そうですが、自分としては戸惑いが大きかったです。 そんな本作で癒しとなるのは、イルカのサンディとシンディの存在。 ただ単に可愛らしいというだけでなく、サメに体当たりして主人公達を助けたりと、しっかり活躍してくれるのが良かったですね。 主人公とヒロインは生き残るも、イルカ達は死んでしまったかと思われたところで、水中から飛び跳ね、元気な姿を見せてくれて、ハッピーエンドに華を添える形になっているのも嬉しい。 本作のMVPには、このイルカ達を選びたいところです。 [DVD(字幕)] 4点(2017-08-03 20:28:02)(良:1票) |
318. JAWS/ジョーズ2
ネタバレ ブロディ署長の次男であるショーンくん、随分可愛らしく成長したんだなぁ……と、そんな事に感心。 見た目だけでなく、中身も良い子なもんだから、彼が「主人公の救出を待つ、囚われのヒロイン」的な立ち位置に収まるのも納得でしたね。 この子なら(何としても無事に助け出したい)という気持ちになれるし、主人公を応援し、感情移入する事が出来ます。 前作の一件によって、すっかりサメがトラウマとなり、ビーチで誤解から銃を発砲してしまったブロディ署長。 そんな彼に、周りの皆が呆れて立ち去る中で、ショーンくんだけが寄り添い、一緒に薬莢を拾ってくれる場面なんかも良かったです。 子役だから、長台詞を言わせたりすると、どうしても不自然になってしまうでしょうし、こういう「無言の動き」で優しさを伝えてくれる演出というのは、非常に効果的だったと思います。 サメの倒し方も「感電死」という形で、中々迫力があって良かったですし「無事に息子を助け出してハッピーエンド」という予定調和な結末を迎えるのも、実に気持ち良い。 ブロディ署長が解雇される際に、前作からの知り合いである市長だけは残念そうにしていたというのも、ファンとしては嬉しくなる描写でありました。 そんな具合に、色々と長所がある映画なのですが、短所も同じくらい目に付いてしまいましたね。 まず、サメの造形が初代以上に拙いです。 ヘリに食らい付いて破壊するシーンなど、演出自体は悪くないと思うんですけど、サメの目に全然迫力が無くて、怖くなるどころか「このサメ可愛いなぁ」なんて和んでしまう始末。 サメと心を通い合わせる映画という訳でもなく、作中では純粋な悪役に過ぎないんだから、もうちょっと怖いデザインに仕上げて欲しかったところです。 あと、水上スキーに興じる女性を襲う場面や、ボート上のカップルを襲う場面なんかが、今観ると妙に古臭い。 初代の「JAWS/ジョーズ」だって古さを感じさせる作りではありますが、続編であるはずの本作の方が、更に十年くらい昔の映画に思えちゃったんですよね。 変な話、初代の方が後に作られたと言われても納得しそうになるくらいです。 ティーンエイジャーに成長した長男のマイクにスポットが当たっている為、若者達の青春映画としてのテイストが強いんだけど、主人公はあくまでもブロディ署長というのも、ちょっと歪なバランス。 結局、マイクは最終決戦の直前でアッサリ救助されている為「囚われのお姫様」ポジションとしては、次男のショーンだけで充分だった……という形になっているんですよね。 それならば一緒に弟を助ける為、父親に協力させるなど、もうちょっとマイクに見せ場を与えてやっても良かったんじゃないでしょうか。 スポットの当て方が中途半端で、大した活躍もせず退場という形になっていたのが残念です。 それでも、本作には初代「JAWS/ジョーズ」の雰囲気が色濃く残っている為、正統派な続編として、まず満足出来るクオリティでしたね。 流石にシリーズ四作品もあるとなると、全部まとめて観る事は難しいのですが、本作は初代を観賞した際に、つい一緒に観てしまう事が多いです。 [DVD(吹替)] 6点(2017-08-02 04:29:27)(良:1票) |
319. JAWS/ジョーズ
ネタバレ サメ映画の原点にして頂点……と断言してしまうのは、後続の映画群が可哀想になりますが、思わずそう言いたくなるくらいの傑作ですね。 正直、サメ本体の造形に関しては現代の目からすると稚拙であったりするのですが、ジョン・ウィリアムズの音楽と、スピルバーグの冴え渡った演出とが、それを忘れさせてくれます。 桟橋を破壊するシーンで、敵となるサメが如何に怪力かを知らしめてくれるのも良いし、今ではお約束となっている「巨大な歯を拾い、そこからサメの全長を推測する」流れも、実に効果的。 特に印象深いのは「樽を三つも背負っているんだ、潜れっこない」という台詞の後に、サメが海に沈み、水音が止んで静寂に包まれる演出ですね。 劇中の人物だけでなく、観客にも(潜れっこないはずなのに、潜りやがった!)という衝撃を与えてくれて、本当に痺れちゃいます。 サメを発見したかと思いきや、実は子供の悪戯だったと分かり、気が緩んだところで、本物が襲来するという緩急のある展開も良かったですね。 ここで主人公の息子が標的となる訳ですが、事前に子供が殺されているので(子供といえど、無事に済むとは限らない)という危機感を煽ってくれる形。 グッタリした息子を地上へと引き上げる際に、死体かとドキドキさせておいて、無事な下半身を映し出し(良かった……食べられていない)とホッとさせるのも上手かったです。 ちょっと気になったのは、終盤に主人公達三人が、酒を飲みながら語り合うシーン。 ここ、再観賞する前の自分の認識では「それまで喧嘩してばかりだった三人が打ち解け、一致団結してサメに戦いを挑む事になる名場面」というものだったです。 でも、いざ実物を観てみると、仲良くなったのは一時的で、翌朝には再び喧嘩してばかりの関係に戻ってしまっているんですね。 あくまで猟師のクイントの過去を描き、人物像を掘り下げるのが目的の場面であったみたい。 どうも都合良く美化した上で記憶していたようで、何だか寂しかったです。 それに対し、終盤のサメとの対決シーンは記憶に残っていた通りの素晴らしさであり、嬉しかったですね。 そもそも「海に浮かぶ小さな船」というだけでも孤立感が強いのに、その船の中にまでサメが襲い掛かって来て、沈みゆく船の中で戦うという、二重の意味で「追い詰められた」緊迫感が凄まじい。 派手な爆発と共にサメを倒すも、生き残ったのは主人公のブロディ唯一人……という寂寥感の中で、実はフーパーも生きていたと判明し、ホッとさせてくれるエンディングも良かったです。 後に無数のサメ映画を生み出す事に繋がり、それと同時に(結局、原点である「JAWS/ジョーズ」が一番面白い)という認識さえも生み出してしまった、恐るべき傑作。 でも、自分は後続のサメ映画の数々も好きですし、他のジャンルにおいては「元祖を越えてみせた名作」を幾つか知っているだけに、希望を失いたくはないですね。 (これは「JAWS/ジョーズ」より面白い!)と思えるようなサメ映画と、何時かは出会ってみたいものです。 [DVD(吹替)] 9点(2017-08-01 21:09:50)(良:3票) |
320. パニック・マーケット3D
ネタバレ 万引き娘と、その父親である警官、武装強盗犯の存在など、舞台がスーパーマーケットである事に意味を持たせているのが好印象。 津波によって浸水し、水没していく店内からの脱出という「ポセイドン・アドベンチャー」のようなテイストがあるのも良いですね。 「覆面していた強盗犯の正体」についても、適度な伏線込みのサプライズになっていたかと。 皆が避難する中で、一人だけ津波に向かって嬉しそうに走り出すサーファーや、ちゃっかり生き残っていた仔犬の存在など、緊迫した画作りの中で、どこか愛嬌が漂っている辺りも有難い。 その一方で、サメ映画としては「サメが単なる障害の一つでしかない」「サメ自身にも何の個性も無く、普通の人喰いザメ」という点が、ネックになってしまいそうな感じ。 とはいえ「しっかりと掴んでいたはずの相手が、サメに海中へと引きずり込まれ、手の中にはペンダントしか残らなかった」場面や「天井にぶら下がった人間の下半身を、サメが食い千切る」場面などは、中々ショッキングで良かったと思いますし、自分としては満足。 最近は色々と変わり種のサメが登場する映画が多いせいか、真っ当なタイプのサメが登場する本作には、妙な安心感を覚えたりもしました。 作りとしては群像劇となっており、基本的に生存者は全員善人である為、観ていて理不尽さを感じない点も良かったですね。 ……ただ、車内に閉じ込められたカップルに関しては、男女共に好感が持てなかったりしたもので、そこは観ていて少し辛かったです。 あそこの尺を縮めて、もっと主人公のジョッシュ達を中心とした作りになっていたら、より好みだったかも知れません。 そして何といっても、本作の白眉。 水中でショットガンを放ち、サメを倒すシーンが痛快でしたね。 この手の映画でサメを倒す手段といえば、海上からどうにかするパターンが多い為「水中で倒す」というだけでも斬新に思えましたし、武器がショットガンというのも、実に自分好み。 その後に、もう一匹のサメを感電死させるシーンも、スタイリッシュに描かれていて良かったです。 それまでアクション要素は控えめだっただけに、このラストの件は意外性があるし「過去のトラウマを乗り越えた主人公が、超人的な活躍を見せる」というカタルシスも相まって、実に気持ち良い。 最後は少しハッピーエンド感が足りないようにも思えましたが、あれだけの災害が発生している以上は仕方ないでしょうし、主人公とヒロイン、父と娘とが、それぞれ蟠りを越えて「やり直そう」と前向きな姿勢を示して終わるのだから、嬉しかったですね。 冷静に振り返ってみると、不満点もあったり、退屈に感じた場面もあったりしたのですが、ラスト二十分程の展開で、全部チャラにしてくれた感じ。 満足度高めの、良い映画でした。 [ブルーレイ(吹替)] 7点(2017-08-01 16:55:04)(良:2票) |