3301. CARGO カーゴ
《ネタバレ》 スイス製SF映画。ハリウッドのSFなんかと比べると、とても地味で緩やか~な作品ではありますが、逆に言えばそういう緩いタイプのB級SFが好きな人には相性がいいと思います。宇宙船外観のCGは若干見劣りするものの、宇宙船の内装はとてもよく出来てますよ。H・R・ギーガーが賞賛したとかパッケージに書いてありましたけど、その気持ちもよくわかるぐらい、この陰湿で淀んだ雰囲気はなかなかのもの。ストーリーは、推理サスペンスをベースにいろんなSF映画の要素をくっつけているというのかな。低温休眠とか、仮想現実といったシステムが登場してくる。製作陣はたぶん、大のSF好きで、色々な作品に影響を受けたんじゃないかしらね。ハリウッドものだけじゃなく、日本語や漢字や「ヨシダ」という名前の人が出てくるあたり、日本のアニメからも影響を受けてるんだと思う。 [DVD(字幕)] 5点(2012-04-08 14:34:52) |
3302. くもりときどきミートボール
《ネタバレ》 空から、たくさんの食べ物が降ってきたら、、、街が一面にお菓子で埋め尽くされたら、という子供が一度は考えそうな願望をそのままアニメで表現し、なおかつそれなりのテーマ性を兼ね備えた作品となっています。肥満体国アメリカらしい、食い過ぎ文化への警鐘と見て取れるし、あるいはもっと包括的な、欲望のエスカレートに対する皮肉とか、環境破壊の問題とか、そういうものにまで思いをはせることの出来そうな内容です。ただ、ストーリー構成それ自体はもの凄く月並みです。映像的にはそうだなぁ、巨大な食べ物が雪崩のように街を襲い、そこから逃げて海へ出る一連のシーンがなかなかのものでした。個人的には、お猿の大好物だったくまさんグミ(ハリボー)が僕自身も大好物なので、ハリボーのカメオ出演には思わずニンマリとしてしまった。 [DVD(吹替)] 5点(2012-04-07 03:06:54) |
3303. ホステル2
《ネタバレ》 前作は、良くも悪くも意外性があってそれが作品の持ち味となっていましたが、本作は殺戮を行う側の視点も織り交ぜられており、しかもその立場は「金があるかないか」で入れ替わっちゃうというオチ。現代に対する皮肉を込めているのでしょうか。復讐心に燃える主人公の女性が、キャラが180度変わって恐ろしかったです。ただ、さらわれて監禁されて復讐する、ただそれだけなので内容的には薄いです。血のシャワーとか、局部切断とか、頭部サッカーとか、ある意味ブラックユーモアな殺戮シーンが印象深い。 [DVD(字幕)] 5点(2012-04-05 23:12:35) |
3304. ベロニカは死ぬことにした(2009)
《ネタバレ》 なにもかも揃って順調な生活を送っている主人公が自殺を選び、 病院で余命7日と宣告されそこから一人の男性を愛し生に目覚めると言う内容。 人間ていうのは無い物ねだりと言いましょうか、わがままな生き物ですからね。普段満たされて当たり前になっちゃうと、そこから喜びを感じられず、制限され限られた状況になると一つ一つの喜びに気づきだす。 それを端的に描き切ると言うお話で、それ自体共感出来る。 相当地味で一般受けはしそうにないが、佳作の部類かなと個人的には思う。 [DVD(字幕)] 5点(2012-04-05 02:27:02) |
3305. 乱気流/グランドコントロール
《ネタバレ》 紹介には「航空パニックアクション大作! 」なんて書いてありますけど、少なくともそういうハリウッド的な娯楽作品ではありません。不手際でショートして無線が使えなくなったり、飛行機が機能不全になったりするシーンも、普通の娯楽作なら音楽をジャンジャン流してサスペンスフルにやるところですが、本作はそういうことには全然興味がなく、航空管たちのリアルな仕事ぶりをそのまま描き切ることに終始しています。つまりは、彼らの仕事の重圧さとか、苦悩する気持ちとかそういうものに焦点が当てられているので、パニックアクションだと思って観ると確実に面食らうことでしょう。前半は、主人公のトラウマやら葛藤がメインなのでちょっとかったるいのですが、後半からはそれなりに面白くなります。専門用語が飛び交う管制塔。観客としてはわかりやすさに欠けるきらいもありますが、作りは硬派なので一応5点ということで。 [DVD(字幕)] 5点(2012-04-03 01:11:45) |
3306. 霊視(1999)
《ネタバレ》 キーファー・サザーランド目当てで観てみました。ホラーの要素はほとんどなく、トーリー的には古典的な推理もの。男の犯人はなんとなく察しがついたけど、女の犯人は予想出来ませんでした。なんというか、推理サスペンスとしても、オカルトものとしても、今ひとつ踏み込めていないという感じがします。霊視の力が宿るシーンは単に穴に落ちるだけでぱっとしないし、終盤、男に地下室へ追いやられるシーンでは、壁を崩すとなにか白い煙が吹き出して助かるシーンもいまいちよくわからない。霊視とかナシでバリバリの推理サスペンスにするか、霊視を出すならもっとオカルトチックな展開や映像にするほうが良かったのではと思う。 [DVD(字幕)] 5点(2012-03-31 20:04:21) |
3307. レストストップ デッドアヘッド
《ネタバレ》 たぶん、狙いとしては不条理な世界をシュールに描こうとした、いわばデヴィッド・リンチ的なものを作りたかったんじゃないかと思う。ところが実際には、とっちらかったまとまりのないB級アホホラームービーになってしまっている。意味不明なカルト一家、幽霊となって出てきた?過去の被害者、あまりにも馬鹿すぎる警官と、つっこみどころ満載である。グロシーンはそれなりに痛感に訴える力を備えてはいたものの、全くといっていいほど怖さはなく、全てにおいて中途半端感が残る。特典映像には、なんと別エンディングが3つと、カルト一家のへんてこムービーまで収録されている。この映画の製作陣、一体なにを考えているのやら、、、と、映画それ自体よりも作る人たちのほうに思いをはせてしまうなんとも不思議な作品です(笑)。 [DVD(字幕)] 5点(2012-03-31 03:55:38) |
3308. ブンミおじさんの森
《ネタバレ》 う~ん、、これは困ったなぁ(笑)。僕も正直、なにをどう評価していいのかさっぱりでした。人間と共に、当たり前のように幽霊や化け物が出てきて、そして現世だけでなく前世とも繋がり森羅万象全てがかかわり合うという、そういうアニミズムな作風となっています。確かに森や化け物の映像などは、どことなく宮崎アニメを思わせるヴィジュアルで、相応の影響を受けたんじゃないかなと思わせます。森の中の洞窟やら滝の映像は、相当暗い色調の中でときたまはっとするような美しいショットがあったりして、あの雰囲気は割と好きなのでそこに5点献上します。 [DVD(字幕)] 5点(2012-03-25 18:55:39) |
3309. スクリーム4:ネクスト・ジェネレーション
《ネタバレ》 前作から11年ぶりの新作ということだそうですけど、基本的には同じパターンの踏襲。ホラー映画の高次化といいましょうか、メタ・ホラーな作りは相変わらずです。時代が移り変わって今はネット社会になってますから、そういう新鮮なものも取り込んでまた新しい若い世代を獲得しようってことかな。往年のファンが一番楽しめそうな気もするけど。今のホラー映画はホラー映画もCGを駆使して、グロさもかなりのものになって映像的に凝ってるから、家の中追いかけっこしてナイフでめった刺しというのは、こうやってあらためて観ると凄くクラシカルな感じがするね。 映画オタクのどちらかが怪しいな~とは思っていたけど、まさか犯人二人と言うのは予想外だったな~。 [DVD(字幕)] 5点(2012-03-25 03:14:56) |
3310. くまのプーさん(2011)
《ネタバレ》 くまのプーさんは当然知ってはいたけれども、童話もアニメも観た事がなかったので、本作を鑑賞してそのあまりのシュールさに少々驚いてしまいました。絵本の文字とプーさんの世界がリンクしたり、ナレーションの声とプーさんが会話したりすると言う構成上のシュールさもあるのですが、なによりもキャラクターとストーリー運びが他のディズニー映画と比べてかなり特異。ミュージカルをしている点はディズニーなんだけど、寸劇そのものは他に似たようなものはなく、アヴァンギャルドですらある。そして、クリストファー・ロビン以外の動物たちが、みんなもの凄く「おバカ」なんですよね。みんなボケをかましていくんだけど、誰もつっこまないからずっとボケだけが積上っていくというシュールな世界。しかも動物たちは、ただ単におバカなだけでなく、みんなちょっと病んでるわけですよ。ある者は鬱だし、ある者は恐怖症だし、そして肝心のプーさんは、「はちみつ好き」というよりも、「はちみつ狂い」と言った方が相応しい。はちみつをしばらく切らすと、幻覚が見えてきてしまうその様はまさしくジャンキーですよ。いつも画だけで可愛らしいプーさんの世界を認識していた自分にとっては、このプーさんの裏の世界にちょっとしたカルチャーショックを感じてしまった次第です。まぁ、でも子供が観る分にはいいのかもしれないけどね。そんな裏とか考えたりしないだろうし。 [ブルーレイ(吹替)] 5点(2012-03-15 13:39:37)(良:1票) |
3311. スリーピング ビューティー/禁断の悦び
《ネタバレ》 「エンジェルウォーズ」のエミリー・ブラウニング主演ということで興味本位で観てみたのですが、う~ん、どうなんでしょう。よく言えば、文学的、なのかな。音楽がほとんど亡く、全編実に静かな展開となっている。結局何が言いたいのかはわからず、特にラストはさっぱりです。ブラウニングちゃんも透き通るような白い素肌で全裸を曝け出してくれて、それはいいのですが他のヌーディストの人たちはどうにもぱっとしないし、特にじいちゃんたちのフル○ン姿を見せられても困ってしまう。ブラウニングちゃんの強烈なファンの方向きであり、それ以外の方にはちょっとお勧めできそうもありません。 [DVD(吹替)] 5点(2012-03-15 01:32:34) |
3312. バタフライ・エフェクト3/最後の選択
《ネタバレ》 2作目が、1作目の焼き増しだったので、また同じこと繰り返してもしょうがないだろということで違う路線をとったこと自体は評価出来る。それまでの設定に、犯人を見つけようという推理サスペンスを加え、堅実なストーリー運びになっていると感じる。ただ、どういうわけか、おそらくは監督の趣向なんだろうとは思うが、殺害シーンがスプラッターばりのグロテイストなのである。最初のママ殺害シーンで、あんなに見せつける必要があるんかいな、とまず思ってしまう。実際、このストーリーと作風で、そこまでグロである必要性がないと思うのである。妹が実は犯人で意識移動出来るというオチは予想外だったけど、それ故に正体を明かしてから突然「愛」を告白するのはどうにも唐突であるように思う。そういう思いがあるのなら、それまで内緒にしている必然性がないのだから。 [DVD(字幕)] 5点(2012-03-13 14:13:07) |
3313. 吸血髑髏船
《ネタバレ》 これはさすがに支離滅裂すぎるでしょう。どうにもよくわからない、理解不能なシーンが多い。まぁB級作品だからといってしまえばそれまでだが、なぜ白黒映画なのかというのも、要するにコウモリとか溶解シーンなんかがカラーだと粗が出過ぎて無理だからでしょう(笑)。骸骨やコウモリといったギミックで雰囲気出しているのはいいんだけども。まぁ、なんにせよ松岡きっこの美貌がこの作品に魅力を加えているのも事実で、やっぱりホラー映画には美人が必要だよな、と。その点は昔も今も変わりませんね。 [DVD(邦画)] 5点(2012-03-13 13:42:20) |
3314. バタフライ・エフェクト2
《ネタバレ》 これはこれでそれなりに楽しめるとは思うのだが、いかんせん前作が良過ぎただけに、比較してどうしても低評価をせざるを得ない。基本的にやっていることは前作と同じだけど、ラスチの切なさが皆無だもんね。そもそも、ああいうヒット作の続編となるとハードルがどうしても上がってしまうから、どうせ続編をやるのなら全く違う展開でやったほうが良かったんじゃないかしら。一番問題なのは、主人公がどうにもいけ好かない奴だってことだよね。かの時を救う為どころか、自分が出世したり気に入らない奴に復讐したりする為にあの力を使っちゃう。まぁ、だからこそ破滅の道にいくという笑うせえするまん的な流れなんだけど、こんな主人公だとなかなか肩入れがしにくいよね。 [DVD(字幕)] 5点(2012-03-12 18:54:12) |
3315. トランスポーター3 アンリミテッド
《ネタバレ》 う~ん、能古身の問題化もしれないけど、たとえば格闘シーンとかがあまりにカット数が多過ぎて、観ていて疲れてしまう。そこまで割らなくてもスピード感は出せると思うのだが。終盤の列車でのアクションシーンはまあまあだったけどね。なんにせよ、ヒロインの女性のほうが気になっちゃうよね。びっくりするほどそばかすが多いし、首の「安」ってのは、私は安い女よとでも言いたいのかしらと考えちゃう(笑)。 [地上波(吹替)] 5点(2012-03-06 18:37:57)(良:1票) |
3316. コンテイジョン
《ネタバレ》 良くも悪くもソダーバーグ映画でしたね。彼は、ハリウッド的なエンターテイメント性を意図的に避けようとするところがあるから、本作もやっぱりそういう感覚が発揮されてて、普通の娯楽作だと思って観た人は面食らうかもしれません。ただ、全く娯楽性がないのかというとそういうわけではなくて、「リアリティ」を娯楽にしてるんですよね。そのへんは「Bubble/バブル 」とかにも通じる作風で、ただ個人的にはバブルのほうが遥かに面白く、こちらはちょっと物足りなかったです。ウィルスの感染の脅威を描いた内容ですが、ウイルスよりもむしろ、嘘がネットを通じてまたたく間に広がる「デマの感染」のほうが見ていて面白く、また怖いもののように感じました。非常時においては、人間はどうしても理性を失いがちなので、本当にこの映画の世界のようになったら、ウィルスの怖さより、機能しなくなった社会のほうがよほど恐ろしい存在になるのかもしれません。 [ブルーレイ(吹替)] 5点(2012-02-23 00:56:03)(良:2票) |
3317. マイマイ新子と千年の魔法
《ネタバレ》 前半がとてものんびりとした爽やかな展開だったので、タツヨシの父が自殺した敵討ちをする為にヤクザのいるバーに上がり込む後半の展開には少々驚きましたが、でもそのタツヨシとの別れ方が、これまた凄く爽やかで、そのシーンが一番ぐっときました。ただ、これはあくまで個人的な意見ですが、1000年前の舞台と現世がどうもいまいちリンクしていないというか、、、、。これだったら、1000年前の妄想はまるまるカットして、現世だけの構成でもいいんじゃないかと思うのです。ノスタルジックな雰囲気、子供達の絆、そういうところは凄くいいんですけどね。 [DVD(邦画)] 5点(2012-02-20 13:26:43) |
3318. 運命のボタン
《ネタバレ》 入り口は、なかなかいいんですよ。知らない人が死ぬ代わりに、大金を得られる。さぁボタン押しますか?って。だけど、途中から明後日の方向に話が進みだして、どんどんと意味不明な展開になっていく。「ストーリーがずいぶんととっちらかってるけど、ちゃんと収拾つくんかな?」と思っていたら、案の定ちらかしただけで終わる。さすがにこりゃどうなの、て思うよね。まぁ、言いたいことはわかるんですよ。「汝、隣人を愛せよ」みたいな、博愛主義を訴えてるんだと思うけど、そのメッセージを語るにあたっての大掛かりな設定があまりに突飛で散らかってるもんだから、観客としても戸惑ってしまう。顔の半分ない男の正体は、どうとでも解釈出来ると思うので、個人的には「笑ゥせぇるすまん」みたいな奴なんだろうと思って鑑賞してました(笑)。 [DVD(字幕)] 5点(2012-02-19 19:14:05) |
3319. エッセンシャル・キリング
《ネタバレ》 う~ん、、、。正直言って、良さがわかりません。序盤こそまだ逃走劇ということで面白かったのですが、後半はだいぶアートな方向にいっちゃいます。主人公は、一切台詞がなく彼のバックグラウンドが知れるのは、劇中に嫁さんらしき人が出てきたことぐらい。蟻を食べたり、授乳中の女性の乳にしゃぶりついたりと、要するに欲求に対して正直なわけだが、それがもうただのアホにしか見えてこない。いやまぁ、意味を汲み取ろうと思えば出来るんです。アメリカに対する批判とか、あるいはもっとこう、人類の管理体制や理性からの情動の逃避とか。でもやっぱり、心にくるものがなかったというのが正直な感想です。 [DVD(字幕)] 5点(2012-02-17 02:49:32) |
3320. 日輪の遺産
《ネタバレ》 純粋無垢な少女たちとその先生、極秘任務を遂行する3人の軍人。彼らの心の交流、真柴少佐の心の葛藤など、それなりにストーリーテリングしていて面白いとは思うんだけど、どうも腑に落ちないと言うかなんというか、、、。結局、あの財宝は日本の復興に使われなかったのだから、彼女らは無駄死にだったのではないかと思うのだが。ああいう非道なことがまかりとおっていた悲惨な時代であったというには、そのメッセージが弱いように思うし。そしてミッキーカーチスが語る現代の画が、どうにも嘘くさい。あれだったら、全部カットしちゃったほうがいいかと思う。 [DVD(邦画)] 5点(2012-02-09 21:00:26) |