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花守湖さんの口コミ一覧[この方をお気に入り登録する

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321.  ユージュアル・サスペクツ 《ネタバレ》 
はっきりいって、赤川次郎の「ひまつぶしの殺人」と同じレベルです。 もううんざりです。 私個人の意見としては、あの取調べの警察官がカイザーソゼだったら満点でした。
[ビデオ(字幕)] 1点(2005-08-17 12:09:18)
322.  マイ・フレンド・フォーエバー 《ネタバレ》 
シネマレビューの点数を見なかったら、この映画は決して見なかったでしょうから感謝したいです。 これはエイズの子供がラストで死んでしまうという分かりきった映画ですが、それでも胸にぐっとこみ上げてくるものがありました。 子供というのは無邪気で明るいものですがエイズの少年は子供ながらに死を見据えて生きていましたから、時々見せる影のあるしぐさが非常に痛々しかった。 一番印象的だったのは舟の上で青年の男女4人がはしゃいでいた様子と、テントで死を語り合っていた主人公たちの対比でした。 一方は明るくて楽しみを謳歌しており、もう一方は深い闇がもやもやとこみ上げている中にいる。子供が子供らしくなく大人のようであり、舟の上で馬鹿騒ぎをしている青年たちは子供のように見えた。大人になるとだんだん嫌なことも増えてきて悲しみも多くなってくるものですが、いったいなんで子供のときからこんな苦しみを背負わされるのだろうか?と理不尽に思えてくる。 あまりにも闇が深すぎる。それも泣きわめくでもなく、淡々とその闇を受け入れているエイズの子供を切なく思う。しかしこれが現実なのでしょう。 人が死んで感動するというのはある意味で他人事だから感動できるのではないでしょうか? 私は感情移入しすぎて腹が立ってきました。世の中には神さまなんていないんだね。いたら殴ってやりたい。とっても悔しいです。
[ビデオ(字幕)] 9点(2005-08-14 01:32:01)(良:1票)
323.  サイン 《ネタバレ》 
今回は地球にやってきた宇宙人を擁護したいと思います。この映画は宇宙人よりも人間の滑稽さに重点を置いた作品です。 宇宙人はマヌケだったと見るよりは、想定外の地球の汚さに呆れて帰っていたのですね。そして宇宙人が、しょぼいのもわざとです。 ハリウッド映画のすごいエイリアンばかり見すぎている私たち人間の感覚が狂っているのです。 だいいち、私たちは宇宙人を一度も見た事がないのに、なぜこの映画の宇宙人をみて、しょぼくてリアリティに欠けると思い込んでしまうのでしょうか? つまり、いつの間にか、ハリウッド映画が作り出した恐いエイリアンの映像が、「真実」だと思い込んでしまっているのです。そういう人間の滑稽な様子を、シャマランは、巧みに私たちに見せ付けています。 人間がテレビから、しがみついて離れられなくなるという姿がありますが、それは作られた映像の宇宙人がしだいに私たちの中で真実になってしまっていることと同じような気がします。 元野球選手と宇宙人の対決はもう最高でしたね。ホームランか三振ばかりしていた元野球選手が宇宙人相手に空振りしてくれたら最高でした。 私はシャマランは人間ではないと思いますね。いつも発想が人間離れしている。宇宙人としか思えません。
[DVD(字幕)] 8点(2005-08-13 15:13:56)
324.  ウォーターボーイズ
モラルがない映画。いくら映画のためとはいえ、なんで大量の魚をおもちゃにする必要があるのか? 魚を人間に投げてぶつけるシーンなどは不愉快極まりない。あれが笑えるというのだろか? 笑いが非常に下品だと思う。 青春とは馬鹿をすることだという意味を間違えているとしか思えない。 監督が「馬鹿な男たちの馬鹿な行動を笑いなさい、これが青春なんだから」といくら言われても困る。 そんなことを言ったら日本のお笑い馬鹿バラエティー番組はいつも青春ではないか?あれと同類だ。 どうせなら日本語に字幕でもつけたらいいだろう。そうしたら完全に馬鹿バラエティーと同じになる。 ついでに信号機で逆上がりでもさせればいい。ますます馬鹿を強調できる。 ストーリーはありがちな落ちこぼれ人間が頑張る姿を見せることによって感動させようという類のもの。 笑いあり、感動あり、そして若い男の裸も見せてやるぞ、という企みがみえみえの超商業的な映画となっている。 日本の映画は死んでいるのか? いい映画もあるのにこういう映画を見せ付けられると非常に残念。 こんなものは映画にせずとも、よしもとのコントのネタで充分ではないか? 「面白い」という言葉の意味を履き違えた究極の駄作だと考える。
[地上波(吹替)] 0点(2005-07-30 21:54:45)(笑:1票) (良:1票)
325.  砂と霧の家 《ネタバレ》 
家を取り戻そうとする女、家を守ろうとする男、家を捨てた保安官。 すべてが「家」という存在から物語は始まっている。結婚に失敗して無気力な生活を送っていたキャシーの「家」に対する執着心は最初はよく分からなかった。なぜ自殺する必要があるのかも不思議だった。 しかし徐々に彼女は住む場所としての物質的な家(ハウス)を求めていたのではなく、家族の象徴としての家(ホーム)を求めていたのだ、ということが分かってきた。そう考えると非常にこの映画が好きになってきた。 人間の愚かさや他人に対する無理解が垣間見られる一方、ホームとして家の存在が霧のように希薄になってしまった現代で、ホームに執着する元大佐のベラニーとキャシー。 2人がホームに求めていたものは、キャシーは家族であり、ベラニーは祖国であるだろう。 2人は、目で見える物質的な「家」をめぐって争っていたが、実はお互い目に見えないホームをめぐって争っていたのではないだろうか。 この映画で誰が悪いやつか?なんて考えるのは意味がないと思う。全員が愚かなのかもしれないし、全員が被害者なのかもしれない。    
[DVD(字幕)] 10点(2005-07-23 13:06:53)(良:1票)
326.  オールド・ボーイ(2003) 《ネタバレ》 
催眠術で記憶を消したり思うように操ったりできるなら、わざわざ数十年間も監禁する必要なーし! まずここからこの映画のストーリーは破綻している。 そもそも「復讐」じたいが犯人の逆ギレから始まっているだけに全てにおいて説得力に欠ける。 禁じられた恋愛を学校で堂々と行っていた犯人を見かけた学生は、主人公以外にも大勢いたのではないでしょうか? そしてたまたま主人公だけが標的にされてしまった。 理由は「喋りすぎるから」という。これはコメディかっつーの! カンフーハッスルよりも「ありえねー話」ですよ! 久しぶりに、矛盾・屁理屈・意味不明の三拍子が見事に揃った映画でした。 しかしそういうマイナス面を勢いだけで吹き飛ばしてしまうところにこの映画の素晴らしさがある。 よく考えればムチャクチャなストーリーだと分かるのだが、舌まで抜く男の演技を見ていると、作品の意味ですら誤魔化されてしまう。ここは喋りすぎずに黙って誤魔化されておこう。
[DVD(字幕)] 9点(2005-07-18 18:36:25)
327.  ヴィレッジ(2004) 《ネタバレ》 
「村」の人たちを見て「翼をください」という歌を思い出した。 「今 私の願いごとが かなうならば 翼がほしい~ 悲しみのない 自由な空へ 飛んで行きたい」 これを実現したのがこの「村」です。心が傷ついた人たちが集まって、「町」を逃げ出し、悲しみや苦しみのないユートピアを作り上げた。 人間の愚かさを感じる。しかしどこか共感する部分もある。 愚かだけど人の心の奥に潜んでいる願望だからかもしれない。 現代でも多くの人が今の現状から逃げ出したくて、転職したり、海外に生活を求めたりしている人がいる。 しかしどれも長続きはしない。 なぜなら悲しみや苦しみの原因は「場所」にあるのではなく「人間」にあるからです。それと同じように、町を逃げ出した者たちも、「悲しみ」の原因は「町」という場所にあるのではないということに、いつかは気がつくはずです。 悲しみは避けようと思って避けられるものではなく、受け入れて生きていかなければいけないと思います。人を好きになるからこそ、悲しみがあるのだから。
[DVD(字幕)] 7点(2005-07-10 14:13:48)
328.  息子のまなざし 《ネタバレ》 
オリヴィエの台詞はわずかしかありませんでしたが、彼の強靭な体からメッセージを発していました。 テーマは「復讐」と「赦し」ですが、私はオリヴィエの「喪失」と「再生」の物語だと感じました。崩壊した夫婦のもとに、自分の息子を殺した少年が現れた。オリヴィエは驚いたのでしょう。夢の中では悪魔だと思っていた少年は、実際には息子と変わらない普通の少年だったのだから。 この映画のラストは実に印象的です。オリヴィエを「喪失」させたこの少年が、オリヴィエを「再生」させている。誰かを救うことは自分自身のためなのです。他人を救うことによって自分が救われる。たとえそれが最愛の息子を殺した人間であろうとも─。オリヴィエが少年を赦したのではありませんし、オリヴィエが少年を救ったのでもありません。その反対なんです、少年がオリヴィエを救ったのです!こんなことを言ったらオリヴィエに怒られるかもしれませんね。遺族が加害者を赦せないのは当然です。しかし赦すことによってじつは自分が救われるという真実は意外と知られていない・・。見ごたえ充分の人間ドラマでした。
[DVD(字幕)] 10点(2005-07-09 22:04:01)
329.  Ray/レイ
印象的だったのは、子供のレイが倒れて「お母さん助けて!」といったとき、母親は息を殺してじっと息子を見守るだけで何もしなかったときです。その時の母親の不安と決心が入り乱れた顔の表情は、非常に素晴らしい。 そして息子は1人で立ち上がり母親を探し当てたのです。母親はそういう息子を見て涙を流しました。母親は、このとき初めて盲目の息子がこれから自立して生きていけるということを確信したのでしょう。まさに母親の愛情は「海」です。しかし母親は体が弱いうえに、洗濯女の仕事で体を酷使しすぎて、息子の活躍をみることなく静かに息を引き取ります。この映画は主役はさることながら彼の周りを支える人物たちが実に存在感があって見ごたえがあります。 「人間」が好きな人、「人間」を見たい人、「人間」を知りたい人、是非この映画をお勧めします。音楽を通した最高の人間ドラマだと思います。 そしてレイのお母さんに一番観て欲しかった映画、あなたの息子さんは大勢の人から尊敬される偉大な人間として人生を終えました。心より尊敬します。
[DVD(字幕)] 10点(2005-07-09 21:26:31)(良:1票)
330.  パラサイト
ロード・オブ・ザ・リングのイライジャ・ウッドが出ているので必見です。彼のヘタレぶりは天性のものだということが分かりました。エイリアンと闘っている最中、いつサムを呼ぶのか気になりましたが、やはりサムは現れませんでした。
[地上波(吹替)] 3点(2005-06-27 18:39:19)(笑:1票)
331.  Mr.インクレディブル 《ネタバレ》 
家族は、このヒーローきどりの夫のために、生命の危機に陥ったのです。 それとラストで唖然とさせられました。 全員がヒーローになってどうするねん!!! これは続編のために作品の本質がゆがめられたとしか言いようがありません。 趣味で正義のヒーローごっこを行っているアメリカと、この家族はまったく同じです。 そんなにも正義ごっこがしたければ、イラクに行って敵を虐殺すればいいのです。 いっけん家族愛のように錯覚しそうな映画です。しかし、じつにアメリカ的な映画でした。 「世界よりも大切なもの(つまり家族)がある」というキャッチフレーズを直し、「世界こそアメリカのものである」と直してください。 1つ言いたいことは「家族愛は世界など救いません」 これは事実。 「偽善」もほどほどにしてください。 このアメリカアニメには、日本のアニメのような誠実さが、まったく感じられません。 映像美だけを追及した機械的な人間たちのふるまいをみせられて気分が悪くなった。このような偽善に満ちた低俗アニメをつくって喜んでいられるのが、アメリか人なのでしょう。
[DVD(字幕)] 1点(2005-06-22 19:10:47)
332.  いま、会いにゆきます 《ネタバレ》 
・・・・。交通事故がきっかけで彼女は未来が見えてしまった。そしてすべてを知った。これからあの男性と結婚して子供を生んで・・・すぐに死んでしまうという運命が待っていることを!もし、これからあの男性と出会おうとせずに、別の男性と結婚すれば、彼女には別の人生が生まれて死ぬことはなかった。それは彼女も分かっていた。しかし彼女の決意は自信に溢れていた。 死ぬと分かっていながら、未来の子供と出会うために、彼女は遠くにいる未来の夫に電話をかけた。彼女の決意はこの言葉にすべてが込められている。「いま、会いにゆきます」・・・・・・・。うおおおおぉ!! タイトルの意味はそういうことだったのかー! もう涙ボロボロですよ!! こういうのは、理屈じゃなくて感情だと思います。 一度、泣きのツボにはまったら、もう駄目です。 あの家族が何をやっていても泣けてきます。1つ分かったことはこの映画の映像は、あくまでも今あるものを美しく見せようとするのではなく、あるがままの自然な形をそのまま映そうとしている様子が伺えます。人生は楽しみだけでは不完全。苦しみや悲しみが伴ってはじめて完全なものになる─。 最初は冷めた目で見ていたことは事実です。私もいちおう男だから泣くなんて恥ずかしいと思っていた。しかし後半から涙が出そうになるのをこらえるのがだんだん苦しくなってきた。 そして最後のあの日記のせいで私の努力は涙の泡・・いや水の泡となってしまった。 貯まった涙がダムの決壊したときのように勢いよく流れてしまったのです。まさにボロ泣き洪水注意報発令ですよ(T_T)
[DVD(字幕)] 9点(2005-06-19 02:28:53)
333.  神経衰弱ぎりぎりの女たち
つまりこの映画はスペイン版「男はつらいよ」です。いや、男ではなく女だから「女はつらいよ」でいいでしょう。 女って大変だな、女って頑張っているな、女って寂しいな、ということがしみじみと伝わってきました。 義理と人情味溢れる秀逸な作品。アルモドバル作品なので、お洒落です。 私は男ですが、日常の生活に疲れを感じている女性が観ていただけたら、ちょっと気持ちが和むかもしれません。大笑いのコメディではありませんが、クスリと笑えるところに癒されます。 
[DVD(字幕)] 8点(2005-06-11 21:46:36)
334.  モンスター(2003)
「世界でもっとも美しい50人の女性」にも選ばれたセロン。ただし美人がブスに変わったことだけが見所の映画では決してないと思う。 実話では、アイリーンの精神的な心の支えとなったセルビーはもっと悪人だった。この映画の宣伝文句「なぜ愛を知ってしまったのだろう?」という台詞からも分かるようにセロンの存在はこの映画に限っては、アイリーンの殺人動機の1つとして考えられて人物像が作られている。ここまで「飢えた愛」に焦点を当てられたのは、女性の監督だからかもしれない。アイリーンの過去は、精神障害の父親の自殺や、アル中の母親が育児放棄、それに近親相姦の繰り返しなど、たしかに不幸はあったが、だからといって 「生きるためには娼婦になり人を殺すしか方法がない」とは思わない。思わないのだけど、そんなつまらない常識を殺人犯のアイリーンにぶつけて「あなたの考えは間違っていますよ、同情の余地なんてないですよ」なんて言うつもりも、さらさらない。この映画を褒めたいのは、モンスターである主人公の行動を肯定もしていないし否定もしていないところ。 悪い家族環境が悪い人間を作ることはよくあるが、中にはそういう劣悪な環境から抜けだして光のある道に進める人も大勢いる。 アル中の父親から何度も殺されそうになったり、母親が父親を射殺するという経験をもつシャーリーズ・セロンがその1人ではないだろうか? もしかしたら彼女は、自分も一歩間違えればアイリーンと同じような売春婦の道、悪の道に突き進んでいたと思っていたのかもしれない。 そして頑張れば再生できたかもしれないのになぜアイリーンはモンスターになってしまったのだろうかという無念の思いもあったのでは?セロンの執念にも似た演技を見ていると、彼女が持っている重い過去がアイリーンを通して伝わってくる。美しさと心の強さを秘めたセロンが大切な勲章を手にした記念すべき作品を心から祝福したいです。 
[DVD(字幕)] 9点(2005-06-11 20:41:33)(良:1票)
335.  父、帰る 《ネタバレ》 
あの箱の中身はなに?それが気になる。しかし監督は箱の中身を何にするかは最初から考えていなかったはずです。つまり観る方が勝手に想像してくれよという意味です。「父親がどこからやって来て、何をやっていたのか?」それも分かりません。それを説明しないから、私たち観客は、この映画の兄弟と同じ気持ちになって「正体不明な不気味な父親」を感じることができます。 そして想像力は膨らみます。弟は「殺されるかもしれない」と心配します。 父親のほうは、まったく自分の考えていることを子供たちに話しません。だから、ますます不気味な存在になっていく。 本当はただ単に不器用な男だったのかもしれない。 子供たちに無人島の塔のてっぺんで素晴らしい景色を見せたいだけだった。なのに、子供とどう接したら良いのかわからない。 すぐ命令してしまう。そして自分を殺そうとした息子の姿をみて「誤解だ」としか言葉が出てこない。この父親が死んだとき、子供たちは1枚の写真を見て、はじめて父親の自分たちに対する愛情を知る。その瞬間、父親の死体は海に沈んでいく─。弟が心から「お父さん」と言ったのはそのときでした。「親の気持ち、子知らず」。 まさにそういう映画でした。 最後に無人島で怪しげにあの箱を掘り返している父親をみたとき、箱の中身は奪い取った財宝だと思いました。それがラストではあの箱の中身は、家族との大切な思い出の品へと変わっていました。これが想像の楽しさです。 これが監督の意図した「秘密の箱」のからくりだと思いました。
[DVD(字幕)] 10点(2005-05-29 11:41:30)(良:3票)
336.  涙女
涙女は「泣き屋」という意味です。葬式の時に雇われて、死んだ人のために泣くことを商売にしている女性のことだそうです。 私が見たところ、泣くだけではなく、歌ったり踊ったりしていましたが、お堅い人がこれを見たら不謹慎だと思うかもしれません。この映画は、中国で作られたのに、中国では上映されていない不思議な映画です。 それは映画を見ればなんとなく分かりますが、事実なのに、都合が悪くなるとすぐに隠したがるお国柄なのですね。 それから泣き屋を演じたリァオ・チンは、元オペラ歌手だそうですが、映画の中では子供を抱えながら海賊版のDVDを売るような女性で、タフで利己的な面も持っています。しかし、ヘタレで弱さも抱えており、なかなか憎めません。 他人のために泣くことを商売としている「涙女」は一度も本気で他人のために泣きませんでした。 最後の大泣きも、「自分のため」だったのが印象的です。 たくましくてずるくてかわいい女性だったと思います。 この女性を通して、実質的に資本主義に変貌した中国の一面が見られます。 カラフルな色を意識的にたくさん使った映画なので、お洒落なミニシアター系の映画が好きな人は、けっこう楽しめるかと思います。  
[DVD(字幕)] 8点(2005-05-22 15:06:06)
337.  女はみんな生きている
日本に「男はつらいよ」という寅さんの有名な映画がありますが、この映画はフランス版「女はつらいよ」という感じの映画でした。笑いと人情溢れた名作です。 まず最初の5分間のスピーディーな展開に、置いていかれそうになったときは、さすがに曲者のフランス映画だと用心をしましたが、全部観終えてみると、すごく観やすい映画でした。 ストーリーは「平凡な主婦と娼婦の凸凹コンビが、嫌な男たちをやっつける」というシンプルなものですが、これだけ聞いてつまらないと考え、観るのをやめる人は絶対に損をします。これほど痛快な映画を観たのは久しぶり。ちなみに男はみんな悪者かアホ者ばかりです。フェミニストがこれを観たら、男に対する敵意があまりにも激しすぎるので、逆に苦笑いするくらいだと思います。しかし男の私が観ても拍手を送りたくなるほど爽快無比です。 男がやられる場面がベタすぎるのですが、それでも思わず「やった!」と声が出るくらいに気持ちいいです。それにコメディ映画ですが人間もしっかり描かれています。ヨーロッパの有名な賞を総なめしただけのことはあります。 娼婦のほうは、まさに「女は生きている」というタイトルがふさわしい生き方をしています。主婦の方は、男を後ろから板で殴りつけて気絶させる場面があるのですが、日頃の自分の鬱憤を「男」にすべて吐き出していたような迫力と笑いがあります。 一言でいえばシュール。 そして女と男の人間ドラマです。 問答無用の10点。
[DVD(字幕)] 10点(2005-05-15 02:30:13)
338.  血と骨
この映画を原作者の人生と投影させながら観ました。 金俊平は、原作者の梁石日さんの実の父親、その息子の金正雄は、梁石日さん自身をもとに描かれています。その金正雄は、借金で苦しんでいましたが、実際の梁石日さんも、彼のエッセイを読むと今でこそ人気作家ですが、29歳のときに10億円もの大借金を抱えたことがある人でした。父親のようにはなりたくないと強く思いながら、「あなた、だんだんお父さんに似てきているよ」という花子の台詞は、梁石日さんが何度も言われてきた台詞なのではないかと思います。どれだけ父を憎んでいても父はまったくの他人ではなく、自分の分身でもあるのだと気がつきます。 その思いが「血と骨」というタイトルに。 これは1人の怪物の男の物語だと思われがちですが、金俊平の視点で話は進んでいません。よく見るとこれは金俊平をとりまく家族たちの視点で話が進んでいくことが分かるかと思います。ここが監督の意図がはっきりしている所です。つまりこれは金俊平の物語ではなく、金俊平の家族や周りの人間たちの物語なのではないでしょうか。 母親役の鈴木京香、俊平の子供のオダギリジョー、新井浩文、田畑智子、全員の存在感は圧巻でした。 みんな金俊平とぶつかってボロボロになりながら生きてきた人たちです。これだけ重厚な人間模様を描いた日本映画を見直しました。
[DVD(字幕)] 9点(2005-05-15 00:59:30)(笑:1票)
339.  2046 《ネタバレ》 
2046はSF小説でもあり官能小説でもあります。新聞記者くずれの男が描く夢物語です。だから管理人の娘が、小説の中ではアンドロイドになってしまうわけです。意味なんてありません。 「意味」というのは、自分で考えて作り出すものではないでしょうか? この大衆小説「2046の世界」と、「現実の世界」をかき回せながら混沌とした世界観を作り出していく試みは、私は気にいりました。 最後に娘からの伝言だということで、管理人から、「2046という小説の終わり方が悲しすぎるから直して欲しい」と、トニーは頼まれる。トニーは「わかった」と言って、終わり方を書きかえようとするが、まったくペンが動かない。この「ペンを持った動かない手」が、とても印象に残りました。 この時点で、小説家トニーレオンと2046の中の架空の木村が同一人物として重なり合うわけです。 SF小説2046の結末を変更できない理由については「花様年華」を観なければわかりにくいかもしれません。 単純に想いを寄せていた管理人さんの娘(小説ではアンドロイド)が結婚しっちゃったから、という理由ではないと思います。恋をする人たちの悲哀が静かに伝わってくる大人の映画でした。 失った愛を見つけるために、小説を書き続ける男─。2046にたどり着けば、それは見つかる。いや見つかるはずだという願望が込められています。 2046のラストは、作家のトニーが失った愛を取り戻すまでは、書きかえられることはないでしょう。
[DVD(字幕)] 8点(2005-05-03 15:29:33)(良:1票)
340.  ラブストーリー 《ネタバレ》 
「ラブストーリー」とは、2人の女性の恋の物語でした。まず評価したいのが、母親役と娘役をソン・イェジンさんが1人2役で演じていることです。 私は監督が、「娘と過去の若い頃の母親は顔が似ていることにしよう」という設定で、ソンさんを1人2役にしたのではないと思います。 娘が母親の秘密の日記を読み始めたときからこの物語は始まりました。 その日記で娘は、恋に悩む母親のラブストーリーを見て、今、恋で悩んでいる自分の姿を過去の母親に投影させたのだと思います。だから自然と過去の母親は、ラブストーリーを読んでいる娘自身の姿になるのです。 母親の恋は実りませんでしたが、娘の恋は成就しました。 しかしこの2つの恋愛は別々ではありません。両方ともつながっているのです。 なぜなら、そのために、娘と母親を同じ女優に演じさせたからだと確信しています。これは2人の恋の物語ですが、1つのラブストーリーでした。 つまり母親と母親の愛した人の分身が、時代を超えて、ようやく1つに結ばれたのです。 「現在」の娘の恋愛の描写が少ないのは、「過去」の母親の未来として、現在を捉えているからだと思います。 とにかく1つ言えることは、静かな涙がたくさんこぼれてくる映画なのは間違いないということです。
[DVD(字幕)] 9点(2005-05-02 23:46:57)(良:1票)
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