321. 愛のまなざしを
《ネタバレ》 あの万田監督の作品という事で、期待し過ぎたかもしれない。 展開はスピード感はあるものの、飛躍し過ぎというか、話を広げ過ぎで、最後はどうでも良くなってしまった。 前半部分はとても面白くて、興味を引かれただけに残念だ。 これまでの万田監督作品と比べて明らかに見劣りするのは、ヒロインの存在感。 森口瑤子の魅力や小池栄子の迫力には遠く及ばなかった。 [インターネット(邦画)] 7点(2022-09-27 21:44:10) |
322. レクイエム~ミカエラの肖像
《ネタバレ》 この話は面白い作りになっている。 最初悪人に見えた人は後半になるにつれ、実は良い人だと分かる。 逆に最初味方に見えた人は後半になるにつれ、害悪だったと分かる。 現実の世界でもそうだと感じる。 初対面で人当たりも良く優しそうだった人が、本当の窮地に陥ると案外助けてくれなかったりするし、その逆で最初は悪人だと思ってた奴が、本当にキツい時に助けてくれたりする。 この映画に焦点を絞ると、主人公を死に追いやった主犯は、あの優しい父親ではないだろうか。 医師から精神科入院の指示が出ていたにも関わらず、娘を少しでも自由にしてあげたいとの理由で、それを母親にも知らせなかった。 ただこれは、娘を思うこその父親の気持ちがそうさせたのであって、勿論、父親は娘の味方だ。 だがこの父親の判断が結果的に娘を追い込んでしまった。 皮肉にも親族でない友人の女性が、一番賢明なアドバイスをしていた。 妙な悪魔祓いにすがるのではなく、精神科で見てもらうよう懸命に訴えていた。 世の中には、おそらくこの主人公のように医者にも見放され、原因不明の病に侵されている人がいるはずだ。 そんな時、何にすがるべきなのか?誰を頼るべきなのか? そのような問題提起、メッセージを本作から強く感じた。 [CS・衛星(字幕)] 7点(2022-09-24 16:16:39) |
323. 息子のまなざし
《ネタバレ》 終盤の展開にはハラハラドキドキした。 それまでの大半の時間は、妙な腰ベルトを巻いたハゲメガネオッサンにカメラが密着し、まるでストーカーの様に日常を切り取っただけのシーンが延々と続き、退屈感は半端ない。 密着する対象が美人な女性ならまだ楽しめたのだろうけども、これは何とも… ただ考えさせられたのは、どんなに殺してやろうと憎んではいても、いざのその時になったら本当に相手を殺せるか?という点。 その時になってみない事には分かりようもない事であって、まさのその時を目の当たりにさせられた映画だった。 [インターネット(字幕)] 7点(2022-09-23 14:26:36) |
324. ハロルドとモード 少年は虹を渡る
《ネタバレ》 『ブリキの太鼓』を想起させるブラックコメディ青春映画。 頭のおかしい青年とぶっ飛んだ婆さんの恋愛奇譚。 冒頭の首吊りとラストの崖からの落下、2回とも騙された。 騙された感じは何とも言えない後味。 趣味の良い作品とは言えないが、何か突き抜けた凄みを感じた。 [インターネット(字幕)] 7点(2022-09-19 21:28:34) |
325. SPL/狼よ静かに死ね
《ネタバレ》 単純な勧善懲悪ものでないのが面白く、ストーリーに深みを与えている。 主役の刑事たちは、マフィアのボスを逮捕しようと犯罪をでっち上げたりもする。 逆にマフィアのボスには最愛の妻と赤ちゃんが居たりもする。 見所は現代風のカンフーアクション。 あのサモ・ハン・キンポーが暴れまくる。 ラストも切ない余韻を残し、男たちによる男のための映画といった趣き。 [CS・衛星(字幕)] 7点(2022-09-14 10:34:38) |
326. 転校生(1982)
《ネタバレ》 大林監督作品は基本苦手なのだが、本作は例外的に良かった。 昭和ムード満載で懐かしさも感じた。 尾道には行った事はないのに、どこか故郷のような感じもした。 ストーリーとは関係ないが、志穂美悦子がスタイル抜群で、とても綺麗だった! [CS・衛星(邦画)] 7点(2022-09-04 10:39:12) |
327. 親密さ
《ネタバレ》 リアル劇と舞台劇の二部構成。 合計4時間超の大作だ。 前半から理屈っぽくて声の小さい男に苛立ち、不細工な女に嫌気がさした。 ところが映画が終わる頃には、その男女に慣れている自分に驚いた。 ラストシーンは思いのほか感動した。 丸刈りになって爽やかになった男と、化粧っ気が出て綺麗になった女に目を奪われた。 並行に進む電車の中で無邪気にはしゃぐ男女、雰囲気のいい音楽、やがて電車が離ればなれになるところ。 電車の使い方が実にいい。 [インターネット(邦画)] 7点(2022-08-21 01:07:16)(良:1票) |
328. i 新聞記者ドキュメント
《ネタバレ》 とても面白かった。 やはり私はドキュメンタリー映画が大好きなようだ。 それにしても、望月さんのパワー、へこたれない胆力、もの凄いな。 [インターネット(邦画)] 7点(2022-08-15 01:16:37) |
329. TUESDAYGIRL
《ネタバレ》 いやぁ、参ったわ、これホラーだわ。 すげー、スパイスたっぷり。 ラストシーンは特に効いたよぉ。 参ったわぁ。 今泉監督はこういう怖いのも撮れるのですな。 コミカルと思いきや、急遽、怖いヤツ。 いきなりテレビ画面を割るとか怖すぎでしょ! こんな怖い女性と結婚はしたくないよ。 今泉監督、色んな方向性の映画を撮れる凄い人! [インターネット(邦画)] 7点(2022-08-14 20:53:29) |
330. tarpaulin
《ネタバレ》 全編ワンカットの臨場感、すごい。 夫婦喧嘩は猫も食わないけど、その痴話喧嘩を仲裁したのは、音楽でした、というお話。 その音楽は大森靖子。 いかにも西武新宿線チックな街並みを突き進むと、これまた西武新宿線チックな公園に辿り着く。 おもむろにベンチに腰掛けると、突然の大森靖子。 そして、あの大森靖子の唄! まあ、とりあえずは仲直りかな?って感じかな。 雑然とした西武新宿線(さっきから勝手に決めつけているけど、違ってたらゴメンナサイ)の住宅街と大森靖子。 素材を活かした、さすがは今泉力哉。 個人的には8点に近い7点の感銘を受けた。 やはり今泉力哉は止められない。 [インターネット(邦画)] 7点(2022-08-14 15:58:14)(良:1票) |
331. マーティ
《ネタバレ》 細かくリアルに描かれており楽しむ事はできた。 その反面、ガールフレンドと自分の親との確執や、嫁姑問題、ガールフレンドが出来た時の友人のやっかみ等、リアル過ぎて見ていて疲れる部分も多々あった。 主人公の男女は、たとえこの後、結婚までゴールインできたとしても、その先には嫁姑問題や絶えない夫婦喧嘩が待っているのだろう。 それがまた、人生のリアルなんだと思う。 そして、それが嫌で結婚しなければ、この映画の冒頭で主人公が言われた「良い歳して独身なんて恥ずかしくないの?」と言う言葉を浴びせられる。 結婚と独身、どちらの道に進んでも、それぞれ苦労や苦悩が続く。 その内容を描いた本作は、時代が移れど変わらない普遍的なものを描いている。 本作は現実的過ぎる内容の為、映画を見て現実を忘れたい人には不向きな作品だ。 [CS・衛星(字幕)] 7点(2022-08-13 16:40:12) |
332. オン・ザ・ロック
《ネタバレ》 ソフィア・コッポラにハマり中。 という訳で、本作を見るために、わざわざApple TVと契約(無料お試しだけど)。 本作でもソフィア・コッポラの映像、音楽センスが炸裂。 特にラストシーンからエンドロールの音楽に至る部分、その美しいセンスに思わず唸ってしまいました。 話の中身はと言うと、そこまで楽しい話でもなく、夫の不貞を疑った妻が、父親と共に夫を追跡するが、その疑いはめでたく晴れ、ハッピーエンドといった感じ。 ソフィア・コッポラの監督した作品、大体は見てしまったけど、これからも新作に期待して追い続けていきたい。 [インターネット(字幕)] 7点(2022-07-31 22:26:18) |
333. あの子を探して
《ネタバレ》 主演の女の子の執念に敬服しました。 テレビ局長が眼鏡をかけていると聞いて、テレビ局の門から出てくる全ての眼鏡の男に声をかけます。 丸一日、それをやります。 夜には疲れ果てて、路上で寝てしまいます。 でも、翌日もテレビ局の門の前に居ました。 この執念が実り、局長の目にとまり、ハッピーエンドとなる訳です。 この当時の中国の惨状を映画を通して知ることが出来ました。 それだけでも、大変、興味深かったです。 [インターネット(字幕)] 7点(2022-07-10 20:05:14) |
334. ヴァージン・スーサイズ
《ネタバレ》 姉妹たちが綺麗なことや映像が美しいこと、神秘的な雰囲気が漂っているところ等、とても不思議でいて魅力のある作品。 美しい映画でありながら、随所にショッキングなシーンが入ってきたりと、他の映画にはない独特の雰囲気が好き。 [インターネット(字幕)] 7点(2021-10-18 07:29:32) |
335. ミッドナイト・ラン
《ネタバレ》 デニーロがとにかく魅力的。 見る前はアクションものかと思っていたが、ヒューマンな部分が一番良かった。 最後の別れのシーン、今の時代みたいに携帯もないから今生の別れになる訳だけど、何とも言えない寂寥感が漂い、とても味わい深かった。 [インターネット(字幕)] 7点(2021-10-09 13:42:06) |
336. ウホッホ探険隊
《ネタバレ》 これ、何気に良作。 高度成長が成熟しきって、経済的に一般家庭も豊かになってきた時代、そんな日本を色濃く感じる作品。 令和のこの時代よりも、とても豊かに感じられる。 田中邦衛がモテる男で、しかもウホッホと咳をする(ウホッホなんて咳をする男はモテないだろうし、そもそもウホッホなんて咳、聞いたことないよ!)。 これがやたらにコミカルで楽しい。 離婚にいたる過程を描いてはいるが、どこか平和な空気が漂っている。 未来はどうにかなるだろうという明るい見通しと楽観的な感じが、この時代に見ると逆に新鮮だったりする。 [CS・衛星(邦画)] 7点(2021-10-03 18:31:03) |
337. 関東無宿
《ネタバレ》 鈴木清順作品を何本か見てきて、今回でようやくその魅力を感じることができた。 とにかく目の覚めるような赤色が印象的。 カラー映画で躍動する真っ赤な赤。 照明の使い方や音楽、効果音にいたるまで、鈴木清順監督の強い個性を感じられる逸品。 [インターネット(邦画)] 7点(2021-09-25 08:22:14) |
338. 賭博師ボブ
《ネタバレ》 アンリ・ドカエによる冴え渡る映像美と、ボブを演じた俳優のダンディズムを堪能する映画かと。 しっかし、モノクロの映像美は素晴らしいの一言! 夜の街のネオンの輝きがこの上なく虚しくて、心奪われる。 [インターネット(字幕)] 7点(2021-09-06 00:33:32) |
339. 楽園(2009)
《ネタバレ》 最後の火事は蛇足だし、わざとらしいお涙頂戴的なシーンもあるけど、総じて人の優しさに作品全体が包まれているので、目をつぶります。 主演の女優さんは、スタイル抜群で、とにかく美脚! 出所するシーンなんか、美脚に目が釘付けになりました。 人の優しさにもやられたけど、彼女の美脚とスタイル、服装にもやられました! 彼女に惚れた教師も、綺麗事を言いつつ、なんやかんや彼女の美脚にやられたに違いない!! この、スケベ教師め! [CS・衛星(字幕)] 7点(2021-08-15 22:28:59) |
340. 背信の日々
《ネタバレ》 やりますな〜、コスタ=ガヴラス! 人種差別という問題を通して、どちらサイドに着くにせよ、殺しは避けて通れない。 いずれにせよ、人を傷つけ、人を殺す。 人種対立という問題の不毛さ、更にはそれを皮肉ったとも言える内容が凄い。 ラストはおそらく、愛した女を殺せたけど、敢えて殺されたんだろな。 愛した女を殺すくらいなら、殺された方がマシ、と。 愛した女に裏切られた男の絶望感が、ヒシヒシと伝わってくる。 切ないラブストーリーでもあり、人種差別を扱った作品でもあり。 さすがのコスタ=ガヴラスでした! [ビデオ(字幕)] 7点(2021-08-14 13:51:50) |