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K&Kさんの口コミ一覧[この方をお気に入り登録する

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321.  金門島にかける橋 《ネタバレ》 
日本(日活)と中華民国(中央電影公司)共同制作の映画です。この映画の舞台となる金門島と言う場所が凄くて、中華民国の領地なのに大陸から僅か2kmしか離れてない島という、とっても危険極まりない島なんですね。'58年に台湾海峡危機という軍事衝突があって、日本の記者が亡くなってます。  恋人の死を知って生きる希望を失った麗春を、大学病院の医師一郎が励まし、恋が芽生えたって流れはそんなに珍しくない。そこに高木製薬の社長令嬢かおると共通の友人で新聞記者の和男が絡んでくる。麗春役の華欣も綺麗な人だし、かおる役の芦川いづみもとても綺麗。恋愛模様はすれ違いを繰り返し、やがて悲劇に…。なんですが、国際色豊かな映画にしては裕ちゃんは日本語ばかりで、麗春が抑揚無く日本語を読み語ります。麗春の婚約者の国軍兵士も出て来ますが、麗春の気持ちを考えアッサリ身を引きジープで逃げてしまいます。設定上解るけど感情的に謎。  恋愛模様はさておいて、この映画の見所は'62年当時の台北です。台北に行った人なら殆ど行くと思われる台北博物館、台北駅、総統府が当時の姿で出てきます。街並みも今よりは古く、それでも今に続くゴミゴミ感が感じられて良い意味で台北そのまんまでした。 中華民国の建国記念日(双十節)のパレードがまた立派。台湾といえば衛兵の交代式で有名ですが、このパレードもビシッと揃っていて立派なものです。 そして突然の金門島への上陸作戦。水陸両用装甲車LVTによる兵士と島民と船員の、一斉上陸は、観ていると頭が混乱しますが迫力は中々のもの。火薬量も先日観たバトロワ2の比じゃありません。
[インターネット(邦画)] 5点(2022-10-09 20:12:21)
322.  ブラックブック 《ネタバレ》 
- Zwartboek - “黒い本”オランダ語です。この映画の存在を知らなくて、タイトル観てもピンと来なかったけど、バーホーベン監督と知って俄然観てみたくなりました。 ナチスとユダヤ人という題材+バーホーベン監督なのに、思いのほかグロさが控えめで、これは“きれいな(人格の)バーホーベン”が創ったんだな。とても観やすい内容で、一部を手直しすればゴールデンタイムでも放送出来そう(…無理か)。  とても長い映画だけど全然退屈しなかった。隠れ家生活、助けてくれる青年、家族との再会、裏切り、レジスタンス入りととってもスピーディで、じっくり考える間もなく次の行動をしなきゃいけない。私もラヘル→エリスになった気分。 ナチスとユダヤ効で重たい気分になりそうだけど、効かないクロロホルムとかちょっとユーモアを感じてしまうのは、さすが娯楽映画のバーホーベン。ラヘルが大量のインシュリンを打たれた時、期限の方が出るかと思ったけど、チョコの方だった。でも伏線回収美味いよバーホーベン。陰毛染めるトコなんてマニアックだなぁって思ってたらシッカリ生きてるぞその伏線。フランケンの醜い全裸と汚いおケツと放尿シーン。大量の糞尿ぶちまけの本気度はさすがのバーホーベン。お色気も多めで抜かり無いぞバーホ―ベン。  最後の不穏な空気からスエズ動乱に続くそうだけど、その直前(映画冒頭)に聖地巡礼でロニーが、オランダ開放当時の彼氏(意外にも続いてたのね)と一緒に訪ねてくるところも面白い。 ナチスが支配したらナチスに。開放されたら解放軍にと器用に生きるロニー。対してラヘルは頼るものを次々失い、信じた者に次々裏切られる。最後ムンツェと静かに暮らしてほしかったけど、ねぇ。でもハンスへの静かで残酷な復讐はスカッとした。 リアリティを求めると話は変わってくるけど、映画らしいディフォルメとテンポの良さが娯楽サスペンスとしてよく出来ていました。
[インターネット(字幕)] 8点(2022-10-09 17:11:32)
323.  リーサル・ウェポン 《ネタバレ》 
- Lethal Weapon - “致死性兵器”銃とかナイフとか人を死に至らしめる兵器全般です。軍隊経験だけでなく格闘術を備えたリッグス刑事自身のことも指しています。反対は- Non-Lethal Weapon(非致死性兵器) - で、催涙スプレーやスタンガンなんかを指します。 '80年代のバディ・ムービー代表作ですね。若造と年寄り。白人と黒人。武闘派と穏健派。独り身と家族持ち。いい組み合わせです。 そこにきてリッグスに自殺願望という、あまりアクション映画の主人公らしくない設定を加えたのも見事です。  リッグスの武器の扱いには惚れ惚れする。銃を撃ちながら地面を転がる姿は素早く、どこぞのお腹の丸いダイ・ハードの人と比べると、これが本物だって思ってしまう。またどんどん遠くなるヘリを撃ち続けるシーン。砂漠で射撃ポイントまで走るシーン。捕まったあとにライフルを抱えて道路を走るシーンと、何か仕草が本物っぽいというか、刑事モノなのに元軍人っぽさが出ている気がしてとてもカッコいい。射撃場の( ・ )から(笑・顔)にしてしまうシーン、もうカッコいいのなんの。  事件は売春婦飛び降り事件を本線として、飛び降り志願の男や、子供への聞き取り、シリーズ定番のマータフ家の人々(お風呂でサプライズ誕生ケーキ、リッグス呼んでの夕食)と見所も多く飽きさせない。 私は特に最後の、リッグスの愛犬サムとマータフ家の愛猫バーバンクが会った瞬間に喧嘩するのと、そんな喧騒気にもしないで入り口の電球を穏やかに締め直すマータフのシーンが大好き。 今後安定のシリーズ化をしていくが、本作を最後にリッグスの自殺願望も無くなる。当時のメルの本当にヤバそうな目付きがたまらない。
[地上波(吹替)] 8点(2022-10-09 16:11:18)
324.  ランボー/ラスト・ブラッド 《ネタバレ》 
- Last Blood - “最後に流された血”だろうか。1作目のアンサー・タイトル。 今回のランボーは、とても身近な存在、家族のために戦う。と言っても旧友の孫娘だから血は繋がってないんだけど、少なくとも10年とか一緒に過ごした家族のための戦いだ。  骨をめりめり抜き出す、顔が吹っ飛ぶ、刺さる。前作以上にグロい戦闘シーンが多い。と言うことは、前作の戦闘シーンは好評だったって判断だろうか。 軍隊じゃない敵というのも、考えたら初めてか?人身売買カルテルだから、ある意味今までで一番腐った敵かもしれないけど。 やはりあのランボーが敵に囲まれてボコられるというのが、どうにもスッキリしない。無鉄砲過ぎるというか、無策すぎるというか… お陰でガブリエラも余計に痛めつけられてしまった。  ランボーの最後は、前作のスッキリした感じで良かったと思う。あの先に100%ジョンの幸せが待っているとは限らない訳で、そこは観た人の想像に委ねる。で充分だった。ランボーは戦うたびに多くのものを失っていって、前作でやっと、最低限守りたい人を守れたと思う。それが本作で再び守りきれずに終わる。ランボーは家族を失い、自らの手で帰る場所を破壊してしまった。我々の想像に委ねられること無く失われたジョン・ランボーの10年。 何かの事情で続編を創るのは解るけど、もう老い先短いジョンに、これ以上の辛さを与えないで欲しかったな。
[インターネット(字幕)] 3点(2022-10-09 07:47:05)
325.  ひろしま(1953) 《ネタバレ》 
この映画が原爆から僅か8年目に創られたことに驚く。そしてその目的が“原爆の記憶を風化させないため”ということにも驚く。 日本人の適応能力は素晴らしい物があるが、それと同時に忘れやすさも素晴らしいと思う。戦争が終わり、日を追うごとに戦争当時の痛みを忘れ、世の中にはどんどん欧米式の新しい建物が立ち、学生たちはGHQの指導の元で、戦後の新たな教育が施されていた時代。日々変わっていく世の中で、つい隅に追いやられてしまう過去の記憶。  鼻血を出す女生徒。原爆体験者の数を聞き、クラスにこれだけ居たんだと驚く教師。ABCC(原爆傷害調査委員会)は被爆者の診察はしても治療はしてなかった事実。この忘れやすさ、辛いことは過去のものとして、綺麗さっぱり前を向いてしまう辺りが何とも日本人臭い。 原爆は甘え。体験した人にはホントきつい一言だ。被爆者が口を閉ざすのも解る。日本の復興のスピードもこの当時から早い。東北震災から復興のスピードを見ても、8年目ともなると震災当日くらいしか思い返さないくらい、過去の出来事と化してしまっていたと思う。そして先生のように、未だに震災の被害から回復していない人に驚いてしまうとか。ホント今の時代と変わらないかも。  原爆当日の広島の様子、阿鼻叫喚の地獄絵図は凄まじく、また撮影の経緯も当時の広島の人達の気持ちが籠もっていた。自分があの日、目にしたものを再現して、より多くの人に映画として観せる。 戦災孤児。弱い孤児たちがグループを作って、米兵に物乞いして逞しく生きる姿。頭蓋骨について、はだしのゲンでも出てたと思う。本当かどうか定かではないけど、本当なら、アメリカ人が日本人をどのような目で見ていたかが解る。そしてそれは最初の“どうして白人の国ドイツではなく黄色人種の国日本に原爆が落とされたか”に繋がる。 当時は朝鮮戦争の真っ最中。幸夫は仕事で砲弾を作り、パチンコが戦争の資金になるって女の子も言ってた。 平和のために戦争に手を貸さない。結果それが反米だとして、広島に原爆を落としたのはアメリカなのは、未来永劫変わることはない。それを絶対に忘れない為に、その想いを込めて、この映画は創られたんだろう。
[インターネット(邦画)] 7点(2022-10-08 19:18:42)
326.  デビルマン 《ネタバレ》 
想像通りのひどい作品だった。同年代のハリウッド作品とかと比べてあまりに陳腐な特撮。当時どう映ったか解らないけど、テレビの深夜ドラマの低予算特撮ものレベルじゃないだろうか。 特撮の何が酷いって、冨永愛のアレ何だろ??アレじゃ頭に蛾のぬいぐるみ乗っけた水着のお姉さんじゃないか。途中退場したから最後また出てくるかと思ったら、出ないのな。アレしか出番がなかったのにこの映画の駄作感、失敗感。もうほとんどシレーヌって言っていいくらいのインパクトを残してくれた。  すごくあっさり殺られるジンメン。明ももっと悩むとか躊躇するとかあるだろう普通。ジンメンは駆け足だけどススムちゃん(読み切り)は入れてきた。どこを入れてどこを削るかがよく解からないチョイス。アララ戦争が始まってる。でもこんな駆け足でどこまで表現するつもりなんだろうと思ったら、最後まで終わらせてしまった。たった2時間でデビルマンを最初から最後まで。マトモな監督なら、本作はシレーヌ編まで撮って、評判良ければ続編で。とか考えるだろうに。前半と後半では作品の空気感とかも変わるし、後半の悪魔特捜隊の拷問とか観る人を選ぶから、別けた方が正解だったと思う。  そういう意味でもこの監督、役者も映画も育てる気が感じられない。そんな力も無いんだろう。予算与えられてコレ撮れって言われたから、コレ撮った。こんな感じに思えた。原作に愛情があるならあんなシレーヌ出さないし、サイコジェニーは外せないだろう。 明と了役は双子の兄弟だったんだ。演技力はともかく、どうしてまた、こんな作品に抜擢されたんだか…兄弟揃って。どんな力が働いたのか、映画初主演だし。テレビドラマのちょい役とかで実力は知った上での起用だったろうし。 やっぱりシレーヌの話に戻ってしまう。伊崎兄弟の演技力に文句付ける気はサラサラ無くて、冨永さんは女優さんじゃなくても、やはり名の通ったモデルさんで、ファンなら誰もが知ってるシレーヌ役を与えられたなら、ホント“冨永愛の無駄遣い”と周りに言わせるくらいの妖艶さを出しきってほしかった。
[インターネット(邦画)] 2点(2022-10-08 14:58:45)
327.  いつでも夢を(1963) 《ネタバレ》 
'60年代の夢と希望に溢れた映画。今でも良く流れる流行歌と、笑顔で自転車に乗る吉永小百合が綺麗。 時期の関係もあるけど、地面も植物も建物も灰色、茶色。明灰白色。草木の緑や空の青さより、結構グレー単色なモノに囲まれた時代だったんだなぁ。でも、あの映像に生きる人はみんな元気そうだ。 こち亀で見た“千住のお化け煙突”も健在。映画の翌年解体されたそうだから、煙突が何回も出るこの映画は、煙突マニアにはたまらないかも。  吉永小百合と浜田光夫が出ていて笑っていればそれで満足なんだけど、橋幸夫まで出てきて歌まで歌う。ミュージカルでもないんだけど、“さぁここからは歌のパートですよ”って感じに思いっきり歌う様子を見ると、キューポラのような社会派の映画と比べて、より娯楽性の高い作品に思える。 理不尽な理由で一流商社を落とされる勝利の落ち込みよう。だったら定時制高校に新採募集の案内出すなよなぁ…はぁ。でもそこから、与えられた環境で、工員として前向きに働く勝利。せっかくの才能が勿体無いーとか、今までの努力がーとか、今の目線で思うところは多々ある。ほとんど出番のない松原智恵子(秋子)もそう。頑張って働いて、体壊して諦めて。 『未来の夢を追い掛けるより、明日のために、今日働こう』そんなメッセージに思えた。いつでも夢を。か。 『青空を待っている人は大勢いるんだ、みんなの心一つで青空はきっとやってくる。』そうだよなぁ。自分の考えようなんだよなぁ。(※このシーンの空を見上げる吉永小百合の可愛いこと。)  木村家。戦中生まれの兄勝利と、戦後生まれの弟和平ってのも単純で解りやすいネーミング。 お父さんが和平連れて行った中華屋の、ぬるそうな中華そば美味しそう。留次が勝利を連れて行く居酒屋の煮物うまそう。 この時代の密度、この時代の空気感は今の時代では創れないわ。 みんな笑顔で『いつでも夢を』心に抱えて、今日を一生懸命生きた時代の映画。
[インターネット(邦画)] 6点(2022-10-08 11:24:44)
328.  アビエイター 《ネタバレ》 
-The Aviator- “飛行家” たくさんの飛行機が登場する映画制作。世界最速の飛行機の製作。そして航空会社の買収、超大型輸送機の開発に偵察機の開発と、飛行機に関するものを新たに作り、自ら操縦するまさに“飛行家”ハワード・ヒューズの半生を映画化している。 名前くらいは聞いた気がするけど、映画界に航空業界にと多岐にわたって影響力を発揮した人物。莫大な資産を持ち、自分の好きなことに好きなだけお金を使うこの生き方は、ズバリ男のロマンじゃないでしょうか?  いっぽうで多岐に渡り過ぎて、ハワード・ヒューズを良く知らない私には、彼の人物像を掴むのに戸惑ってしまった。病弱な少年は資産家の子で映画監督になったのか→本業は航空機の会社なのか→有名女優との関係でも有名だったのか→精神を病んでしまったのか。みたいな。 そもそもハワード・ヒューズを構成する一番メインディッシュの部分が“飛行家”の部分で、どうして彼がそこまで飛行機に心奪われたのかが、劇中そんなにしっかり描かれてたかな?って。なのでこの映画が、彼のどの面を描きたかったのかが私には上手く伝わらず。  唯一の幼少期の描写「QUARANTINE(=感染予防のための隔離)」は、どっちかって言うとスパイス的な部分だと思う。初めにスパイスが出て、完成したメインディッシュが幾つか(資産家、映画監督、パイロット、実業家、プレイボーイ)出てくる…けどこれ、モトは牛?豚?鳥?みたく。 ハワード・ヒューズは過去にこんな経験があって飛行機に魅了された“飛行家”なんだよ。って部分を、しっかり描いた方が、解り良かったかな。その流れだと、こだわり抜いた飛行機映画の完成や、世界最速への挑戦やTWAの買収の成功も、『金に物を言わせて成功したぜ!』だけでない、彼だけのこだわり、達成のカタルシスが感じられたかもしれない。
[インターネット(字幕)] 5点(2022-10-08 10:32:09)
329.  空飛ぶタイヤ 《ネタバレ》 
タイトル聞いてパッとあの事件を思い出すのは、いい年齢な証拠かもしれない。三菱自動車のリコール隠し。東京フレンドパークの「パ―ジェーロ!パージェーロ!」が「クールーマ!クール―マ!」になったのって、この時だったっけか。覚えているつもりでも、時間とともに案外忘れてしまうもので、あの脱輪事故はリコール隠しから数年後に起きた事件で、三菱自動車への信頼をとことん下げる事件となった。そして沈没。超巨大戦艦なだけに、時間を掛けてゆっくりゆっくり沈んでいっている。  そしてこの映画、人の亡くなった事件で面白かったと言ったら不謹慎かもしれないけど、実際の事件をベースにとても見応えのある内容だった。 三菱でも被害者でもなく、運送会社社長と言うのはまた絶妙な立場で、加害者でもある一方で、被害者でもある難しい立場の主人公の境遇を良く描けてたと思う。四十九日法要の時。ここまで観ていると社長の社員を守りたい気持ちや努力が見えるだけに、妻を亡くした夫から浴びせられるきつい言葉にハッとしてしまう。確かにあの段階で自社の整備不良を認めないって、遺族にしてみれば言い逃れ以外の何物でも無いなって。  敵に回した財閥のデカさ。何度電話を掛けても出ない担当者。期待した雑誌記事は掲載されず、銀行からも厳しい返済を求められる。万事休すからの逆転劇が痛快だった。ただ富山ロジスティックの「新車だったんです」辺りで、鈍い私も半沢直樹っぽい展開だなって思って。池井戸風のドラマは結構見たと思うけど、純粋な池井戸原作って半沢しか観ていないから、そんなに引っ張られたり期待したりもなく、最後まで楽しめたと思う。むしろ半沢がドラマティック過ぎるので、少し抑えた本作くらいがリアリティを感じられて、実際の事件との乖離が少ないように感じられた。  沢田がある意味もう一人の主人公だと思うけど、それに値する人物かが微妙。どうしても、喉から手が出るほど欲かった1億を蹴った赤松社長>>>喉から手が出るほど欲しかったポストだけど想像と違う扱いだったから裏切る沢田。って思ってしまう。 ただ全体としてとても見応えのある娯楽映画で、原作モノとは言え、本当の事件を知る上でも、こういう映画にどんどん力を入れてほしいな。
[インターネット(邦画)] 7点(2022-10-07 19:22:07)
330.  英雄の条件 《ネタバレ》 
-Rules of Engagement- =ROE “交戦規定”だそうです。 応戦や交戦をする際の手順、どのタイミングで武器を使うかを定めたものですね。原題が映画の内容に沿ったタイトルなのに対し、邦題はちょっと突飛な気がします。 You Tubeとかで当時の予告が見られますが、まるでチルダーズ大佐が市民を殺した冤罪で裁かれる映画のようにも見えます。『殺人者か、英雄か』と。実際の銃撃事件が最後の方に出てくるなら、もっと楽しめるサスペンスになったと思います。  もういきなり撃っちゃうんだもんな大佐。兵士「女子供も撃つんですか?」「そうだあの悪党どもを撃て!」英雄もクソもないですよ。数百人のデモ隊の中に、仮に20人テロリストが混じってたとして、十把一絡げに撃ったらだめでしょう。あれがもし全員アメリカ人だったとしたら撃てたのか?と。素人考えでもまずは下の群衆に威嚇射撃しつつ、一番厄介な狙撃手から仕留めた方が良さそう。 大佐が最初から「下から撃ってきている」とか言ってるならともかく、部下も狙撃手から撃とうって提案してるくらい下は無警戒なのにのに、狙撃手を無視する意味が解らない。後出しでどんどん下から撃つテロリストが増えていって、足を失った女の子まで銃を撃ってるのには言葉を失った。だって狙撃手でさえ、住人のお母ちゃんに「やめなさいアンタ!」って頭叩かれてるのに。女の子が銃構えたら周りの大人が止めるでしょ。イエメン人なめんな。17世紀に超大国のオスマン帝国を一回追い出したくらい強いんだぞ。イエメンなめんな。 百歩譲ってあの女の子は大佐の妄想として、他に目撃者がゼロなのはどうなんだ?反撃の時に敵が銃持っているか、アメリカ兵あれだけいて、誰もテロリスト見てないのか?揃いも揃ってメクラ撃ちか?撃ち終わったらどうしてすぐ下降りて死体確認しない?そこで銃とか見付けていれば話は変わってたぞ。  裁判もどうかと思う内容で、政情不安定なイエメンからクソ忙しいお医者さん呼んだり、大使も国旗の件ですぐバレる嘘ついたり。ビデオテープの存在についても杜撰。輸送品目録に出てるなら別な空テープ用意しておくとか出来るだろうに。イエメンのカセットテープも、あんなモノ死ぬときまで大事に持っていたり、大使館に置いてきたりする意図がわからない。壁の銃撃痕見たら、屋根から撃ったか下から撃ったかなんて解るだろうに、無検証。あんなモヤモヤしたまま審議に入る裁判で無罪になっても全くすっきりしない。 私がモヤモヤするのは、群衆の中にテロリストが居たかどうかでなく、無関係な群衆に向けて発泡命令を下したこと。私の中では最初っから有罪で、その気持ちが覆る事はなかった。あのフリードキンがこんな変な映画創るなんて。違う意味で変な映画は創る人だけど…
[インターネット(字幕)] 3点(2022-10-07 11:30:58)
331.  ひまわり(1970) 《ネタバレ》 
-I Girasoli- イタリア語で“ひまわり(ジラソーリ)” 最初のIは男性名詞の定冠詞の複数形。花だと女性名詞な印象ですが、チューリップやひまわりは男性名詞なんだそうな。 結婚休暇や嘘の精神疾患を駆使してアフリカ戦線行きを避けたアントだけど、結果もっと悪いソ連戦線送りに。イタリアからソ連行きなんてあったんだな。てっきり死んだか、死んだ扱いで強制労働と思っていたところ。執念で見つけ出すジョバンナ。  さてあの広大なソ連で、どうやって夫を探したのか。ソ連に派遣されたイタリア軍はそう多くはないはず。旧友の「ドン河で一緒だった」も大きなヒントで、そこ近辺で総崩れした部隊にきっとアントは居たんだろうと。あとはドン河流域の村を当たっていけば…でもこれ、言葉も通じない土地でとんでもない労力と根気が必要。お金も掛かるし精神も磨り減るよな。 若くて子供もいる現地妻マーシャと、あれから10年歳を取った独り身のジョバンナの対比も可哀想。敵兵を助けて夫にしてなんて、本当にあるのか?って思ってしまうけど、ソ連ではキャベツと兵隊は畑で取れるものだから何ら不思議ではない。この2022年に一方的に他国の州を併合するような国家。国家のために働けて敵意のない男だったら、受け入れた可能性も。  ジョバンナの立場で話を追っていたけど、このマーシャがとても純粋で、全然悪い人じゃないのがまた苦しい。10年前に助けて、そのままずっと一緒に暮らしてるんだから。ジョバンナが来て、引っ越すときもすごくアントを気にして、考え込んでる時に話しかけなかったり、無理に明るく話しかけられたら笑顔で答えたり。とても良く出来た奥さんです。 ドン河で頑張ってアントを引きずるマーシャ。コレどっかで観た画だなって思ったら、レッドリボンにやられた悟空を助ける女の子だ。ほらあの、ジングル村の、ハッチャンと暮らしてる。ほら。  ちなみにロシア語でひまわりは“подсолнечник(パトソールニチニク)”だそうです。 ウクライナ語では“соняшник (ソーニヤシュニク)”だそうです。ぜんぜん違うんですね。
[インターネット(字幕)] 8点(2022-10-06 20:29:27)
332.  バトル・ロワイアルⅡ 鎮魂歌 《ネタバレ》 
当時から“創らんほうが良いんじゃない?”感が強かった気がしたけど、思った通りの出来な続編。竹内力の怪演は観ていて清々しいけど、それ以外は観るべきところが…当時世間にショックを与えたプライベート・ライアンを意識した解りやすい上陸作戦。お手本があるだけにアクションシーンは迫力あるかも?だけど同じような画ばかりなので上映時間の長さから飽きてしまう。  本作失敗の理由の一つが、登場人物の多さ。42人の生徒+七原たちテロリストだから絶対描ききれない。だから2人1組の爆弾設定だったのかも。そうしとけば半分勝手に死んでくれるから。2番めの犠牲者、女子十五番・福田和美の最後なんて酷いもので、ちょっと笑い取りに来てる感がとてもトッテモ鼻についた。もうバトルロワイヤルの設定の表面の薄皮部分しか生かすつもりがなく、生徒一人ひとりの個性とかどうでも良く、表面上のわかり易さだけで入れたシーンのように思えた。そもそも制服から軍服に着替えさせたら学生の意味がない(※七原を騙す目的にせよ)。その後の上陸シーンでどんどん死んでいくのが、自己紹介もされなかった出席番号16番以降の子たち。おいおい解りやすく手抜きすぎだろう。  上陸してからもダラダラが続いて、テロリストと合流してもダラダラしていて、最後の戦闘もなんかダラダラしていて、ダラダラ終わった。 殺し合いゲームから戦争ゲームへ。生徒個人の掘り下げからテロリストの戦う理由の掘り下げへ。もうバトル・ロワイアルの考えさせられる要素が殆ど無くなってた。 七原、河田のバンダナに国信のナイフ。だけど異国異国したエキゾチックな格好が情報量多すぎて全然活かせてない。 北野、彼女を主人公にして話を絞るべきだったと思うけど、キャストが多すぎて埋没してて、いまいち活かしきれてない。 やはり最初と最後の竹内力。あの格好で「トラァーーーi…」最後まで言わせろよタッチダウンさせろよ。 鎮魂歌(レクイエム)って、深作欣二監督に対しでしょう?あれだけ、遺作だなんだと深作作品全面押し、負んぶに抱っこだったから。もし監督が最後までご存命だったら…イヤでもコレは、良くなる要素が殆ど思いつかない。きっと深作監督も、ほとんど口出ししないで、これからに人たちに丸投げで任せてたんじゃないかな。いつお迎えがくるかわからない中での制作だったし、それはそれで親心だったのかもしれない。
[インターネット(邦画)] 2点(2022-10-06 10:59:04)
333.  断崖 《ネタバレ》 
-Suspicion- “(悪事に)うすうす感づく” このタイトルだと誰もが「いや遅いって!」ってツッコミを入れたくなるかも。 働いたら負けかなって思っているプレイボーイのジョニーと、恋愛経験が殆どなくて、両親への反発・思いつきから結婚に踏み出したリナ。ジョニーが親の遺産目当てなのはミエミエで、椅子を見た時の落胆ぶりがまた可笑しい。質屋で椅子を見つけてもズバッと怒れないリナに、競馬で勝ったから買い戻しといたぜ。で許してしまう辺り、この時代の女性の自己主張の弱さが悲しくなってくる。 崖を見に行ったあとのビーキーの呑気な姿。リナ同様『あんた殺されるところだったんだぞ』って思うと、なんかシュール。結局ブランデーの前フリがあった通り死んじゃうけど。  イソベルって推理作家が出てきて『だれ?』ってなった。ジョニーとリナの共通の友人で推理作家?こんな人いたっけ?ここが初登場で良いんだけど、なんか偶然の出会いからの新婚なのに、共通の友人が出てくると、どこか見落としたか?って心配になる。 毒の前フリのあとの光るミルクは古典サスペンスの小道具として見事。  緊張感ある崖の暴走からの拍子抜けする最後の告白。う~ん、それはアリっちゃアリだけど、今までの殺人に関する前フリが全部思い込みってことになる。だけどリナに内緒で大事な椅子売っぱらったりとか最低男な部分は変わらない。どこをどう良いふうに解釈すればあのジョニーを許せてしまうのか? むしろ「そう、わかったわ、でも別れましょう」ってリナに逆ギレして、咄嗟に安直な方法で殺して逮捕されるとか、そういうのだったら意外性あったかも?
[CS・衛星(字幕)] 5点(2022-10-06 09:54:13)
334.  読書する女 《ネタバレ》 
-La Lectrice- Laは女性名詞なので“読み手(女)”とかかな。味気ないタイトルになるので邦題でいいと思います。 当時ハリウッド映画中心に見ていたから、良くまぁこんなテーマで映画を作るものだって感心した記憶があるわ。だって訪問して読書するだけなんて。当時はまだ、例えば“レンタルなんもしない人”とか“デブカリ”なんて存在しない時代。読書というサービスに金額を付けて売買が成立するなんて、それだけで興味が湧いたっけ。ミュウ・ミュウというインパクトある女優さんもまた、おしゃれの国フランスっぽくて独特の雰囲気があったっけ。  結局今回初視聴になったけど、ムム?なんだ?エロか?エロ要素か?ちょっと笑えるところもあるからエロコメか?下半身裸のミュウ・ミュウのお尻にキスしてるおじさんの写真を雑誌で見ていたから、そっちもあるんだろうなとは思っていたけど。あと思ったより年齢高い印象。ミュウ・ミュウってもっと若い女性な印象を持ってたけど。車いすの少年に読んで聞かせている間の足の組み換え。雨の日は素肌が透けるくらい濡れてくる。膝から太ももへ徐々に上がる裾。お母さんが入ってきたら直した!うぅ~ん、エロいですね。 読書したいのにエロ目線で邪魔する客との攻防を楽しむようでいて、ゆるいところはゆるい。結構本人も楽しんでるあたりフランスなのかなぁ?  帽子やマフラーと手袋を同色にするワンポイントのセンス。本の世界のマリーが歩くパリは人が歩いてないこの映像センス。やっぱり生粋のフランス映画はおしゃれです。メイドのベラとの変な魔のある会話が好き。あとダーグ先生の看護婦とか、不思議の国のアリス読みに行く家の母親とか、色んなタイプのフランス美人が登場するのも観どころの一つ。
[インターネット(字幕)] 5点(2022-10-05 20:55:36)
335.  地獄の黙示録 特別完全版 《ネタバレ》 
ここは特別完全版のレビューを書くところだけど、私が今回観たのはファイナルカット版。オリジナル版と特別&FCの違いは明確だけど、特別とFCの違いって、プレイメイトのその後くらいかなぁ。FCは長過ぎる特別の短い板ってイメージだから、どれ観るか迷ったら特別かオリが良いかも?  前半の徹底した破壊映像は相変わらず、40年経った今でも凄いと感じさせる映像。戦闘中にサーフィンさせる異常性。自分が命じたナパームのせいで波が消える自業自得。咄嗟にキルゴアのボードを盗むウィラードがおちゃめ。ここから部下たちと仲良くなるかと思ったら、ブラインド下ろすウィラード。ボード返せと執拗に追うキルゴアのヘリが可笑しい。 オリジナルが独立したエピソードを繋げた感があったのを、特別編は連続性を持って観ることが出来たと思う。ボードの件、プレイメイトの件。彼女たち、あの騒動のあと、あんな大変な目に合ってたなんて思わなかった。 ストーリー上もそうだけど、ベトナム戦争は第一次インドシナ戦争から続くものだって認識させられるフランス人入植者たち。まるで開拓時代のようなゆっくりした彼らの暮らし。そしてカーツの王国は純粋で無知な原住民を支配する大航海時代のような雰囲気。  いつの時代も白人は戦争と宗教で現地の人の生活や文化をメチャクチャにしてきた。 ウィラードが最初に観た近代兵器を駆使した戦場。キルゴア大佐の部隊が襲った村には死屍累々。女も子供も死んでいる。嬉々として“死のカード”を死体に置くキルゴア。 宗教色の強いカーツの王国でも死体が転がっている。彼らがどうして殺されたか解らないが、見せしめなのか木に吊るされた死体も。カーツの王国の壁に書かれた『our motto:apocalypse now(今こそがこの世の終わり。それが我々の座右の銘。)』。そしてカーツ暗殺と王国の爆撃命令。  コッポラも良く解らなくなったって言うこの映画の着地点が、近年まで続いたベトナム戦争の歴史に、白人による支配の歴史を重ねて観せて、狂人と英雄の違いは、裁く側の立場が見て“健全か不健全か”でしかない。カーツを裁く立場はアメリカ軍。だけど現地の兵士、住民、敵、はたまた神の視点で観ると、キルゴアとカーツの行動は同じである。 コレが着地点だとすると、最後は王国への無差別爆撃で締めて、最初に戻って無限ループ、いわゆる無限地獄こそが- apocalypse now –な気がする。 だからドアーズの“The End”で始まる。 話を広げすぎて畳めなかったから、ベトナム戦争に絞ったオリジナル版。一旦深呼吸して、当初の構想でまとめてみた特別完全版。って棲み分けだろうか? 地獄の黙示録で燃え尽きた感のあるコッポラ。カーツを殺して武器を捨てて…って特別完全版以降の爆撃のない静かなラストは、この映画に色んなものを吸い取られたコッポラの、この無限地獄から開放されたい感の現れな気がする。
[CS・衛星(字幕)] 9点(2022-10-02 19:38:39)
336.  地獄の黙示録 《ネタバレ》 
-Apocalypse Now- “黙示は今” かなぁ? 黙示録は黙示を記した書(新約聖書・ヨハネ黙示録)で、内容は終末論、いわゆるこの世の終わり。くだけた言い方をしたら“今こそがこの世の終わり”とか。こっちのほうがスッキリするかな。 地獄の○○って、どちらかというとB級映画に多いタイトルを、どうしてこの超大作に使ったんだろう?いやこの作品以降“地獄の○○”が増えたのかな。  初めて観たのはテレビのロードショーで、それも昼14時くらい。新聞の一面広告に『地獄の黙示録、今日放送』とかってヘリの大軍の写真がバァ~ンと出てて、なんか凄そうって思った記憶がある…んだけど、昼のロードショーなんかで一面広告って、ホントかなぁ?と自分の記憶を疑ってしまう。 大音量でクラシックを流してヘリの大部隊が攻撃する。圧倒的な物量。画面に映る情報量の多さは、本当に戦場を切り取った映像を観ているようだった。トドメにナパームで焼き払われる森林。これは、とんでもない映画だ…って思ったね。でもこの時は最後までは観てないんだよ。当時まだ小学3~4年だから、飽きたのかも知れない。 数年後、あの映画を通して観たくなった。アレだけの規模の戦闘シーンって他に無いから、また観たいと思ったけど、放送時、黙示録って漢字が読めなかったからか、タイトルも覚えてなくて。あの地獄のナントカって映画は何だったんだろう?って。  この作品に再会出来たのはレンタルビデオが普及してからだから、中学生の頃。プラトーンからのベトナム戦争映画ブームでピックアップされて、ようやく発見。でっかい夕日のパッケージから内容が想像できないものだった。レンタルしたのを友達が先に観た。 「なんかパッとしないタイトルだね、ホラー?」いや友よ、これは戦争映画だ、私の記憶が確かなら、今まで観たこと無い凄い映像を観られるぞ。 「スッゴイねコレ!びっくりしたよ、大画面で観たかったなぁ。」そうだろう、そうだろう。「でも後半意味解んなくて早送りしたわ」・・・ん?そうなの?中学生でも意味わかんない内容なの?  いよいよの再視聴。ワルキューレの騎行ってハードロックだよなぁ、なんて変な感想抱きつつも最後まで。いや確かに後半意味が解らない。 東南アジアの奥地にあんな南米の原住民みたいなの、いるの?後半ベトナム戦争関係ないような。カーツ大佐、自分の王国作って引き籠もってるんだから、アメリカ軍も放って置いて良いんじゃない?なんて。 前半と後半でテイストがガラッと変わる映画だけど、別格なスケールの前半だけでも観る価値は充分にあった。 森の中に現れる光のステージと踊るプレイメイト。ダラけた部下を引き締めるために行った検閲の悲劇。指揮官の居ない最前線。王国に行くまでは、ベトナム戦争の無意味さを感じられる、凄い映画だと思う。
[地上波(吹替)] 9点(2022-10-02 19:29:55)
337.  スパルタカス(1960) 《ネタバレ》 
-Spartacus- 人名。確か中学生くらいにのときにテレビのロードショー(前後編)で観ました。大規模な行軍や戦闘が素晴らしく、スケールの大きい歴史大作として印象に残ってます。  ホント久しぶりの鑑賞。オープニングの「奴隷制度の崩壊が現実となる2000年前だ」ってところが凄い。確かに歴史を俯瞰してみるとそうなるか。 そしてスパルタカスの反乱のキッカケとなったのが、対戦相手で黒人のドラバによる命を懸けた抵抗だったこと。勝算なんて無いのに貴族席に矛を投げ襲い掛かった。この勇気がスパルタカスら奴隷たちに伝わり、大規模な反乱となっていく。 でも、中学生当時は反乱軍とローマ軍のどっちが勝つかハラハラしてたけど、最初から勝つのは無理な反乱だったんだな。  キャンプを張る反乱軍の丘を馬に乗ったスパルタカスが悠々と歩くところが好き。訓練するもの、食事の支度や子供を風呂に入れたり。奴隷で一生を終えるハズだった人たちが、あの場所で自由に生きているところ。それぞれが好き勝手に生きるのではなく、勝ち取った自由だからこそ、みんなの食事を作り、戦いに備えて訓練する。海の先への脱出が最終目標だったにせよ、あの丘の場面こそがスパルタカスたちが勝ち取った自由だったように思う。だから最後、勝てないのは解っていても、自由のためにみんな戦ったんだろう。みんながスパルタカスを名乗って立ち上がるシーンは覚えてたけど、今回観ても涙が出た。 最後のグラッカスのしっぺ返し。バリニアとの再会は覚えてなくて、トドメのボロ泣きしてしまった。
[地上波(邦画)] 8点(2022-10-01 23:30:40)(良:1票)
338.  動乱 《ネタバレ》 
上映48分ほどで『第二部に続きます』と来たモンだから、三部構成だと思ったわ。だって150分の映画でしょ?不思議な… 国の未来を思う青年将校たちが二・二六事件に至る経緯が丁寧に書かれている。娘を売らないと生活できない貧しい農民。横行する武器や物資の横流し。日本製の弾に撃たれる同胞の無念。  だから二・二六事件は起こるべくして起きたんだ…って第二部に繋がるんだけど、宮城と薫の恋模様が6割以上な感じで、事件自体は短時間であっさりしている。宮城の存在含め創作部分が含まれるので、より史実に近い形で、事件の状況を解りやすく描いた“226”と両方を合わせて観ればバランスよく理解できるかも知れない。※226のレビューで、銃殺なのにどうして銃声は一発なんだ?って書いたけど、コレ観てなるほどって思った。  健さんは相変わらず。男らしさと優しさを併せ持つ不器用な男のイメージまんま。この頃の健さん映画はどの役を見ても安定の健さん役だ。吉永小百合は、この頃はもう中年女性なイメージだったけど、最初の村娘役なんて、充分に'60~'70年代のままの面影があったから驚いた。まぁでも当時35歳位だから、今の基準で考えると、若く見えても不思議はないか。う~ん…日本映画界が彼女をずっとヒロインで使いたがる理由が解った気がした。宮城を追う島憲兵。子供に握り飯あげたり、毒を盛られた宮城を助けたり、なんかとっても好人物。たった一人、宮城たちに対峙する彼の最後は悲しいものがあったな。  史実モノだけど創作部分が多い割に、今ひとつ淡々とした創り。高倉健&吉永小百合の人気俳優の初共演に頼った作品ぽいなって印象だったけど、当初企画していた原作を使えず、止む無く削るところを削った結果がこの作品なんだろう。それにしちゃ上映時間の長さは削れなかったのかな。 そうそう二・二六事件の時の音楽が、結構Zガンダムだった。三枝成章さんが参加しているからだろうけど、正規軍VS反乱軍なイメージの曲なんだろうか?
[CS・衛星(邦画)] 4点(2022-10-01 22:39:56)
339.  猟奇的な彼女 《ネタバレ》 
-My Sassy Girl- “生意気なカノジョ”とかかな? “猟奇的”は-bizarre-みたいです。 じゃあハングルだとどうでしょう『엽기적인 그녀』…邦題ままですね。 冬ソナに代表される韓流ブームのちょい前、ブーム前の斥候とも言える本作。タイトルのインパクトから日本でも知名度は高く、私も興味はありましたが、今回初視聴です。もっと包丁振り回すとか危ない人物を想像していたけど、そうではなかった。  彼女が追いかけたくなるほど可愛く見えたり、『アレは無いな』って思ったりと、同じ彼女に多面性を感じたように、あぁ見えてキョヌも多面性があるんだろう。幼少まで自分を女だと思ってたそうだし。男らしく生きよう、女の子を追いかけよう。という一面の他に、意外とキョヌの女性的な面が、彼女のDV男のような乱暴な部分に惚れたのかもしれない。  西野カナのトリセツを彷彿とさせる彼女のマニュアル。キョヌを向かいの山に登らせての聞かせたくないホンネ。韓国映画だからホロリと来る系のエンディングかと思った所で、延長戦。序盤の伏線回収を絡めて、とにかく綺麗にまとまってた。 延長戦は原作にはないとのことだけど、多少力技っぽくても観た人がハッピーになれる終わりを選ぶあたり、いいセンスだと思う。  ちょっと長めの劇中劇2連発。韓国では受けるのかもしれないけどねぇ…って部分。この辺がまだ韓流ブーム一歩手前、海外進出を狙った作品っぽくなく、国内向けの映画っぽさが感じられた。ここ残しておく洗練されてなさが、却って掘り出し物感が感じられてよかった。
[インターネット(字幕)] 8点(2022-10-01 16:37:57)
340.  太平洋ひとりぼっち 《ネタバレ》 
リメイクの必要がないくらい、この一本で完成されている作品だと思った。内容に全然古さを感じさせない。 前置きも何もなく、いきなり出発直前から始まる。でも進みたいけど風がないから進めない、いきなり前途多難な船出にグイグイ引き寄せられた。 石原裕次郎演じる“青年”の明るさ、前向きさ、バカっぽさが、板についてない関西弁と相まって、いい塩梅で楽しませてくれる。ひたすら陽気に孤独な旅を続ける青年。そんな彼が泣き出したりぼ~っとしたり、はたまた“もう一人の自分”との会話なんか、自ら孤独を紛らわしてるのか、孤独が生み出した幻影なのか境界線が曖昧で、結構リアルだと思えた。  あの小さい船のわりに結構な荷物が積まれていて、積み荷の目録を見ているだけでも想像力が湧いて楽しい。角砂糖とクリープとバターで作った森永ケーキ、なんか美味しそう。こけし印の牛肉缶を直接火で炙るの、ハフハフ言って食べたい。ご飯をビールで炊くの…コレは不味そうだな。水は腐っても床拭いたり洗濯とかで使えそうだけど、捨ててしまったんだな。実話をモトにしているだけに、サバイバル生活がリアルに楽しそう。  嵐に見舞われてガラスが割れたときはやばい雰囲気だったけど、他にトラブルと言えばサメと米軍機くらいか?過酷だけど画的にどうしても単調になってしまうであろう単独航海。変にアクシデントを盛り過ぎてリアリティを失うより、青年がパクパク海苔食べて暇潰ししてるのがリアルで良かったかな。 そして合間合間に青年が出発に至る経緯や家族との話を挟み込むことによって、飽きずに観せるのはうまい演出。
[インターネット(邦画)] 8点(2022-10-01 15:04:54)
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