3501. 大誘拐 RAINBOW KIDS
《ネタバレ》 原作は、日本ミステリー史上に残る大傑作なんです。それも、和物には珍しく、人が死なない、犯罪なのにエンターテインメント感満載、読後感は爽やかという、ほかにはほとんど例がないという意味でも傑作なのです。それだけに、映像を見ても多分満足できないだろうと先回りしてしまい、これまで見るのを避けていましたが、今回意を決して見ることにしました。さて、2時間という枠内の割には、必要なポイントはほとんど押さえており、原作を大切にしていることが窺えます(本当は3時間欲しいけど)。配役で突出しているのは、岸部一徳と天本英世。これは見事に原作そのまんま。ほかの人たちも頑張っていますが、関西弁に慣れていない人が多かったのは残念でした。あと、私のとし子刀自のイメージは、前から勝手にミヤコ蝶々を想像していたので、北林谷栄には少し違和感がありました。緒形拳は、もう少し、井狩警部の「怒り」「激しさ」の部分を前に出してほしかったと思います。それにしても、日本ミステリー屈指の名場面「カメラ越しの対面」を本当に映像化してくれたのは嬉しい。私も小説の中の一視聴者になれました。 [CS・衛星(邦画)] 6点(2010-08-01 00:44:01)(良:1票) |
3502. DISCO ディスコ
《ネタバレ》 2008年にもなってこれだけディスコ・ミュージック礼賛の作品を作ってくれるというだけでポイントが高いはずなのであるが、ダンスのシーンは意外に少なく、むしろ恋愛沙汰とか周辺人物とのやりとりなどがほとんどを占めている。したがって、3人組が再び衣装をまとってダンスに向かうのも、コンテストで勝ち進むのも、凄く予定調和的に見えてしまう。主人公達の再挑戦の葛藤や、そこから発展する訓練の様子などをもっと見たかった。ヒロインをバレエの先生という設定にしていながら、それが進行の上でさして機能していないのもマイナス。エマニュエル・ベアールの年を経ても変わらない可愛さがもったいない。 [DVD(字幕)] 5点(2010-07-30 03:34:44) |
3503. 地の涯に生きるもの
知床の漁師という目のつけどころはなかなか興味深く、またロケーションも頑張っていることが窺えるのだが、とにかくナレーションがしつこすぎて真剣に見る気になれない。演技ができる人を揃えて、背景にも迫力ある絵像を揃えているのだから、何でそれを信用しないのかね。もったいないことをするものです。あと、音楽も単調で工夫がありません。撮影部隊の頑張りに4点。 [CS・衛星(邦画)] 4点(2010-07-27 01:36:27) |
3504. ブルックリン最終出口
《ネタバレ》 ひたすら出口のない暗鬱とした日常が描かれるのだが、収束部分の不思議な穏やかさが、静謐さすら感じさせ、清冽な印象を与えている。中盤が少しだれるのが難点。 [DVD(字幕)] 6点(2010-07-26 23:02:49) |
3505. アメリカ上陸作戦
特殊状況を逆手にとって笑いを醸し出す前半の雰囲気はなかなかなのですが・・・中盤以降、話の収拾がつかなくなって、全然違う方向に着地してしまいましたね。場面を限定してもっと勝負してほしいところでした。 [CS・衛星(字幕)] 4点(2010-07-25 23:38:55) |
3506. エバン・オールマイティ
設定が強引すぎて、どこが笑い所なのか分かりません。スティーヴ・カレルも、合わない役を押しつけられて可哀想です。街中を動物たちが集まってくる絵面の面白さに3点。 [CS・衛星(字幕)] 3点(2010-07-20 02:36:50) |
3507. 愛の風景
それにしても長かった・・・ストーリーだけ考えればそこそこ波瀾万丈なはずなのに、それを感じさせないのは、演出が平坦なせいでしょう。風景と映像の美しさに5点。 [DVD(字幕)] 5点(2010-07-17 00:11:18) |
3508. シンデレラマン
あまりにもストレートすぎて、中身が印象に残りません。同じような演技の同じようなシーンが繰り返されている感じ。尺もここまで長くいらなかったのでは? [CS・衛星(字幕)] 5点(2010-07-16 00:31:55) |
3509. プロジェクトA
アクションは確かに凄いし、意表を突いたその辺の小道具の武術使用など頭もひねっているとは思う・・・が、それ以外の要素がどう見てもそれほど感じられないし、他の類作との差異をどこに見いだしたらいいのかも分からない。したがって、「映画として」突出して高い評価をすることはできない。 [CS・衛星(字幕)] 5点(2010-07-12 02:41:06) |
3510. 十八歳、海へ
《ネタバレ》 まさしく、主人公2人が思いつきだけの発言と行動で最後まで全部行ってしまうというだけの作品。しかし、そのコンセプトだけで最後まで押し通してしまった監督の執念は逆に凄い。しかし、永島敏行も森下愛子も、小林薫でさえ、この頃は揃って演技が上手くないのにはびっくり。辛うじて見られるのは島村佳江。 [DVD(邦画)] 5点(2010-07-05 00:53:31) |
3511. エデンより彼方に
《ネタバレ》 前に見たときは、心理描写の重みがなくて安直な内容だと思っていたのですが、よく見たらなかなか良いではないですか。ジュリアン・ムーアのしっとりとした美しさが最初から最後まで貫かれているのがいい。この作品はその時点で成功です。あとは色彩の丁寧さとエルマー・バーンスタインのやりすぎ音楽にゆったりと浸っていればよいのです。庭師の方はもう少しひねったキャラクターが欲しかった気もするけどね。 [DVD(字幕)] 7点(2010-07-04 22:23:43) |
3512. ディア・ハンター
《ネタバレ》 これはベトナム戦争映画の系列に置かれるべきではありません(時間自体も、戦場部分はそんなにとられていない)。田舎町の素朴な青年たちを描いた青春映画であり、むしろ「アメリカン・グラフィティ」や「ファンダンゴ」と比較されるべき作品です。それもコテコテの。私にとっては、最初に延々と展開されて終わるようで終わらない結婚式こそがクライマックスです。戦場よりもロシアンルーレットよりもそっちです。そして、こんなコテコテ描写になると、デニーロやストリープは俄然光るのです。それに比べ、帰還以降の作品の出来が少しだれてしまったのが残念。 [CS・衛星(字幕)] 6点(2010-07-04 02:53:29) |
3513. 秋のソナタ
《ネタバレ》 最後は当然何らかの意思疎通があると思っていたので、あのラストにはびっくり(一応フォローはあるけど)。ほとんどが家の中の連続したシーンで展開としては平坦なのだが、人の心の本心の部分が衝突した瞬間に発生すべき強力な負のインパクトを適切に捉えている。 [CS・衛星(字幕)] 5点(2010-06-27 23:02:04) |
3514. ミス・ポター
結局、主人公の何を描きたかったのかが分からないし、なぜこの人が選択されたのかも分からない。ポターという名前先にありきで作ってしまったのではないか? [CS・衛星(字幕)] 4点(2010-06-27 20:35:07) |
3515. マザー・テレサ(2003)
同じようなトーンで最後まで続く起伏に乏しい内容なのだが、オリビア・ハッセーの気合の入り方によって、画面が常に一定の力を保っている。ここまで存在の力がある人だとは思わなかった。 [CS・衛星(字幕)] 6点(2010-06-23 02:17:21) |
3516. たそがれ清兵衛
《ネタバレ》 一番良いところは、出陣前に、内心のさまざまな葛藤を押し隠して、黙々と的確に身支度を手伝う朋江の姿。そして、勇ましさや晴れやかさのかけらもない、まるで妖鬼と闘っているような討伐の描写(終わった後に主人公が精神的に消耗するのがよく伝わってくる)。この30分間を味わうために、それまでの地味な展開は辛抱しましょう。それと余計なナレーションも。 [DVD(邦画)] 6点(2010-06-14 23:39:53) |
3517. 天国の日々
これほどまでに周りの環境を整えておいて、肝心の俳優にまったく演技をさせていないとは・・・何とももったいないことをするものです。 [DVD(字幕)] 5点(2010-06-14 00:59:12)(良:1票) |
3518. クレイジー・ハート
《ネタバレ》 「レスラー」におけるミッキー・ロークの「落ちぶれ表現ぶり」に涙できた人は、こちらのジェフ・ブリッジズの演技にも感涙できるだろう。酒と煙草が片時も手放せず、やっていることは場末のどさ回り。音楽的にも、ステージに出ないと金が入らないから出ているというだけであって、クリエイティブなことは何も考えていない。その主人公がどこでどう変わっていくのか、が作品の焦点であって、特に大事件や突飛な展開を設けることもなく、日常生活の中での素朴な感情を地道に切り取っている。ただし、マギー・ギレンホールとの恋愛沙汰はいかにも底が浅く、もっと感情のドラマを封じ込めることは可能だったと思う。 [映画館(字幕)] 6点(2010-06-13 22:52:27)(良:1票) |
3519. さらば、ベルリン
雰囲気だけで全体が流れてしまっており、何かのパロディにしか見えません。ケイト・ブランシェットを投入しておいてあれだけ平凡なシーンしか与えていないのも、彼女の実力に大して失礼です。 [CS・衛星(字幕)] 4点(2010-06-13 02:11:23) |
3520. 妹の恋人
このキャスティングならもっと上のレベルの演技合戦を期待してしまうのだが・・・今ひとつ人物描写が観念的で、どのシーンでも同じことをしているように見えてしまう。音楽と映像の静謐さで何とか雰囲気を保っているような感じ。 [CS・衛星(字幕)] 5点(2010-06-09 02:06:20) |