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361.  第9地区 《ネタバレ》 
期待値が高すぎたか・・・というのが正直な印象です。エイリアンを「難民」として描くアイデアはすばらしい。ただ、そのアイデアがうまく生かしきれていない。この設定で、しかも「南アフリカ」が舞台とあれば、もうちょっと「共生」への方向性が描かれてもよかったように思いました。実は、エイリアンの故郷の星は、戦争か環境破壊か何らかの事情で帰れないという設定なんだと思い込んでいました(親子の「帰れない」という会話もそんな風に解釈してた)。そんな設定のほうが、彼らがなぜあれだけの兵器と技術を持ちながら、地球での「隔離」や「差別」を受け入れてしまっていたのかが説得力あった気がするのですが・・。そう思ってたので、ラストにさっそうと帰って行く親子に拍子抜けしてしまいました(実はまだ帰ったと決まったわけではないのですが・・・)。また、ナイジェリア人たちの位置づけも、もう少し複雑な立ち位置になるのかなと思ったが、単なる悪役に終わってしまった。そんなわけで、設定やら予告編やらを見て、私自身が勝手に期待して、勝手にずっこけたわけで、この映画が悪いのではないと思います。要するに、新しい視点でよくできたB級SFでした。
[DVD(字幕)] 7点(2011-01-17 00:52:16)
362.  ハート・ロッカー
なぜか劇中、主人公に振り回される同僚サンボーンの気持ちになって見てました。こういう狂気スレスレの主人公というのは戦場ではたいへん優秀だったりするわけですが、これまでの戦争映画にありがちだったヒロイズムを徹底して廃した映像から、この主人公が戦場においても極めて迷惑な存在であることが伝わってきます。そんな主人公がヒーロー化しかける後半の展開がお見事。ヒーロー化したって結局は迷惑度倍増で部下に罵られる始末です。このあたりから、僕はひたすらサンボーンの無事の帰還を祈ってました。そんな私は、この作品の「真意」をつかみ損ねていると思いますが、映画的にちゃんと見せ場を作って盛り上げつつ、同じようなテーマを描いていた『地獄の黙示録』やら『プラトーン』のほうが断然よかったんじゃないかなと思いました。
[DVD(字幕)] 6点(2011-01-16 00:45:52)(良:1票)
363.  それでも恋するバルセロナ 《ネタバレ》 
ステレオタイプのオンパレードですが、それが本当に楽しい。軽薄なアメリカ人と情熱的なスペイン人。でも個人的には、その狭間で揺れるヴィッキーと「自分探し」を続けるクリスティーナの主人公の造形がすばらしいと感じました。情熱的だけれど破滅的なフアンやマリアの生き方に惹かれながらも、結局はそこに飛び込めない中途半端さ。この映画の魅力は、そんな凡人的な中途半端さを見事に表現しているところでしょう。これだけの大騒動を「ひと夏のバカンス」として済ますという、凡庸であるがゆえのしたたかさを描くシニカルなセンスは、ウディ・アレンならではといえるでしょう。
[DVD(字幕)] 8点(2011-01-09 21:39:41)
364.  インディ・ジョーンズ/クリスタル・スカルの王国
期待よりも不安が大きいまま鑑賞。最初の感想は「意外と楽しめた!」でした。でも、「インディ・ジョーンズ」シリーズとして考えれば大いに不満。このシリーズは、荒唐無稽な冒険をワクワクドキドキしながら楽しみ、「あーお腹いっぱい」でエンドクレジットを迎えるものだったはず。それが「意外に楽しめた」なんて感想がでてくるなんて! それだけで大いにがっかりです。 じゃあ、インディ・シリーズでなければ及第点の出来かといえば、とんでもない。結局「意外に楽しめた」のはシリーズ作におなじみの小ネタの部分だけで、本筋はそれはそれは「酷い」ものでした。というわけで、シリーズのファンにも、新しい観客にも、どちらにも優しくない。つまりそれはフツーの「駄作」ということなのです。
[地上波(吹替)] 4点(2010-10-30 00:33:00)
365.  ダーリンは外国人 《ネタバレ》 
原作シリーズは妻が好きなので既読。映画にする以上、仕方がないのだとは思うが、日本語ネタよりもラブストーリーのほうをメインにしてしまったので中途半端な作品になってしまった。前半は、トニーの変人ぶりを描くかわりにどうやって2人が「つきあう」ようになったのかは省略されてしまっている。で、語学ネタ、トニーネタ中心で行くのかなと思っていたら、一転して後半は、ただの安いラブコメになってしまい、そこに無理矢理に埋め込んだ語学ネタも空振り気味。夫婦の日常を描いた原作を、結婚前のカップルによるラブコメに改変したのは、おそらく主演女優が「若い」からなのだと思うが、そういう外部的な要素をうまく1本の映画に昇華させるだけの力量も熱意も、本作のスタッフに欠けていたのだと思う。
[DVD(邦画)] 4点(2010-09-05 06:57:44)(良:1票)
366.  ボーン・アルティメイタム
3部作も通して描かれる「謎」の真相は、実際にはたいしたことはない。まあ、少なくとも「非アメリカ人」の観客からすれば、「へー、それで?」っていうような内容。でも、この映画の真髄も、やっぱりそんなところではなくて、「プロフェッショナリズム」に徹して描かれるアクション・シーン。今回の見せ場も、CIAのハイテク追跡網を、あくまでローテクを駆使して見事にかわしつづけるボーンの姿にあるのでしょう。その集大成がラストシーン! 思わず拍手喝采したくなる、見事なエンディングでした。グリーングラス監督に変更してからの手ぶれ映像の多用には賛否両論あると思いますが、大作化していく続編にありがちな妙な色気を出さずに、3部作を通して地味ながらも見事なクオリティを保ちつづけたことは、賞賛に値すると思います。
[DVD(字幕)] 7点(2010-09-04 18:00:10)(良:1票)
367.  オースティン・パワーズ ゴールドメンバー
最初と最後の超豪華なキャストによる劇中劇が(しかも、ちゃんとクレジットで演じてる俳優は誰かを教えてくれる親切ぶり!)、マイク・マイヤーズ1人4役のお下劣コメディを挟むという構成。正直、最初と最後のインパクトが強くて、本編はだらだらと見てしまった。舞台となっていた日本の扱いもひどいが、『007は二度死ぬ』のパロディだと思えば許せる。あと評価できると思ったのは、双子姉妹?を含めて日本人を演じる俳優がちゃんと「日本語なまりの英語」をしゃべっていたこと。これは、意外とコメディとしては大事なことで、適当なアジア系アメリカ人の俳優に流ちょうな英語や聞き取れない日本語を話されるとがっかりするものなのだが(日本を扱ったまじめなドラマ作品ですらよくある)、こういうところのセンスには関心する。個人的には(カメオ出演だけど)セクシーなグウィネス・パルトロウをみれたのが妙にうれしかった。
[CS・衛星(字幕なし「原語」)] 5点(2010-08-31 00:19:09)
368.  アバター(2009)
観客を再び映画館に呼び戻したたエポックメーキングな作品ということで、遅ればせながら、アメリカ旅行中に現地で特別編が上映されていたので劇場で見ることができました。3Dの映像は圧巻・・というか、巨大な樹木、水、奇妙な植物や動物、そして巨大な鳥の飛翔まで、この映像を3Dで見せたい、というところからスタートして、それに合わせてシナリオを書いたのではないかという感じでした。というわけなので、脚本が「浅い」というのはしょうがないのかなと思いました。観る側もやはりまずは映像体験への期待が先で、物語は二の次だったわけですから。ジェイクがアバターとしてパンドラの自然のなかでの生活に慣れて「自由」を獲得していく前半は、その映像美とストーリーが見事にマッチして出色の出来でした。しかし、後半は、観客側が慣れてしまったのか、ただのありがちなCG映画という感じで徐々にテンションは下がっていきました。映像体験の刺激は、思ったよりも持続しない。やはり映画は物語なのだ、ということを実感した3時間弱でした。他の方も述べていますが、本作は、「ジュラシック・パーク」と同様に、「一時代の代表作品」以上の普遍的な傑作とはいえないように思います。「ジュラシック・パーク」も本作も、その時代的インパクトを共有できたという意味では、私の個人映画史のなかでは「大事な作品」になるとは思いますが・・・。そういう意味では点がつけにくいのですが、やはり見終わった後は多くの方が指摘しているマイナス面のほうが気になってしまったということで、6点とします。
[映画館(字幕なし「原語」)] 6点(2010-08-29 16:10:46)(良:1票)
369.  ミルク(アメリカ映画) 《ネタバレ》 
ハーヴェイ・ミルクの物語というのは、実際には、彼を殺してしまうダン・ホワイトの物語でもあるわけで、個人的にはこの2人の関係をどう描くかがポイントかなと思っていました。この映画のなかでは、友人でもあり敵でもあるという2人の関係を丁寧に描いており、ジョシュ・ブローリン(何と『グーニーズ』のお兄ちゃん!)も、生真面目で偏執的なダンというキャラクターを静かに、見事に演じていたと思います。どこか時代に乗り切れないダンの姿は、急速に変化していく社会のなかで「大切なもの」が失われるという保守派の人々の危機感を見事に表していましたし、その「大切なもの」が実際には少数派の人々の苦難や苦しみのもとに築かれていたのだということを、ミルクやその仲間の生き方が示してくれています。ガス・ヴァン・サント監督は、この2人の人物が体現する2つの時代を、あえて対照的に表現するのを控えながらも、見事に物語の底流に位置づけたと思います。ただ、ミルクが市の執行委員になるまでの前半が、エピソードの切り貼り的になってしまって、やや退屈だったのが残念です。前半の伏線が、終盤になって生きてくるわけですが、その伏線張りだけのために前半があったような印象を受けてしまいました。
[DVD(字幕)] 7点(2010-07-17 08:01:18)
370.  サマーウォーズ 《ネタバレ》 
『ALWAYS』的な情緒的ノスタルジーと、仮想世界と人工知能の暴走という定番SFストーリーの融合という感じ。なかなかよくできていて、とくに終盤の「地球の危機」の真っ最中に家族で食卓を囲むシーンは、本作の設定の妙が生きた名シーンだと思う。オズ世界の造形などは村上隆氏の作品を思わせるものもあり、そうした近年のサブカル的な日本と、ベタなノスタルジックな日本を同時に描き込もうという試みはなかなか面白い。しかも、終盤には「俺の命もおまえに預けるぜ」という、きわめて正統な少年ジャンプ的世界観まで登場して、強引に物語を締めくくってしまった。ある意味、もっとも「邦画らしい」映画と言える。ただ、ノスタルジックな日本にも、サブカル日本にも、「友情・努力・勝利」の少年ジャンプ的日本のどの描き方もストレート過ぎてひねりがなかったのが、個人的には残念。なんというか、少し斜に構えた皮肉っぽい精神に乏しく、過剰な「健全さ」を感じてしまった。そういう意味では、公開時にわざわざメディアを引き連れて鳩山由紀夫氏が鑑賞したというのも納得な作品。
[DVD(邦画)] 6点(2010-05-24 06:47:13)
371.  スラムドッグ$ミリオネア 《ネタバレ》 
ラストにインド映画的なダンスシーンを持ってきたのは、個人的にはマイナスでした。なんというか、インド映画におけるダンスは、劇中の『ミリオネア』がそうであったように、インドの人々が現実を忘れ、束の間の夢を見る時間なのです。でも、この映画は、冒頭から最後までインドの現実の重さを重要なスパイスとすることで、主人公の人生ドラマを描いています。正直そのスパイスがなければ、クイズの答えが人生経験にあったという設定だけのベタなラブストーリーです。その現実の重さ(実はそこでの現実だって欧米やら日本からみた「インドの現実」というイメージに過ぎないのだけれど)に、ここまで頼っておきながら、ラストで突然「なんちゃって」というこの監督の演出に、なんだかがっくりしてしまったわけです。とはいえ、ダニー・ボイル監督は、これでもかというほどベタでセンチメンタルな設定を、色彩豊かな映像と音楽を交えて、見事な現代映画として仕上げています。そうであるだけに、ラストのオリエンタリズム過剰な脱線が残念なのです。
[DVD(字幕)] 7点(2010-05-19 15:32:06)
372.  スター・トレック(2009)
対照的な主人公のキャラって対照的すぎますよ。そんな二人が力をあわせれば怖いものはないぜ!って映画というより熱血少年マンガという感じ。人間ドラマに期待した私がバカでした。とはいえ、そんな大味で都合よすぎなストーリー(とくにカークが船長になるのは唐突すぎです。あれで何でみんな納得しちゃうかな)ながらも、120分普通に楽しめる娯楽作品に仕上げてみせるのは、J・J・エイブラハムズの力業。クルーのキャラクターもカラフルで、新たなシリーズ化も期待できそうです。
[DVD(字幕)] 6点(2010-03-18 16:19:33)(良:1票)
373.  フォッグ・オブ・ウォー マクナマラ元米国防長官の告白 《ネタバレ》 
合理主義的な知性の権化のようなマクナマラ。80歳を越えていても次々と数字をあげながら語るその姿は(微妙な話題のかわし方も含めて)驚異的だ。そのマクナマラがいつかの戦争を経て学んだ教訓とは何か。それは、「理性に頼れない」「善を為すために人間は悪を為す」という人間なるものにつきまとう逆説だった。彼の言うとおり、ヴェトナム戦争とはきわめて複雑な出来事であり、後の結果から誰かに「責任」を求めるのはフェアではないのだと思う。とはいっても、彼は、ある時代のアメリカのあり方(理想と言い換えてもいい)を体現した人物であり、その経験から私たちが学ぶべきものは少なくないはず。彼を「自己弁護」に追いやり、結局は口を閉ざさせてしまうメディアのあり方は少々残念に思う。その意味では、この映画も、結局はそのもっとも肝心な部分を引き出しきれていないように思う。
[DVD(字幕)] 6点(2010-03-17 15:01:56)
374.  ビフォア・サンセット 《ネタバレ》 
9年後の再会ということで、一見よどみなく話しているようで、それでいてお互いの真意をさぐりあっている様が本当にリアルだ。80分の短い映画だけれど、ほぼ全編しゃべりっぱなし。この映画の素晴らしいところは、「会話」が主役の映画なのに、登場人物の感情や微妙な関係性を描くのに「言葉」に頼っていないところ。その最たるものが、ラストのアパートのシーンだと思う。それまでしゃべりっぱなしだった二人だけれど、アパートの二人は、核心に触れるような言葉を交わすことなく、身振りと視線と音楽で「会話」する。そこから終幕への流れは、本当に素晴らしいものでした。脚本にも参加したという主演2人に拍手喝采です。
[DVD(字幕)] 8点(2010-01-26 14:14:24)(良:2票)
375.  キング・コング(2005)
ナオミ・ワッツの美人だけどどこかB級っぽい雰囲気がこの映画にはぴったりでした。ただ、島のシーンが強烈すぎて、一番の見せ場のはずのNYのエンパイア・ステート・ビルではおなかいっぱいに・・・。それにしても欧米のアドベンチャー作家って巨大昆虫好きですね。かのシーンは見てられないので、はるか昔に流行った(アメリカ発の)ゲームブックでも定番だったなあとか関係ないことを思い出して気を逸らしてました。あそこを削って、NYのほうにピークをもってくればよかったのにとは思いました。でも、それでは、「ピーター・ジャクソンのキングコング」にはならないんでしょうね。あえて偏執狂的に島の恐竜やら昆虫やらを描くジャクソン監督のオタク魂こそ、この映画の真髄であり、魅力なのでしょう。何となく、アメリカの学校のクラスに1人か2人はいる目立たない男子が、この映画の押し寄せるモンスター描写に狂喜している様が想像できます。
[地上波(吹替)] 6点(2010-01-22 16:39:16)(良:1票)
376.  ゆれる 《ネタバレ》 
映画全体が二重構造になってる。物語は終始、弟目線で進んでいく。自由奔放な弟がすべてを犠牲にしてきた兄に対して抱く恐れが、事件の解釈を二転三転させる。しかし、物語の最後で、弟は兄弟の「絆」を再発見し、それを取り戻そうと走り、叫ぶ。これだけなら普通の映画。だけど、この映画の面白いところは、「自分にはないもの」をすべて持ち、自分からすべてを奪った弟に対する兄による「復讐」の物語でもあるところだ。逮捕後の弟との面会のシーンから兄の復讐は始まり、弟は自分の知っている(そして自分に都合のよかった)兄の態度の豹変に戸惑う。そんな兄にとっては、7年間の刑期なんてことよりも、弟を揺さぶり、その心に消えない傷を植え付けることのほうが大事だったように思う。そして、その「復讐」は、あのバスに乗ることによって完了する。「絆」の再生の物語と「復讐」の物語。だから、ラストはあれしかなかった。あの笑顔も、弟目線と兄目線ではまったく意味が異なる。とても質の高い心理劇でした。ただ、残念だったのは、裁判のシーンが冗長でだれてしまったところと、クレジットで流れる曲。圧倒的に兄の心理に感情移入しちゃってた私は、あのクレジットで流れるオシャレ風な(弟=オダジョー的な?)楽曲に余韻を奪われてしまいました。あそこは静かなインストであってほしかった。
[CS・衛星(邦画)] 8点(2010-01-20 05:09:19)(笑:1票) (良:1票)
377.  ワールド・トレード・センター 《ネタバレ》 
TVでさんざん見た飛行機がつっこみ、ビルが崩壊する映像。あるいは、ワイドショーでさえも取り上げられたイスラムとアメリカをめぐる国際政治事情。オリバー・ストーンが描く9.11は、俯瞰的な映像を極力廃し、国際政治については一切触れない。その代わりに、あの日ビルの中にいた人の視点から見た崩壊と、その無事を祈る家族の姿を描く。僕には、これがTVやらなにやらであの事件について「わかったつもり」になっている私たちへの挑発に思えた。そして、最後の元海兵隊員の「報復が始まる」という一言。アフガンやイラクでWTC以上に悲惨な状況を作り出したのは、あの日現場にかけつけ命をかけて同胞を助けた敬虔なクリスチャンの青年のような人々なのだ。描いてないようで、細かい部分でちゃんと「政治」も描いてる。反骨の映像作家オリバー・ストーンの健在ぶりを感じました。そういう監督の姿勢には共感するものの、生き埋めになった後の二人の隊員の会話も平板で、全体の構成も冗長な印象を拭えなかったのが残念。とくに救出作業が始まってからのシーンは、もっと別の演出方法があったのではないかと思いました。
[DVD(字幕)] 6点(2009-11-17 13:05:51)(良:1票)
378.  グラン・トリノ 《ネタバレ》 
ウォルトと家族、モン族の隣人とギャングとのトラブルなどは、アメリカ映画ではおなじみの設定ですし、「チンピラ」として描かれるギャングたちも、(顔が「アジア人」になっただけで)ギャング映画の定番といえます。彼らが登場するシーンに必ずヒップホップが流れているのには思わず苦笑してしまいました。しかし、最近のイーストウッド映画にはない「ユーモア」が、なによりもこの映画を特別なものにしている。どんなに差別的な表現を伴っていても、ウォルトの言葉にはすばらしいユーモアがあります。関係ない話かもしれませんが、僕の周りにも「毒舌家」がいて、僕はその人からかなり酷いことを言われたこともあり、正直その人をどうしても好きにはなれませんでした。でも、なぜか、その人の周りには、数は多くはないけれども心を許せる友人が集まっていて、そういう関係を自分はどこか「不公平」に感じていました。そんな僕には、ラストの葬儀のシーンのウォルトの息子がタオを見る表情が痛く突き刺さりました。そういう人間関係の微妙な襞を見事に描いたからこそ、ありきたりの設定ながらも暖かいユーモアと重厚な深みに包まれた傑作になったのでしょう。
[DVD(字幕)] 8点(2009-11-14 14:42:18)(良:1票)
379.  ボーン・スプレマシー
2作目ともなると、記憶喪失ネタだけでは、どうやっても前作ほどのサスペンスを期待することは無理。さて、どう新しい「見せ場」を持ってくるか、と期待半分・不安半分で鑑賞。前作同様、あくまで伝統的な地味なアクション(殺し屋との肉弾戦、カーチェイスなど)をしっかりと見せるという心意気はプラス。続編だからといって、妙に新しいことをしようとしたり、無駄にスケールアップせずに、前作のいい部分をいい感じに受け継いだ佳作です。ただし、手ぶれや早いカット割りの映像は個人的にはマイナス。なにやらごちゃごちゃしているうちに、敵が倒れたり、車が飛んだりというのは、ちょっといただけない。優れた「アクション」映画である以上、ボーンの計算尽くされた「動き」をちゃんと見たかった。その部分の見せ方が雑な印象だったのがつくづく残念です。
[地上波(吹替)] 6点(2009-11-04 21:56:39)
380.  ココ・アヴァン・シャネル 《ネタバレ》 
たしか朝ご飯食べながら見ていた『めざましテレビ』で、当時の主流だったコルセットを嫌い、黒い色やボーダー柄を女性ファッションに大胆に取り入れたのがココ・シャネルだったとかいう話が取り上げられていました。映画のなかでは、後年のシャネル・ファッションの原点を描くエピソードがちりばめられているものの、そうした予備知識なしではほとんどわからない程度です。このような知識は、この映画が想定する観客層のあいだでは「常識」なのかもしれませんが、休日に奥さんの付き添いで見ることになった私のような人間にとってはシャネル以前のココという女性の平凡な悲恋物語にしか思えませんでした。物語自体は悪い出来ではないですが、ココ・シャネルという「カリスマ」の半生としては物足りない。最後に突然デザイナーとして成功したココ・シャネルの姿を見せられても、イマイチ盛り上がりません。 ちなみに奥さん(格別シャネル・ファンというわけではない)も「別にシャネルじゃなくてもいいやん」という感想でした。
[映画館(字幕)] 5点(2009-10-20 06:17:56)(良:1票)
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