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K&Kさんの口コミ一覧[この方をお気に入り登録する

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361.  父と暮せば 《ネタバレ》 
『母と暮せば』は観ていたが、正直あまり良い印象が残ってなくて。本作は3部作の1作めって事なので、どうかなぁ?って思ったけど、予想外にガツンと来た。どこか幼さが残る娘と、頼りになる面白いお父ったん。テンポの良い親子の会話が心地よく、重たい原爆の話だけどスルスルと抵抗なく観られた。親子で押入れに入るのカワイイ。 お茶もまんじゅうも口にしないお父ったんに『あっちの映画同様、亡くなってるのかなぁ?それがこの映画のオチかなぁ』なんて思ったけど、案外早くに亡くなっていたことが解る。そこが観どころじゃないんだ。  ストレートに、当時原爆の下に居た人たちの恐怖を語ってくれる。まるで読み聞かせのようだ。浴衣姿のおっとりした美津江の昔話から、エプロン劇場と陽気に始まったお父ったんの広島の一寸法師。広島の人が鬼に対し、原爆瓦でどうしてやりたいか。忘れることの出来ない内に秘めた怒り。美津江じゃなくても怖くなった。原田芳雄の語りの、息が止まるような迫力。 美津江の話。感情を抑えきれなくなったアキコさんのお母さんから出た言葉。父を助けられず見捨てて逃げたこと。あの時生き残った者が幸せになることを阻む。3年前の記憶がいつまでも美津江を苦しめる。宮沢りえの語りも、まるで生存者の体験談のように生々しく聞かせてもらった。主演2人の聞かせる力。  最後のは何だったんだろう?あの不安を煽る音楽と原爆ドームから、美津江ももしかして?って思ったりもしたけど、きっとたぶん、料理してる美津江のカットと、家の天井から続くドームのカットは、続いてるように観えて、別カット、別の建物なんだろう。 ドームの外に咲く2輪の花は、原爆の後を生きる生命で、たぶん美津江と木下さん。観る側に木下さんの具体的なイメージを持たせるために、敢えて浅野忠信を登場させたんだろうか。モヤモヤさせる終わりにした監督の意図は掴めなかった。  モトは舞台の戯曲として創られて、ほぼ舞台そのままのスタイルで映画化されていると思う。だから伝えたいテーマがシンプルに伝わる。死者が会話するファンタジー要素を入れて、死者と生存者の両方の体験者の話を聞かせる。 「前の世代から伝わる話を、いじったりせずに、あとの世代に忠実に伝える」この映画のテーマは、美津江の所属する昔話研究会の方針と通ずるものがあるんだろう。この話を映画にすることで、より多くの人が目にする機会が増えるだろう。私も映画だからこの作品を観る事が出来た。恐ろしく心にガツンと響く映画だけど、観て良かったと思ってる。被爆者の気持ちを“いじったりせず、忠実に”表現したこの映画を、一生に一度で良いので観てもらいたい。
[インターネット(邦画)] 8点(2022-08-31 21:42:45)
362.  男たちの大和 YAMATO 《ネタバレ》 
戦艦大和。当時世界最大・最強の戦艦で、日本連合艦隊の象徴のような存在で、結局は大きな戦果を挙げられず、アメリカの航空戦力に惨敗してアッサリ沈んだ。とはいえ、日本人としてとても心揺さぶられる名前です。 『大和は沖縄を救うために出向したが…』って、ずっと思っていたけど、あれはもとから水上特攻、沈む前提の作戦だったって、映画を観て始めて知った。救援目的と特攻目的。私にとっては大きな違いだ。乗組員も特攻だって知っていたんだな。本当かな?  主人公は艦長とかそれに近い戦況全体を俯瞰できる立場の人物にするところ、本作では機銃担当と食堂係という下々の者にした着目点はとても面白い。硫黄島からの手紙の影響かな。近年の邦画ではとても頑張った戦闘シーン。戦闘の壮絶さを伝える血まみれの甲板。だけどここの観せ方がちょっと残念で、どうせなら神尾から見える範囲だけで、戦闘の恐怖の演出は出来たはず。 となりの機銃座が撃たれて吹っ飛び、手足が飛び散り燃え転がる戦友。止まらない絶叫。助けたいけど助けられない。近づくグラマンのエンジン音。次は自分の機銃が狙われるかもしれない恐怖… 主人公は固定機銃なのに戦闘シーンは俯瞰ってチグハグなことに。それも攻撃を受けて爆発する箇所に、いちいちカメラが移って観せてくれるので、派手さは増しているけど、どこのどんな部分がやられてるのか把握できない。 大和にどの時点でどれほどの被害が出ていて、どれが致命傷になったのか、映画を観ても解らない。 本作の前哨戦に当たるレイテ沖海戦をサラッと流したのもどうだろう?デカい以外大きな戦果のない大和に、嘘でもいいから主砲で米駆逐艦を粉微塵にするとか活躍させて「大和すげぇ!」って思わせてほしかった。 そして同型艦の武蔵が沈むことに、大和乗員が信じていた不沈艦伝説の終焉、絶望も見せてほしかった。  大和は1億総特攻の魁。国や家族、もちろん沖縄を守るためでもなく、ただ先に死ぬのが彼らの任務。その多くが前途ある若者たちなのが、もう全部間違ってるとしか思えない。大和を港に係留したまま、ただ沈没させるわけにもいかないと、2740名も道連れに沈んだ。 「海軍にはもう軍艦はないのか」という昭和天皇の言葉は出てきた。けど豊田連合艦隊長官(大和特攻を決めた人)は名前だけ。神大佐(大和特攻を無理やり決めさせた人)は名前も出てこない。(※映画見てから調べて知ったことです。)彼らは大和が沈んでその先に、どんな敗戦の画を描いていたんだろうか。 映画としてそこは触れずに西の母には冷たい一言を言わせる。いくら一兵卒(神尾)目線とは言え、バランスの取り方が間違ってる気がする。 「広島で働くの」=原爆死フラグというのも、もうどうかなと思う。全て原爆に結び付けてしまうのは安直な気がする。 そして主題歌のタイトルとサビが「CLOSE YOUR EYES」英語なのは、それ以上にどうかなと思う。
[インターネット(邦画)] 5点(2022-08-29 21:10:34)
363.  フィールド・オブ・ドリームス 《ネタバレ》 
-Field Of Dreams- “夢の球場”ケビン・コスナー全盛期の映画。ケビンのナチュラルな魅力が出ていて、素直にカッコいいなぁ。 ハリウッドが本作のような“怖くない幽霊の映画”を創ってきたことに、まず驚いた。だって幽霊の理解度って、繊細な日本の得意分野と思っていたから。アメリカ人にとって宗教的に幽霊ってどんなポジションなんだろう?? そしてジェームズ・ホーナーの“いかにも奇跡が起きそうな”音楽が、この不思議な物語を盛り上げる。  いやほんと、アメリカ人って野球が好きなんですねぇ。この映画も野球愛、歴々のプロ野球選手に対する尊敬の念に溢れています。アメリカ人の精神・共通認識は野球を通じて育まれてきたのかもしれません。 シューレス・ジョーと1919年の“ブラックソックス事件”なんて題材を持ち出すのが凄い。どれだけマニアックな題材なのか知らないけど、日本だと遡ってせいぜい、戦前の沢村栄治(巨人の星の再放送で知った)とか、事件だと江川の入団事件('78年だって)くらい?アメリカの野球の歴史の長さと浸透度が凄い。 とうもろこし畑の真ん中で、伝説の野球選手が夢の対決をする。これこそ大人のファンタジー。アメリカの夢。野球少年の憧れ。でしょうねぇ。野球はすべてを受け止める。過去の事件を水に流し(タイ・カッブ以外)、父との関係も修復する。  レイとジョーの70年を隔てたキャッチボールに始まり、15年前に亡くなっていた父とのキャッチボールに終わる。何も話して無くても心が通じ合ってる気持ちになれる。キャッチボールってもともと、野球の練習の肩慣らしだと思うんだけど、誰かとのコミュニケーションとして、これほど頭を空っぽにして出来る運動って、他にないかも?だからって訳じゃないけど、この映画も頭を空っぽにして楽しむ映画です。キャッチボールみたく。  天の声って何?自分が死んだときを知っている1919年の選手たちってどんな存在?突然1972年にタイムスリップ?若いグラハムは球場の外から入っていったぞ?最後のヘッドライトの川、どこで聞いてどこから来たの?正直言ってやってることはもうメチャクチャ。 これもし、レイが独り身で、理解ある可愛い奥さんが居なかったらもう、とんでもない結末になってたと思う。 なので、ここでの評価がメッチャ割れてるけど、それも解る気もする。  この映画は父の歴史から始まる。アイルランド系で第一次大戦に行って…。この時のレイは家族の生活のために、細々と農場経営を続けて、淡々と生きていく毎日。そこで一度立ち止まって、過去を振り返ることから始まる。奥さんの名演説の中に「'60年代を生きたなら理解できるはず。あなたは'50年代を2度生きて'70年代に飛んだのよ」隠しても誤魔化しても、あの会場の人はみんな'60年代を生きてきたのは事実。 父の歩んだ歴史、野球の歩んできた歴史、アメリカが歩んでいる歴史。それらは自分の存在を考える時、決して切り離せない関係で、歴史が有ったからこそ今の自分がある。良いことも悪いことも全部受け止めて、それを飲み込んでこそ前に進める。淡々と生きるのではなく、前を向いていこう。  この映画は、日本に最新技術で押されていた当時のアメリカ人に、自分たちの歴史、アメリカ人であることを誇りに思う気持ちを湧き起こしたんだろう。 だから逆に言うと、この映画に日本に関するものは出て来ない。純度100%アメリカの、それも“ど田舎(心の故郷)”の話だ。 主人公の仕事が第一次産業(農業)なのも、アメリカが日本に勝る部分なのと、日本ってキーワードを出さなくて良い分野。 最後のヘッドライトは言うまでもなくアメ車の群れ。どこから聞いたか、アメリカ人がアメリカの誇りを胸に、次々球場に集まってくる。 この映画を、アメリカ同様に野球が国民的スポーツの日本に持っていく。怖くない幽霊を理解している日本に持っていく。 この映画はアメリカから日本への挑戦状、というか、アメリカ人の決意表明だったのかもしれない。・・・それか私の考えすぎかもしれない。
[ビデオ(字幕)] 9点(2022-08-28 14:44:50)
364.  レナードの朝 《ネタバレ》 
-Awakenings- “目覚め” 複数形なのはレナード以外の患者はもちろん、セイヤー先生にも掛かってる。 ロバート・デ・ニーロの表現力が凄い。レナードの抱える難病表現はもちろんだけど、入院する20歳の頃から時が止まっている青年役を見事に演じていた。レナードの少年のような笑顔は、数年前にアル・カポネを演じていた人のものとは思えないくらい、デニーロの演技の幅広さをみせてくれた。  登場人物もとても魅力的で、現実的だけど理解あるカウフマン先生。普段はサボってるけど率先して寄付をする看護婦。寡黙な薬剤師に人懐っこい清掃員。レナードからお金を取らない食堂のおばさん。勤めてる人が人みんな良い人で、こんな温かい病院なら安心して家族を任せられる。 患者は突然叫びだすし、動かない患者は全く動かない。変化のない患者たちとの毎日にじっくり長く付き合うは、家族と言えど、とても大変。レナードの母がいつも献身的に看病するのは根気のいる辛い毎日だし、ポーラの母が夫のお見舞いに来なくなる気持ちも分かる。 失った時間の長さ、年老いた自分と向き合う患者たちも、とても個性的、魅力的に描かれていた。先に投薬されて、日々症状が悪化するレナードの姿に、数日後の自分の姿を重ねる不安と恐ろしさ。 後半は観てる方も辛くなるけど、レナードの「もう会わない」という決意を理解して、無言で受け止めるポーラの心の綺麗さ。食堂でのダンスは何度観ても涙が止まらなくなる。  “レナードの朝”ってとても良い邦題で、劇中レナードが「(もう目を覚まさないかもしれないから)目を閉じる(眠る)のが怖い」ってセリフがある。この映画を観ると、自分の意志で起きることが出来て、その日一日好きなことが出来ることに、とても有り難みを感じられる。 毎日当たり前に来る朝。そんな朝が来ない人達。彼らと違って何でも出来るのに、毎日何もしないことの、なんて勿体無いことか。 他人から求められることがボンヤリ解っていても、自ら行動しなかったセイヤー先生が、最後に“目覚め”てエレノアを引き止めるところがとても好き。 難病との戦いが“道半ば”で終わってしまう映画を、とてもスッキリした後味に変えてくれる。
[ビデオ(字幕)] 9点(2022-08-27 16:26:19)
365.  あぶない刑事 《ネタバレ》 
昭和末期の刑事ドラマ。当時大人気だったけど一回も観てないんだよな。ハリウッド映画の激しい銃撃戦と比べてリアリティが無くて、どうもチープに感じられて…でもとんねるずの『ちょっとあぶない刑事』は好きでよく観てたっけ。  さて映画。オープニングの街並みがもう懐かしい。夜が暗くて電気が明るい。LEDの無機質な明かりでなく電球とネオンでギラギラしてたんだよ。うわ電話ボックスに人が入ってる。誰も携帯持ってない。私の記憶の中ではついこの前なんだ、バブル当時って。改めて映像で見ると、あんなだったなぁ~って懐かしく思えた。私も歳をとった証拠だわ。 今の目で観ると、常にサングラス掛けてるのとかに時代は感じてしまうけど、タカとユージ、二人ともスーツをパリッと着こなしていて格好いい。会話がおしゃれでキマってて、何をしてても華のあるキャラだね。手錠してダンスなんてホントこの作品を象徴するような愉快な画。 すぐ発砲するのと、銃の撃鉄上げて引き金に指をかけてるところとか、やっぱリアリティは考えてない作品で苦手だなぁ。この辺、あんまマニアックに拘るとライト層の人気を取れないのかもしれないけど…いきなりバズーカで警官2人死ぬのも、ライトな内容にしてはドギツイ展開に思えた。  浅野温子の服装が毎日コロコロ変わって楽しい。でも当時の流行りってあんなだったっけ?今の目で見るとかなり奇抜だわ。でも彼女の性格がカワイイ。ってかウザカワイイ。ちょっと抜けてるトオルもカワイイ。真面目な学生の変装もカワイイ。タカ&ユージに理解ある課長(中条静夫)もカッコいい。木の実ナナむかしと全然変わんない。 キャラクターの魅力は感じられるし、こりゃハマる人はハマるだろうな。当時ドラマの方観ていたらなぁ、映画とバラエティばっか観てたからなぁ。 想い入れがないのでこんな点数だけど、TVシリーズの映画拡大版として悪くない出来じゃないでしょうか?
[インターネット(邦画)] 5点(2022-08-26 23:15:48)
366.  ランボー/最後の戦場 《ネタバレ》 
1作目にランボーって邦題を付けた日本では- John Rambo - が原題だけど、アメリカとかでは本作が -Rambo- だったそうな。 オープニングから(たぶん)本物の死体映像とかが出て、映画が始まっても地雷を撒いた田んぼを捕虜に走らせて爆散させるとか、ちょっと重たい感じ。 ランボーといえば孤独な戦争アクションヒーローってイメージ。それは2と3で根付いてしまったイメージかもしれない。2→3の流れ、マンネリ感からシリーズの続編は作られてなかったけど、ここに来て急に“人の手足がちぎれて血煙になって吹き飛ぶ”目を背けたくなるリアルな戦場を再現されたのでびっくりした。ランボーなのに。  ランボーが戦う理由。1では自分を守るための戦い。2では自分の過去と向き合う戦い。3は…すみません覚えてない(大佐を救うためだったけど、それだけだったかどうか…)。 3は飛ばして本作のランボーはサラ(他人)のために戦う。ミャンマーの軍事政権が許せないんでなく、たまたま出会って共感できた人を救うために戦った。 そう考えると、1はベトナム帰還兵の身に起きていること。2は娯楽作寄りとは言え、戦場の行方不明者の現状を。3は…すみません覚えてない(アフガンに展開中のソ連軍の何か)。 3は飛ばして本作はランボーの活躍を観せる映画というより、ミャンマーで現実に起きていることを、世界に広く伝えることが目的の映画みたいだ。  今回のランボーは、ミャンマーの問題解決のキッカケを作るでもなく、自分の目的を達成すると、メッセージ的な事を何も言わずに帰って行った。オープニングからの残酷な映像が、ランボーに語らせるまでもなく、何が必要かを語っていた。 正直言って、ランボーでなくても成立するストーリーなんだけど、マンネリ化して立ち消えたシリーズの心残り。戦場でしか生きられない悲しい男の話で終わっていたところに、長年ファンが観たかった映像を、最後のアメリカのシーンで観せてもらえた。長かったランボーの戦いが、ようやく終わった。
[DVD(字幕)] 6点(2022-08-26 20:44:49)
367.  嵐を呼ぶ男(1957) 《ネタバレ》 
両親(特にママン)が祐ちゃん好きだったみたいで、石原裕次郎が亡くなった時にベストアルバムみたいなレコードを買ってきて、家族で一緒に聞いた覚えがあります。 「フックだ!ボディだ!」とセリフ付きの歌に、当時の私は内心『・・・ダッサ』と思ったっけ。 裕次郎の格好良さが詰まっていると言われる本作。きっと大人になった私だったら、共鳴・理解出来る何かがあるに違いない!と思い、数年前に1回めの鑑賞。 オープニング、銀座の昼が夜になり、ネオンがギラギラ輝く当時の夜景が美しく、ガヤガヤした人の喧騒が楽しい。観ていてワクワクした。 ヤクザの世界とベタベタな芸能界も、きっと当時の感覚では“言うまでもない世間の常識”だったんだろう。時々闇深さを見せる今の芸能界より解りやすい。  詰まらなくはないんだ。惹かれるものはあるんだけど、でもね、う~ん・・・チャーリー(何だよチャーリーって)との対決で歌っちゃうのってどうよ?アレってドラムのテクニックとか関係ないし反則じゃない?なんかね、一番の盛り上がりポイントが、正直言ってやっぱりダサくて、このノリに素直に同調できなかった。“昭和を代表するスター”の代表作の魅力を充分に理解できなかったわ。 子供の頃からスタイリッシュで格好いいハリウッド映画と洋楽にどっぷりハマって、“欧米文化サイコー!!”って自分を洗脳してきた私には、戦後から立ち直って、その先を模索する当時の日本人のパワー(暑苦しさ)、昭和の真ん中な空気(古臭さ)にダサさを感じてしまったんだろうな。  それで今回、レビューのために再鑑賞。やはりオープニングにワクワク。戦後わずか12年でコレって凄いよなぁ。戦後かぁ。“戦後”ってキーワードで鑑賞すると、そういやチャーリーって、アメリカ人の代表的な名前だな。 左手を痛めつけられ、それでも逃げずにチャーリーと戦う裕ちゃん。手をやられたなら他の武器で戦えば良い。「おいらはドラマー♪」と、出せる力を全部出して戦う石原裕次郎に、当時の若者は焼け野原から立ち直った日本、“もう戦後ではない”これからの日本を重ねたのかもしれない。  ロカビリーとかカタカナ名前とかそういうアメリカの借り物でなく、これからは日本独自の格好良さを創り出していこうぜ!って、1957年という時代は、そういう日本の将来の分岐点だったのかもしれない。 映画の裕ちゃんみたく「フックだ!ボディだ!」って、日本人みんなが出せる力を全部出して、なりふり構わず頑張った結果が、高度経済成長なんだろうな。 This is 昭和! This is ニッポン! ダサいけど格好いいぜ、裕ちゃん!
[CS・衛星(邦画)] 7点(2022-08-26 19:42:41)
368.  あゝひめゆりの塔 《ネタバレ》 
今年の終戦の日に観たのはこちら。10年ほど前にひめゆり平和祈念資料館に行ったときは、無言の写真たちが訴えてくる重さ、ググゥッと肩を押されるような重さに、言葉を失ってしまった。なので、もうタイトルだけで重たく感じてしまう作品。 そこを吉永小百合と浜田光夫を起用して、日活青春映画そのまんまなオープニングで惹きつける。当時まだ戦後から23年。戦時中の若者がどのような青春時代を過ごし、命を落としていったかを、次の世代、特にあの子たちと同年代の若い人に観てもらいたいという思いが感じられる。モノクロなので耐性のない人でも最後まで観られると思うけど、実際の場面を想像するだけで充分に恐ろしい。  真面目に創られた映画にしては、ちょっと気になった点が二つ。まず口で手榴弾の安全ピンを抜くトコ。当時の武器は“天皇陛下からの預かり物”だから、丁寧に扱ったはず。それも兵隊でもない女学生が口でグイって…きっとTVドラマ“コンバット”辺りの影響だろうな。 それとアメリカ軍の攻撃機…には見えない。どう見ても民間機。あの飛行機はロッキード・モデル10という輸送機。水浴びを襲うグラマン・ヘルキャットは特撮で表現しているのに、どうして輸送機で代用したんだろうか。 アメリカ軍の攻撃機が女学生を追い回し、機銃を撃つ。きっとこの画を1つのカットに収めるために、撮影用に手配出来る実機を使う必要があったんだろう。パイロットの視力なら、砂地を走るトミちゃん達が非武装なのはもちろん、“一目散に逃げてる女子供”だと解ったはず。 それを、撃つんだ。狙って、撃ててしまうんだ。 この映画にはアメリカ人俳優が出てこない。きっと意図して出さないことにしたんだろう。誰が撃ったかも解らない、無感情な“鉄の雨”だけが彼女たちに襲い来る。そんな劇中、女学生を撃つ攻撃機のカット。撃てば死ぬ。あのアメリカ兵は、どんな気持ちでトリガーを引いたんだろう。その画のためのモデル10。  日本軍の学徒隊の扱い方も酷い。動員されたのが卒業直前なのって、校長先生の人望を利用するのと、学生の方がまとめやすいからだと思う。 学徒にも暴力を振るう軍人。男性器を出してお小水の介助。切断する足を押える手に伝わる体温とノコの振動。生きる希望より青酸カリのミルク。まだ10代の少女たちにはあまりに想像を絶する過酷な数ヶ月。 戦場を連れ回すだけ連れ回して、最前線での解散命令。実際はあの子たちを生かすためじゃない、見捨てる道を軍は選んだ。結果的に1,503名(映画より)もの学徒の命が奪われた理由として、あまりに理不尽じゃないか。  何の抵抗も出来ず、誰にも守られず撃たれて死んでいく学徒。捕虜となって、軍人に聞かされてきた辱めを受けるより、自決を選ぶ少女たち。 軍人でもない少年少女が、呆気なく散ってゆく姿に『無駄死に』という言葉が浮かんでしまう。 それじゃあんまりだ、決してそうじゃない。と思いたいけど、じゃあ、あの子たちの死は『意味のある死』だったのか。 現地訪問よりおよそ10年。この映画を観ても、やっぱり言葉を失うしか出来ない。 ひめゆり学徒隊の悲劇を知った私に出来るのは、平和の有り難みを実感して一生懸命生きることと、あの子たちの犠牲を忘れないでいてあげることくらい。
[CS・衛星(邦画)] 6点(2022-08-23 23:41:58)(良:1票)
369.  フリー・ウィリー 《ネタバレ》 
-Free Willy- “ウィリーに自由を” ウィリーは人名ウィリアムズの略みたい。 今回初めて観たんだけど、最後の大ジャンプってCMとかで流れてなかった?う~ん…真偽は定かじゃないけど、'90年代の映画予告(TVロードショーの番宣かも?)って、こういうデリカシーの無いネタバレCMが多かったと思う。  さてマイケル(ジャクソン)の美しい主題歌と共にインパクトの強いこの作品、ファミリー向け作品に似合わない、怖格好いいマイケル(マドセン)と、怖怖いマイケル(アイアンサイド)が出てくる3大マイケル祭り。 マドセンの方はお決まりの“動じない男”を好演。一方アイアンサイド演じるダイアル社長。ウィリーが客を呼べるなら水族館の目玉にしようって、経営者なら普通の判断だし、アクシデントがなければ実際プールの改修をして、ウィリーは幸せに暮らしただろう。それよりもともと芸も出来ない大食らいのウイリーを、今までずっと生かしておいたのも、ダイアル社長、根は優しい人なんじゃないかな?って。水槽の破壊はもう一人の悪者ウェイドのアイデアだったし。 しかし殺し屋とかマフィアとかを演じてきたマイケルたちが『ファミリー向けのシャチの映画に出ませんか?』と言われて、承諾したところを想像すると、なんか微笑ましさを感じる。  分かる範囲でウィリー役のシャチは全部背びれが曲がっていたので、同じ個体かアニマトロニクスなんだろう。芸をしたり、口の中に手を入れて舌を撫でたり、どこまで本物か解らなかったのは正直凄いと思った。だけどウィリーを吊り上げての脱走劇、夜中から朝まで水槽から出しっぱなしで、山登って脱輪してって、計画が雑すぎる。実際あの程度の水(しかも真水)を掛けるだけで、シャチって生きられるの? モチャモチャしてる所でダイアル社長が出てきて、最後の最後に良い人ぶりを見せてくれるのを期待していたけど、普通に保険金狙いの悪い人だった。 さて、最後の大ジャンプに戻るけど、人間に飼われ続けたウィリーが、まだ見ぬ大海に飛び出すのって凄い勇気が必要なんだろう。それを、グレンたちに新しい里親に馴染むことが出来ないでいるジェシーが後押しする。信じて飛び込む勇気を持つよう、自分に言い聞かせているようだ。 エンディングの大海原を泳ぐシャチの群れとマイケルの“Will You Be There”が多幸感を増してくれる。  だけどでも、映画の後にウィリー役のケイコの話を読んで、何だかシュンとなってしまった。 オズの魔法使を観たあとにジュディ・ガーランドの過酷な人生を知ったときみたいに。 劣悪な環境の水族館のシャチを使って映画を撮って、また劣悪な環境に戻す。それが話題になったから莫大な費用を掛けて、無理やり野生に戻そうとする。 映画撮影からのこの一連の流れ、クジラとかシャチとか自然保護とか大好きなのは解るんだけど、全体的に、なんっっかズレてる気がしてならない。
[CS・衛星(字幕)] 5点(2022-08-22 23:37:22)
370.  今夜、ロマンス劇場で 《ネタバレ》 
素材は日本版・逆カラー・オブ・ハート。ローマの休日とニュー・シネマ・パラダイス&キネマの天地&蒲田行進曲で味付けして、最後はタイタニックも加えてと、なんだかいろんな映画が混ざった不思議な映画に感じました。 それでいてこの映画自体の味(素材の味みたいな)があまり感じられず、モト映画が感じられた途端に、この映画が薄っぺらい作品に思えて、拒絶感が出てくる。というのも解る気がします。  カラー・オブ・ハートを持ってくるなら、モノクロとカラーの違い、美雪の中の苦悩や不便さをもっと丁寧に書くとか出来たろうに、古い映画の登場人物って記号に使われるだけ。劇中雨を降らせてるから、私なんかは化粧が落ちるんじゃないか?と展開先読みしたけど、単に虹を出したかっただけだったり。化粧が落ちない説明も特にないくせに、ラムネこぼした時にアッサリ化粧が落ちたりとか、処理の甘さが目について、消化不良に感じてしまった。 他にも、美雪を演じた現実の女優さんは?とか、女優さんのことは健司気にならないの?とか、美雪が消えたあとの『お転婆姫と三獣士』の中身は?とか、フィルムを売るって話は?とかそういう素朴な疑問点を丁寧に書くのも、映画を面白くする要素に思えたんだけど、バッサリ割愛するんだもんなぁ… 北村一輝のキャラ(俊藤龍之介)はとっても面白くて、大物感やセリフの説得力、当時の映画業界の勢いと役者のスター性を感じられてとても良かった。もっとストーリーに絡んでほしかったし、何なら彼も“あっちの世界の人”にしてくれても良かったかも?  エンディングについて、健司と生涯を伴にしたって物語は、一般的なロマンス映画では選ばない選択だと思うのでとても良かったと思う。周りに『介助もしない遺産目当ての孫娘』と思わせるなんて。でも当然これってハッピーエンディングとは言えない、現実的に辛い道を選んだわけで、あの最後のシーンまでに、二人の間に気の遠くなる時間と、もどかしさがあったんだろうと想像されるのも、意外性があって良かった。 二人きりの病室で、美雪が消えて、健司が天寿を全うし、現実世界の二人の物語は終わります。ここで終わりなんです。  ここから先、みんな勢ぞろいの舞踏会は、アレあくまで健司が仕上げた“今夜、ロマンス劇場で”の脚本、創作なんですね。でもなんか『健司が死後に映画の世界に行って美雪と触れ合えた。』みたいに観えてしまいます。たしかに蛇足だ。 モトの結末(たぶん健司が劇場で美雪に触れて消える)から、社長の注文で『結末だけはハッピーエンドにしてくれ』と。 病床の健司が看護婦に話すお話も映画の脚本の話であり、本当の二人の物語は誰にも語ってません。ロマンス劇場の支配人もそうしたように。 あと私としては、舞踏会の劇場支配人は高峰節子(支配人が愛した女優)と手を繋いでいてほしかったな。 現実世界で生涯触れることの出来ない辛い道を選んだ健司にとって、脚本を完成させて、美雪との物語を人に観せるということは、二人の秘密を他人と共有することであり、二人だけの物語の終わりを意味しているから、いくらハッピーエンドに書き換えてるとは言え、ホンネはどう思っていたんだろ? この映画、素材自体がいい味出してると思います。もう少し丁寧に創っていれば、2010年代を代表する邦画の名作にもなったと思う。
[インターネット(邦画)] 6点(2022-08-21 14:42:13)
371.  さすらいかもめ 釧路の女 《ネタバレ》 
単純にタイトルに惹かれて登録申請してしまいました、すみません。 期待以上に'73年当時の釧路の風景を堪能できます。幣舞橋にはまだ乙女の四季像は置かれていなくって、当然フィッシャーマンズ・ワーフMOOも無い。そして何より人がいる。今は廃墟と言われている釧路市内を、ワラワラ人が歩いているのが凄い。後半チラッと阿寒湖温泉の商店街が映るのも嬉しい。 映画の性質上、恐らくゲリラ撮影だと思うし、観光名所をじっくり観せてくれるわけじゃないんだけど、ホンのちょっぴり当時のナマの生活感が感じられて、今としては貴重なフィルムになっていると思う。 由美が掛ける赤電話の先に、釧路しんくみの旧ビルと現存する電電公社の鉄塔。位置的に佐藤紙店辺りかなぁ?・・・なんて、釧路に思い入れのある方なら、多少観る価値があるかもしれません。そうでない方には・・・  内容はねぇ、何だこりゃ?って話。大作は許嫁の由美が居ながら純子を抱くくせに、由美が大作の夢の為に造船所の社長と寝ると大激怒。それも半分社長に騙されて抱かれたのに、由美が幸薄すぎてあんまりだ。でも愛想の悪い彼女にパブ勤めは不向き。上客の社長を放っぽって大作の来店にキャッキャしてる素人丸出し感。そりゃ社長もあんな仕返しするわな。 結局、大作も純子も由美も、最初より条件悪化して振り出しに戻る。そんな、北国東方最果ての街らしい、ジメッとした寂しい終わり方でした。  日活ロマンポルノってことで、お色気がメイン。当時はモザイクでなくボカシ(そういや映画の場合モザイクって使わないっけ??)。そのボカシの入り方が大きくて雑なのが面白い。今の基準だと“そこボカシ無くても何も観えなくない?”ってシーンでも入っているボカシ芸に関心。場面に合わせてボカシの色も変えてくる丁寧さ。枯れ草も徐々に見え始める大草原で絡み合う大作と純子。そこに色鮮やかなグリーンのボカシ。カメラが引くとボカシも薄れて消えていく。なんか“私はいま、ロマンポルノを観てるんだなぁ”って気持ちになる。それでいて蘭子(二條朱美)の豪快な脇毛。当時はそれで良かったのか??
[インターネット(邦画)] 4点(2022-08-20 10:54:22)
372.  ケープ・フィアー 《ネタバレ》 
-Cape Fear- “恐怖の岬”って地名。ノースカロライナ州にケープ・フィア川というのがあるみたいだけど。 マックス・ケイディに狙われる恐怖。映画館で葉巻をくゆらせて大笑いする大胆さ。告訴されないのを見抜いてサムの同僚の子に暴力をふるう卑劣さ。法律を逆手に取って、直接の暴力でなくじわじわと追い詰める知性。一方で3人の男に襲撃されて、不意打ちにも関わらず撃退して見せる強靭な体力。ケイディを恐怖の象徴として描くのに申し分ない前半戦だったと思う。  後半がガラッと変わって、取って付けのようなアクションになるのがちょっと、どうだろう。 カーセックとの深夜の対決までは緊張感があったけど、サムの家であそこまで直接行動に移すなら、あの場で決着を付けても良かったと思う。 尺稼ぎのようなサムの逃走劇。家があるニュージャージー州(ニューエセックス)からノースカロライナ州(※明記してないけど)まで、ケイディずっとあの姿勢で行ったと思うと、ちょっとコント。 最初の頃の知性と心理戦は影を潜め、結局は力技かぁ…都合よく大雨が降って雷鳴が鳴り響き、川はうねって豪華クルーザーが厚紙のように脆くも壊れていく。あの激流で船を捨てて川に飛び込んで、みんな無事な謎。う~んコント。  人気作ではほぼ幸の薄い役のジュリエット・ルイス。本作でも思春期真っ盛りな悲劇のヒロインを熱演。ケイディの指を舐める仕草と、直後の泣きながら走って逃げるシーンが印象的。 ロバート・デ・ニーロも無駄のない肉体で怪演。最期を悟って賛美歌を歌う不気味さ。沈みながら目で睨む執念。怖い。 余談だけどザ・シンプソンズにサイドショー・ボブってキャラがいて、自分を刑務所に入れたバートにこの映画のパロディで復讐しようとする。1回くらいならともかく、毎回ボブが出るたびにケープ・フィアーの音楽が流れて。そういう意味でもこの映画って、アメリカで人気があるんだろうなぁって思った。
[ビデオ(字幕)] 6点(2022-08-14 18:16:50)
373.  メンフィス・ベル(1990) 《ネタバレ》 
-Memphis Belle- “メンフィスいち美しい女の子”乗機B-17の名前。爆撃機には船の“ナントカ丸”みたく名前があるみたい。初視聴はレンタルビデオで、結構好きな映画なんだけど、辛口評価が多いんですねぇ。 B-17の実機が登場するのが目玉。B-17の銃座がどんな位置にあり、誰がどんな任務を担当したのか。そして昼間爆撃とはどんな任務か、どれくらい被害があったかが、この映画1本で解る仕組みになっている。  特撮はリアルとはいえないけど、一瞬で爆散するでなく、また数秒で墜落するでもなく、じわじわと悲惨な最後を遂げるB-17の姿。落ちる機中にも10人の若者が乗っていて、恐怖のなか死んでいく現実。そして最後、自機の車輪が出ないことでどんな惨状が待っているか、冒頭の機体炎上で観せるのも上手い。 戦争を舞台にした青春映画として、若者たちの生きるための精一杯の努力を描いていたと思う。いがみ合っている同士が見せる優しさ、イザという時に見せる勇気。ヴァルが医師の経歴詐称を暴露したり、ダニーが自作のでなくイェイツの詩を読んだことを暴露したりと人間臭い。  戦略爆撃には2通りがあって、ピンポイントで軍需工場とか軍港を爆撃する精密爆撃(敵国の軍事力破壊が目的)と、敵都市を無差別に爆撃する絨毯爆撃(敵国民の戦意喪失が目的)があって、メンフィス・ベルたちの任務は前者。 また当時の連合国はまだ絨毯爆撃はしてなくて(といっても劇中の数カ月後からバンバン落とす)、誤爆とか事故、故意に住宅地に落とした以外、映画のような描写、考え方であっていたと思う。 先導機のウインディ・シティ号が落ち、後任のCカップ号も戦線離脱して、メンフィス・ベル号が先導機に。もし2回目の旋回でも工場が見えなかったら『ここだ!(と思う)』で爆弾落としてたかもしれないし、誰も反対しなかっただろう。  偶然にも雲が晴れて、目標も映画もスッキリとした終わり方。戦争映画でスッキリって表現は違和感を感じるかもだけど、アメリカが創る第二次大戦を舞台にした映画って、戦争の悲惨さとかをテーマにした映画より、娯楽要素の強いドンパチ映画が多かったと思う。本作はイギリス主体で制作されたらしいけど。 メンフィス・ベルは古き良き戦争映画のスタイルに、爽やかな青春映画要素を組み入れた映画で、公開当時はまだ『ベトナム戦争映画は真面目に。第二次大戦は娯楽にして良い。』のような風潮があったように思う。なにせ第二次大戦の連合国は善で、ナチや日本は悪。特にアメリカの力で世界平和を勝ち取った戦争。と考えていたから。 '80年代以降ベトナム戦争のドロドロを描写した映画が増えて、なんか実際の戦争を娯楽にするのに抵抗感が生まれていったんだと思う。 空気を読まずに完全娯楽作として作られたパールハーバーが、戦争娯楽映画にとどめを刺した印象。
[ビデオ(字幕)] 7点(2022-08-14 16:28:47)
374.  大統領の陰謀 《ネタバレ》 
-All the President's Men- “全ては大統領の部下” ペンタゴン・ペーパーズを観てから、この映画を観たら時代背景とか人物描写とかを理解するのに深みが出るかなぁ?って軽い気持ちで見たところ、やっぱり皆さんと同じような感想を抱いてしまいました。。。 ウォーターゲート事件というと、フォレストガンプの『暗いビルの中で動く懐中電灯』のイメージくらいしか無く、そこが掘り下げられるかと思っていたら、そこは序の序でおしまい。調べるにつれ関係者がズルズル引きずり出される映画の構成から、不法侵入はあれ以上広げようがなかったのかもしれないけど。  やたらと飛び交う人名に大混乱。基礎知識があれば別かもだけど、私のようなポンコツには関係性の整理が難しく、かなり集中力を必要とする映画でした。 水曜の夜にトライして寝落ち。部屋を暗くしていたのが敗因かと思い、金曜に電気つけて再視聴の再寝落ち。舐めてました。日曜の昼になんとか観終わりました。集中してるつもりでもこんがらがってくるので、日曜は人名どんどんメモっていきましたよ。 コルソン、リディ、ミッチェル、ダーディス、バーカー、ダールバーグ、マグガバン、マグレガー、スタンズ、ディープ・スロート、スローン、ゴードン、ポーター、マグルーダー、シプリー、セグレッティ・・・ここにジョンとかモーリスとかケネスとかファーストネームが加わってもう無理!みんなもう誰も知らない人ばっかり!なんて休日だ! 列挙した名前が全部かどうかはアレだけど、これらの人々が“大統領の部下”であり、箝口令のためや、自分の保身の為に黙る人はいたけど、むしろ免罪符さえ与えれば、みんな話したい方なくらいに話してた印象。もちろん主役2人の話術と根気。ブラッドリー主幹の後押しと信頼。ディープ・スロートの裏情報(確認行為)があってこそだけど、大統領の為に黙る人は皆無だったような。  今の最新ニュースを伝えるテレビを横目に、明日の記事をタイプする2人。誰々がいつ捕まって~…。ここ詳しく知りたいけど、当時の人には常識過ぎて、この映画の見どころじゃなかったんだろう。 「え?あんな大物政治家がこの事件に?」なんて意外性を楽しむ映画でも無さそうな。 映画の前に人名や事件の概要を理解して、基礎知識パンパンに武装してみたら、より面白く観られるんだろうか? う~ん…ホント主役2人の記者としての情熱を味わう映画なんだろう。
[CS・衛星(字幕)] 5点(2022-08-08 22:57:07)
375.  ペンタゴン・ペーパーズ/最高機密文書 《ネタバレ》 
-The Post- “ワシントン・ポスト紙”の事です。“ザ・ポスト”で通じるくらい有名な新聞。“ワポ”とも呼ばれてるんだって。 この新聞社を名実ともに有名誌に祭り上げたスクープが、この『ペンタゴン・ペーパーズ』と『ウォーターゲート事件』。 ウォーター~は映画の題材としてよく使われて有名だけど、ペンタゴン~って?  国の最高機密文書を手に入れた新聞社。政府を敵に回してスクープを載せるべきか、安全を取るべきか。社主と編集主幹、記者たちの葛藤。実話ベースだけど、文字に起こすとなかなかドラマチックな展開が期待できる。だけど映画は起伏が少なく、物語が淡々と進行する印象を受ける。 ちょっと、スピルバーグ監督作品らしくないなぁ。なんて思って製作者の名前を見たら、脚本&製作総指揮ジョシュ・シンガーとあった。この人“スポットライト 世紀のスクープ”でも脚本と製作総指揮してた人だ。うん、スポットライトとよく似た観せ方の映画。シンガーのカラーがよく出た映画に思えた。  音楽はあのジョン・ウィリアムズだ。年齢も年齢だし、SWシリーズの続編を除けば、今の時点で最新のオリジナル映画音楽になる。 “あの”スピルバーグ。“あの”ジョン・ウィリアムズ。そして“あの”トム・ハンクスときた。こんな名前がバババーンと出たら、凄いエンターテインメント作品を期待したくなるもの。政府の圧力。忍び寄る怪しい影。裏切り。追跡。脅迫… そんなエンタメへの期待とは裏腹に手堅く真面目に作られた本作。シンガー味100%の本作を、どうにかして今映画にしたい。みんなに今観てほしい。そんな思いから、スピルバーグの名前を全面に出したんじゃないだろうか。 当時、何かあったのかな?2017年2月頃から制作が持ち上がったらしい。メディアの下馬評を覆してトランプが大統領になった(2016.11)直後だわ。 メディアが後押ししたヒラリーが負けた。下馬評、世論の後押しに乗っかって、自分たちで考えることを放棄したメディアの大敗。ジャーナリズムの根幹ってなんだろう?そんな疑問を世間に問う作品として、本作は作られたのかもしれない。信じるか信じないかはあなた次第です。
[CS・衛星(字幕)] 5点(2022-08-03 23:15:10)
376.  ビー・バップ・ハイスクール(1985) 《ネタバレ》 
-BE-BOP-ビバップは、モダンジャズの始まりのような形態で、即興・アドリブを入れた、従来の型にはまらない演奏方法…みたいに解釈しています。 さぁ始まった!と思ったらスタッフロールが流れて、まるでエンディングみたい。当時ヤンキー&ヤンキー予備軍に大人気だったこの作品、彼らが大人しくエンド・クレジットなんて観てるワケないんだから、初めにババっと流してしまうのは正解。 私の周りでも凄く流行ってました。原作は原作として、それとは別に映画は映画として、共に人気があったように記憶しています。 高校生の頃、友達の家でビデオ鑑賞会みたいになって、何作か観たと思う。腹に剣山仕込んだ悪者のシーン(他作品)と、絵の馬が暴れるの(これも他作品)を観た記憶はあるんですが、それ以外あんまり覚えていませんねぇ。  ケンカに明け暮れる2人とマドンナが、内容に似合わずハートフルな関係を築いていくのかと思っていたし、制服並べは可愛くも思える。だからこそあの誕生会のブチ壊し感は必要だったのか疑問(原作未読)。 前半こそ細かいエピソードの連続で、どこに注目して良いのか戸惑ったけど、戸塚水産高校との抗争に焦点が合わさると、このやり過ぎ感のあるケンカの連続に、不思議な安心感を覚えてしまった。 有名な電車からダイブ(テレビの特集で観た)。今日子の髪をナイフで切る(ハサミやカミソリでなくて良かった。けど、痛々しい…)。最後の乱戦(風雲たけし城みたい)。そもそも何で彼らは、ここまでの激しい抗争を始めたんだか(ほとんどケンカばかりで、そもそもの抗争のキッカケを忘れてる)…あれだけ派手にケンカして、両校に死者が出てないのも凄い。いや怪我人は凄まじいんだろうけど。  カンフー映画やハリウッドアクション、チャンバラとも違うケンカ映画。達人でも何でもない普通の不良がケンカしてる映像集。面白い映画かと言われると難しいんだけど、wikiの撮影裏話なんかと併せて観ると、色々考えさせられて、観て後悔は無いかも。
[インターネット(邦画)] 4点(2022-08-02 20:53:34)
377.  ミックス。 《ネタバレ》 
新垣結衣はとても可愛いけど、彼女の演じる富田多満子には全然魅力を感じない。まず萩原が過去の話をしている時の茶化し方が意地悪い。工事現場の昼休みに、自分の内面、妻と子への思い、他人に語らなくていい過去を話している相手に、あの態度はないだろう。アレでは江島の歓迎会を転倒でブチ壊したあと、庶務課の誰も片付けを手伝ってくれないのも解る。多満子が“良い子だけど幸薄い子”ではなく“腹黒い自己中な女”に観えてしまった。 ミックス解散の理由も自己中。他の2組を励まして大会に導くのが、フラワー卓球部部長(かな?経営者?)の努めだろうに。しかもわざわざ、大会当日に缶詰工場のシフト入れること無いじゃない。せめて次の仕事は月曜からにしようよ。 いくら強敵が少ないミックスという競技とは言え、そもそもあんな素人の付け焼き刃チームが、卓球雑誌の表紙になるような選手と同じ土俵で大会出場って出来るの?ある程度のレギュレーションってありそうだけど?復帰直後は凄い才能を見せた多満子も、なんか試合中はヘロヘロだったし。  萩原。あのポジションでいきなりキスは気持ち悪かった。観てる側は元妻と復縁した既婚男だと思っていたから、えぇ~~!?って。多満子も元妻と復縁するモンだと思って大会に付いていったと思うと、なんかなぁ、どうだろうなぁ。 それに面接の日に、あの髪型と髭のままはないだろう。大会に心が揺れていたというより、最初から面接行く気がなかったのか? 江島と愛莉のコンビって、結局本当に不仲だったのか、江島の作戦だったのか解らなかった。いや作戦ったって、格下のフラワー卓球部に、ねぇ。それだと性格悪すぎだよね。 最後卓球部が大人気になるのも、あの試合そこまで注目されてたの?って思ったし、かなり強引なハッピーエンドに思えたわ。  こういう最近の邦画を観ると、つい私も『出演陣が豪華です。』…って書いてしまうけど、本作のような軽いノリで楽しめる邦画って、だいたい出演陣は豪華なのに最近気がつきました。 日本映画界の厳しい台所事情を想像すると、『映画』だけで食べていくのは厳しい。メディアミックスと言えば聞こえは良いけど、特に若い俳優は“職業=映画俳優”だけでは難しく、まだ体力のあるテレビ局が制作する映画、テレビドラマの延長のような映画に、名の通った俳優たちが出てくるのは当然の結果なのかな。 コマーシャルで成り立つテレビ業界。出演俳優をコマーシャルの側面で考えると、“気さくな元ヤン院長夫人”を演じた広末涼子。“ガサツな中華料理屋の嫁”を演じた蒼井優が際立っていた。「彼女たち、こんな演技もできるんだぁ」という意味で。永野芽郁の“外面だけの嫌な女役”もだけど、彼女のイヤな女役は『半分、青い。』でもやってたっけ。 こういう映画の脇役で、自分の演技の幅広さを観せる。映画を俳優のコマーシャル目的に使うのも、一つの方法なんだろう。
[インターネット(邦画)] 4点(2022-07-31 21:26:15)
378.  ゴンドラ 《ネタバレ》 
風景がとっても綺麗なんだ。昭和末期の懐かしさもあるんだけど、「あ、この景色をもう少し観ていたいなぁ」って思ってたら、思いのほか長回しで観せてくれる。そのため、ゆったりとした気持ちで観ることが出来たわ。 初潮が来たのに頼れない母親。話題にもしない親子関係。1人で淡々とナプキンを買い、淡々と水着を洗う無表情の11歳が悲しすぎる。象徴的に視界を遮るブラインド。親子どちらも見たくないものは見ない、2人とも、都合の良いものだけを見るブラインドを持っている。 セリフがないから最初何を考えているか解らない窓拭きの青年と、孤独な少女。2人が出会い、再会し、夜の公園で語り、雨の夜に泊まり、2人きりの旅行へ・・・どう考えたって青年の不満が爆発するとかして、2人とも不幸な結末になることを想像してしまう。  地面に書いた楽譜を消す清掃車。メトロノームの音の奥で夫婦喧嘩。大好きな父親との思い出は、夫婦喧嘩の場面ばかり。夢の中のかがりは黄色のドレス。家庭も学校も現実がイヤすぎて、“もう無理”って意味の黄色信号なんだろう。黄色が象徴的に使われている。 良の優しい言葉に、最初しばらくはツンツンと不機嫌に答えていたのに、段々打ち解けて、良について次々質問するかがり。「青だよ」徐々に心も開いていく。かがりなりのお礼だろうか、良の海の話を絵に描くかがりが可愛らしい。無愛想に現金を渡してた子が、徐々に心を開いていく過程が丁寧に書かれている。グラスの水に広がる青い絵の具も、かがりの安心感や安らぎの現れかもしれない。 高熱を出したときも夫婦喧嘩していた両親。ここでは赤が使われている。母親の服装も赤。かがりの限界を超えたんだろうな。  〜※レビュー数が少ない作品にも関わらず、ここから先はかなりのネタバレを含むので、出来ればこの作品を観てから、読んでみて下さい。〜   東北の田舎で、良のお母さんが作った素朴なご飯をみんなで食べる。「この魚美味しい」こんな事言いそうにない子だと思ったのに。 不安の象徴だった蜘蛛が、ここでは良の実家を守っている。大きい浴衣でニコニコ笑顔。家の中が笑いに包まれて、観てるこちらの心もほぐされる。 山道や海岸を延々と歩く2人の映像。何のドラマも起きない、特にセリフもない時間だけど、すっごく心地よい。おにぎり美味しそう。 これさ、ラピュタ以降のジブリが何度もトライしている、リアル路線の完成形じゃないかな。伊藤監督というのか。長編映画初監督作品で、コレって凄いことだと思う。ノスタルジーの押しつけを感じない自然の心地よさ。  かがりの両親は最後、どうなったのかな。あの建物は何だろう?警察?裁判所?あのベンチの距離から2人の再婚は考えにくいから、かがりの親権を父親に譲ったのかな?って勝手に想像。 スクラップ・アンド・ビルドで建造物だらけの住みにくい都会。田舎を捨てて東京に集まっていく若者たち。廃れた田舎で以前のままの生活を続ける高齢者。若者の居なくなった学校は壊してそれっきり。そんな田舎で壊れたゴンドラを、別の壊れた船の板で直す良は、まるで父親との関係を修復しているようだ。 「もう帰るトコなんて無いの」から「帰りたくないなぁ」に。かがりの気持の変化が、セリフの少ない映像で充分に表現されていたと思う。 そんなかがりに良が送った言葉「どんど晴れ!」。「君が好きだ」とか「ずっと居て良いんだよ」とか「2人で頑張ろう」なんてありきたりの言葉でなく、『めでたし、めでたし。』って意味の方言。素晴らしいセンス、言葉のチョイスだと思う。 チーコを海に還して、かがりの心にも帰る田舎が出来た。だから東京に戻ってもきっと頑張れる。純真無垢な2人に私まで元気を貰えたわ。 さぁ明日から私も頑張ろう。
[インターネット(邦画)] 9点(2022-07-29 00:07:43)
379.  里見八犬伝(1983) 《ネタバレ》 
子供の頃CMを観て、「日本映画なのに凄いSF超大作が出来るんだな」って感心したっけ。英語の歌だったし。 初見はテレビだったけど、内容イマイチ覚えていないんだな。最後の決戦で宇宙刑事ギャバンの人があまりにアッサリ殺されて「えぇ!?八犬士弱っ!」って思ったっけ。そのシーン以外すっかり忘れて再鑑賞。記憶だけでレビュー書けば7点くらい付けてたかも?あの歌懐かしいし。  今観ると敵のアジトのセットも、当時のギャバンや戦隊モノの、ちょっと豪華(広い)なくらいかな。チープだけど、ああ観えて結構お金掛かってるし、当時のハリウッド娯楽作にも似たようなレベルのセットはあった。 問題は音。音楽と音響。場違いな軽い音楽と、アニメなんかでよく聞く「キュピーン!」とか「ズバァ!」とかって、有り物のワンパターンな効果音。あの音のせいでチープ感が増してると思ったね。ハリウッド作品は同じようなチープな特撮でも、音で迫力を出すこともある。  この映画のワクワク・ポイントが、静姫のもとに次々と八犬士たちが集まってくるところ。毛野と信乃&浜路の犬塚兄妹の背景は素晴らしかったけど、全体的にダラダラし過ぎ。洞窟にいた2人とか適当過ぎて扱いも雑。どうして1人子供なのかとか、説明があっても良さそうなものなのに。まだギャバンの人の方がキャラが立ってたわ。 第2のワクワク・ポイントが最終決戦。八犬士のカッコいい戦いっぷりに注目したいところ。少年ジャンプ黄金パターンで1人また1人と命を落としていく犬士たちだけど、ホント毛野と犬塚兄妹、あと道節くらいしか印象に残らない最後。136分の長時間なんだから、もっときちんと見せ場を創れたと思うんだけどな。岩を支えるのに犬士2人も使う贅沢仕様。う~ん…  テーマソングを丸々一曲使ったキスシーン…ってか、よく観たらラブシーンだったのね。顔のアップばかり延々流れる不思議な時間を堪能できる。 エンディングは爽やか。みんなの声が聞こえるジャンプっぽさも心地良い。走る馬の上で真田広之(JAC)と手を結ぶ薬師丸ひろ子(18歳のアイドル)凄い。あの状態であんな素敵な笑顔が出せるなんて、さすが一時代を築いた人だわ。
[地上波(邦画)] 5点(2022-07-27 00:32:18)
380.  7月4日に生まれて 《ネタバレ》 
-Born on the Fourth of July- 邦題まま。アメリカの独立記念日です。 アイドル俳優として人気の絶頂期だったトム・クルーズが、レインマンに続き本格的な俳優として一歩踏み出した作品。だけどうんち垂れ流して、家でペニスと叫ぶトムに、コッチの方向を期待していなかったトム・ファンにはショックが大きい作品だった。 そしてプラトーンで社会現象を起こしたオリバー・ストーン監督のベトナム戦争映画第2段。・・・夕日が映えるベトナムの戦場。透き通った星条旗。日が落ちたヘリポート。ストーン監督って、こんな綺麗な画も撮れたのねって感心した作品。  実在の人物がモデルだからアレだけど、レスリングのエースだったけど敗北したらアッサリと辞める。海兵隊募集の講話を聞いて速攻入隊を決意。母のためレスリングをして、母のため戦場であるベトナムを希望したようだ。自分の考えが無い若者なのかな。入隊のとき、あれだけ熱心に友達と議論してて、すごく立派なことを言ってたけど、自分が撃たれることなんて考えてなかった模様。アッサリ辞めたレスリングと違い、今度は一生車いすの生活。やり場のない怒りを母に向け、引いては国に向ける。間違った愛国心から間違った被害妄想を抱いたように思える。  すべてが満たされたアメリカから、自ら貧しい国ベトナムに行き、無関係の子供に死を与えた。そして自ら貧しい国メキシコに行き、売春婦から性の手解きを受けた。アメリカの独立記念日に生まれたロンが、母親の望む理想の子供から、そしてアメリカが望む理想の国民から、1人の男として、自分の考えを持って独立する物語…なんだけど、母親とアメリカの代わりに、自分を必要としてくれる反戦運動派(&結婚して片思いになってしまったドナ)に、依存先を変えただけにも観えてしまうのが残念。
[ビデオ(字幕)] 5点(2022-07-26 23:38:51)
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