21. 秋刀魚の味(1962)
駄目だ。分からん。なんでこの監督がこれほどまでに崇められているのか、さっぱりわからん。NASAの陰謀なのか。みんなスカラー波を浴びているのか……。確かに日本の古き良き時代を切り取った映画であり、「なんか懐かしいな」と若輩者の私にも感じさせてはくれるのだが――それだけなのである。テレビで流れていても不思議でないレベルではなかろうかとも思う。それとも自分の審美眼を疑うべきなのか。己の観客としての低俗さを嘆くべきなのか。もしかしたらもっと年をとれば分かるのだろうか……。私も早くこの映画の良さが分かる年になりたい。 と、以前評したのだけれど笠智衆が娘と我が身を想う心情と岩下志麻の美しさを今になってホンワカと思い返したのでプラス一点。 (ビデオ) 6点(2004-02-26 23:33:02) |
22. 愛に関する短いフィルム
盗み見や窃盗をする男に恋心を寄せる女の気が知れない――と思うのは 時間も場所も異なるが為に生じるが故なのかもしれないが。 本当の純愛は法律や道徳をも突き破るものなのか。 それならばストーカーやセクハラなる言葉が生まれた現在は純愛は生まれない。 そうだとするならば純粋な情念を消失せしめた現在は罪深い。 しかし、それでもこの男女の行動は受け入れることが出来ない。 (映画館) 6点(2004-02-26 23:32:47) |
23. 浮草
なんでそんなに絶賛されのだろう……。平々凡々な作品じゃないのかな。監督が死んでから持ち上げられすぎな気がするんだけれど。反面この作品の良さがわからない自分に落胆。くやしいです。まあ、自分が若いから幼稚だから面白さが分からないと考えて暫しの間、小津作品は観ないでおきます。封印です。 (ビデオ) 5点(2004-02-26 23:32:25)(良:1票) |
24. アカルイミライ
閉塞感に覆われた世界の中で少しも望みを掴めないでいる若者。明るい未来なんて個人個人で異なるものであり、一定の型なんてない。オダジョーにとってはあの場が「アカルイミライ」なのである。他の人にとってはそこに希望を見出せなくても……。監督の云わんとしていることは感じたつもりだし、描かれていることにも関心がある。しかし、駄目だ。受けつけない。この監督とはフィーリングが合わないのだろう。コアなファンに囲まれた中でオタク的な映画を作るのもいいが、この監督がドップリと大衆に迎合した映画を観てみたい気がする。 (ビデオ) 4点(2004-02-26 23:32:08) |
25. シベリア超特急
この映画に点をつけるのはかなり悩んだ。10点か0点で。映画界に侃侃諤諤を大論争を巻き起こした今作は「北京原人」と並んで世紀の傑作といえるであろう。幾星霜を越えて後、まだ話題にのぼるのであるのだから。しかし、翻って考えてみるとここまで「物語」の体をなしてない映画も稀有である。アームチェアディテクティブを演じる山下閣下はシックスセンスを持するが如くたちどころに犯人を当てていく――なんの調査もなしに。そこまで知っていたら被害者を救ってあげれば良かったのに、とおもわなくもない。ちんけなセット。場違いかともとれるかたせ梨乃。列車上での神業的な格闘。加えて最後の自己陶酔極まりないオチ……。そこで私ははたと気付く。こんなんでいいのなら自分でも映画を撮れるのではないか。そうか、これは今一歩勇気を出せないでいる映画監督予備軍への応援歌なのか、と。決して「マレーの虎」こと山下将軍と水野監督の容姿がクリソツだったことから発生した大仮装大会ではないのだと。まあ、どうこう考えても0点だけれども。 (ビデオ) 0点(2004-02-26 23:31:44)(良:2票) |