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もっつぁれらさんの口コミ一覧[この方をお気に入り登録する

プロフィール
コメント数 542
性別 男性

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21.  山の王者 《ネタバレ》 
まぁ、何と言うか、非の打ち所がないんじゃないかってくらいの、もう本当に良く出来た映画だと思います。 中でも特に凄いのが仮面舞踏会の後に起こった出来事が翌日に明かされるシーンなのですが、マーカスが家に帰った時に部屋の中で起きていた状況と翌日に交わされた会話を基に、観ている我々は真相を推理していくのですが、全ての台詞が伝わるわけではないというサイレント特有のディスアドバンテージを逆手に取って、凄くスリリングなシーンに仕上げているところがまずひとつ、そして、裏の部屋で話を聞いていたシリアに画面が移ったとき、カメラがズームアウトしてシリアの見つめるベッドが大きく映し出されたショットで推理の回答を提示するという、とってもニクい演出に痺れました。 誰に勧められる訳でもなく、自ら杯を重ねていったマーカスは自業自得と言えるでしょうけども、観ている我々としては、ここは広い心でもって彼の悔いる気持ちを受け入れたいところ。 また、スリリングと言えば、最後の二人が追い詰められるシーンも緊迫感があって食い入るように見てしまいましたし、神に祈りを捧げ雪崩に向かって歩を進める二人の後ろ姿はもう涙が出てしまう程です。 “人は誰でも過ちを犯すもの”このように言えるくらいの寛大さがあれば、やはり傑作と言える作品だと思います。
[映画館(字幕)] 9点(2011-08-02 00:09:02)
22.  キートンのセブン・チャンス 《ネタバレ》 
相変わらず大勢の追っ手からひたすら逃げまくっているキートン。逃走中はいつもいろんな危機が彼を襲うのだけど、本当によくここまでそのアイディアが出てくるものだなぁと感心させられてしまいます。 前半での結婚相手を探すシークエンスは、あのように手当たり次第に求婚し片っ端から振られてゆく姿は本当ならば笑えるシーンなのでしょうけども、自分も30代で未だ独身の身でありますので、素直に笑えないところでもありました。 最初の方で、メアリーがキートンに向けて書いた手紙が「他の人と結婚すればいいわ」と書いておきながらその後で「今日は1日家にいます」と、心がまだ離れていないのを遠回しに伝えようとするのが洒落ていて良かったですね。 それよりも、凄いのはやはり後半の怒涛の逃げ回るシーンでしょう。キートンがぶら下がっているクレーンを追いかけてきた女が操縦し、死んでしまったと思われていたところにキートンが彼女らの目の前にノコノコと現れたところで笑ってしまったのですが、このちょっと前で、これは自分だけかもしれませんが、キートンを死なせてしまって悲しんでいたときの女の台詞「You've killed him.」の日本語字幕が「やだ、死んじゃったわ」と軽い感じの表現だったのも面白かったです。 序盤で出てきた犬が最後に再び登場して、仕上げのオチをバッチリと可愛らしく決めてくれていたのもGood!
[映画館(字幕)] 8点(2011-08-01 10:53:56)
23.  イタリア麦の帽子 《ネタバレ》 
非常に珍しく入手するのが困難な「イタリア麦の帽子」を巡るアイディアが凄く面白い。 このストーリーは、手に入れるのが難しいものなら何でも、そのアイディア一発で映画が作れてしまいそうなだけに、このアイディアをパクった作品が後世に作られてもおかしくなさそうですが、リメイクも含めて意外と存在しないそうですので、これは今からでも遅くはない、是非ともリメイク作品を作って欲しいところです。 麦の帽子以外でも、手袋やブーツを生かしたコメディアスなサブプロットも上手い具合に効いていたり、他にも傘・ネクタイ・補聴器・置時計など使われた小物は沢山あって、いろいろな場面で楽しさが感じられる作品だと思います。 我々日本人にはわかりにくいですけど、帽子というのは当時のフランス人にとって非常に大事なアイテムなんだなというのが良く分かる映画です。
[映画館(字幕)] 8点(2011-07-31 01:40:13)
24.  サンライズ 《ネタバレ》 
幸せだった夫婦が一人の女によって壊されてゆくという、なかなかシンプルなストーリーなのですが、このような普遍的とも言える定番作品は自分にとってかなりツボです。 自分が映画で楽しみを見出すのは、ベタなストーリーを映像のテクニックや演出、ストーリー構成や人物設定、シチュエーションなどによって如何に上手く見せているかというところに尽きるわけで、変に捻ったストーリーよりもこの映画で見られるような登場人物の心理を丹念に描く形でストーリーが進んでいくものの方が面白く感じられます。 この映画は、前半の教会から出たところまではもう素晴らしいと言うしかなく、特に街に出てきたときに、夫が妻に許しを請うところと妻が少しずつ警戒心を解いていく一連のシークエンスは、もう完璧と言ってしまえるほどの見事な描写です。道のど真ん中で交通渋滞なんかお構いなしに熱いキスを交わしているシーンの後の二人が並んで歩くショットでハッピーエンドだったら素敵だなぁと思っていたのですが、その後にやや長めの息抜きがあって、この落差はちょっと勿体無かったなぁと感じました。 後半の大波にさらわれるシーンも大迫力で、こちらもまた筆舌に尽くし難いほどの名シーンなのですが、その後に妻が助かるシーンを挿入してしまったことで、妻が生きていたことの喜びが半減してしまったような気がしましたが、二人が再会した時の幸せそうな表情が良かったですし、ラストの美しい“サンライズ”ショットも、紆余曲折あった夫婦が再出発するという意味も含んでいるようで、とても感動的なエンディングでした。
[映画館(字幕)] 8点(2011-07-31 00:33:44)
25.  十誡(1923) 《ネタバレ》 
前半は史劇、後半は現代劇という構成になっていたのは驚きました。 自分としては、前半の史劇の方を130分観たかったというのが正直な印象。 海を切り開くシーンや炎の壁を作るシーンなどは、今の映画と比べるとやはりちゃっちぃくて迫力に欠けるところはあるものの、モーゼの圧倒的な存在感や物語に漂う荘厳な雰囲気は大好きです。 後半の偽装建築の話は、今の日本人からすれば先見の明があるなぁと感じる人も多いと思いますし、終盤近く、カーテンの傍にいる女を銃で撃つシーンは、ヒッチコックのあの有名なシーンの“はしり”ですね。 まさか、ヒッチコックよりも先に、しかも40年近くも前に先に使われていたなんて衝撃でした。
[映画館(字幕)] 6点(2011-06-05 11:39:12)(良:1票)
26.  キートン西部成金 《ネタバレ》 
前半はハッキリ言って面白いところはさほどないです。 いつものコメディにキレがない感じですが、前半からキートンお得意の動物を自在に操るシーンがいくつか出て来たりと、それなりには楽しむことが出来ます。 面白いのは後半からで、いつもの通りキートンが追いかけられるのがお決まりのパターンですが、今回は牛の大群に追いかけ回されるという怒涛の展開が凄い! ここは確実にいつも以上の迫力で逃げ回っているため、絶対に必見のシーンでしょう。 また、馬の背中からの映像も出て来たりと、撮影に対しての探究心や試行錯誤が垣間見られるところもGoodですし、ラストのキートンの勘違いっぷりも面白かったです。
[映画館(字幕)] 7点(2011-04-26 01:20:00)
27.  天罰 《ネタバレ》 
これは恐ろしくも悲しい映画。 それと同時に、サイレントならではの表現を堪能できる面白い映画です。 あくまで個人的な意見ですが、サイレントはトーキー以上に映像から伝わってくるものが多く、また、ワンショットごとの映像のインパクトも後世の映画と比べるとやはり大きいのではないかと思います。 特に、ロン・チェイニーが出てくる映画になると絶対に書かなくてはいけないのが、何と言ってもまず、あの凄みのある表情。まさに、この映画の通りサタンの化身であるかのような風貌はインパクト絶大です。そんな男がピアノを弾いたりするもんだから、かえって凄みが増すし、「死の歌」なんてピアノの旋律だけで彼女が殺されてしまうんじゃないかとまで思ってしまうほどで、ここは本当に恐怖に満ちたワンシーンです。 他にもピアノを弾くシーンが2回ほど出てきますが、音が聞こえてこないだけに想像力がいつも以上に働いてしまい、サイレント特有の余計に怖さが伝わってくるような錯覚を覚えます。 また、暖炉のギミックや小窓から覗くために懸垂をしながら上に昇っていくシーンも目を引いてこれまた面白いし、その時にカメラもそれを追って上方向に移動していったのが室内撮影では珍しいなと思い、ここはちょっと不思議な感覚があります。 ところで、Penaltyとは、また何という皮肉だろう。 街を支配しようと考えたのは脚を失ったことと因果がある為で、彼に非があるとは当然言える訳もない。脳を手術したことで善人になり、過去を悔い改める気持ちが芽生えてきたということか?などと考える以外に答えが出てきません。 新たな人生の一歩を踏み出した矢先の悲劇。撃たれた理由もわからずに死んでいってしまい、今までにないくらい胸が痛む思いがしました。
[映画館(字幕)] 8点(2011-01-09 00:13:28)(良:1票)
28.  鉄仮面 《ネタバレ》 
ダグラス・フェアバンクスが出てくる映画ではどうしても彼の超人的な身のこなしや相手を圧倒する剣術を期待してしまうのですが、今回はそういった彼の特長が出たシーンがちょっと少なかったので、やや物足りなさがあった気がしました。 しかしストーリーはやはり面白く、一時解散してはなればなれになった後に王の一大事で再び4人が集結して力を合わせるところなんかは気分が高揚してきますし、王が双子だとわかるまでのシークエンスで、背後から様子を探っていき過去の記憶を繋ぎ合わせるところなんかちょっとしたサスペンスの雰囲気も出ていて見応え十分でしょう。 最後まで見ると、4銃士とヒロインがみんな死んでしまって寂しい感じがあり、しかも双子の片割れの方も最後は幽閉されてしまって生まれながらにして悪者のままで生涯を終えてしまうので、ちょっと可哀想だなという気もします。 一番好きなのは何だかんだ言って冒頭のキスシーンなんですが、上から籠を貸してもらうところがちょっとルビッチっぽい感じで面白かったです。現代のように路チューなんて考えられない時代ですからね。人目のないところを探す一連のシークエンスなんかを見ると、いい時代だなぁと思います。 〔澤登翠さんの活弁付きで鑑賞〕★通算300レビュー★
[映画館(吹替)] 7点(2011-01-08 21:22:54)
29.  魔術師(1926) 《ネタバレ》 
「人を創造してこそ魔術である」と言ったからには、ちゃんと人造人間を作って欲しかったところ。 マッドドクターが登場する映画は他にも観たことがありますが、風貌・目力ともにややインパクトに欠けるような印象で、しかも“いつの間にか”ヒロインをさらわれてしまったりと、特に怖さを感じることはなかったように思います。(しかも、なんで薬剤師?) それよりも、序盤に出てきた手術のシーンのあのギャラリーの多いこと。あんな手術室があること自体驚愕だし、メスを執る方も変なプレッシャーがかかるっつうの。 ある意味、このシーンが一番衝撃的でした。
[映画館(字幕)] 6点(2010-12-31 18:22:58)
30.  荒武者キートン 《ネタバレ》 
冒頭からいきなりシリアスな殺し合いのシーンで少々面食らいましたが、暫くするといつものようにキートンが出てきてくれたのでホッとしました。 時代を感じさせる列車での移動は、犬にも追い抜かれる程のゆっくりとしたスピードで(健気に追いかけてくる犬がまた可愛い)、しかもロバが線路で邪魔をしていたりトンネルの中を牛が散歩をしていたり、おまけに線路から外れても何事もなかったかのように普通に走ったりしていて、線路敷く意味あるのか?とツッコミを入れたくなるような場面もあったりと、冒頭の殺伐とした雰囲気から一転、いい世の中だなぁと何だかとてもほのぼのとした気分にさせられました。また、男女カップルにとってはあの完全個室とも言えるワゴンで旅をするのもいいものでしょうな。 食事に招かれたシーンでは、省略されてしまって何も起きなくて残念でしたが、やはりこの映画のメインはどなたも書かれている通り、ラストの救出シーンだと思います。 このシーンがどれだけ凄いかは、女が落ちる瞬間とキートンが飛び出すタイミングを計るのに一体どれだけのテイクを重ねたのだろうと少しでも考えることがあれば、いとも簡単にわかるのではないでしょうか。 おまけに、キートンが腰を軸にして吊られているため、腰痛にならないかと心配になってしまい、それでも続々と今作の後にも映画を作っているわけですから、いろんな意味で凄い人だなぁと思いました。
[映画館(字幕)] 6点(2010-12-20 00:08:45)
31.  キートンの空中結婚 《ネタバレ》 
あんな3つに分かれたカヌーなんかで乗れるわけないじゃないか?と思ったら、やはり案の定でしたね。てか、墜落した場所に何でカヌーが落ちてるのか意味ワカラン。 ついでに、アミューズメントパークで女性と舟に乗って戻ってきた時にキートンの片目に青アザができてたのですが、これも意味ワカラン。 この映画では色々な動物が顔を出しますが、中でも熊が見ていて面白い。ただ人懐っこいだけかもしれませんが。水牛と睨み合いをしている時もドキドキしますし、ヒロイン役の女性があんなことをやっているのが凄い。 ついでに、ラストの滝の絶壁に近づいていくときもドキドキハラハラ感がありますが、このシーンは下手なサスペンス映画なんかを見るよりずっとドキドキするんじゃないかな?
[映画館(字幕なし「原語」)] 6点(2010-12-18 14:54:59)
32.  キートンの鍛冶屋 《ネタバレ》 
この映画のメインは、車をハチャメチャに壊したりする様を楽しむところにあるのかもしれないですが、自分にとってはあまり面白いとは思えませんでした。 キートン自身が他人の物を壊したりするよりも、キートンが濡れ衣を着せられて追い掛け回されたり、間一髪であれよあれよと難を逃れたりする方が素直に楽しめるような気がします。 最初の方に出てきた馬の蹄をつけるシーンで、馬に鏡を見せて品定めをしてもらう時の馬の演技が可愛くて可笑しかったです。
[映画館(字幕)] 5点(2010-12-17 23:45:55)
33.  幕間 《ネタバレ》 
最初からシュールレアリズム映画だと知ってて観ていれば、素直に入っていけたと思うのですが、何か突拍子もないものを観てしまったように思いました。 ストーリーはあってないようなもの、というのではなく、ない。これは間違いない。 後半辺りから少し繋がってきてはいるけども、最初の方は一貫性のないただの映像の羅列のような感じ。 カメラを傾けたりスローにしたり逆回しにしたりと、色々なことをやっていて、移動中の空の映像を高速で映しているシーンなんて、何だか一つの絵が浮かび上がってくるんじゃないかっていう感覚も湧いてくるのですが、実はクレール本人もそれにチャレンジしてるのかもという気がしてきます。 最後、パッとFINの文字が出て、あ~こんな終わり方なんだ・・・と思っていたら、そういう“映像”ではなく、白い紙にFINと書かれていただけで、その紙を破って画面の向こう側から人が出てきたのが意表を付かれた感じで面白かったです。 チープでちゃっちい演出なんだけど、俺の見たことのない映像ってまだまだあるなぁと、映画の世界の広さを思い知らされたような気がしました。
[映画館(字幕)] 6点(2010-12-17 22:53:49)
34.  キートンの警官騒動 《ネタバレ》 
好きな女性に「実業家として成功するまで結婚しない」と言われていましたが、結局なれず終いでエンディングを迎えてしまっていたのが残念だったかなと思います。ラストはキートンが自分で鍵を開けて、出てきた警官たちに捕まり建物の中に入っていってThe Endだったのですが、やや解釈に悩むラストでした。 前半は馬が可愛かったというくらいで、特に面白い箇所はなかったと思いますが、後半はお得意の逃げ回るシーンの大勢の警官とその行進を見に来た見物客の多さを見て、スケールでかッ!超大作じゃん!とか思いました(笑)。 相変わらず、キートンの身のこなしは今作もやはり抜群で、特に梯子をシーソーのように操るアクションは、クライマックスである逃げ回るシーンの中でも一番の見どころのシーンだと思います。 それと、小学生の頃に割り箸と輪ゴムだけで作ったパンチングマシーンを思い出させてもらったりして、自分としては懐かしい気分にもなれてしまう良作なのでした(^_^)
[映画館(字幕)] 7点(2010-12-14 01:37:03)
35.  ダグラスの海賊 《ネタバレ》 
この映画、カラーでありながらサイレントという超が付くほどのレア物だという噂だったのですが、自分が観たのは思いっきりモノクロでした。しかも、フィルムの状態もどちらかと言えば悪い方で、人物の細かな表情なども読み取り辛い時もあった程です。 他のレビューサイトを見ると、確かにカラーver.が実在しているようですね。一度お目にかかりたいものです。 さて本作品ですが、自分が期待していた主役ダグラス・フェアバンクスの快刀乱麻を断つが如くのシーンがほとんど出てこない。出てきたのは、最初の海賊の親分と剣で勝負するシーンのみで、後半の方になってオマケ程度に格闘シーンが出てくるだけ。人を殺めることで父親の復讐をするのはストーリー構成上確かに良くないですが、あれだけ多くの海賊がいただけに、少々物足りなさがありました。 この映画の見どころはそのような格闘シーンなどではなく、ダグラスが1人で船に乗り込んで瞬く間に船ごと陥落させてしまう手際の良さや、策を巡らして王女を救い出そうとする頭脳プレーにあるのだと思います。 それと、船の前後だけが高くなっていていかにもバランスの悪そうな昔の海賊船が見れたりするのも貴重な体験ですね。(ディズニーランドですらあんな船見れないって^^)
[映画館(字幕)] 7点(2010-09-20 22:58:33)
36.  奇傑ゾロ 《ネタバレ》 
これはもはや、単なる勧善懲悪の活劇という代物ではないと言えるのではないでしょうか。 相手を“いなす”ようなソードアクションの格好良さは言うまでもなく、ちょっとした小物使いやラブシーンなど、至るところにおいても完成度の高さを感じさせる作品に仕上がっていると思います。 何よりも一番魅かれたのが、ロリータ嬢を間一髪で救うシーン。 好きでもない男に抱き寄せられ絶体絶命のピンチを救い出してくれ、しかもその男に謝らせて所持品ごと追い出してくれてしまったとなれば、これはもう女としては惚れないはずがないわけで、そして更に「危うく奪われるところだった私の唇は、もう貴方のものです」という、男なら卒倒必至の文句で応酬するこのシーンは自分映画史上3本の指に入るくらいの名ラブシーンです。 この映画の主役ダグラス・フェアバンクスは、サイレントで声が聞こえないにもかかわらず、喋り方をも演じ分けてしまうような超絶テクニックには脱帽ですし、また、「マスク・オブ・ゾロ」とか「レジェンド・オブ・ゾロ」もいいですが、印という意味の「Mark of Zorro」もまた、ストーリーを上手く汲んでいて格好良いタイトルだなぁと思いました。 ゾロの映画を観るのはこれが初ですが、後継作品にも是非トライしたいです。
[映画館(字幕)] 9点(2010-09-15 01:06:49)
37.  海底王キートン 《ネタバレ》 
チャップリンの映画になくてキートンの映画にあるものと言えば、主演女優とのドタバタの連係プレーですが、この映画でも女優キャサリン・マクガイアとの共演により非常に完成度の高いコメディ作品に仕上がっていると思います。 いつもの事ながら、共演している女優がウッカリ者でおっちょこちょいで、キートンの足を引っ張ってばかりというお決まりの役柄なのですが、いつものようにこれがまた面白い。 ギャグの一つ一つも面白かったと思うのですが、それにも劣らず、序盤での二人の追いかけっこしているシーンとか、その少し前のお互いの存在を察知するくだりなんかは、ちょっとしたメロドラマなんかに出てきそうな演出で、コメディ以外の要素でも楽しめるポイントがあったと思います。 火のついた煙草で女は他に人がいることに気づき(煙草で連想されるのは男)、人を呼ぶ声で男はその存在を知る。何とお洒落なすれ違いだろう。 映画の後半は水中撮影を行ったり、人食い人種(何で見ただけでわかるんだ??)役の大勢のエキストラを使ったりと大変な労力を注いでいるところをみると、キートンの映画製作に対する情熱が伝わってくるような印象です。 最後、海の中に沈んでいってしまうのかと思いきや、潜水艦の上に乗っかって再び上がってくるというお決まりのパターンはこの映画がオリジナルだったりするのかも。
[映画館(字幕)] 8点(2010-06-17 23:45:06)
38.  キートンの大学生 《ネタバレ》 
一番面白かったのが、キートンが胴上げされるシーンだったのですが、傘をパラシュートのように使うと映像がスローモーションになるところが妙に可笑しく感じられてしまったんですけど、あれって何ででしょうかねぇ?? ストーリーの中の一つ一つのギャグはさほど面白いと感じられるものはないのですが、前半のあのダメっぷりは一体何だったんだと言わんばかりの後半のキレキレ具合は脱帽モノでしょう。 ギャグっていうのは、映画だろうと漫才だろうと何でも同じだと思うのですが、先に観客に読まれてはダメで、例えばこの映画に関して言えば、砲丸を持ったり助走をつけたりして、ここでギャグが出るんだろうなと先読みされるものばかり。だから笑いが生まれない。先読みされる可能性がある場合は、それを超えなければ面白さが出てこないということを作り手は知っていなければいけない。この映画の大半のギャグが観客が想定できる程度のものしか出てこなかった。 ところが、映画の最後の方で、監禁された恋人を助けに部屋に乗り込み格闘するシーンがありましたが、相手から物を投げてきてそれを棒をバットのようにして打ち返したところで場内みんな大爆笑だったのですが、このように観客が予測もつかないことをやるからこそ、そこに笑いが発生するのだと思います。
[映画館(字幕)] 6点(2010-06-12 15:35:11)
39.  キートンの探偵学入門 《ネタバレ》 
コメディ映画でバナナの皮といえばこれはもう100%、ただの一つの例外もなく滑って転ぶ人がいて、今までに数多くの足を滑らす人を見てきましたが、あそこまで大胆に宙を舞う人もキートンくらいなもんです。ベタ過ぎるくらいベタなギャグですが、そのクオリティが非常に高い(笑)! また、現実から夢の世界へ入り込んで、その中で物語が繰り広げられるという映画もまた、今までにいくつも観てきましたが、夢の中で話が進んでいる事を忘れてしまったのは今回が初めてです。つまり、それほど面白かった。 一番好きなのが、キートンがシャーロック・ジュニアに扮するシークエンスで、ビリヤードのシーンにはハラハラドキドキさせられます。結局、ビリヤード台の上の13番は仕掛けのないただの13番で、拍子抜けさせられたと思った瞬間に斧がズバッと落ちてきたりする絶妙の間が最高。 後半のほうで、バイクに乗せてもらって逃げるシーンが出てきましたが、運転手を振り落としてそれに気づかず暴走してしまうのってよく考えたら凄くスリル満点のシーンの筈なのに、キートンがやると何故か安心して見れちゃうから凄い不思議。彼自身の芸のクオリティが上がれば上がるほどつまらなく見えてしまって、ちょっと可哀想ですよ。 他にも、行商のおばさんにかくまってもらったり、映画館のスクリーンの中に入って行ってしまったりと、思わず目を見張ってしまうシーンは他にもいろいろあって、全編通じて楽しめる作品だと思います。 あと、サイレント映画全盛期の映画館の雰囲気も見ることが出来たりと、結構貴重な映画ですね。
[映画館(字幕)] 8点(2010-06-11 00:13:13)(良:3票)
40.  つばさ 《ネタバレ》 
現代の映画はこの映画で見せた迫力を凌駕することが出来るのだろうか。 近年のアクション映画は全くと言っていいほど観ていませんが、この映画はとにかく空中撮影が凄い。本当に人がいるところに爆弾を投下したり、ミサイルを受けた飛行機が黒煙を上げて飛んでいたりといった、リアリティ溢れる映像には頭が下がります。1927年の当時にしては凄いというのではなく、CGもない当時だからこそ凄いのだと思います。麟歌さんの仰る通り、CGで編集が出来ない→本当にやるしかない→つまり、リアルという図式が成立。 また、人間関係を描いたストーリーに着目しても面白い。固い絆で結ばれた男たちの間に誤解が生じ、誤解が解けぬまま死別してしまうなんて、凄くありきたりで定番だけど解りやすくて好きだし、反戦のメッセージが込められているところなんかも感心してしまいます。 相手の飛行機を奪って自陣に帰還しようとしたら味方に追いかけられたなんてネタ、チャップリンがやったら大爆笑必至と思うけどなぁ~。 〔澤登翠さんの活弁&伴奏付きで鑑賞〕
[映画館(吹替)] 7点(2010-06-05 16:49:19)
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