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 > にじばぶ さんの口コミ一覧。2ページ目
にじばぶさんの口コミ一覧[この方をお気に入り登録する

プロフィール
コメント数 3228
性別 男性
自己紹介 監督別鑑賞作品数

成瀨巳喜男 69
溝口健二 34
川島雄三 40
小津安二郎 37
石井輝男 24
豊田四郎 19
石井岳龍 18
矢崎仁司 12
西川美和 8
山下敦弘 15
今泉力哉 21
フェデリコ・フェリーニ 24
ミケランジェロ・アントニオーニ 14
ピエル・パオロ・パゾリーニ 16
ルキノ・ヴィスコンティ 17
ジャン=リュック・ゴダール 34
フランソワ・トリュフォー 24
ルイ・マル 17
ジャン・ルノワール 15
ジャック・ベッケル 13
ジャン=ピエール・メルヴィル 11
ロベール・ブレッソン 12
イングマール・ベルイマン 27
アルフレッド・ヒッチコック 53
ジム・ジャームッシュ 15
ホウ・シャオシェン 19
ウォン・カーウァイ 14
ジャ・ジャンクー 9

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21.  宵闇真珠 《ネタバレ》 
宵闇に佇む真珠の首飾りの少女。 その肌は限りなく美しい。 夢心地な美しさ。  正確にはクリストファー・ドイルが美しく撮った。 クリストファー・ドイルだからこそ、ここまで美しく撮る事ができた。  同じくクリストファー・ドイルが撮影を担当した、私の大好きな映画『地球で最後のふたり』を彷彿とさせるストーリー。 幻想であったかと思わせるラスト。 その全てが愛おしく、そして心地よい。  ついにクリストファー・ドイルも、その映像美を極め、キャリアの頂点に達したか。  また一つ、宝物の様な映画と巡り会うことができました。
[インターネット(字幕)] 9点(2020-10-27 20:19:07)
22.  mellow メロウ 《ネタバレ》 
「好きです」と伝える事の大切さ。 だけどそれは、とても勇気がいる行動。 フラれたら怖いし、とっても勇気がいるけど「好きです」って伝えようよ! そんなメッセージが強く、そしてシンプルに伝わってくる映画です。  好きな相手に「好きです」と言う勇気がなくて悩んでいる人、この映画を見ている人たちの中にもきっといるはずです。 そんな人たちを応援してくれる映画、とっても勇気をもらえる映画です。 勇気をもらえる映画って、そうはないです。 そういう意味で、この映画はとても貴重であり、とっても魅力的な映画ですね。 あれこれ理由をつけて悩んでないで「好きです」って言っちゃいなよ! まるでそんな監督の声が聞こえてくるかのようです。  街中華屋を一人で切り盛りしている女の子を岡崎紗絵が演じています。 この映画で初めて知った女優さんですが、とにかくかわいいです、好きになってしまいました。 岡崎紗絵に実際に会って「好きです」と伝えたくなりました、、いや、それはさすが無理だしアブナイ人になっちゃうか。  この中華屋さんは繁盛していないのですが、そんなバカな事があるもんかい! こんなかわいい子が一人で中華屋をやっていたら、野郎どもがわんさか押し寄せて繁盛するに決まっているじゃないか! もちろんラーメン目当てではなく彼女目当てで。  田中圭が岡崎紗絵からラブレターをもらい告白されるが、これにはとにかく嫉妬した。 映画の中での話と分かっているのに本気で嫉妬した。 そんな私は頭がおかしいのかもしれないけど、この映画で岡崎紗絵を好きになってしまったのだから仕方ない。 そんだけこの今泉ワールドに引き込まれ、感情移入した証です。  今泉監督が岡崎紗絵をヒロインに抜擢したのが素晴らしい。 本作の内容もさることながら、今泉監督のキャスティングセンスに脱帽です。
[インターネット(邦画)] 9点(2020-09-11 01:08:26)(良:2票)
23.  知らない、ふたり 《ネタバレ》 
今泉監督に降参!参った! これは面白い。 レオンが最初に登場した時、なんだこのカッコつけた野郎は!と思って見ていたけど、終わってみると凄い良い奴に見えたりして、ハイ、わたし単純です。  時間軸がいったりきたりするのは『運命じゃない人』を思い起こさせるが、これが実に効果的。 イケメン揃いの為、男性陣の見分けがつきにくく、人物相関に関して少々混乱する部分はあったものの、なんとか話についていった。  でもそれはラストシーンでレオンの表情が一気に明るく変化するところで消し飛んだ。 あれは良いラストシーンだなぁ。 これは良い映画だ!見て良かった!と思えた。 ついでにエンディングソングも良い!  これから遅らばせながら、今泉監督の作品をどんどん見ていくつもりです。 素晴らしい監督に出会えて良かった。  男女の出会い、一目惚れ、もとさや、色んな要素が奥深く表現されていて、とっても魅力的な作品でした。
[インターネット(邦画)] 9点(2020-08-30 01:31:34)(良:2票)
24.  パイラン 《ネタバレ》 
たぶん人生で一番泣いた映画。 主人公の男に、どれだけ感情移入できるかが鍵。  ろくでもない人生を送ってきた男で、しかも大事な女性がいる男なら、きっと感情移入できるに違いない。 観終えた後、しばらく涙が止まらなかった。 ただただ働き者で、真っ直ぐな女性。 そんな女性が自分より先に死んでしまったら・・・  しかし残酷だなぁ、この話。 女性の人生も哀しいけど、男はある意味、もっと不憫。 女性と向き合えたのが、女性が死んだ後という始末。 これじゃ、どうにもできない。 自分を想ってくれたこの女性に、人生を捧げようにも不可能なのだから。  私はこの映画を観終えて、大切な女性との時間を大事にしたいと思った。 心から、そう思った。 そう思わせるだけのパワーがある。 こんだけ打撃をくらう映画は、そうはない。
[DVD(字幕)] 9点(2016-07-04 09:23:33)
25.  幸福の黄色いハンカチ
結末は知っていたけど、それでも泣けた。 私には家族がいるからこそ、余計に泣けた。 家族を持った後、この映画に出会えたことが、より感動を強めた。  やはり最後は理解ある妻の存在か。 これからもっと上さんを大切にしなければ、と身がひきしまる思い。
[CS・衛星(邦画)] 9点(2013-06-15 15:56:24)(良:1票)
26.  劇場版 フランダースの犬
この作品は、私に生きる喜びを与えてくれた。 そして正直に生きることの尊さ、“人類の友”としての犬の存在の大きさ、それを教えてくれた。  ラストは特に秀逸。 言葉には現せない感動。 感動し過ぎて、涙を流すというよりも、茫然としてしまった。  紛れもなく、私が今までに観てきたアニメ映画の中でNo1。 隠れたる、最高峰のアニメ映画を発見でき、観ることのできた喜びで胸が一杯だ。  私は、ネロとパトラッシュのことを忘れない。 そして、ネロとパトラッシュの分まで、人生を懸命に生きたい。
[DVD(邦画)] 9点(2013-01-13 00:15:56)
27.  君と別れて 《ネタバレ》 
なんという切ない話なんだ・・・ 「別れ」をテーマに扱った映画で、これほどまでに哀しい映画は観たことがない。 切なくて哀しくて仕方ない。  主人公の青年の気持ちがよく分かる。 綺麗な女性に頼ってもらい、相談まで受けて、余計に好きになったところで、一方的な「別れ」の通告。 そして、その女性が大切にしろと再三言っている母親を捨てて、彼女と一緒に旅立てない事情。 切ない。 切なすぎる。  これより以前の成瀬作品にはない叙情的な作品で、それ以降の作品ともまた異なった、瑞々しさをも兼ね備えた逸品。 成瀬巳喜男のキャリアの過程で、この時期にだからこそ生まれたであろう奇跡的な作品で、心を鷲掴みにされた思いがする。  電車の中で、チョコレートを食べるシーン。 まるでチョコレートの甘い香りがしてきそうなワンシーンだ。 青春の一瞬の輝きを、見事画面におさめた奇跡的なワンシーンである。 成瀬巳喜男のサイレント作品としては、自分の中で最上位にくる作品。  もう一度、書く。 私はこれまで、ここまで切なくて哀しい「別れ」を描いた映画を観たことがない。 そしてこの作品は、そこに瑞々しさをも兼ね備えている。 あぁ、自分の辛かった頃の青春が甦る・・・
[インターネット(字幕)] 9点(2012-10-07 22:51:43)(良:3票)
28.  恐怖の報酬(1953) 《ネタバレ》 
最高に面白い!! 今年観た沢山の映画の中で、最も面白かった!  フランス映画としては、ジャック・ベッケルの『穴』、アンドレ・カイヤットの『眼には眼を』に匹敵する面白さ。  ハラハラドキドキ、粋な小細工たっぷり、人間と人間との駆け引きや友情、こういった題材を散りばめた面白い作品を創れるのはフランス映画だけだろう。  ロード・ムービーテイストもありながら、娯楽的な要素もあり、又、サスペンスでもあり、人情劇でもある。 色んな魅力がいっぱいに詰まった素晴らしい作品。  特に素晴らしかったのは、煙草を巻こうと思ったら、煙草がフッと吹き飛び、その瞬間にもう一台のトラックが、バァーン!!という演出。 爆発したトラックの爆風が、煙草を吹き飛ばす。 何気ない演出だけど、これ以上の演出もないといった感じの巧さ。  最近、なかなか面白い映画に出会えないとボヤき続けて、ここ2年。 久しぶりに凄い映画を観た。 これだからやっぱり映画はやめられない。
[CS・衛星(字幕)] 9点(2010-07-18 01:54:10)(良:1票)
29.  モダン・タイムス
チャップリン喜劇としては一番好き。 特に、最後に歌声とダンスを披露するシーンが素晴らしい!! 単純にパントマイムと歌をやらせても超一流であることを伺わせる。 明るい希望を持たせるラストシーンもとにかく最高。 チャップリンの天才ぶりと芸の細かさを堪能できる傑作。   P.S.)ヒロインの女性。とても美しくて魅力的。体は大人の色気、だけど顔は可愛らしい。瞳も魅力的。そして何より、ボロのスカートから伸びるふくらはぎが素敵!
[CS・衛星(字幕)] 9点(2008-12-28 22:04:55)(良:1票)
30.  バルタザールどこへ行く 《ネタバレ》 
これほどまでに美しいモノクロ映像は滅多に出会えない。 1960年代だからこその完成されたモノクロ映像と自然な美しさ。 そしてそういった技術的な意味だけでなく、本作の寓話的でどこか現世離れした雰囲気が、本作をより一層、神秘的な美しさへと押し上げている。  主演の女優は当時17歳であったらしいが、単なる美人ということではなく、儚げで世を憂うような不思議な魅力を発揮している。 薄幸の美人、いや、少女というか感じだろうか。  カメラは執拗なまでに少女のスラリとした脚を映し出す。 これが何ともエロティック。 そんな映像を見せ付けられていると、見てはいけないものをじっと見せられている感じがしてきて、なんか気まずくなってくる。 しかし、じっと見てしまう。 眼が釘付けになる。 画面いっぱいに発散される厳粛な雰囲気、そして、少女の危うい魅力。 ブレッソンのカトリック的な表現手腕が遺憾なく発揮されている。  少女の可愛がるロバも、また印象的。 特に最後の息を引き取るシーン。 なんとも切ない。 涙が出そうだ。  欧州独特の優美な雰囲気が画面に現れ、そこにカトリック的な厳粛さと悲劇、人間が持つ残忍性、そして何より少女の肢体が放つ自然の美たるものが複雑に絡み合い、本作を奏で上げている。 本作はそういう意味で、完成された総合芸術品だといえるだろう。   とにかく何度も観てみたいと思わせる、息をのむ美しさを持つ作品である。
[DVD(字幕)] 9点(2008-10-25 13:20:01)(良:1票)
31.  少女ムシェット 《ネタバレ》 
ううむ・・・これほどまでレビューを書くのが難しい作品は久しぶりに観た気がする。 言葉で表現するのが至極困難だ。まず、本作は間違いなくロベール・ブレッソンの最高傑作であろう。 淡々と繰り広げられる薄幸な少女の生涯。そこには、少女ムシェットにとっては日常的でありながら、普通に恵まれた人間からみれば、極めて非日常的な日常が横たわる。それをブレッソンは感傷に浸ることなく、冷徹なまでに静かに淡々と描写する・・・少女ムシェットの日常を描いただけの内容だが、そこには生まれもって不幸な境遇に置かれた少女の、静かな心の叫びがビシビシと伝わってくる。静謐でいて、荘厳さも伴った映像の数々。実に映画的な美しさと残酷さ、そして魅力にあふれた作品である。雨で濡れたソックスを履き直す少女、少女の前でズボンを下ろす少年、ミニスカートを履いて逆上がりをする少女たち。そこには、何気ないエロスが横たわり、少女にこれから起るであろう出来事を観る者に予感させる。又、ワナにはまり苦しみもがく野鳥や、猟銃で撃たれのた打ち回る野うさぎなどをじっくりと映し出すことにより、生命のもつ根源的な虚しさと残酷さを演出してみせるブレッソン。過剰な演出を嫌ったといわれるブレッソンだが、本作ではその演出技法がいかんなく発揮されていた。「不幸な少女はこうもつめたく世をみつめているのか。」「不幸な少女から見たら、周囲の大人というのはこう映っているのか。」「こうした思春期を送っている少女は、いかに大人になっていくのか。」観ているうちに色々な興味が湧いてくるが、それらの興味の一切は、情け容赦のないラストシーンにより吹き飛ばされてしまった。少女は命を断ちさえしなければ、不幸なりにもそれなりの大人にはなれただろうに。それを思うと、何とも哀しくて虚しい気分に襲われた。ほんとの意味で、こうした苦しみにもがく少女を助けることのできる大人って、どれくらいいるのだろうか?いや、いないと悟ったからこそ、少女は自殺の道を選択したのではないだろうか。そう考えると、この世は無常で、どうにも救い難い。こうしていくら書いても、本作を観て感じたことの全てをうまく表現できないし、実際に自分の中でも咀嚼できていない気がする。本作は、そういう意味でも、何度も鑑賞すべき作品であり、何度の鑑賞にも堪えうる魅力と深さをもった作品である。
[DVD(字幕)] 9点(2008-09-15 22:13:57)(良:3票)
32.  その場所に女ありて
司葉子の「三種の神器」ってご存知ですか?? え??ご存知ない?! 仕方ない、お教えします。 それは、スーツ、スカート、そして腕時計です!  なんと本作では、その三種の神器が見事登場! しかも、司葉子はクールでシャープな役柄を演じており、とにかくカッコいい!  そして、司葉子の撮り方が、またイヤらしくて良い。 酔いつぶれてソファーで居眠りする司葉子。 そう、もちろんスーツでスカート姿のままで! それを鈴木英夫監督がどう撮ったかと言えば、アッパレ、こちらが期待した通りの、ツボを見事に捉えた撮り方! 司葉子の脚を下からなめ回すようにして、上へと移動していく。 これには参った! 鈴木英夫という監督は、当時の司葉子の魅力を完全に理解していたのだ。 スーツ、スカート、そして腕時計。 これらを身に纏わせ、クールなキャラで、酔いつぶれの司葉子。 それを観られただけで、もぅ満足なんですね、私。  また、もう一つ見所なのが、昭和30年代の銀座の風景。 そして、当時の広告代理店の社内風景が興味深く映し出されている。 木のデスクに、仕事中プカプカと机でタバコをくゆらす仕事風景。 こんなの、平成の世の中じゃ考えられない! このタバコシーンだけで言えば、まるで別の国の労働風景を観ているかのようだ。 そして、あの頃の自由だった世の中を思い出す。 そういえば、昔は仕事中に平気でタバコをふかしていたっけ。 あぁー、あの頃は自由で良かったな、と古き良き昭和を懐かしみ、楽しむことができる。 そういう点でも本作は優れている。  ただし、ストーリー運びはいたって単調。 そこが本作の欠点でもあり、また、クールさを追究したという意味においては長所でもある。  いずれにしても、また観直してみたい作品であるし、再評価されるべき作品である。 そして何より、この鈴木英夫監督の、司葉子の魅力を引き出し切ったセンスに脱帽である。  ちなみに、本作は東京は御茶ノ水のアテネ・フランセ文化センターにて鑑賞した。 貴重な作品を上映してくれたことに感謝したい。
[映画館(邦画)] 9点(2008-08-17 19:59:10)(良:1票)
33.  ゆきゆきて、神軍 《ネタバレ》 
私はこれほどまでに刺激的な映画を観たことがない。凄いの一言。奥崎謙三という人間は、類い稀なる人物だ。自らの暴力を「世間の間違いを暴くための暴力なら、それも必要」と、肯定する。キ印であることは、まず間違いない。しかし、同時にエンターテイナーとしても一流。カメラを意識し、常に最高のパフォーマンスをカメラの前で発揮してみせる。興奮しながらも、自分の言いたいことは、的確にしゃべっている。そして何より、もの凄い度胸の持ち主。「無理が通れば道理ひっこむ」まさにこれが証明されている感じ。戦時中、仲間殺しをしたと思われる人物をアポなしで訪問しては、ねじふせる。時には暴力、時には執拗なまでの詰問で。最初は相手方も口を堅く閉ざしているが、奥崎謙三の執念の詰問に、やがては重い口を割らざるを得ない状況に追いこまれる。この執念と技術が凄い。この人は、お金もうけをしようと思ったら、まず間違いなく成功するに違いない。このドキュメンタリーは、ものすごく良くできている。頭から最後まで、時間を忘れるほどにのめりこめた。暴力あり、暴言あり、泣きどころあり。そして反戦映画としての真面目な側面もありだ。とにかく観ていて血の騒ぐドキュメンタリーだった。正論をかざして正義感ぶったり、気が弱くて自分の言いたいこと言えなくて悩んでる人、綺麗なアメリカ戦争映画しか観たことない人、などなどは是非観てほしい。そして疑問に思ったのは、奥崎謙三氏の不思議なほどの喧嘩強さ。 痩せていているのに、何故だかめっぽう強い。喧嘩には度胸と喧嘩慣れが一番重要だと言うことを、奥崎謙三氏は体を張って教えてくれた。喧嘩に強くなりたいヤンキー諸君にも、非常にタメになる作品である。印象的なシーンを挙げてみる。それは、皇居でのお手製マークⅡによる街宣シーンだ。警官たちが車を取り囲むが、全く意に介していない。世の中で最強権力とされる国家権力を向こうに回しても、全く動じないのだ。この人に怖いものってあるんだろうか。私もこの人の様な度胸が欲しい。そういえば奥崎謙三氏、誰かに似ていると思ったら、ボクシング評論家のジョー小泉氏と軍事評論家の江畑謙介を足して二で割った感じの風貌である。どうりで喧嘩と戦争に強いハズだ。エンドロールで流れる激しい太鼓が素晴らしい。最後の最後まで完璧な演出。この映画を、知らぬ存ぜぬは許しません! 
[DVD(邦画)] 9点(2008-07-06 23:19:59)(笑:1票) (良:1票)
34.  眼には眼を 《ネタバレ》 
ラストの俯瞰ショットにはマジでやられた。 これは凄い作品だ。 凄いというしか表現のしようがない。  冒頭で、ドクターが手を洗うシーンがある。 手を洗った後も、水をとめない。 私は思った。 「なんで水をとめないんだ?水がもったいないじゃないか。」 と。 この冒頭のシーンに、深い意味があるとは知らず、そう私は思った。   本作は、「巻き込まれ型サスペンス劇」だ。 そしてそこに復讐劇の要素も加わっている。 最愛の妻を殺された男は、復讐をする。 愛というものは、ここまで人間を狂気にする。 愛というものが、人にとってどれほど大切なものか。 それが痛烈に伝わってくる傑作だ。   細かいことを言えば、所々でリアリティを欠く部分があるにはある。 だが、それは「最愛の女性を殺された男が、復讐という想像を超えるパワーを身につけた」と解釈すれば、納得することも可能だ。  しかし、主人公のドクターだが、直接には女性を殺していない。 なんで部下である担当医が狙われずに、このドクターが復讐の的になったのか? そこが納得いかないと言えば納得いかない。  だが、これほど面白ければ、そんなことを気にする必要はないであろう。 あー、面白かった。 本作を沢山の人に勧めたい。  あ、そうだ、水を飲んでおこう・・・
[ビデオ(字幕)] 9点(2008-04-28 01:03:55)
35.  妻は告白する 《ネタバレ》 
凄まじいまでの愛憎劇。 女の情念を、これほどまでに強烈にフィルムに焼き付けた作品があっただろうか。 少なくとも私は観たことがない。  法廷サスペンスものとしてみても一級品の出来栄え。 若尾文子の演技も凄いの一言!  愛すべき人に対して、ここまで真っ直ぐに気持ちを持てるなんて凄い。 凄すぎる。  殺人は決して肯定できるものではないが、女が男を愛する気持ちは、そんな道徳観念すら殺してしまう。 男にはない女の情念。 それを雄弁にして、サスペンスフルに綴った本作。 いやぁ、アッパレでした。   (追記) 本作を観るきっかけとなったのは、映画評論家である佐藤忠男氏の『日本映画300』という文庫本に載っていたからです。 この本は本当に凄い。 ハズレがほとんどと言っていいほどない。 紹介されている作品は、どれも凄い作品ばかりなのです。 日本映画好きの方は必携の一冊だと思います。
[ビデオ(邦画)] 9点(2008-03-17 23:27:28)(良:1票)
36.  恋戦。OKINAWA Rendez-vous
まず、平均点が低すぎます。 これはとても素晴らしいラブコメです。 確かにストーリーはハチャメチャだし、リアリティのかけらもありません。  しかししかし、これほどまでにレスリー・チャンを身近に感じられた作品はありません。 それだけで、ムチャクチャ貴重な作品だと思いますね。  そしてフェイ・ウォン。 彼女がこんなにも美しかったとは! これほど魅力的なフェイ・ウォンは他の作品ではお目にかかったことがありません。 とにかく目が素敵! スレンダーな体のラインも素晴らしいの一言です。  加藤雅也もかっこよかった。 あの赤シャツと、首にさがったネックレス。 これがニクイほど良く似合う。  キャスティング自体も見事ですが、キャスティングを活かしきった演出も見事です。 俳優や女優の演技、そして綺麗な映像を楽しむことができる。 それだけで賞賛に値する仕上がりになっています。  沖縄が舞台ですが、沖縄ならではの爽やかさも良く出ていたと思いますね。 確かに、ヤクザであの車はあり得ませんが・・・  気になったのが、マルシア似のおねーさん。 これが、かなーりセクシー。 かっこいい男とセクシーな女に溢れた、魅力溢れる作品でした。  ところで、DVDにオマケとして収録されているレスリー・チャンのインタビュー映像とプライベート映像。 これは貴重極まりないですねぇ。 爽やかな笑顔が印象的です。 この数年後にまさか自殺するとは・・・ そういう目線で観ていたので、なんだか切なくもなりました。 貴重な俳優を失ったんだなぁ、と。  とにかくもっと評価されるべき作品だと思います。
[DVD(字幕)] 9点(2008-03-11 23:03:19)
37.  誓いの休暇(1959)
久しぶりに時間が経つのを忘れる程の凄い映画を観ました。 特に、主人公の青年と少女との恋を描いた部分が素晴らしいです。 旧ソ連の戦争モノには傑作が多いですね。
[ビデオ(字幕)] 9点(2008-01-13 00:51:17)
38.  晩菊
「晩菊」とは、年頃をすぎた女性を意味している。通常は脇役を務める杉村春子が主演を演じた、成瀬巳喜男作品の中でも異端の位置を占める作品。それが功を奏し、いぶし銀的魅力を存分に発揮しており、成瀬監督の代表作『浮雲』と表裏対を成す出来栄えとなっている。成瀬監督による隠れた名作である。  さて、成瀬巳喜男監督作品はそれなりに観てきたが、本作は今まで観た成瀬作品の中でもベストであった。   元芸者達の行く末、まさしく“晩菊”を飾り気無く辛辣に、そしてユーモアに描いており見事。  杉村春子をはじめ、普段は脇役を演じることの多い女優達が主たる役を演じている。 その為、とても地味な仕上がりなのだが、その地味さを逆手にとっており、そこが本作の傑作たる所以となっている。  成瀬監督の傑出した風景描写は、本作でも健在であり、その点も観るに値する。  それにしても、細川ちか子という女優さんは美しいなぁ。 なんというか、“枯れた美しさ”が飛びぬけて良いのだ。  そしてラストシーン。 望月優子が道行く若い女性の歩き方を真似て、腰をくねくねさせて歩くシーン。 これには、思わず笑みがこぼれてしまった。  本作には、こういった思わず笑みをこぼさずには居られないシーンが随所に散りばめられている。 シビアなテーマとは裏腹に、ユーモアあふれるこれらのシーンが、コントラストをはっきり浮かび上がらせ、深みのある面白さを発揮している。 それが何とも言えず見事だった。
[ビデオ(邦画)] 9点(2007-11-28 16:08:13)
39.  街の灯(1931)
チャップリンがイマイチ好きになれずにいた。 しかし本作を観て、その先入観は見事吹き飛んだ。 私の先入観を力ずくで消し去る衝撃の傑作だった。  又、喜怒哀楽が全てうまく描かれており見事。 前半の楽しいパントマイムがあるからこそ、終盤での感動もひとしおだった。  それとボクシングシーン。 ボクシング好きの私から観ても、凄いパフォーマンス。 早回しにしても、あの動きには驚愕させられた。
[DVD(字幕)] 9点(2007-11-13 18:48:11)
40.  網走番外地(1965)
石井輝男監督の最高傑作!です。 続編はややショボイですが、本作は別格。 スピーディでハラハラドキドキの展開に、心を鷲づかみにされました!
[ビデオ(邦画)] 9点(2007-10-15 11:58:57)
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