21. ヒルズ・ハブ・アイズ
ネタバレ 「最低最悪のホラー」とか、あまりの残虐さに一時公開が危ぶまれたとかいう評判が立っているうえに、雑誌「映画秘宝」の評価が良かったので、見たいのだが、見て後悔したらどうしようと迷っていた本作。思い切ってDVDを買ってきた。 結構腹をくくって見たつもりだったが、内容はかなり「普通」。ホラー版「ダイ・ハード」といった感じだ(そもそも「ホラー」と呼べるほど恐くない)。 まあ、確かに頭に斧が刺さったりする程度の描写はあるが、こんなので公開中止になっていたら、「ソウ」や「ホステル」は犯罪レベルだ。 オリジナルの「サランドラ」も余りの誇大広告に苦情がひどかったらしいが、このリメイク版では宣伝の仕方もオリジナルを真似たということか。だが、「映画秘宝」までもそんなものに一役買わなくてもいいだろうに。映画会社からいくらか貰ったのだろうか。 しっかり仲間の敵を討つワンちゃんがけなげでした。 [DVD(字幕)] 3点(2008-05-24 22:40:55) |
22. ブレイブ ワン
ネタバレ 以前「狼よさらば」という作品がありました。あちらもなかなかの佳作でしたが、主人公は最後は警察に逮捕されました。 今作に関しては主人公は逮捕はされませんが、それでも決して心は晴れていないはず。このあたりをもう少しじっくり描いてくれればかなりの傑作になったような気がします。そう言えば「シェーン」のラストを思い出します。善良な町の人に代わって、無法者を射殺したシェーンは町の人に取っては恩人なのですが、彼を憧れの目で見る少年にこう言って町を去って行きます「人を殺した人間はね、皆と一緒には暮らせないんだよ」・・・。 この映画は一種の問題提起ですね。あなたはどう思いますか?的な。「狼よさらば」の時代はどんな事情があるにせよ、犯罪者は最後には裁かれなければならないという風潮でしたが、こんな作品が出てきて、しかも結末について賛否両論というのは現代はそれだけ病んでいるのでしょうか。つまり、余りに悲惨な事情があるのなら、殺人を許してやってもいいのではないかという意見もあるというような・・・。 私は最近の犯罪には余りに許しがたいものが多いので、主人公の行動は結構肯定してしまいます。ただ、法を犯しているのは確かですので裁かれてもやむを得ないとは思いますが。 映画としては面白かったので得点高めです。 [DVD(字幕)] 7点(2008-03-09 00:16:51) |
23. ホステル2
ネタバレ ホラー映画は結構好きなのだが、前作は恐いというより生理的に嫌な映画だった。でも、そんな気分を味あわせること事態、作品が一定のレベル以上に達していたという証拠なのだろうし、印象に残る作品ではあった。 それで、2作目も見ようかどうしようかちょっとだけ迷ったあげく、「恐いもの見たさ」でDVDを買ってしまった。 またどんなグロい映像を見せられるのだろうとびくびくしていたら、「プロデューサーズ」のオカマちゃんの顔を見たとたんなんかほっとした。前作は知らない俳優ばかりだったので、得体の知れない恐さがあったんだけど、この作品では彼の顔を見るたびに何かなごやかな気分になって(それを逆手に取っているんだけどね)、緊張感も余り高まらなかった。 映像も前作に比べるとだいぶ控えめで、ショッキングなシーンのあからさまな描写もほとんどなし。また、「殺す側」に人格を与えたことで、前作のような自分の知っている世界から隔離されてしまったかのような、訳の分からない恐怖感もなくなった。 そんなわけで、前作のパワーは失われてしまったようです。かなり普通の映画になってしまいました。 [DVD(字幕)] 4点(2008-03-01 02:23:50) |
24. 大いなる西部
ネタバレ この映画を最後に見たのは何年前になるだろう。ふと、グレゴリー・ペックが暴れ馬を乗りこなそうと悪戦苦闘するあのシーンが見たくなり、新宿HMVに足を運んだ。 この映画、既に何度か見ているが、今日改めて見直してみたところ、面白い、実に面白い。3時間近くの間、身を乗り出すようにしてスクリーンに見入ってしまった。 グレゴリー・ペック扮するジム・マッケイは、力と銃がすべてを決する開拓時代のアメリカ西部で、理性と知恵であらゆる困難に立ち向かっていく。そして、本当の男らしさ、勇気とは何かを、身を持って表していく。決して周りに見せ付けるようなことはしない(筋肉馬鹿のスタローンとは大違いだ)。 だからと言って彼は決して弱い男ではない。たくましい牧童頭から喧嘩を売られても大勢が見ている前で殴りあったりはしない。後でその男だけを呼び出し、1対1で勝負する。だが、女性が暴力を振るわれれば、その相手をその場でぶちのめす。西部劇だというのにヒーローが最初から最後まで丸腰というのはちょっと他の作品ではないのではないか。 周囲の多くの人間はそんな彼を「腰抜け」と呼ぶ。だが彼は意に介しない。黙々と自分のやり方を貫く。だから彼は映画の最後まで、多くの人間に取っては「腰抜け」のままだ。ごく少数の人間だけがそんな彼を理解しているのみ。 前回この映画を見た俺は何歳だったろう。あの時はこの作品をただ「西部劇」としてしか見ていなかった。だが、1958年という、この映画が作られた年代を考えれば、これは冷戦時代に向けた強烈なメッセージを含んでいる作品だったと、今なら分かる。そういった意味では実に画期的な西部劇だったのだ。 力と力の対決はいったい何をもたらすのか。そして秩序を作っていくものとは何か。そんなことを訴えかけていながら、決して娯楽性を失っていないところは名人芸と呼ぶしかない。 最近はこんな映画を作れる映画人がいなくなってしまったように思う。 [DVD(字幕)] 10点(2008-02-10 23:44:47)(良:1票) |
25. さらば、ベルリン
うーん、確かに昔良くテレビで見ていた映画ってこんな感じだったなあ、とは思うし、懐かしい気持ちになった。 でもそれが「面白い」かっていうとちょっとねえ。話も分かり難いし・・・。白黒画面がきれいで心地良かったので6点。 [DVD(字幕)] 6点(2008-02-09 01:24:46) |
26. エクステ
結構評価が高いようなので期待して見たが、見事に裏切られた。 単なる子供向け「お化け屋敷」映画。要は怖いだろうと製作者たちが考えたに過ぎないシーンを、脈絡もなく次々と見せるだけ。 恐怖にも「論理」が必要だと思うのですよ。ストーリーと関連付けた適切な映像作りをしなければ、大人の鑑賞に堪える作品にはなりません。 [DVD(字幕なし「原語」)] 1点(2008-01-14 16:55:23) |