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黒猫クックさんの口コミ一覧[この方をお気に入り登録する

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コメント数 791
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自己紹介 猫と一緒に映画を見ていると、ヤツらは私より先にコイツはクソ映画だというのを察知します。ストーリー展開や伏線回収が怪しくなってくると席を立ってしまうのです。だけどそんなおっちょこちょいな映画にだって良いところはいっぱいあるんですよ。
猫のヤツらは冷酷です。

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21.  スパイダーマン2
 主人公のピーター・パーカーがぐちぐちと悩む。正直、結構秀才なんじゃ無いのかあんたはと言う位の科学者の卵だったりしながら、彼女が出来て金持ちの友人が居て、夜な夜なこっそりNYを護っている。そう言う彼がぐちぐち悩んでいるから面白い。  普通の人は、上司が馬鹿で悩んだり、自信のなさに悩んだり、成績で悩んだり、彼女が居なくて悩んだり、友達が居なくて悩んだりとか。とにかくぐちぐち悩んで当たり前というか、悩んで当たり前なのを日々何となく小さな喜びで前進していったりするのだ。   何でもありでも凄く人間的に色々ややこしくて、見ていて不思議と感情移入できてしまうヒーローっていうのがなんともアメコミで、痛々しいスパイダーマン。  いちいち悩むな、とかついつい突っ込んでしまうのだが、仮に彼が全然悩まなかったらはっきり言って私らは完全敗北な訳で、ちょっとIT企業の役員さんなんかに居酒屋で出くわしたくらいのことで敗北を禁じ得ないでいる普通人にとっては、丁度良いダメさを纏ってくれているのだったりする。   なるほど、受け手に優しい痛々しさな訳である。MJがブスなのも、これがもの凄く可愛かったりして見ると突然脇の甘さがなくなってしまって大変だ。ピーターが悩まない、大学生活をエンジョイしてNYでブイブイ活躍してその上可愛い彼女が存在したあげく、金持ちの友達と上手くやれてしまっていたら学年に一人位は居る、勝ち目の無いイケメンで秀才で金持ちになってしまう。コイツの成功談話を聞きたくないから同窓会が嫌だな的な、そんな勢いが付いてしまうから気をつけたい。   色々考えると、ヘンテコで古くさいモチーフを使い回さないといけない老舗アメコミで、アメコミ必殺のめんどくさい主人公で、どうでも良いような事で皆が争って。これで良いんだよな。日常の痛みを彼らも戦ってるような気がして、なんか妙に等身大なんだ。  ここがスーパーマンとの最大の違いか。良く、大雑把で、超能力で何でも解決できて御都合主義でと言うのがアメコミの様に捉えられている節があるけど、それは極端かもしれないが古代の単体スーパーマンというマンガだけだろう。アメコミは世界で一番ぐちぐちと悩むマンガだ。最近はスーパーマンでさえバットマンと言い争いをしてぐちぐちと悩むらしい。  そう言う訳で、この映画は非常にアメコミ然として良い雰囲気で、結構好きだったりする。
[DVD(吹替)] 7点(2013-01-28 05:19:19)
22.  スパイダーマン(2002)
 スペシウム光線だとか、ギャラクティカマグナムだとか、サイコフレームだとか。もうね、作者がつよくなるんだぞっつってんだから納得しろよ。っていうものっていっぱいある。スパイダーマンの糸だって言ってみればそう言う物の一種だ。場合によっては不二子ちゃんだって絶世の美女?そうなの?って事だって無いことも無い。   学校一の人気者だったMJがブスなのはもう10年以上語り継がれているが、もうとっくにその事に言及しておくべきだったと今になって激しく後悔している。だけど、実はその事も10年の間に自分の中で消化できてしまっているのも事実だ。  結構面白かったなーとか思っていた10年前、その後ででもなぁMJブスだから説得力全然ねーよ、なんて笑っていたのだが実際は説得力が無いのはMJがブスだったからだろうか。  彼女がブスな位で説得力を失うんじゃストーリーとしてはあんまりだ。はっきりとブスと分かる彼女と付き合っているイケメンの男だっていくらでも居る。彼らだってラブロマンスの中心にいる。   何がおかしいんだろうか。というのは実は08年になってから判明する。ダークナイトが公開され全く弱点の無い脚本だ、と座ってる劇場の椅子に激震が走った。このヒロインのレイチョーがどう見ても、主人公が追い求める美女って感じでは無く、むしろ霊長的な……。という訳で、ブスでも脚本と演技力が合わさる事でとんでもない説得力を生む事がまざまざと証明されたわけだ。  つまり。MJがブスな事はそれ程重要なわけでは無く、脚本の練り込み不足と演技の説得力が不足していたと言う事なんだろう。  そう言うわけで、練り込めなかった最後の1ピースが、ほころびとなって出て来る場所が面白くないとかそう言う事では無く別の所だった、と言う事だった。  そこそこ面白く、革新的なCGIが乗っかって冒険活劇と悩みを併せ持つヒーローが結構まともに出てきたら、リービッヒの桶に空いていた穴はそう、MJだった。という訳だ。
[映画館(字幕)] 7点(2013-01-26 23:55:54)
23.  釣りバカ日誌19 ようこそ!鈴木建設御一行様 《ネタバレ》 
 2008年ですか。北京オリンピックのバブルが日本にも波及していて、もの凄い時代だった。私もその流れに上手く乗って非常に豊かな生活を享受していたりしたのが懐かしい。派遣社員の人たちもキラキラとした目で遅くまで働いて、皆が皆幸せだった。  が、そんなの一部地域の一部産業だけだ。あたかも派遣社員が良いものだから私は誇りを持って続けますよ、みたいな流れが今となってはもの凄く空恐ろしい。未来を見ないで今だけ楽しもうという様な。  だけど、今考えても異常な数年だった。月に十万も二十万も出かける暇を惜しんでAmazonで買い物し、一日に何度も宅急便のおじさんが来る。家の中はあのクソでかい段ボールだらけになり、物で溢れ返っているのだった。  今は本当にあの景気はなんだったの?とがらんとした部屋で、あの時無数に購入したものの見る時間も無かった映画をのんびり消化している。   この映画はそんなことは無く、地方の問題や格差の問題を取り上げつつも高度に派遣会社への配慮をするなど何でもありでも良く出来て居た。  しかし、佐藤浩市である。嫌いな人も多いだろうが、すっかり大物に成り、なかなかの演技をこなしシリアスとコミカルを軽妙に織り交ぜる日本屈指の俳優といえる。  息子に追い越され、年齢的な衰えからむしろスーさんの方がゲストと言っても良い位実力に差があるのに、良く親子ででるもんだと妙に感心したものだ。  だが、その同じ職業を同じ映画で分かち合う画に妙に感動してしまったりもする。それにしても演技の鬼だった父と、傑出した演技力の息子。凄い親子だ。   こんな事を思っていると、西田敏行が盤石の好演で締めるのだった。なんか普通の話だななどと思っていたが、何気なく非常に楽しんでいる自分に気がつく。楽しんでいる事を意識もさせないなんていう空気みたいな作品だった。19作も続いているのにこう言う物が作れるとは、作っている人たちをちょっと尊敬してしまう。
[地上波(邦画)] 7点(2013-01-26 20:48:29)
24.  インクレディブル・ハルク(2008) 《ネタバレ》 
 待っていては何も始まらないのが現実世界だ。周りだけが動き出して、自分はタイムマシンに乗って未来の世界に連れて行かれてしまう。気がつくと進歩しているのは周りの人間が作り出した世の中とガジェットで、自分だけが骨董品になっている。煤けても、動きが悪くなっても動かなければならない。表面だけ磨いて、油を差して、見かけ上の姿をごまかすようにそれらインフラとガジェットとを利用して、古い自分に鞭を打つ。   それでも、ハルクほどじゃない。彼は待つ場所も時間もない。全て無くして、自分というアイデンティティもどこかに行ってしまった。怪物であるという、記号性だけを埋め込まれたあと、彼はとにかく逃げるしかなかった。  一縷の望みをたぐって帰って来た彼は、それが幻想でしかない事を知っていながらもそれに縋った。そうやって起こった惨劇は、彼が戻ろうとした過去と、現在と、未来をさんざんに壊してしまったし、そこに生きてきてこれからも生きていくはずだった沢山の生活も壊してしまった。  だから、彼はずっと逃げるしか無いのだと決まっているのだ。もう、立ち止まる事も出来ない。   って所までは良いけど、技名絶叫(見開き)はねーだろ。車田正美かと思うよ。ねえよな。うん、ない。とってつけたようなアイアンマンのひととか無い。番宣ですか?そうですか。
[地上波(吹替)] 7点(2013-01-26 17:56:54)
25.  ハイジ(2005) 《ネタバレ》 
「頭は悪くないようじゃ」  藁をまき散らしながらフフフウフフフグフゲヘと高笑いを続ける少女をそっと見つめて、老人はつぶやいた。  それが、ハイジだ。この頭がどうかしてしまったとしか思えない女の子がハイジであり、私の中のアルムの原体験である。そして加減を知らないあの口調に週一でイライラするのだ。低燃費車の宣伝にでてくる彼女と、食品劇場のアホ少女は実際、等価である。   一方思う様陰惨で、いやな性格のペーターが作中白眉である。鉛筆をガジガジかじりながら、 「俺は勉強なんかしねえから」  と嘯く彼の堂々たる様は水晶体で逆さまに写し取られて、脳内で電波を発し始めた。「羊飼いに文字は必要ない」と吐き出す彼の姿はまるで、「人殺しに家庭はいらねえ」と呟く暗殺者だ。  正直、風景や建築様式や美術の美しさなんて目じゃない。古くて新しいハイジは二一世紀に生まれ変わっていたのである。   そういうどうかしちゃったの?なハイジとは違う、原作小説のエッセンスをより投影したであろう二〇〇五年版ハイジは盤石の純粋少女であった。  TokyoMXのカッティングも相まって少し早足で進みすぎるきらいもあったが、十分に感動作だ。  旧12チャン,TVK、MXの映画チョイスはヤバい。ものすごい手腕である。開始三十分(CM込みである)でババアが連れ戻しにきたときは、まだ早すぎて腐ってるぞと思わないでもなかったが、各局要チェックだ。
[地上波(吹替)] 7点(2013-01-21 01:57:24)
26.  潜水服は蝶の夢を見る 《ネタバレ》 
 夢を見ているのだろう。今私はいつまで続くのか分からない生死の分かれ目を漂っている。正確には、漂っているのは間違いないのだが足下の状況は数十センチのスペースをステップしながら、あっちに行ったりこっちに行ったりしている危険な立場、である。  私は今飛んでいて、その飛行はぎりぎりよりもやや飛べていないという外観がふさわしく、五〇メートルも飛ぶと都合よく現れる次の足場で蹴りあげなければ落ちてしまう。落ちたらどうなるのか、それを考えたらあまり意味のない無限回廊に入り込んで、少なくとも飛べている今を失ってしまう。それは私の望むところではない。   私はもう三人いる仲間と一緒に目的地に向かって飛んでいる途中なのだが、彼らはこのとんちの効いたコスチュームや私たちに指令を下すボスのかっこわるい乗り物に何の疑問も持っていないのだろうか。   潜水服は蝶の夢を見るか、見るんだろう。夢を見ていれば何とか逃げ続けられるのだから。閉息感と拘束を感じながらも、飛ぶ術を与えられたこの世界に放り込まれたのはこの映画を見たからなんだろうか。私自身の影響を受けやすい安っぽさが夢の中にある。    いや、だからってこの夢を終わらせる理由にはならない。目が覚めてしまえばこの飛行体験は終わりを告げて、現実の私と向き合わなければならない朝がきてしまう。だから私は必死に足を地面に蹴りつけて飛び続けるのだ。
[DVD(字幕)] 8点(2013-01-19 03:08:02)
27.  パンズ・ラビリンス 《ネタバレ》 
 この不愉快な独創性にやられた。何から何まで不愉快で、込められたテーマも噴飯物であるのだが、思う壺の中で思う様振られてるのが私なんだろう。
[DVD(字幕)] 7点(2013-01-14 01:59:29)
28.  メン・イン・ブラック2 《ネタバレ》 
 三人の仲間はすっかり大きなお友達になってしまったが、放課後に「ムー」を囲んでギャーギャーと探偵団を作っていたあの頃と脳内年齢はあまり変わっていなかった。免許を取り立てだった僕は海岸から黒い車を北に繰り出して、厚木基地に向かった。タッチアンドゴーを懸命にこなすF/A18には興味は無く、米軍がエイリアンと共同で作り出した未知のテクノロジーが詰め込まれたUFOを追っているのだった。   もし米軍に見つかって黒い服の男達に記憶をけされたらどうするかとか、サングラスを必ず持って行った方が良いだとか、頭の痛いお兄さん達である事は間違いないのだが本人達は知ってか知らずか、いや分かっているけどやめられないのだが、とりあえずは真夏の夜中にキャンプ座間の付近で落ち合う事にした。   この日中、猫を探して欲しいとか何とか言う幼なじみの言う事に付き合って、町内の隅々までニャーニャー言いながら二人練り歩いたのだが、その夜の計画を彼女に打ち明けると思う様腹を抱えて笑う彼女に、 「バーカバーカ、絶対やばいんだからな。いつか誘拐されるぞ」  とか半ばそんなはずは無いだろうという事を言い放ったり、馬鹿馬鹿しい話をした。  そうなんだ、僕も僕の仲間も彼女もとっくに宇宙人なんか信じていなかったのだけれど、何となくモラトリアムの中で楽しい記憶にすがっていたかった。そんな最後の子供の頃だった。   この夜、僕らは日本からはもうグレイを使った実験は引き上げているだとか、新型の飛行物体が厚木に埋まっているだのファミレスで話し合いながら夜更けを過ごした。到来して間もなかったインターネット社会はこの後容赦なくステルス戦闘機の存在を誰でも調べられる日常にしてしまったし、UFOなんていないと言う事もしぶしぶながら受け入れさせてしまう事になる。だけど、世紀末のあの空気は21世紀の今ではもう触れる事の出来ない宝物だった。   数年後、ふとあの頃の事を思い出して見たメンインブラック2はドットコムバブルの残滓のような映画だった。世紀末の異世界も新しい世界観を作り出す事も無く、単なる題材だけ借りた映画だった。だけど、一種のノスタルジーを僕に喚起させたのも本当の事だったりして、華やかな雰囲気が妙に寒々しく感じられたりもするのだった。
[映画館(字幕)] 5点(2013-01-07 03:24:44)
29.  スカイキャプテン ワールド・オブ・トゥモロー 《ネタバレ》 
好みが合わ無いとかなりキツイ。
[地上波(吹替)] 4点(2013-01-07 00:23:48)
30.  ドラゴン・プロジェクト 《ネタバレ》 
 ダンスはいかんのだよ。ダンスは。
[地上波(吹替)] 5点(2013-01-05 04:34:58)
31.  おくりびと 《ネタバレ》 
 寒いさなかに、一人で山道を走る。軽自動車の上げるエンジンの音は悲鳴のようだった。だけど、捉えようのない気持ちを三つのピストンがたたきつぶしてくれる。喪失感は車が坂道を上っていくにしたがって別の何かに置き換えられ、心を埋めていく。ようやくたどり着いた高台に車を止めて街を見下ろすと、何となく止まっていた時間が動き出すのを感じた。  バッグの中から小さな魔法瓶を取り出して、コーヒーを紙コップに注いだ。コーヒーの苦さで色々な辛さが澱のように重なり、段々と、もう死んでしまったあの人の声がよみがえった。   その日偶然見たおくりびとの作中、大悟は大切な物を失ってしまった。その大切さに気付く頃、もう手に入らない様々なものをどうして良いのか咀嚼できないままに納棺師になる彼を見ていると、胸の痛みは耐えられないほど大きくなっていった。  彼はわだかまりの大きさと、生きていく方法の少なさを受け入れることが出来た。それを暖かく溶かして再び柔らかく作り直す事が出来た彼を見て僕は、どうやっても涙を止める事が出来なかった。想いが込められた石は大悟の個性を形作るためにずっと側に居たという事実を彼は知る事が出来、僕も安堵を覚えた。   その夜、何となく見下ろした街の灯の中にも、僕の居場所があるのかとため息を吐き出しながらじっと座り続けた。何時間にも感じられた時間は本当は長くも短くもなかったけど、永遠に繰り返し続ける堂々巡りの中にも答えの気配を感じる手がかりのような物を感じた。  記憶に残された様々な言葉は傷つける対象を求めて蜷局を撒いている。いつだって変わる事はないかもしれない。それでも少し割り切れる事もあるのだろうかと気持ちが固まると、僕は何となくサイドブレーキを下ろして、街の光に混ざり込む事にした。
[地上波(邦画)] 9点(2013-01-05 03:48:44)
32.  縞模様のパジャマの少年 《ネタバレ》 
 侵略戦争の中身は、人の物が欲しいという見境の無さだろうか。自分ならもっと上手く使ってみせるから今すぐ欲しい。だから奪った。ちょっとそれは可視化しすぎだろと言われそうだが、そう言う側面の大きさが質量の多くを占める。  そう言う汚らしさが、大人の社会で取引や職業を介して行われる所まで浄化されて初めて繋がりが新しい様々な物を産出する美しさが産まれるはずなのだが、この時代にはそれが具体的な認識をされていなかった。  そして、その時代はあとほんの四半世紀ほど経つと100年前の戦争になってしまう。恐らくこの時代では、この話が描いた友情が生んだ悲劇への怒りはきっと戦争では無く、処刑作業をしっかりと確認しなかった作業者へ向かっただろう。   現代でははっきりと、侵略戦争への憎悪と狂った思想への警戒心がこの映画のテーマに同調する。描かれていないが、この後父親はいったいなにに対して怒り、なにをするかを想像させる事で更に戦争への嫌悪感を増大させる事に成功している。   で、ちょっと考えて欲しいのは、実効支配や軍で国家を恫喝し場合によっては非軍属の他国民を殺害することも止むを得ないという主張を続け、それに疑問を抱かないでいる塊。排他と自尊と自己顕示の、ナチスやモンゴル帝国の様な狂気を感じる。  欧米圏ではこの映画のように非常に洗練された映画が作られているのに。残念でならない。
[DVD(吹替)] 8点(2012-12-06 16:07:41)
33.  HACHI/約束の犬 《ネタバレ》 
  思わず盛大に涙してしまった。暑くも寒くも無い、とても過ごしやすい4月の中頃に、私は私の猫にであったのだけどその時の事を思い出してしまった。  劇中、ハチは片時も飼い主のウィルソンの事を忘れる事無く寄り添い共に生きた。私もこの様な関係を猫と享受する事が出来て非常に幸せだと思う。私が長い間居なくなっても玄関で延々と待ち続けていた、と家族から聞いたことがあるが、胸がいっぱいになった記憶は私の心にずっと残っている。  飼い主をじっと待ち続ける動物の話は感情を堪えきれない。たくさんの人に可愛がられて、支えられて、じっと。待ち人は来なかったけど、ハチは幸せな日々を過ごせたのだと思う。   私の猫もいつかは居なくなってしまう。もちろんいきなり私の方が居なくなる事もあるかもしれない。その時彼は幸せだろうか。この映画を見終わって彼の背中を撫でると、どう言うわけかまた涙が出てきてしまった。
[DVD(吹替)] 8点(2012-12-05 04:16:43)
34.  機動戦士ZガンダムII 恋人たち 《ネタバレ》 
 Zガンダムが弱すぎるのと、女好きすぎるのと、女の人がみんな痛すぎること。  この三点でこのマンガがダメになっている。ストーリーがメチャクチャだ。
[DVD(邦画)] 4点(2012-12-01 18:32:26)
35.  機動戦士Zガンダム 星を継ぐ者 《ネタバレ》 
 何か予感させる展開にちょっとわくわくしたのは事実だ。ブレックスやヘンケンのキャラクターはアメリカ製のハードSFに出てきそうな外観で、過去の作品とは決別してきちんとハードな物を作り出すのだろうかと期待させる。   が、時折入るテレビのセルはなんか意味あるの?そこで終わる意味あるの?主題歌とかあれでいいの?  と言う具合に最後まで乗り切れなかった感がある。けどアクションは結構魅せるし、テレビ版の再放送を見てた事もあってそれなりに面白かった。
[DVD(邦画)] 6点(2012-12-01 18:30:16)
36.  俺たちフィギュアスケーター 《ネタバレ》 
 クスクスできる。フィギュア好きの人とみたらかなり楽しめる。Dreamworksの技術は伊達では無いのである。
[DVD(吹替)] 7点(2012-11-29 13:09:03)
37.  ロルナの祈り 《ネタバレ》 
 国籍の取得を目的としている結婚を数件見たことがある。彼らに共通するのは中途半端な愛情と中途半端な決心で、このままとても上手くいくとは思えないような世界に自分自身が首を突っ込んでいるととは全く気がついていないと言う事である。この映画にも、そんな事をしてただで済むとは思えない人たちが組み立てている異世界がある。  そう言う異世界の中で生きる人たちに共通するのは、愛情や繋がりにすがる心が強いという側面で、この映画を見始めてすぐに国籍だけを取得したいという彼女に違和感を覚えた。   しかしこの違和感は日本人である私に固有の物で、国籍を取得した後様々な脱法行為で行政を食い物にする偽装する側には無いものだ。一時的な情や中途半端な道徳よりも生き方の方が重要で、物語の中でも彼らの心情が語られると妙に納得してしまう。  対価が金やポジションや命と言った、普通に生きていたらそんな危険な犯罪行為への隷従がおかしいと直ちに気がつくはずだが、そうならない彼らには正直感情移入は出来ない。  そんな中でいきなりセックスを始めてしまうあたりが妙に生々しい。子供や国籍といった欲しい物を手にした彼らが突然日本人となれ合い、本当の家族のようになってしまう例も見たが、実態は日本にいながら従来のコネクションから外れるつもりがさらさら無いことも注視すべき点である。   しかしながら、そう言った一見物語にはなりそうも無い事を見事に映画にしてしまうダルデンヌ兄弟の手腕は凄まじい物がある。面白いかどうかは別として、こう言った映画の存在は正しく重要なのだと思う。
[DVD(字幕)] 6点(2012-11-29 12:28:24)
38.  トワイライト~初恋~ 《ネタバレ》 
可も無く不可も無く。 ドラマだと競争が激しすぎて最後まで行かれないと踏んでの映画化だったのだろうか。 正直テレビドラマの面白さを映画の重厚さが上回れない典型的な例になってしまったのでは無いだろうか。  ドラマで1シーズン完結でやってもらえたらボックス買いしてたかもしれない。題材はそれくらいズキュンと来たのだが。
[DVD(吹替)] 5点(2012-11-27 13:07:45)
39.  ニューオーリンズ・トライアル 《ネタバレ》 
 言ってみれば、そんな訳無えで終わってしまうのだが、こう言う法廷をアクション的に捉える娯楽作品もたまには良いものだと思う。結構ペラペラなのだが、広告会社が上手く重厚に外面を整えていて、実際に見てみると笑って済むような内容だったりしてちょっとした驚きもある。   とはいえ、大昔筑紫哲也がアメリカ社会の本質のように力説していたが、チープなトリックで成立してしまうほどアメリカの司法制度も中流社会も甘くない。ファンタジーの世界の出来事として素直に楽しんだ方が有意義だ。
[DVD(吹替)] 6点(2012-11-27 13:02:31)
40.  インビクタス/負けざる者たち 《ネタバレ》 
 凄く気持ちが良くなれる作品だった。大統領を中心に動く群像が様々に求心力を求めて走る。大統領自身が走り続けるため、空中分解を起こしながらもズンズン再構築を続ける。当時のアフリカがそう言う雰囲気だったのだろうか。あくまでも創作ではあるからその辺のリアリティは何とも想像でしか楽しめないのだけれど、スピーディーな場面設計がたたみかけるような演出は独特の後味を生む。   大統領の意志。民族だけでは無い、遺伝子レベルで少し違う人類同士が溶け合う最後にこの映画の真骨頂を見た。白人警官のパトカーのフェンダーに、ラジオを夢中で聞いて居る子供を見つけた。その瞬間の感動はゴールキックの瞬間と遜色ない。  沿道で祝福する国民に送られる大統領の静かさは、もう彼だけが主人公では無いことを枯れ寺院が認めていたが、いち早くそれを知ることが出来たのは勝利の瞬間に興奮したこの映画の中と外の大勢の観客であった。   素っ気ない撮り口のイーストウッド調だが、こう言う毒の無い作品にも上品に溶け合うのがなんだか嬉しかった。
[DVD(吹替)] 8点(2012-11-27 12:57:46)
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