21. マルコムX
えーと、映画の観方は人それぞれなんだけどさ、【ライムスター18】さんの言っていることもよぉくわかる。実在の人物(しかも人類の指標とでもいうべき人物)を人気者のデンゼルにやらせることの「問題」もあるよね。「マルコムX」じゃなくて「デンゼル」だから観る人が殆どでしょう?でもデンゼルは、こういう映画を選んで出ているというか、「ワシがやらねば誰がやる」みたいな気概もあると思う(そういう意味では、マルコムXをやったということは、デンゼル本人にとって大きな意義があったのではないか)。「デンゼル映画」を通じて人種問題の深さを知った人って大勢いるんじゃない?「ミーハー」がいけないとは言わない(人のこと言えるかっちゅうねん)。でも「ミーハー」だけに終わるんじゃ、デンゼルが泣くぜ(たぶん)。 9点(2001-05-14 09:49:39) |
22. リトル・ダンサー
本当に胸に来ると、あまり多くを語れなくなってしまう。おとっつあーん! 9点(2001-04-21 18:06:28) |
23. 用心棒
片手には葬儀屋からもらった刀、懐には出刃包丁、髪なんかボサボサ、着のみ着のままで風に吹かれるミフネは、アルマーニを着た「シャフト」よりも、ずっとずっとかっくいかったぜ。「あばよっ」とくらぁ。シビれちゃうわあ。 9点(2001-04-07 15:55:16)(良:3票) |
24. エム・バタフライ
ジョン・ローンの女装はゴツすぎてやや難ありだけど、ジェレミー・アイアンズが実に見ごたえある。人種と男女の構図が倒錯した西洋の植民地的欲望にハマってしまい、そのために身を滅ぼす男。許されぬ愛ゆえに身を滅ぼすっちゅう役柄は、「ロリータ」然り、本作然り、ジェレミーの本領発揮(え?)。オペラ「蝶々婦人」の音楽効果もあって、ラストの悲劇はいっそ崇高でさえある。 9点(2001-03-25 08:39:11) |
25. 赤ひげ
三船も加山雄三(え、これダレ!?というほどの男前)もよかったが、なによりも、診療所のまかないのおばちゃんたちがいい。クロサワはやっぱ、目のつけどころがちゃうね。 9点(2001-03-25 08:20:35) |
26. タイタンズを忘れない
ディスニーらしいわかりやすいストーリーに、熱血フットボール・ボーイズの青春もんだけど、米国南部のハイスクールで白人黒人混合のフットボールチームが出来たのが、つい以前の70年代のことだった(実話)ということに、あらためて感慨深いものがある。一緒にスポーツさせりゃあエエってもんでもないけど、人種差別撤廃の「現場」で、個人が直面する一つ一つの壁の高さと、自分たちの仲を何物も引き裂かせないという若者達の決意に勇気が湧く。「ここでは俺が法律だ!」と、ツバを飛ばすデンゼルのオニ監督ぶりがかっくいい。 9点(2001-03-25 08:09:30)(良:1票) |
27. ブラザー・サン シスター・ムーン
太陽を兄と慕い、月を姉と慈しむ、それ以外は何も持たない。こんなに清い生き方を私は他に知らない。 9点(2001-03-14 17:59:43) |
28. ロング・ウォーク・ホーム
この映画に出てくる60年代の黒人によるバス・ボイコット運動は、「白人専用」の席に座り、罵声や警察犬に脅されながらも、頑として席を立たなかった一人の黒人女性から始まる。罵倒の只中、頭をもたげ、じっと正面を見ていた瞳の静かな光を想うとき、差別を無くすのは、こうした日常の一こま一こまでの、一人一人の人間の勇気と決意なのだということを思い知る。 9点(2001-01-29 09:14:24) |
29. スリング・ブレイド
無二の親友の将来のために、自ら刑務所に「帰る」ことを決意したカールの、その深い深い悲しみと、しなければならないことをしただけだという安息に満ちた表情には、微塵も奢りがない。虚栄や欺瞞とはまるで無縁の、その静かで真っ直ぐな視線を、私はこれからも折りにつけ思い出すと思う。 9点(2001-01-28 15:30:21)(良:1票) |
30. マトリックス
グラサンにロングコートを翻し、「おお、キアヌがかっこいい!」(のは、台詞が少ないからか。ファンの人、御免ちゃい。キアヌのこと、決して嫌いじゃないの、頑張んかいって言ってんのよ!) 9点(2001-01-16 16:20:42) |
31. ピースメーカー
確かに「悪役」である*べき*テロリストが同じ「人間」として登場してしまうと、「娯楽」にはなりませんね。でも、私はレダーのこうした姿勢を評価したいと思う。アクションやキッドマンの脚よりも、私には「テロリスト」の悲しい瞳が忘れられない。 9点(2001-01-15 16:54:44) |
32. 二十日鼠と人間(1992)
スタインベックの描く人間は、いつもどこか悲しくて、美しくて、強くて、そして弱い。マルコビッチは、名キャストだった。レニイィィィィィィ!!! 9点(2001-01-14 17:02:20) |
33. シックス・センス
じぇったい怖いとビクビクしながら観たのだけど、飛び上がったのは2回くらいだった。でも、自分の大事な人が死んだ後に「出て」来たら、血まみれでも、きっと抱きしめるだろうと思うと、「お化け」もそんなに怖くないぞ(でもテーブルの下から足を引っ張られたら、絶対チビる)。ウィリスも今まで苦手だったけど、案外、彼の演じる役どころが嫌いだっただけかもしれない。 9点(2001-01-09 17:53:58) |
34. オーロラの彼方へ
うーむむむ。映画ならではの「時間」の反則も、この際、許す!結果オーライも許す! 9点(2000-12-29 16:25:37) |
35. リービング・ラスベガス
ケイジの珠玉だあ。それにしても、エリザベス・シューは、学園者のプリンセスから、みごとに一皮剥けましたなあ。 9点(2000-12-10 07:10:08) |
36. ウーマン・ラブ・ウーマン
「この壁が壊せたら」パート1に続く第2段は、女性同士の恋愛をテーマにしたもの。60年代、70年代、そして2000年の、スリー・ウィメンではなくて、「シックス・ウィメン」と、彼女達を取り巻く社会を描いたもの。キャスト皆が皆、実に好演です。(特に、60年代のバネッサ・レッドグレーブ!)。そして2000年代のシャーロン・ストーン!こんな、なんというか、「鎧」を着ていないような、かわいいストーンを見たの、初めてなような気がする。いい作品です。 9点(2000-12-07 19:19:35)(良:1票) |
37. フィールド・オブ・ドリームス
↓んだ、んだ。 9点(2000-11-28 19:02:20) |
38. パラダイス・ロード(1997)
第二次大戦中、日本軍の捕虜収容所に捕われた欧米系女性たちが、自分たちの存在の証として、歌う。その美しく悲しい旋律は、静かな反戦の、抵抗の歌声。私たちは、どんな境遇にあっても、自分が何者であるかを忘れないでいよう。亡くした最愛の人のために、生きていかなければならない自分のために、歌おう。そんな歌声を指揮するグレン・クローズの表情が、実に素晴らしい。『危険な情事』では私の肝を縮み上がらせたグレンだが、この女優は、本当に演技の幅の広い人だよ。大戦中にあった実話で、このとき収容所で歌った女性たちは、存命している。銃をとることだけが「戦うこと」では決してないのだと、静かで深い勇気が湧いてくる。いい映画です。 9点(2000-11-28 18:54:17) |
39. 摩天楼を夢みて
なんたる豪華キャスト!その中でも、ジャック・レモン、彼こそ助演男優賞でしょーが。 9点(2000-10-29 06:45:35) |
40. ボーイズ・ドント・クライ
これ、娯楽映画じゃなくて、社会問題を訴える映画ですね。非常~に重い。しかも、クイーン物の映画って多いけど、ダイク(レズビアンの男役)に焦点を当てた映画って、数少ないですよね。カミングアウトするということは、世間から好奇の視線を浴びるだけではなくて、時には命さえも脅かすような暴力に曝されるということなのだと、改めて、差別の根の深さ、暴力の向かう対象について、考えさせられました。観た後に残るやりきれなさは、こうした結末を迎えてしまうことが、観ている側の自分の周りでも、まだまだ「現実」に起こりうることだということを、観た側がひきずってしまうから。「う、観なきゃよかった」と私も思いましたよ。二人の関係が、差別から逃れて、どこかで成就されていれば、「あー、よかった。はい、次」で済んだんだけどね。でも、この後味の悪さは、忘れがたいというか、きっと、忘れてはならないものなのかもしれない。 9点(2000-10-29 06:27:58) |