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ミスター・グレイさんの口コミ一覧[この方をお気に入り登録する

プロフィール
コメント数 565
性別 男性
自己紹介 三度の飯より映画好きです。どうぞよろしく。
※匿名性ゆえの傲慢さに気を付けながらも、思った事、感じた事を率直に書いていますので、レビューによって矛盾が生じていたり、無知による残念な勘違いや独善的で訳分らん事を書いているかもしれませんが、大きな心でお許し下され。
※管理人様、お世話になっております。
※レビュワーの皆様、楽しく読ませて頂いております。

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381.  デイ・アフター・トゥモロー 《ネタバレ》 
もとよりそんなバカなという内容。リアルさより面白さを求めた超娯楽大作ですからナンセンスな部分にツッコむのは控えます。それに誰もが疑問に思うだろう荒唐無稽な展開を問答無用で突き進むその潔さは天晴れとすら思えます。そしてお決まりの人物設定にお決まりの展開は新鮮さこそ欠けますが安心して観られます。…しかし、やはり面白くない。いくら自然が強大で恐ろしく人間なんてちっぽけな存在であっても、自然には人間をどうこうしようという意志がないのです。そんなことは作り手も百も承知なわけで高校生が図書館に逃げこむ際、魔の手が迫るように凍結が進む様は自然に人間を殺すという意志を持たせ恐怖心を煽ろうとします。でもそれをやり過ぎるとホラーの類になりかねないので代わりに完全に敵意むき出しの狼を登場させてしまうのは安易もいいところです。父子の感動的な再会も正直しらけます。むしろ混乱の最中で尚、通常業務を平然とこなす度胸満点の図書館司書の女性に感心します。あっイカン、けっきょく揚げ足を取ってしまった;。ごめんなさい。もちろん絵的には魅力があります。凍れる自由の女神に、船の上陸シーンは『スピード2』よりも印象深いです。夏にウチの小さなショボイ画面で観ず映画館で観ていたらもっと興奮していた可能性はあります…あくまで可能性ですが。
[ビデオ(字幕)] 5点(2006-12-06 17:52:05)(良:1票)
382.  武士の一分 《ネタバレ》 
原作は短編も短編なので映画化に当って相当変更されていると予想していたが、割りと忠実にシンプルに仕上げている。鑑賞前は現代風の代表のような木村拓哉さんに時代劇なんて似合うはずがないと危惧していたがハウルに続いて健闘を見せている。そして作品そのものがキムタクナイズされている。重苦しくなってしまうところも時に喜劇調を織り交ぜ彼の特性を生かしながらも作風を損なわず融合させたのは見事だ。脇を固める登場人物たちも僅かな登場ながら強烈な印象を残す。剣術道場師範や医者などは物足りないと思うほどだが、主題はあくまで新之丞と加世と徳平の三人が成す家にあるからであろう。気に食わぬ仕事、切腹が待つ厳しい武家社会、冷たい親戚に囲まれながらもささやかで穏やかな幸せに価値を見出している。殊に印象深いのは加世が〝蛍はまだ出ていない〟と嘘をつくところで、しびれるものがある。しかし、思い込みかもしれないが若干気になるのは台詞が説明のように感じられるところ。活字ではない情報量の多い映像なれば必要以上の言葉は要らなかったと思う。ましておしゃべりは嫌いだとあれほど言っていたのだから。無言の中にというのが日本人の愛する奥ゆかしさだと認識しているのだが、もはや時代錯誤なのであろうか。日本人の一分はもうそんなところにはないのかもしれない。・・・・・・ところでシネコンで観たのだがチケット売り場で数人の子どもたちが〝たけしのいっぷん〟と笑いながら連呼していた。そんな映画があったら・・・ぜひ観たいゾ;。
[映画館(邦画)] 7点(2006-12-02 23:53:18)(良:1票)
383.  明日へのチケット 《ネタバレ》 
およそ三話から構成されるそれぞれの場面が同じ列車であるのに異なる世界のようなのは監督の特徴によるものでしょうか。 一話目は、孫のいる男の初恋のごとき胸のときめき。彼女とのやり取りを思い出し反芻するかのような心情が巧みな時間構成で見事に表現されています。 二話目はあのオバタリアン(死語?)っぷりにイライラしてしまったのですが、一人きりで下車し傍若無人な振る舞いへの代償のように残された重そうな荷物が印象的。 三話目(これがきっとケン・ローチ)はなかなか爽やか。労働者階級とさらなる社会的弱者の共感と交流を優しい目線で描いているので心温まります。  チケットの良し悪しや枚数で示される別次元のどの世界でも、車内での出来事により乗車前と下車後で登場人物たちの世界に変化が訪れるのが感慨深いです。国境をまたぐ長距離列車は様々な人々が乗車し決められた時間・空間を共に過ごす、乗客たちは一種の社会を形成しているとも考えられます。やはりコミュニティでは他人を思いやる精神が大切ということでしょうか。もちろん無賃乗車は許されぬことですが、教授がミルクを、おばさんが二等席の切符で一等席に座る傲慢さを見せ移民の罪の軽減を、若者たちが切符をと皆でバトンを渡し難民を救った、そんな気がします。しかしオムニバス形式でないと聞いていたのに繋がりが浅くオムニバスっぽいのは、勝手ながら一本物の期待を裏切られた感があり残念な気もしたのです。 ・・・《追記》ちょっと気になったので調べたところ一話目がエルマンノ・オルミ、二話目がアッバス・キアロスタミ、三話目がケン・ローチらしいです。さらに三人一緒に撮影した場面もあるとのこと。う~ん、どこだろう?。
[映画館(字幕)] 8点(2006-11-28 18:21:57)(良:1票)
384.  この首一万石 《ネタバレ》 
〝侍〟と言えば誉め言葉の代名詞として使われ侍精神には賞賛に値する面もありますが、その反面恐ろしい部分も混在するのが事実。そもそも封建社会のもと(殊に江戸時代)武士道は主君に都合の良いように組み込まれた思想体系。身分制度による差別や、面子・建前を重視し過ぎ生を軽んじるといった醜く残酷で好ましくない面も存在します。そして侍も人間なれば現実には良き面よりも悪しき面を実践していた者の方が多かったのではないでしょうか。酒を差し入れてくれた優しい侍までもが斬りかかってくる恐怖。侍の醜悪さを表面化させたラストの壮絶な大立ち回りはかなりショッキングです。・・・ところでこの物語展開どこかで見た気がするなぁと思ったら、偶然が重なり様々な思惑が絡み合い最後に一つに収束していくスタイルは…『ロック、ストック~』じゃないですか!いや~日本ではこんなに以前にやっていたのですねぇ。
[CS・衛星(邦画)] 8点(2006-11-27 18:20:22)
385.  麦の穂をゆらす風
私は英国好きで映画も好んで観るのですが、正直なところアイルランドという国についてIRAで紙面を賑わせたことぐらいしか知りませんし、イギリスと呼ばれる地域がどのように成り立っているのかも不明です。そもそも日本ではイングランド、スコットランド、ウェールズ、北アイルランドをひっくるめ便宜上〝イギリス〟という呼称を使っていますが、UKと呼ばれることからも分るように正式名はグレート・ブリテインおよび北アイルランド連合王国(辞書で確認してしまった;)であり、イギリスというのはイングランドから派生した言葉なのでイングランド以外の人々は気分を害すかもしれません。現在の状況ですらその程度の認識しかないのに歴史的背景はさらに複雑なはずです。まして本作は政治家でも軍人でもない市民目線からの描写なので社会全体の動向や彼らの行動の位置付けが把握しにくくアイルランド史を知らないと理解しづらいです。ですから両国の関係に造詣が深くないと本作を咀嚼したとは言えないと思いますし、また自国の人々がどう思ったのかが気になるところです。しかしその一方で、一般市民の兄弟が軸となった物語なので等身大であり感情移入などはし易いです。その結果、暴力から生まれる惨劇の数々に、どのようなバックグラウンドであろうと報復にしても武力行使は悲劇しか生まないのだという事と、醜い連鎖に終止符を打てぬ人間の愚かさ、哀しさが痛いほど伝わってきます。あらゆる場面が濃密であり、目を背けたくなる場面ですら瞬きするのも忘れそうです。
[映画館(字幕)] 8点(2006-11-24 18:19:50)(良:1票)
386.  パニック・フライト 《ネタバレ》 
時間つぶしにはもってこいのB級娯楽作品。何が良いって主人公の女性が暴れまわるのがスカッとします。知能戦を期待すると裏切られますが前半の静から一転の後半の動。勝手知ったる自分の庭で文字通り我が家を駆け回り始まる主人公の逆襲。客商売のキャリアウーマンが多忙な生活で貯まりに貯まったストレスを一気に発散するかのような活躍っぷり。ヘッドバットのお返しなんて、いや~勇ましいじゃないですか。おキレイな女優さんに迫るどこかセクシャルな雰囲気があるキリアン・マーフィとキャストもピッタリ。短いのでジャンジャン進んで行くのも良いですね。
[DVD(字幕)] 7点(2006-11-20 18:09:02)(良:1票)
387.  ジャンヌ・ダルク(1999) 《ネタバレ》 
ジャンヌ・ダルクは本物のフランス王国の救世主なのか?はたまた英仏百年戦争の末期、苦し紛れの謀略による傀儡に過ぎない戦争の道具なのか?諸説、憶測が多々あるなか狂気のジャンヌを選択したのが興味深い。よくよく考えてみれば、うら若き乙女が戦場で剣をかざして駆け回るなんて正気の沙汰ではない。だが一方で、普通なら頭の危ない若過ぎる女指揮官などに命を預けるなんて到底できず、百戦錬磨の将軍たちはもとより兵士たちもついて来ないはずだ。しかしそこはさすがのリュック・ベッソン。強い女性を魅力的に描き、ミラ・ジョヴォヴィッチの迫真の演技も手伝って、わめき散らす男勝りのジャンヌや小首を傾げる愛らしいジャンヌに惹かれてしまう。将軍や兵士たちと共にジャンヌを信じたくなってしまう。〝フォッロ~ミ~!〟の叫びにどこでも突撃したくなってしまう。ボサボサ頭の彼女を美しいと思った時点で私の負けなのですよ。 ただ、一つ残念なのは世の中の動向描写が皆無に近いこと。戴冠式だけではなく解放された一般市民の歓喜の声が細かに描かれなくては、ジャンヌの功績が不明瞭でありせっかくの自問自答のシーンに客観的な一観客としての判断が下せない。仮にフランス人にとって常識的なことだったとしても英語劇で行ったからにはジャンヌの位置付けが漠然としている人種にも理解できるようにして欲しかった。
[ビデオ(字幕)] 8点(2006-11-15 18:22:37)
388.  鉄路の闘い 《ネタバレ》 
ドキュメンタリー調で事の成り行きを追い、特定の人物の内面が描かれていないので歴史的背景を理解していないと内容を把握しづらいです。人物描写を避けたのは個人が先だって関わった不特定多数の人々が埋没しないようにするためや、感情的になり過ぎないため、真実味を帯びさせるためかもしれません。それでも鉄道員たちの圧倒的な活躍やラストに取り戻された列車にフランス国旗がはためく場面を見るとレジスタンス運動員の功績を称えているのが良く分ります。当時の実状や世相を知っているわけではないので軽率な物言いは控えたいのですが、仮に無国籍に置き換えて考えてみるとレジスタンス側のやや一方的な印象を受けます。作戦はことごとく成功し、反撃による死者も犠牲者として美化されたように見えます。もちろん鉄道員たちに捧げられた作品でしょうから当然と言えば当然なのですが、その一視点描写の英雄像という内容は今観るとやはり時代を感じます。
[DVD(字幕)] 6点(2006-11-13 18:22:01)
389.  ホームワーク(1989)
宿題は個人的なものと思っていたが、改めて全体で考えてみると不公平なものだ。子どもの能力は当然バラバラだし、親が文盲であるかどうか兄姉がいるかいないか等の家庭環境により宿題に掛かる労力はかなり左右されるのに同一の課題を出すのはおかしい。もちろん学校側からしてみれば授業のこともありレベルの画一化を計っているのだろうが、理屈では理解していても子どもからしてみれば不公平以外の何物でもない。さらに〝罰〟は体罰で誰もが恐れているのに対して〝ご褒美〟の意味を理解していない子が少なくない。これは恐怖政治のような状況であり、そのためかTVアニメが好きに決まっているのに誰もが宿題の方が好きと答える。さらにお国柄だろうし無邪気な子どもたちに大意は無いのだろうが〝フセインは地獄に落ちろ〟などと大合唱するのは教育というより洗脳に近い。何故にそうなるかと考えるとやはり教育には国の世相が反映されるのだろう。〝子どもは社会の鏡〟と言うが〝宿題について〟という監督の問いかけは子どもや学校の問題だけにとどまらず意外にもかなり深い。 そして残念ながら日本の教育も悪い一例として登場する。現在も取り沙汰されているが、その背景にはやはり病んだ日本社会の姿がある。宿題を見ればその子が分り、その家庭が分り、その学校が分り、ひいてはその国が分る、着眼点が面白い非常に興味深い題材だった。・・・ただ、カメラの前でサングラスのおじさん(監督)に圧迫面接されている感じなので子どもが正直に答えているかは疑問なんですがね。
[ビデオ(字幕)] 8点(2006-11-09 18:20:06)(良:1票)
390.  トリスタンとイゾルデ
説話であり類型本がいくつか出ている物語なので詳しくは知りませんが、少なくとも大まかなストーリー展開以外かなり大本からアレンジが加えられています。人物設定も異なりますし媚薬や竜退治やイゾルデと同名の恋敵など物語の有名どころは登場しません。竜退治などはけっこう期待していたのでガッカリしたのですが…これがなかなか丁寧に作られていて面白いのです。もちろん高名な悲恋劇の古典もいまや単純過ぎるお話ですし、かりにも指導者たる者達がとるお間抜けな行動の連続には唖然としますが、あくまで二人の愛がテーマなので焦点を絞ったのでしょう。トリスタンとイゾルデ、それにマーク王の三者三様の想いが存在するなかで、若い二人がキッパリと決心することができず愛と忠義の間で揺れ動く姿が切ないです。それに今の時代、興行目当てで本当は安易にCGの竜など2、3匹出して景気付けたいところだろうし、惚れ薬や恋敵も使いたいアイテムでしょう。しかしそうはせず敢えて直球勝負で挑み、若手起用でほぼマイナーな役者で撮ったのは物語を伝えようという製作者サイドの真摯な意気込みを感じますので、とても好印象なのですよ、ええ。
[映画館(字幕)] 8点(2006-11-08 18:18:05)(良:2票)
391.  私のように美しい娘
モラルや理性や知性なんてこの女を前にしたらあえなく崩れ去ってしまう。欲望や本能に従うしかなくなってしまう。そんな彼女はまさに魔性の女。男たちだけでなく彼女も欲望に忠実に生きているだけなのに計算ができるのとできないのとではエライ違いです。やはり女の方が怖いですね~。こんな女にハマってしまった男は周囲の男のネクタイの色の変化に細心の注意を払うしかないですねぇ。
[CS・衛星(字幕)] 7点(2006-11-06 18:11:03)
392.  トンマッコルへようこそ 《ネタバレ》 
シーンだけなら素敵な部分もありましたが・・・何よりトンマッコルが格別魅力的な場所に思えないのが致命的です。ほぼ村人の人物描写がなく幸せな暮らしや楽しい風景などの外見を見せられただけで村の本質を描いていません。個人レベルで敵味方問わず友好関係を築くだけの物語なら特別なコミュニティは必要ないはず、そこを敢えてトンマッコルに集合させたのですからただの平和な村ではなく得がたい理想郷の存在を期待してしまいます。それなのにこれでは隔離されたイイ人が集まった集落にしか思えません。しかも争い皆無の平和なトンマッコルを賛美する一方で最後の戦闘への流れは戦争は避けて通れないのだと訴えているように感じ矛盾を覚えます。そしてその答えは序盤で村人たちによって提示されそうになりつつも放棄されます。彼らはイノシシ騒動の時、殴ったら復讐されるからイカンと話し合っていましたが、結局は兵士たちが殺す事で解決してしまいました。ポップコーンの雪が降る幻想的な村なればイノシシ問題も退治するのではなく突拍子もなくもトンマッコル流の方法で和平的に解決してこそ皆が夢見るユートピアとなったと思います。その方法を見せることこそがトンマッコルの秘密、魅力でありひいては映画の魅力となったのではないでしょうか。
[映画館(字幕)] 5点(2006-11-02 18:28:37)(良:2票)
393.  ロスト・ワールド(1925)
おそらく世界最古の長編大作であり全ての恐竜、怪獣映画の草分けの記念すべき作品であるが、当時は驚愕の映像でも現在となっては子供騙しにもならないストップモーションの恐竜たちは陳腐で、無いも同然のストーリーは観るべきところがない。今となってはこの数年後に製作される「キングコング」の試作品であり長いプロモーションビデオのようにしか見えない。しかし本筋とは何の関係もなく暴れまわり格闘する恐竜たちに〝観客を魅了したいんだ〟という作り手の志を感じオブライエンの心意気に感嘆する。オブライエンの意志は弟子のレイ・ハリーハウゼンに受け継がれ、現在はスピルバーグらが後任を務めているようなものだが誰もがオブライエン師弟とはタイプが異なる。オブライエンはまるで奇術師が一つ一つ手品を見せるかのように有り得ない場面を次々映像化し観客を驚かせる。だから次は何?次は何が出るのとワクワクする。だが例えば「ジュラシック・パーク」シリーズなどはリアルな恐竜を再現しただけに留まりオブライエン作品のような興奮がない。確かにリアルさは架空のものに真実味を帯びさせ観客の心を取り込む重要な要素だが、恐竜映画に最も必要なのはそのリアルさの追求でも薄味な人間ドラマでも襲われる恐怖でもなく、本作のように恐竜で魅せるという事だと思う。だから私にとっての最高の恐竜映画は本作の延長線上にある「キングコング」なのだ。オブライエンは超一級のエンターテイナーであり、私は彼の恐竜たちが大好きだ。
[DVD(字幕)] 6点(2006-10-31 18:11:10)
394.  身代金 《ネタバレ》 
この類の映画はよほど巧妙に作らない限りどうしたって粗が目に付く。警察側も犯人側もああすれば良い、こうすれば良いと一歩引いた目で観てしまい作品に入り込めない。本作も例外ではないがゲイリー・シニーズの悪役っぷりによってかなり救われている。もともと目玉ギョロギョロのシニーズという役者は悪人が似合うが、G・オールドマンのような狂気全開でガンガン押すタイプではなく善人の顔も持ち合わせており屈折した知的で感情的なキャラクターを得意としている。だからこの役は彼に非常に似合う。職業は善人である警官であり戦いは相手の性格を読んで頭脳で勝負してくる。しかし怒りが爆発すれば頭脳より感情が先立ち狂気を垣間見せる。逆らう子分を一撃で黙らせる。最後は大人しくしていれば良いのにノコノコ自宅まで訪ねてくる。その頭脳と感情の微妙なラインを表現する悪役となるとゲイリー・シニーズは一層冴え渡るのだ。
[映画館(字幕)] 7点(2006-10-30 20:57:55)(良:1票)
395.  月世界旅行 《ネタバレ》 
砲弾型の宇宙船や落下による地球帰還は原作にあることですが、改めて映像化されたものを見るとそのセンスの高さに驚きます。もはや言わずもがなですが月の顔面に宇宙船が突き刺さる絵は圧倒的です。月の人?を連れて帰ってきてしまう映画ならではのオチも笑えます。バタバタ動く素早さや上映時間の短さが100年の時を経た今、逆に現代に相応しいスピード感と簡潔さを生み出しているとさえ思えます。
[DVD(字幕)] 8点(2006-10-27 18:35:50)
396.  ローラーとバイオリン 《ネタバレ》 
ローラー車の運転手セルゲイとバイオリン弾きサーシャの互いの胸に抱く別世界への憧憬が詩情豊かに描かれています。サーシャがローラー車の運転に夢中になるシーンやセルゲイがバイオリンの音に恍惚とするシーンに、労働者階級と資本家階級、別世界の住人同士の親交の新鮮さが感じられます。全く別次元の代物なのにローラーもバイオリンも棒を引いて扱うという共通項があると思うのは考え過ぎでしょうか。サーシャが子どもだからという理由でローラー車に憧れているのではないことは、音楽家と言ってバカにする他の子たち(彼らもおそらく労働者階級となる)がバイオリンに憧れていることで証明されています。しかし憧れを抱いても両者とも自らの境遇に不満があるようには描かれていません。セルゲイにバイオリンを弾いて見せるサーシャは誇らしげであり、セルゲイの働く姿は勇ましく写っているのです。ただ両方を手に入れるのは土台無理な話で結局、人生は無いものねだりなのでしょう。そんな交われぬ異世界の一時的交流が温かい目線で描かれています。
[DVD(字幕)] 7点(2006-10-24 18:22:50)
397.  ルパン 《ネタバレ》 
まだ駆け出しの青っちょろいルパンと御歳不明の妖艶なカリオストロ伯爵夫人との対決に、愛憎うずめく親子対決。親子三代、流れる血には逆らえない宿命にあるルパン一族の叙事詩。ここで終わってしまうんかいっという幕引きですが、最後にはサラエボ事件を匂わせるような暗殺未遂事件。カリオストロ伯爵夫人は絵画にも登場していたし第一次世界大戦まで引き起こしてしまうような様々な歴史的大事件の黒幕だった!?・・・という壮大な大河ドラマにした着想は面白いのですが・・・尺が長い割りにクライマックスと呼べるような場面が無く薄味であり、お金はかけていそうですが、監督は観客を退屈させるのがよほど心配だったのかやたら画面が切り替わります。スピード感を狙ったものかもしれませんがその場面自体がそれほど興奮する場面ではないので何だか疲れます。それから私が男だからかもしれませんがルパンが魅力的に思えなかったのは残念です。ロマン・デュリスの風貌自体は似合っていると思うのですけどね。
[DVD(字幕)] 5点(2006-10-23 18:20:16)
398.  人間の運命 《ネタバレ》 
一般市民目線から戦争の悲劇を痛烈に訴える本作は、むごい運命を背負った男の過酷な半生記であるが暗くなるどころかむしろ前向きにさせてくれる。最悪の事態の連続で絶望の淵に立たされても不屈の精神で前進し続けるソコロフの姿が、感傷的になり過ぎず描かれており逆に人間の静かな力強さを感じさせる。目的意識を持つ事によって〝生きる〟という精神的な強さが滲み出ている演出も素晴らしい。それでも最後に利害関係の一致とは言え戦争孤児である赤の他人の子を、単に養子とすると言うよりも我が子と思い込むことにした展開は現実逃避であり、やや寂しさや哀しさを感じる。しかし悲惨で残酷な世の中を散々映し出すことにより、生き抜くためには〝思い込み〟ですら必要な生きる術であると説得力を持たせている。特にソコロフは〝横から人生を見られず真正面から見つめた〟という台詞通り真っ当な人間に描かれ希望無しでは歩いて行けないキャラクターなのだから。本作に描かれているのは生半可なヒューマニティではない。生きぬくためには殺しも辞さない生身の生命力溢れる人間像である。
[DVD(字幕)] 9点(2006-10-18 18:21:04)
399.  愛についてのキンゼイ・レポート 《ネタバレ》 
本作についての鑑賞簡略レポート・・・・・・  ※考察・多数決の原理…作中幾度も多数の数的有利が実証される。いくつか列挙する。多数の授業参加者によりキンゼイの性の講義が承認。キンゼイ一家の食卓でのくだけた性談義は一般家庭では異常であっても、ここでは一人ついていけない息子がはみ出し者。キンゼイが同性愛を経験した切っ掛けは予想以上に体験者が多かったから。そもそも性行動の研究を始めたのは孤独感を軽減するため。他にも話題騒然の時と落ちぶれた時のキンゼイへの援助金に対する大学側の議決などがある。キンゼイは講義で〝相違こそが生命の基本原理〟と言及しているが、だからこそ人間は同士を欲し孤独ではない安心感を得たいのである。  ※結論…人間が避けて通るタブーに迫ったキンゼイの人生を賛否両論交えて描いたものの、途中から只管キンゼイの盛衰を駆け足で追うだけの描写になってしまっているのは否めない。例えば性格の類似性が見られる父子関係がキンゼイの人格形成の重要なファクターであったのは確実だが、物語における葛藤の位置付けはきわめて低い。率直に言って本作はキンゼイ教授の半分も突き詰められていないというのが私の鑑賞結果である。しかし興味深く観られたのもまた事実であり評価は6点とする。 
[DVD(字幕)] 6点(2006-10-11 18:24:05)
400.  レディ・イン・ザ・ウォーター 《ネタバレ》 
今回はついにオチ無しの直球勝負の物語。私は寓話大好きですから楽しめましたよ。シャマラン監督の言うように〝寝る前に子どもに聞かせる物語〟の要素がふんだんに盛り込まれています。簡単な筋書き、妖精、異世界、魔物、善人、悪人、異種のコミュニティの連携、聞く者を飽きさせない適度な波乱、〝職人〟や〝証人〟らの説明皆無の出現などなど。おとぎ話ですから幼稚と言えばその通りですが、主人公の再生がしっかり描かれています。『アンブレイカブル』や『サイン』も人間の再生物語でしたしシャマラン監督はもう現代の寓話的再生作家ですな。えっ?せっかく〝どんでん返し〟を卒業したのに新たな重荷になちゃいますか? ところで童話の原則である〝悪〟が映画評論家で、彼が餌食となるのは監督の日頃の憂さ晴らしでしょうね。ちょっと子ども染みていますが皮肉が利いていて洒落ています。偉そうに御託を並べていると私も何チャラ(名前忘れた)に襲われるかもしれません。夜のトイレタイムは快適に過ごしたいのでこの辺で失礼します。
[映画館(字幕)] 7点(2006-10-06 18:24:07)(良:1票)
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