381. ヤング@ハート
《ネタバレ》 物珍しい「見せ物」ではなく、しっかりとしたエンターテイメントとして成立しているところが素晴らしいですね。人生の終着点が近づいている状況の中で、それに抗うかのように歌い続ける彼らの姿はまさにロックですね。「やはり、ロックの洗礼を受けたからには、死ぬまでロックしていかねばならんな」と自分に言い聞かせたい心境になりました。 [地上波(字幕)] 7点(2010-03-30 01:28:59)(良:1票) |
382. ざわざわ下北沢
《ネタバレ》 20世紀から21世紀へ移り変わろうとする時代に昭和的なものと平成的なものが世代交代していくような、そんな日本社会の姿を下北沢を舞台にリアルに映し出した人間ドラマでした。 やや、雑然としている感(狙っているのかもしれませんが)はありますが、出演者が豪華なこともあって非常に楽しく観ることができました。 この頃の市川準の作品は、今後当時の世相を知る上での参考資料として存在価値が高まっていくのではないかなと思います。本当に彼の作品をもっとたくさん見たかったですね・・・・・。 [ビデオ(邦画)] 7点(2010-03-07 00:03:39) |
383. U.N.エージェント
《ネタバレ》 こういう作品を観ると、異文化との共存がいかに難しいことであるのかを痛感しますね。そして、歴史は確かに大切なもので我々はそこから学んでいかなければならないのですが、それに縛られてしまうことが果たしてよいことなのかどうか良くわからなくなります。 この作品は、「スレブレニツァの虐殺」の悲惨さを告発するだけでなく、その隠蔽されかけた実態を明らかにするために奮闘する人々の姿を克明に描いていて非常に興味深かったです。 [DVD(字幕)] 7点(2010-03-06 23:38:24) |
384. 彼女の名はサビーヌ
《ネタバレ》 サビーヌのあまりの変わりように衝撃を受けました。 サビーヌの人生を、同じような病気の人たちを救うために生かすことが何よりも大切だと思いました。また、目を背け、見えないところに彼女たちを閉じ込めてしまうような政策や風潮は改めなければならないとも思いました。 [DVD(字幕)] 7点(2010-02-07 20:39:16) |
385. スナイパー・バレー
《ネタバレ》 民族間の憎しみが続くコソボに赴いたドイツ軍兵士たちの苦悩、双方共にそれなりの大義名分を持っており、どちらにも過度の介入ができない任務を遂行する難しさが伝わってくる作品でした。 何百年もの時間をかけて培われた遺恨ですからそう簡単に解消なんてできはしないでしょう・・・しかし、終盤の展開はかすかに和解への希望を見せてくれます。 [DVD(字幕)] 7点(2010-01-30 02:08:24) |
386. 反恋愛主義
《ネタバレ》 どうしてもハンガリーというと、旧社会主義国とか「ハンガリー動乱」を思い浮かべてしまうのですが、この作品は現在のハンガリーの姿をユーモラスに描いていて非常に興味深かったです。単純にラブコメディとしても良く出来ています。 しかし、こういう未知の国の映画でもあまり文化のギャップを感じずに共感できるというのはグローバリズムが進行しているってことなんですかね? [DVD(字幕)] 7点(2010-01-27 21:01:24) |
387. カティンの森
《ネタバレ》 アンジェイ・ワイダのこれまでの映画人生はこの作品を世に出すためにあったのではないかと思わせるほど、思い入れの強さが伝わってくる作品でした。ワイダ監督の作品だからこそ、この作品は日本でも公開されたのだと思いますし。 自らの肉親の命を奪った事件を、その卓越した技量と名声によって世界中に、そして後世に残していきたいという意気込みが感じられましたね。また、この作品はドイツとソ連という大国の中間に存在するポーランドの苦しみ、悲しみを全世界に伝えてきたワイダ監督の総決算とも言えると思います。 とにかく、この作品をこれから観ようと思われている方は必ず事前にこの事件について予習しておいていただきたいですね。ドラマとしては後味は悪いですが、「カティンの森事件」の悲劇性の全てをこの作品は描いていて非常に興味深い映画となっていると思います。 [映画館(字幕)] 7点(2010-01-18 00:34:08) |
388. アフター・ザ・レイン
《ネタバレ》 まあ、結末がわかった状態で観始めたので、前半の明るさが非常に切なかったですね・・・・・。まるでジェットコースターが急降下する前にゆっくりと坂を上昇していく時のような雰囲気でした。 主人公のダークサイドに落ち込んでいく精神状態の描写や音楽の使い方など、監督のこの映画に対する思いが伝わってきました。ただ、いかに作品として良く出来ていたとしても、主人公の選んだ行動に同情は全くできないし不快感しか残りませんでしたね。 [DVD(字幕)] 7点(2010-01-16 18:27:57) |
389. ぼくの瞳の光
《ネタバレ》 華やかさは全くありませんが、大人になりきれない大人たちのラブストーリーという感じでしたね。イタリアの人々が抱える問題や暮らしぶりも垣間見ることができ興味深かったです。 ただ、もう少しマリアの過去についての説明が欲しかったかなと思いました(結構謎が残っているので)。 [DVD(字幕)] 7点(2010-01-04 00:02:01) |
390. おいしいマン
《ネタバレ》 何というか、韓国映画っぽくない印象を受けましたね。どちらかというと、日本映画的な雰囲気を感じました。 説明を極力省き、静かに淡々とストーリーが展開していくのですが、退屈することなく観ることができたのは、やはり紋別の厳しくも美しい風景と役者陣の演技力が良かったからですね。池脇千鶴は年を重ねるごとに味が出てきますね・・・今後の活躍が本当に楽しみです。 この監督の他の作品も観てみたいですね。 [DVD(字幕)] 7点(2010-01-04 00:00:44) |
391. フィッシュストーリー
《ネタバレ》 何かを表現することは、世界を確実に(ほんのわずかかも知れませんが)変えていき、その積み重ねが我々の歴史を築きあげていく。なんというかそんな壮大な事を考えさせてくれる素敵な「FISH STORY(ほら話)」でした。 まあ、75年のシーンの登場人物たちがちょっとキレイ過ぎな感じがしましたけどね。 [DVD(邦画)] 7点(2009-12-06 23:48:39)(良:2票) |
392. カフーを待ちわびて
《ネタバレ》 沖縄の離島に流れるゆったりとした独特の雰囲気がとても心地よい映画でした。そして、島を理想郷としてだけではなく、現実に流れている生活観も含めてしっかりと描いているのも良かったと思います。 偶然とすれ違いが織り成すストーリーは、一見ありえないファンタジーな展開に実はありえる理由があることが徐々に明らかになっていくように進んでいき面白かったです。 とりあえず、大事な事は早めに伝える、疑問に思ったことはしっかりと確認する事が肝要だということを強く感じましたね(まあ、それをしていたら物語にはなりませんが・・・・・)。 [DVD(邦画)] 7点(2009-12-05 10:32:17) |
393. デイズ・オブ・グローリー
《ネタバレ》 戦場では皆平等だという建前と植民地出身者を本国人の盾にしようとする本音の非情とも言えるギャップがとてもやるせなかったですね。人種も宗教も全く異なり、行ったことも無い宗主国のために戦う男たちのドラマです。金のためであったり、出世のためであったり戦地に赴いた理由はいろいろですが、敵と戦うだけでなく本国人との格差(食事や休暇等待遇の違い)や差別とも戦わなければならない不条理さが痛烈に伝わって来ました。 最後に、フランス政府による旧植民地出身軍人の恩給凍結について問題提起が為されています。 [DVD(吹替)] 7点(2009-12-03 23:30:35) |
394. わが故郷の歌
《ネタバレ》 とにかく、サダム・フセイン政権下のイラクがクルド人に対して行った攻撃の悲惨さが痛烈に伝わってくる作品でした。前半のユーモラスなロードムービーに爆撃機の音が被さっていき、直接的な表現は無いもののイラクによるクルド人大量殺戮や化学兵器の使用の非道さが描かれていきます。 まあ、そんな悲惨な状況の下にあっても人々は何とか生きていこうとしている訳で、この映画も多少の希望を感じさせる部分はあったのですが、やはり民族問題の難しさを痛感しましたね。 [DVD(字幕)] 7点(2009-11-26 00:16:10) |
395. アウシュビッツ行 最終列車 ヒトラー第三帝国ホロコースト
《ネタバレ》 アウシュビッツへ送られる列車の中の悲惨な様子をひたすら描いている作品です。豊かな生活をしていたユダヤ人たちが突然地獄のような世界へ送り込まれる様が完全なるフィクションでは無いことが恐ろしいですね。 権力や状況が免罪符さえ与えさえすれば、多くの人間は他の人間を平気で家畜扱いしたり殺せたりするのだとは思いたくないんですけどね・・・・・。まあ、平和ボケなのかもしれませんが。 まあ、出演者の演技も良く、悪い作品ではないのですが約2時間ひたすら悲惨な密室劇を見せられるとさすがに疲れますね。 [DVD(字幕)] 7点(2009-11-22 21:09:40) |
396. 約三十の嘘
《ネタバレ》 詐欺師たちの駆け引きや心理戦を楽しむ映画だと思って観ていたら、気がつくと失われかけていた仲間の絆の再生物語になっていて狐につままれたような気分になりました。「核心以外はすべて本当のことを言う」というセリフがありましたが、この作品も物語の核心は最後まで出さずにサスペンス的な密室劇をひたすら繰り広げ、最後に裏切られましたね。ちょっと地味でしたけど・・・・・。 まあ、出演者たちは皆旬の方々ばかりなので見ごたえはありました。 [地上波(邦画)] 7点(2009-11-20 00:16:45) |
397. ルビー&カンタン
《ネタバレ》 復讐に燃えるクールな一匹狼の男と力は強いがひたすら能天気な男の噛み合わないコンビをジャン・レノとジェラール・ドパルデューが楽しく演じています。ドパルデューの道化がうまくジャン・レノの持ち味を引き出していますね。 まあこういう作品はあまり深く考えずに楽しむのが一番ですね。 [地上波(字幕)] 7点(2009-11-17 23:20:53) |
398. 暗殺・リトビネンコ事件(ケース)
《ネタバレ》 この作品はリトビネンコ事件の追求のみならず、先進国とは到底思えないロシアの権力体制の異常とも思える姿を告発していて非常に興味深かったです。そういう国家が隣に存在することが恐ろしいですね。 権力維持のために反抗するものに対し手段を選ばず抑え付けようとし、しかも国民に対する見せしめの意味もこめているのか露骨な報復手法をあえてとる姿勢を見ると、この国は民主主義・自由主義の皮をかぶった全体主義の独裁国家なのではないかと感じてしまいます。 まあ、政商が「ロシア人の精神性には隷属志向がある」と語るシーンがあったり、プーチンの過去の犯罪に言及したりとかなり過激な内容で、監督の身の安全を心配してしまいます・・・・・(家は荒らされたようですが)。 [DVD(字幕)] 7点(2009-11-15 23:39:41) |
399. パンドラの箱(2008)
《ネタバレ》 親子関係・兄弟関係そして介護問題という、トルコだけでなく我々にとっても他人事では無い普遍的なテーマを扱っているので見入ってしまいました。 しかし、この問題は難しいですね。ラストの一人で山に入っていくアルツハイマーの祖母をただ見つめるしか術のない孫の心境が非常に良くわかります。 緻密に計算された映像美と演出、そしておばあちゃん役の演技が素晴らしかったです。 [映画館(字幕)] 7点(2009-11-08 11:28:15) |
400. レディ・エージェント 第三帝国を滅ぼした女たち
《ネタバレ》 この作品が面白いことは確かです。118分間まったく飽きることなく観賞できましたし、「D-DAY」の成功の裏にはこんなことがあったんだと非常に興味深かったことも確かです。 ただ、あまりにも主人公たちが戦争アクションの英雄としては悲惨すぎるんですよね、「死して屍拾う者なし」というどっかの時代劇に出てくる文句が浮かんできました。何というか、結果としてナチスに勝ったことは勝ったのですが、戦争という愚かな行為が産み出した虚しさしか感じませんでした。ナチス側の方がよっぽど人間的に描かれていますし。 [DVD(吹替)] 7点(2009-11-03 21:41:01) |