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かたゆきさんの口コミ一覧[この方をお気に入り登録する

プロフィール
コメント数 1874
性別 男性
年齢 48歳
自己紹介 自分なりの評価の基準は、
10・超大好きな作品。完璧。映画として傑作であるばかりでなく、自分の好みと見事に合致している。
9・大好きな作品。完璧に近い完成度。手放しに歴史に残る傑作といっていい。
8・好きな作品。本当に面白い。欠点があるかもしれないが、それも含めて好き。
7・少し好きな作品。普通に面白い。欠点もあるかもしれないが、そんなに気にならない。
6・普通の作品。可も無く不可も無く。最後までストレスなく観られる。面白いけど、心に残るものはあまりない。
5・少しつまらない作品。最後まで観るのにちょっとストレスを感じた。面白い部分も多少はあった。
4・つまらない作品。最後まで観るのが苦痛だった。ほとんど面白いところが感じられなかった。
3・かなりつまらない作品。最後まで観た自分を褒めてあげたい。観終えた後に、怒りのあまりDVDを割りそうになった。
2・超つまらない作品。時間と金を返せ。観終えた後に、怒りのあまり製作者全員を殴りに行きたくなった。
1・絶望的につまらない作品。最低。観終えた後に、怒りを通り越して死にたくなった。
0・死霊の盆踊り。

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381.  ティーンスピリット 《ネタバレ》 
イギリスの小さな島で貧しい母子家庭に暮らす17歳の少女、ヴァイオレット。歌うことが大好きな彼女は、週末ごとに場末の酒場で酔っ払い相手に歌声を披露していた。だが、ほとんど人生にくたびれた親父ばかりで彼女の歌なんて誰も真面目に聴いちゃいない。保守的な母親は、そんな彼女に小言ばかり。溜息ばかりの鬱屈した日々を生きていたヴァイオレットはある日、この島でテレビの大型オーディション番組「ティーンスピリット」の予選があることを知る。「誰でもいい、私の歌を真剣に聴いてほしい」――。退屈な日常から逃れるかのように会場へと向かった彼女は、思いっきり歌声を披露し、無事予選を通過するのだった。だが、二次予選に出場するには保護者の同伴が条件。仕事が忙しい母親にはとても頼めない。酒場で唯一自分の歌を真剣に聴いてくれていた、酒浸りの元オペラ歌手にマネージャーとして付いてきてもらうように頼み、ヴァイオレットは急いで会場へと向かうのだった。そしてそれが彼女の人生を大きく変えることに……。地方でさえない日々を送っていたティーンエイジャーが、持って生まれた才能だけを武器にスターへの階段を昇っていく姿を描いた青春サクセス物語。僕のお気に入りの若手女優エル・ファニングちゃんが自らの歌声まで披露しているということで今回鑑賞してみました。正直、ベッタベタでしたね、これ。何処かで見たようなストーリーに何処かで何度も聞いたような楽曲の数々、そしてステレオタイプな登場人物たち……。もう何もかもが薄っぺらいです。人気歌手のMVを引き延ばしたものに毛が生えた程度のものでしかありません。だいいち、この酒浸りの元オペラ歌手にどうしてそこまで主人公が肩入れするのか、さっぱり説得力が感じられない。このおっさん、偉そうなこと言って車出してるだけで大したこと何もしてませんって。致命的なのは、最後、この大会の決勝戦で彼女が歌う曲が一切心に響かないという、ね(笑)。とはいえ、主役を演じたエル・ファニングちゃんは終始キラキラしててもう可愛いったらありゃしなかったです。彼女の胸ポチTシャツ姿なんてサイコーでした。という訳で、毒にも薬にもならないぶん最後までストレスなく観ていられるし、彼女のイメージ・ビデオとしてなら充分楽しめるんじゃないでしょうか。
[DVD(字幕)] 6点(2020-08-27 22:06:40)
382.  スケアリーストーリーズ 怖い本 《ネタバレ》 
ホラー好きで学校でも少し浮いた存在であるティーンエイジャー、ステラ。ハロウィンの夜、同じくクラスのはみ出し者の男の子たちと街へと繰り出した彼女は、何かと噂の絶えない町外れの廃墟へとやって来る。そこはおおよそ100年前、家族から監禁された末に自殺した女の子サラが、何人もの子供たちに自作の物語を聴かせた挙句残虐な方法で殺したという恐ろしい言い伝えが残っているのだ。鍵を外し、興味本位で中へと侵入した彼女たちは、そのサラが監禁されていたという秘密の地下室を発見する。そして、そこでサラが殺した子供たちの血で書いたと思しき本を見つけるのだった。ホラー好きのステラは、思わずその本を家へと持ち帰ってしまう。だが、彼女は知らなかった。そこにはいまだ恐ろしい物語が書き継がれていて、そこでつぐまれた物語は現実になってしまうことを――。全米であまりの恐ろしさから図書館へと置くことに論議が巻き起こったという児童書を映画化した本作、制作を務めるのがあのギレルモ・デル・トロと言うことで今回鑑賞してみました。しかも監督は前回、『ジェーン・ドゥの解剖』と言うフェティッシュ・ホラーの快作を撮ったアンドレ・ウーヴレダル。この二人がタッグを組んだというなら、もう観ないわけにはいきますまい。とにかく特徴的なのは、ホラー描写の禍々しさに容赦のないところ。日本的なじわじわ来る怖さとは正反対の、もういちいち人の生理的な部分を逆撫でする描写のてんこ盛り。最初に出てくるかかしのお化けの顔に毎回ゴキブリが這いずり回っていたり、仲間の男の子が食べたシチューの具に人間の足の指が入っていたり、可愛い女の子のニキビから大量の蜘蛛が飛び出してきたり……。いったいどうやったらこんな嫌なエピソードばかり思いつけるんですかね(笑)。極めつけは、廊下の向こうからゆっくりとやって来る太った女のお化け。もうこいつの気持ち悪ーい外見なんて夢に出てきそうなほどです。うん、確かにこれは子供が観たらトラウマになりますわ。肝心のストーリーの方も無駄を削ぎ落したシンプルなもので、最後まで小気味よく観られて大変グッド。ベトナム戦争や移民への偏見と言う社会問題へとさらりと目を向ける視点の幅広さもポイント高いです。主人公が最後に迷い込むことになる、サラが住んでいた洋館のおどろおどろしい雰囲気や彼女の悲劇的な最期なんていかにもデル・トロ的ですね。いやー、なかなか面白かった。やんちゃ盛りのお子ちゃまへの教育用ビデオとしても最適です(笑)。
[DVD(字幕)] 8点(2020-08-27 19:16:17)
383.  イエスタデイ(2019) 《ネタバレ》 
謎の現象により、地球上のすべての人がビートルズの存在もその名曲の数々も忘れてしまった世界。ただ一人、彼らの曲を覚えていたのは売れないミュージシャン志望の若者ジャックだった。できうる限りの記憶力を頼りに、ビートルズの名曲の数々を完コピした彼は、それらの楽曲をなんと自分の作品として世に発表する。「ヘイ!ジュード」「レット・イット・ビー」「バック・イン・ザ・USSR」、そして「イエスタディ」――。当然のごとく、発表するすべての曲がヒットチャートのトップへと駆け上り、ジャックは瞬く間に大スターの仲間入りを果たすのだった。でも、さすがに良心の呵責に悩まされるジャック。売れない時代からずっと彼のことを支えてくれていた幼馴染のマネージャーとも次第に心がすれ違っていって……。ダニー・ボイル監督がおくる、そんな大人のためのファンタジー・コメディ。ワンアイデアながら、もはやハリウッドの大物となったこの監督らしい、キレのいい演出とポップで軽快なストーリー、センス溢れる音楽の使い方などで最後まで小気味よく観ることが出来ました。ビートルズの曲を丸パクリし、恥ずかしげもなくトップスターへと駆け上ってゆく彼には思わず苦笑い。でも、この主人公の人の良いキャラクター造形が絶妙で不思議と嫌いになれないんですよね。ここらへんは脚本の力なのかも知れません。特にこの主人公が、家族の前で初めて「レット・イット・ビー」を演奏しようというのに誰も真面目に聴かずひたすら邪魔してくるとこは思わず笑っちゃいましたわ~。ただ、ラストで息切れしたのか、だいぶ放り投げっぱなしで終わってしまったのは大いにマイナス・ポイント。それに終始軽いノリで最後まで押し通したのも賛否が分かれるところ。個人的には、ビートルズが居なかったせいでベトナム戦争が終わらなかったみたいな一捻りがあっても良かったような気がしなくもない。でもまあ、ビートルズの名曲の数々が(ほとんどカバーとはいえ)これだけ聴けただけでも耳福でした。うん、7点!
[DVD(字幕)] 7点(2020-08-26 17:41:03)
384.  シー・ユー・イエスタデイ 《ネタバレ》 
白人の警察官に、ただ黒人と言うだけで虫けらのように殺された兄を救うため、自作のタイムマシンを使って何度も過去へと遡る女子高生を描いたSFサスペンス。『バタフライ・エフェクト』や『オーロラの彼方へ』と言った過去改変タイムパラドックスものに、昨今の深刻な人種差別問題をスパイスとして振りかけるというこのアイデアは、新しいと言えば新しい。全体を彩るレゲエ・ミュージックも、このともすれば重くなりがちな物語を明るい青春ものへと中和させることに成功している。主人公の黒人少女が魅力的なのも大変グッド。こういう作品のお約束――こっちを救うとあっちがえらいこっちゃというのも、ベタながらなかなか面白かった。ただ、ラストがあまりにも投げっ放しなのが本作の残念なところ。もう少し「起承転結」をしっかりと考えて、脚本を練って欲しかった。冒頭、マイケル・J・フォックスがちょい役でちょっとだけ出ていたのは嬉しいサプライズ。結論としては、ま、ぼちぼちってとこでした。
[インターネット(字幕)] 6点(2020-08-25 23:02:23)(良:1票)
385.  アップグレード 《ネタバレ》 
科学技術が高度に発達した近未来。アンティークな車を専門に扱う整備士グレイは、キャリアウーマンの美しい妻とともに充実した日々を送っていた。そんな彼をある日、悲劇が襲う。謎の暴漢に襲撃され、愛する妻を無残にも殺されたばかりか、グレイ本人も一生車椅子を手離せない後遺症を負わされてしまったのだ。突然のことに自暴自棄になるグレイ。そんな彼を救ってくれたのは、旧友でハイテク技術を専門に扱う大企業のオーナー、エロンだった。エロンは、彼に驚くべき朗報を告げる。「社で開発したばかりの最先端AIチップである、この〝ステム〟を使えば、君は再び歩けるようになるだろう」。半信半疑でグレイは、チップを自らの体内に埋め込む手術を受けることに。無事に成功し、自分の足で歩けるようになったグレイだったが、しばらくすると今度は謎の声が脳内に直接聞こえてくるのだった。どうやらこのステムは自らの意思を持ち、彼の承認があれば、グレイの身体を自由にアップグレードすることが出来るらしい。ステムの力で驚異的な身体能力を手に入れたグレイは、妻を殺した犯人を求めて危険な夜の街へと繰り出してゆく……。アイデア一発勝負の明らかにB級なそんな本作、これがキレのいい演出とそこそこよく出来た脚本の力で最後まで楽しんで観ることが出来ました。とにかくこのダークでグロテスクな世界観が素晴らしい。一向に晴れ間が見えない陰鬱な街の情景、体内に直接武器を埋め込んでいる犯罪者集団、荒廃した雑居ビルのそこかしこでは現実から逃れ仮想世界で生きることを選んだ世捨て人たち…。いやー、見事なまでに退廃的で大変グッド。肝心のアップグレードされた主人公もその徐々に強くなっていく描写が丁寧で、荒唐無稽ながらなかなか楽しい。ステムに操られた主人公がカクカク動きながら敵を倒してゆくとこは、映像的にもけっこう斬新だったんじゃないでしょうか。後半、開発者や犯罪集団の追跡を逃れ、ハッカーの元へと駆け付けようとするシーンは緊迫感抜群!まあ設定に突っ込みどころ満載なのはご愛敬ですけど(笑)。さすがに未来社会とはいえ、事件を捜査するのが黒人の女性刑事一人だけと言うのはおかしいんじゃないですかね。ラストは捻りが効いていて良かった。だって客観的に見れば主人公はバットエンドですが、本人は幸せな夢の世界で生きていけるんですから。うん、なかなか面白かった!7点!
[DVD(字幕)] 7点(2020-08-24 02:48:02)(良:1票)
386.  IT イット THE END “それ”が見えたら、終わり。 《ネタバレ》 
彼らは忘れていた。〝それ〟は27年ごとにやってくることを――。デリーの街の暗い片隅で、薄暗い下水道の奥から、排水溝の小さな隙間から、〝それ〟は再び、子供たちを襲い始める。自分がもっとも怖いと思うものへと変幻自在にその姿を変えながら。一度は殺害寸前まで追い詰めた、かつての「ルーザーズ(負け犬たち)」は故郷に唯一残った仲間からの電話でそのことを知るのだった。そして彼の声は記憶の奥底に封印していたはずの暗い過去を呼び覚ます。運命の糸に導かれるように彼らは再び、デリーの街へと帰って来るのだった。27年前の忌まわしき出来事に、今度こそ決着をつけるために……。モダン・ホラーの大家スティーヴン・キングの代表作とも言える傑作『IT』を二部作で映画化したものの後編。彼らの子供時代のエピソードを中心に描いていた前作から一変、今回はそれから27年後のすっかり中年となった彼らの物語が3時間近い長尺で描かれてゆきます。原作では子供時代と現代パートが交互に展開されていたのですが、今回の映画化ではバッサリ二つに区切ったのはやはり正解ですね。すっきり観やすく、エンタメ映画としては充分に分かりやすい。そして前作同様、今回も観客に思う存分怖がってもらおうという徹底したサービス精神が非常にグッド!冒頭、久しぶりに再会し、中華料理店でディナーを楽しんでいた彼らの料理が目玉やら気持ちの悪い鳥やらに変わるとこなんてもうそれだけで摑みはばっちり。そこから最後まで、まるでジェットコースターのように手を変え品を変え、色んなシュチュエーションの恐怖演出てんこ盛りでなかなか楽しませていただきました。特にベバリーが旧家を訪れた時のエピソードに出てくるお婆ちゃん。この方、なかなかナイスな仕事ぶりで最高でした。『シャイニング』以来、全裸のお婆ちゃんは怖いというのを再認識いたしましたわ。まあ、あまりにもサービス精神が過剰すぎて途中何度か「もうええっちゅうねん!」ってなったとこもあったけど(笑)。それにやはり長いですかね。もう少しコンパクトに纏めてくれた方が良かったような気がしなくもない。とはいえ、エンタメ・ホラー映画として僕は充分楽しめました。うん、7点!
[DVD(字幕)] 7点(2020-08-23 01:08:20)
387.  クロール -凶暴領域- 《ネタバレ》 
アメリカフロリダ州に、史上最大規模のハリケーンが襲来!現地の人々に避難勧告が出される中、連絡の取れなくなった父親を捜して当地へと訪れた娘のヘイリー。轟々と吹き荒れる嵐の中で、ヘイリーは昔住んでた家で床下に倒れている父を発見する。どうやら売りに出した家のことが心配で様子を見に来てしまったらしい。父を救うため、すぐさまヘイリーは増水した川の影響で徐々に水嵩が増す床下へと下りるのだった。だが、彼女はまだ知らない。その水の中には凶悪な殺人ワニたちがうじゃうじゃ蠢いていることを――。間一髪で床下の鉄パイプの隙間へと逃げ込んだヘイリー親子。少しでも身を乗り出せば、瞬く間にワニたちの餌になることは明らか。だからと言ってこのままここに居れば、いずれは溺れ死んでしまう。果たして、彼女たちは再び無事に日の光を見ることは出来るのか?激しい嵐の中で孤立した親子が、凶悪なワニたちを相手に決死の覚悟でサバイブする姿を描いたパニック・ムービー。明らかに低予算で撮られただろう、そんないかにもなB級映画なのですが、この手の作品のポイントはちゃんと押さえられており、最後までぼちぼち楽しんで観ることが出来ました。何よりワニたちの造形がけっこうリアルで、しかもちゃんと?主人公がパクリパクリと噛みつかれ全身血みどろになるとこなんて容赦なくて良い。ここらへん、かつて『ピラニア』と言う、血みどろジェットコースターおバカムービーの快作を撮ったアレクサンドル・アジャらしいですね。死亡フラグ立ちまくりのあのコソ泥三人組が案の定、血みどろな最期を迎えるとこもナイスでした。ずっと一軒の家の中だけでほぼ物語が完結しちゃうというスケールの小っちゃさはご愛敬ですけど(笑)。ただ、主人公を助けに来た友達の警察官まで犠牲になっちゃうのはやり過ぎかな。それに、内容が最後まであまりに直球過ぎるのもちょっと物足りなかったですかね。もう少し、この作品ならではと言う一捻りが欲しかったところ。とはいえ、こういう肩のこらないB級パニック・ムービーとしては充分及第点。真夏の熱帯夜にビール片手に楽しむ分にはうってつけの映画でありました。
[DVD(字幕)] 6点(2020-08-21 17:02:13)
388.  ドクター・スリープ 《ネタバレ》 
スタンリー・キューブリックが創造した、あのホラー映画の古典的名作『シャイニング』の約四十年後を描いた続編。と、いうことでけっこう期待して今回鑑賞してみたのですが、正直、だいぶがっかりな出来なんですけど。僕はこれをあの完璧な名作の続編とは到底認めたくありません!まどるっこしいだけでさして面白くもないストーリー、前作の素晴らしい名場面におんぶで抱っこで全くセンスを感じさせない凡庸なシーンの数々、揃いも揃って魅力に欠ける登場人物たち…。数え上げればきりがないくらい、ダメ要素のてんこ盛り。致命的なのは、ホラー映画なのに最後まで一ミリたりとも怖くなかったこと。これを観るくらいなら、スピルバーグ監督の『レディ・プレイヤー1』の中のシャイニングパートを観た方が遥かに有意義な時間を過ごせます。こんなお粗末なもので続編を名乗るなんて、かつての名作への冒涜であるとすら思っちゃいましたわ。と、前作を愛するあまり、思わず感情的になっちゃったかもですけど、それが僕の率直な感想です。
[DVD(字幕)] 3点(2020-08-20 02:00:25)
389.  エンテベ空港の7日間 《ネタバレ》 
1976年、パレスチナへの不当な弾圧に抗議するため、ドイツ赤軍のメンバーがフランスの航空機をハイジャックする。機長を脅し、当時独裁国家として世界から孤立していたウガンダへと向かわせるテロリストたち。乗客の多くはイスラエル人であった。当地のエンテベ空港へと降り立った彼らは、イスラエル政府へ人質と引き換えに仲間の釈放を要求する。だが、イスラエルは断固としてテロリストとは交渉しないという立場をとっていた。焦った彼らは、一週間以内に要求を呑まなければ人質を皆殺しにすると宣言するのだった。自国の民を救うため、イスラエル政府は密かに特殊部隊を現地へと派遣するのだが…。本作は、そんなサンダーボルト作戦と呼ばれた極秘任務を実話を基に描いたドキュメンタリー・ドラマだ。過去に幾度か映画化されたという、そのエンテベ空港事件のことは恥ずかしながらほとんど知らないまま今回鑑賞してみた。飛行機内や空港施設での犯人と人質たちとのやり取りなどはなかなかリアルで、混乱したイスラエル政府内での権力闘争なども分かりやすく描かれており、総じて充分見応えはあった。犯人が、ふとしたきっかけで人質の老婦人の腕にアウシュビッツで刻まれたであろう囚人番号を見つけてしまうというシーンも巧い。現実を知らず、理想論だけで突っ走ったドイツ赤軍のインテリたちのなんと愚かなことか。ただ後半、肝心の作戦実行シーンの緊迫感の盛り上げ方はもう一つだった。実話とはいえ、もっと巧い見せ方があったはず。前衛的な舞台のダンスシーンを差し挟むという演出もそれほどうまく機能していない。ロザムント・パイク演じる女性テロリストが、電話で架空の相手と延々一人で喋っていたというシーンも、その意図がいまいちよく分からなかった。題材は良かっただけになんとも惜しい。
[DVD(字幕)] 6点(2020-08-20 01:13:10)
390.  ベン・イズ・バック 《ネタバレ》 
クリスマスイブを迎えたその日、幼い子供たちとともに楽しい祭日を祝っていたバーンズ一家。だが、そんな順風満帆な家族の元に何の前触れもなく長男ベンが帰ってくる。母親であるホリーは満面の笑顔で彼を迎え入れるのだが、ベンの妹であるアイヴィーや義理の父親はあからさまな拒絶反応を示すのだった。何故なら彼はかつて、医者に処方された鎮痛剤のせいで依存症となり、クスリ欲しさに売人となって家族に散々迷惑をかけたから――。「今まですまなかった。でも、俺はもうすっかり真人間になったんだ」。そんなベンの言葉とホリーの説得もあり、家族は渋々一日だけならと彼を受け入れることに。だが、過去の酷い行いは彼を簡単には許してくれない。外出から帰ってきた家族は、家の中が滅茶苦茶に荒らされ、しかも愛犬が居なくなってしまったことを知る。哀しみに沈む家族のため、ベンは母親とともに家を飛び出すのだった。彼のせいで依存症となり命を落としてしまった娘の両親、彼にクスリを横流ししていた教師、そして売人時代の危険な仲間たち。犬を連れ去ったのは、果たして誰なのか?ベンは家族のために自らの過去と向き合おうとするのだが…。かつて些細なきっかけで麻薬中毒となった長男と彼を献身的に支えようともがく母親との特別な一日を描いたヒューマン・ドラマ。ジュリア・ロバーツがそんな母親役を熱演しているということで今回鑑賞してみたのですが、いやはや、これがよく出来た脚本の力が光る佳品に仕上がっておりました。本当にたった一日の出来事しか描かれていないのですが、それでもここにはこの母子の良い時も悪い時も含めた濃密な時間がちゃんと存在している。安易に回想シーンに逃げることも出来ただろうに敢えてそうしなかったのには、監督の覚悟を感じる。きっと過去に何度も裏切られ、そして酷く傷つけあったこともあったのだろう。それでも息子を必死で信じようとする母親の深い愛情に、僕は終始心を揺さぶられっぱなしでした。物語の後半、母子は連れ去られた愛犬の行方を捜して街を奔走するのですが、ここら辺のサスペンスの描き方も巧い。居なくなった息子の行き先を知るために、麻薬中毒のホームレスに敢えて麻薬を渡すシーンは、この問題の根深さを炙りだすことに成功している。そして、タイトルの二重の意味を浮かび上がらせる秀逸なラスト。哀切極まりないメッセージに、僕は思わず涙してしまいました。お薦めです。
[DVD(字幕)] 8点(2020-08-18 02:09:07)
391.  ゴーストランドの惨劇 《ネタバレ》 
惨劇は16年前に終わったはずだった――。叔母の遺した古い洋館へと越してきたシングルマザーの母親とその双子の娘たち。常に不機嫌な反抗期真っ盛りの姉ヴェラと、ラブクラフトをこよなく愛し自身もホラー小説を書いているという内向的な妹ベス。変わり者だったという叔母の趣味なのか、家中に気味の悪い人形が溢れ返っている新居で、彼女たちはひとまず最初の夜を過ごすことに。だが、そんな彼女たちを悲劇が襲う。突然押し入ってきた二人組の暴漢に、姉妹はなすすべもなく酷い暴行を受けてしまうのだった。しかし、隙を突いて反撃に出た母親の決死の行動により、二人は何とか無事逃げ出すことに成功する――。16年後、ホラー作家として大成した妹ベスの元に一本の電話が掛かってくる。それは惨劇以来、神経を病んでしまった姉からの悲痛なSOSだった。居てもたってもいられなくなったベスは、すぐさま、今も母親と姉が暮らしているというかつての叔母の家へと向かう。久しぶりに再会した二人は、ベスに衝撃の事実を告げるのだった……。監督は、その容赦のない残虐描写で世界に衝撃を与えたカルト映画『マーターズ』の鬼才、パスカル・ロジェ。彼の6年ぶりとなる待望の新作ということで今回鑑賞してみたのですが、いやー、これが期待に違わぬ素晴らしい出来でした。この監督お得意の全編に渡って展開される暴力シーンの容赦のなさは、もはや完全に振り切れてます。だって、逆さづりにされ恐怖のあまりおしっこを漏らしちゃったローティーンの少女が、その尿塗れとなった全身の臭いを変態男に嗅がれるという、そこらの鬼畜系AVも真っ青なほどの残虐シーンが出てきますから。いや、この監督、ホントに頭大丈夫なんですかね(笑)。まあ肝心のお話の方は完全に破綻してましたけど。例えば、物語の三分の一が主人公の少女の〇〇オチだとか、警察が相変わらず無能すぎだとか、物語の重要なモチーフとなっているラブクラフトの扱いがほぼ添え物でしかないとか(せめて彼の小説に出てくるクリーチャーは登場させてほしかった!)。でも、そんな欠点を補って余りある魅力がこの作品にはあります。それは、少女の〝妄想力〟。とにかくこの全編を彩る少女趣味の禍々しさに、僕は完全にやられちゃいましたわ。家中に溢れ返る可愛さ全開なのに何処か不気味なフランス人形たち、お菓子やキラキラのおもちゃがたくさん吊り下げられたキャンディ・トレーラー、主人公が無理やり着せられるロリータファッション、そして絶え間ない暴行のせいで顔面ボコボコになった少女たちが泣きながら食べるマシュマロ…。悪趣味極まりないこの世界観は見事に完成されています。男たちの酷い暴力や醜い性欲に立ち向かうために、少女が手に取った武器は夢見る妄想力。こんな残酷な世界で大人になんかなってやらない。『不思議の国のアリス』や『アンネの日記』にも通じるテーマがここにはある。非常に退廃的なので、かなり観る者を選ぶ映画ですが、僕は大好きです。
[DVD(字幕)] 9点(2020-08-17 23:44:04)(良:1票)
392.  ワウンズ: 呪われたメッセージ 《ネタバレ》 
若くキレイな恋人と同棲する雇われバーテンダーが、客が忘れた謎の携帯を拾ったことから悪夢のような世界へと迷い込むというゴシック・ホラー。一つ一つのエピソード自体は普通に作り込まれていて、画的にもぞくっとするシーンもあったし、そこそこ怖かったとは思います。特に拾ったスマホの画像フォルダにあり得ない映像が収められていたというのは、リアルに想像できて大変グッド。ただ、いかんせんお話の方が完全にナシでしたね、これ。ストーリーがとにかく意味不明で最後までさっぱり面白くありませんでした。「起承転結」で言うと、ずっと「起起起起」という感じで物語が一向に進んでいかないのです。結局、この携帯に収められた謎の映像は何だったの?そして持ち主の少年たちはいったいどうなったのだ?彼女や友達が呪われて大変なことになっちゃってるって言うのに、この主人公が途中で浮気しようと悪戦苦闘するシーンなんてトホホ感満載です(笑)。挙句、最後は大量のゴキブリが画面を覆いつくして終わりという不快感マックスなオチ。ゴキブリ嫌いな人は失神すること請け合いだね(笑)。いやー、久々にこんなつまんない映画に出会ってしまいましたわ。アーミー・ハマーの完全な無駄遣いでしたね、ホント。
[DVD(字幕)] 2点(2020-08-16 01:05:04)
393.  アウトロー・キング スコットランドの英雄 《ネタバレ》 
舞台は、血で血を洗う争いが続く中世イギリス。イングランドの支配下にあったスコットランドの民は、長い苦難の日々を強いられていた。そんな中、王位継承を主張する若き王ロバートは、独立を求めて立ち上がる。圧倒的に不利な状況の中、手段を選ばぬ手法で徐々に勝利を収めていった彼は、次第に民衆の支持を得てゆくのだが…。史実を基に、圧政に苦しむ若き王が反旗を翻し自由を取り戻すために戦う姿を描いた歴史スペクタクル。そんな勝利のためなら手段を選ばぬ無法者の王を演じるのは、人気若手俳優クリス・パイン。監督は彼と前作でもタッグを組んだデヴィッド・マッケンジー。犯罪サスペンスの秀作『最後の追跡』コンビの新作ということで今回鑑賞してみたのですが、これが期待に違わぬ良質の作品に仕上がっておりました。とにかく脚本がよく出来ておりますわ。史実を基にしていながら、この分かりやすいストーリー展開はナイス。領地と名誉を奪われた王が苦難の旅の末、再びのし上がってゆくっていうのはベタながらやはりテンション上がりますね~。クリス・パインも意外にそんなシリアスな役に嵌まっておりました。それにしてもこの時代のイギリスってホント血腥い……。こんな時代に生まれてなくて良かったと平和ボケ日本のありがたみを再確認いたしました。まあジャンル的にそこまで好みではなかったですが、迫力満点の戦場シーンや役者陣の熱演等々、満足度は充分高い。うん、面白かった!7点!
[インターネット(字幕)] 7点(2020-08-13 15:15:15)
394.  キャプテン・マーベル 《ネタバレ》 
記憶を無くしたうら若きスーパーヒロイン、キャプテン・マーベルが地球を舞台に宇宙を揺るがす陰謀と戦うアクション・エンタメ。僕の個人的に苦手とするマーベル・スーパーヒーローものの一作なのですが、この監督の出世作?である、ドラッグ中毒の中学教師を描いたヒューマン・ドラマ『ハーフネルソン』が思いのほか良かったのと、最近の僕のお気に入りの若手女優ブリー・ラーソンが主演を務めているということで今回鑑賞してみました。なんですが、やっぱり僕はこのシリーズとはつくづく相性が悪いのか、最後まで全然嵌まれませんでしたね。なんだろう、このあまりにもノーてんきなノリがいまいち好きになれないからかな。それにストーリーもごちゃごちゃしててよく分かんなかったですし。んでも全編を彩る、90年代カルチャーへの惜しみない愛は個人的にツボでした。ニルヴァーナの「カム・アズ・ユーアー」が突然流れたときは思わずテンション上がっちゃいましたわ。それに主人公が着ている服が、何気にナイン・インチ・ネイルズのTシャツだったりとかね。あと、猫ちゃんも可愛かった!ま、そんなとこです、はい。
[DVD(字幕)] 5点(2020-08-11 00:48:09)
395.  ユニコーン・ストア 《ネタバレ》 
画家になるという夢に破れ、実家の両親の元へと帰ってきた元美大生、キット。失意の中でただぼんやりと毎日をやり過ごしていた彼女は、そんな先の見えない生活を変えるため、意を決して職探しへと乗り出すことに。派遣会社に登録し、無事OLとして働くことになったキット。そんなある日、彼女の元に謎の招待状が届くのだった。「売りたいものは、君が本当に欲しいもの」――。シンプルなキャッチコピーに惹かれ、キットは雑居ビルの片隅にあるというその謎のお店へとやってくる。待っていたのは、カラフルなスーツに身を包んだ怪しいセールスマン。戸惑うキットに、彼は信じられないことを告げる。なんと準備が整い次第、彼女の元にユニコーンを届けてくれるというのだ。子供のころから物語の中のユニコーンが大好きだったキットは、そんな夢のような話に心ときめくばかり。両親の心配をよそに着々とユニコーンを飼う準備を進めていくキットだったが…。子供のころからの夢だったユニコーンとの生活を求めて、謎のお店「ユニコーン・ストア」へと通う夢見がちな女の子をファンタジックに描いたヒューマン・ドラマ。若手オスカー女優ブリー・ラーソンが初監督を務めたという本作なのですが、正直、自分は全く嵌まれませんでした。とにかく、ストーリーの見せ方がお粗末すぎます。このユニコーン・ストアのエピソードと彼女の勤務先のオフィスのお話が一向に絡んでいかないため、何か別々のお話を無理やり一本に纏めたような印象を持ってしまいました。終始カラフルなこのマジカルポップな世界観は確かに独創的で大変良かったのですが、そちらに力を注ぎ過ぎたためか、肝心のお話部分がおろそかになっちゃったパターンですかね。あと、肝心のユニコーンが最後の最後にちょろっと出てくるだけと言うのは、こーゆーファンタジックなお話としては致命的なんじゃないでしょうか。きっとこのユニコーン・ストアの存在を主人公の妄想ともとれるように描きたかったのだと思うのですが、別にこのお店の中ならユニコーンが登場してもさして問題なかったのでは。心を病んでしまった主人公がユニコーンとの交流を通じて次第に立ち直ってゆくようなお話を期待していた自分としては、かなり肩透かし。わりかし好きな女優さんの初監督作と言うことで期待していただけに、なんとも残念な作品でありました。
[インターネット(字幕)] 3点(2020-08-05 16:40:17)
396.  ポイズンローズ 《ネタバレ》 
酒とタバコとギャンブルに目がなく、女にも弱い落ちぶれた私立探偵フィリップス。ある日、事務所へとやって来た謎の女からテキサスの精神病院に入院している叔母を訪ねて欲しいという依頼を受けた彼は、気乗りしないながらも金のためすぐさま現地へと向かう。訪れた先は、ガルベストン。そこは彼の生まれ故郷でもあった。さっそく目的の精神病院へと向かったフィリップスだったが、何故か医者は何かと理由をつけ一向に患者と会わせてくれない。何か裏があると直感した彼は、独自に調査に乗り出すのだった。街の裏社会を牛耳るカジノのオーナー、将来有望な若いアメフト選手、夜の街で働く謎めいた女性歌手、そして何年も前に別れた彼の元彼女――。様々な人々から話を聞くなか、唐突にアメフト選手が謎の死を遂げ、フィリップスは血腥い陰謀へと巻き込まれてゆく…。閉鎖的なテキサスの田舎町を舞台に、落ちぶれた私立探偵がある殺人事件の裏に隠された真実を追って奔走する姿を描いたクライム・サスペンス。主演を務めるのは、ジョン・トラボルタやモーガン・フリーマンと言ったハリウッドの有名どころ。脇を固めるのは個性派俳優のピーター・ストーメアや、懐かしのブレンダン・フレーザー(もはや彦摩呂にしか見えないんですけど!笑)。そんな豪華な面々に惹かれて今回鑑賞してみたのですが、これがまあ近年稀に見るダメな映画でした。もう脚本も演出も俳優たちの演技もどれもこれもやっつけ感が半端ありません。無駄に分かりにくいうえにさして面白くもないストーリー、終始間延びした編集に全くキレのないアクション・シーンの数々、そして紋切り型で魅力に乏しい登場人物たち……。もうあかん映画の見本市のように、ダメ要素がこれでもかっちゅうくらいにてんこ盛り。義務感だけでなんとか最後まで観ましたが、得られたものは「退屈」と言う二文字のみ。どうしても時間を無駄にしたいんだという方以外にはお薦めできません。
[DVD(字幕)] 2点(2020-08-05 16:02:07)
397.  ハッピーボイス・キラー 《ネタバレ》 
地方の小さな工場で整備士として働く冴えない青年、ジェリー。独り身で古いアパートに独り暮らしをしている彼には、ある秘密があった。それは過去に起こった悲惨な出来事のせいで、精神科医が処方してくれた薬を呑まないとある〝声〟が聞こえてきてしまうこと。だが、長く続く孤独な生活に耐えられなくなった彼は、いつしか薬を呑むのを止めてしまうのだった――。その日を境に何故か突然しゃべり始めたペットの犬や猫とともに、それなりに楽しい生活を過ごしていたジェリー。やがて彼は、自らが想いを寄せる同僚の女性をひょんなことから殺してしまい、その死体をアパートへと持ち帰って来る。追い詰められた彼は死体をバラバラに解体して捨てると、残った生首だけを冷蔵庫へと仕舞いこむ。しばらくすると、冷蔵庫の中から死んだはずの彼女の生首がジェリーに話し掛けてくるのだった。そうして始まった、一人と二匹と一首の奇妙な共同生活。やがて、ひまを持て余した生首が友達が欲しいと言いはじめ……。キケンな妄想に囚われたある一人のシリアルキラーのおかしな生活をコメディタッチで綴ったサイコ・サスペンス。主演を務めるのは、今を時めく人気若手俳優、ライアン・レイノルズやアナ・ケンドリック。まあやりたいことは分かるんですけど、僕は最後までさっぱり嵌まれませんでした、これ。いや、アイデアは凄く良いと思うんですよ。自分にだけ話し掛けてくる犬や猫、そして自分が殺した女の生首と暮らす主人公なんてなんともブラックでシニカル。そんなぶっ飛びまくりの設定なのに、残酷さを微塵も感じさせないのはこの監督のポップでラディカルなセンスのなせる技なのでしょう。ただ敢えて苦言を呈してもらうと、そこで描かれるエピソードの数々がなんとも凡庸なのです。こういう荒唐無稽な設定なら、それを活かすためのさらにぶっ飛んだネタの数々を用意しないとダメでしょう。犬や猫もただ喋ってるだけでなんとも魅力に乏しい。こいつらと生首が言い争いやらどんちゃん騒ぎやらで主人公が追い詰められ、どんどん暴走しちゃうみたいな内容を期待していた自分としてはなんとも肩透かし。これでは、コメデイとしてもサイコ・スリラーとしても中途半端と言わざるを得ません。
[DVD(字幕)] 4点(2020-08-03 02:35:40)
398.  ハーフネルソン 《ネタバレ》 
地方の中学校に歴史教師として勤務している、ダン・デューン。若くてイケメンでお洒落で、しかも授業内容も楽しく生徒の面倒見もいい彼は、クラスの誰からも慕われていた。だが、彼は誰にも知られていない秘密があった。それは夜な夜なコカインを喫うのを止められないこと――。嫌なことがあると、ダンはどうしても薬に手が伸びてしまうのだ。元カノとのいざこざを抱えたダンは、その日、どうしても我慢できずに学校のトイレでドラッグを喫ってしまい酩酊状態となってしまう。そこに偶然やって来た貧しい母子家庭に育つ女子生徒ドレイに、その姿を見られてしまうのだった。そうして始まった二人の関係。かたやドラッグ中毒の中学教師、かたや麻薬の売人の兄を持つ貧しい女生徒。恋とも友情とも違う二人の淡い関係はやがて……。若き日のライアン・ゴズリングが主演を務めたという本作、これが丁寧な演出の力が光るヒューマン・ドラマの佳品に仕上がっておりました。特にドラマティックな展開があるわけでもなく、最後まで淡々と進んでゆくのですが、これが何故か最後までずっと観ていられたのは彼らの等身大の魅力によるところが大きい。特にライアン・ゴズリングのダメ男っぶりが非常に嵌まっておりました。人当たりも良く生徒からも人気なのに、元カノのことが忘れられず未練たらたらでドラッグを止められない彼。でも今にも犯罪者の仲間入りしそうなドレイのために一肌脱ごうと決意するけれどそれも中途半端な形に……。いやー、こういうダメ男ってよくいますよね~。なんだか他人事とは思えず、見ていて痛々しかったですわ(笑)。対する12歳のドレイも、そんな彼にほのかな恋心?を抱きながらも特にアピールするわけでもない。この二人の微妙な距離感が最後までとても心地良い。やがてコカインのやり過ぎで授業中にしばしば鼻血が出るようになり、教師の職を辞さざるを得なくなるダン。そんな彼とそれまで通りの距離感で接するドレイ。この後、彼らに特別な何かが起こるわけでもない。でも、こうやって誰の人生もだいたい続いてゆく。普通の登場人物たちが織りなす、そんな〝普通〟のドラマがとても切なかったです。うん、なかなかの掘り出し物でした。7点!
[DVD(字幕)] 7点(2020-08-02 00:31:30)
399.  名探偵ピカチュウ 《ネタバレ》 
ポケモンゴーも含めゲームは全くやったこともなく、アニメなんて一回も観たこともなく、ポケモンと言えばピカチュウがピカピカ言ってるくらいのイメージしかない自分。今回、渡辺謙とビル・ナイが出ているという一点のみで鑑賞してみました。まあそれだけで、いい歳こいた独り身のおっさんが夜中に観るような内容じゃなかったですね。あまりにもハートフルでファミリーな展開に、若干鬱になりました(笑)。
[DVD(字幕)] 5点(2020-08-01 02:11:32)
400.  ライオン・キング(2019) 《ネタバレ》 
ディズニーによる、過去の名作アニメを最新の映像技術で実写映画化?シリーズ。今回のテーマは、ジャングルの王者『ライオン・キング』でございます。もはや実写としか思えないフルCG映像はさすがのクオリティでそこは充分楽しめました。波打つ毛並みやはじけ飛ぶ水しぶきなんてあまりにもキレイで、こういうのを見ると、100年前の人に見せてその感想を聞いてみたいって思いますね。ただ、ストーリーの方は率直に言ってありがち。まあこういう作品なのでそれでもいいんでしょうけど、もう少し新しい部分も欲しかったかな。その格好の材料になりそうなのが、こういう動物擬人化映画にありがちな、「こいつらいったい何喰って生きとんねん!」問題。まあちょこっとライオンがインパラ喰うシーンが出てきましたが、主人公のライオンは基本カブトムシや毛虫といった虫ばかり食べてました。いやいや虫だけではあっこまで立派な体格に育ちませんて(笑)。そもそも虫は食べていいんかい!もうそれだったら草ばっかりの菜食主義にしてくれた方がいっそのこと潔かった気がしますわ。ここらへんに新しいアイデアがあればもっと心に残ったと思うんですけどね。あと、相変わらずハイエナは不当な扱いを受けてますね。その残念な見た目とライオンのおこぼれを頂くというその習性のせいで、いつだって悪役……。「これはハイエナ差別だ!」って、彼らもそろそろ声をあげてもいいんじゃないかな(笑)。ま、そんなとこです、はい。
[DVD(字幕)] 6点(2020-07-30 17:25:09)
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