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FSSさんの口コミ一覧[この方をお気に入り登録する

プロフィール
コメント数 854
性別 男性
自己紹介 <レビュアー引退について>

他の方にとってはどうでもいい事ですが(笑)、
こちらでのレビュアーを引退させて頂きます。
理由はあまり映画自体を見なくなった事と、
結局、映画以外にもレビューを書けるAmazonが
レビュー投稿の中心になってしまった事ですね。

長い間、お世話になりました。 2021/11/27
   
<ジャンルの好みについて>

・好きなジャンルは「ホラー」「サスペンス」「ミステリー」。
・嫌いなジャンルは「ミュージカル」「恋愛」「韓国映画」「感動押し付け系」。
・どちらでもないのは「アクション」「SF」「コメディ」「時代劇」。

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401.  ホーム・アローン
この作品に対する否定意見として、「ケビンが生意気」とか「泥棒がマヌケ」というものが多いですが、個人的には、ケビンの両親の非常識な態度にこそ最も腹が立ちました。監督が「現代のバカ親の無責任さに対する警鐘」を込めて作ったのならともかく、そういう意識が無いとしたら、単に「子供のためなら、他人に迷惑をかけてもいい」という、バカ親の無責任で身勝手な行動を正当化しているだけの映画としか見えません。  また普通にコメディ映画として見ても、売りである泥棒との対決が終盤近くまで無く、予想以上のテンポの悪さに、ほとんど早送りして見ていました。肝心の対決シーンも、特にこれと言って驚かされるようなアイデアも無く、「お約束」の上にしか成立しない古臭いコントを見せられているようでした。いかにもチャップリン以来の欧米型の「古き良き笑い」ではあるものの、国民性なのか、そのあまりの発展性の無さには少々呆れます。  結局は、序盤の家族の冷たい態度も、ラストの家族愛を強調するための、まさに「設定のための設定」であり、その出来レースのような感動前提の脚本構成にはシラけるばかりでした。
2点(2004-08-29 12:34:24)(良:1票)
402.  スカイハイ[劇場版](2003)
<原作未読・TVシリーズ未見・映画のみの評価です>   何たる駄作。原作は知りませんが、幾つかあるエピソードのひとつなのかな?それとも完全に監督オリジナル?どちらにしても、よくこんな陳腐で幼稚な脚本を平気で作れるものです。いったい対象年齢はいくつなの?まともな感性があれば、今どき「悪魔を呼び出すために、人間の心臓を六芒星(ダビデの星)の頂点に捧げる」なんてウルトラ・スーパー・ド陳腐なオカルト要素を大真面目に入れるなんて、とても恥ずかしくて出来ませんよ(地図に三角形を書き始めた時、「ま、まさかなあ」と思ったら案の定)。  おまけにこの監督らしい中途半端なアクションで味付け。「ALIVE」や「VERSUS」、「あずみ」以来、相変わらずの演出センスの発展性の無さに呆れます(全部見てきている自分も自分ですが)。その他、「愛のためならこの世を地獄に変えたっていい」とか、「君のためなら世界を敵にまわしたっていい」といった、もはやギャグにしか使えないようなセリフの陳腐さ、クサさや、役者の学芸会レベルの大根っぷり等、いくらでも突っ込み所はありますが、疲れるので止めます。
1点(2004-08-29 08:31:09)
403.  博士の異常な愛情 または私は如何にして心配するのを止めて水爆を愛するようになったか
この作品が戦争に対するブラックコメディを狙ったと言うよりも、第二次世界大戦後の軍拡競争という、滑稽な大国の「覇権主義」と「自己目的化」自体が、既に愚かしいコメディの要素を内包していたと言う事ではないでしょうか。その結果の滑稽さを嫌でも直視させるこうした映画こそが、意外と今まで核戦争を抑止させ得る効果を持っていたのかも知れません。だとしたら10点でも足りませんが(w。  ただ、当時としては非常にインパクトがあっても、さすがに今となっては、こうした核戦争を題材にした反戦映画も目新しくありませんし、どうしても古さは否めません。当時の時代性と危機感を象徴した反戦映画の走りという点に敬意を表してこの点数で。
7点(2004-08-29 08:12:05)
404.  10億分の1の男 《ネタバレ》 
発想は良いが、せっかくのアイデアを生かせていない。  致命的なのは、「森を目隠しして走らせる」とか、「虫を頭につかまらせる」といったように、「運を試すイベント」にまったく面白さや意外性、突飛さが感じられない点。やはり自分の運の強さを見せつけるなら、見ている我々が「おいおいっ」と焦ってしまうくらい突拍子も無いことをして欲しかった(例えば、無造作に崖から飛び降りたのに、木の枝がクッションになってかすり傷ひとつ無いとか、屋上から落された無数のナイフやガラス片の中に立っているのに平気とか)。  「運」と言う概念が抽象的だからこそ、映画内ではその存在に説得力を持たせるような描き方を徹底するべきだった。その辺の描き方が中途半端なため、ボスの老人がそこまで凄い運の持ち主には見えず、魅力にも乏しくなっている。ジイさんの「運を吸い取る」というスタンド能力(笑)みたいな設定も無意味。  また、そもそも何のためにあんな事をしているのかがよく分からなかった。子供の頃に自分だけが生き残ったことに対する罪悪感があるとしても、こんな不毛な事やってたってしょうがないじゃん。カジノ経営なんかやってないで、生き残ったことに感謝して、その運の強さを世のため人のために使えばいいのにと思ってしまう。  対戦相手もあんな危険な賭けを受けている理由がいまいち分からない。しかも賭けの対象が「相手の指」とか「命」って時もあるけど、そんなもんもらってどうすんのって感じ。と言うか、こんな目にあってる地点でみんな運悪いだろ(笑)。 
[ビデオ(字幕)] 4点(2004-08-25 04:26:05)
405.  アンダーワールド(2003) 《ネタバレ》 
あまり指摘されないのが意外だけど、この作品はヴァンパイアや人狼にまったく「それらしさ」が無いのが致命的。  リアクションは猫や虎みたいに「フーッ!」とか「シャーッ!」って言ってるだけだし、戦闘力や回復力も普通の人間と変わらないようにしか見えないのはいかがなものか?人狼サイドも変身しても外見が怪物に変わるだけで、能力的にスゴイ変化が無い。普通(?)、人狼って言ったら「スピード」が売りでしょう?変身したら、弾丸すら避ける凄まじいスピードで動いて、相手を屠っていくなんて基本でしょう?それなのに明らかにワイヤーで吊られているのが丸分かりの不自然な挙動で、壁をヘッコヘコ走ってくるだけ。カッコ悪すぎ&スピード感無さすぎ。単に、お互い普通に銃を撃ってるだけだし、「マトリックス」程度のワイヤーアクションもCG演出もほとんど無し。  例えば、吸血鬼サイドにしても、ドレスを纏った清楚な貴婦人が、人狼の爪攻撃をすました顔で受け止めたりすれば面白いでしょ?それだけで吸血鬼の凄さが表現できるじゃん。その貴婦人の腕のひと振りで人狼が壁までふっ飛ばされるとかさあ。さらに、その人狼もそのまま壁に爪をつき立ててぶら下がるとか、いくらでも「人外の者共」の超常能力を演出する事なんて出来るのになあ。  こういう最近のアクション映画における、「演出の下手さ」や「分かって無さ」にはウンザリ。  また、人間と吸血鬼の混血に新たな可能性を見出すという設定が「吸血鬼ハンターD」の中途半端なパクリ。元老院のジジイも偉そうな割にマヌケ過ぎる。Dの「神祖」を見習え。ラストの戦闘シーンもあまりにショボい。満月の夜の貴族なら、身体を真っ二つにされても死なないくらいの不死性を持っているはず。ジョジョの「DIO」を見習え。  何にしても、「吸血鬼」を描く際の美意識が薄い。「凄絶にして凄艶な魅力を持った危険な魔物」という基本だけは外してはいけない。  PS.こういう作品を見ると、つくづく日本の漫画の演出レベルの高さが分かる。
[DVD(字幕)] 2点(2004-08-25 04:20:44)(良:2票)
406.  28日後... 《ネタバレ》 
ロメロ「ゾンビ」三部作に対するオマージュ作品。と言うと聞こえは良いけど、ちょっと厳しい言い方をすればパクリ(笑)。「ゾンビ」+「アウトブレイク(バイオハザード系)」の劣化コピー。と言うか、もうほとんど「ゾンビ」。これではいくら何でもオリジナリティが無さすぎる。  「何かの原因で人類がほぼ死滅」→「生き残った人間が出会う」→「色々と彷徨う」→「落ち着き先が見つかる」→「人間の欲望やら対立のせいで破綻」→「それでも生きて行こう」→エンド。やはりこの手のサバイバルホラーの展開としてあまりにもありがちで意外性が無い。もう少し独自の解釈や演出が見たかった。  また、前半の無人の廃墟と化した都心の雰囲気はよく出ているが、単に「人がいない」ってだけで、凄惨な殺し合いや暴動のパニックがあったであろう形跡がほとんど無く、むしろ綺麗過ぎることに違和感を感じる。  ウィルスに感染した人間も、別に日光に弱いわけでもないのに、普段ほとんど目につかないというのも疑問。あと、これも他の方の指摘にもあるように、血液感染(しかも粘膜や傷口についた時のみ)しかしないウィルスが、わずか28日でイギリス全土に蔓延するなんて、ちょっと考えられない(空気感染したら映画にならないからだろうが、こういう基本設定に説得力が無い)。  それと今回は、後半、それまで普通の(むしろ弱い)主人公の青年が、突然、軍人も顔負けの戦闘力を発揮するシーンにもかなり違和感があった。途中過程の人間ドラマにも特筆する部分も無し。せめてラストにかけて意外性のある展開を見せてくれていれば多少は評価も出来たんだけど…。はっきり言って「ゾンビ」という優れた作品ありきの劣化コピー品。  PS.この映画を面白いと思った人も思わなかった人も、もし未見なら、ぜひロメロ「ゾンビ」三部作を見ることをお奨めします。
[DVD(字幕)] 4点(2004-08-25 04:04:46)
407.  JFK 《ネタバレ》 
これを見る前に、この暗殺事件に関する基本的な前知識が無いと、まず置いてきぼりを喰らう可能性が高い。特に人間関係の説明がほとんど無い脚本構成はちょっと不親切。  ただ、この説には非常に説得力があり、かなり詳しい情報をもとに論理的な結論を導き出している点を評価したい。無論、推測の域を出ていない部分もあるが、明らかに不自然な点と線を繋ぎ合わせると、やはり国家レベルでの大規模な計画・隠蔽工作がなくては成り立たない事件であることは確かだろう。戦争を「ビジネス」と考える国家の恐ろしさと危うさを象徴するような暗殺事件であり、それに対する危機意識を国民に持たせるためにも意義のある作品であると思う。  それとこの作品には、「歴史における個人の役割」というものを認識させる側面がある。どんな相手に対してでも、等しく自分の考えを自由に主張するためにやらなくてはならない個人の役割の重要性を考えさせられる。
[ビデオ(字幕)] 9点(2004-08-23 21:14:37)
408.  五条霊戦記//GOJOE 《ネタバレ》 
これまた中途半端。「義経と弁慶の関係に対する新解釈」という設定はいいけど、肝心の解釈に特筆すべきものが無く、ストーリー展開に盛り上がりが無く退屈。  アクション面での演出も中途半端で「カッコ良さ」の演出にセンスが感じられない。ザコ敵は刀を振りかぶって「わーっ」と突っ込んで来ては、流れ作業のようにズバズバ切られていくだけという古臭いチャンバラパターンで、リアリティもカッコ良さも皆無。義経も弁慶もあれだけ強い理由が作中で描かれていないため、その強さに説得力が無い。  あと、やたら映像が安っぽく見えるのは、ひとつには照明の使い方に問題があるように思う。本来は暗い森や夜のシーンでも、不必要なほど煌々と照明をたいているためか、人物が妙に明るく浮き上がっていて、外での撮影のはずなのに、まるでスタジオ内でのセット撮影のような狭苦しさや違和感を感じる。  ラストも結局は別人を立てて、本人たちは歴史の闇に消えたってこと?何か中途半端な終わり方だな~。   DVDの監督のインタビュー記事で、「これまでにないアクション(殺陣)」と自画自賛しているところを見て、失礼ながら失笑を禁じ得なかった。年齢的な事もあるだろうけど、恐らく監督は現代の漫画をろくに読んだ事がないのだろう。本気でこんな退屈な殺陣が凄いと思っているなら、はっきり言ってセンスが無さ過ぎる。  時代劇とは言えアクションを売りにする娯楽映画を撮るなら、クリエイターとして日本の漫画やアニメを見ておく事は「基本」と言っても過言ではない。それほど現代の漫画のアクション演出のセンスは高く、こんな旧態依然とした邦画のチャンバラアクションなどとは最早レベルが違う。今やハリウッドやディズニーのアニメスタッフに、日本の漫画やアニメの影響を受けていない者がいないと言われるのも、ある意味当然。  「ハンター×ハンター」「ナルト」「ブリーチ」「ワンピース」「クレイモア」「るろうに剣心」「ベルセルク」といった少年向けアクション漫画はいまだに軽く見られがちだけど、キャラクターの個性、アクションシーンの演出センス、戦闘時の心理的な駆け引き、展開の意外性などは、もはやこんなチャンバラをやっているだけのアクション映画など足元にも及ばないほどの高いレベルで完成されている事が、いまだに一般人どころか、映画監督をやるような人間にも理解されていないのがよく分かる。
[ビデオ(邦画)] 0点(2004-08-23 18:59:59)
409.  REC【レック】(2000) 《ネタバレ》 
これまた陳腐で古臭い設定のサスペンスホラー。設定や展開、オチに至るまで、既存の作品の劣化コピーで、当然のようにオリジナリティや新鮮味など絶無。犯人はそのまんっまだし、おまけに「二人でやっていました」、というエレガントさの欠片も無い、どうしようもないオチ。  今や、ホラーにしてもサスペンスにしてもミステリーにしても、いかに従来のパターンからの脱却を目指すかを模索すべき段階なのに、まともな感覚の持ち主なら、とても恥ずかしくて使えないような「手垢塗れの設定」を大真面目に使っているような監督の愚鈍な感性からは、今後、何も独創的なものが生まれるはずがない。  しかし「こんな作品は作ってはいけない」という反面教師としての価値ならある。
0点(2004-08-21 03:34:27)(良:3票)
410.  サル 《ネタバレ》 
新薬臨床試験にまつわる都市伝説をネタにして、ちょっとドキュメンタリー風に撮ってみました、というのは分かるけど、「新薬の副作用の恐さを元にしたサスペンス部分」と、「それに対する批判や警鐘というドキュメンタリー部分」、さらに「映画監督を目指す若者の挫折という青春ドラマ」の三つの軸がブレていて、全体として見ると何がメインテーマなのかはっきりしない内容。  特にラストの爽やかな終わり方なんて、完全に青春ドラマで、それまでのサスペンス部分とのギャップがあり過ぎる。また、病院を抜け出してバカ騒ぎしたり、居酒屋のオヤジに追いかけられるシーンなんかはコメディっぽいし、見ている間中、「いったい何が見せたいの?」という違和感が終始付きまとった。  ただ、こういう「治験のアルバイト」と言うシチュエーションは非常にリアルで、自分も一緒にアルバイトとして、その場にいるような臨場感があり、ダラダラとしている展開の割には、それほど飽きずに最後まで見られたのも確か。ちょっと出演者同士の掛け合いがサムいのと、前述の通り、テーマが分りにくいのが残念。  カメラワークや手ブレについての批判は的ハズレ。「素人が隠し撮りしている」というシチュエーションこそが肝であって、「ブレアウイッチ」同様、その場の臨場感を出すための演出。これをきちんと撮っていたら逆に不自然。
[DVD(字幕)] 6点(2004-08-21 03:22:17)
411.  スターシップ・トゥルーパーズ
自国に対する強烈な皮肉を込めた「反戦映画」とも取れるし、「戦意高揚軍国主義礼賛映画」とも取れる。単純にB級アクション映画として見る人もいるだろう。ただ、そうした「どっちにも逃げ道を用意しておく」というような監督の姿勢からは、あまり戦争に対する真剣な思想が見えないのも確か。いかにも「勝利者側の自責の念」から作られたような、言い訳のための内部批判とも取れる。軍国主義に対する批判があるなら、もっと大量破壊兵器による一方的な殺戮を描くべきだったのではないだろうか。特に今回は「人間」がいないんだから、降下前に巣のありそうな所に絨毯爆撃を仕掛ければいいのに、それをやらないのは、末端の兵士の犠牲をことさらに強調することで、「戦争はお互い様なんですよ」という正当化を暗に示唆するためなのではないかという疑念すら抱いてしまう。まあ、ここら辺の解釈は受け取る人次第なので、この点数で。
5点(2004-08-18 13:02:38)
412.  シティ・オブ・ゴッド 《ネタバレ》 
人間関係を含めた、自分の生まれた周囲の「環境」というものは、人格形成を始め、あらゆる面において最も影響を及ぼし得るものであり、先天的な資質よりも、こうした後天的要因こそが人間の精神性に多大な影響を与えるということを示す極端な例。  ただ、「与えられた運命をどう生きていくのか」という点においては、人種、年齢を問わず、万人に等しく与えられた普遍的な人生テーマと言えるだろう。与えられた運命に流れるままに身をまかせるのか、それとも自らの努力で人生を切り拓いていくのか。例えどんなに過酷な環境に生まれても、運命を切り拓く余地は誰にでもあるはずだ。運命と必然は表裏一体の関係性にある。カメラマンになった少年と、ゴミのように殺された少年の対比が、それを鮮明に浮き彫りにしている。 
[ビデオ(字幕)] 8点(2004-08-16 23:02:16)
413.  マウス・オブ・マッドネス 《ネタバレ》 
80年代の匂いがするんだけど、意外に新しい作品(笑)。  それはともかく、内容としては「中途半端」という感じ。作品内作品が現実化したり、作品内人物が、その世界の虚構性に気付く、と言った自己言及的な入れ子構造は魅力的ではあるものの、イマイチまとめ切れていない。  小説「マウス・オブ・マッドネス」が現実世界に影響を及ぼすという設定とは別に、作品内における「現実世界」「作品世界」「精神世界」「境界世界」「幻覚」などの定義や表現の仕方が曖昧で、その場の感覚だけで適当に使い分けているように思われる。この辺はきちんと分けて表現しておかないと、そもそも一番見せるべき「境界(認知)の揺らぎ」を感じられなくなってしまう。  また、モンスターの存在が露骨過ぎて、現実と虚構の入れ替わりによる恐怖感より、怪物に襲われる恐怖感の方に意識が行ってしまうのも問題。
[映画館(字幕)] 4点(2004-08-15 23:07:35)
414.  仕立て屋の恋 《ネタバレ》 
中盤までの退屈な展開から、このまま逃避行で終わりかな、と単純に思っていたので、ラストの人間関係の「本質」が凝縮されたような、皮肉で非情な結末には強く心を打たれた。  「他者に対する執着」は「自己愛」と表裏の関係にある。愛や自尊心は、他者からの認識を必要とするものであり、だからこそ、自分が傷つきたくない人間は、自己に対する評価が剥き出しにされる人間関係を忌避するのだろう。  大切なのは自分の価値を他者に委ねるのではなく、自分で価値を作り出すことと、その価値すら「相対的関係の元に始めて成立するものである」という認識を常に持っておくことだ。他者ありきの流動的価値は、その関係性が崩れた時、即、自己の立脚点を見失う危うさがあるからだ。  この仕立て屋も自己の価値を他者に委ねてしまう弱さがあった。人間関係を否定してきたのは、自分の価値の無さを認識したくないからであり、それを認めてくれる人間が現われた時の脆さがよく表現されている。  ラストのセリフすら、「彼女に対する愛を貫く利他行動」を示すものではなく、自分の立脚点を否定したくないためのエゴイズムでしかない。人間関係の本質を考える点で、これだけ純然たる作品にはなかなかお目にかかれない。  
[ビデオ(字幕)] 7点(2004-08-14 10:13:20)(良:1票)
415.  ケープ・フィアー 《ネタバレ》 
何を恨みに思うかは、その人の感じ方次第だから、時として思いもよらないトラブルに巻き込まれることは、現実の人生でもよくあるだけに、その恐怖感に感情移入はしやすい。  ただ、序盤の「つかず離れず」といった距離からジリジリと追い詰めていく「心理的な恐怖感」が、後半に行くに従って、単なる殺人鬼ホラーのような「直接的な恐怖感」に取って代わってしまうのが残念。  でもまあ、「冤罪」とか「現行法の欠点」「敵討ちの是非」なんてコトを考えるきっかけにはなるかも。
[ビデオ(吹替)] 5点(2004-08-14 09:48:53)
416.  エンゼル・ハート 《ネタバレ》 
有名作品ながら見る機会がなく、最近になってようやく見ました。  ミステリーとオカルト的要素をうまく融合させた作品。光と闇の象徴的なコントラストが自己内他者(狂気)の存在を示唆している。真相に至るまでに否応無く認識してしまう、精神の檻というべき「自我」。その逃げ様の無い閉塞感が恐ろしい。  それにしても、この光と闇を使った独特な映像演出は素晴らしい。光を明滅させるように静かに回転する換気扇、闇を映す鏡のように石畳を濡らす雨、逆光の中に浮かぶ人影、そしてラストのエレベーターのシーンなど、随所に不吉な予兆を孕んだまま、見ている者に得体の知れない恐怖の胎動を感じさせる。  ただ、惜しむらくは、謎を追って行く過程にあまり面白味が無く、少しダラダラとしてしまっている点。あの依頼人である悪魔も露骨すぎる。ああいう存在は匂わす程度に止めておいて欲しい。  PS.ゲームの「サイレント・ヒル」シリーズは、ほとんどこの作品から演出をパクってますね(笑)。
7点(2004-08-13 17:49:48)
417.  バウンド(1996) 《ネタバレ》 
これもやたら高評価だけど、残念ながら個人的には中途半端な作品としか思えなかった。  サスペンスとしては意外なほど王道で、設定もストーリー展開も無難。ちょっと違うのは、主役のふたりがレズってだけ。しかも、そのレズ設定にも特に必然性が無い。これを普通の男女のカップルにしても話は成立してしまう。  オチにもこれといって工夫や意外性は無く、見ていて「だから何?」と言いたくなるような内容の無さ。見ている間は先の展開が気になるものの、全体的に無難すぎて面白味に欠ける作品。
[ビデオ(字幕)] 4点(2004-08-13 17:23:49)
418.  フロム・ヘル 《ネタバレ》 
数ある「切り裂きジャック」の解釈作品の中ではトップクラスの完成度。陰鬱な霧の中に多くの悲喜劇を包み込んだ、雑多で不潔な19世紀末のロンドンを見事に表現している。死体や血飛沫のリアリティや、光と影をうまく使った映像表現など、細部にセンスとこだわりが見られる。  「切り裂きジャック」の魅力は、その謎解きの魅力とイコール。永遠に答えが出ないからこそ、人々の好奇心や探究心をくすぐり続ける魅力がある。そこにあえて「答えの出ない合理的解釈」を試みるからこそ、切り裂きジャックと、そして娼婦たちは永遠の命を得るのである。従って、「無意味に人を殺しまくっていた方が面白い」、なんて解釈をしていては、謎を追求することで進化してきた「人間の好奇心」の大切さすら忘れてしまうだろう。  そんな数ある解釈の中でも、この英国王室絡みの動機は、五人の娼婦殺しの謎と有機的に結びついていて、非常に説得力があり、他の多くの謎の説明にもなっている。  ただ、怪しげなフリーメーソン等、ちょっと雰囲気で誤魔化していて、あまり切り裂きジャックの謎解きとは関係無い部分があるのは残念。史実と違う部分も多いが、あえて変更を加えても、少しだけ希望を残すという終わり方には、いい意味で監督の独自の解釈が見られる。  後世の人間が、こうした謎解きを楽しめるほどに語り継がれる伝説となったことが、殺された娼婦たちに対するせめてもの慰めだろう。
8点(2004-08-13 16:56:28)(良:1票)
419.  ライアー 《ネタバレ》 
うーん、これまた良くも悪くも、「どんでん返しありき」で作られたようなサスペンス。最後まで誰の証言を信じていいのか分からない密室劇は緊張感があり、見ている間は面白いものの、ちょっと展開やオチには無理があります。結局、主人公の金持ちのボンボンが自分の存在を消したいために、刑事達に頼んでひと芝居打ったってこと?  でも、警察関係者が関わっていれば、そりゃ事件の嘘と真実なんて、いかようにも左右出来てしまう訳だし、「ユージュアル・サスペクツ」同様、始めから証言の大半が「作り事」で、観客を騙すことを優先しているなら、そりゃ見ている間は、観客を翻弄することも簡単でしょう。本格系のように、最終的に伏線の正しさを論理的に証明する必要が無い訳ですから。  主人公の発作も、「ああいう病気を持っている人は何をするか分からない」という偏見を助長させる可能性がありますし、そもそもそういうキャラ設定にする必然性もイマイチ分かりません。  やはり「この破綻した部分も含めて好きに解釈してね」的な作品はあまり好きになれません。意図的かどうかも分かりませんが、説明不足の部分や矛盾点(突っ込み所)も多く、全体的にすっきりしない作品。もう一度見れば、多少はすっきりするかも知れませんが、二度も見たいほどの内容でもないしな~。
4点(2004-08-07 12:09:15)
420.  ロード・オブ・ザ・リング/王の帰還
<映画版のみの評価>  【Beretta】さん、【王の二つの身体】さんに同意です。結局、このシリーズは「イベントの羅列」でしかなく、「物語」ではありません。原作「指輪物語」は既に完成された世界観を持っている訳ですから、それをただ再現するだけなら、潤沢な資金と最新のCG技術があれば、誰にでも出来る事でしょう。確かに、それを実現した事は評価されるべきものですが、単に原作のエピソードを機械的に並べ立てただけで、映画化するにあたって、原作に見られる多くの「問題提起」に対する監督なりの解釈がまったく見られないというのはどうかと思います。しかも、エピソードの取捨選択、変更、時間配分などのバランスが悪いため、もともと原作が古典である事を考慮しても、ストーリーが非常に稚拙なものに見えてしまいます。  特に今作は、前作の「拡大豪華版」といった印象しかなく、よりハデになった戦闘シーンがダラダラと続くばかりで、相変わらず内容らしい内容がありません。戦い方も単に「ワーッ」と突っ込んでいくだけの「数頼み」で、戦略もクソもありません。  各キャラの活躍の仕方も中途半端で、ガンダルフは魔法使いなのに肉弾戦主体だし(後方支援として攻撃魔法を使えよ!城の最上部から雷撃を落したりしたらカッコいいじゃないですか)、他の仲間も出番が少な過ぎ。主人公フロドに至っては、その存在価値を疑問視したくなるほどの役立たずっぷり。ラストも自分の意思で指輪を捨てたのではなく、「取り返す際のゴタゴタで指輪を落っことしただけ」というのもあんまり。ここでこそ、主人公特権を持つフロドが欲望に打ち勝つ強さを見せるべき場面なのでは?魔王もすぐそばに自分の魂と繋がる指輪があるのに、あっさりそれを見逃す体たらく。ほんとに魔王なの?と疑いたくなるほど、ボスキャラとしての「凄味」を感じません。  もっとメインキャラの掘り下げや設定の説明に時間をかけるべきなのに、省略しても本筋とは関係の無い大蜘蛛のシーンにやけに時間を割いていたりと、時間配分にも問題があります。本来なら、種族間の意識差や、それを越える仲間意識と葛藤、国家間の対立と協調、欲望と理性といったように、もっと深く抉るべき問題提起に満ちている作品のはずです。  三部作を通して見て来て、よく出来たCG映像には感心させられたものの、そこに「世界」や「魂」を感じることはついに出来ませんでした。
4点(2004-08-07 10:12:55)(良:1票)
0475.50%
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2647.49%
312514.64%
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7758.78%
8495.74%
9303.51%
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