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FSSさんの口コミ一覧[この方をお気に入り登録する

プロフィール
コメント数 854
性別 男性
自己紹介 <レビュアー引退について>

他の方にとってはどうでもいい事ですが(笑)、
こちらでのレビュアーを引退させて頂きます。
理由はあまり映画自体を見なくなった事と、
結局、映画以外にもレビューを書けるAmazonが
レビュー投稿の中心になってしまった事ですね。

長い間、お世話になりました。 2021/11/27
   
<ジャンルの好みについて>

・好きなジャンルは「ホラー」「サスペンス」「ミステリー」。
・嫌いなジャンルは「ミュージカル」「恋愛」「韓国映画」「感動押し付け系」。
・どちらでもないのは「アクション」「SF」「コメディ」「時代劇」。

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441.  イヤー・オブ・ザ・ドラゴン 《ネタバレ》 
個人的にこの手のジャンルがあまり好きではない理由は、マフィア同士の縄張り争いや、国家権力との軋轢、身内の裏切りによる内部分裂、と言ったようなお決まりの展開にしかならない事と、その戦いも結局はヤクザ者としての非合法な行為の結果でしかない訳で、その生き方や死に様をあまり美化したくないという気持ちが少なからず働いてしまうから(もちろん、その過程における人間ドラマにも、なかなか胸を打つものはあるけど)。  今作も上記のパターンを踏襲したオーソドックスな作品で、まさに「マフィアもの」としての見本のような作り。  ただ、抗争に関わってくるミッキー・ローク演じる刑事の人間像や背景描写が中途半端なため、「何故あそこまで徹底してマフィアを潰そうとするのか」という部分に説得力がなく、ひたすら無謀な人間としか思えなかった。その場で殺されてもおかしくないほど挑発的な行為を繰り返しているのに、身内に対する気配りがまるっきり無いし、普段の行動も一人で街を平気で出歩いたりと、あまりにも考えが無さ過ぎ。その結果、妻を殺されたり、女性記者が乱暴されてしまうが、あんな無茶な事をやってたら当たり前。  刑事の精神的葛藤を描きたかったと思うけど、彼自身の過去を含む人間描写がほとんど無いため、彼の行動原理がさっぱり分からず、結果、その自暴自棄としか思えない無謀さだけが目についてしまい、共感は出来なかった。  
[ビデオ(字幕)] 4点(2004-07-16 21:01:04)(良:1票)
442.  エルム街の悪夢/ザ・リアルナイトメア
作品が現実化してしまうという自己パロディの形式で撮っている割には、結局、展開がいつものパターンと一緒で、わざわざ番外編(?)として作っている意味が無い。見ている観客からすれば、作品内現実も結局は「虚構」でしかなく、作中人物がどんなに「これは現実なんだ」と強調したところで、夢の世界からフレディが現われてしまう地点で、他のシリーズと何も変わらなくなってしまう訳で。  やはり「作品内現実」という設定を活かすには、あくまでフレディは「現実の存在」という前提で作る必要があったはずだ。つまり、誰か現実の人間(スタッフ関係者やファン)が、何かの思惑のために、「フレディを演じて」殺人を犯している、というミステリー的設定にした方が面白くなったはずだし、他のシリーズとの差別化もはかれたはずである。  で、ラストだけ、「実は…」みたいに、夢と現実を曖昧にするという終わり方でよかったのではないだろうか。  
4点(2004-07-14 23:23:34)
443.  アンタッチャブル
映画的誇張もあるだろうが、これが実話に基づいているというのが凄い。「私よりも公」、「利より理」という高潔な精神性は「武士道」にも通ずる部分が多い。義に生きた彼らの行いは、ただ生きていることよりも、もっと価値のあるものがあるということを教えてくれる。
8点(2004-07-12 21:17:07)
444.  荒神 《ネタバレ》 
同監督の「ALIVE」や「VERSUS」、「あずみ」よりはマシ。と言うか、エラソーな物言いを覚悟で言わせてもらえば、「漫画的アクションの映像化」という点において、一応は見られる程度の演出になっているというレベル。  とは言え、「人外の者」同士の死闘を描いたわりに、その戦い方が旧来のチャンバラのパターンから逸脱しておらず、「動いたら切られるかも」と言うようなピリピリした緊張感や殺気に欠ける。要するに、お互いの「全存在」をかけた闘いなのに、そこまでの死闘に見えないのだ。  最初の酒を吹きかける奇襲は良いが、あそこは武蔵が簡単に腕を切られるのではなく、まったく意に介さず刀で受け止めて、「おいおい、慌てるな。酒がもったいないだろう」とか、「相手に酒を吹きかけて機先を制する…。遅れてるな、人間のケンカはよ」くらいは言わせるべきだろう。勇次郎なら言うね(笑)。そういう「相手の凄さ」を見せる事でキャラも立つし、相対的にこちらの強さも示す事が出来るのに、それをやらないというのが分からない。今どきの日本の漫画を見れば、この程度のキャラ演出は基本だけどなあ。  また、どうせお互い人間じゃないんだから、ギリギリのところで「真の姿」に変身するくらいはやって欲しかった。「この姿に戻るのは佐々木小次郎と戦って以来、何年ぶりだ…」とかさあ。ゾッドなら変身するね(笑)。  相手も宇宙人という無茶な設定を持ってくる勇気があるなら、「目から怪光線」とか、「口から小型ブラックホール」とか、「4本の腕で抜刀術」とか、もっと良い意味でメチャクチャやっても良かったと思うけど。  何にしても、相変わらずこの監督の「売り」であるアクション演出にセンスが無い事には変わり無い。もっと漫画を読んでセンスを磨いた方がいい。 
[ビデオ(邦画)] 4点(2004-07-12 19:31:41)
445.  海がきこえる<TVM> 《ネタバレ》 
原作者を始め、製作サイドは、この作品を通じて、「若者の青春とノスタルジー」というテーマを真っ向から描きたかったのかも知れないけど、個々人の反応が淡白すぎて「青春恋愛ドラマ」として成立していない。そういう意味で個人的に共感できる部分が少なかった。  他の方の指摘にもあるように、「離婚してきた訳アリのヒロイン」とか「親友がヒロインを好きになる」という、人物設定がありきたりで薄っぺらい。またその設定を聞いた地点で、誰でもどんなストーリー展開になるかも見当がついてしまう。リアルさを狙ったからか、日常シーンも淡々としているため、主人公を始め、親友もヒロインも人物像が曖昧なままストーリーが進んでいく。  本来は物語の中で、それぞれの人物がお互いに相互補完をしていく事で人物像が固まっていくし、ドラマも発展していくはずだが、この作品では、そこら辺の関係がまるで描けていない。主人公はヒロインのやる事に、ただ何となく巻き込まれているだけで、「自分の意思」といったものが感じられず、最後まで親友やヒロインに対して何をどう思っているのか分からないまま。  親友もヒロインのことが好きだと、序盤からしつこいくらい言っていながら、作中で具体的な行動に出ることもない(と言うか、親友がストーリーに絡んでくることすら、ほとんど無いという扱い)。  また肝心のヒロインはヒロインで、離婚という不幸を盾に自分勝手に振る舞い、主人公達を好き勝手に振り回す始末。そのくせ、二人に対する態度もはっきりせず、これまた何を考えているのか分からない。  そして三人はそのまま卒業。こんな調子なので再会シーンには何の感慨も無く、主人公は相変わらず「やっぱり、自分はこの娘が好きだったのかなあ」と、これまたぼんやりとした結論。  結局、三者三様、自分からは何も動いておらず、かと言って、他人に責任を押し付けたりもしない現代的な個人主義者としか映らなかった。そう見えてしまう脚本構成や人物描写の稚拙さが目立つ作品だった。タイトルの「海」も、ストーリーとまったく関係してないというお粗末さ。 「青春っぽいイメージ」優先の薄っぺらな作品としか言えない。
[ビデオ(邦画)] 3点(2004-07-12 17:56:54)
446.  ラスト サムライ 《ネタバレ》 
まあ時代考証の不備等、色々と言われていますが、外人がここまできちんと、「日本人の精神性」というものに注目し、かなり真摯な態度で作品を作り上げたことは高く評価するべきでしょう。他の方も言っていますが、日本人の監督ですら、「武士道」というものを正確に理解、描写した上で、エンターティメント性をも備えた作品として、「日本人の精神性」をテーマに据えた映画を作り上げた事が無いわけですから(私の知る限りですけど)。ただでさえアメリカを始めとする海外では、近代社会を盲目的に肯定し、「武士道」と言う価値観や精神性を育て得た日本独自の封建制に対する理解も無く、ただ「前時代的」、「搾取の根源」と否定する価値観しか持たない人間が多いのに、他ならぬアメリカ人が始めて「武士道」にまともに着目した、この作品を日本人が認めてあげないというのは、あまりにも酷だと思いますよ。時代考証の不備や人物設定の矛盾等を差し引いても、「利よりも理を取る」とか「義に生きる」という「武士道」の基本精神はよく描けていたと思います。
8点(2004-07-10 22:23:51)(良:1票)
447.  未来世紀ブラジル 《ネタバレ》 
評価が難しい。「管理社会」を極端化したような近未来的な世界観自体はよくあるもので、特に目新しくはないし、このB級テイスト満点の映像感覚と独特なノリには好き嫌いがはっきり分かれそう。  当時の感覚から、来るべき情報管理社会に対する危機意識があったのか、それとも社会主義という既存の管理社会に対する批判なのか、どちらにしても根底に監督なりの痛烈な社会批判があることは間違いない。  ただ、その真面目さの裏返しなのか、もともとの監督の個性なのかは知りませんが、内容はブラックユーモアや不条理な風刺に満ち溢た悪夢的な世界で、まともな法則や道理が存在しない世界に描かれている。街やビル内の描写は近未来的でありながら、人間的な居住性に欠け、機械類も機能性に欠け、故障が多い。情報を搾取、管理されている人間達はまともな判断能力や常識を失っているようにも見え、滑稽ですらある。この世界観はやはりどう見ても、社会(共産)主義に対するドラスティックなパロディと捉えるしかないだろう。  しかしそうした社会批判モノとして見ると、メッセージ性もストレート過ぎて、ちょっと単純に思えてしまう。どうせなら、この個性とセンスを活かしてサスペンスやホラーを撮って欲しいところ。PS.ところで、なんで「ブラジル」なの?
5点(2004-07-10 22:08:42)
448.  [Focus]/フォーカス(1996) 《ネタバレ》 
低予算の邦画サスペンスとしてはマイナーながら高レベルな作品。  その場の臨場感を出したり、どうなっていくか分からない不安感を演出するには、変に凝った事をするよりも、こうしたドキュメンタリーっぽい撮り方をするのが手っ取り早い、という好例。カメラの手ブレや不安定な主観視点が、何もしなくてもリアリティを醸し出してくれる。  些細なトラブルから、取り返しのつかない事態へ急転直下していく展開は、現実にもあり得そうなだけに、見る者にとっても感情移入しやすい。  マスコミ批判という点では、「破線のマリス」とも重なる部分があり、それ以外でテーマとしていまいち何が言いたいのか分からない欠点も似ているが、単純に不条理な運命の悪戯にただ翻弄される人間の姿を描いたサスペンスドラマとして見るなら、下手に理屈っぽくない方がいいかも知れない。  浅野忠信の演技力はなかなかのもの。「盗聴はするが、それ以外は決して常軌を逸した犯罪者ではない普通の青年」の追い詰められた演技がうまい。人を殺して狼狽たえ、恐慌を来たす様は鬼気迫るものがある。  ラストも見る者によって、色々と解釈が出来そうで、すっきりはしないものの終わり方としてはリアル。全体的にテンポも良く、時間も短めなので、いったいどうなるのかという興味が持続する。   ただストーリー自体にはミステリー的な謎解きが出てくる娯楽作品ではないので、本来は7点くらいが妥当だが、もっと評価されてもいいので8点献上。
[ビデオ(邦画)] 8点(2004-07-10 21:42:15)(良:1票)
449.  アンラッキー・モンキー 《ネタバレ》 
うーん、一番最初に「ポストマンブルース」を見てしまったのが失敗だった。少しこの監督を過剰評価し過ぎてたかも。  「MONDAY」に続いて、この作品を見たけど、全体のストーリー構成やノリがどれもいっしょ(笑)。内容らしい内容が無く、大まかなシナリオを考えた後は、まさに作品の内容のように、その場の「勢い」と「成り行き」だけで最後まで作ってるような印象。  独特な「非日常」の雰囲気や精神的にドキっとさせられる演出面にセンスは感じるものの、新鮮に見られるのは序盤だけ。結局、この監督特有の「唐突」とか「意外性」とか「運命のイタズラ」といったようなキーワードに象徴される演出パターンに慣れてしまうと、今度はストーリー展開の不条理さやご都合主義、内容の薄さなどの方が気になってくる。  また一般的に「テンポが良い」と評される監督の作品だが、そんな作品は「ポストマン」くらいで、個人的には、この監督に共通する最大の問題点として、むしろ「ダラダラ感」があると思う。  今作も途中の町内会の会合のシーンなど、ストーリーの本筋とまったく関係が無いのに、やたら無駄に時間を取っている。それ以外にも妙に間延びするシーンが多い。  途中のヤクザの話も、基本的に主人公側の話とまったくシンクロしておらず、単に別々のイベントを同時進行させているだけ。ラストでヤクザが金の入ったカバンを抱えて生き返ってくるという展開も、さすがに無理がある。果たして笑っていいのか、驚くべきなのか理解に苦しむ。全体的に「真面目さ」と「おふざけ」のバランスが取れておらず、作品としてのまとまりが無い(その一貫性の無さを狙っているような脚本にも見えない)。  ラスト辺りもダラダラとしているし、スパっと切るところは切って欲しい。あと二十分は短縮できる。もうちょっと監督として自分の作品を客観視する必要があるのでは?
[ビデオ(字幕)] 4点(2004-07-07 21:16:38)(良:2票)
450.  フォーン・ブース 《ネタバレ》 
このシチュエーションを見て、スーパーエキセントリックシアターの「印鑑を鼻につめて「村祭り」を歌え」を思い出したのは私だけですか?  このコントさえ思い出さなければ、全体的にテンポも良く、サスペンスとしては上質な部類。ただ、最近のミステリーやサスペンスの自家中毒的な傾向として、無理にでも「どんでん返し」を持ってくるパターンが多過ぎ。  もちろんそれで結果的に面白くなれば良いけど、あまり必然性も無く「オチのためのオチ」のような真犯人が出てくるなら、やらない方が良い場合もあるので、そこら辺が難しいところ。  そういう点で見ると、残念ながらこの作品はどちらかと言えば後者。  主人公の他人を見下したような態度に対して、世の「傲慢の代表」に対して制裁を加えるというなら、むしろ犯人はピザ屋の方が説得力があった。  あの真犯人では作中において主人公との接点が無いので(無論、見ている観客にとっても)、ラストで出てこられても「あんた誰?」の世界だし、動機面もただの「世直し気分で自己満足☆」といった愉快犯程度の感覚では感情移入もしにくい。  細かい所にも突っ込みたくなる部分があるし、もう少しだけ脚本を練り込んでくれれば傑作になった可能性があっただけに惜しい。  
[ビデオ(字幕)] 7点(2004-07-07 12:19:50)(良:1票)
451.  東京ゴッドファーザーズ 《ネタバレ》 
優れたアニメ作品の見本のような出来。  基本的には泣かせるための脚本だけど、演出センスの良さによって、その「感動させるための計算」を感じさせない。コメディ部分と真面目な人間ドラマの対比のバランスが取れているため、ご都合主義的な展開があまり気にならない。「真剣になるべき部分」で真剣になる彼らの行動が、結果、ラストの感動に説得力を与えている。  この手の「コメディ+ドラマ」パターンの作品は、この「おふざけと真面目さ」のバランスが取れていない場合が多く(真剣になるべき部分や命をかけなくてはならないような難局を「コメディという免罪符」でごまかしがち)、そのため主となるべきドラマ部分にも説得力が無くなっている作品が多いが、今作はその辺りの描き方が丁寧で、コメディ部分がラストに至るまでの感動演出の伏線になるという理想的な展開になっている。  自分が失ったものを捨てられた赤ちゃんに見出し、その子を助ける過程で自分自身の過去を見つめ直し、心の補完をしていく浮浪者たち。その行為は純粋な善意だけではないものの、それゆえに嘘偽りの無い、人間らしい弱さや優しさを感じられるし、その悩み苦しみながらも必死で足掻く生き様は、見ている者の人生にも重なる部分があり、嫌でも泣ける。  OPのスタッフ紹介の秀逸さ、押し付けがましさを感じないデジタル処理の上手さ、背景の丁寧な描き込み等、作品全体にセンスの良さを感じる傑作。  ただ、それでも満点をあげられないのは、脚本自体の「完成された平凡さ」のため。計算が行き届いているのは良いが、それゆえ良くも悪くも不安定要素が無く、展開に意外性が無い。そしてそのまま作品としてあるべき着地点にきちんと着地する「予定調和的な大団円」には少し冷めてしまう人もいるかも。完成度が高いがゆえの欠点と言えるかも。
[ビデオ(字幕)] 9点(2004-07-06 13:42:45)
452.  おもひでぽろぽろ
誰でも共感できるような、子供時代のありふれた出来事の羅列ではあるものの、ノスタルジーの押し付けがましさを感じず、登場人物と共に思い出に浸れた。「となりのトトロ」や「スタンド・バイ・ミー」同様、本質的に大人が対象の作品であり、小・中学生どころか、既に我々のような三十代のオッサンとは「原風景」が違うであろう、高校生以下の若い人たちにはたぶん理解されない作品。何と言っても、今の高校生以下は「ファミコン」より若い世代なんだから(ひえ~)。小学生時代の少女たちの可愛らしさにプラス2点。大人時代の顔の中途半端なリアルさにマイナス2点。
[ビデオ(字幕)] 7点(2004-07-03 21:27:06)
453.  ノッキン・オン・ヘブンズ・ドア 《ネタバレ》 
「ポストマンブルース」と設定やテーマ、ストーリー展開等が酷似しているように思ったんですが、どちらかが元ネタなのかも?両作に共通しているものは、喜・怒・哀・楽・生・死、という、ドラマをドラマたらしめるすべての要素を盛り込んで、決められた運命の中で必死に足掻き、生を意義あるものにしようとする彼らの生き様を通して、人間の「人生」というものを象徴的かつ劇的に描いている点。  「死」という避けがたい運命を宣告され、自暴自棄になりながらも、残された時間を懸命に生きようとするふたりの姿にこそ、生は死の一部であり、死は生の一部であるという、当たり前の真理を見出すことができる。
8点(2004-07-03 21:14:42)
454.  秘密(1999) 《ネタバレ》 
<原作未読。映画のみの評価です>  「人格入れ替わりネタ」は、よくある設定だし、陳腐になりがちではあるものの、さすがは熟練の東野圭吾氏。そこに垣間見られる人間ドラマの描き方が手馴れてる。  男女付き合いだけに限らず、人間関係の構築が難しいのは、人間というものが常に「変わっていく」存在だからだろう。自分では変わっていないつもりでも、時と共に少しづつ内面が変化していくのは、誰でもむしろ自然なことかも知れないが、そこに生じた小さな「齟齬」が、相手に大きな違和感を植え付けてしまい、それが元で関係そのものが崩れてしまうことはよくあること。そして、その時になって始めて、人は自分の信じていた人間関係の脆弱さを思い知る。  変わっていく妻を見て苦悩する夫の姿は、そんな人生における普遍的な人間関係の難しさをよく表していると共に、円滑な関係構築には、相互理解という、相手に対する思いやりと感謝が不可欠であるという、これまた普遍的な教訓を見る者に訴えかけてくる。  とは言うものの、あのラストでのちょっとした「どんでん返し」は微妙なところ。結局、夫からの束縛を逃れるために、ひと芝居打ってまで、自分の人格を消したということなのかなあ?それ以前に、夫は変わっていく自分の生き方を認めてくれた訳だから、そんなことをする必要性があったのか甚だ疑問。夫に対する罪悪感や、傷つけないための芝居だとしたら、それこそ自分の変化を認めてくれた夫に対する裏切りだと思う。このラストが無ければ、もっと素直に感動できたのになあ。あえて女性の持つリアリズムに徹するという精神性を強調したかったとも取れるが…。
6点(2004-07-03 20:51:42)
455.  木曜組曲 《ネタバレ》 
「ミステリー」として見ると、謎解きや動機に物足りない部分もあるが、女流作家の不審死を巡る「サスペンスドラマ」としてなら、まあそこそこ楽しめる。ただ、全体の雰囲気や女優陣のイマイチ不自然で硬い演技が舞台劇を思わせる点と、「女流作家たちの腹の探り合い」というドラマ設定が観客を置いてけぼりにしていて、ちょっと感情移入はしにくい。導入も唐突で、見知らぬ同窓会に紛れ込んでしまったような疎外感を終始感じる。「自分の人生に意味を持たせるための自作自演オチ」も結構よくあるパターン。中盤までのダラダラ感もマイナス。あと30分は短縮できる内容。
6点(2004-06-28 13:24:16)(良:1票)
456.  トキワ荘の青春
何ですか、これ?なんでテラさんが本木雅弘?どう考えてもミスキャストでしょう。テラさんはあんな神経質そうな男ではなく、もっと頼りがいのある兄貴的存在感のある人ですよ。他の作家さんたちも全員ミスキャストで違和感があり過ぎ。トキワ荘でのドラマは「まんが道」で語り尽くされているのに、なんでこんなに似て非なるものになるのかなあ。「まんが道」でのキャラ設定に洗脳(笑)されている自分としては、このキャスティングにはちょっとガマンできません。「まんが道」を読んでいると、まるで自分も新漫画党の一員になったかのような気になりますが、この作品からは、当時の漫画にかける彼らの情熱と不安、熱気と喧騒がまるで伝わって来ません。確かに昭和中期の雰囲気はとてもよく出ていますが、肝心の「トキワ荘の青春」は描けていません。とにかく全体的にダラダラとしているし、カメラワークも単調で見ていて退屈です。全員の演技も暗過ぎる。確かにトキワ荘でのエピソード自体、実際はそれほどドラマチックなものではなかったのかも知れませんが、作品としてあまりにも淡々とし過ぎてますね。個人的には、以前にテレビで放映された、インタビュー形式で撮られたトキワ荘のドキュメンタリー番組の方がはるかに感動しました。
3点(2004-06-28 12:13:31)
457.  未知との遭遇
いまいち何が言いたいのか分からん作品。文字通り「未知なるもの」を映像化するスピルバーグのセンスは確かに素晴らしいが、相変わらず、この頃から見られる、「万人受けを狙った無難なヒューマニズム」でまとめようとする感覚はどうしても受け付けない。  音楽や手話であっさり宇宙人とコミュニケーションが取れたり、素直に誘拐した人間を帰したり、研究のための人間にやたら協力的だったりと、まるで「愛さえあれば世界はハッピー、ラブ&ピース」と言わんばかりの能天気な内容。  まあ宇宙人に限らず、人間でも見知らぬ者同士の意思疎通では、相手を敵と見なして警戒するも信用するも、色々な偏見を含めた第一印象の良し悪しに左右される点では同じだけど、そんなことは分かりきってるワケで、やはり基本的に作品としての問題提起が弱いと言わざるを得ない。  そうかと言って、エンターティメント性が高い訳でもなく、全体的にダラダラしている割に、登場人物にこれといった活躍も無いし、ラストの終わり方もえらく唐突であっけない。途中に出てきた牛や羊の死体がキャトってあったら笑えたんだけど。どうもこの作品も自分の感覚からすると、少し神格化され過ぎているように思えてなりません。  PS.関係ありませんが、個人的には「宇宙人はいても宇宙船を建造して地球にまでやって来ることはないだろう」派です。
4点(2004-06-28 11:31:44)(良:1票)
458.  4thフロアー 《ネタバレ》 
サスペンスとしては設定もストーリー展開も、そしてバレバレのオチも含めて、よくあるパターンではあるものの、全体的にはきちっとまとまっていて、テンポも良い作品。  実際、隣近所の騒音問題などは、誰の身にも起こり得る現実的な問題なだけに、感情移入もしやすいし、恐怖感も伝わりやすい。  ただ逆に言えば、この手の設定(新生活、怪しげな隣人、無理解な周囲の人間、崩れていく平穏な日常、誰も自分の言う事を聞いてくれない等)が既にあまりにもありがちで新鮮味が無いのは確か。一番親切で身近な人間が犯人とするオチも黄金パターン(と言うか、無関係な人間が犯人では作品としてつまらない以上、そういうパターンにならざるを得ないけど)。出来れば何かひとつでも目新しい設定があればサスペンスとしては傑作になった可能性があるだけに残念。3点以下を付けるほどの駄作ではないが、8点以上の傑作でもない。まさにここの平均点が妥当。  サスペンスやミステリー慣れしている人には物足りないけど、普段あまりこの手のジャンルを見ない人にならお奨め出来る。
[ビデオ(字幕)] 6点(2004-06-27 07:35:10)
459.  ボウリング・フォー・コロンバイン 《ネタバレ》 
「銃社会に対する警鐘を促すドキュメンタリー」と言えば聞こえは良いが、実際は目新しい視点も具体的な対策も提示されることなく、監督の市民運動的自己満足を見せつけられたような内容の薄さにガッカリ。  特に気に入らないのは、カナダとアメリカの銃犯罪の発生率の比較から、一端は「問題は銃ではない」とする冷静な結論を示しておきながら、Kマートに被害者を同席させ、弱者と言う立場を利用して反論を押さえ込み、店頭から弾丸を撤去させるという、問題の本質を「道具」にすり替えるような本末転倒な行動を取っていることだ。  監督としても、銃社会に対するアンチテーゼとして、あえて一方的な視点から撮っている可能性もあるが、分かりきっている問題を再提起しているだけで、「何故、アメリカとカナダは違うのか」と言う点にも独自の解釈が無く、作品を通しての具体的代案にも乏しい。  実際、扱う問題が大きく、犯罪と一口に言っても、あらゆる社会問題と有機的に結びついているだけに、ここですべてを語り尽くすことは出来ないが、「銃犯罪」に関して言えることは、結局、「道具は扱う人間の問題である」ということだろう。今さら言うまでも無いが、「銃を所持すること」と「人を銃殺すること」には天と地ほどの開きがある。鉛筆で人を刺し殺す事件があっても、鉛筆の販売を規制すれば問題が解決する訳ではないのと同じこと。そしてその「人間」が社会を構成している以上、社会問題はそこに住まう「人間の本質」を反映していることは間違いあるまい。アメリカ成立の歴史や現在の迷走ぶり、人種問題等を考えるきっかけとするには調度良い作品ではある。
4点(2004-06-27 01:35:37)(良:4票)
460.  ドッペルゲンガー 《ネタバレ》 
内容的にはタイトルズバリの映画だけど、単にドッペルゲンガーが死を予兆するという、ホラー的な展開ではなく、その人間の内面に密かに息づく二面性が具現化し、本人との対話を果たすという、まさにフロイト的アプローチを試みた作品。そこにこれまたいかにも黒沢監督らしい、ホラーともサスペンスともコメディともつかない独特な世界観で味付けされた映画。  「自分にウソをつかずに生きること」を主題に据えつつ、思うがままに欲求をさらけ出す行為のリスクとリターン、また自分の内面を否定し、押さえ込もうとする行為の意味を見つめ、そのふたつのバランスの取り方を考えさせられる。大きなリスクを取らず、自分の内面を押さえ込んで終わる方が良いのか、リスクを取る代わりに自分に正直に生きた方が良いのか。もうひとりの自分も他ならぬ自分自身であり、自分から生じたものは、「正邪」含めて、すべて自分が受け入れるくらいの器と余裕が無いと、人間として危ういのかも知れない。  ただ作品の評価としては、「設定だけ考えて、あとは成るがままに撮った」といった印象が強く、少し散漫。展開に緩急が無く、これと言って意外性のあるオチも無し。ドッペルゲンガーに翻弄される人がもっといれば面白くなったかも。惜しい。
[ビデオ(邦画)] 6点(2004-06-25 21:37:27)(良:1票)
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