441. 戦場にかける橋
《ネタバレ》 戦争というものが、いかに様々なものを容赦なく破壊していくかを描いています。この作品で破壊されたのは、橋だけではありません・・・・・。 ストーリーだけでなく、半世紀たった今でも色あせぬ映像や俳優陣の素晴らしさ、あまりにも有名な「クワイ河マーチ」等々まさに「不朽の名作」と呼ぶにふさわしい映画です。 [地上波(吹替)] 8点(2007-12-19 12:52:54) |
442. サラエボの花
《ネタバレ》 戦争という愚かな行為が、(兵士だけではなく)様々な人間の人生にいかに深い傷跡を残しているかを、サラエボのある母娘の姿を通じて描いた作品です。正直、あまりにテーマが重く衝撃的で、上手くコメントができません。サラが母から秘密を明かされる場面や父親に似ていると言われた髪の毛を剃り落とす場面などは余りにも痛々しく目を背けたくなるほどでした・・・・。ただ、ラストはかすかに希望を残して終わっています(サラが手を振るのを見た時のエスマの笑顔が非常に素晴らしく印象に残りました。)。 [映画館(字幕)] 8点(2007-12-16 17:21:00)(良:1票) |
443. ツォツィ
《ネタバレ》 ヨハネスブルグに並立して存在する高層ビルが立ち並ぶ近代的な街並と荒廃したスラムのあまりの違いに驚きました。同じ赤ん坊でも生まれた場所が違うだけで、人生(それも豪邸か土管かというような非常に格差のある)が決まってしまう不条理さをクールに描いており、非常に衝撃を受けました。 [DVD(吹替)] 8点(2007-12-08 13:16:14) |
444. コースト・ガード
《ネタバレ》 イメージとしては、「フルメタル・ジャケット」や「キャッチ22」の韓国版というかキム・ギドク版という印象を受けました(内容等違いはありますが、あくまでイメージです)。それに加えて、ラストは往年の角川映画を思い出してしまいました(私だけですかね)。 軍隊という、ある種異空間に送り込まれ心理的に追い詰められた若者達の姿を、キム・ギドクの狂気をはらんだ不思議な美しさを持つ世界観で描いていて興味深かったです。 [DVD(字幕)] 8点(2007-12-05 12:42:46) |
445. 人間蒸発
《ネタバレ》 非常に衝撃的な作品でしたね。途中までは、普通に失踪した男を追っていたのが段々脇道に逸れていき、最後はとてもカオスな状況で終わってしまう展開にはまさに「口あんぐり」でした。 これは、ドキュメンタリーという手法についてのドキュメンタリー映画ですね、しかもアンチテーゼを幾分か含んだ・・・。今村監督自身が「何が真実かなんて誰にもわからない」というようなことを言っていますが、ドキュメンタリー自体も実はフィクションに過ぎないということをこの作品は示そうとしているように感じました。この作品でも失踪者の婚約者とその姉の水掛け論一つも決着させることもできないまま終わってしまいます(しかし、本当にくどかった・・・)。結局、真実なんてものは神の領域であり、ドキュメンタリーごときが映し出せるものではないということなんでしょうかね。 [映画館(邦画)] 8点(2007-12-02 23:10:50)(良:1票) |
446. 受取人不明
《ネタバレ》 70年代の米軍基地のある田舎町を舞台に、韓国社会の暗部を思いっきり抉り出すような内容になっています。まあ、米軍兵と外人相手の娼婦との間に生まれた混血児、犬肉解体卸業者、まだ残っている朝鮮戦争の傷痕等々日本ではあまり知ることができないテーマが多く非常に興味深かったです。 内容は非常に重いですが、優れた社会派ドラマだと思います。ただ、暴力的なシーンが必要以上に多くてしかも非常に過激なので心臓が弱い方にはちょっとお勧めできません。また、犬肉解体の過程が出てきますので犬好き(もちろん食用ではなく愛玩用として)の方にも、あまりお勧めはできません。 キム・ギドク監督の作品は初見でしたが、独特の世界を持っていますね。とても気に入りました(ちょっとエグいシーンが多いですが)。 [DVD(吹替)] 8点(2007-12-02 22:29:52) |
447. アメリカン・ラプソディ
主人公のジュジ、育ての親、実の親、それぞれの気持ちが本当に痛いほど伝わってきてとても切ない気持ちになりましたね。東西冷戦時代という今から思うと不思議な時代が作り出した哀しい物語です・・・・。 スカーレット・ヨハンソンやナスターシャ・キンスキーの演技も良かったですけど、ジュジの幼少時を演じた子役の演技がとても素晴らしかったですね。 [DVD(字幕)] 8点(2007-11-29 20:40:47) |
448. まぼろしの市街戦
《ネタバレ》 小春日和の休日の昼間にウトウトしながら見ていたい感じの作品ですね。非常に幻想的で、まるで夢の中にいるかのような印象を受けました。大人のための童話と言っても良いかもしれません。 ただ、患者たちも楽しそうに見えますけど、街から出ようとする場面や最後病院に戻る場面など時折出てくる素の部分は非常に冷静なんですよね。もしかしたら、彼らは決して狂っているわけではなく、この狂った世の中から距離を置いているだけなのではないでしょうか。 [ビデオ(字幕)] 8点(2007-11-24 19:30:27) |
449. 君の涙 ドナウに流れ ハンガリー1956
《ネタバレ》 今まで、活字や断片的な映像によるドキュメンタリーで「ハンガリー動乱」についてはある程度知識を持っていたつもりでしたが、思っていた以上に過酷な「革命戦争」であったことを知り、映像の持つ力を改めて感じましたね。 内容的には、「ハンガリー動乱」を描いた戦争ドラマであると同時に、メルボルン五輪で金メダルをとったハンガリー水球チームのドラマでもあり見ごたえがありました。 [映画館(字幕)] 8点(2007-11-23 22:05:06) |
450. タロットカード殺人事件
《ネタバレ》 非常に楽しく鑑賞できました。とにかく、ウディ・アレンの相変わらずのドタバタ姿がたっぷり見れただけでも良かったです。なんか、「男はつらいよ」末期の渥美清を見ている時の気分に近いかもしれません。スカーレット・ヨハンソンとのやり取りも息が合っていて楽しかったですね。(まあ、父と娘の偽装という設定にウディ・アレンの老いを感じてしまいましたが・・・・) しかしまあ、このセンス悪すぎの邦題は勘弁して欲しいですね。どう考えてもこの映画のタイトルは「スクープ」でしょう・・・・。 [映画館(字幕)] 8点(2007-11-23 21:34:23) |
451. ソナチネ(1993)
《ネタバレ》 不思議な虚無感が漂う、まるでロシアン・ルーレット(作中にも出てきますが)のような映画でした。結構、ドンパチやるシーンが出てきますけど、見終わった後の印象は冷ややかな静寂と「キタノ・ブルー」でしたね。 [DVD(邦画)] 8点(2007-11-20 18:24:00) |
452. 椿三十郎(1962)
《ネタバレ》 非常に楽しい作品でしたね。三船敏郎の粗野な魅力と作品に散りばめられたユーモアが見事にマッチしていました。とにかく、こんなに笑える作品だとは思ってませんでしたので、良い意味で裏切られた感じですね。 また、突っ走る若侍たちと三十郎のやり取りが非常に良かったです(結構ためになります)。 ただ、ゆるーい感じで終わるのかと思いきや、ラストの決闘でビシッとしめるあたりはさすがでした。 [DVD(邦画)] 8点(2007-11-20 18:09:54) |
453. ガンジー
《ネタバレ》 もう、この作品は人類必見と言っても良いでしょう。本当に、「偉人」と呼ぶに相応しい一人の人間を描いた作品です。 よく引き合いに出される「非暴力・不服従」の精神についても、決して弱腰な姿勢ではなくある意味非常に強烈な思想であることが良くわかります。 ただし、この精神を実践するには自ら死に臨むくらいの覚悟が必要ですから、よほど強大な敵でないと難しいでしょうね。だから強大な大英帝国に対しては出来ても、国内の異なる宗教間の争いでは出来なかったんだと思います。 つくづく宗教対立というものの恐ろしさを感じました。 [ビデオ(字幕)] 8点(2007-11-18 14:52:54) |
454. 洲崎パラダイス 赤信号
《ネタバレ》 「パラダイス」という名は付いているけど、集まってくる連中はどうしようもない男女ばかりなのが味わい深くて良いですね。もう、「お見事」といいたくなるような巧みさです。無駄のないストーリー展開、ラストのまとめ方やすれ違いシーンの見事さ、せつなさの中にもかすかに残る希望等々・・・本当に素晴らしいと思いました。 [ビデオ(邦画)] 8点(2007-11-18 14:28:26)(良:2票) |
455. 愛より強く
《ネタバレ》 何と破壊的でロックな作品なんでしょうか、なんつうかロックの歌詞を映像化したような感じでとても面白かったです。まあ、ストーリーとしてはオーソドックスな恋愛ドラマだと思いますが、その中で抑圧から解放された時に生じるハイテンションなパワーが上手く描写されていますね。主人公の2人も非常に魅力的でした。 ドイツのトルコ人社会の姿も垣間見ることができ興味深かったです。 [DVD(字幕)] 8点(2007-11-18 14:05:44) |
456. 逃亡くそたわけ-21歳の夏
映画館でチケットを買う時にちょっと言うのが恥ずかしい題名ではありますが、観て損はしないとっても爽やかな青春ロードムービーでした。美波と吉沢悠の躁鬱コンビの絶妙なやりとりが本当に良いです。あと、なんといってもTheピーズですね、もう素晴らしすぎます泣けてきます。 九州各地の風景がとても印象的なのですが、特に地名等のクレジットは出ないので絲山秋子さんの原作(文庫本も出ています)も合わせて読むことをお勧めします(2人が辿ったルートが地図で出ています。)。二人の背景や心理描写も細かく描かれているので、作品の理解が深まると思います。 [映画館(邦画)] 8点(2007-11-14 18:00:44) |
457. 太陽(2005)
《ネタバレ》 非常に興味深いテーマではありますが、何となく禁忌を冒す罪悪感を感じてしまいながらの観賞となりました。まあ、日本では作れない映画ですね、上映できたことが驚きです(「昭和も遠くなりにけり」ということなんでしょうかね?)。 イッセー尾形は、いろいろな意味で難しい役を見事にこなしていると思います。下手すれば命を狙われかねない訳ですから・・・・・。 まあ、感想を述べるのが非常に難しい映画ですね。他の国の国王やら皇帝の話であれば簡単に述べられるんですけど・・・・。ただ、映像の美しさ等格式の高い芸術作品であったことは良かったなと思います。 [DVD(字幕)] 8点(2007-11-11 23:40:03) |
458. 少女ヘジャル
《ネタバレ》 クルド問題は、毎日のようにニュースに出てくるにも関わらずイマイチ良くわからなかったのですが、この作品を観てトルコではクルド人という人種の存在自体が否定されている(た?)事実をはじめて知りました。まあ、この問題についてはトルコ側とクルド人側それぞれの言い分があると思いますが、あるクルド人が語る「我々はトルコ軍とゲリラの板ばさみだ」というセリフがありましたが、力による解決は難しいでしょうね・・・・。 作品としては、ヘジャル役の子の健気な演技も光っていて心温まる良い映画だと思いました。 [DVD(吹替)] 8点(2007-11-08 18:51:49) |
459. 17歳のカルテ
精神病院を舞台にした、重くほろ苦い青春映画ですね。ウィノナ・ライダーとアンジェリーナ・ジョリーのコンビが本当に素晴らしいです。 また、60年代ポップスが非常に効果的に使われていて、サントラが欲しくなりました。今も頭の中を「The end of the world」が鳴り響いています。 [DVD(字幕)] 8点(2007-11-06 19:32:16) |
460. 陽はまた昇る(2002)
《ネタバレ》 サラリーマン必見の作品ですね。これを観たら絶対に「よし頑張ろう!」と思う筈です。いろいろな教訓を含んでいる良作です。 ただ、ちょっとVHS側に立ちすぎていて、まるでベータが悪で、VHSが導入されて良かったみたいな風にもとれる感じがするのが、元ベータユーザーで、ベータが無残に駆逐される様を身を持って体験した私にとってはちょっと面白くありませんでしたけど。(レンタルビデオ屋に行っても、VHSばかりでベータなんて殆ど置いてませんでしたからね・・・) [地上波(邦画)] 8点(2007-11-01 18:48:23) |