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tottokoさんの口コミ一覧[この方をお気に入り登録する

プロフィール
コメント数 1998
性別 女性
自己紹介 周りに映画好きな人があまりいない環境で、先日はメリル・ストリープって誰?と聞かれてしまったりなのでこのサイトはとても楽しいです。
映画の中身を深く読み解いている方のレビューには感嘆しています。ワタシのは単なる感想です。稚拙な文にはどうかご容赦を。  

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441.  キッズ・オールライト 《ネタバレ》 
両親と子どもが二人の家庭。妻が家族ぐるみの付き合いのあった男と浮気してしまった。当然家庭の空気は悪くなり、思春期の子どもらへの影響も計り知れず・・と書くと凡庸なホームドラマだけれど本作は夫婦がレズビアンカップルで、浮気相手が子どもらの精子提供者だというヒネリにヒネったシチュエーションである。 いやあー、考えさせられましたねえ。なまじ設定をノーマルな家庭環境にしなかったため、「家族」というシステムの定義しづらさ、曖昧さを浮き彫りにする効果がありました。 即ち「生物学上の父は家族となり得るか?」 本父ポールはいい線行ってましたよね。独身の気楽さがちょっと鼻につくけど人好きがして、明るく積極的な性格がニックの家庭には無い資質で子どもらもジュールスすらも惹かれてゆく。アネット扮するニックはこの家で父性的な役割でしたから、初めからポールに対して「侵入者」への警戒心が強かったのも無理はないです。だって相手は「正真正銘の」父なんだもの。いくら女医でも彼女には真似できない。ほんと設定の妙が活きますな。 わたしはマーク・ラファロ扮するポールに反感は抱かなかったので、ジュールスと事があったのち、子どもらが一斉に怒りを向けてきたのにはむしろ驚きすら感じました。つまりこのことこそがこの映画のアンサーで、やはり「家族」を作り上げるのにかかった年月はそれなりに重いのです。特に子どもにとっては、人格形成期に愛情を注いでくれた大人がやはり親なのですね。 そして四人が「家族」なんだ、ということをこの上なく表したジョニの巣立ちの場面。ワタシは思わずもらい泣きしたのですが、一人家を離れる長女を別れ際に抱きしめる両母親の姿は娘を手放す寂しさや祝福、心配がないまぜとなりA・ベニングとJ・ムーアの演技力の真骨頂を見せられます。まさしく長年手塩にかけて我が子を育ててきた者でないと出せない感情であり、やはり「単なる良い人」ポールでは無理でありましょう。 そして、息子もまたちゃんと成長を遂げていました。15才という難しい年ごろ、両親がゲイ・カップルということに事あるごとに反抗的な態度を見せていましたが最後に車中で「別れちゃダメだよ。もうトシなんだから」ですって。涙なくして聞けましょうかこの台詞。 初め、正直なところレズビアン両親にどうも気持ちが入りづらかったのですが、観終わってみれば彼らの家庭にとても親近感を抱いていました。脚本も演技もとても良いです。
[CS・衛星(字幕)] 9点(2020-08-01 23:19:39)
442.  ロボコップ(1987) 《ネタバレ》 
なんとなくタイトルからメカ警官がバンバン銃をぶっ放してばたばた悪人をやっつける爽快ドラマを想像していました。だいぶ違いました。だってそりゃ監督がこの人だものなあ。 作品の根底にびっしりと悪趣味や底意地の悪さが通底しており、爽快のソの字もない。 P・ウェラーに銃弾を浴びせてなぶり殺しにするチンピラ集団の極悪ぶりはお茶の間にそぐわないほどだし、彼の所属する警察組織はいわば身内なのに上層部はろくでもない連中ばっかで非人道的なロボトミー手術を勝手に施す始末。唯一人間らしく側に寄り添ってくれたナンシー・アレンにすら、あんな最期をくれてやるのかね。監督ヒドくない?マーフィー「大丈夫だ復活するさ。俺みたいになって」って、励ましなのか冷たいのかそれとも笑うトコなのか判別つかなかったんですが。 甘さ一切なし、どことなく牧歌的なタイトルとは真反対の苦いテイスト。ナンシーと恋仲になるとか、署の誰かが彼の非運を嘆いてくれるとかそういったヒューマニズム要素を排除した、稀にみるハードな作品でした。
[CS・衛星(字幕)] 6点(2020-07-28 23:11:30)(良:1票)
443.  深夜の告白(1944) 《ネタバレ》 
正統派の保険金殺人モノ。正統もなにも、この作品こそがこのジャンルの草分け的存在なのでした。 色と欲に目がくらんで計画を実行する語り部と、黒幕悪女、そしてトリックを見破る推理役とこの手の話に必要なオールキャスト揃えで、穴がありません。 一つの計画に破綻が一つ。後発作品がもっと色々と不確定事態を盛り込んでくるのに比べればシンプルですが、役者が上手いのでぐいぐい引っ張ってくれます。金髪カツラが妙に似合わないバーバラ・スタンウィックのやり手っぷりは迫力ありますし、エドワード・G・ロビンソンのコミカルな名探偵ぶりもキャラ立ち抜群。彼と罪を犯した主人公との友情も根底にあって、ちょっと話が深まりました。 ワイルダー監督が意図したのかどうかわからないけれど、ヒッチコックばりのサスペンス感も漂います。列車で居合わせた老紳士が保険会社の待合室にいた時のひやっとさせられるあの感じ、似てますよね。
[CS・衛星(字幕)] 6点(2020-07-27 23:21:22)
444.  スーサイド・スクワッド 《ネタバレ》 
もうこれはハーレイクインことM・ロビーの映画だね。悪役ばかりでチームを組みました、とは言っても引くような極悪人はいなくて「ちょっとクセの強い」程度の人選。しかし戦う相手はほぼ魔法使い、ていうのもバランス悪いなあ。どうやって勝てというの。 なぜジョーカーをメンバーに加えないの。彼はメンバー外だけど、この映画ハーレイクインとジャレッド・ジョーカーの二人で画を引っ張っているというのに。 マーゴット・ロビーの仕事の的確さには唸ります。この会心の手ごたえはジャック・ニコルソン版ジョーカーを観た時のと同じで、すなわち原作のコミックテイストを最大限に尊重したキャラ作りにあります。本作は漫画世界の実写化であるので、いかにカリカチュアされた小悪魔像を演じるかが大事。けれんみは最大値に、そしてリアリティは不要。眉毛の上げ方ひとつ取っても、マーゴットの仕事は完璧といえるでしょう。 ひきかえ、他メンバーの印象薄さは否めません。ウィル・スミスはコミックのキャラを演ってもいないし、悪人ですらない。ワニも火吹きもブーメランも中途半端に苦悩を背負っているのが余計です。やっぱりジョーカーとハーレイクインのチームで綺麗ごと抜きに、傍若無人にぶっ飛ばせば良かったのにな。
[CS・衛星(字幕)] 6点(2020-07-27 00:13:10)(良:2票)
445.  デイブレイカー 《ネタバレ》 
ヴァンパイアと人間の人口比とか考えたこともなかったわ。なるほど‟エネルギー源”となる人間が絶滅寸前ともなると吸血鬼側も確かに困ってしまいますね。 吸血鬼といえば月と古城をバックに美女を襲いに単独行動していた中世から何世紀も過ぎるとヴァンパイア社会が出来上がり、血の配給が行われ、コーヒースタンドの商品も血液入り(それがどんどん薄くなっていくという経済破綻の一面もあり)、ニュースでは血液配給量が流される。怪物すら生き辛い世の中になってるとはねえ、と作品設定にまず感心しました。 上司に特効薬の製造をせっつかれ、モラルと仕事の板挟みで悩むイーサン・ホークてのもやけに現代サラリーマン的な描写です。 ヴァンパイアものなのに社会問題提起作品になりつつあるところ、終盤ごろには急展開で血しぶき上げまくりに。それまた豪快にバンバン血が吹き上がって戦争映画かスプラッタものの様相を呈し、懐かしきゴシックホラーとの距離がはるか遠くなった感のあるニューヴァンパイアのお話でした。
[CS・衛星(字幕)] 6点(2020-07-23 22:46:31)
446.  スパイダー パニック! 《ネタバレ》 
「化学物質によって巨大化した蜘蛛が街を襲う」と、まあ撮り方によってはZ級まで落ちそうなコンセプトなんですが、由緒正しい(?)B級それもBの上ランクの出来です。 スカヨハが出ている、というのも水準を上側にキープするのに一役買っているし、一人ひとりのキャラ付けや台詞等がちゃんと練りこまれていてやっつけ仕事感が無いのです。こんな映画なのに。 登場人物らになんとなく好感を抱くというか、このコミュニティにすっと入れるという雰囲気づくりは脚本のセンスを感じます。怪物にやられる犠牲者数も爆薬の量も惜しまないあたりも、正しいB級作品のセオリーを踏襲してます。 敵は数で押し寄せてくる。それもショッピングモールに、となるといやでもゾンビを思い起こしますよね。蜘蛛とゾンビ、どっちが嫌かなあ。ゾンビの方は遅いから逃げきれそうな気もするな。でも噛まれたら自分もゾンビ化する二次被害もあるんだった。嫌だ。じゃあ蜘蛛の方がいいかというとそんなこともない・・、などと本筋とやや遠いことを考えながらの鑑賞となりました。 それに化学物質で池が汚染されたのにデカくなったのは蜘蛛だけなんだね。ほかの虫は・・、いや、いいや。脚がいっぱいあるやつとか考えたくないし。
[CS・衛星(字幕)] 6点(2020-07-21 23:22:56)(良:1票)
447.  ストーリー・オブ・マイライフ/わたしの若草物語 《ネタバレ》 
もう、美しかったです。「若草物語」が美質の塊のような原作であることに加えて、役者陣、風景、衣装、何もかもが美しい。わたしなんぞは素敵な四姉妹が連れ立って隣家に食事を運ぶシーンだけでその尊さに涙止まらず、折しもウィズコロナ下での鑑賞ゆえマスクがハンカチ代わりになるという、湿り気のある体験になりました。 従来の作品群と大きく変えてきたのは時間軸を前後させる脚本。これまた巧い。何度も現在と過去を行きつ戻りつしながら、ジョー目線に偏らずメグやエイミーの心情もこれまでにないほどの丁寧さで描きます。特に「お利口さん」のイメージが強かった長女メグについては彼女の小さな見栄や羞恥心まで描くことで、どのメグ像よりも立体的で人間性がよく伝わる造形となりました。 姉妹の脇を固めるベテランも皆役の解釈が正しく圧倒的な仕事を見せます。賢母のローラ・リニー、封建的考えの叔母M・ストリープ、少ない出番ながら印象大のC・クーパー。しかし特筆すべきはティモシー・シャラメでしょう。これまでこんなに鮮烈にローリーを演じた役者がいただろうか。若草物語といえば四姉妹のお話、であったのが今作は「ティモシー・シャラメの」と枕詞がついても過言でないくらいの存在感であります。 この人は「君の名前で僕を呼んで」でも見せたように、身悶えするほどの恋情を演じたら天下一品。ジョーに告白する丘のシーンは切なく激しく、彼の心がざくざく切れる痛みまで伝わり、映画史における告白シーンでも屈指の場面といえるでしょう。彼の表情を捉えるカメラも、距離や角度が完璧です。ティモシーの発露するフェロモン量はただ事でなく、世界中でやられる女子が続出するのも納得ですねえ。 ラストはちょっと驚きました。ここでようやく邦題の意味するところが分かるのですが。監督は原作者オルコットの考えを最大限に尊重したのだそうな。 編集者と対するジョーは突然オルコット女史になり、それまでの物語は以降は(数分程度ですが)フィクション扱いとなって展開するんですよね。目線の急激な転換にわたしは大いにまごついてしまって、咀嚼するのに時間がかかりました。なんというウルトラC的な力技でしょうか。とはいえ現実のオルコット女史の幸福は製本過程の美しく丁寧な職人技の描写で伝わりますし、フィクション側のマーチ家の人々もハッピーエンドです。監督の原作&原作者へのリスペクトを感じます。
[映画館(字幕)] 10点(2020-07-16 23:44:49)(良:2票)
448.  殺人者の記憶法 《ネタバレ》 
アルツハイマーの殺人者の話、と聞くと新しい切り口に感じたのですが結局のところは既出の「妄想もの」や「記憶喪失もの」と筋立ては一緒ですね。記憶のアヤシイ主人公の目線でストーリーが展開するので、何を現実として捉えれば良いのか観客を混乱させるパターン。ラストに実は妄想だったのです、と明かされるのではなく最初から主人公の記憶がアテにならないと分かっているので意外な驚きを伴う展開はあまりなかったな。「これほんとなのかな」というもやーっとした感は観てる間中つきまといます。 画は終始陰気。ぼそっと課題を残すような後味悪い終わり方はいかにも韓国映画。 陰鬱なんだけど所々笑わすシーンが入るのはエンターテイメントの自覚があってさすがです。呑気な雰囲気の警察官の友人がいい味出してたり、詩のセミナーで講師に殺意(笑)を抱くとかね。ここは大いに同意。
[CS・衛星(字幕)] 6点(2020-07-14 22:57:04)
449.  誘拐犯(2000) 《ネタバレ》 
まあー何にも説明してくれない脚本で。デル・トロとライアン・フィリップの2人が何者なのか、この冒頭から察するに二人はデキてんのか?といった背景説明はゼロ。富豪のおやじにしたって、すでに息子いるんじゃん。代理母使ってまで息子が欲しいって一体?嫁さん部下と浮気してますけど。ジュリエット・ルイスに至ってはますます何考えてるのか完全に不明。赤ん坊を自分のものにしたくなったのか、医者と一緒になりたいのか、まさかのボブとも関係匂わすエンディング。・・等々、観る者の「そこんとこ、も少し詳しく」との気持ちをばっさり無視して話は進む。 こんなに不親切な作品なのにわたしは割とこの映画嫌いじゃなくて、それはたぶん画のかもす独特感が好ましいからですね。 初めて見る「ゆっくり」カーチェイスや、話し合いを持つうちに意気投合するJ・カーンとデル・トロだとか。ゆるっとしてるかと思えば、突然銃撃戦。舞台となる暗闇にぽつぽつとカラフルな電飾が浮かぶモーテルの駐車場の雰囲気が素敵だったり、終盤急に開けるメキシコの眩しい白壁の画も良いです。 何といってもジェームズ・カーンが渋いですよ。私的贔屓役者のデル・トロも、この頃はカーンに比べると若造に感じられます。無駄撃ちされる銃弾が窓を割って降り注ぐ、その脇で冷静に弾を込めなおすJ・カーンの画が好き。 渋い役者らの素敵な画が堪能できるので、ストーリーの細部はどうでも良くなりました。まさに制作の思うツボ。
[CS・衛星(字幕)] 6点(2020-07-13 23:28:46)
450.  緋牡丹博徒
これぞ東映ザ・任侠。大ヒットシリーズの一作目だけあって、この分野の完成形をみています。こってこての様式美、ヤクザ渡世かくあれかし、のストーリー。お約束の口上に台詞回し、飛び道具になるかんざし。いずれの要素も現代劇には持ち込めない型にはまったものばかり。だからこそ非リアルの極致で作られた作品は味が濃く、逆に目新しく感じました。 もちろんこの手の作品は主人公が最重要であります。任侠の記号として説得力のある役者でないととんでもない駄作として失笑を買いかねません。その点本作は藤・高倉両名を始め、脇に至る面々までがコクのあるご面相とキャラクターですんばらしい。敵役はちゃんと「悪人顔」、トボけ役は頬っぺたや鼻まで赤くして分かりやすいことこの上ない。後の御大若山富三郎ってこんな役もできたのか・・(衝撃) 「こうなるだろう」という筋は乗りやすく、同性でも惚れ惚れするような藤純子の美しさと気っ風の良さは観ているうちに快感アドレナリンがどんどん促されました。つまりそれこそが大衆娯楽なのですね。
[CS・衛星(字幕)] 8点(2020-07-12 00:36:10)
451.  セントラル・インテリジェンス 《ネタバレ》 
凸凹刑事コンビの、相棒との丁々発止のやりとりが楽しいバディ・ムービー。そりゃハリウッドはこの分野のノウハウを山ほど蓄積してますから手慣れたもんで、今作のD・ジョンソンとK・ハートもノッちゃってます。実になめらか。 だけどまあバディもののひな型をきっちりなぞっているものの、そこから大きく広げてくれることはなく話は凡庸そのもの。CIAは単なるにぎやかしの役割であることはすぐ分かるので緊張も無いですし。 イジメの問題も織り込んでいる以上はあのいじめっ子にもっと制裁を加えてもいいような気もするな。20年経っても意地の悪さは直らない。そこんとこが今作で一番おっかないな、と思いました。
[CS・衛星(字幕)] 5点(2020-07-09 22:59:37)(良:2票)
452.  15時17分、パリ行き 《ネタバレ》 
パリの列車テロを防いだ米国人の実話と知って観ても(わたしは知らずに観たので尚のこと)、あまり面白くはないですね。事件そのものについては当時大いに感嘆し3人のアメリカ人に興味も抱きましたけど、映画にするとなると2時間弱の長尺、事件そのものは数十分の出来事であるし、どうしたって個人の「それまでの人生」を描かなきゃならない。 だけど一個人の人生なんてそんな見どころいっぱいなわけないですもん。さしものイーストウッドも描くこと無くてヨーロッパ観光シーンが長くなっちゃってる。知らない人たちの生い立ちと観光旅行に付き合わされてやや辟易しました。 3人が本人というのもサプライズ企画ではあるけど、よく考えてみれば裏目だったかも。プロの俳優ってやっぱり引きのオーラがあるんですよ。同監督の実話ものを見ても、トム・ハンクスやブラッドリー・クーパー、ポール・ウォルター・ハウザーなどは演じた役の人間性をこちらに伝えてくる力があるのです。ある意味本人が動くのよりも。 今作を観てて終盤に「これってあの事件の実話かな」と気づくまで彼ら3人に特に興味を覚えず退屈したのは、脚本のせいだけではないのかも。
[CS・衛星(字幕)] 5点(2020-07-07 23:22:26)
453.  ウォー・ゲーム(1983) 《ネタバレ》 
コンピュータオタクの高校生が思いがけず軍のプログラムにアクセスできちゃって起こる大騒動。ありそうでなさそう、いやでもこの時代ならけっこうあるんじゃないか、と思わせる絶妙脚本ですね。なんせ自軍のコンピュータ画面の方を相手国の人間の言い分より信を置く。「ソ連の言うことなんか信じられるか」・・いかにも冷戦下の状況を反映していて妙にリアルです。 モニター画面の画はコンピュータが作った単なるシミュレーション。なのに緊迫するお偉いさんたち。同時進行でソ連側では「アメリカが勝手にパニクって言いがかりつけてきた」と思ったろうな。米国各空軍基地ではイキナリ将軍から直電かかってきて「なんだなんだ」と慌てただろうし、と想像するのも楽しい。いやAIがさらに進んだ現代では笑いごとではないか。 ‟フェリス”まんまのマシュー・ブロデリックが小賢しい顔つきで今作もハマッてますし、マシューのハラハラ脱出劇や高速で情報分析するコンピュータを見守るしかできない緊張感漲るクライマックスは見ごたえあり。さすがベテラン監督の手腕が光ります。
[CS・衛星(字幕)] 7点(2020-07-05 23:52:34)
454.  コンスタンティン 《ネタバレ》 
美しき霊媒師K・リーヴスの冥界バトル絵巻。もうとにかくキアヌを堪能するための映画です。タバコを吸うキアヌ、金の十字銃を構えるキアヌ、片膝ついて霊会と通じるキアヌ。彼の脚長小顔という8頭身スタイル、地獄の王もご執心の端正な美貌が画面の隅々まで映えまくりです。年をとっても器量が落ちない、ほんとキレイな男です。 毎度のことながら一本調子の表情も今作の「死にかけつつ悪魔祓いを余儀なくされる男」にハマっており、演技力の乏しさもカバーできております。 あと一息でフィンチャークラスのダークな美術も良いです。キリスト教義の解釈をすごく自由に広げたストーリーも意外なオチを見せてくれました。 勝手なコトをやってくれた息子や部下を大ボスらがシメたわけですが、神に怒られて翼をもがれたガブリエルが複雑な性格で笑いを誘います。本物かと思うほど人外の雰囲気を出すT・スウィントンとルシファー役のP・ストーメアが巧い。主人公よりも。でもこの映画といえば絶対的にキアヌ・リーヴスなのです。スターというのはそういうものなのよね。
[CS・衛星(字幕)] 7点(2020-07-04 23:10:44)
455.  フリック・ストーリー 《ネタバレ》 
70年代の映画の良いところが全部詰まってる一本。生活感と建築美の合わさったパリの小路がくすんだ色味に沈み、その中に置かれた演者らの陰影深い佇まい。80年バブルに入って一掃されてしまうこれらの情感が隅々まで漂っていて、陶然とします。 男たちが渋いもんね。モスグリーンのトレンチを着たアラン・ドロンはヘビー・スモーカー。官僚的な上司に意見しつつ参考人らには硬軟取り混ぜて証言を引き出す、絵になる男。やっぱりかっこいいなー。ところがジャン・ルイ・トランティニヤンの露出が多くなるにつれ、さしものドロンが食われてゆくのです。 ジャン・ルイ・トランティニヤン!「男と女」での印象薄とは打って変わって、映画史に残る冷酷な殺人者ぶりでした。 薄青の瞳は常に座っていて、一切躊躇せず引き金を引き、出過ぎた小娘は横っ面を張り倒す。彼とドロンがついに邂逅する食堂のクライマックスの緊張感ときたら。何度もトランティニヤンの目線をカメラが捉えるんですよね。考えが読めないその瞳に、バレたのかしら?と冷や冷やさせられる名場面です。 この頃の映画は煙草が本当に粋な小道具として機能しているなあ、と強く思わされる作品でもあります。格好良い俳優は皆タバコを手にしていた。火を点ける仕草も口にくわえた姿も素敵に超がつくほどで、彼らのタバコの吸い方は世の男性諸氏のお手本だったのですけどねえ。
[CS・衛星(字幕)] 8点(2020-07-03 22:29:10)
456.  スリーデイズ
オリジナルに後付けの展開をちょこちょこプラスして尺を水増ししたかのような。より丁寧な描写になったと感じるか逆にダレるなあと思うかはその人次第。わたしはあんまり上手くないリメイクだなあと思いましたが。人物の感情表現がオリジナル版の方が細やかだったと思うのです。ちょっとの差ですけど。妻を想う気持ち、息子に会えない切なさなどはヴァンサン・ランドンとダイアン・クルーガーの方がぐっと伝わった印象があります。先に観たからかもしれませんが。 ほかの方も言及されてるように、えん罪かもと思いつく刑事の描写は蛇足ですね。
[CS・衛星(字幕)] 6点(2020-07-01 00:43:45)(良:1票)
457.  名探偵ピカチュウ
観ている間何度叫んだかわからない。「可愛いー!」と。まさかいい年して小動物の可愛さに身悶えさせられるとは。日本での公開前から話題になっていた‟しわしわ顔”にはノックアウトされてしまった。手で涙をごしごししての、あの顔なんだよ。あああ~悶死寸前。 手に伝わりそうなふかふか感。体温の温かさも感じそうなリアルな厚み。ポケモン実写化と聞いて大方が抱いた危惧を完全に払拭してみせた映像技術とスタッフのポケモン愛に、大いに敬意を払いたいと思います。 その昔の「キャベツ畑人形」に始まって、アメリカのぬいぐるみセンスにはズレしか感じて来なかったのですが(そばかすが多いとか)まさか「カワイイ」カルチャーの国の民がUSA仕立てのピカチュウに心奪われるとは。いや可愛いなあ。しわしわ顔のぬいぐるみ欲しいなあ。 あ、お話ですか。ビル・ナイと謙さんがいたような気がするな。そして普通に面白かったんじゃないかな。
[地上波(吹替)] 7点(2020-06-29 23:29:38)(笑:1票)
458.  ホテル・ニューハンプシャー 《ネタバレ》 
ほんと、何映画と紹介していいのか甚だ悩むへんてこな本作品、初めて鑑賞したのははるか昔。あの頃は若さゆえ、作品の意味を探すことも放棄したけどこの度再トライ。そしてやっぱり分かんなかった。 「開いた窓は見過ごして(飛び降りぬよう)」「前を向いて生きる」。テーマとしては優秀だしたしかにこの家族全員前向きではあるんですけどね。とにかく降りかかるトラブルの数々がシャレにならない、もちろんコメディにもしづらい深刻な案件ばかり。なのに全然重たくならないの。むしろコミカルな描写もあるのね近親相姦の場面だったりするのに。 分かんないなあ。視力を失ったり末娘が自死したり、それひとつで映画一本になりそうな大変な出来事を「どうやって」乗り越えるのか、心の説明が一切無いんだもん。名女優J・フォスターすらこの脚本では役の掘り下げが難しかったのではないかな。つん、と上を向いた強気一点張りの演技で押すのみ。 鑑賞中、唯一心躍ったのは我が愛しのナスターシャ・キンスキーの輝ける美貌。もう途中からは彼女を画面に見つけることにのみ集中しましたね。変な熊の着ぐるみさせられて、でもモサモサの胴体部分すら気にならなくなるほどの麗しいご尊顔。なのにどうして世界一の美女を「不細工な女」の役に充てるの?そういや冒頭も熊だった。熊って何。ああわからないこの映画。
[CS・衛星(字幕)] 4点(2020-06-27 23:12:31)
459.  若き勇者たち 《ネタバレ》 
対共産圏の戦いに突然放り込まれた高校生たち。ゲリラ戦描写からはミリタリーアクション映画にも思えるし、同時に青春劇でもあります。 でもどちらの観点から見てもちょっと物足りないかな。戦争ものとして見るなら戦いの全容が分かりづらい。アメリカ政府はどういう状況になっているの?いや、それはいいんだ これは高校生たちの極限の生き方がテーマなんだから、と思い直して観てもP・スウェイジ&チャーリー・シーン兄弟と女子二人以外は見分けもつかないくらいのキャラ弱だったりで、人間ドラマとしての掘りが今一つ浅い。 終盤に向けてどんどん状況がシビアになってゆき、予想を上回るハードな幕切れとなりました。彼らの人となりにもうちょっと時間を取って描写してくれれば、もっと突き刺さるお話になったのになあと惜しい印象です。
[CS・衛星(字幕)] 6点(2020-06-24 22:44:20)
460.  蜘蛛巣城 《ネタバレ》 
映画作品だけれど能の世界のようでもあり、独特の雰囲気は原典シェイクスピアの舞台劇と通底するものがあるのかな。いつもより大きな芝居の三船敏郎に、それこそ面を被っているような山田五十鈴。 心の奥底にあるモノを「言葉」にして表されると、人は絡めとられてしまうものなのですね。“物の怪”の予言にすっかり支配された鷲津と三木。正常な思考を持っていたのは三木の息子のみ。曰く「自分から進んで予言通りに事を行い、予言が当たったと思っている」。しかし息子の金言も親父には届かず、馬一頭逃げ帰ってきたことで三木親子の凶事が判るシーンは簡潔ながらも「ああやはり?」とぞくっとしました。 確かに無くはなかった権力への野望。それを唆す化け物は、森で出会わずとも身近なところに妻という形でいたのです。鷲津はツイてなかった。 初めこそ凛々しい武者顔だった三船が憑かれたように形相を変えてゆく姿が酷く、印象的です。 本家シェイクスピアの舞台劇は観ていないけど黒澤の蜘蛛巣城は観た、ということで単位をもらえそうな気がしますよね。見事な黒澤版マクベスでした。
[CS・衛星(字幕)] 7点(2020-06-23 23:19:40)(良:1票)
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