461. エトセトラ
《ネタバレ》 無限に続く3つのアニメーション。循環のスピードが徐々に増していき……。ヤン・シュヴァンクマイエルには珍しい完全な二次元アニメーション。このアニメ物凄く手間がかかっていますよね。神経を逆なでするような効果音が無機質なアニメに個性を与えている。 [映画館(字幕)] 7点(2012-03-25 16:40:30) |
462. 自然の歴史(組曲)
《ネタバレ》 様々な種類の生物をストップモーションアニメで見せつつ、その合間に食事をする男の口のアップが映される。人間が他者を食しているという事実を認識させたかったのでしょうか。映画館で観ているときは色々考えていたのですが、観終わると特に何だか良く分からなかった。 [映画館(字幕)] 5点(2012-03-25 16:37:34) |
463. 部屋
《ネタバレ》 不条理を体現したかのようなストーリー。誰かに閉じ込められているというよりは、部屋に食われているというような印象を受けました。それから間違いなく荒木飛呂彦の短編「死刑執行中脱獄進行中」に大きな影響を与えている。 [映画館(字幕)] 7点(2012-03-25 16:33:39) |
464. ドン・ファン(1970)
オーソドックスなマペット劇の中にチラホラとシュヴァンクマイエルらしい不気味さが感じられて面白い。チェコで観たマペット劇を久々に思い出し懐かしい気持ちにさせられました。話はふつうにドン・ファンを描いており、特に改変はありません。 [映画館(字幕)] 6点(2012-03-25 16:31:24) |
465. 対話の可能性
《ネタバレ》 一本目のアニメーションが一番面白かった。アニメーション作成の手間を考えると眩暈がしてくる。 [映画館(字幕)] 6点(2012-03-25 16:28:58) |
466. アリス(1988)
《ネタバレ》 原作のカオスッ振りを更に上回るカオスとビザールな世界の洪水。動きだし時計を取り出してはハラワタを詰め込むウサギが不気味。マペットアニメの質の高さもとんでもない。 [映画館(字幕)] 7点(2012-03-25 16:24:38) |
467. 肉片の恋
ヤン・シュヴァンクマイエルの作品では良く出てくるモチーフ、生肉をフィーチャーした短編。動き回り愛を育む肉がとにかく不気味かつ可愛らしい。 [DVD(字幕)] 6点(2012-03-25 16:20:36) |
468. サヴァイヴィング ライフ 夢は第二の人生
《ネタバレ》 ヤン・シュヴァンクマイエルの作品の中ではかなり分かり易いというか、腑に落ちる作りになっています。切り絵アニメーションが描く現実と夢の世界がごちゃ混ぜになる画は確かにビザールでシュルレアリズムを強く感じさせますが、キチンと劇映画にはなっているのでストーリーは簡単に呑み込めます。主人公はなんの刺激も無い人生の中で夢にその願望を描き出していく。個人的に藤子・F・不二雄の傑作短編「やすらぎの館」を思い出しました。中年に差し掛かった男性に生じる若い母親への羨望。自分が赤ん坊となってもう一度母親に弄ばれたい、優しく扱われたいという願望。恐らく主人公の夫婦には子どもがおらず妻が母性本能を欠片も示さないことも関係しているのでしょう。それにしてもヤン・シュヴァンクマイエルはこのような一般的に考えると恥ずかしい願望を堂々と映像化する辺りすごいと思いますね。やっぱり映画は監督の思想を表現してナンボなんだと改めて思えました。 [映画館(字幕)] 6点(2012-03-25 16:17:48) |
469. 戦火の馬
《ネタバレ》 最近多作になっているスピルバーグですが、今までのいろいろな作品の路線が入り混じっている作品だったと思います。青年のあるものへの固執は「太陽の帝国」、戦争描写は「プライベート・ライアン」、フランスの少女と馬との交流は「E.T.」など。ただこれが交じり合ってて観にくいかというと全くそういうことはなく、結構展開が早い中で一つ一つのエピソードが感動的に演出されています。そのあたりをキッチリしているのが矢張り巨匠なんだなと思います。ややひっかかったのはこういう映画には仕方ないのですが、ドイツ人もフランス人も皆英語を喋っていること。その国単体で出てくるのならいざ知らず、イギリス兵とドイツ兵が英語で話し合っていて、イギリス兵が「お前、英語上手いな」と言う。その直後ドイツ兵が自軍の兵士に英語で話すが設定上ここはドイツ語を話しているという奇妙なことに。あのシーンはすごく感動的で(さっきまで血みどろの殺し合いをしていた兵同士が軽口を言い合う)問題無いんですけどね。それにドイツ訛りやフランス訛りを使わせて頑張って表現しているのは伝わりましたし。 [映画館(字幕)] 8点(2012-03-24 21:27:50) |
470. アラジン(1992)
《ネタバレ》 作品のテーマは"自由"。映画には3人の自由を求めるキャラクターがいる。まずアラジンとジャスミンですが、方や貧乏故の不自由さを抱えており、方や豊かさ故の不自由さを抱えている。その対比が実に上手く描かれています。それからランプの精・ジーニー、「財宝なんてどうでもいいさ、自由こそが一番大事なものだ」と言いつつも諦観している様は物悲しかったなぁ。だからこそ最後に自由を手にした彼を見ると本当に祝福したくなります。 スコアも実に素晴らしい。アラン・メンケンの音楽が魅力的なのは毎度のことですが、本作の「A Whole New World」「Friend Like Me」は出色の出来だと思います。それに合わせたアニメーションも魅力の一つで、魔法のジュータンに乗って世界中を駆け抜ける「A Whole New World」の浮遊感、「Friend Like Me」の様々なアイデア満載のジーニー7変化(7じゃ済まないけど)。これはミュージカルじゃ絶対に味わえない、映画ならではの見所でしょう。 それからプリンセス映画にしては非常に自然な形でアラジンとジャスミンが恋に落ちる過程を描いていましたね。 あとは何と言ってもジーニーのコメディリリーフとしてのキャラクターの面白さ!これはディズニーの発明と言って良いのではないでしょうか。但し、本家ディズニー含めて様々な作品でジーニーフォロワーとも言えるキャラクターが生み出されましたが、正直元祖は超えられませんね。芸達者なロビン・ウィリアムスの声も実に良く合っている(日本語吹き替えの山寺宏一さんも負けず劣らず素晴らしいです)。 [ビデオ(吹替)] 8点(2012-03-24 08:56:06) |
471. ドラえもん のび太の恐竜
《ネタバレ》 もともと1つのエピソードだったものを長編化したためでしょうか、後半の恐竜ハンター絡みの冒険パートはかなり設定が雑に感じる作品です。のび太はドラえもんの力を借りず、独力だけで恐竜の卵を発見し、ピー助を育て、別れる決心をする。この段階までで充分感動的であるし、映画が終わっても問題が無いように感じてしまいました。ただこの映画は劇場版ですので、後半の恐竜ハンターに追われ白亜紀を冒険する羽目になるパートを継ぎ足したといった所でしょうか。短編映画として綺麗に終わってても良かったかなと思える作品です。というか幼少のころ、なぜか好きだったカマキリを家で飼おうとしたら母親から大反対されて泣く泣く逃がした身からするとやっぱり前半が最もグッとくるのである。 [ビデオ(邦画)] 8点(2012-03-22 23:18:04) |
472. ライムライト
《ネタバレ》 チャップリンが自身を投影して描いた人間賛歌であり人生賛歌。この映画がチャップリンのフィルモグラフィの集大成と思えるほど、様々な要素が凝縮されていると強く感じます。人生の辛さ・楽しさの両面を描き、男女のすれ違ってゆく愛を描き、忘れ去られる人間の悲哀を描き、バレエダンサーと喜劇俳優を通して芸術の素晴らしさを描く。こんな離れ業ができるフィルムメイカーはチャップリンを置いて他に思いつきません。映画というものに優劣は付けられませんが、この作品を観るとチャップリンが唯一無二の映画監督であると思えてなりません。劇中のカルヴェロの台詞に「時は偉大な作家だ。常に予想のつかない結末を書く」とあります。だからこそ人生は面白い。人生に戸惑い・疲れを感じたとき、この映画は特効薬になり得る1本であると思います。ビバ、人生! [DVD(字幕)] 9点(2012-03-12 22:36:01) |
473. 月世界旅行
《ネタバレ》 とにかくそのビザールな映像に舌を巻く。メリエスの代名詞とも言えるロケットが突き刺さった月のカットの印象は殊更に強く記憶に残ります。ストーリーは……、一言で荒唐無稽の極みですね 笑。 [インターネット(字幕)] 7点(2012-03-10 22:36:39) |
474. 幾つもの頭を持つ男
《ネタバレ》 当時の人からするととんでもない衝撃だったのではないでしょうか。人を楽しませることを追求したメリエス偉大だー。 [インターネット(字幕)] 6点(2012-03-10 22:34:38) |
475. 音楽狂
《ネタバレ》 どの時代にもエンターテイナーはいるものですね。発想の勝利ってやつですね。 [インターネット(字幕)] 6点(2012-03-10 22:33:09) |
476. ヒューゴの不思議な発明
《ネタバレ》 アメリカン・ニューシネマ黎明期のスコセッシからは考えられない様な愛と希望に満ちた物語。これが個人的には嵌りに嵌ってしまい、後半は終始感動しっぱなしでした。何故、私たちは映画を観るのか。人それぞれ異なる答えがあると思います。ある人は現実を忘れるため、ある人はテレビでは観ることができないものを観るため、ある人は画面内のスターに耽溺するため、その他無数に存在するでしょう。しかしどんな人にも共通する理由の一つに、普段の日常では体験できないことをたった2時間、スクリーンに座っているだけで体験できる点があるのではないでしょうか。映画はイマジネーションによって生み出される芸術作品であり、それは戦争が起きようが何があろうが、人々の記憶に刻まれ後世に引き継がれていく。そしてその時代の感動はどの時代であっても感動的であり、人々の心を動かす力となりうる。だから映画は今も無くならないし、映画ファンはわざわざ映画館まで足を運ぶ。そんな"映画"という媒体への愛に溢れた映画だったと思います。最近は「ヒューゴ」や「CUT」、「アーティスト」など映画への愛を描いた映画が多くて困ってしまう。こんなテーマの映画、映画が好きなら嫌でも感動してしまうじゃないか~。 [映画館(字幕)] 9点(2012-03-10 22:04:53)(良:2票) |
477. ブラインドネス
《ネタバレ》 最後までジュリアン・ムーア演じる、唯一目が見える主人公の行動原理が理解できなかった作品です。シティ・オブ・ゴッドの時の画面で起こっている事柄はエグいんだけれどもどこか明るい雰囲気のようなものが本作の場合には皆無で、非常に閉塞感のある雰囲気を出していた点は素晴らしかった。 [映画館(字幕)] 5点(2012-03-04 22:40:27) |
478. ミート・ザ・ペアレンツ
《ネタバレ》 ベン・スティラーとロバート・デ・ニーロのコメディ演技のアンサンブルがすごい作品。個人的に何をやっても裏目に出てしまうフォッカー君にかなり感情移入して観てしまいました。最後のプロポーズに至るまでの強引な展開には少し突っ込みたくはなりますが、それ以外は確実にギャグで笑わせてくれ、且つその中に人物描写も加えているという上質なコメディだったと思います。ただ笑いの内容は上質では無く、結構下品よりなのでファミリーで観る場合にはお気を付けを。 [DVD(字幕)] 7点(2012-03-03 22:31:27) |
479. TIME/タイム
《ネタバレ》 あのアンドリュー・ニコルの近未来SFと聞いたら観に行かずには居られなかった訳ですが、観終わった後の感想としては只々「微妙」の一言です。とにかくアマンダ・セイフライドの行動に無理がありすぎるし、とことん追手のキリアン・マーフィー達が無能すぎて全くハラハラしない。それにアクション映画として画面がノロノロ動くのは21世紀の映画としてはマイナス要素過ぎます。終盤のカーチェイスなんて50㎞/h位しか出てないんじゃないかというくらい動きがトロく、編集で誤魔化しきれていない部分が個人的に多く目に付きました。中盤からの義賊の様に強盗を繰り返す展開には開いた口が塞がりませんでした。スラムであんな簡単に銀行強盗できたら皆やってると思います。しかも時間を配られたスラムの人達はとっても紳士的で暴動も起きないし。どれくらいこの映画を真剣に観ればいいかが分からなくなります。それにしてもこの映画は一応ディストピア映画に該当すると思うのですが変な作品ですよね。大体のディストピア映画が人間性が失われた社会主義を批判しているのに、この映画は資本主義を批判し、時間を平等に人々に分け与えることによって社会主義的な世界を実現して終わっちゃう。とにかく変な映画です。 [映画館(字幕)] 4点(2012-03-03 18:44:13)(良:2票) |
480. ロック、ストック&トゥー・スモーキング・バレルズ
《ネタバレ》 ガイ・リッチーお得意のスラップスティック・アクション。物語の佳境で訪れるカタストロフィからは目が離せませんでした。 [DVD(字幕)] 7点(2012-02-26 11:08:01) |