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R&Aさんの口コミ一覧[この方をお気に入り登録する

プロフィール
コメント数 2162
性別 男性
年齢 57歳
自己紹介 実は自分のPC無いので仕事先でこっそりレビューしてます

評価:8点以上は特別な映画で
全て10点付けてもいいくらい
映画を観て損をしたと思ったことはないので
酷評しているものもそれなりに楽しんで観たものです


  *****

●今週のレビュー
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481.  ギフト(2000)
夫の死を予見しておきながら死なせてしまった過去。何故か与えられてしまった特別な力を裏切った過去。だからこそ彼女はその特別な力を発揮すべく占い師として人々に道を示す。だからこそ魔女と呼ばれようとも冷たい視線を浴びようとも、あるいは自分に敵意を向ける男が助かることになろうとも、そしてそこに自らの危険があろうとも、真実を導かずにはおれない。大いなる力を持つものには大いなる責任が伴う。後に『スパイダーマン』に継承されるテーマがはっきりと浮かび上がる。ビッグネームの脇役たちの存在感がありすぎて作品の空気に合ってない気がするが、ホラー演出に磨きがかかり、洗練された映像にサム・ライミの新境地を見る。
[DVD(字幕)] 6点(2006-11-10 13:41:38)(良:1票)
482.  スパイダーマン2 《ネタバレ》 
前作とは打って変わってサム・ライミがようやく「スパイダーマン」を自分のものにしたという感じ。ハリウッドだから出来ること、高制作費だから出来ることを自らの作家性に拘らずにやったおかげでかえって彼の個性がこのハリウッド大作の中で暴れまくる。「大いなる力には大いなる責任が伴う」というたいそうなテーマをもってヒロインとの決別で終わった前作からの続編でありながらそのたいそうなテーマを主人公自らが放棄するかのようにヒロインと結ばれるは、ベールに包まれているはずのヒーローは堂々と顔をさらすは、ヒロインが襲われてキャーキャー悲鳴をあげるシーンは全くヒロインらしからぬ恐怖の顔をさらした単なるホラー映画の被害者の顔になってるは、オクトパスの暴れっぷりは恐怖と気色悪さと可笑しさが凝縮されてて大いに楽しませてくれるは、ハリウッドでやるべきことはしっかりと押さえて、あとはやりたい放題。期待薄で観たこともあって大変満足いたしました。
[DVD(字幕)] 7点(2006-11-07 09:57:35)
483.  スパイダーマン(2002)
公開時の新聞記事にハリウッドに馴染まない監督だからこその傑作とかなんとか書いてあって期待はしてたんだけど見そびれちゃってのDVD鑑賞。うーん、、というか、サム・ライミはデビュー作のインパクトで語られちゃってますけど最近はじゅうぶんハリウッドに馴染んでますよ。それにもともと見せ方は違うけど娯楽を提供するという部分ではハリウッドと同じ目的を持ってる監督です、この人。ただなんとも薄っぺらい「娯楽」を寄せ集めてどうだ~!って堂々と見せてしまうその気概と、それでも魅せてしまうセンスにこそこの監督の個性があると思うのですが、この『スパイダーマン』は一見、ココがサム・ライミです!ってところをチラチラさせてはいるものの、どうも物足りない。それにアトラクションムービーとしての見せ場があるのにこちらも中途半端。そしてなによりも「大いなる力には大いなる責任」というたいそうなテーマ(なんかアメリカが世界の警察を誇示しているようでテーマ自体が好かん)を一度ならずも二度までも語ってしまい、ラストにつなげるあたりがどこにでもあるハリウッド映画にしてしまっている。中盤までは楽しめた。
[DVD(字幕)] 5点(2006-11-06 15:52:51)
484.  ある子供
『イゴールの約束』のイゴールを演じたジェレミー・レニエが立派な大人になってダルデンヌ兄弟の映画に帰ってきた。と思ったらどうしようもない青年。その場しのぎの短絡思考。困ればとりあえず妻のいるアパートへ行く。行ってどうなるわけでもないし、実際妻には会えないのだが何度も行く。要するに子供。根は悪い奴ではない。それは仲間の少年の足を必死でさする姿にも見て取れる。この映画はけして「大人になれない子供」の原因を追究してはいない。しかし孫が出来たというのに喜ばない青年の親から想像させるものは、生きるだけで精一杯の社会の底辺の実情である。ダルデンヌ兄弟は常に社会の底辺を撮る。そしてドキュメンタリー映画以上の現実の露呈を試みる。それが彼らの映画である。
[DVD(字幕)] 8点(2006-11-02 14:19:53)
485.  息子のまなざし
職業訓練所に新しく入った少年は大工コースを選ぶが、主人公の教師は履歴書を見た後、生徒が多いことを理由に断る。その後なぜだかソワソワし始める。家に帰ると女の人が訪ねてくる。最初はこの女性が誰なのかわかんない。これらは後にはっきりとしてくるのですが、「説明」を一切排除しているので、分からないまま見ていた最初の数十分は退屈に感じた。分かってからはのめり込まずにはいられない特殊な設定。設定だけが特異で何が起こるわけでもないが、さりげない会話から少年の同情すべき家庭環境や睡眠薬で眠るしかない後悔と苦悩が前面に出ることなく、でもしっかりと描かれ、それゆえの教師の葛藤がガンガンと迫ってくる。そして『イゴールの約束』でも感心させられたオリヴィエ・グルメの演技を超えた演技にまたしてもやられた。大工仕事の手際の良さはもちろん、その身のこなし、何かのついでに部品を取る仕草、痛めた腰をかばう歩き方、復讐心でも愛情でもない少年に向ける眼差し。オリヴィエ・グルメ、この男を見るだけでも価値がある。そしてこの男をここまで引き上げているのはまぎれもなくダルデンヌ兄弟の力なのだ。
[DVD(字幕)] 7点(2006-11-01 13:15:57)
486.  ヴィレッジ(2004) 《ネタバレ》 
前作の『サイン』で宇宙人の影に隠れてしまった現実社会の描写。汚染された水、隣人の嫌がらせ、過酷な労働条件、それゆえに起こった理不尽な交通事故、食べたいものはジャンクフード、そしてテレビだけを信じる家族。そんな病んだ社会から逃れて閉じた空間で暮らす面々が『ヴィレッジ』の住人。まるで『サイン』のあの家族が外の世界を見えないように窓を覆い隠したように。盲目のヒロインが盲目ではないかのように暮らす姿は現実を見ないように見ないようにしているヴィレッジの住人たちがヒロイン以上に盲目であることを提示している。年寄りだけでなく若者たちも目先のものしか見ていない。スーツのしわを気にする男もその典型的な描写といえる。『サイン』のあの家族たちは奇跡を信じたが住人たちには何も見えない。その結果の悲劇。そして外を見ようとする二人の若い男女がいずれ奇跡を体現するのだろう。この映画はそんなわずかな光を残して静かに終わる。うまいなぁと思ったんですが、、。ビジュアル的にも森の中の赤と黄色が強烈な印象を残していてけっこう気に入ってます。
[DVD(字幕)] 7点(2006-10-27 14:26:16)(良:1票)
487.  サイン 《ネタバレ》 
まず、観ている時はかなり楽しめたということを先に言っときます。ミステリーサークルが宇宙船の降り立つ目印?いやいや、宇宙船なんか無いんじゃないだろうか。あるのはテレビの中だけじゃん。「何も手を加えていません」と協調するアナウンサー。怪しいなぁ、どっちにしてもいつもは手を加えているってこと?人間を食う?誰もそんなところ見てないじゃん。水に弱い?汚染に敏感なだけでは?これって不安が間違った情報に踊らされることを助長してパニクってるだけ?そんな風に見ていたので楽しめたわけです。でも宇宙人が登場。撃退法はずっと以前に死の間際で発した妻の言葉にあった。偶然ではなく神の起こした奇跡。シャマランの映画にいつのまにか着地。これも楽しめた。でも公開直後からの酷評の嵐に促されたかのように、私の解釈だと話が繋がらないことに気がつく。ま、いいではないか。そのとき楽しめたのならと思っていたが、今思い出しながらレビューを書いていて、いや、これってちゃんと繋がってるぞと。幽霊やヒーローがいたように「宇宙人がいた」。なぜ来たのかは知らん。そして助かった。それは様々な偶然の重なりではなく「奇跡が起きた」から。それ以外は不正確なメディアの嘘。噂。疑心暗鬼。ちょっと強引か?
[映画館(字幕)] 7点(2006-10-26 13:57:31)
488.  アンブレイカブル
映画に何を求めるか、何を楽しむかは人それぞれあるだろうが、ストーリーが面白いか面白くないかは好みはあるだろうけど面白いものは誰が見たって面白いし、面白くないものは誰が見たって面白くないものだと思ってたけど、違ったみたい。これは前作『シックス・センス』を勝るほどの面白いストーリーだと思ってたのですが世間の評価はイマイチのようですね。個人的には非常に楽しめた。ストーリーも良いが、その見せ方も秀逸。冒頭に生まれながらに骨折した赤ん坊が映され、列車に乗るブルース・ウィリスが映されるが、黒人と白人とすることで同一人物ではないことを判らせたうえで見せてます。でも両者ともがこの映画において非常に重要なキャラで、その重要さが同等であることを宣言しています。これが最後に効いてくる。何もかもが真逆な二人なんだからオチは当然のオチといえる。それでも驚いた。天から授かった力の封印が家族を崩壊へと招き、力の使用が再生を招くというシャマランの信仰とも言えるテーマが物語を美しくさせ、オチに拘らない映画へと昇華させていると思う。と同時に負の力を持つ悲しき運命に涙する。
[DVD(字幕)] 7点(2006-10-26 09:25:34)
489.  レディ・イン・ザ・ウォーター
私はシャマランを優れたストーリーテラーだと思っていました。でもそれはたんに私好みだというのがわかったのは『アンブレイカブル』や『サイン』の巷の酷評ぶりを聞いたから。シャマランの映画は宇宙人だとか幽霊だとかといった現実世界に受け入れがたい現象を見事に現実世界に融合させてきました。そうゆうのが好きだったのだ。だから酷評される上の二作品も単純に面白かった。でもこの作品の現実世界に受け入れがたいものとして登場する妖精はこの映画の現実世界に最初から受け入れられている。だから「お話」は面白くない。少なくとも私好みではない。子供がわくわくするような現象と大人の世界の折り合いは端折られ、ただひたすら幼児向けのお話が展開される。しかしそのことでより克明に浮かび上がるものがある。そして気づかされる。シャマランの映画は幽霊や宇宙人を描いていたわけではなく、それらを背景にしているだけで、幽霊ではなく幽霊を見ることが出来る特別な力、宇宙人ではなく妻が死を迎えるときに授かった特別な力こそが描かれていたことに。天から授かった特別な力。特別な力が発揮されたとき奇跡が起こる。この映画は思いっきりそのことだけに注力する。この作品こそが純粋なまでにシャマランそのもの。先に書いたように私好みの作品ではない。しかしこの作品によってシャマランその人を前以上に愛おしく思えるようになった。
[映画館(字幕)] 6点(2006-10-23 10:56:40)(良:1票)
490.  キングダム・オブ・ヘブン
これまた短いカットの連続で戦いを見せてゆく。スピード感があってかっこいいけど誰が映されてるのかよくわからん。だいたいみんなかっこ良すぎる。民のために戦いを極力避けてきた男が、いったん戦いが始まるとたちまち果敢に戦う。それはいたし方のないところなのかもしれんが、それなら戦う姿をあんなにかっこよく描いちゃいけない。『ブラックホーク・ダウン』でも『グラディエーター』でもそうだが、この監督は物語に挿入するテーマと演出とがバラバラ。言ってることとやってることが違う。戦う両者のどちらともに正義があることを前面に出していたことは評価できますが、戦うこと自体が悪なのだと思うのですが。
[DVD(字幕)] 4点(2006-10-20 10:10:40)
491.  グラディエーター
初っ端のゲルマン制圧の戦シーン、薄暗さの中にしっかりと顔を映し出すあたりはさすがである。将軍が信頼される器の持ち主で知将で自らも強いということをこの戦のシーンだけで見せる。でも知将であることはよく理解したものの、こちらが驚くほどの知的な戦い方をしたわけでもなく(ただの挟み撃ち)、人対人の戦いの見せ方もやたらと切り返されて慌しさのほうが勝っている。こうゆう見せ方は近頃の流行のようによく目にするせいで、そろそろ慣れてもいい頃なんですが、まだちょっと馴染めない。まあそれでもこのシーンはまずまず楽しめた。でもそれだけ。お話が単純で強引であってもこの手の映画は世界観の構築とアクションシーンさえ満足させてくれれば私的には問題ないのですが、肝心なところでCGが作り物っぽさを出してしまってるし、アクションシーンも地味なものを派手に見せてるだけで「強さ」が結果だけでしか表現できていない。こうゆうのは面白くない。
[DVD(字幕)] 4点(2006-10-19 15:39:42)
492.  秘密のかけら
ショービジネス界の人気者コンビがなぜコンビ解消したのか、二人の部屋から発見された女の死体がからんでいるのか、そもそも女は誰に殺されたのか、、という謎を追ってゆくストーリーでありながらも毎度のエゴヤン的ストーリー構築(現在と過去を交錯させながら見せる)のせいで「謎」に固執せずに鑑賞させてしまうあたりは素晴らしい。父の教えに基づき客観性を重視したジャーナリズムで真相を暴こうとする女。しかし彼女は過去の出来事によって「無実であってほしい」という極めて主観的な想いからスタートしており、憧れの人の見たくもない裏の顔を見ながらも真実と嘘が交錯する迷宮へとはまり込んでゆく。エゴヤンのこれまでに描いてきたテーマをむりやりに探すと、殺された女の母が重要な位置にいる。愛する娘の喪失にけりをつけるのは真実を知ることなのか?ジャーナリズムの問題とうまく重ねて、またこの物語がより協調する人間誰しも持つ二面性を重ねて答えを模索する。物語は非常にうまく、かつ独特に語っている。でも時代設定とショービズ界という舞台設定のせいか私が望むアトム・エゴヤンらしい画がほとんど無いので残念ながらこの点数。
[DVD(字幕)] 5点(2006-10-06 15:37:15)
493.  アララトの聖母 《ネタバレ》 
たしかにアルメニア人大虐殺を史実だと訴える側面を持ってはいるものの、あくまで側面である。メインは愛する者の死に何らかの意味を見出そうとする男女の物語であってアトム・エゴヤンの一貫したテーマを追求している作品である。暗殺者として死んだ父の死を自分の中で消化させるためにビデオカメラを持って旅に出る。父の自殺を受け入れられない娘は受け入れられないがゆえに母を憎む。そこに時代を遡り画家ゴーキーの、母の絵を通した母の死の受け入れ方が示され、さらに虐殺された人々の死を生き残った者の子孫がどう受け止めるべきなのかという同じテーマを持ち合わせたサイドストーリーにリンクさせる。愛すべきものの死、、忘れることも無視することも無かったことにすることも、受け入れたことにはならない。十八番の過去の挿入のうまさはここでも健在。残念なのはアルメニア人大虐殺がクローズアップされても仕方のないほどのインパクトを持ってしまっている点。 
[DVD(字幕)] 6点(2006-10-05 15:36:10)(良:1票)
494.  巴里の恋愛協奏曲(コンチェルト)
なんて洒落た、なんて可愛い、なんてハイセンスなオペレッタ!!セリフが唐突に歌に変わる絶妙のタイミングといい、豪華でレトロで可愛らしい衣装やセットといい、一部始終を美しいカメラワークで収めたレナート・ベルタの安心感ある技といい、主役を演じたサビーヌ・アゼマのお茶目さといい、巨匠アラン・レネにこんなにも軽やかで楽しい映画が作れるなんて!!構えて観た私がバカでした。という嬉しすぎる最高の後味。ミュージカル嫌いなあなたにもおススメ!
[DVD(字幕)] 8点(2006-09-28 13:47:53)
495.  スズメバチ
見所を銃撃戦、というよりひたすら撃ち込まれる弾丸の嵐に絞った潔さがなかなかに良い。さらに倉庫内の、いわゆる味方のそれぞれのキャラを非常に判りやすく立てることにも成功している。倉庫内の灯りに乏しい暗闇の中でも誰が誰なのかはっきり判るくらいだからたいしたもんだ。しかしせっかくのキャラ立てもその人物の消し方があまりにあっさりとしているのは潔いというよりは肩透かし感のほうが強い。この銃撃戦が始まるまでのもったいぶったそれぞれの描写がもっと驚きに満ちた展開を期待させてしまい、怒涛の銃撃戦の後のごくありふれたクライマックスにも肩透かし。泥棒たち、警備員の意味ありげな冒頭のシーンは無いほうが楽しめた気がする。
[CS・衛星(字幕)] 4点(2006-08-31 14:36:08)
496.  蝉しぐれ
ヨメさんが原作をラジオドラマで気に入って借りて見ました。監督を含めた製作者側の原作に対する愛はわからなくもないですが、その結果原作につらつらと綴られる出来事を並べただけというのではなんのための映画なのかわからない。だいたい、なんなんだ!あの嵐の夜の真上からのライトは!!なんのための松明よ!!どうしてゆらゆらと揺れるオレンジの光を当てないのかなぁ。たしかにストーリーの中には日本の美があるかもしれない。でも画面からは全く伝わらず、手抜きだけが目立った作品でした。
[DVD(邦画)] 2点(2006-08-29 10:36:53)
497.  天国の青い蝶
ジャングルの中の様々な昆虫や動植物が画面に映されるが、それを見て驚き感動する少年の顔が映されなければ意味がない。自然に囲まれた未知の世界を我々はテレビなどで鑑賞することが出来る。でも実際に行って体験するのとは比べようもないくらいのもののはずなのに、この作品からはその神秘性や躍動感といったものが全く伝わってこない。奇跡の暗示としての幻想的な夢のシーンはありだと思うが、これも暗示というにはわかりやすすぎてダメ。むやみに感動を煽れとは言わないが、ほかに見るところがないのならもうちょっとなんとかならなかったのだろうかと思ってしまう。
[DVD(字幕)] 2点(2006-08-28 12:00:10)
498.  風花(2000) 《ネタバレ》 
物語がとんでもない方向へ飛んでゆくことを期待しながら見ていても、いつまでたっても淡々と進んでゆく。それでも変な二人の、かたくなに寄り添わない二人のロードムービーに次第に引き込まれてゆく。「風花」とは山肌の雪が風にさらわれ花びらのようにひらひらと舞う雪のことなんだそうです。小泉演じる風俗嬢も浅野演じるエリート官僚も昔は持っていただろう「目的」を失いまるで風花のようにフラフラと人生を消化してゆく。その行き着く先に「死」を見つめる。しかし風花が溶けるということは「死」を意味すると同時に春を招く、つまり「再生」を意味する。まさに二人のロードムービーは「再生」への旅。顔を上げる時期は必ず訪れるのだ。春を告げるカエルがぴょんと跳ねるエンディングが清清しい気分にさせてくれます。
[DVD(邦画)] 7点(2006-08-25 18:24:02)(良:1票)
499.  僕のスウィング
主人公の少年は都会では味わえない本来の人生の素晴らしさを短い夏休みに体感します。音楽を聴き、音楽を奏で、そして歌い、踊る。草花に触れ、昆虫に触れ、森を歩き、川を泳ぎ、仲間と語らい、異性を想う。老人の話に耳を傾け、大切な人の死に涙する。少年はその貴重な体験を体に染み込ませたから文字で記された日記を手放した。少女が日記を持ち帰らなかったのは文字が読めないからじゃない。今を生きることが大切だから過去の記録はいらない。死ねば持ち物すべてを焼くという風習もそういうことなんじゃないだろうか。本来の「生」の素晴らしさをジプシーの生き方の中に見出そうとした美しい映画。今は夏休み。映画を観ている場合ではない。子供を海へ山へ連れ出そう!
[DVD(字幕)] 7点(2006-08-08 14:25:23)(良:1票)
500.  初恋(2006)
『KT』(阪本順治監督)での劇中時代の車たちはいかにもマニアから集めてきた小奇麗な名車たちばかりで都市の交通量を無視した滑稽な画を見せていた。対してこの作品の車たちは田舎道に庶民的な車が意味も無く駐車してあったりという違和感の無いリアルな風景を見せてくれる。もちろん劇中に描かれる時代が実際の風景と同じかどうかなんて私にはわからないし同じである必要もないと思うが、そんな細やかな配慮が今ではない時代としての雰囲気を出していて良かった。でもこの作品、うまくは言えないけどやたら説明くさい。社会が若者を傷つける特異な時代における若者たちのキャラクターは執拗に映さない大人たちとの対比も活かされることなく説明のためだけの言葉とシーンが用意される。初恋が切ないものに変貌する様は事件とアパートの描写で十分なのに詩を見せてしまう。初恋が永遠であることは当たり前なのに今の風景を見せることで永遠ではなく継続に変わってしまっている。せっかくの今ではない特別な世界がリアルな気色悪さを帯びてしまい初恋そのものの淡さが失われてしまっている。ヘルメットをはずしたときのはらりと落ちる長い髪とか雨に濡れる宮崎あおいの顔とか印象的なシーンもあるだけに残念。
[映画館(邦画)] 5点(2006-08-07 12:40:06)
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