501. 反恋愛主義
《ネタバレ》 どうしてもハンガリーというと、旧社会主義国とか「ハンガリー動乱」を思い浮かべてしまうのですが、この作品は現在のハンガリーの姿をユーモラスに描いていて非常に興味深かったです。単純にラブコメディとしても良く出来ています。 しかし、こういう未知の国の映画でもあまり文化のギャップを感じずに共感できるというのはグローバリズムが進行しているってことなんですかね? [DVD(字幕)] 7点(2010-01-27 21:01:24) |
502. 男はつらいよ 寅次郎恋歌
《ネタバレ》 族のあり方、風来坊の哀しみ等々さまざまな市井の人々が抱える問題を描き出した傑作。 今回は、寅次郎が振られたというよりはむしろ自分の生き方へのプライドから相手を振った形であるように感じられ、非常に心に沁みましたね・・・・・・。 しかし森川信演じる寅次郎と対等な立場にあるおいちゃん役がこの作品で終わってしまったのが本当に惜しいですね・・・・・。 [ビデオ(邦画)] 8点(2010-01-23 01:25:05) |
503. 続・サラリーマン忠臣蔵
《ネタバレ》 忠臣蔵とサラリーマン社会が見事に融合した痛快喜劇です。 とにかく、主役である森繁久彌と敵役東野英治郎の圧倒的な存在感と脇を固める豪華絢爛な出演者たちのはつらつとした姿に、高度成長時代の日本の勢いを感じましたね。 楽しいだけでなくサラリーマン社会の悲哀の描写もしっかり出来ていて見応えのある作品でした。 [地上波(邦画)] 8点(2010-01-19 23:03:54) |
504. カティンの森
《ネタバレ》 アンジェイ・ワイダのこれまでの映画人生はこの作品を世に出すためにあったのではないかと思わせるほど、思い入れの強さが伝わってくる作品でした。ワイダ監督の作品だからこそ、この作品は日本でも公開されたのだと思いますし。 自らの肉親の命を奪った事件を、その卓越した技量と名声によって世界中に、そして後世に残していきたいという意気込みが感じられましたね。また、この作品はドイツとソ連という大国の中間に存在するポーランドの苦しみ、悲しみを全世界に伝えてきたワイダ監督の総決算とも言えると思います。 とにかく、この作品をこれから観ようと思われている方は必ず事前にこの事件について予習しておいていただきたいですね。ドラマとしては後味は悪いですが、「カティンの森事件」の悲劇性の全てをこの作品は描いていて非常に興味深い映画となっていると思います。 [映画館(字幕)] 7点(2010-01-18 00:34:08) |
505. 緑の光線
《ネタバレ》 まるで、他人の日記を覗いているような感覚になりましたね。プライドは高いけど、自分に自身が無く奥手になってしまっている女性のバカンスの日常を、まるでドキュメンタリーのような手法で見せてくれています(ちょっとストーカー目線のような気もしますがw)。 しかし、ありのままのようでありながら、1本の映画作品としてきっちりと作りこまれているあたりはエリック・ロメール監督の技量の巧みさを感じましたね。 ラストはずーっと画面をガン見してしまいました。いつかは生で緑の光線を見たいですね。 [ビデオ(字幕)] 7点(2010-01-16 18:29:11) |
506. アフター・ザ・レイン
《ネタバレ》 まあ、結末がわかった状態で観始めたので、前半の明るさが非常に切なかったですね・・・・・。まるでジェットコースターが急降下する前にゆっくりと坂を上昇していく時のような雰囲気でした。 主人公のダークサイドに落ち込んでいく精神状態の描写や音楽の使い方など、監督のこの映画に対する思いが伝わってきました。ただ、いかに作品として良く出来ていたとしても、主人公の選んだ行動に同情は全くできないし不快感しか残りませんでしたね。 [DVD(字幕)] 7点(2010-01-16 18:27:57) |
507. The Harimaya Bridge はりまや橋
《ネタバレ》 なかなか骨太で見応えのある作品でした。 「人は理由を付け差別をする」というセリフが出てくるように、人種間、親子間の葛藤やさまざまな偏見がテーマとなっていて非常に興味深かったですね。 こういった葛藤や偏見といった問題に対しては、ついつい無関心を装ったり、いろいろと理由を探して正当化したりしてわが身から遠ざけたくなりますけど、やはり解決のためには例え傷つくことになるとしても直接それらの対象と触れあっていくことが必要なことであるのだなと痛感させられました。 監督も高知に住んでいたことがあるということで、日本の描き方もそれ程違和感は感じませんでした(misonoはちょっと浮いてましたが。)。 [DVD(字幕)] 8点(2010-01-15 00:54:38) |
508. 鉄の男
《ネタバレ》 この作品は前作「大理石の男」(ぜひ先に観ることをオススメします)の続編であると同時に、世界中の注目を浴びたポーランドの独立自主管理労働組合「連帯」の結成前後の動きを記録した作品で非常に興味深く観ることができました。ほぼ、「連帯」の盛り上がりと同時期に作られた作品ですので、時代の高揚感が伝わってきました。 [ビデオ(字幕)] 7点(2010-01-11 17:30:07) |
509. ラスト サムライ
《ネタバレ》 武士道に憧れたアメリカ人がサムライアクションムービーを撮ってみましたといった感じですね。とにかくディテイル等滅茶苦茶で筋だけ追うと単なるトンデモ映画なんですが、キャスティングがしっかりしておりお金もかけているので意外にも見ごたえのある娯楽映画に仕上がっていて、「さすがハリウッド!」と言うしかありません。まあ、細かいディテールを気にせず、どっか別の惑星の物語とでも考えて観るのが良いかと思います。 渡辺謙の存在感のある演技が素晴らしく、完全にトム・クルーズを脇に追いやってしまっているのが一番の見どころです。 [地上波(吹替)] 8点(2010-01-06 09:28:56) |
510. 男はつらいよ 寅次郎春の夢
《ネタバレ》 この30年で日本人の国際感覚もだいぶ進歩したのだなと実感させられました。当時は大袈裟でなく外国=アメリカみたいな感じがありましたからね。でも、今のように進歩して本当に良かったのかどうかは何とも言えないですね・・・・・。 ハーブ・エデルマンもまるで「アメリカ版寅さん」という感じで中々面白かったです。 [ビデオ(邦画)] 8点(2010-01-04 23:17:04) |
511. シュート!
《ネタバレ》 アイドルを魅力的に映すのが目的の映画とは言っても、もう少しサッカーのシーンをキチンと撮って欲しかったですね。 いくら何でも試合中にGKがプレーを放棄するなんて有り得ないでしょう。それ以外のシーンもお粗末過ぎでした。 まあ、Jリーグ創設期の熱気あふれるスタジアムの雰囲気(国立でのヴェルディ-エスパルス戦の実写シーンがあります)と改修前の日立台の姿を見ることができたのは良かったですが。 [地上波(邦画)] 3点(2010-01-04 17:41:27) |
512. 男はつらいよ 寅次郎かもめ歌
《ネタバレ》 何というか、後の「学校」シリーズの原点とも言える作品ですね。その分、ギャグは控えめで「男はつらいよ」シリーズとしては正直物足りませんでした。 ストーリーも身勝手な寅さんが身勝手な若い娘に振り回される展開でイマイチでしたし・・・・。 [ビデオ(邦画)] 4点(2010-01-04 12:23:45) |
513. ぼくの瞳の光
《ネタバレ》 華やかさは全くありませんが、大人になりきれない大人たちのラブストーリーという感じでしたね。イタリアの人々が抱える問題や暮らしぶりも垣間見ることができ興味深かったです。 ただ、もう少しマリアの過去についての説明が欲しかったかなと思いました(結構謎が残っているので)。 [DVD(字幕)] 7点(2010-01-04 00:02:01) |
514. おいしいマン
《ネタバレ》 何というか、韓国映画っぽくない印象を受けましたね。どちらかというと、日本映画的な雰囲気を感じました。 説明を極力省き、静かに淡々とストーリーが展開していくのですが、退屈することなく観ることができたのは、やはり紋別の厳しくも美しい風景と役者陣の演技力が良かったからですね。池脇千鶴は年を重ねるごとに味が出てきますね・・・今後の活躍が本当に楽しみです。 この監督の他の作品も観てみたいですね。 [DVD(字幕)] 7点(2010-01-04 00:00:44) |
515. 男はつらいよ 噂の寅次郎
《ネタバレ》 シリーズの中では地味な扱いかもしれませんが、寅次郎ファミリーのギャグの掛け合いの巧みさ、暴走するタコ社長、志村喬・泉ピンコ・室田日出男といった豪華ゲスト陣の演技、そしてマドンナ大原麗子の可愛らしさ等々見応えのある作品でした。 救急車やタコ社長失踪の話等本当に腹を抱えて笑ってしまうエピソードも多かったですね。 [地上波(邦画)] 9点(2010-01-03 23:25:16) |
516. トラ・トラ・トラ!
《ネタバレ》 真珠湾攻撃に至るまでの日米間の駆け引きやそれぞれの思惑や諸事情がしっかりと描かれていて見応えのある作品でした。日本が騙し討ちのように奇襲をかけた加害者で、アメリカが何も知らない加害者であるといったような単純化がされていないことも評価したいと思います。まあ、日本外交の詰めの甘さの酷さと第二次世界大戦に参戦するための大義名分が欲しいアメリカの思惑が重なってしまったということですね・・・・・・。 戦闘シーンもCGなど無くてもド迫力でしたね。また、真珠湾攻撃成功後の山本五十六の深刻な表情も非常に印象的でした。 しかし、この映画の後でなぜ「パール・ハーバー」のようなしょうもない作品が作られるのか、不思議でなりませんね。 [地上波(字幕)] 8点(2009-12-29 23:55:29) |
517. 存在の耐えられない軽さ
《ネタバレ》 ダニエル・デイ・ルイスとジュリエット・ビノシュ、レナ・オリンの演技力で何とか持たせてはいましたけれども、とりあえず尺が無駄に長いように感じました。まあ、「プラハの春」を描いた映画はあまり日本では見られないので、興味深い作品ではありましたが・・・・。もう少しうまくまとめていれば、ラストの感動も更に大きかったのではないかなと思いました。 [DVD(字幕)] 7点(2009-12-28 23:50:03) |
518. 隠された記憶
《ネタバレ》 すべてが綿密に計算されており、全く以って隙が無い映像を我々に提供(というか挑発)してくれるハネケ監督には感服するしかありませんね。そして、誰しもが抱えている問題(秘密や嘘そして罪)をサスペンスという緊張感に満ちた形式をとりながら突いてくるその嫌らしさは、まるで悪夢を見ているかのようでした(でも面白いからついつい見てしまうんですよね)。 何というか、何回も見返して、その緻密さを確認したくなるような映画でした。 [DVD(字幕)] 8点(2009-12-28 23:40:58) |
519. 13歳の夏に僕は生まれた
《ネタバレ》 何というか、感想を述べるのが非常に難しい作品ですね。生きていくために決して他人を信用することなく必死になって行動している不法移民の少年と妹(実際は兄妹かどうかもわからないが)、不法移民たちの乗った船に救われ本性を探ることもなく前記の兄妹を何とか救おうとする主人公の少年とその家族のどちらにも感情移入できるような、できないような微妙な感じで、本当に移民問題の難しさを痛感しましたね。 一番印象的だったのは音楽の使い方が非常に効果的だったことですね。オープニングのトム・ウェイツの「ルビーズ・アームズ」でぐっと心を掴まれましたし、クライマックスの場面でのエロス・ラマゾッティの曲の使い方が本当に巧みで何ともいえない切なさを見事に表現していましたね。 [DVD(字幕)] 8点(2009-12-20 23:32:49) |
520. 船を降りたら彼女の島
《ネタバレ》 美しい瀬戸内海の風景とゆったりとした時間の流れに心が癒されましたね。そして、内容も自分が辿ってきた過去を思い起こし、自分を見つめ直していくという普遍的なもので非常に共感できました。 愛媛に旅をしに行きたくなる作品でした。また、押尾コータローの音楽も良かったです。 [DVD(邦画)] 8点(2009-12-19 00:12:00) |