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黒猫クックさんの口コミ一覧[この方をお気に入り登録する

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コメント数 791
性別
自己紹介 猫と一緒に映画を見ていると、ヤツらは私より先にコイツはクソ映画だというのを察知します。ストーリー展開や伏線回収が怪しくなってくると席を立ってしまうのです。だけどそんなおっちょこちょいな映画にだって良いところはいっぱいあるんですよ。
猫のヤツらは冷酷です。

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501.  ダーティファイター/燃えよ鉄拳 《ネタバレ》 
この緩さ、たまらん。子供の頃、テレビでやっていると必ずかじりついた。 前作同様の強いけど弱い男とそれを支える仲間、とあの猿。ほんとに心が温まる。  ファイロを執拗に追いかける弱すぎる暴走族は、今度も感心するほど弱いが、彼らもこの映画の良さを十分に引き出すスパイスだ。彼らが出てくるだけで笑ってしまう。吹き替え台詞のセンスも抜群で、実に良い。  宿敵との心温まる交流や、イーストウッドの存在を食ってしまいかねないオランウータンの活躍、痛くなさそうなパンチなど、完璧にお約束なのに高度に完成されているためとにかく味がある。こういうキャラたちの作用で、主人公の生き様のようなものが実にすがすがしくあこがれの対象に昇華する。  最後は何となく胸が切なくなるおとぎ話のような話だが、こういう映画を同年イーストウッド自身が撮っている。ブロンコビリーでは、なんとなく同じような話でいてダーティファイターの主役像とは違う人生に破れかけたキャラを切なく演じる。  こういう変な味わいだが心が優しくなれる映画がテレビで放映され、偶然それを観られたときは本当にうれしくなってしまう。
[地上波(吹替)] 7点(2009-11-09 00:01:02)
502.  エイリアン・ネイション 《ネタバレ》 
なかなかおもしろい。他人に勧められなくもない。  何だろう。このテレ朝感。テレ東とも違う、ふざけている感じが一切しないテレビ放映選択眼は。つまりはストレートに映画的で、面白い。ということになるのか。20年前の映画であり、同時代のB級SF映画としては有名どころで「ヒドゥン」「ロボコップ」があげられる。  「ヒドゥン」はファンタスティック映画祭でグランプリを獲る。その後アーあの名作ねとすぐ出てくる映画となり、「ロボコップ」はシリーズ化され長く親しまれている。一方で同様の完成度を誇る本作も、アメリカでは人気でテレビシリーズまで作られていたよう(淀長氏による)。  この時代の突発的Bムービーの質には驚かされる。どこかふざけた感じと末世感がうまく混ざり合うことで何となく脳内にほんとにあるかも、と一瞬でも思わせる技巧に富んでいる。そのあたりの味わいがこの時代の映画の持つオリジナリティかもしれない。  3作すべて刑事(一つは巡査だが)物だが、上記2作がヒーローとしてかっこよさを押し出しているが、本作はどこか不細工でユーモラスな設定となっており、ストーリーの流れもバディものの基本を忠実に踏襲している。刑事物としての設定も芸が細かいところがあり、なるほどちゃんと作り込まれているなという雰囲気がいい。気楽にみられる3作だが、エイリアンネイションはさらに気楽にみることができる映画で、テレビ放映されていれば必ず見てしまうものの一つだった。  テレ東あたりでまたリピートされればインターネットでも流しながらぼーっと楽しんでしまうんだろう。テレ東が12チャンでなくなってから久しいが、それでもテレ東は12チャンといってしまう。同時に10チャンは10チャンであり、その思考回路は常にこうしたB旧映画や西部劇とリンクしているのである。
[地上波(吹替)] 7点(2009-11-03 18:01:17)
503.  免許がない! 《ネタバレ》 
人気絶頂期の館ひろしなんだと思う。あぶない刑事とかそういう時の。 公開後3,4年してから観たときは、ハードボイルドなアクション俳優館ひろしが免許を持っていないんだ、とかなり期待してみた覚えがある。  しかし、序盤こそ面白かったけど、なぜか中盤以降変、実写映画になじまないほどの設定破綻したコミカルキャラを連発し、盛り上がるはずのお忍びの入校をバラすシーンをどう作るかで思いつかなかったとしか思えないなど、やっつけ仕事満載だった。  その後の展開はグダグダで、スポーツものの練習シーン状態で最後まで作ってしまったようだ。とにかく荒い。アイデアは奇抜で、その部分だけは作り込みの形跡があったけど、後はテンプレートで作ったような感じ。絵に描いたように途中からグダグダな映画だった。
[ビデオ(邦画)] 4点(2009-11-02 19:32:05)
504.  ゼブラーマン 《ネタバレ》 
着想は良いし、設定のバカバカしさや、時々挟まれる主人公のコミカルななりきりシーンなどもの凄い映画なんじゃないだろうかと思わせる。  が、序盤の良さをダラダラとした雰囲気がを台無しにしている。一つ一つのシーンが異常に説明的で、かつ何の効果もないのでもの凄く長く感じた。そもそも、生活に破れた大人が、ゼブラーマンとしての復活を果たすだけじゃ映画としては面白くないぞ。  ワタシも幼稚園児のころ大好きだった当時すでに再放送だった特撮があった。それを学生の時偶然観て懐かしく楽しんだ記憶がある。意外と誰も知らない懐かしの特撮にあこがれてしまう属性を持つ人はいるんじゃないだろうか?そういう人のあこがれをシンボルとして映画的昇華させるチャンスになり得たのに、本当にもったいない。  この映画を作った人たちは、物語を映画フォーマットで見せる技能に問題があるように思う。どんなに高性能な機材を使っても、高度な脚本があっても、良い役者がそろっていたとしても、こういうダラダラとしたギリギリ商業として成り立つか成り立たないかの映画になってしまうような気がする。
[地上波(邦画)] 4点(2009-11-02 18:40:17)
505.  秒速5センチメートル 《ネタバレ》 
何この胸キュン。ヤバくね? 見終わった後も胸がバクバクするんですけど何これ?  絵としての綺麗さがヤバい。綺麗に収まっております。ここまで直球で綺麗にされるとそれだけでも買ってしまいたくなるような勢い。一方アニメとしてはどうなのか?っていうと、平面としての動きはあるけど動的立体感は無い。この手の作品にカメラワークと連動してリアルタイムにパースがかかるような表現が必要なのか?っていうと、全く無意味というか邪魔だろうけど。  しかし絵だけでなく、よくある演出や、非説明的(に見える見せ方)ながら、勝手に受け手が思い出すだろう状況を作中に補完させることで、巧妙に物語ができあがるところには何とも言えない技巧を感じた。意図的にそうしてるんだろうか、そうだとしたらアニメの胸キュンものも侮れない。  2話目までは、普通の恋愛ものとしてありがちな物語ではあるけれど、こうあったらグッとくるであろうというポインツをきちんと押さえてあり、記号的な絵的表現と含みを持たせる間(実は受け手が何かを思い出しつつ、我に返るまでの時間かもしれない)を入れてあり、表現としては薄いのに、なぜか一杯詰まっているかのような話になっている。よく見るとそういう計算の跡もたしかにある。それがあざとい。  3話目に至っては、主人公が積み重ねをご破算にしてしまう。それがこの後の展開に大きな布石になるはずだが何も語られない。しかも山崎まさよしのプロモーションビデオになってしまっている。にもかかわらず、アリだわ。と思わせる。山崎まさよしに関しては曲が好きじゃないので邪魔でしょうがなかったが、最後はまぁアリ。  凄いなぁ、あれ。いろんな人にフラッシュバックしてもらうためにいろんな状況を素早く、かつ脈絡が破綻しない範囲でボンボン並べていく。これ、実写じゃ活字媒体じゃ無理だと思う。記号化が容易なアニメだからこそ可能なんじゃないだろうか。  とはいえ、これだけ本体の情報量が少ないのにいろんな状況を作り出せるというのは立派。逆に全然恋愛や異性から(物理的なだけでなく精神的にも)縁遠い人間が見たらどういう感想を持つのか。ちょっとそういうところが気になったりもした。
[ブルーレイ(邦画)] 8点(2009-11-02 17:05:30)
506.  ダイアリー・オブ・ザ・デッド
なかなか面白い。ロメロの監督作品がどこかセンス的にずれた方向に行きそうになっていた前作からかなり本人の有り様に近づいたという感覚を受ける。  80年代的な末世感を2000年以降に作り出すのは容易ではない。現在の末世感の無さの大きな要因の一つである、2000という数字を超えた時間軸的な不可逆的変位と、ネットの一般的道具化による(不完全、不明瞭、恣意、怪しさは成り立ちとして不可避的包含要素ではあるが)有り得ないものに対する証明の容易さという二つの障壁がある。しかしそれを、障壁それ自身を使うことによってうやむやにしてみせる事に何とか成功している。  ゾンビ映画にあった、1999年に向かってこういう事が起こりうるんではないだろうか?と映画を見ている2時間の間に一瞬でもそう思わせることに成功させていた時代性は今は存在しないが、終わることではなく何が始まるかよくわからないという漠然とした不安と、ネットというものが生活に必要以上に入りすぎてしまっていることを上手に使った設定は、そこを過剰に意識させない方向に誘導する。このことで効果的に適度な恐怖を味わえた。  主観映像の手法を採ってはいるが、かなり映画的な見せ方で構成されて音楽まで入ってしまう。こういう形でブラッシュアップしてきたというのは、この表現方法がこの方向にこなれたと見るか、味を薄くしたと見るかは微妙なところで、結果として見づらい映画になってしまえば主観映像としての演出を抑制した方が良かったと思ってしまうだけに、この映画のさじ加減は巧妙なのかもしれない。  キャラの立ち方や、世界観の構成の仕方はさすがに面白い。わざとらしいし嘘くさすぎる設定も話の面白さで鑑賞中に忘れることが出来るし、前作よりは楽しめるように思う。またグロテスクな表現も、リアルさが抑えてあるため恐怖そのものに意識を集中できる。  時々、普段は普通の人だがその手の映画で属性がむき出しになってしまう人がいる。そういったごく少数のスナッフを見たい的な願望を抑えられない人を、見透かすような残酷でしかない描写があまりない。そういった面でもゾンビ映画としてだけではない軽めの恐怖映画ベンダとしての手練手管が実に手堅く、安心して恐がれる良くできた映画だ。
[DVD(字幕なし「原語」)] 7点(2009-10-18 19:01:21)
507.  デビルスピーク 《ネタバレ》 
いや、そんなにつまらなくはない。もしかするともすかするかもしれない。 面白いかどうかは別として。  この映画、なんか深夜に何回も見てる気がするのだが、そのたびに失笑できる。良い感じな軽さの失笑。さらに、クーパースミスだ。あのクーパースミスが、ものすごい形相で復讐する。なんかトロくて気持ちが悪いクーパースミスがものすごい形相で宙に浮きながら剣まで持ってる。そんなクーパースミスが暴れると軽く失笑ですよというのがポインツだ。  この映画の面白い部分というのは、やはりニコイチサンコイチでは決して済まさないその貪欲さにある。エクソシストやオーメン2とか、キャリーとか。さらにははやりコンピュータで悪魔を召喚するという設定。81年にどうやってそんなの思いついたんだ?そういうところがすごい。今やってればものすごい素材だが、こういう形でその発想は消費されてしまった。  が、なんだかんだ言って、だらだらとした雰囲気が割とちゃんとホラーっぽかったりして、ネット上でおもしろおかしく紹介されているほどには笑えない。といっても名作と言うほど完成度が高くなかったりもして、その微妙な塩梅がこの映画の最大の味か。  昔、子供の頃はなぜか夜の映画番組で放映されていたりしたが、最近はとんと見かけない。案外この映画(の特に吹き替え版)が好きだ、という御仁は多いのではないだろうか?私もそんな一人だ。
[地上波(吹替)] 4点(2009-10-11 00:44:11)
508.  フライトプラン 《ネタバレ》 
そこそこ面白いと思う。ありがちなニコイチ作品ではあるけど、後半のサスペンス要素の捨てっぷりが潔い。要は子供向けの映画でしょうね。それだけに、子供にわかりやすくすっきり楽しいっていうタイプになっていて、そういう意味で良くできてる。  プロットの整合性とか伏線の回収手順等、細かく作れそうな部分を豪快に無視してしまっている部分は多い。けど、手法としてはありだろうと思う。ターゲットがはっきりしている以上、無理にサスペンスにこだわる必要性は感じられない。後半の暴れかたはむしろ中盤雑でめんどくさくなっちゃってたのでちょうど良い爽快感だったりもした。  みた子供が楽しめるよういろいろな手間がかかっているようなので、こういう映画は良い映画だと思う。もちろんすべての子供がこれを好むかというとそうではないかもしれないし、寝てしまう子供もいると思う。でも大人がナナメな見方を子供に強制するようなのはどうも違和感を感じたりする。ナナメに物事を観る大人自体が優れた大人とはいえないと思うからだ。
[DVD(字幕)] 6点(2009-10-04 14:36:13)
509.  チェンジング・レーン 《ネタバレ》 
割と面白かったと思う。人に勧められなくもない。  いきなり提示される、人間のもつ属性の違い。それを車という資産で表現するあたりにいやらしさを感じるが、作り手の思惑通りだろう。斜めにさえ見なければ本来善人のステロタイプであるはずの二人の職業、階層もしくは人種といった部分が、少しずつズレ始める。その原因が所々に挟まれたいやらしさにあるが、何となく意識されないまま物語が進んでいく。 こういうスピーディさはさすがにハリウッドと言うべきか、非常に洗練されている。  何となく黒人を善人にして、白人弁護士を撃破するような暴力的な話を望んでしまいそうだし、脳内でそういう話に変換してみると、確かに面白そうではあるが、もう少しネジのゆるんだ話に進めてみるとやっぱりこういう厭味な方向というのも確実にアリだろう。  ヨーロッパの映画であれば、ちょっと油断すると逆ハリウッドのごとくただ生きているだけでなぜ悲劇を見なければならないのか、と二人を「無常観」で設定したり、突然解決しない悲劇を家族愛に絡めたりしかねない。しかしアメリカ人はそんな方向には絶対持って行かない。  加害者被害者の関係にあった彼らは、嫌がらせの応報でその垣根を越えて悪人になってしまうのをサックリと見せてしまうあたりはさすがとしか言いようがない。最後の最後も実にアメリカらしい。  ヨーロッパ映画なら片方が苦悩しながら悪行を続け、片方が自殺でもするんだろう。そういう嘘くさい憂鬱はいらない、このこの映画は違う。こんなに努力してまでなんで犯罪行為しなくちゃならねーんだよ、ニューヨークで弁護士やってりゃ誰でも気づくわいアホが、といわんばかりに投げやりに元の善人に戻ってしまう。片方もそうだ。  何で最後善人になっちゃうの?悪に手を染めれば簡単だろ、強いだろ、などという発想を吹き飛ばす。当たり前のことだが、マンハッタンの最有望株若手弁護士が手段を選ばず反撃に出たら一発で芋づるで悪徳弁護士事務所などアウトだ。このラストの自暴自棄的な善人への回復っていうのは、実に爽快だった。  ただ、ほとんどサスペンスアクションみたいな攻防が続くので、そんなに深みや含みは無いように感じた。内容的には必ずしも優れてはいないかもしれない。だけど文芸調に作られていたなら観ていなかったとも思うので、このくらいがちょうど良かったのかもしれない。
[DVD(字幕なし「原語」)] 7点(2009-10-03 19:45:07)
510.  捜索者 《ネタバレ》 
DVDで見直すと、映像の汚さに本当にがっかりしてしまった。昼のテレビ放送にあったあのすすけた雰囲気が完全に台無しだ。懐かしさを感じる様なたぐいの映画を液晶テレビ+DVDで見るときには気をつけた方が良い。  本作の背景にある、ネイティブアメリカンへの嫌悪や憎悪というのは、1956年当時実在のものだったのだろうか。それともアメリカ人が映画を見るときだけ発生させる一時的な感情なのだろうか。ネット上では英文の資料を見てさえ、書き手の恣意が見え見えでよく分からない。  小学生の時に夢中で見た本作だが、やはり面白い。しかし当時あこがれたあの汚らしさ、美しさ、西部の日常といった部分が大型液晶のせいでかなり台無しになった感があり、そのせいで過去様々な時期、時間帯でみた本作と全く違う印象になってしまった。  ジョンウェインの演じる主人公の性格が、相対的に情報量としての体積を持ってしまったがため、仇敵であるネイティブアメリカンのもつ、古典映画的なネイティブの像と釣り合わなくなってしまった。舞台の美しさがすべてを内包できていたがために、それが欠けてしまうと必然的に憎しみの造形が現実性と描写性とを行ったり来たりしてしまう。そもそもが、一度として私はこの作品を現実的にはとらえていないので、焼き付いていたはずの主人公のキャラクター設定に当惑してしまった。  この映画が持っていたはずの雄大な美しさと、セットが発する劇ですよという安心感。予定調和の中でジョンウェインがジョンウェインらしく暴れるという部分が少なからず失われてしまっていたのは残念だった。  やっぱり西部劇はブラウン管のテレビ放送かBDに限る。いつ何時何がスポイルされるか全く分からない。あと、英語をしゃべるジョンウェインにはいつも違和感を感じる(笑)。
[DVD(字幕なし「原語」)] 7点(2009-10-02 19:44:21)
511.  欲望という名の電車(1951) 《ネタバレ》 
確かに他人に勧められないこともないくらいにはおもしろいと思う。 演技やオチもよく作られている。  けど、プロットが分からん。省略しすぎ。想像が及ばない。 画面からの情報量だと、同性愛者の夫を自殺に追い込んでしまったことや、17歳の少年に性的依存していたことが明るみになって、地元にいられなくなったこととか全く分からん。  プロット的に重要なエピソードだと思う。ここが欠落してしまうと、確かに筋は全然変わらないし、見かけ上は全然たいしたことではないけど、心情的な部分の補完ができない。 説明がないことや伏線が張れてないものはどうやっても思いつかない。これらのことは、ブランチがイカレ過ぎててよく分からないからと、調べて分かったことだ。  でも、この映画の場合は舞台劇のファンが映画フォーマットで見るためのファン向けの豪華版みたいなものの様な気がするから、そういうところは気にしないでおく。忠臣蔵とかアーサー王とか、分かってる悲劇を楽しむたぐいのものの一種として脳内で片付けてしまうことにした。  そう割り切ってしまって見直してみると、おもしろい。いろんな背景とかを照らし合わせながら見た方が圧倒的に楽だしおもしろい。作ってる方もそれ前提な気すらする。とたんに役者たちの演技が電波を発しだし、まともな人間のいなさっていうのがさらに恐怖感に似た居心地の悪さを引き出してくれる。  こういう楽しませ方って意外と今っぽい様な気がする。昭和26年にこれを作りますか(原作の舞台劇は22年)。この国はいったい何を根拠にこんなに文明の進んだ国を暴力でねじ伏せようと思ったんだろうか、正気の沙汰ではない。
[DVD(字幕なし「原語」)] 7点(2009-09-23 10:33:16)
512.  エイリアン2 《ネタバレ》 
キャメロンは2本しか2を撮っていない。にもかかわらず、1がどんなスタイルでもキャメロン味にしてしまうというイメージがある。T2とエイリアン2の2本でそういうイメージを作ってしまったのだから凄い。キャメロンがキャメロン味であるという宣言をした最初の映画であり、これ以降がより高度なキャメロン味であることは全然おかしなことではない。  基本的にこの監督の映画は、出てくる人物は表面的には悩まない。設定の穴を追い込まない。特殊効果に妥協しない。この3本の柱がびくともしない。悩まない様に見える人物は、巧妙に悩みがあると言うことを明示しており、設定の穴をわかりやすく残すが、それを伏線ともトリックともつかない方法で鑑賞中に気づかせない技法が確立している。さらに特殊効果。本作でも半端ではない。金をかけただけではダメよというメッセージがズビズビ伝わってくる。  こういうことができるのはやはりアメリカだからだろうが、これだけの金が関わる仕事とは、その責任の大きさかどれくらいのものになるのだろうか。想像もつかない。だけど、この映画に登場するキャストからスタッフまで、おそらくは妥協のだの字も無かったのであろう完成度にはうんざりするほど手に汗握る。  欧米亜問わず多くの文芸作品は、はっきり言って逃げている。さも文芸作品であれば、人が悩んで人生がうまくいかなければ、困難な恋愛であれば、ハリウッド資本の特殊効果映画よりも魂が上級であるとでも言わんばかりのものを量産し続けている  ところが、この映画の様に徹底的に作り込んで楽しませて、感激する様な作品はどれだけあるだろう。単に悲惨なカタログに落ち着いちゃっているのを文学青年にちやほやされてるだけのクオリティの映画がどれほど多いかを考えると、仮に文芸がアクションより上だとしても、関わっている多くの職業人が職業人として上だとは思えない。
[地上波(吹替)] 9点(2009-09-21 23:58:03)(良:1票)
513.  ヘヴィメタル・イン・ザ・カントリー 《ネタバレ》 
興味深い。非常に興味深い。画面がホームビデオ風の4:3で現れたときにはウワァやっちゃった、隣に置いてあったやつにすればよかったなオイ、と思った。 思ったけどしかし、良かった。  最後まで実在の団体と出来事であるとは思っていなかったため、当惑していたが、ここに登場する彼らの熱さと真剣さには非常に引きつけられた。  何しろ命がけの彼ら、人生をヘヴィメタルに掛け(賭けではない)、まさにじっくりと手塩にかけてバンドと企業を運営してく様は感動すら覚えた。このレーベルとかネタな訳?って検索すると実在するトップレーベルらしい。驚いた。  こんな片田舎の閑静な住宅街の町工場で普通のおばちゃんが、娘の悩みをケラケラと話してくれる。ドクロのオブジェを梱包しながらだ。この絵が作り物ならたいしたことはないし、非常に良くできたギャグをここで挟むか!と大笑いして次の日には忘れているだろう。  だが、そこには笑いはない。というかそんなこと言って笑ってるんだけど、そこには滑稽さではなく、実直さと世界観のリアルさ、リアルさって言うか現実なんだけど、に敬意を感じざるを得ない。世界は、というかドイツ人凄い。
[DVD(字幕)] 7点(2009-09-21 19:59:58)
514.  パパは、出張中! 《ネタバレ》 
相当おもしろい。  鑑賞後、ちょっとユーゴをWikipediaで調べるとさらにおもしろさが増す。鑑賞前に調べるのもおすすめだが、鑑賞後にも確認するとおもしろさが増す。  出張する父親は会社勤めをしている。ある程度普通に企業が存在し、出張までしていて、ビジネスも順調だという。特殊な社会主義のありようが伝わってくる。  国家警察の義兄がどうやら愛人が原因のアル中でクビになっており、それでも普通に生きているというのも不思議な世界だった。社会主義というとソビエトを連想するが、ソビエトを拒絶した社会主義という、いかにもよく分からない社会がピリピリっとくる。  主軸になっている、強制連行による家族の崩壊と愛情に対して、どういう訳か父親の性癖をおもしろおかしく描いてしまう。この絶妙な配分のせいで、もの凄い悲劇なのに全然悲劇性が感じられないというのが巧い。父親の情事を目撃してしまう息子の父親とその行為に対する視線や悪戯なんて笑ってしまう。よく思いつくなこれ。  感動パートとして少年少女の出会いと別れが描かれるが、語り部自身の思い出話も挿入してしまう。力業だ。しかし、少女がくれたやつにはなんて書いてあったんだなんて忘れてしまう息子パート直後の結婚式、もの凄い。ここでの父親はいつも通りに見えたのだろうか。いつも通りの生活に戻ったら安心してしまったのだろうか、まだ明るいうちに本当の眠りにつく息子が、夢遊病で出歩く。また出歩いているかと思ったら笑っている。どうやら夢だったらしい。  やっと日常が帰ってきた様だ。いろいろな風刺が込められていて、日本人には資料なしには理解できない台詞や設定がいっぱい入っている。「金がすべてだ」という台詞一つとっても、日本人が想像する「金がすべて」とは意味合いが違う雰囲気がありありと伝わってくる。いろいろな要素と、主張に大変満足できた。  残念なのは、ユーゴスラビア紛争で原盤が消失してしまったこと。現物のきちんとした雰囲気で鑑賞すればさらに満足度は高かっただろうことを考えると無念。
[DVD(字幕)] 8点(2009-09-13 18:06:39)
515.  On Your Mark CHAGE & ASKA
当時のジブリの技術カタログ的なものとして、結構見応えがあると思う。  SF作家宮崎駿丸出しな世界観とか意匠はがっつり興味を掴んで来た。際だって新しさのある展開とは思えないシーンで構成されているけれど、表現的に当時のアニメでルーチン的にこなせる範囲でどの程度迫力や謎感を出せるかという実験の一部(というか残骸か?)を少しだけ見学できたような気になれた。  そういえば、95年以降の宮崎駿の映画で、この作品のような(もしくはこういう風にやりそうな)プロットやデザインを前面に押し出した、宮崎駿SF的な世界観の映画は無く、現実的な世界に異世界を浸食させたスタイルの作品が多い。  よくよく考えてみると、95年以前のようにネットの一般的でない世界では、SFといえば現実をスリルのある異世界に置き換える常套手段だったように感じるが、95年以降は現実世界や現実にあった世界をちょっといじくると簡単に異世界を作り出せるようになった。知らない現実を簡単に調べられるようになったからではないかと思うが、世界観の作り込みで、受け手の想像できる範囲を気にしながらやらなくてすむようになったからかもしれない。  そういう意味で、作者がやりたいように作っても理解され始めていることがわかってしまったとしたなら、当時としても新しいようでいてすでに古かったのだと思う。
[地上波(邦画)] 7点(2009-09-11 01:23:05)
516.  ゴースト/ニューヨークの幻
楽しくていい気持ちになれる映画だ。  あこがれのような気持ちと、切ない感じと、サスペンスと、笑いまで絡めてしまうこの映画には90年代の入り口らしいスマートさと80年代末の何でもありが同居している。そういういろんなものが混じり合った結果、いろんな楽しさが生まれているのに味としてはゴーストっていう映画にまとまっているところがスゴイ。  音楽の使い方とか、ろくろのシーンとか明らかに飛び道具だし後から客観的に考えるとどう考えても雰囲気作りのためだけの要素なのに、見てるときは全然気がつかない。むしろのめり込まされているわけで、どうにも巧い。特に美術的だったりする訳じゃないし、サスペンスとして一級であったり、巧妙な人間関係や恋愛でもない。  だけど、穴無く作り込まれた様々な要素は結果的に記憶に残る映画として形になっている。一方で全部入りのような安直さがあり、他方でまじめ。だけどまじめに拾いあげられてみると固まりとして安直に見えない。ハリウッドらしい技巧に富んでいる。
[ビデオ(字幕)] 7点(2009-09-09 22:00:24)
517.  小さな恋のメロディ 《ネタバレ》 
良い。もうですね。胸キュンですよ胸キュン。どこかすすけた様なあの町並みと、何となく先が明るくない様な家族や社会っていうのが上手く働いていて、感情移入するポイントポイント一つ一つですごく入り込める。  映画やテレビで見るイギリスって常々あんまり住みたくねぇとこだな、って感じられるんですけどその演出が作中良い方向に作用してるんですよ。巧い。子供たちの世界って言うのがまた懐かしく、二人の世界観が見事なまでに学校生活や家庭とかみ合ってないっていうところの処理が甘いだけにそこが強調されて余計胸キュン。計算してるのかな、してるんだろうなぁ。  最後二人は駅まで逃げていくけど、次の日怒られるんだろうなぁ。全校集会とかになっちゃって大変だろう(笑)夕方までがっつり新婚旅行してきてください。学校から脱走しててデートかぁ、胸キュンだなぁ。  そうそう、この前やってた日本の胸キュンアニメ映画を見ていても思ったことに、すでに回答がここにあった。 「スカートの丈が短すぎたら実写じゃ無理だよね」  すいません、無理じゃありませんでした。もっと短かったです。イギリス人スゴい。
[DVD(字幕なし「原語」)] 8点(2009-09-06 18:05:19)(笑:1票)
518.  12モンキーズ 《ネタバレ》 
面白い。面白いけど、普通に面白い。異常に面白くはない。  ギリアムの映画として期待すると拍子抜けしてしまうかもしれない。かなりちゃんとしている。そのちゃんと加減がギリアム度を下げてしまうという、ギリアム的ジレンマを楽しめる映画だと思う。  雰囲気を作るのが上手な俳優がたくさん出ているので、当時の匂いが何とも良い感じ。看板のブルースウィリスとかブラッドピットはこういう少々いかれた未来っぽさを見事に醸す。このままどうなっちゃうんだろう、という不安感を普通に収束してしまうプロットが実にもったいない。  90年代に多い終末思想を巧く扱ったストーリーは、2000年を過ぎてしまってから観るとどうしても緊張感に欠けてしまうが、その辺の改良は2000年以降の映画がやることだからこの映画自体に非はない様には思う。とはいえ、そういう部分以外でもっといかれたところを見せてくれるのがギリアムのような気がするんだけど、この映画以降すっかり骨抜きなイメージだ。
[DVD(字幕なし「原語」)] 7点(2009-09-06 02:16:47)
519.  フォレスト・ガンプ/一期一会 《ネタバレ》 
この味わいが良い。面白いかどうかと言うと、微妙な感じではあるけれど、ストーリーといえるかどうか微妙なところをストーリー寄りで作った脚本が秀逸。ぼーっと昔のアメリカを眺めて良い時代とか悪い時代とか、良い風景とか悪い風景とか、微妙な味わいのエピソードをぼんやり楽しめる。  彼女の話はいつの時代もスルッと抜けて行ってしまう訳だけど、死因がエイズっていうのも時事ネタだったりして、徹頭徹尾時代を映している感じ。たぶんこの映画は今後どういう時代に観ても回顧ものとしての味わいが全然変わらないんじゃないかと思う。  ゲイリーシニーズが主要キャストででているが、数年前CSINYを観るようになるまではそうそうベトナムの鬼中尉だった。今ではこの人を観るとマックテイラー以外の何者でもない。そういうところが妙に気になってしまうあたり、ドラマって役者のイメージをゴリッと変えてしまうんだなぁとか改めて納得。  それからこの映画の表現に、アメリカの正当化とか政治的な押しつけとかそういうものは特に感じなかった、というか狂乱的アメリカ礼賛を聖書の中からでも見つけ出す的なとらえ方って、むしろ日本の一部に根付いてる文化だと思う。それは置いといて、単にそのまんま的素直な表現だったように思うけど、そういう政府陰謀説のたぐいの映画だったっけ・・・?。
[DVD(字幕なし「原語」)] 7点(2009-08-30 03:33:41)(良:2票)
520.  沈黙の陰謀 《ネタバレ》 
これ以降セガールが沈黙してしまう。アクションが極端に減り、余計なドラマパートを挟み、あのセガール拳さえカメラワークでごまかし始めてしまう。こうなるととたんにセガールがトーク番組に出てくる志村けんのように別にこの人じゃなくていいじゃん。と、思ってしまう。口には出さないが、思ってしまう。  当時はやっていたウィルスものをあのセガールが!とかいったって正直、題材は何だって良いんですよ。別に相棒ものを延々と撮り続けたって構いません。どこだかよく分からん街の刑事が単身犯罪組織に突っ込んで壊滅させ続けたって一向に構いません。  そんなことより、アクションしろよアクション。ぶん投げてねじり倒してベキボキ折り進んで行くのがセガールさんの正しい姿じゃぁないかと思うわけですが、本作はどうもいけません。  そして、何となく、他の沈黙のなにがしと間違えてしまってはいないかと心配になる。この頃の、というかこれ以降はどれもまんべんなくどれがどのセガールか区別が難しくなってくるので注意が必要だ。
[DVD(字幕なし「原語」)] 5点(2009-08-23 06:00:22)
030.38%
1121.52%
2162.02%
3344.30%
4486.07%
5739.23%
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