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K&Kさんの口コミ一覧[この方をお気に入り登録する

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501.  50回目のファーストキス(2018) 《ネタバレ》 
常夏のハワイらしい日差しの強さを、敢えて白飛びで表現するところが良いね。毎日変わる色とりどりのアロハシャツも良い。行ったこと無いけど、良いところなんだろうな。 『四季がないからバレない』その結果がもたらす良し悪しはともかく、出てくる人がみんな良い人で、親子に留まらず瑠衣の為を思って毎日細工をしている。リアリティはともかく、気持ちの暖かくなる映画。 大輔との触れ合いで、瑠衣の服が毎日変わっていくところ。無意識に瑠衣の気持ちに変化が起きているように思えて良かったと思う。 記憶が続かない自分に子供が出来ることへの不安。毎日自分のお腹を見て驚く事への不安は、想像しただけで恐ろしく悲しい。  リメイク作品とのことで、モトの方も観てみたいと思った。福田監督といえば、クドいくらいに笑いを取ろうとして、そこが私の好みに合わないこともあるんだけど、今回は作品のテンポを壊すほどには感じられず、程々の味付けに思えた。その辺りモトの方はどんな塩梅だったのか気になった。
[インターネット(邦画)] 5点(2022-01-30 00:45:47)
502.  花宵道中 《ネタバレ》 
吉原の遊女を主役とした短編集の一話。だそうで、八津や霧里も他の話の主人公。こりゃ単発の映画としてより、どうせなら連続ドラマかオムニバス形式で映像化したほうが面白かったんじゃないか?と思った。 その、短編を映画化したゆえのしわ寄せが、朝霧の長~い“濡れ場”に現れていたのかな。いやいやそうでなく、この映画の一番の魅せ場が安達祐実の“濡れ場”なんだから、私の解釈が間違っているんだろう。 時代劇でよく見るセットと、当時は無かった強烈な光を放つライトが、テレビの2時間ドラマを連想させてしまう。  小さな大女優・安達祐実。この映画の撮影当時、彼女は三十三歳だろうか?…三十三歳で遊女役って結構無茶な気がする(しかも子を持つ母親だ)けど、彼女の身体はたしかに美しかった。だけど八津に「朝霧姐さん」と呼ばれていても、どうも姉さんらしく思えない。童顔で周りの遊女役の女優たちより背が低い為で、どう考えても安達祐実の朝霧はミスキャストとも思える。 そして何より、多くの人が彼女の幼少期を知っている。「具が大きい」のCMの子が「同情するなら金をくれ!」って叫んだ時は驚いたっけ。でも今回の“濡れ場”には、個人的にそれほどの衝撃を感じなかった。当時の面影を残した幼い顔立ちの彼女の、あの長~い“濡れ場”に、どれほどの需要があったんだろう?  高岡早紀を姐役で出す事からも『忠臣蔵外伝』を相当意識しての事だろうけど、今の安達祐実と当時の高岡早紀では、世間が求めるものが違うような気がする。朝霧が八津の客相手に啖呵を切る場面は格好良い。半次郎だけに見せた花魁道中も美しかった。私としては、安達祐実のそっちの一面、女優としての成長具合をもっと堪能したかった。
[インターネット(邦画)] 4点(2022-01-29 18:19:51)
503.  ザブングルグラフィティ 《ネタバレ》 
小さい頃TV版が大好きで観てました。それで期待して劇場版も観ました。当時はビデオデッキもなかったし、久しぶりに見るザブングルと、新しいエンディングに、それなりに満足していたと思います。  当時のアニメは1年間(全50話)ほぼ毎週放送していて、そんなハードスケジュールなのに作画・脚本ともに完成度が高いのが凄い。 このザブングルというアニメの新しいところは、①同型の主役メカが2機いる ②主役メカがいきなり壊れて(背中の羽とタイヤ)最後まで直されない ③主役メカが途中で交代(ザブングル→ウォーカーギャリア)する ④主人公がブ男 特に①と③は、この後の多くのロボットアニメの定番展開になった。 西部劇をベースにしたカラッと明るい物語。程よいコメディ要素と敵味方ともに魅力的なキャラクター。ザブングルは富野由悠季が一番脂が乗っていた時期の傑作の一つと呼んで良いと思う。  当時は満足だったけど、改めて観てみると…序盤のジロンと仲間の出会い、親の仇のティンプ登場までは良かったけど、そこから脈絡のないシーンを断片的に挟んでくるので、『あれ?さっきの続きは?この場面どこに繋がるの?この人誰?』と、TV版を観ていない人にはストーリーが飛び飛びで繋がらなくなっていく。「これが動撮だ! 」とか、幻のトロン・ミラン。合間合間に入るお茶飲んでるチルとか、そういう“遊び要素”は当時珍しかったので良かったんだけど、これもTV版を観ている人向けのサービスで、初めて観る人が「フザケルな!」って怒っても無理はないと思えた。 せめてザブングルを知らない人がこの映画を見て『面白そうだ、TV版を観てみるか』ってなれば良いんだけど…ファットマン、ビエルは僅かしか出てこないし、ソルト(レジスタンス組織)とカタカムは一切出て来ない。彼らはザブングルの魅力の大事な要素だと思うのに。 ザブングルは素晴らしい作品だけど、この映画の出来は酷かった。 “グラフィティ=落書き”で誤魔化すのでなく、普通に“総集編=オムニバス”にしてほしかったな。  TV版の前向きで素晴らしいエンディングをちょっぴり変えて、更にコミカルに更に明るくした劇場版エンディングはなかなか。 当時はアニソンが市民権を得るちょっと前の時代。劇場版オリジナル・ソング、MIOの“GET IT!”が素晴らしい。彼女の歌は今聞いても元気が出るわ。
[映画館(邦画)] 2点(2022-01-29 16:29:20)
504.  ゴルゴ13(1973) 《ネタバレ》 
イラン(革命前の最後の王朝時代)というのが良いですね、日本との合作だけど、イランの映画は始めて観た。この時代のテヘランは、けっこう発展した豊かな大都市に見える。 そして健さんの引き締まった上半身。鋭い眼光。そして健さんのベッドシーンは、短いとは言え初めて観た気がする。健さん意外みんなイラン人。本作は日本語吹き替えだけど、撮影現場では何語が飛び交っっていたんだろう?想像すると面白い。 また登場人物は現地の俳優さんを使っているらしく、wikiを辿ると、皆さんの活躍の記録(ペルシャ語?読めん)があった。  ただ作品内容は、原作者、映画製作者、原作ファン、健さんファンの、誰も得しないような創りに思える。 ゴルゴ13といえば、もっとゴッツい西洋人並みの体格なイメージがあって、見るからに細身の東洋人な健さんは、当時のヤクザ映画で活躍していた、いつもの健さんにしか見えなかった。  ゴルゴらしい狙撃のシーン。ターゲットの顔が解らない。“マックス・ボアは小鳥が好き”ヒントをモトに、鳥かごを撃つゴルゴ。小鳥が懐いた奴がターゲットだ!…って展開は、ゴルゴ13らしくて盛り上がった。ここでビシッと決めてたら、そこそこ楽しめる短編映画になっていたかもだけど、ゴルゴ仕留め損なうし。狙撃中に敵の返り討ちに合って負傷とは、なんともゴルゴらしくない。 その後、現地俳優(アマン夫婦とキャサリン)の活躍?と観光地巡り?も入れて、ちょっとテンポダラケたけど、最後の狙撃はビシッと決まってた。でも、なぜ小鳥まで殺したのかゴルゴ!?
[インターネット(吹替)] 3点(2022-01-26 23:32:10)
505.  デス・プルーフ in グラインドハウス 《ネタバレ》 
-Death Proof- “耐死(仕様)”。ウォータープルーフで耐水なんで、耐死なんでしょう。チラッと本来のタイトル“クエンティン・タランティーノのサンダーボルト”って出るのがまた…制作途中で内容変更させられた?って演出がニクい。 プラネット・テラーのダコタ先生。キル・ビルのマクグロウ保安官親子が、役名そのままで出てるファンサービスは嬉しかった。  意味のない世間話はタランティーノ映画の十八番だけど、本作では特に長く感じる。なんでだろ?ガールズトークだからか? そして足。極度の足フェチのタランティーノが、これでもか!ってご自身の足愛を満たしていく。彼はお尻から太ももにかけてより、踝から先、足指やつま先が特に好きなようで、今回執拗に足先を出してたし、先の世間話とともに自虐ネタ全開使用なんだろう。 足はともかく、長~~~いガールズトークはそんなに面白くなく、しっかり聞いてると疲れてしまう。タランティーノだから意味はないって解ってるんだけど、長かったな。ゾーイが溝に落ちた話は、いつものタランティーノっぽくて結構良い話だったと思う。  スタントマン・マイクの暴走。前半女子会の、一瞬で皆殺しはかなり唐突で、なかなか斬新。それまで丁寧に描写してきた女の子たちが、ほんの一瞬で殺されるのは、殺人鬼マイクの異常性より、この映画の異常性を感じさせた。 同じような展開が予想される後半女子会。貴重なダッジ・チャレンジャーが傷だらけになったのも気になって仕方ないけど、銃で撃たれたマイクが案外アッサリ逃げていったのもまた意外で、こんな弱っちいの? キム達に執拗に追い詰められて「ごめんなさい!!悪気はなかったんです!…かに座です!」はスカッとした。そしてマイクをボコボコにしての“バンザイTHE END”には大爆笑させてもらったわ。
[インターネット(字幕)] 5点(2022-01-24 22:53:08)
506.  吉原炎上 《ネタバレ》 
この作品は私の中で、とても邦画らしいと言える邦画だった。日曜洋画劇場だったと思う。番宣の『鬼才・五社英雄監督作品』ってフレーズが印象に残ってる。この映画を見たときも、キスシーン程度ならともかく、もっと激しいお色気シーン、いわゆる“濡れ場”が作品のメインとして入ってて、そういうのに耐性のない子供だったし、お茶の間が凍るのも苦手で…すぐにリタイア。 当時はじっとりジメジメな邦画は避けて、カラッと陽気に明るいハリウッド映画ばっかり観てたっけ。お陰で今、当時未見だった邦画を見る楽しみが出来てるけど。  中梅楼を中心とした当時の遊郭の町並みが凄い。セットのようだけどあの再現度、質感がとても素晴らしい。お金が掛かってるのがよく分かる。細かいところだけど、ふすまの中にガラス窓が入っていたりと、近年の画一的な工業製品に見慣れてしまったため、こんな些細なところに職人技を感じてしまう。 仕事を始める前の神棚を前にした儀式とか、当時の文化を勉強する資料としても、とても面白い。 中梅楼の造りからは千と千尋の湯屋を。おちかさんの話し方は湯婆婆を連想させる。今は鬼滅の刃も遊郭編だし、ぜひ今の子供にも観てもらいたいところだけど、無理だろうな。「ここ、噛んでぇ~!」だし。私も無理だったし。  コレってどこまで実話なのかな?って調べたけど、吉原が炎上したのって何回もあって、『いついつ、ココが火元でこれだけ燃えて、死者は何人で』とかって個別の記録がないのね。 純愛と見せかけて性的不能者なことにコンプレックスを抱いていた古島。お春との結婚に向かう絶望(不能者だとバレる)からの、自殺だったんだろうかね?逃げようと思えば逃げられたし。 古島の純愛より、自己満足の為に花魁道中を選ぶ久乃。不本意に売られてきた身の上には同情するけど、話が進んでいくうちに久乃より、庶民的な菊ちゃんの方に魅力を感じてしまった。
[地上波(邦画)] 6点(2022-01-22 18:31:54)
507.  バンデットQ 《ネタバレ》 
-Time Bandits-“時空強盗団” さて、邦題のバンデットQの“Q”って何よ?問題ですが、当時日本で子供向け映画として上映された本作。チラシなんかに“6人の小人Qが…”とか書いていて、それぞれ愛のQ、ロマンのQ、冒険のQとか役割があって…もうこの時点でサッパリ謎だけど、誰がどの役割とかはないみたいで、ただ6つ役割があるってだけ。それで『6つのQが集まって面白いことするよー』って、そんな意味を持たせたかったらしいです。普通の小人症の人たちと違って、彼らは創造主が作り出した特殊な小人“小人Q”なんだよ。って。 後のビートル・ジュースやバタリアンの、寒い悪ノリの前身ですね。この辺で止めておけば…  今回始めて観たけど、けっこう苦手な映画かもしれない。タイムホールを記した地図を使って盗みをする設定は良いけど、タイムボカン見たく『〇〇の時代に行って、基地に戻って、今度は△△の時代に行って、基地に戻って』なら解るんだけど、次々各時代を巡るから、ゴールとか彼らの目的(ナポレオンの財宝だけじゃダメなのか?)とかが、イマイチ解らなくなって、この話はどうなれば終わるんだ?って集中力が続かなかった。映像は綺麗で、作品全体から漂う不思議な感じも味わい深いんだけど… ロビンフッドの部下が貧民を殴るところ(なんでだ?)とか面白かった。お婆さんも殴るの、容赦ないな。船の下に無口な巨人がいたのには驚いた。そして特にストーリーに絡まないのも新しい。ガラスの壁や中空の牢獄からの脱出は手に汗握る。こんな風に場面、場面は楽しめてるんだけど、全体を通しては乗れなかったようだ。  最後、家の火事で目が覚めるところ。今までの冒険は部屋に散らばる玩具や写真が元ネタで、実は自分の空想が生んだ夢オチ。…と思わせといて、インスタントカメラの写真で実は!って。なんかオズの魔法使を思い出した。でも最後の両親爆死は、あまりに唐突。ケヴィン君の今後の人生がハード過ぎる。 まぁ結末が自分が期待してたのの斜め上だったとしても、観てる途中が楽しめればそれで良いんじゃないかな。本作はテリー・ギリアムの良い味が出ていたし、たぶん結末を知った上で再視聴すれば、違う角度で楽しめるかもしれない。
[インターネット(字幕)] 5点(2022-01-22 17:47:10)
508.  ヤング・マスター/師弟出馬 《ネタバレ》 
-The Young Master-“お坊ちゃん”・・・本当かぁ? -師弟出馬-“弟が出かける”怪しいけど間違いではないか…どうだろ? 当時一番印象に残ってるのが、手足を使った壁のぼり。当時みんなでトライして、けっこう高い所まで登れたものだったわ。あとあの“腕の力だけでロープ上り”体重の軽い小学生とは言え難しい技だったけど、1人だけ出来る子がいて、私の中で彼はヒーローだった。 獅子舞い、扇子を使った拳法、ユン・ピョウのイスを使った拳法、スカートひらひら拳と印象的なシーンも多く、モンキー・シリーズに負けないくらい面白いんだけど、きっとジャッキーの拳法に動物を取り入れたりの特徴がないためか、当時の印象が薄い。テレビで流れた回数が少ないせいもあるけど。  今の目で観るとキム兄貴の足技は華麗で、関節をグリグリ決める技も、今までのテンポよく拳を出し合う舞いのようなカンフー映画より実践的。後半ロンも相手の武器である脚や腕を集中的に攻撃したり、こちらも実践的。かと言ってガチな闘いに傾倒するでなく、相手を蹴り飛ばすシーンにワイヤーアクションを入れたり、映画として新しいものを取り入れている。 最後は水タバコのニコチン水(とか言って、実はアヘンか?)のドーピングで勝利とか、勝つには勝ったけどロンがミイラ状態の自虐的なエンディングとか、他のジャッキー映画でも観られるメチャクチャ・パターン。  長時間に及ぶ最後の戦いは、途中でセコンド気味にメガネのおっさんが水を飲ませたりと、まるでボクシングみたい。当時はアメリカの、ボクシングやストリートファイトの映画が流行っていて、この映画にはそれを取り込んだように思える。ジャッキーは純粋なカンフー映画に限界を感じてたんだろうか、今にしてみれば次作のバトルクリーク・ブローの下地作りにも思える。そしてジャッキーの代名詞だった一連の『昔むかしな清朝カンフーアクション』は、本作が最終作(※醒拳は含まない)となってしまった。ちょっと残念。
[地上波(吹替)] 5点(2022-01-22 16:40:56)
509.  帝一の國 《ネタバレ》 
これはこれで、豪華なメンバーだなぁ。 この映画は何と言ってもケツですね。日本を代表する豪華男優たちの引き締まったお尻。試しに“フンドシ 太鼓”で検索したら、この映画がトップに出てきました。これは邦画史に残る偉業かもしれません。  原作未読だけど大鷹弾が絵に描いたような(漫画チックな)魅力的な男なのと比べ、帝一どうよ?って思ったけど、弾の作った美味しいご飯をちゃんと「美味い!」って言える素直さがあるのが良かった。菅田将暉のテスト対決のオーバーリアクションは見事。帝一が総理大臣を目指す理由も、なんかいい話だと思った。志尊淳の中性的なキャラ(をやることが多いけど)似合ってる。 変な生徒会。短すぎる拍手。気に入られるためには靴まで舐める。名誉ある校旗掲揚って、あんな裏方なのか。生徒会長になるのって、引いては総理大臣になるのって、あんな大変なんだな。  上級生の生徒会長選挙がメインで、本来メインであるはずの帝一の会長選がオマケっぽくなってしまったのは残念な気がするけど、個人的にお父さんが言った「勝ち犬になれ」ってセリフののインパクトが強かったので、会長を目指すために氷室の犬に徹するのは良かったと思う。 後半時々“ここでCM入りますよ”的に映像が途切れるのに気がついたんだけど、アレなんだろう?何か仕掛けがあったのか、ネットの仕様なのか? 糸電話くらいで、あまり出番のなかった永野芽郁の綺麗なハイキックと、最後のギターソロ良かった。
[インターネット(邦画)] 5点(2022-01-22 15:08:39)
510.  エクスペンダブルズ2 《ネタバレ》 
お祭り映画第2弾。前作より更にグレードアップ&パワーアップとは、まさにこの映画のこと。観客に期待されていることを期待以上に見せてくれたと思う。前作でやや消化不良だったシュワちゃんとブルースの出番の少なさに、今回ちゃんと活躍の場を与えて、スタローンと3人揃ってバリバリ撃ちまくりの画。これさ、こういう画を観たかったんだよ。ブルース「アイル・ビー・バック」シュワ「イピカイエー」そうそう、こういうの。 画面では悪党がバタバタ血を吹き出して死んでいくんだけど、吹っ飛ぶ悪党がスーパースターを盛り上げる紙吹雪やネオンライト、紙テープや花火に思えてくる。観ててとってもホッコリする。  前作のガンナーの扱いから、チームから死人が出るのは予想外だったけど、①“除隊後の夢を話したら死ぬ”あるある。と、②メンバーの誰が死んでもおかしくない緊張感。の、2つの目的があったのかな?ランボーⅡをリスペクトして、マギー辺り死んでしまう可能性もあったかも?って。でも変に死を引きずって、湿っぽくならない作りはさすが。  チャック・ノリスはホントもう、“よく出てくれましたで賞”を差し上げたい。チャック・ノリス・ファクトもバッチリ決まってた。 今作が前作以上のお祭りになった一因だけど、チャック・ノリスとヴァンダムの登場にある。ジェット・リー、ミッキー・ロークらA級映画の(懐かしい)スターが共演していたのが前作。ノリスもヴァンダムも、メインはB級アクション映画の(懐かしい)スター。前作から出ているドルフ・ラングレンもB級映画がメインだけど、ロッキーⅣの繋がりで出演した感が強かったと思う。この、見えないけど確実に存在するA級とB級の壁を取っ払い、お互い対等に肩を並べて楽しいものを作る姿勢が、観ていて清々しいお祭り感を与えてくれた。言わば“全国区の有名ラーメン店”と“地元民が常食する老舗ラーメン店”が、一緒にわが街(アクション映画界)を盛り上げようって企画のようなもの。 単に火薬量と登場人物を増やしただけの続編が多い中、このグレードアップ&パワーアップは評価せざるを得ない。アクション映画最高!次にも期待。
[インターネット(字幕)] 8点(2022-01-22 14:26:35)
511.  バトル・ロワイアル 特別編 《ネタバレ》 
~『バトル・ロワイアル』のつづき~  この時のたけしはまだ若くギラギラしていて、出てくるだけで存在感が凄い。原作はあくまで生徒たちが主役で、教師はここまで物語に絡んでこなかったと思う(途中までしか読んでない)けど、映画では主役級の役割を持って登場している。 まるでセリフを喋るように、感情的に話す生徒たち(もちろん演技指導で)と違い、普段の話し方の北野武がまた怖い。桐山役の安藤政信が自らセリフを一切排除した理由も、もしかしたら邦画のセリフっぽいわざとらしさが嫌いだったのかもしれない。  キタノが自分を殺させようとする中川に掛ける言葉「中川、頑張れ」が、自殺した七原の父が書いた「秋也ガンバレ!!」とオーバーラップ(※このキタノのセリフのシーンに、七原の父のシーンを流してしまう親切さが余計。だけど同世代の子供に観せたいという意図があったろうから、敢えてだろうけど)する。 自分が死ぬ。となった時、当然生きるよう努力すると思う。それが無理だと悟った時、冷静であれば、生きられない自分の代わりに、特定の誰かに何かを託したくなるのかもしれない。クサイ話だけど、生きた証を誰かに託す行為。 子供たちも、42人のうち41人が死ぬルールから、自分が生きる可能性が限りなく低いなか、僅か15年の人生の知恵を絞り、生きる努力、生きない決断を自分で選んでいく。子供たちの死に様をみせる映画から見えてくる、子供たちの3日間の生き様。 GPSを持った杉村が、片思いの琴弾に好きだと伝えたくて奔走する。誤って自分を撃った琴弾に「逃げろ」という気持ち。好きな子に気持ちを伝えることに残りの命を使う気持ち。そんな事ができる子供たちだから見えてくる、どこかに忖度のない、残りの人生の使い方。彼らより長いこれからの人生を私がどう生きるか、とても考えさせられた。 最後に「走れ。」とメッセージ。詰め込み過ぎと言うか自己満足と言うか、邦画らしいダサさがまだ残ってる。  今回買ったDVDが特別篇と書いてあって、追加シーンがあるんだそうだ。観たのもう20年近く前だし、公開版とどこが違うのか、調べないと解らなかったけど、物語に深みを持たせる回想シーンとかが追加されているようだ。殺し合い中の他の生徒の動きとかは特に追加がなかったのは残念だけど、バスケのシーンも相馬の過去も、悪くなかったと思う。  当時あれだけセンセーショナルだったこの作品だけど、今だったら数あるシチュエーションの一つに過ぎない。この作品以降、必然性もなく人の命を使った、殺人ゲーム的な作品がたくさん出てきた。多くの作品が『私だったら“このゲームを”どう生き残るか?』って、今置かれている理不尽な状況からの生還を考える程度に過ぎない。 「人生はゲームです」今置かれている特異な状況だけに収まらず、これまでの生き様まで踏み込んだこの作品は、先駆者にして稀有な存在に思える。
[DVD(邦画)] 8点(2022-01-16 16:05:04)(良:1票)
512.  バトル・ロワイアル 《ネタバレ》 
当時は洋画ばかり観ていたから、もしかしたら初めて劇場で観た邦画かもしれない。お金の掛かってない邦画はテレビやレンタルで観るもので、わざわざお金を払ってまで…って考えで。 原作本が出る時にたまたまラジオで「中学生同士が殺し合う小説」って聞いて、何とも悪趣味な内容だなって思ってた。それが社会現象になって、映画化が決まって・・・テレビでは当然、肯定的な意見なんて取り上げられず、青少年への悪影響ばかりが取り沙汰されていたと思う。やはり中学生が、それも同じクラスの友だち同士に殺し合いをさせるという内容は、間違ってもコメンテーターが実名で「これ面白いですよ」なんて言えない時代だったと思う。 当時ネットとかあまりやってなかったから、私もテレビとかで言われる通り、表面的な話題性だけの、中身のない作品だろうと。当時流行っていたエヴァの亜種のように、気分が滅入るような殺し合いをネチネチ描写したものだろうと思っていた。 ただ怖いもの見たさと興味はあった。私ももう大人だし、この作品を通して何を思うんだろうか?アニメ以外で劇場で観る邦画は、どんなものか。  アクションはやっぱり当時の邦画だなって思った。銃の効果音こそ『バキューン!』では無くなってたけどリアルってほどではなく、まだ撃たれて死ぬ時、「ギャーッ!」って手足をバタバタさせて踊るような演技指導の時代だったから、当時流行ってた韓国のアクション映画に比べて、ひと昔前の作品感。 内容には引き込まれるものがあって、楽しい修学旅行から一転して、軍人に銃を向けられる非日常感。そこに退職したキタノが現れて、淡々と状況を説明される違和感。目の前でいきなり女生徒と親友を殺される恐怖と驚き。このあと時々国信のことを思い出すのがリアル。 有無を言わせず始まる殺し合い、出席番号順に名前を呼ばれ、自分のバッグを抱え、武器の入ったバッグを投げ渡されて、次々と走っていく場面の緊張感は、この映画イチの名場面だと思う。武器のバッグをキタノに投げ返す女の子が忘れられない。42人の生徒たちの個性、それぞれが考えを持って状況を捉えていることが、この映画を単なる“悪趣味な殺し合い場面集”と違うことを感じさせる。  単純に42人の殺し合いだから、2時間の映画では駆け足の殺人シーン・ダイジェストになるかと思ったけど、短い時間ながらそれぞれの個性をよく出せていたと思う。分厚い原作に細かい設定があったからこそだと思うけど。 どう見ても大人な川田と桐山も、殺し合いに参加する目的の、怪しい転校生(留年設定)として、案外違和感なく受け入れられた。何でも出来て安心感のある川田の関西弁キャラクターがホッとさせてくれて、主人公のサポートと、鑑賞者に状況を伝える重要な役割を担っていた。もし七原と中川が状況に振り回されるだけの映画だったら、観ている側も状況を理解するのに余計な時間がかかるし、生徒たちの掘り下げも浅くなっていたと思う。  ~『バトル・ロワイアル 特別編』につづく~
[映画館(邦画)] 8点(2022-01-16 15:59:21)
513.  ワンス・アポン・ア・タイム・イン・チャイナ/天地争覇 《ネタバレ》 
-獅王争覇- 獅子舞の王者決定大会。 オープニングの、紫禁城での多人数の獅子の舞いが圧巻。主人公たちとは関係ないけど西太后も出てきて、タイトルに相応しい清朝の歴史が垣間見れる。フェイフォンとイー叔母との関係も進んだようで、そこにカメラの送り主のロシア人将校も登場し、フェイフォンの嫉妬、八つ当たりが可愛いと言うか、大人げないと言うか…  カンフーは特撮が増えてリアリティは減ったけど、鬼脚の動きは面白く、足技中心だけどカポエイラともまた違って『あんな拳法もあるんだぁ』って感心した。3つの流派の争いを止めるフェイフォンも、ゲームの“○○無双”みたいで格好良かった。 街中での獅子大会予選も大迫力。オープニングの綺麗な舞いとは違い、相手の獅子を攻撃する荒々しい争いは、獅子舞いの別な一面を見せてくれた。  怪我をした鬼脚とのエピソードも涙を誘うし、「アオラプユー!!アオラプユー!!」英語教室とか、前作よりコメディ色が強調されてきたと思う。イー叔母の表情も豊かで可愛らしい。キャストに愛着も出てきた3作目だけに、ただ眺めてるだけで楽しめて、本作が一番私の好みかもしれない。 イー叔母の「中国の未来は私達が決める!」西欧やロシアなどの列強国に良いようにされていた中国人のたくましさ、意地が感じられて格好良かった。 最後は獅子大会なんだけど、獅子舞いは予選でお腹いっぱい堪能したから、ちょっと食傷気味になる。 たぶんシリーズ鑑賞はここまで。歴史に沿った冒険譚として面白いシリーズでした。
[インターネット(字幕)] 6点(2022-01-15 12:32:36)
514.  パズル(2014) 《ネタバレ》 
夏帆ちゃんは結構お気に入りで、それだけで観た。不快な映像が多く、もやもやして終わった感じ。何も思うところも、出来の悪さに怒りも感じない作品。何かこう『あいつら、こんな風に酷い目にあって、死ねばいいのに!こうして…こうやって…最後はこうだ!」って感じの、いじめられっ子の妄想を延々と観せられている気分。 最初のラジコンからそんなに都合よく成功するとも思えないし、警察もあそこまで計画通りに犯人に踊らされたりしないように思う。学校敷地内にお母さんの車で来てるんだから、タイヤ痕とかから足は着くと思う。 理事長と3人組が復讐されるのはともかく、安田先生(とお腹の赤ちゃん)、親の刑事、理事長の娘もターゲットにしてる意味が弱いというか、わからない。 カウントダウン的な日付も、最後0がどうして刑事なのかな?と。その瞬間(0)で終わるんでなく、その先もちょっとあったり、わざわざ入れた理由、効果がどうもハッキリしない。 「生まれてきてよかった~っ!!」あの場面でそう叫ぶんだから、何か深い意味があるんだろう。安田先生の赤ちゃん(生まれてきてない)を殺したこと、復讐が無関係な娘(害悪から生まれた)や親(害悪を生んだ)にも及ぶこと、あのカウントダウンももしかしたら、誕生と何か関係があるのかもしれない。49日前から始まるのも、四十九日に絡んだ何かのメッセージがあるのかもしれない。ま考えるだけ無駄だと思ってやめたけど。 お金のある素人が趣味で作った映画でもないだろうに、残忍なこと、理不尽なこと、観ていて不快なこととか、そんな表面上の描写が悪いのでなく、残念ながら、この作品を通して鑑賞者に伝える何かが不足しているようだ。表現力とか実力とか。 最後は夏帆ちゃんの血まみれダンス。わざわざワンピースから制服に着替えて、改めて血を浴びてきたのかと思うと『お疲れさま』と労いの言葉を掛けてあげたい。むしろ上映時間85分、血まみれの夏帆ちゃんがただ踊ってるだけの作品だったら、1点か5点にしたかもしれない。 夏帆ちゃん苦労してた時期だと思う。でも病院のベッドで逆流する点滴を見て目を泳がす演技とか、実力は確か。この翌年は海街diary出るし、仕事運も徐々に上向いていくから、この映画に出たことを0と考えて、これからカウントアップしてくるよ。
[インターネット(邦画)] 3点(2022-01-14 21:00:48)
515.  ワンス・アポン・ア・タイム・イン・チャイナ/天地大乱 《ネタバレ》 
-黄飛鴻之二: 男兒當自強-“黄飛鴻その2:男は自らを鍛え強くなれ” みたいな意味らしい。またこの映画の印象的なテーマソングのタイトルでジャッキー・チェンが歌ってる…そうだったのか。邦題は『熱き血潮』 フー役がユン・ピョウから別の人に変わり、イム師匠が総統役で出ていたりと、ちょっとこんがらがった。 イー叔母とウォンとフーの三角関係。「フー何してる?その役は私がやる!」って、なんかウォンが大人げないかなと。嫉妬して可愛いって見方もあるけど。  白蓮教教祖のクン大師、ノドに当てた刀を横に引くのは観てて怖い。前作のイム師匠を倒した銃すら効かないのは、強敵感も強く期待値が上がる。外国語学校の焼き討ちは、建物にお札をいっぱい貼ったり、死体が転がってたりと結構ショッキング。 白蓮教って実在したらしいけど、怪しい新興宗教感が強い。この映画が制作された'92年前後は、日本ではオウム真理教とか統一教会とかが話題になってた辺りで、香港ももしかしたら、そういう新興宗教がリアルタイムで話題になっていたのかもしれない。  ラン提督に見覚えあると思っていたら、ドニー・イェンか。ビュンビュンしなる棒術、布を固めて棒状にした武術は、迫力と美しさがあって見事だった。実際、後半の対決より、中盤の対決のほうが見応えがあり、カンフー映画の醍醐味に思えた。 後半のクン大師、ラン提督との連戦は、リアリティは無いけど観ていて楽しい。“香港のスピルバーグ”と呼ばれていたツイ・ハークの本領発揮で、当時の流行だったワイヤーアクションを多用した漫画みたいな戦いと、(恐らく)当時はマンネリ化で時代遅れになってきていた、本格カンフー映画を見事に融合させていたと思う。
[インターネット(字幕)] 6点(2022-01-14 11:48:35)
516.  青い体験(1973) 《ネタバレ》 
-malizia- “意地悪”。 スカートから覗く太もも。スケスケのネグリジェ。自転車に乗るのを手伝ってサワサワ…エッチなあるあるネタのオンパレードは、ある意味清々しくもある。 だけど、う~~~ん・・・・これは、今の世の中では、いわゆる、セクハラだわ。 そして立場の弱いものに対して、立場を利用しての行いだから、いわゆる、パワハラだわ。 30前半の美人で気が利くアンジェラが、どうしてあの家で家政婦を続けることにこだわったのか、私にはわからない。お父さんは良い人だけど、そこまでの魅力があるか?お金はありそうだけど。 少なくとも、神父の前でアンジェラの手を握って、結婚の話をしてるお父さんの横で、アンジェラのパンツを脱がす変態中学生が居る家で、働き続ける必要性がわからない。家庭を築ける自信がない。  百歩譲ってアンジェラ自身がそういう性癖なのかもしれない。人に見られてとか、バレずにするスリルとか、あんな子に虐げられてとか、そういうのが好きな人は一定数居ると聞く。性癖は人それぞれだし、人に言えない癖があってもそれは自然なことだけど、仕事中はそういうの、ダメだろう。面倒くさい事になっちゃうだろう。 ニーノが無言で寝室をウロウロするとこと、ノートをちぎって投げるの、アレやられたら私は泣いてしまうわ。それか殴るわ。うん、殴る方にしよう。いい加減にしろこのガキ!って、殴ろう。  セクシーな格好で父親をからかわせるのを覗き見たり、アンジェラのストリップをポルチェロに見せたりって、何が楽しいんだ?ニーノ。アレで君の、何が満たされるんだ? 暗闇で怖がってるアンジェラを懐中電灯でチロチロ。ヤメロそれ陰険だな。って思ってたら、アンジェラが脱ぎながらキレながら笑って仕返し。ハハハ。ここ良いシーンだなァ。 コトを済ませたら執着が無くなったんだろう、相手は倍の年齢の女だし。最後は結婚式で行儀よく「お元気で ママ」と頬にキス。 ドキドキしながら最後まで観てしまった。うん。
[インターネット(字幕)] 5点(2022-01-14 00:47:17)
517.  007/スペクター 《ネタバレ》 
-Spectre- specterのイギリス読みで“幽霊”。タイトルを象徴するようなお祭り『死者の日』から始まるのがまた格好いい。 今回でクレイグ・ボンド・シリーズ最後のレビューです。シリーズ共通だけど、5作品とも前半に印象的で派手なアクションシーンが入り、今回の007スッゲー!!ってなり、後半のアクションは平凡なのか、あまり記憶に残ってなくて、再見して『あぁ、こんなだったな』ってなるパターンだったと思う。  007シリーズの魅力は、派手なアクションはもちろんだけど、世界各地の美しい映像を流して、まるで世界旅行をしている感覚を味わえる事。今回はメキシコの死者の日。有名なお祭りだから、なにかで観たことはあるけど、流石にあの巨大な骸骨の山車を中空正面から捉えるカットは旅番組レベルでは観た記憶がない。そこから5分強のワンカット撮影で、異国のお祭りの賑やかさ、路上の雑多感、イベントを楽しむ観光客なんか観ながらの旅行気分を。美女を放っておいて屋上を軽やかに移動するボンドの格好良さと、任務の緊張感をいっぺんに味わえる。屋上にて、さっき路上で観たお祭りの続きが観えるのも、その世界に入り込んだ感覚を味わえて、シリーズイチ素晴らしいオープニングだったと思う。 ・・・と、ここまで書いてあの死者の日のパレードが、2016年から始まった新しいイベントだったと知った。つまりメキシコ人がスペクターを観て、「映画のアレ、カッコよかったから、死者の日に実際にやってみるべ!」ってなって開催されたと知った。あのパレードももっと昔からあるモンだと思ってた。外国の映画をそのまま自分たちの文化に取り入れるって、メキシコ人凄い。 OPのメキシコはもちろんだけど、ローマの街をスーパーカー2台が駆け抜けるカーチェイスは豪華だし、アフリカの列車の旅は絵葉書のように美しい。雪山の上のガラス張りの病院(レストランだそうな)は、雪国育ちには光熱費が心配になる建造物。世界って広いな。  悪の組織の会議、怪力男、ボンドカーや腕時計などの秘密兵器、ネコ、タコ…本作は前作以上に歴代007のオマージュ、ある意味スパイ・アクションの王道的な描写が多い。カジノ・ロワイヤルがリアル路線で成功したことを考えたら、前作スカイフォールくらいのほうが、バランスは良かったかもしれない。 オーベルハウザーは優しそうな容姿のせいか、ボンドを苦しめる強敵の印象が弱い。あの痛そうな拷問の効果(結局ノーダメージだったの?)もイマイチわからない。最後のヘリの撃墜から逮捕の流れも、そこに行くまでもうひと絡みくらい欲しかったし、スペクターという組織の根の深さを伝えるために、もう一作くらい作ってほしかった。 引退したボンドがボンドガールを隣に乗せて、DB5で去っていくエンディングは、シリーズの締めくくりとして、とても良かったと思う。このあともう一作出来たけど、この終わり方が私の考える理想的な最後だった。
[映画館(字幕)] 7点(2022-01-13 23:54:39)
518.  この子の七つのお祝いに 《ネタバレ》 
たまたま最近、産まれたばかりの子供を誘拐して育てる映画が続いたけど、こちらのお母さんは娘に復讐を植え付けるという、最悪の幼少期を過ごさしている。 -この子の七つのお祝いに- は、童謡の“とおりゃんせ”の歌詞の一部からだろう。子供の死亡率が高かった昔のこと、七歳までの子供は神と人の中間みたいな存在と考えていたらしく、無事に七歳を過ぎれば、その子は大人になるまで成長できる。との言い伝えがあって、七五三のお祝いなんかがその名残らしい。  作中の本当の麻矢も四ヶ月で亡くなっている。“鼠に噛まれて”という今の時代では考えにくい悲劇が、戦後の貧しい時代をまざまざと感じさせる。真弓は精神を病んでいたにもかかわらず、誘拐したきえを七歳まで(=人としてきちんと生きていける年齢まで)育て上げること、復讐を植え付けることをを生きる糧としていたんだろう。たぶん真弓は、自分の幸せを奪った高橋の元妻のみやこが死んだことも知らずに死んだんだろう。  手相占いの才があるゆき子が、手形をモトに父を探す設定も、親子の手相(遺伝)で謎解きするのも面白い。けど手相や手形が重要なキーワードなら尚の事、幼少期の自分の手相が他人(本当の麻矢)のものだって、気が付かないものだろうか?手相って子供と大人で特徴が消えるくらい変わるんだろうか?って思う反面、自分が真弓の子じゃないなんて、母を疑う気持ちもなかったんだと思うと、“操り人形”ゆき子の生涯がとても悲しく思える。
[インターネット(邦画)] 5点(2022-01-13 21:34:18)(良:1票)
519.  プラネット・テラー in グラインドハウス 《ネタバレ》 
Grindhouse=アメリカでB級映画を2~3本同時上映する映画館の事らしく、その中で上映されている-Planet Terror-という映画。という設定。“恐怖の惑星”とか、そんな意味だろうか?本作の原因の化学兵器はDC-2“プロジェクト・テラー”だから、もしかしたら、配給会社がシナリオをいい加減に流し読みして、プラネットとプロジェクトを勘違いしたままタイトル決定したって、設定ネタなのかも? 初っ端のマチェーテ。デスペラードで観たシーン入れてくるとか笑うわ。架空の映画なのにストーリーがしっかり伝わる所がフザケながらもちゃんとしてる。  画面や音をザラザラさせてB級テイストを出してるけど、カメラワークは決まってるし、CGも最新技術で、病院の舌のシーンとかきちんとグロい。裏切り者のキ○タマ集めて瓶詰めにするとか、美女の足にマシンガン付けて暴れさせるとか、アイデアと下品さとセクシーさはB級臭プンプン。 副保安官トロ役のトム・サビーニは相変わらずで、中指失って結婚指輪を中指につけるとことか、わざとだろー。 あと久しぶりにマイケル・ビーンを観られたのが嬉しい。全盛期の面影がきちんと残ってて安心したのと、どこかで兄を裏切るんじゃないかと思ったけど、最後まで良い人だったのが良かった。  軍人と科学者。ダンサーと元カレ。医者夫婦。保安官と兄…いろんな登場人物が、なんやかんや皆んな集まって(肝心なところのフィルム紛失とか手が込んでる)大惨事からの血みどろの戦い。トロに撃たれる保安官。よく分からないけど凄いエル・レイ。ゾンビに囲まれての脱出劇。炎と血と肉が飛び散る出血大サービス。そんなに怖くないし、頭空っぽにして、ボ~~~~~っと観るのにちょうど良い。
[インターネット(字幕)] 6点(2022-01-09 18:45:23)
520.  ボーダーライン(2015) 《ネタバレ》 
-Sicario-スペイン語、メキシコで“暗殺者”を意味するそうな。 オープニングのFBIとSWATの突入シーンから緊張感が高まる。35人以上の死体が練り込まれた家ってどんなだろう?って思ったら、ニュースで上空映像入れてくれる親切さ。 フェニックス州の乾いた土地の普通の家に、あんな沢山の死体と爆弾のトラップがあるなんて。 エンドレスで掛けたら滅入ってしまいそうな音楽も、緊張感を高めてくれて素晴らしい。 あれよあれよと“修羅の国”フアレス市に突入していく展開が見事。メキシコと言えばソンブレーロ被った陽気なメキシカンがタコス食べてコロナビール飲んでる印象だったけど、ネットの怖いサイトに、マフィアの処刑動画とかがいっぱい出てて、近年ガラッと印象が変わってしまった国でもあり、そんな“怖いメキシコ”を題材にしたこの映画は、ネットで見た現実とリンクした恐怖と緊張感を感じさせる。  国境を超えたギレルモ引き渡し作戦は、まるでブラックホーク・ダウンのような緊張感。デコボコの道。高架に吊された死体。市民はスカッシュして遊んでる。「爆竹じゃないぞ」銃の音。「危険なのは国境だ」。並走してたパトカー消える怖さ。国境越えて渋滞で進まない車列。先手必勝は違法行為。凄い。 テッドの豹変も怖かった。国境を超えたこちら側にも犯罪は根を張っている現実。麻薬カルテルをコントロールするためにFBIを利用するCIA。夕闇に消えるデルタ部隊の映像の美しさ。ケイトたちに見せる予定の派手な銃撃戦。見せるつもりのなかったその先。汚いものの先に更に汚い現実。銃を突きつけての誓約書のサイン。 トランプ元大統領が国境に壁を作るって言ってたけど、この映画見たら反対する理由が思いつかない。 本当によく出来た怖い映画だ。
[インターネット(字幕)] 8点(2022-01-09 17:37:27)
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