Menu
 > レビュワー
 > かたゆき さんの口コミ一覧。27ページ目
かたゆきさんの口コミ一覧[この方をお気に入り登録する

プロフィール
コメント数 1871
性別 男性
年齢 48歳
自己紹介 自分なりの評価の基準は、
10・超大好きな作品。完璧。映画として傑作であるばかりでなく、自分の好みと見事に合致している。
9・大好きな作品。完璧に近い完成度。手放しに歴史に残る傑作といっていい。
8・好きな作品。本当に面白い。欠点があるかもしれないが、それも含めて好き。
7・少し好きな作品。普通に面白い。欠点もあるかもしれないが、そんなに気にならない。
6・普通の作品。可も無く不可も無く。最後までストレスなく観られる。面白いけど、心に残るものはあまりない。
5・少しつまらない作品。最後まで観るのにちょっとストレスを感じた。面白い部分も多少はあった。
4・つまらない作品。最後まで観るのが苦痛だった。ほとんど面白いところが感じられなかった。
3・かなりつまらない作品。最後まで観た自分を褒めてあげたい。観終えた後に、怒りのあまりDVDを割りそうになった。
2・超つまらない作品。時間と金を返せ。観終えた後に、怒りのあまり製作者全員を殴りに行きたくなった。
1・絶望的につまらない作品。最低。観終えた後に、怒りを通り越して死にたくなった。
0・死霊の盆踊り。

表示切替メニュー
レビュー関連 レビュー表示
レビュー表示(投票数)
その他レビュー表示
その他投稿関連 名セリフ・名シーン・小ネタ表示
キャスト・スタッフ名言表示
あらすじ・プロフィール表示
統計関連 製作国別レビュー統計
年代別レビュー統計
好みチェック 好みが近いレビュワー一覧
好みが近いレビュワーより抜粋したお勧め作品一覧
要望関連 作品新規登録 / 変更 要望表示
人物新規登録 / 変更 要望表示
(登録済)作品新規登録表示
(登録済)人物新規登録表示
予約データ 表示
評価順1234567891011121314151617181920
2122232425262728293031323334353637383940
4142434445464748495051525354555657585960
6162636465666768697071727374757677787980
8182838485868788899091929394
投稿日付順1234567891011121314151617181920
2122232425262728293031323334353637383940
4142434445464748495051525354555657585960
6162636465666768697071727374757677787980
8182838485868788899091929394
変更日付順1234567891011121314151617181920
2122232425262728293031323334353637383940
4142434445464748495051525354555657585960
6162636465666768697071727374757677787980
8182838485868788899091929394
>> カレンダー表示
>> 通常表示
521.  THE GUILTY ギルティ(2018) 《ネタバレ》 
「私の名は、イーベン。今、元夫の車に拉致され何処かへと向かっている。私、このままじゃ殺される、お願い、助けて」――。ある日、緊急通報センターに掛かってきた、そんな一本の電話。通報を受けたのは、少し前にここに配属されたばかりのオペレーター、アスガーだった。追い詰められたような彼女の口調に緊急性の高い案件であると直感した彼は、すぐさま警察と連携を取り、発信元である高速道路にパトカーを向かわせる。だが、正確な位置も車両ナンバーも分からないため、パトカーはその車を発見することは出来なかった。事態は一刻の猶予もないと判断したアスガーは、携帯の登録情報を元に彼女の実家へと電話を掛けてみる。電話に出たのは、イーベンの長男である幼い子供だった。詳しく話を訊いてみても、血だらけの自分のママが父親に連れ去られたと泣き叫ぶだけ。どう考えても異常な事態。居ても立ってもいられなくなったアスガーは、警察とは別に独自の行動を取るのだが……。緊急通報センターの狭い一室を舞台に、拉致監禁事件へと巻き込まれた一人の女性を救うために孤軍奮闘するオペレーターの姿を描いたサスペンス。登場人物はほぼ主人公であるこのオペレーター一人のみ、あとは電話の向こうにいる幾人かの人々とのやり取りのみで描くという挑戦的なスタイルで描かれた本作、これがなかなか緊迫感に溢れたサスペンス・ドラマの佳品に仕上がっていたと思います。同じような設定の作品はすでにハル・ベリー主演の過去作にあったのですが、あちらは設定こそ秀逸だったものの後半はかなり残念な仕上がりになっていたことを思うと、本作の後半の展開はけっこう考え抜かれていて素直に面白かったですね。何より、驚愕の展開を見せるクライマックスはこちらの予想を遥かに上回ってきました。「まさか、そう来るか」という感じです。そこに主人公の過去に起こした罪を絡めてくるところなんかも巧い。こんなにも地味でこんなにもお金が掛かっていないのに、ここまで面白いドラマを創れるんですから、この監督の才能はなかなかのものなんじゃないかと思います。まあここまでオペレーターが好き勝手に電話できるのかという脚本の突っ込みどころはありますが、それも僕的には許容範囲内。ハリウッド・リメイクも決定したということで、今からそちらも楽しみな逸品でありました。
[DVD(字幕)] 7点(2020-01-06 01:46:57)
522.  レプリカズ 《ネタバレ》 
愛する家族を救うために禁断の技術に手を出してしまう科学者を描いたSF・スリラー。交通事故により最愛の家族を四人とも一瞬で失ってしまった科学者。哀しみに暮れる彼は、自らの専門分野である最先端のクローン技術を駆使してなんとしてもそんな家族を再生させようとするのだが……。主演を務めるのは人気俳優キアヌ・リーヴス。SF版『ペット・セメタリー』と言った趣きの作品なのですが、これがなんか全体的に残念な映画でありました。そう、アイデアは凄くいいんですよ、これ。失われた家族は四人、でもクローンを作る機械は三つしかない。主人公は仕方なく一番下の娘を居なかったものとして、彼女の記憶を全員から消去して再生させる。復活した家族とともに今までと同じ生活を営もうとする主人公、でも家族は拭いきれない違和感を感じはじめ……なんてすんごく面白くなりそうな設定じゃないですか。でも、残念ながら本作はそうはならない。きっと脚本が練られていないせいで突っ込みどころが満載なせいでしょう。「そこ、もっと丁寧に描くべきでしょー」や「え、そこをもっと膨らませてくださいよ」ってところが多すぎて、いまいち盛り上がらないままだらだらと終わってしまいました。例えば、自分たちが再生されたクローンであるという事実を終盤まで秘密にしておいて、それまでの平穏な生活に徐々に違和感を感じ始める妻の視線で描くとかしたら、絶対もっと面白くなっただろうに(家の中に残された手掛かりを辿っていくと、実は自分が忘れてしまった末の娘が居た!なんて終盤で判明したら、絶対観客の度肝を抜けたはずなのにね)。と、素材は凄く良かっただけに、なんとも勿体ない作品でありました。
[DVD(字幕)] 4点(2020-01-05 00:51:28)(良:1票)
523.  彼の見つめる先に 《ネタバレ》 
ブラジルに暮らす生まれつき目の見えない青年の恋と成長を何気ない日常の中に描いた青春ドラマ。確かにこの全編に漂う品のいい空気感は、なかなかいいセンスしてると思います。主人公を取り巻く少年少女たちも等身大の魅力に溢れていて、彼らが悩み足掻きながらなんとか現状を打破しようとする姿は見ていて微笑ましくなりますね。そして、主人公である青年。目が見えないながらも必死で自立しようと、アメリカ留学を立案したり両親と喧嘩したりと奮闘するところは素直に好感持てました。自らが男しか愛せないと自覚しそんな自分を受け入れて成長してゆく彼と、そんな彼への淡い恋心にもがく親友の女の子との関係性も凄く繊細に詩情豊かに描かれていて大変グッド。あまりにもオーソドックス過ぎて若干物足りなくもありますが、監督の瑞々しいセンスが光る青春ドラマの佳作と言っていいでしょう。
[DVD(字幕)] 7点(2020-01-04 01:00:49)
524.  マローボーン家の掟 《ネタバレ》 
「成人になるまでは屋敷を離れてはならない」「鏡を覗いてはならない」「屋根裏部屋に近づいてはならない」「血で汚された箱に触れてはならない」「“何か”に見つかったら砦に避難しなくてはならない」――。自らに課した、そんな五つの掟を守りながら、慎ましやかに暮らしているマローボーン家の四人兄妹。イギリスからアメリカ郊外の山の中に佇む古びた洋館に越してきた彼らは極力外部との接触を断ち、恐ろしい何かから身を隠すように静かに暮らしていた。そんな折、持ち上がった館の相続問題。期日までに親権者である母親のサインがなければ、兄妹は離れ離れになってしまう。だが、彼らの母親はアメリカへの旅路で体力を使い果たし、帰らぬ人になっていた。何とかして事態を打開しようともがく兄妹たち。同じころ、末の弟が館の中で不穏な何かを目にするようになり……。果たしてこの館に隠された驚くべき真実とは?どうして彼らは鏡を覗いてはならないのか?そして、兄妹は無事に成人になる日を迎えることが出来るのか?古びた洋館でひっそりと暮らすマローボーン家の兄妹を襲う、そんな数々の不穏な出来事をダークに描いたゴシック・ホラー。制作を務めるのは同じくゴシック・ホラーの傑作『永遠のこどもたち』を撮った、J・A・バヨナ。いかにも彼らしい不穏な空気に満ちた、なかなか見応えのある作品に仕上がっておりました。取り敢えず、「何か裏がある」というのは冒頭から分かるのですが、観客を導くミスリードの仕方が抜群に巧く、最後まで全く気が抜けません。ことの真相は途中で半分くらいまでは予想できるものの、完全には分かりませんでした。この屋根裏の〇〇は〇〇で実は〇〇ていたというのは何とか予想できたものの、〇〇たちは実は〇〇の〇〇だったとは……って決定的なネタバレを避けるあまりもはや検閲文書みたいになってしまいましたが(笑)。それはさておき、普通にホラー映画としてかなり高い水準に達しているのが素直に素晴らしい。館の中に居る何かが徐々に兄妹たちを追い詰めていく描写の禍々しさといったらない。最後までずっと不安感が拭い切れないのはいいホラーの証ですね。そして、最後は切なく哀しい余韻を残してくれるのもこの監督ならでは。なかなか完成度の高いゴシック・ホラーの良品でありました。
[DVD(字幕)] 8点(2020-01-03 04:01:07)
525.  アメリカン・アニマルズ 《ネタバレ》 
2004年12月16日木曜日、その日ケンタッキー州立トランシルヴァニア大学の図書館に、老人に変装した四人の若者たちが向かった。目的は、19世紀に出版された、オーデュボン著『アメリカの鳥類』初版本をはじめとする幾つもの希少本を強奪すること。闇のブローカーに売り渡せば、それだけで1000万ドルもの大金を得ることが出来るのだ。『レザボア・ドッグス』や『オーシャンズ11』など幾つもの犯罪映画を参考に綿密に計画を練った彼らは、人生を賭けた一大勝負を決行する。だが、完璧だったはずの彼らの計画は初っ端からつまずき、次から次へと問題が発生することに。やがて、仲間割れや些細な裏切りから彼らの計画はどんどんと破綻してゆくのだった……。実話を基に、そんなずさんな犯罪によって人生を狂わせてしまった四人の若者たちを描いたクライム・サスペンス。本作の新しい点は、その強奪計画を実行した元犯罪者たち本人が登場し、彼らの当時の回想を随所に差し挟みながらストーリーを紡いでゆくところにある。リアリティをより強調する効果ももちろんあるのだが、それ以上に彼らの後悔と悔恨の念が痛いほど伝わってきて、「いったい何故に彼らはこんな、成功する確率がほぼゼロに近いような計画を実行に移してしまったのだろう」という率直な疑問が観客の好奇心を駆り立てる効果を生んでいる。なかなか考えられた、優れたアイデアだ。でも、映画の中の当時の彼らは誰もがこの計画は成功すると信じ切っているのが観ていて痛々しい。一度は中止したものの、彼らは次の日再び実行に移しているのだから愚かとしか言いようがない。そして、肝心の決行の日。当然のように次から次へと計画は綻びを見せはじめ、本を持って逃走を図ろうとするシーンなど滅茶苦茶すぎてもはや目も当てられない。映画の前半で彼らが妄想の中でスマートに計画を実行するシーンとのギャップが激しすぎて、思わず笑ってしまった。タランティーノよろしく、お互いを色のニックネームで呼び合うところなんてもはや馬鹿としか言いようがない。でも、若気の至りと言ってしまえばそれまでだが、青春って多かれ少なかれみんなこんなもんなんじゃないだろうか。やらないで後悔するよりやって後悔する方がいいなんて何かの歌の歌詞ではないが、彼らを単なる馬鹿と切って捨てられないのが本作の巧いところ。決して真似したくはないが、それでもこの無謀な若さは若干羨ましくもある。この先の人生の総てを、この一日に懸けた彼らのひりひりするような緊張感はそれでも本物だったし、これもまた一つの青春の形なのだ。今までにないタイプのクライム・ドラマとしてなかなか見応えのある逸品であった。
[DVD(字幕)] 8点(2020-01-03 02:33:31)(良:1票)
526.  REDCON-1 レッドコン-1 戦闘最大警戒レベル 《ネタバレ》 
謎のウィルス蔓延により、凶悪なゾンビが大発生したイギリス社会。発生源となった街の一画は軍によって隔離され、そこではゾンビと取り残された人間たちが日夜熾烈な争いを続けていた。そんな危険な地へとある日、各国より選抜された特殊部隊が送り込まれる。目的は、この地に取り残されたウィルス開発者である科学者を見つけ出し、生きたまま帰還させること。そう、彼こそが人類存亡の危機を救う希望の光だったのだ――。生ける屍たちに支配された絶望的な世界で、人類の存亡を懸けた極秘任務を担う兵士たちの決死のサバイバルを描いたゾンビ・アクション。そんないかにもB級感満載の本作、あまり期待せずに今回鑑賞してみたのですが、これがまあ何処にも新しいところのない、よくある凡庸なゾンビものでした。とにかくストーリーが一本調子で何の捻りもなく、ただひたすら退屈。けっこうお金がかかっていそうな映像も全体的にダサく、出てくる登場人物がどいつもこいつも魅力に乏しいのもマイナス・ポイント。あのアジア系の兵士が何故か常に日本刀を持っているのも寒い。また、やたらと無理やり感動に持っていこうとするストーリーも見ていて痛々しい限りです。結論。ヒマでヒマで仕方ないならまだしも、わざわざ時間を割いてまで観るもんではありませんでした。
[DVD(字幕)] 3点(2020-01-01 19:55:16)
527.  キラーズ・セッション 《ネタバレ》 
キラー・アノニマス――。それは生まれついての殺人鬼たちがマンションの一室に集まり、互いの経験や悩みを全て話し合うことで更生を図るという秘密の共助組織だ。心の中の暗い衝動を抑えきれない生来の殺人者たちは、今夜も秘密のセッションを行うため椅子を並べ始める。ところがその日、アメリカの次期大統領候補が狙撃されるという大事件が発生、街はほぼ戒厳令とも言える物々しい雰囲気に包まれていた。そして偶然にもこの日に初参加することになった新人殺人者。だが、メンバーの一人が彼女こそその暗殺未遂事件に関与しているのではないかと疑問を抱き始める。次第に疑心暗鬼に包まれ、不穏な空気が漂い始めるマンションの一室。近くのマンションの屋上で全てを見守る謎の男も加わって、事態は意外な方向へと転がり始める。果たして殺人者たちは無事にこのセッションをやり遂げることが出来るのか?猟奇殺人鬼たちのグループ・セラピーというエキセントリックな設定で描かれるクライム・サスペンス。ジェシカ・アルバ&ゲイリー・オールドマン共演ということで今回鑑賞してみましたが、これがまあ酷い出来の作品でした。明らかにタランティーノを意識して撮られたであろう作品なのですが、正直完成度としては雲泥の差。奇を衒っただけの意味不明な設定に何が言いたいのかさっぱり分からないストーリー、魅力に乏しい登場人物がひたすら議論する中盤なんか眠いったらありゃしない。むちゃくちゃしてやるぜと言わんばかりのクライマックスなんて、監督の独り善がりもいいところ。どうしてこんな程度の低い作品に、名優オールドマンが出ているのかさっぱり理解不能です。率直な結論を述べさせてもらうと、観るだけ時間の無駄の凡作というほかありません。
[DVD(字幕)] 2点(2020-01-01 01:14:32)
528.  ペイシェント・セブン 《ネタバレ》 
舞台はアメリカ郊外に佇む、とある精神科病院。重度の患者のみが収容されるという閉鎖病棟に、高名な精神科医が診察にやってくるところから物語は始まる。新しい著書の取材のために、ここに収容されている七人の重症患者たちのインタビューを行いたいというのだ。さっそく彼に指定された患者たちが一人ずつ連れてこられることに。ビデオカメラの前で自らの経験を語り始める、様々な病を抱えた精神病患者たち。その内容は、どれもにわかには信じがたい驚くべきものだった……。とある精神科病棟で語られる患者たち驚愕の回想を次々と描きだすサスペンス・ホラー。一応、一本の映画という体裁は取っていますが、これは幾つもの短編を集めたオムニバス・ホラーと言っていいと思います。患者たちの回想という形式で描かれるそれぞれのお話も、サイコ・スリラーからゾンビもの、悪霊憑きやヴァンパイアとバラエティ豊かで見ていて飽きさせません。まあ逆に統一感がないと言われるかも知れませんけどね。以下それぞれのお話の感想。①妄想に支配された母親に襲われる娘のお話。母親が妄想で見る怪物がけっこう気持ち悪くてグッド。②ハロウィンの夜に死体を持って歩きまわる猟奇殺人鬼のお話。殺人鬼の冷酷さと周りの浮かれキャラとのギャップが面白い。③ゾンビに支配された街で出会った男女のお話。女を助けた理由が実はゾンビ化した彼女の餌にするためだったというオチはありがち。④シャベルが欲しい女の子のお話。あらゆる方法でシャベルを手に入れようとする理由が…、いまいちよく分からない。⑤悪魔に取り憑かれた女の子のお話。主人公姉妹が可愛い。⑥社会に潜伏する吸血鬼を密かに退治するヴァンパイアハンターのお話。この中二病感が痛々しい。⑦またもやゾンビに支配された世界で逃避行をする親子のお話。率直に言ってありがち。んで、最後の大オチは主人公の精神科医も実は長年収監されていた患者だったという、これまたありがちなもの。と、まあそれぞれのお話自体は、何処かで何度も見たようなよくある話ばかりなのですが、全体的にそこそこ演出のキレもよく、映像もそこそこセンスあるんで最後まで普通に見ていられます。総評。暇潰しに観る分には、ぼちぼち楽しめるんじゃないでしょうか。
[DVD(字幕)] 6点(2020-01-01 01:01:24)
529.  スパイダーマン:スパイダーバース 《ネタバレ》 
映像は文句なしに素晴らしかったです!!でも、肝心のストーリーの方がしっちゃかめっちゃか過ぎてついていけませんでした!!
[DVD(字幕)] 6点(2019-12-30 21:36:01)
530.  ガルヴェストン 《ネタバレ》 
肺癌を宣告され余命いくばくもないチンピラ、ロイ。酒が原因で身を持ち崩し、恋人や親しい友人も次々と離れ、気がつけば自分一人になっていた。追い打ちをかけるように、地元のマフィアのボスに嵌められた彼は殺人犯として警察に追われる羽目に。そんな人生八方塞がりのロイが偶然出会ったのは、押し入った家に監禁されていた19歳の少女ロッキーだった――。誰にも頼らずただ自分の身体を売って生活していた彼女と、人生のどん底に居る孤独なチンピラ。何処にも居場所のない二人は、警察やマフィアの手を逃れ、ただひたすら逃避行を続けてゆく。途中ロッキーの実家に寄って彼女の妹だという3歳の女の子を道連れにした彼らが辿り着いたのは、アメリカのどこにでもあるような平凡な田舎町ガルヴェストンだった……。社会の片隅で残酷な運命に翻弄される孤独な少女とチンピラ、絶望の果てに彼らはいったい何処に辿り着くのか?今を時めく人気女優エル・ファニングが、そんな荒んだ生活を送る娼婦役に体当たりで挑んだ本作、これがなかなか見応えのあるヒューマン・ドラマの佳品に仕上がっていたと思います。とにかくこの全編を覆う息苦しいまでの閉塞感は観ていて辛いばかりなのですが、エル・ファニング演じる娼婦の今にも壊れてしまいそうな儚げな魅力が唯一の救いとなっています。どうやら幼いころから親に虐待されて育ったロッキー、彼女が妹の前では健気に笑顔を見せるところなど、その切実な思いが痛いほど伝わってきて胸が締め付けられそうでした。そんな二人が海岸で楽しそうに海水浴をするところはこの重苦しい物語の中で、唯一希望が感じられる美しいシーン。でもその後、物語は一気に加速してゆきます。どん底を這いずり回るような彼らを襲う、更なる過酷な運命。死んだ方がいい人間が生き残り、未来があるはずの人間が辿ることになる悲劇。正直、見れば見るほど気が滅入ってしまいそうなのですが、それでも最後、20年もの月日が過ぎ去った後に明かされる真実には微かな希望が感じられ、哀切な余韻を残してくれます。赤いドレスを纏い楽しそうに踊るロッキーの笑顔が、いつまでも心から離れそうにありません。人生の深い哀感を感じさせる、なかなかの良品でありました。お勧めです。
[DVD(字幕)] 7点(2019-12-29 02:46:16)
531.  ワイルド・ストーム 《ネタバレ》 
アメリカ西海岸に史上最大規模のハリケーンが襲来!!警察の主導で住民が次々と避難するなか、その危機に乗じて財務局に保管された6億ドルもの古い紙幣を強奪しようと企む者たちがいた。手薄になった警備の隙を突き、金庫がある建物を占領したプロの犯罪者集団。強固なセキュリティに手間取りながらも彼らは着実に計画を推し進めてゆくのだった――。一方、命からがら施設から逃れてきた女性警備員は偶然近くにいたハリケーンを研究する環境学者の協力のもと、なんとしても彼らの計画を阻止しようと立ち上がる。凄まじい暴風雨が吹き荒れる中、果たして彼らは無事に犯罪者たちの計画を阻止することは出来るのか?『ワイルド・スピード』や『トリプルX』でお馴染みのロブ・コーエン監督が迫力の映像でおくる、そんなクライム・アクション。まあ観る前からおおよその予想はついていましたが、かなりの大味作品でしたね、これ。何処かで見たようなストーリーと何処かで見たようなアクション・シーンのてんこ盛り。目新しい部分と言えば、ハリケーン襲来というディザスター・パニックものと現金強奪というクライム・アクションの融合ですかね。とはいえ、それもうまくいっているかと言われればそれほどでもなく、中盤からは脚本の粗も目立ち始め、クライマックスにいたってはもはや破綻していると言ってもいいくらいでした。主人公二人も恐ろしく魅力に乏しく、対する犯罪者集団もなかなかのアホっぷりで見ていて腹立ってくるくらい。最後のオチなんて投げっ放し感が酷くて、もはや見られたもんじゃありません。まあ映像的にはそこそこ迫力があったんで、ぎり5点ってとこですかね。
[DVD(字幕)] 5点(2019-12-29 01:30:25)
532.  アウトサイダーズ(2016) 《ネタバレ》 
イギリス郊外で犯罪と貧困の中に暮らす親子三世代のぎりぎりの生活を描いたクライム・アクション。演技派俳優マイケル・ファスペンダーが二人の子供の将来のためにひりひりするような犯罪を繰り返す父親役を好演しております。トレーラーハウスで今も一緒に暮らす父親の方針で幼いころから学校にも行かせてもらえず、いまだに自分の名前すら書けない彼。でも自分の子供たちにはそんな負の連鎖を引き継がせたくないと必死にもがくさまが、リアルな貧困描写と迫力のカーアクションとともに描かれています。確かに訴えたいテーマも分かるし、俳優たちもなかなか頑張っていたし、肝心のアクションシーンもキレがあって良かったと思うのですが、いかんせん脚本がいまいち練られていない印象を受けてしまいました。最初から最後まで、主人公たちが同じところを堂々巡りしているだけで、一向に物語が進んでいかないのです。そのままお話は大して盛り上がることなくクライマックスを迎え、普通に主人公は捕まって終わり……。うーん、もう少しこの物語に深みを持たせてほしかった。貧困の負の連鎖にもがく家族の苦悩はけっこうリアルに描けていただけに、肝心のストーリーの方がどうにも物足りない作品でありました。
[DVD(字幕)] 5点(2019-12-27 00:13:25)
533.  ボイス・フロム・ザ・ダークネス 《ネタバレ》 
イタリア郊外に建つ広い古城へと、住み込みで働くことになった看護婦ヴェレーナ。当主である没落貴族の一人息子ジェイコブが、半年前に母を亡くしてから一切話さなくなったので面倒を見て欲しいというのだ。誰にも心を開かず、父親はおろか誰とも会話しないジェイコブに最初は戸惑いながらも献身的に看護をするヴェレーナ。しばらくすると彼女はジェイコブの不穏な行動を目にするようになる。石造りの壁に耳をつけ、何も聞こえないはずの向こう側に何時間も耳を澄ませているのだった。どうやら病気で死んだ自分の母親の声が壁の向こうから聞こえてくると信じているらしい。調べてみると、この城の一画には一族の者が永遠の眠りに就く納骨堂があって、彼の母親もそこに納められていた――。自分の手には負えないとヴェレーナは城を去ろうとするのだが、依頼主である彼の父親はもう少しここに残って欲しいと懇願する。何故なら彼女が今はなき彼の妻に似ているからだという。閉ざされた空間で次第に惹かれ合ってゆく二人、すると更なる不可解な現象が家族を襲い始める…。閉ざされた城の中で暮らす心に深い傷を負った親子と、献身的に彼らをサポートする看護婦の不穏な関係を描いたゴシック・ミステリー。このいかにもなタイトルと設定、そしてパッケージ描かれたおどろおどろしいイラストに、「あー、きっとこれはごりごりのゴシック・ホラーなんだろうな」と観始めたのですが、実はこれって男女の関係性メインの恋愛ドラマよりの作品だったのですね。そうだとしてもなんだか心理描写が浅はかすぎて、とても見られたもんじゃありませんでした。哀しみのあまり口を利かなくなった少年も本当にただ黙ってるだけだし、妻を失い孤独に生きる彼の父親も子供を治したいのか新しい嫁が欲しいのかいったい何がしたいのかよく分かりません。挙句の果ては、特に心惹かれる展開もなかったのにいきなり彼と一線を越えちゃうヒロイン。え、まさかのヤリ〇ン設定?!(笑)。それに壁の中から聞こえてくる声という、中途半端にホラーっぽい描写をたまに入れ込んでくるのも鬱陶しくてしゃーなかったです。肝心の?エミリア・クラークのヌードもほんのちょっと出てくるだけで、しかもこれがなかなかのぽっちゃり具合でだいぶ残念!最後のオチにいたってはテキトー過ぎてもはや目も当てられません。うーん、何もかもが中途半端な凡作でありました。
[DVD(字幕)] 3点(2019-12-27 00:00:20)
534.  テリファイド 《ネタバレ》 
理屈では説明できないような不穏な事件が相次ぐ、アルゼンチンのとある街の一画。排水溝から突然聞こえてくる謎の声、風呂場で不合理な死を遂げる主婦、そしてバスに轢かれて死んだはずの少年は次の日、無残な姿となってリビングに座っていた――。自分の手におえないと判断した担当刑事は、その手の超常現象を専門的に研究する科学者たちに調査を依頼する。やって来た彼らは、すぐにこの一画の家々に禍々しい何かがあることを直感するのだった。不審な事件が起こったそれぞれの家に泊まり込み、独自に調査を開始する科学者たちと刑事。やがて、彼らはこの世のものとは思えない凶悪な何かと対峙することになる……。アルゼンチンを舞台に、そんな理屈では説明できない現象に巻き込まれる人々の恐怖を独自のセンスで描いた新感覚ホラー。何の予備知識もなく、ギレルモ・デル・トロがハリウッドでリメイクすることが決定したということで今回鑑賞してみました。いやー、なかなかに禍々しい映画でしたね、これ。一軒の家から始まった呪い?が次々と周りに感染拡大していくという、いわばアルゼンチン版『呪怨』のようなお話なのですが、一つ一つのエピソードがいちいち人の神経を逆なでするいや~~~な感じのものばかりで、見れば見るほどじわじわと背筋に冷や汗が拡がってしまいました。特に、墓場から戻ってきてリビングにただただ座ってるだけのあの腐乱少年!気持ちは分かるけど、お願いですからもう大人しく帰ってくださいって感じでしたわ(笑)。なんか本家『呪怨』にも似たようなキャラが居てましたけど、こっちはこっちでやーーーな感じですね。他にも角度によって見える異形のじじいだとか、戸棚の中から血を吸う化け物だとか、目にガラスが突き刺さったじいさんだとか、けっこう濃いキャラ揃ってます。呪いの拡大はもはや阻止できないという後味の悪いオチもベタですけど、ホラーとしてはあり。南米独特の乾いた空気の中に日本的なじめっとした恐怖を融合させようというこの試みは、確かに新感覚と呼ぶべき新しいもの。デル・トロのリメイク版も今から楽しみな、なかなかの掘り出し物でありました。うん、7点!
[DVD(字幕)] 7点(2019-12-26 23:26:52)
535.  フラットライナーズ(2017) 《ネタバレ》 
臨死体験をテーマにしたごりごりのホラー作品。ジョエル・シューマカーが監督し、人気若手俳優が多数主演したオリジナルは遥か昔に観たことがあり、その内容はほとんど覚えていないもののけっこう面白かった記憶があったのでリメイクとなる本作も今回鑑賞してみました。正直、これがまあ見るに堪えんレベルの酷い内容でした。しっちゃかめっちゃか過ぎる脚本に全く魅力に乏しい登場人物たち、後半になるにしたがってどんどんと面白くなくなるストーリーともはや誉めるところが見当たらない始末。主人公であるエレン・ペイジを途中で殺しちゃう意味が分からない。観るだけ時間の無駄の駄作と断言していいでしょう。
[DVD(字幕)] 3点(2019-12-21 20:38:12)
536.  リミット・オブ・アサシン 《ネタバレ》 
世界中で暗躍する巨大な犯罪組織、レッド・マウンテン。長年、その組織でプロの暗殺者として働いてきたトラヴィスは、去年の不幸な出来事により今は一線をしりぞき義父とともに穏やかな生活を送っていた。そんな彼に再び組織のエージェントが接触してくる。警察に寝返り重要な証言をしようとしているかつての仲間を速やかに始末しろというのだ。高額の報酬に惹かれ依頼を引き受けた彼は、さっそくターゲットが滞在しているという南アフリカへと飛ぶのだった。だが、警護を担当する女性捜査官の返り討ちに遭い、トラヴィスはあえなく命を落としてしまう――。心臓を撃ち抜かれ完全に死んだと思われたトラヴィス。しかし、組織の最先端をゆく科学技術のおかげで彼はすぐに復活を遂げるのだった。戸惑う彼に、組織の人間は更なる驚愕の事実を告げる。蘇生は一時的なもので、明日になれば彼の命は再び失われてしまうらしい。タイムリミットは今から24時間。果たして彼は無事にこの危機を脱出し生き延びることは出来るのか?復活した凄腕の暗殺者のぎりぎりの逃避行を国際的なスケールで描くクライム・アクション。イーサン・ホーク主演で送るそんなB級感満載のエンタメ作品、頭空っぽにして楽しもうと今回鑑賞してみました。と、思ったのですが、さすがに突っ込みどころが多すぎて、自分はいまいちノレませんでしたね、これ。だいたい設定に無理があり過ぎ!!死んだはずの暗殺者が復活するというのはまあ許容できるのですが、何故組織は彼に24時間で死ぬという安全装置を組み込む必要があったのでしょう?腕に分かりやすくデジタル表記の残り時間を表示させるというのもサービス満点すぎちゃいまっか(笑)。対する彼も、何故わざわざ自分を殺そうとした女性捜査官を全力で守ろうとするのか意味不明。アクションもけっこう頑張っていたとは思うのですが、なんか全体的にキレが悪く、後半になるにしたがってどんどんとショボくなってしまうのが残念過ぎます。特にクライマックスのグダグダ具合は見ていて痛々しいレベル。なのより致命的なのは、この命のタイムリミットという設定がほとんど活かされていないところ。最後の続編作る気満々のオチにいたっては、あまりにテキトー過ぎて思わず苦笑しちゃいました。イーサン・ホーク&故ルトガー・ハウアーの渋さに+1点!
[DVD(字幕)] 5点(2019-12-20 22:52:47)
537.  0:34 レイジ 34 フン 《ネタバレ》 
いつだって甘いロマンスに目がない今どき女性、ケイト。ハリウッドセレブが多数参加するパーティーへの招待状を貰うため、彼女はなんとしても今日中に友人の家へと行かなければならなかった。急いで近くの地下鉄の駅へとやってきた彼女は、終電間際のホームへと何とか滑り込む。時計を見たら、終電到着まであと8分。安心した彼女はそのままベンチに座り込むと、酒を片手にウトウトしてしまうのだった――。気付いた時にはホームに人の姿はなく、何処をどう捜しても職員すら居なくなっていた。そればかりか入り口は全て施錠され、外に出ることすらままならない。不安にさいなまれるケイト。そんな時、ホームへとやって来た一台の無人の地下鉄。藁にも縋る思いでケイトはその電車へと乗り込んでしまう。だが、彼女は知らなかった。その電車の行き先が、不条理な恐怖が待ち受ける悪夢のような世界だということを……。何処にでもいる平凡な女性が迷い込む、そんな恐怖の一夜を描いたサスペンス・スリラー。明らかに低予算作品、なおかつお話自体もよくあるシュチュエーション・スリラーながら、演出のキレがけっこう良くて僕はぼちぼち楽しめましたね、これ。何がいいって、やぱこの終電以降の地下鉄ホームという舞台設定。酔っ払って終電を逃してしまい何度もホームで途方に暮れた経験のある自分としては、この「始発までどうやって過ごそう……」という絶望感はすんごくよく分かります(笑)。その後も、どでかいドブネズミが大量発生したりとか、無機質な明かりに煌々と照らされた通路にいつの間にか血の跡がついていたりとか、死亡フラグ立ちまくりのジャンキーカップルのお約束の展開とか、ベタながらなかなか面白かったですよ。全体に漂うこの不条理感もけっこう好みだし、映像的にもいいセンスしてたんじゃないですかね。まあ、あのよく分からないモンスター出現以降は急速に失速しちゃいましたけど。それに最後のオチもちょっと投げっ放し過ぎますね。と、中身はほぼないですけど、全体的にはまあまあってとこでした。結論。お酒の飲み過ぎにはくれぐれも注意しましょう(笑)。
[DVD(字幕)] 6点(2019-12-19 22:48:50)
538.  インサイド(2016)(レイチェル・ニコルズ主演) 《ネタバレ》 
私が手伝ってあげるわ、あなたが赤ちゃんを産むのを――。不幸な事故により、聴力と最愛の夫を失ってしまった妊娠中の女性サラ。高性能の補聴器を頼りに、遺された一軒家で独り暮らす彼女にとって、何とか無事に育ってくれたお腹の赤ちゃんだけが希望の光だった。だが、辛い思い出が残るこの家を手放し新たな地で再起を図ろうとした矢先、その“女”がやってくる――。雨が降り続く人通りの少ない夜、サラは突然家に押し入ってきた見知らぬ女によって恐怖のどん底へと叩き落されてしまうことに。何とかバスルームへと逃げ込んだものの、頼みの綱である補聴器は壊れて役に立たなくなってしまう。しかも、サラは女によって出産を促す薬を投薬され今にも陣痛が始まりそうになっていた。果たしてこの女は何者なのか?女の真の目的とは?そして、サラは女の魔の手から抜け出し、無事に赤ちゃんを出産することが出来るのか?謎の女に追い詰められ、恐怖の一夜を過ごすことになった女性を描いた不条理系サスペンス・スリラー。明らかに低予算で撮られたであろう、そんなよくあるワンアイデア・ワンシュチュエーションのB級作品なのですが、これがまあ設定に無理がありまくりで僕は全く物語に入り込めませんでした。だいたい一軒家に自分一人しか居ないのに、家のポストに鍵を入れて寝るというこの妻の神経がおかしすぎます。百歩譲ってそういう詰めの甘い女性だったとしても、一度不審者が現れて警察まで呼んだのなら、さすがに鍵は回収しましょうよ。また、途中で何度も警察が現れるのですが、こいつら揃いも揃って無能すぎ!女一人に簡単に騙され、しかもわざわざ殺されるために一人になるというぼんくら具合。無線で助けを呼んだのに、警察の応援がいつまで経っても一向に駆けつけてこないというのもおかしすぎます。途中、主人公が間違って自分の親を殺してしまうというシーンも胸糞悪いだけで物語上何の意味もないですし。そして、最後は無事に赤ちゃんを産んでめでたしめでたし……。何?この取って付けたような薄っぺらいハッピー・エンド。うーん、正直観る価値はなかったですね。
[DVD(字幕)] 4点(2019-12-17 21:51:43)(良:1票)
539.  ロスト・マネー 偽りの報酬 《ネタバレ》 
街の悪党の事務所から200万ドルが奪われた。周到に準備をし犯行に及んだのは、ハリーをリーダーとするプロの犯罪者集団。だが、彼らはその日、致命的なミスを犯し、警察に追われる羽目に。追い詰められた彼らは警察と激しい銃撃戦を行った挙句、奪った金もろとも炎上し全滅してしまうのだった。奪われた金は、実は街の悪党がこれから政治の表舞台へと繰り出すための重要な金だった――。なんとしても金を取り戻したい悪党たちが目を付けたのは、ハリーの遺された妻ヴェロニカ。哀しみに暮れるヴェロニカに、彼らは一カ月以内に奪われた金を全額返せと無茶な要求をしてくる。犯罪者の妻とは言え、それまで平凡に生きてきた彼女に当然払えるあてもない。藁にも縋る思いでヴェロニカが考えた方法。それは、夫のノートに遺された次の犯罪計画を自ら実行に移すこと。ヴェロニカは夫とともに死んだ犯罪者集団の遺された妻たちに連絡を取り、とある大物政治家の裏金を奪うという計画を推し進めていくのだったが……。へまを犯し虫けらのように死んでいった夫たちのケツを拭くために、遺された“寡婦たち”が無謀な犯罪へと挑む姿を描いたクライム・サスペンス。監督は前作『それでも夜は開ける』でアカデミー賞の栄誉に輝くスティーヴ・マックイーン。主演には、リーアム・ニーソンをはじめとする人気俳優が多数出演しております。このいかにもベタな邦題とリーアム兄貴を前面に押し出したパッケージとでいかにもB級感満載の本作なのですが、これがどうしてなかなか完成度の高い犯罪ドラマの逸品でした。この商業主義に走りまくった日本の配給会社の宣伝手法には猛省を促したいですね。だいたいリーアム・ニーソンなんて開始五分で速攻死んでしまうんですから。ドラマはその後、追い詰められた未亡人たちのひりひりするような犯罪計画を丁寧に描いていくのですが、この考え抜かれたであろう脚本は見事な出来映え。三人の遺された妻たちもそれぞれにキャラが立っており、彼女たちが八方塞がりの自らの人生を何とかして立て直そうともがくドラマは見応え充分でした。途中であっと驚く展開を見せるストーリーにも見事に騙されましたし。典型的な人種差別主義者である悪徳政治家親子を演じた、コリン・ファレル&ロバート・デュバルもいい仕事してます。二転三転するクライマックスにも素直にハラハラドキドキ。男の身勝手さにそれぞれの方法で決然と立ち向かおうとする彼女たちには最大限の賛辞を贈りたい。うん、充実した映画体験をさせていただきました。
[DVD(字幕)] 8点(2019-12-17 20:39:58)
540.  プーと大人になった僕 《ネタバレ》 
大人になり、一児の父となったクリストファー・ロビン。第二次大戦にも従軍し、復員後は一般企業に就職した彼も社会の様々な荒波に揉まれ、もはや夢見ることすら忘れてしまっていた。そんな折、所属部署に突如として持ち上がったリストラ計画。コスト削減を実現できなければ、数名の社員を削減しろという上司からの命令に彼は頭を悩ませていた。週末の娘たちとのバカンスもやむなく延期せざるを得ず、次第にギクシャクしていく家族。すると、100エーカーの森の奥深くから、彼の“古い友達”がやってくるのだった――。何もしないことを頑張る癒し系キャラクター、クマのプーさん。世界中から愛される、この元祖ゆるキャラとも呼ぶべきディズニーアニメの古典を最新の映像技術で実写化したという本作、監督がわりかし好きなマーク・フォースターということで今回鑑賞してみました。リアルな戦場描写やままならない理不尽な現実を容赦なく描く冒頭部分から、単なる子供向けではないことをアピールする本作のスタンスにはなかなか好感が持てましたね。そうして現れるクマのプーさんのぬいぐるみっぽい造形も、リアリティをぎりぎり損なわない愛くるしさで良かったと思います(若干怖いときもあったけど笑)。なによりこのクマのプーさんを主人公の子供のころのイマジナリー・フレンドのように描くストーリーがノスタルジックで大変いい。そう、生きるための生活にいつしかしんどさを覚えた時なんかに、ふと子供のころの無邪気で楽しかったときを思い出すようなこの感覚はすごく良く分かります。ノートの切れ端なんかに夢中で書いた、いま読むと拙いばかりの絵物語を懐かしく読み返してみたくなるときってたまにありますもんね。ただ、これは仕方ないとは言え、途中からこのクマのプーさんたちが普通に実在の存在として周りの人々と関わり始める展開になっちゃうところが僕的には残念でした。最後まで、このお父さんと娘にしか見えないイマジナリー・フレンドのように描いてくれた方が物語上しっくり来たと思うのですが。まあそうしちゃうと、このクマのプーさんという存在自体否定しちゃうことになっちゃうので、ディズニー的にもそれは無理ってものかな。うん、ぼちぼちってとこでした。余談だけど、はちみつでべとべとのクマプーを娘のベッドに寝かすのはどうかと思うぞ(笑)。
[DVD(字幕)] 6点(2019-12-15 01:28:33)(良:1票)
010.05%
190.48%
2492.62%
31266.73%
424713.20%
532717.48%
648425.87%
732817.53%
821511.49%
9713.79%
10140.75%

全部

■ ヘルプ
© 1997 JTNEWS