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イニシャルKさんの口コミ一覧[この方をお気に入り登録する

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541.  真夏のオリオン 《ネタバレ》 
潜水艦と駆逐艦の戦いを描いた戦争映画で、「ローレライ」に比べるとSFじみた描写もなく、あの映画よりは真面目に作ってあるという印象を受け、それなりには話もしっかりとしていて面白く見られる。しかしやはり玉木宏が艦長というのは若くて顔立ちが整っていて爽やかすぎで違和感があるし、潜水艦内の雰囲気もまったりとした雰囲気で緊迫感がなく、また艦長が部下に対して敬語を使うのはおかしいし、艦長の回天に対する考え方なども小学生用の教材映画かと思うくらいに分かりやすすぎる描き方、悲壮感もあまりなく、とくに期待をして見たわけではないが、物足りない部分も多いし、敗戦直前の日本軍と米軍の戦いを描いた映画としてもリアリティーがない。鈴木瑞穂の回想が始まって以降は現代のシーンはなく、戦時中のシーンばかりになるが、その途中でまた違う回想が入るのは「切腹」などでも見られる手法。ただ、うまく機能しているかと言えばそうでもなく、なんか中途半端な印象で、言いすぎかもしれないが出番の少ない北川景子の出番を増やしたいがためにこういう構成になったのかなと思う。こういうのをなくしてもっと男臭いつくりにしても良かったのではないか。
[DVD(邦画)] 5点(2020-08-09 15:53:20)
542.  スチームボーイ STEAM BOY 《ネタバレ》 
「AKIRA」を久しぶりに見たからついでにと今まで未見だった本作をようやく見てみた。公開当時はかなり宣伝に力が入ってたことを覚えている。大友克洋監督の構想9年というオリジナルアニメ作品であるが、まったく期待しないで見たせいか見る前に思っていたほどつまらなくもなかった。しかし、どこにでもあるような冒険活劇アニメの域を出ておらず、これのどこに9年もかけたのかは疑問で、(時期的に「メモリーズ」のすぐ後くらいから企画が始まってる?)普通に頼まれ仕事のプログラムピクチャーと言われれば信じてしまいそうないたって普通のアニメという印象しかない。それにストーリーが分かりやすいのはいいのだが、その代わり映像的なインパクトも薄く、そこにだいぶ物足りなさを感じた。(映像自体はクオリティ高く丁寧で美しいだけに残念。)酷評されている有名芸能人による吹き替えもとくに酷いといわれている中村賀津雄を含めてそんなに気にならなかったが、児玉清だけはしゃべるたびに本人の顔がちらついてしまった。でも、それ以前に主要な登場人物に誰も感情移入できるキャラがいなかったのが致命的で、これはキャラを魅力的に描けていないのが原因ではないか。最後のほうはやや酷評になってしまったかもしれないが、最初にも書いたように変な期待をしなければそれなりには見れる映画にはなっていると思う。
[DVD(邦画)] 5点(2020-08-07 21:35:56)
543.  ONE PIECE エピソードオブアラバスタ 砂漠の王女と海賊たち 《ネタバレ》 
「ワンピース」は原作もテレビアニメも一切見たことがなく、この映画でまったくはじめて見た。原作にあり、テレビシリーズでも一度やったエピソードを劇場用にリメイクしたとのことだが、たぶん原作やテレビシリーズで何話もかけたであろう話を無理矢理90分に押し込んだ感じで、展開が異様に早く、これ原作やアニメ何話分なんだろうと思いながら見てしまった。全編新規映像とのことだが全編に渡ってテレビシリーズのダイジェストにしか見えず、(シリーズにまったく触れたことのない初心者にそう思わせるのってどうなのだろうか。)ネタがないのでとりあえず作りましたみたいなスタッフの志の低さが伝わってくる出来で、はっきり言って駄作である。感動作と謳っているが、同じ話をテレビシリーズでずっと見てれば泣けるんだろうがこのような状態の映画だとイマイチ感情移入しづらく感動もできない。また作りも雑な感じで、完成度もテレビアニメ並に思う。ただ、声優の演技は安心して見ていられるのでそこでちょっと救われてるかな。原作もアニメも知らないから悪役イメージの強い家弓家正が悪役ではないのはちょっと意外な感じがする。それにしても田中真弓が今でも長期アニメの主役を演じているのは子供の頃から彼女の声を聴いて育った(クリリン、きり丸、パズー、ワタル、半平太など。)身としてはなんだか嬉しい。
[DVD(邦画)] 3点(2020-07-28 22:48:25)
544.  激走戦隊カーレンジャーVSオーレンジャー〈OV〉 《ネタバレ》 
最終回を迎えたばかりのシリーズとその1つ前のシリーズ、2つの戦隊の共演を描くスーパー戦隊のVシネマの一つ。この作品ではカーレンジャーとオーレンジャーの共演が描かれているが、カーレンジャー本編をYouTubeの公式配信で見ているので本作もとりあえず見てみた。脚本はカーレンジャーのメインである浦沢義雄(噂には聞いていたがカーレンジャーはこの人らしいシュールなギャグ全開のコメディ作品で見ていてつい笑ってしまう。)だが、やはりこの作品もテレビシリーズまでとはいかないがカーレンジャーらしさは思ったより出ていたと思う。この手のクロスオーバーものにおける「VS」というのは「共演」という意味で使われるもので、本作でもそうなのだが、序盤で初対面した2戦隊が誤解から本当に戦ってしまうのは面白かった。(このシリーズ、いつもこうなのか?)オーレンジャーの司令官である三浦参謀長(宮内洋)がただの一般人に過ぎないカーレンジャーに特訓を課すシーンもコミカルに描かれ、オーレンジャーを見ていない自分でも参謀長がカーレンジャーの作風に染まってしまっているのがなんとなく分かる。(なんせ、宮内洋だからね。)でも、カーレンジャーにオーレンジャーがゲストで登場してる体の作品だが、カーレンジャーの一篇として違和感なく見られる一方、オーレンジャーがレッド以外はなにか脇役然としているのはテレビ本編を見ていない自分でもちょっと気になったかな。こういう部分を考えると脚本は浦沢義雄ではなく、2シリーズともに関わったことのある人のほうが良かったような気もする。
[DVD(邦画)] 6点(2020-07-18 23:55:13)
545.  嫌われ松子の一生 《ネタバレ》 
「下妻物語」があまりにも予想外に面白い映画だっただけにどうかなあとあまり期待を持たずに見た。運命に翻弄される女性の波乱に満ちた53年間の生涯を描いた作品で「下妻物語」のようなバカバカしさや軽さといったものは若干抑えられてる感じがするものの、不幸のどん底にたたき込まれた主人公 川尻松子(中谷美紀)の物語をことさらに悲劇性を強調するでなく、逆に明るいエンタテイメントとして描ききるというのが斬新。普通に考えれば失敗してもおかしくないのだが、この映画はそれでいて一代記ものドラマとしての見ごたえもじゅうぶんあるという只者ではない映画になっていて、まだ見るのは2本目ながら中島哲也監督のうまさを改めて感じられる。ストーリーのほうはもう松子が父親(柄本明)から愛されたい一心で変な顔をするという序盤からもう切なくなり、松子にこの時点でかなり感情移入してしまった。その後もとにかく必死で愛を求める松子の姿が切なくてたまらないのだ。そんな彼女の最期はとてもあっけないものだった(でも、元教師らしい最期だ。)が、ラストの階段を昇り切った彼女が、出迎えた妹(市川実日子)の「おかえり」という言葉に対して「ただいま」と返す。この瞬間、不覚にも泣いてしまった。下の方も書かれているが、これが松子にとって本当の幸福を手に入れた瞬間だろう。これをハッピーエンドというのかは人によると思うが、個人的にはハッピーエンドだと思いたい。ミュージカルのようにたくさんの楽曲が使われているが、中でも「まげてのばして」が冒頭から効果的に使われており、特に印象的。このラストシーンで松子がこの歌を歌いながら階段を昇っていくシーンも泣けて仕方がなかった。松子を演じる中谷美紀も素晴らしく、撮影中は中島監督との対立が激しかったようだが、その要求によく応えて名演技をしていて、まさにこの女優だからこそこの松子といういかにも不幸で魅力にもちょっと乏しいようなキャラクターをここまで魅力的に表現できるのではないかと思う。本当に見てよかったと思える映画だった。本作は人によっては好き嫌いははっきりと分かれるかもしれないが、邦画新時代の新しい女性映画の傑作として高く評価したい映画である。
[DVD(邦画)] 8点(2020-07-09 17:32:18)(良:3票)
546.  ゲド戦記
過去の宮崎アニメの焼き直しのようなキャラクター(ヤックルのような動物に乗るハイタカの風貌、竜に変身するテルーなど)とかキャストも田中裕子や菅原文太など宮崎アニメに出演経験のある役者が多く起用されており、(倍賞美津子なんて「ハウルの動く城」で姉である倍賞千恵子を起用したから取り合えず出してみただけという感じがするし。)明らかに父である宮崎駿監督の作品を必要以上に意識しすぎたような作品になっているような気がする。初作でいきなり個性を発揮しろとは言わないが、もう少しオリジナリティーのある作品にしてほしかった。ストーリーもあまりに説明不足で突っ込みどころが多くつまらない。キャスティングについては特に言いたいことは無いが、田中裕子が演じたクモだけは喋りだすとエボシ御前のように聞こえてしまい見ていて違和感があった。音楽や主題歌、挿入歌はなかなか良かったと思う。それにしても、いくら駿監督の息子とはいえ、アニメに全く関わったことのない人を話題性だけでいきなりこういう大きな作品の監督に起用してしまう鈴木Pには驚く。いくら後継者問題が深刻とはいえ、やっぱりある程度経験を積ませてからでも遅くなかったんじゃあないかな。
[DVD(邦画)] 3点(2020-07-01 22:41:32)
547.  空飛ぶゆうれい船 《ネタバレ》 
作画スタッフに宮崎駿が参加していることで知られる東映動画製作のアニメ映画。あまり期待はしてなかったのだが、思ったより面白かった。しかし、後半はなんかご都合主義な感じだし、ラストもなんか盛り上がりに欠ける。このあたりは小学生の頃に見ていたら楽しめただろうなあという気がする。それにしても、劇中何度か流れるボアジュースのCMはインパクトありすぎ。鑑賞後、何日かするとこのCMしか記憶に残ってなさそう。
[CS・衛星(邦画)] 6点(2020-06-29 23:42:41)
548.  ジャッカー電撃隊 《ネタバレ》 
「秘密戦隊ゴレンジャー」の後番組として始まった「ジャッカー電撃隊」の劇場用ブローアップ版。このシリーズは再放送とかなかったので「ゴレンジャー」と違いあまり馴染みがないせいか今見ても特別感慨深いものはないのが残念だが、敵に人質にされる少年がやたらカーマニアだったのはちょっと笑えた。ジャッカーの基本メンバーは4人でメンバーが5人や3人のほかの戦隊と比べるとやや数が中途半端に思うがそのリーダー格である桜井五郎(スペードエース)を演じるのが丹波義隆というのはビックリ。これで司令官が丹波哲郎だったらチームの印象が違うだろうなあ。
[DVD(邦画)] 5点(2020-06-27 12:24:30)
549.  秘密戦隊ゴレンジャー 火の山最後の大噴火 《ネタバレ》 
黒十字軍の幹部である火の山仮面マグマン将軍とゴレンジャーとの最終決戦を描いたエピソードの劇場用ブローアップ作品。今まで声だけだった総統が顔を出しており、声を演じていた安藤三男がそのまま引き続き演じてるのだが、これに関してはこれ以前のエピソードを完全に覚えていないのでなぜこうなってるのかよく分からずちょっと違和感を感じた。ゴレンジャーが挑む黒十字軍の要塞の名前がナバローンというのは明らかに「ナバロンの要塞」のもじりで、そのまんまのような気もするけど面白かった。「そんな技は通用しない。」とゴレンジャーを追い詰めていた火の山仮面だけど、最後はあっさりしすぎな上に間抜けすぎて唖然。まあ、そんなバカバカしさが「ゴレンジャー」らしくもある。
[DVD(邦画)] 5点(2020-06-24 19:15:30)
550.  哀しい気分でジョーク 《ネタバレ》 
内容的にはかなり重苦しいのだが、たけし演じる主人公の芸人・五十嵐洋のキャラクターが「ビートたけし」そのままなので、重い話だが、そんなに肩に力を入れず、軽い気持ちで見られるのがいいし、それでいてちゃんと泣かせどころは心得ていて、ラストの飛行機の中で息子が死んでしまうシーンでは分かってはいてもジーンとさせられた。「グリーングリーン」が劇中で何度か歌われているが、このシーンではメロディーのみが流れるというのも捻った演出でいい。(死んだ息子の前でたけしが歌うのかと思っていたら、少し違った。)ただ、後半シドニーに行くまでのシーンをもう少し丁寧に描いたほうがよかった気がしないでもないし、シドニーについたらついたでいきなり観光案内のテロップが表示されまくるのはちょっと興ざめ。とはいえ、たけしを当時の本人とだぶらせるようなキャスティングは成功していると思うし、たけしの監督作品である「菊次郎の夏」の原型のようなものも感じられる。(あちらはこの映画ほど重くなく、コメディー色がかなり強いのだけど。)「女王蜂」でのあまりにも下手くそな演技が逆に印象に残ってしまっている中井貴恵もこの映画ではそこそこうまくなっていて、普通にいい演技をしていたのが印象的だった。ベタな映画だが、見て良かったと思えた映画だったので少し甘いかもしれないが7点を。
[DVD(邦画)] 7点(2020-06-20 13:07:13)
551.  太陽を盗んだ男
長谷川和彦監督の第2作。長谷川監督の前作である「青春の殺人者」は前半のインパクトに対して後半がダラダラだったし、本作も賛否両論があるみたいな感じだったので期待せずに見た。主人公の教師がなぜ原爆を作ったのかとか、そういう背景は一切描かれていないし、ストーリーもめちゃくちゃで荒唐無稽としか言い様のないもので、退屈なシーンも少なくないが、単純に娯楽映画として見る分には思ったより面白かった。主演の沢田研二と言えば深作欣二監督の「魔界転生」で演じていた天草四郎役が強烈に印象に残っているが、本作でも「原爆を作ってしまう理科教師」というインパクトのある役を演じていて印象に残る。長谷川監督は胎内被爆者であり、この主人公が自ら作った原爆によって被爆し、原爆症に苦しむシーンもちゃんと入っているあたりに長谷川監督の反核メッセージのようなものも感じられた。対する刑事を演じる菅原文太はまだヤクザ映画の雰囲気が抜けていない感じ。「王選手のホームラン」などは少し時代を感じてしまうものの、製作当時である70年代の雰囲気がなかなか良かった。それから忘れてはいけない、バスジャックする老人を演じる伊藤雄之助。出番は少なく、またこの頃はもうかなり晩年だったと思うけど、やはり本作でも出てくるだけで強烈な個性と存在感を発揮していて印象に残る演技を見せている。
[DVD(邦画)] 7点(2020-05-21 22:39:55)
552.  サマーウォーズ 《ネタバレ》 
田舎の雰囲気はいいし、登場する一族の面々もいい味を出していて、この一族の絆はよく描けていたと思う。しかし、それがどうもネット上の仮想空間で起こっている事件との釣り合いがうまくいっていないように思うし、面白いんだけど、なにか詰め込みすぎな感じ。細田守監督初のオリジナル作品ということだが、終盤は「デジモンアドベンチャー ぼくらのウォーゲーム!!」そっくりの展開で、正直、もっと頑張ってほしいと感じた。それでも、栄の部屋の黒電話や、何度も出てくる一家全員で食卓を囲むシーンなどレトロ感がよく出ている演出がいいし、有名芸能人による吹き替えもそんなに気にならなかった。(これは普段テレビを見ないせいで、馴染みのある人が少ないせいもあるのだが。)とくに、栄を演じた富司純子がよく、アニメ声優として見るのはおそらく初めてだと思うけど、素直にうまいと思えた。見終わってとくに何かが残る映画かと言われれば正直微妙な気がするのだが、栄が家族に宛てた手紙を読むところは思わずジーンとさせられる。侘助というキャラクターは伊丹十三監督がモデルだそうだが、「お葬式」での山崎努と同じ名前なので、やはりオマージュなのだろう。さっきも書いたけど、仮想空間の混乱と田舎のある一族の絆を描くというのにちょっと無理を感じるし、どちらか一方だけをテーマに据えたほうがよかった気もするが、おそらくヒット要素として仮想空間の混乱を描いているのだろうけど、二つの要素を混ぜたことでドラマとしての深みがそれほど感じられず、個人的には仮想空間での事件という要素はなくてもよかったんじゃないかと思う。(そうなると地味すぎる映画になってしまうが。)あまり自分の評価は高くないけど、はっきり言って「時をかける少女」のほうがドラマとしての見ごたえはあったと思う。さらにいえば、細田監督は東映アニメーションの出身なので、オリジナル作品を作るとどうしても東映アニメーションの少年ジャンプ系アクションアニメ的な要素が入ってしまうのかもしれない。ところで、小惑星探査機が原発に落下しそうになるクライマックス、東日本大震災後の今見たらなんか現実の原発で起こっていることと妙に重なってしまって少し怖かった。(このシーンを理由にしばらくこの映画のテレビ放送はないかも。)
[DVD(邦画)] 6点(2020-05-17 16:29:21)(良:1票)
553.  時をかける少女(2006)
とても丁寧に作られている印象のアニメで、なかなかの佳作だと思うけど、先週、大林宣彦監督版を見たばかりなのでいけないことだと思いつつもつい比べながら見てしまい、そうすると何かが物足りなく感じてしまった。大林版をあまり意識しないほうが楽しめたかも。ただ、主人公のおばとして登場する芳山和子の存在が大林版を先に見ているとちょっと嬉しかったりもする。
[DVD(邦画)] 6点(2020-05-17 16:26:27)(良:1票)
554.  切腹 《ネタバレ》 
十数年ぶりに見たが、まず冒頭からもう一気に見る者を引き込む橋本忍の脚本のうまさによってグイグイと物語に引き込まれるし、主人公 津雲半四郎(仲代達矢)の口から語られる身の上話が仲代の熱演により相当な説得力を持っていて、飽きさせず、緊張感が最初から最後までずっと持続するので全くだれることがなく見入ることができる。半四郎が武士の面目が上辺だけのものとなったと批判するのは今の世の中に当てはめてもじゅうぶんに通用する。クライマックスの大立ち回りにより出た死傷者に対する勘解由(三國連太郎)の対応はおそらく現代であれば批判の矢面に立たされるであろう。このシーンこそ小林正樹監督がこの映画で言いたかったメッセージがもっともストレートに出ていると感じる。実は初めて見た時はそれまで静かに進行していた物語がこのクライマックスの半四郎の大立ち回りによって分断されてしまったような印象があったが、このシーンを見せるためには必要な展開だと今回見て思った。後半の半四郎と彦九郎(丹波哲郎)との決闘も迫力があり、見ごたえじゅうぶん。(クライマックスの大立ち回りよりこの決闘のほうが印象に残る。)求女(石浜朗)の竹光による切腹シーンは初めて見たときも強烈に印象に残ったが、久しぶりに見てもそのリアルな痛々しさが見ているこちらにも伝わってくる。あまたの時代劇映画の中でも歴史に残る名シーンだ。こんなところも本作が評価される所以かもしれないが、もちろんそれだけではなく、権力組織の慢心や傲慢さを鋭くついている内容で、ドラマとしても完成度が高く、名作とされている理由がよく分かるし、個人的にもそう思う。無論、仲代達矢、三國連太郎、丹波哲郎といった出演俳優の熱演もこの映画の完成度を高めるのに貢献しているのは言うまでもない。(2013年1月10日更新)
[CS・衛星(邦画)] 9点(2020-05-16 11:57:32)
555.  狼よ落日を斬れ
三隅研次監督の遺作映画となった松竹の大作時代劇。三隅監督の映画を見るのがかなり久しぶりなうえ、遺作でしかも三隅監督はこういう大作を手掛けているイメージがないため見る前から不安のほうが大きかったのだが、案の定まとまりを欠く大味な映画という印象はあるものの、退屈せずに最後までそこそこ面白く見ることができた。幕末から明治初期にかけての四人の男の生きざまが描かれていて、それを演じる高橋英樹、緒形拳、近藤正臣、西郷輝彦の四人の圧倒的な濃さが映画を引っ張っていくわけだが、もうこれだけで男の映画という感じがするのがいい。でも、ドラマとしては物足りない部分が多く、題材は魅力的なのになにかもったいなく思えてしまい、それが三隅監督も自作映画の中で唯一クレジットされてる脚本にあるのかは分からないが、同じく三隅監督が手掛けていても、大映であれば違った映画になっていたかもという思いはある。メインの四人の中では緒形拳演じる中村半次郎の存在感がとくに抜群だが、彼が慕う西郷隆盛を辰巳柳太郎が演じているのは、この二人の実際の関係を役にダブらせているようで面白い。高橋英樹と松坂慶子はこの前年の加藤泰監督の「宮本武蔵」でも相手役として共演していて、おそらく松竹としてはこの時期、このコンビで売り出したかったのではないかと勘繰ってしまう。
[DVD(邦画)] 6点(2020-05-15 22:21:09)
556.  西鶴一代女 《ネタバレ》 
溝口健二監督の映画もかなり久しぶりに見る気がする。そんな本作は溝口監督が一躍国際的に名が知られるきっかけとなった名作として知られているが、始まって早々に溝口監督らしい力強い長回しに一気に引き込まれた。田中絹代演じる主人公 お春がお経の声に導かれるようにして羅漢堂に入っていく最初のシーンからもうすでにただならぬ雰囲気を感じるし、もちろん、溝口監督ならではの映像美もこの冒頭からよく出ている。物語はこのお春の転落人生を描いているわけだが、溝口監督は一切の妥協を許さずにこのお春という女の人生を描き切っているし、それに見事に応えた田中絹代のすごさ。ここにこの名コンビの真骨頂があるのではと思えてならない。お春の人生の転落ぶりは最初の高貴な身分から最後は夜鷹までと凄まじいものがあるのだが、そこに描かれているのは封建主義の理不尽さとそれに立ち向かう女の強さだ。冒頭の勝之介(三船敏郎、溝口映画にも出てたんだ。)との身分違いの恋からお春の怒涛の人生は始まっているが、これをはじめとしてお春の人生にはこの封建的な世の中の空気というものがついてまわっていたように思う。とくに輿入れした松平家でのエピソードにそれがよく出ており、あれだけ苦労して探した(この嫁探しのシーンがユーモラスに描かれていて笑える。)嫁であるお春を世継ぎが生まれたらもういらないとばかりに実家に帰したりするのは理解できないし、その子が殿様になるころにまたお春を呼び戻すのも虫が良すぎる感じ。そしてクライマックス、目の前を通り過ぎる殿様になった我が子を「私はあの子の母親です。」と後を追おうとするお春の姿は演じているのが田中絹代とあって思わず「陸軍」のラストシーンがオーバーラップしてしまうが、こちらもやはり切なかった。そんなお春が年を取るごとに美しくなっていくように見えるのだが、やはり溝口監督はお春の強さを美しさと比例させて描いているのだろうか。とくに下の方も書かれているように回想を終えたお春が倒れるシーンの田中絹代の美しさは尋常ではないものがあり、すごく印象的だった。最初に書いたように久しぶりに見る溝口監督の映画だったのだが、間違いなく映画史に残る名画であり、素直に見て、いや、出会えて良かったと思えるような映画だった。
[DVD(邦画)] 9点(2020-05-14 23:29:54)
557.  祇園の姉妹(1936)
溝口健二監督の映画は三本目。前に見たのが「雨月物語」と「近松物語」という日本が世界に誇る名作二本で実際にとても素晴らしい作品だったのでこの作品には少々不安もあった。確かに「雨月」や「近松」には及ばないと思うところもあるもののこれもやっぱり名作だと思う。宮川一夫が撮影担当でない作品は初めてだったのだが、やっぱり撮影監督が違ってもこの監督の作り出す映像はとても美しく、つい見入ってしまった。主演の山田五十鈴が当時19歳と若く、後年の黒澤作品などで見せる凄みのある演技とはまた違った初々しい演技を見せているのがとても印象的だった。
[CS・衛星(邦画)] 8点(2020-05-07 10:47:32)
558.  座頭市鉄火旅 《ネタバレ》 
シリーズ15作目。今回は市の仕込み杖があと一人斬ったら折れてしまうという衝撃の設定。なのでシリーズではちょっといつもと違う印象の映画に仕上がっていて面白かった。ドラマ重視のつくりで夢の中で杖が折れて市が斬られるというシーンは杖があと一回しか斬れないことへの市の恐怖心がよく出てるシーンでとても印象に残った。そしてなにより刀鍛冶を演じる東野英治郎が味のあるいい演技を見せていて市に仕込み杖の事を話すシーンや娘のことを話すシーンなど市とのやりとりのシーンがいい。その娘を演じる藤村志保も先週見た「座頭市喧嘩旅」より今回のほうが良かったと思うし、「座頭市喧嘩旅」と同じ安田公義監督が手がけていることも興味深いところであるが、いずれにせよ今回のほうが話としても面白くみごたえがあった。クライマックスの今回の殺陣シーンは市の仕込み杖に関する話だっただけにいつもよりもよけいにカタルシスが感じられるものとなっていてシリーズの中でもとくに印象に残る。またシリアス目のストーリーの中にあって市のとぼけた表情や、コミカルな仕草、水前寺清子や藤田まこととのやりとりが雰囲気を和ませているところも良かった。
[DVD(邦画)] 8点(2020-05-05 17:31:17)
559.  皇帝のいない八月 《ネタバレ》 
自衛隊のクーデター事件を描いた松竹の大作映画。あまり馴染みのない山本薩夫監督の作品だが、政治ドラマとしても見ごたえがあり、ただのパニック映画とはなっていない。しかし、背景がやや分かりづらく、政治ドラマが面白く描かれている一方で、乗っ取られたさくら号の緊迫感などはあまりうまく描けていないと思った。また渡瀬恒彦、吉永小百合、山本圭の三角関係は列車内でのドラマとしてやりたいのは分かるのだが、どうも場違いな印象があり、このテーマだけで一本別の映画を作ったほうがいいのではないかと思ってしまった。(余談だが、「新幹線大爆破」では犯人側だった山本圭がこの映画では乗客役というのがなんともいえないなあ。)それよりもほかの乗客たちの人間模様を中心にドラマを作っていったほうがよかったのではと思う。それでも三國連太郎が鈴木瑞穂を拷問するシーンや滝沢修演じる総理大臣と佐分利信演じる黒幕との関係などは実際にありそうだなあと思わせていて妙にリアルに感じた。そうそう、さくら号の乗客として出演している渥美清(旅の途中の寅さんを見てるみたいだ。)と岡田嘉子のやりとりはなんだか見ていて和む。そういえばこの映画、「男はつらいよ」シリーズのマドンナ役やゲストで出た人も何人か出てる。太地喜和子と岡田嘉子が出ているので、もし宇野重吉も出てたら「男はつらいよ 寅次郎夕焼け小焼け」が見たくなってしまう。
[DVD(邦画)] 6点(2020-05-05 13:09:40)
560.  GHOST IN THE SHELL 攻殻機動隊 《ネタバレ》 
原作知らないし、押井だからストーリーもわけ分からんだろうと思いながら見たら、やはりストーリーがやや複雑ではあったが、けっこう面白かった。ニセの記憶を刷り込まされた清掃員が哀れ。
[CS・衛星(邦画)] 8点(2020-05-04 13:49:04)
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