541. ブロークン(2008)
《ネタバレ》 映像面の美しさ故、B級感の薄いB級ホラーと言った感じか? ストーリー的には特に斬新ではなく、ラスト近くの解説的シーンはなくても理解可能かと。あれがなければ、もっと謎めいた感じに持っていけそうな気がするけれど、逆に、そう作ったら解りにく過ぎてダメかな? 制作年度の近い類似作品では「ミラーズ」があると思うのだけれど、良く似たコンセプトなんだけど、予算と映像感覚が違うと出来上がりにはこんな感じの違いがありますよ、って思いましたね。 個人的には、こちらの方が好きかな。 [DVD(字幕)] 7点(2010-04-11 10:08:41) |
542. ダウト ~あるカトリック学校で~
《ネタバレ》 確かに熱演ですね。才能と才能のぶつかり合いとも言えましょうか。映画的エンターテインメントとは少し異なる趣です。 結局、真実はどうだったんでしょうね?私は神父は正しかったのでは、と思えてなりません。シスター・アロイシスは決して勝ってはいない。むしろ、そこには敗北が見えてなりません。でも、それこそ神父の思う壺?う~ん、これって難解? ただ、現実って何でも難解。ストレートに、現実は理屈では語れないよ、って言われてるような気もする1本でした。 [DVD(字幕)] 7点(2010-04-10 20:22:15) |
543. 戦場からの脱出
《ネタバレ》 見応えのある1本。クリスチャン・ベールをはじめとする出演者たちの体当たり演技には脱帽です。 生への執着、人はそれなしには生き残れない。ただし、それだけでも生き残れない。更にそこに希望がないと。そんなテーマの作品と受け取りました。 ただ、残念ながら、生き延びた者とそうでない(おそらく)者の違いが明確ではなかった。生きる希望の部分がもう少し丁寧に描かれていれば、と思えてしまう。例えば、主人公は何故パイロットになったのか、何故入隊したのか、そこは説明されているけれど、両親や婚約者の姿が見えてこない。糞尿にまみれ、幼虫を貪り食ってでも生き延びようとする執念の源がはっきりしない。そのあたりに少し違和感を覚えました。 それから、戦場を舞台にしていても、ベトナム戦争そのものには全くと言っていいほど触れていない。つまりは反戦映画でもなんでもない。そこにも違和感を感じたのは私だけかなぁ…? もうひとつ。邦題はそのまんますぎでは?原題直訳の方が良くないかなぁ? [DVD(字幕)] 7点(2010-03-29 02:45:39) |
544. レイクビュー・テラス 危険な隣人
《ネタバレ》 サミュエル・L・ジャクソンさんは、優しいオジさんも怖いオジさんも見事に演じ分けますね。この作品は怖いオジさん。 この厳格な父親は超人格者?と思いきや、悲しい過去から歪んだ黒人至上主義者になってしまってたんですね。運悪くその隣家に移り住んでしまった若夫婦。こちらはこちらで、白人の夫(決して劣等感を感じなければいけない経歴じゃあない)と彼を見下す黒人の妻の父親。 いやはや、似たような背景の人間が隣り合わせになったもんです。当然、安穏な生活が待っているわけはない。お話の展開は早いですね。どんどんエスカレートする警官の行動。警官であるだけに余計にたちが悪い。恐ろしいです。 全体的にテンポ良く進んで行きますが、山火事のお話は必要だったのかなぁ?ラストのあっけなさ(普通だったら警官が絶対有利?)に「あれれ?」という印象も受けるかも。 とは言え、人種差別(なのかな?)に対してひとひねりある、まずまず見応えある作品でした。 [DVD(字幕)] 7点(2010-03-23 02:19:00) |
545. ターミネーター4
「3」がいまひとつだっただけに、これは面白かったです。シリーズをきちんと把握してないと、全体の流れが理解出来ないのはこの際当然だし、ちょっと都合の良過ぎる展開も娯楽作品だからまぁいいでしょ。単純に肩の力を抜いて楽しめる作品でした。真剣にタイムトラベルものとして考えると、ちょっと不満は残りますけどね。 シリーズ全体に言えるんですけどね、「時間」っていうのはそういうもの?「運命論」のひとつとして受け止めればいいのかな? [DVD(字幕)] 7点(2010-03-22 06:59:59) |
546. 519号室
《ネタバレ》 邦題は同時期に製作された、何となくコンセプトが似ている(私は全然違うと思いますけど…)メジャー作品に似せたもの? もっとも、原題は同名作品が多いので邦題で一工夫するのは無理もないですけど…。 コンパクトにまとまった良いホラーだと思います。幽霊が思いっきり実態を伴うのが潔い。ちょっと物理的に現世に作用し過ぎなのは、いかにも西洋の幽霊ということで御勘弁をといったところか? 亡くなった母親の苦しみが「そこまで?」というぐらい度を越しているところとか、主人公がいつも緩慢な感じなところとか、いくつか気になるとこはありますけど、ホラーとしてのポイントはしっかり押さえていて、まずまず愉しめるので7点献上です。 [DVD(字幕)] 7点(2010-03-22 06:53:10) |
547. バンコック・デンジャラス
《ネタバレ》 素直に面白かったと思えた作品。パン兄弟の創り出すこの雰囲気には、ニコラス・ケイジのヒットマンは「あり」だと思う。金の為なら何でもやる極悪非道のヒットマンじゃなく、彼なりに仕事は選んできた。だからこそ、これから別の人生を歩もうと引退を考えている。そんな感じに人物設定されている。やっぱ、ニコラスさんのキャラじゃ悪人は難しいし。 「弟子」もヒロインも、皆優しさに満ちている雰囲気。対して、ターゲットは一人を除いて悪党ばかり。「誰かにとって」じゃなくって「万人にとって」の悪党。これだけ状況設定しちゃったら、もう「普通の」ヒットマンものじゃなくなっちゃうでしょうね。 私は、これはこれで「あり」だと思いますよ。ニコラスファンなら文句なしだろうし、そうじゃなくても十分に楽しめる娯楽作だと思います。 そして、ラストシーンは作品的にはあぁしか出来なかったのでしょうね。というか予定調和的に。真面目に考えたら、政治家暗殺未遂場面のあの状況で逃げおおせたんだから、何とでも出来るだろうし。その悲しさの表現が、少しばかり力技だったかな? [DVD(字幕)] 7点(2010-03-15 02:45:23)(良:1票) |
548. パニッシャー:ウォー・ゾーン
《ネタバレ》 そもそもが暗い背景の物語。だから、すっきり楽しめる訳もなく、ここはガンアクションのオンパレードってところを楽しむしかないでしょ。 冒頭の襲撃シーンからド派手。情け容赦ない処刑ぶりはある意味痛快。現実として捉えたら、とんでもなくグロイですけどね。 いろんな作品を観ていくうちで、たまにこういうのも観ておきましょって感じです。まぁ、家族を殺されたからって何でもやっていいってわけじゃないけどね。その辺は、日本の「必殺シリーズ」の方が少し道徳的かな?あ、道徳を語るなら、はじめっから観ちゃダメ? [DVD(字幕)] 7点(2010-03-14 13:04:59) |
549. ECHO エコー
《ネタバレ》 新しいですね。所謂「残留思念」じゃなくて、ここではそれが「音」。ヒロインの仕事が「音」に関するものなんですね。だから、音が謎の突破口になっていく。別に超能力者じゃあない。そこがまた良いです。どちらかっていうと、オカルトやホラーじゃなくて「オーロラの彼方へ」と似たテイスト。 地味なヒロインですけど、それがまた直向さを表現していて好感が持てます。 それにしても大がかりな「あやとり」みたい。よくぞ、その手法に気付きましたね。アイディア勝負の1本でした。 [DVD(字幕)] 7点(2010-03-14 12:05:57)(良:1票) |
550. その男ヴァン・ダム
《ネタバレ》 なんたって原題は「JCVD」ですからん、そりゃもうヴァンダム一色! でも、なんだか情けないオヤジになってるぞ。どうしたヴァンダム!テレビ東京推奨?のヴァンダミング・アクションはどうした!そんな強盗一気に蹴散らせ!と、とにかく自然とエールを送りたくなります。 途中出て来るタバコを落とす蹴りと、最後に強盗にくれてやる蹴りはやっぱり流石のキレ。寂しげだけど、なんかカッコいいな、ヴァンダム。 単なるセルフパロディじゃなく、演出的にも一工夫凝らし、十分楽しめる作品でした。 [DVD(字幕)] 7点(2010-03-14 01:49:06) |
551. ランボー/最後の戦場
民族紛争という我が島国ニッポンには今ひとつ現実味が沸かない内容も、ここまで徹底的に軍事政権を「悪」として描き切ることで無理やりにも憎悪感を煽られる。そこをベースにアメリカ万歳的な戦いっぷり。正直言って痛快です。勿論、現実的には何も考えずに殺されていくミャンマー兵だって一人ひとりの人生があって家族があって…でも、そんなことなど考える間もなく積み上げられていく死体の山。これが戦争なのですね。この短い作品、かなり見事に現実を描いていると思います。単に娯楽作品としても見ることも出来るけれど、ここはひとつスタローンさんなりのメッセージに耳を傾けても良いのではないでしょうか? それにしても、稀に見るリアルな殺戮シーンですね。ただ、あんな対物兵器で生身の人間を射撃したら、実際にはもっと悲惨だと思いますけれど。それじゃ視覚的に酷過ぎるから抑えたのかな? [DVD(字幕)] 7点(2010-02-24 02:09:54) |
552. パラノーマル・アクティビティ
《ネタバレ》 低予算で爆発的興行収入。頷ける作品ではありました。洋画でありながら、恐怖の手法は「怪談」ですね。「ホーンテッドマンション」じゃなくって「お化け屋敷」です。だから、地味でSFXも何もないのに、お約束どおりの展開なのに怖い。良く出来てます。 ただ、不満なのは主観映像。過去の主観映像作品でも、KY的に撮り続けるカメラマンはウザかったけれど、今回は恋人同士、2人っきりなのに、彼女に「やめて!」と言われても撮り続ける彼はバカ丸出し。「ボクが守る」とか言っちゃって、丸腰で危険に向かって行くし、不法侵入されて警察呼ばないばかりか証拠を掃除しちゃうし、怪我してる彼女を病院にも連れてかないし、彼女が必死で握り締めてる十字架燃やしちゃうし…最低の男を演じきってくれてます。 つまりは、演出的にはすごく頑張ってるんだけど、脚本が弱いのかな?主観映像の使い方をもっと工夫して効果的に使うとか、2人が警察も呼ばずにじっと耐えざるを得ない状況を観る者に納得させるとか、もっと良作になる道はあると思います。 それにしても、悪魔ネタだったのね。オチがある程度見えてしまうのもちょっと残念。 [映画館(字幕)] 7点(2010-02-07 01:10:53)(良:1票) |
553. インサイド・マン
《ネタバレ》 面白いとは思います。でも、疑問が解けない。てか、もう少し説明が欲しい。 そもそもインサイドマンは誰?別に公開しないでもいいからヒントぐらい欲しいな。それともヒントは既に出てる?ラストの迎えの車の後部座席右端の男?いかにも帽子がヒントっぽいけど。でも、だとしたらいささか不親切では?それと、ダルトンのビデオは潜伏中に撮ったってこと?何のために?結局、その辺りを考えさせるのも作り手の目的なのかな? 全体的にその手の謎(って言っていいのか分からんけど)が多過ぎて減点ですね。 [DVD(字幕)] 7点(2009-11-03 20:03:45)(良:1票) |
554. デッド・フィッシュ
《ネタバレ》 同じドタバタコメディでも、やっぱりハリウッド作品とは違うテイスト。ワタシ的には結構ハマりました。 テンポ早いしストーリーは単純明快。だけど、ちょっとキャスティングを揃え過ぎてるのは反則気味かな?無名の役者ばかりで、これだけ面白く出来たら+2点献上なのに…。 とは言え、有名俳優がそれぞれに持ち味を出してるから、それなりに納得出来る1本です。 [DVD(字幕)] 7点(2009-11-03 19:15:44) |
555. 26世紀青年
《ネタバレ》 邦題が邦題だから全く期待しないで観た作品。でも、これがなかなかに面白い。 パロディなんでしょうね、これ?でも、大してそれを意識する必要もなく普通に楽しめます。 これって、設定では500年後だけど、実は現代そのものって言いたいんだろうなぁ…。 [DVD(字幕)] 7点(2009-11-03 17:27:09) |
556. スティクス ~冥界の扉~
《ネタバレ》 B級には違いないんだろうけれど、観終わった後素直に面白かったと思えた作品。 ある意味お約束のオチかもしれないけど、ちょっとだけヒネリがあってワタシ的には好きだなぁ。同種の作品が数多い中、新作にとっては厳しいジャンル。良く頑張ったと思いますよ。 ただ、この結末をすんなり受け入れられるかと言うとちょっと疑問。やっぱ違うんじゃないの、あなたの行き先は?って感じかな? それから、邦題の副題はダメでしょ! [DVD(字幕)] 7点(2009-11-03 17:06:23) |
557. ブラインドネス
《ネタバレ》 ヒロインの行動、人々の行動、そして人間の性の描き方…どれを取っても感情移入出来ず不満爆発、後味悪いことこの上ない。 ただ、制作者は敢えてこの表現、この展開を選択したことは間違いなく、この作品を良く評価するか否かは、全てその選択に共感するかしないかに尽きるといった感じです。確信犯的とでも言えばいいのでしょうかね? いずれにせよ、非常に宗教的感覚に溢れた作品。SFエンターテイメントとか単純なホラーとして観てしまうと制作者の意図が霞んでしまいますね。 [DVD(字幕)] 7点(2009-10-04 02:48:42) |
558. イーグル・アイ
既に多くの皆さんの御指摘のとおり、いろんな有名作品のプロットを詰め込んで、調理し直したような作品ですね。 でも、その調理の仕方が上手い。だから、判っていながらも楽しめてしまう。全体の構成バランスも、話の流れも実に良く出来てると思います。 2時間の作品を飽きさせずに楽しませるって、実に大変なことだと思うんですよ。B級作品の多くが90分以内ってのは、ある意味、長尺にしたくとも出来ない弱みってのがあるんじゃないかな? この作品は当然B級モノじゃないですけど、類似のアイディアも調理しだいでこんなになりますという典型という感じ。 ま、それを担保する大資本も必要なんですけどね。 [DVD(字幕)] 7点(2009-09-23 11:25:05)(良:2票) |
559. セクシー・ボディ・スナッチャーズ
《ネタバレ》 まともそうなフランクは結構、てか、かなり間抜けだし、間抜けそうなエディは意外とまとも。そんな2人が美女の死体を担いで右往左往。ライトな感覚のブラックコメディですね。大笑いは出来ないけれど結構楽しめます。ま、最後のまとめ方は随分と力技ですけどね。 それにしても、特殊な処理でもしてなきゃ臭いだろうなぁ… 観ていてそればかり気になってしまった。 [DVD(字幕)] 7点(2009-09-14 01:01:55) |
560. リボルバー(2005)
《ネタバレ》 冒頭、ジェイソンの髪型に引いてしまった?でも、元がカッコいいと何着てもOK。んなわけで、この作品はジェイソン万歳ってとこで「ありえね~~~~!」部分にもしっかり目を凝らして楽しみましょ。 (追記) 上のレビューが2009年にDVDで初見のレビュー。意味不明な6点。今回CSで見直したら全く別の印象だった。てか、なんだ前回のレビュー。我ながらヒドイ。まるで見当違いで「ネタバレ有」って何が? なかなかに評価の分かれる作品ですよね。前半のクライムサスペンス的緊張感ある展開。ジェイソンひと暴れか?と思いきや抑えた演出。え?アクションじゃないの?髪の毛生えてると弱いの?みたいな。 でも、アニメーションが登場するあたりで転換。あらあらあら?この演出は??そして、不治の病が誤診だったところで再転換。あり金失い呆然としてクルマの窓に激突。ここから別モノ的演出が始まる。実は死んでました系作品かと思わせるが如き展開。監督は楽しみ過ぎじゃないの?クライムサスペンスがサイコミステリーにチェンジ!そのくせ、冷酷な殺し屋が優しいオジサンになってあり得ない暴挙に出たりとか。混乱の極み。しかも、混乱は収斂することなく幕を引く。 という訳で、観直して書き直したレビューの結論。この作品は監督のお楽しみの果てに産み落とされた。だから、観る方もどうぞご自由に。こう観れば良作、あぁ観れば駄作。決めるのはあなたです。レイの気合いの入った演技に見惚れたので、前回より1点アップの7点献上です。 [CS・衛星(字幕)] 7点(2009-08-20 02:53:42) |