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S&Sさんの口コミ一覧[この方をお気に入り登録する

プロフィール
コメント数 2374
性別 男性
自己紹介 〈死ぬまでに観ておきたいカルト・ムービーたち〉

『What's Up, Tiger Lily?』(1966)
誰にも触れて欲しくない恥ずかしい過去があるものですが、ウディ・アレンにとっては記念すべき初監督作がどうもそうみたいです。実はこの映画、60年代に東宝で撮られた『国際秘密警察』シリーズの『火薬の樽』と『鍵の鍵』2作をつなぎ合わせて勝手に英語で吹き替えたという珍作中の珍作だそうです。予告編だけ観ると実にシュールで面白そうですが、どうも東宝には無断でいじったみたいで、おそらく日本でソフト化されるのは絶対ムリでまさにカルト中のカルトです。アレンの自伝でも、本作については無視はされてないけど人ごとみたいな書き方でほんの1・2行しか触れてないところは意味深です。

『華麗なる悪』(1969)
ジョン・ヒューストン監督作でも駄作のひとつなのですがパメラ・フランクリンに萌えていた中学生のときにTVで観てハマりました。ああ、もう一度観たいなあ・・・。スコットランド民謡調のテーマ・ソングは私のエバー・グリーンです。


   
 

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541.  メメント 《ネタバレ》 
その奇抜なアイデアで映画史に名を残したクリストファー・ノーランの出世作。10分経つと記憶が消えてしまうガイ・ピアースの記憶を遡って行くストーリーテリングはあまりにも有名になっています。この記憶を遡って行くストーリーが、なんというかまるで後ろ向きにどんどん歩いているときに感じるような居心地の悪さに通じるところがあります。ラストからリヴァースしてみると実は単純な物語だという指摘もありますが、それでも未熟者のわたくしには理解しきれないところが多々あります。以下、激しくネタバレいたしますので、悪しからず。 最初に観たときには、妻を殺したのは実はガイ・ピアース自身だったという解釈だったのですが、観直してみるとなんか違うように感じました。これはサミーの話がレナードの作り話だと土壇場でテディに明かされてからのすっ飛ばすようなストーリーテリングに影響されていることは間違いないです。正直な感想このあたりの展開は非常に判りにくい。最後まで(つまりこの物語の始まり)観ればテディ=ジョン・ギャメル=刑事だということが理解できるが、その前の記憶をたどってゆく(つまり冒頭で刑事と名乗ったテディが写真を撮られた以降、ああ、ややこしい)シークエンスでは彼は自分が刑事であることをほのめかすことすらしないのはなぜなんだろうか。こうなってくると、レナードが保険調査員だったという過去も果たして真実なのかアヤしくなってきます。テディやナタリーなどのレナード周囲の登場人物が、10分しか記憶が続かないレナードを自分たちの利益のために利用していたということだけはかろうじて理解できましたけど。とは言ってもレナードがテディを殺す動機はイマイチ理解できてませんけど。 近年の研究では人間の記憶というものは、本人が自己防衛のために改変しているということが定説となってきています。自分の記憶さえそんないい加減なものならば、アイデンティティとはいったい何なんだろうか、という疑問すら湧いてきます。この哲学的な命題を巧みに織り込んだのがこの映画だと言えるでしょう、観終わって決してスッキリした気分にはしてくれませんが。
[CS・衛星(字幕)] 7点(2019-10-24 17:36:33)
542.  パーフェクト ストーム 《ネタバレ》 
なんせ監督は『Uボート』のウォルフガング・ペーターゼンでっせ、ハリウッドに進出して職人監督としての評価を得た彼がまたやりたかったのは、まさにこういう「海・波・男」の三拍子がそろった企画だったに相違ありません。そう考えると、ジョージ・クルーニーが船長の漁船はUボートそのものだし、操業中に起こるエピソードや悲劇的な結末は『Uボート』のストーリーの焼き直しというか進化版だと思うのは考えすぎでしょうか。今風に言えば、欲の皮突っ張らせた男たちが自滅したのは自己責任、それが職務だったとはいえ犠牲になったレスキュー隊員が可哀そう、なんて感想もあるんでしょうね。まあそんなこと言ってたら映画やエンタテインメントは成り立たなくなってしまいますけど。 まあとにかくCGの進化によりここまで凄いハリケーン描写ができるようになったというのは、素直に拍手したいです。この映画なんかは全編の四分の三はロケを含めての海上シーンなんですから、とくにハリケーン遭遇中のシーンは映画館で観ていたらマジで船酔いしたんじゃないかと思います。ラストのマーク・ウォールバーグが一人で大荒れの海上に浮かび上がってくるところ、この映像からは人間という存在の自然の前でのちっぽけさとウォールバーグの絶望感がダイレクトに伝わって怖くなりました。 日本では平成以降に台風に遭遇して漁船が遭難したというニュースを聞くことが稀になってきました。太平洋は広いうえ台風が発生して北上始める海域は日本からはかなり距離がありますからね。それに比べてハリケーンはカリブ海や大西洋の北米大陸近海といった遥かに狭い海域で発生するので、この映画の様に逃げ切れずに遭難する漁船が多いのかもしれません。冒頭とラストで映るグロースターで追悼碑に刻まれた海難死した漁師の多さには驚かされます。
[CS・衛星(字幕)] 7点(2019-10-18 23:29:49)
543.  ハマーヘッド 《ネタバレ》 
60年代に山ほど製作された007亜流映画の中の、現在ではほとんど忘れられた一編です。なんでこんな珍品がCSで放映されたのかというと、『ワンス・アポン・ア・タイム・イン・ハリウッド』公開記念でタランティーノがチョイスした60年代映画を放送する企画の中の一作だったから。まあタランティーノは「俺はこの映画が好きだ」とは語っているけど、決して「これは隠れた傑作だ」とか「万人うけする」とかは一言も言ってないので、念のためお断りしておきます。 まず題名のハマーヘッドとはこの映画の悪役ボスの名前です。これだけで『ゴールドフィンガー』を思い浮かべてしまいますが、ハマーヘッドを演じるピーター・ヴォーン(60・70年代の英国映画で活躍した名バイ・プレイヤー)からしてゴールドフィンガー=ゲルト・フレーベそっくりの風貌ですから、もう狙っています。対するのはヴィンセント・エドワース演じる諜報員チャールズ・フッドというわけですが、とにかくこの映画はフッドやハマーヘッドの素性についてほとんど説明がないので、まるで上映途中から映画館に入ったような気分にさせられます。初っ端に見せられるいかにも60年代風の前衛アート集団の乱痴気パフォーマンスでフッドと出会った不思議ちゃんとしか言いようがない娘が、その後まるで背後霊みたいにフッドに付きまとうところがこの映画のヘンなテイストになっているんです。舞台がリスボンになってからもフッドとハマーヘッドの間にご都合主義で入り込んでくるし、「そんなに世界が狭いわけないじゃん!」と突っ込みたくなります。この娘ジュディ・ギーソンは最初からウザくて堪りませんが、だんだん愛らしく感じてくるのが、この女優さんの力量なのかもしれません。フッドも大してケンカは強くなく、スパイのくせして銃を撃たないどころか手にすることもなく、おまけにストーリー展開もダラダラしてるので映画館で観ていたらきっと睡魔に負けてしまったでしょう。まあいちばんこの映画でヘンだと言わざるを得ないのは、ハマーヘッドは移動にヘリを使うのですが、そのヘリが決して着陸せずハマーヘッドを衣装ダンスみたいな箱に入れてウィンチで降ろすところでしょう。 タランティーノのB級映画愛は判るけど、ここまで来ると凡人には付いてゆけないなあ…
[CS・衛星(字幕)] 3点(2019-10-16 23:36:34)
544.  最前線物語 《ネタバレ》 
この映画は、戦争映画としては低予算だけどサミュエル・フラーが手掛けた作品ではもっともバジェットがかけられているみたいです。これもプロデューサーであるロジャー・コーマンの弟ジーンの手腕の成せるわざでしょう。ほとんど全編がイスラエルでロケされていてイスラエルが魔改造したスーパーシャーマン戦車をイスラエル軍から調達してドイツ戦車として登場させています。もちろんそれらしい雰囲気は皆無ですけど、この戦車は近くで見るととても元がシャーマン戦車とは思えない重厚さ、映画で使われるのは珍しいので貴重です。 この映画は、じっさいに第一歩兵師団にカメラマンとして従軍したサミュエル・フラーの経験をもとにしたオリジナル脚本の映画化で(中盤では従軍カメラマン役でフラー本人がカメオ出演しています)、たとえとしてはヘンかもしれないけど言わば戦争映画版ロードムービーという感じです。この師団にアメリカ参戦時に所属して終戦まで生き残れば北アフリカとヨーロッパを巡る旅を経験したことになるわけです。主役はもちろんザ・軍曹とも言うべきリー・マーヴィンなわけですが、相方みたいな位置づけでドイツ軍にもシュレーダーというナチスに凝り固まった下士官がいて、つねに同じ戦場で相まみえていたというのが面白い。まあ思想的なことや国籍は違うけど、マーヴィン軍曹もシュレーダーみたいに殺しはしないけど部下には必要あらばかなり非情になれる男ではあります。前大戦でのトラウマをシュレーダーの命を救うことで克服するラストは、ここにこそフラー脚本の妙が凝縮されていると思います。 戦車の中での出産や精神病院でのエピソードそして強制収容所での哀しい別れなど、随所にフラーらしさが見られるストーリーテリングでした。血なまぐさいシーンもあるけれど、不思議な詩情に満ちた戦争映画だったと思います。
[CS・衛星(字幕)] 8点(2019-10-12 23:49:24)
545.  殺人の追憶 《ネタバレ》 
「あのファソン連続殺人事件の犯人がDNA鑑定によって特定された!」というビッグ・ニュースが飛び込んで来て、この事件を元ネタにした本作を思い出して鑑賞。 正直前半はもうイライラさせられっぱなし(実はむかし観たときは、それに耐えられず五分でギブアップさせられました)、でもウルトラマンに出ていたころの若き日の毒蝮三太夫みたいなソン・ガンホ刑事のアホ捜査ぶりにはだんだん笑うしかなくなってきたのが不思議です。この刑事たちの愚行よりある意味凄いのは警察組織自体のオンボロさで、いくら田舎警察と言っても死体発見現場の現状保存ぐらいふつうするでしょ?もうすぐソウルでオリンピックが開かれる頃のお話しなのにねえ。この映画の愚行の中でいちばん笑える祈祷師にお伺いをたてるエピソードも、実話に基づいているというのもサプライズです。その警察の動きにチョン・ドファン政権時代の社会情勢を絡ませる描き方はちょっと言い訳じみているけど素直に上手いなと感じました。列車やトンネルの使い方も巧みだし、俳優たちの熱演を上手に引き出せたストーリーテリングだったと思います。 この映画は実話ものというよりも実話をもとにした独自の情念劇と観るのが正解でしょう、でもその問題提起するパワーはかなりのレベルだと思います。いちばんの皮肉は、この映画が世に出たころには真犯人とされる人物はとっくに刑務所の中だったということでしょう。
[CS・衛星(字幕)] 8点(2019-10-07 21:26:40)
546.  デス・ウィッシュ 《ネタバレ》 
今やカルト映画のリメイクが趣味というか生計の糧としている印象があるイーライ・ロス、今回選ばれたのは『狼よさらば』というわけです。チャールズ・ブロンソンが演じたポール・カージーをブルース・ウィリスが引き継いでビジネスマンから外科医にキャラも変わっています。で、どういう感じだったかと言えば、予想通りの可もなく不可もなしとしか言いようがない凡作でした。 イーライ・ロス印のエロやグロそして情け容赦なさがえらくおとなしい。これは観る前から何となく予想してたら見事に的中、その理由は『グリーン・インフェルノ』や『ノック・ノック』と違ってロスがプロデューサーじゃない、つまり雇われ監督だったってことです。冒頭のカージーの妻と娘が襲われるシークエンスはオリジナルの方がよっぽどエグい、ロスが好きなように撮っていたらトンデモない映像になっていたのでは。結末もオリジナルとほとんど変わっていないといっても、この監督にしては異例のハッピーエンドなのは凄く期待外れ。カージーの出来の悪い弟フランクというキャラも、実は悪のサイドの人間でついにはカージーに成敗されるという展開かと思いきや、どんどんキャラ変してゆき最後は普通のイイ人で終わってしまうというのはある意味がっかりでした。だけどこの映画でいちばん文句が言いたいのはブルース・ウィリスで、その容姿は最近のジョン・マクレーン刑事そのまま、エリートで平和主義者の外科医という雰囲気にはほど遠い。少しはキャラづくりという努力をしてくれないとねえ、「世界一ついてない刑事がシカゴでまたドンパチやってる」としか見えません。 というわけで、イーライ・ロスの才気がまるで感じられない凡作でした。
[CS・衛星(字幕)] 4点(2019-10-04 22:22:56)
547.  グランド・イリュージョン 見破られたトリック 《ネタバレ》 
監督を中国系に変えて(この後に『クレイジー・リッチ!』を撮った人)チャイナマネーを呼び込み、シリーズ化させる気は満々とお見受けいたします。内容もますます『ミッション・インポッシブル』風味が強まり、いやというか『キングスマン』シリーズを意識してきたというのが正解かも。この四人のマジシャンと元FBI捜査官はここまで来ると完全に謎の組織のエージェントですね。今回は風呂敷を広げ過ぎたおかげで前作どころじゃないツッコミどころの多さで、ここに寛大な心で臨めるかどうかがこの映画を愉しめるかのカギとなります。私は思ったより自分が広い心を持ってなかったと反省する次第です(笑)。その中であえてひとつ言わせていただければ、「催眠術、最強かよ!」というところでしょうか。いやはや、ここまでくればまさに魔法、いやほとんど超能力といった感じです。ほんとアントニオ猪木じゃないけど「催眠術があれば何でも出来る~1・2・3、ダァー!」と叫びたくなりました(笑)。 昨今のSNS全盛ご時世、YouTuberとして人気を呼べれば犯罪者も義賊になれそうという流れを皮肉るのがこのシリーズ脚本の隠れた意図かとも思いましたが、そんな深いこと考えてるわけないですね(笑)。
[CS・衛星(字幕)] 4点(2019-09-30 22:41:04)
548.  グランド・イリュージョン 《ネタバレ》 
これはもう皆さんご指摘の通り、マジックを題材にする映画の居心地の悪さがドンと立ちはだかって結局それを乗り越えられなかったということにつきます。言ってみれば映画自体が壮大なイリュージョンみたいなものですからねえ。というわけで軽いタッチのストーリーテリングなので、展開自体もどんどん『ミッション・インポッシブル』シリーズみたいな感じになって行きました。どうせなら『プレステージ』みたいな怪奇趣味に走ったほうがなんとかなったかもしれません。 この映画の最大の弱点は“アイ”などと呼ばれるフリーメーソンみたいな秘密結社のことを脚本上うまく活かせなかったところで、四人のマジシャンたちの活動が“アイ”とどういう関係があるのかが全然わからない。インターポールの捜査官メラニー・ロランとFBI捜査官マーク・ラファロの絡みが並行して描かれているが、これではこの映画のストーリーテリングが四人のマジシャンと二人の捜査官に分裂してしまって緊迫感がそがれてしまいます。メラニー・ロランの正体ははたして?というサスペンスを強調する手もありますが、そうするとオチがあれですから突っ込みどころがさらに巨大化するだけになりそうです。 とまあケチをつけだしたらキリがないわけですけど、マイケル・ケインにモーガン・フリーマンも顔を見せていることだし、深く考えなければいい暇つぶしにはなるでしょう。
[CS・衛星(字幕)] 5点(2019-09-29 22:00:32)(良:1票)
549.  大反撃 《ネタバレ》 
名匠シドニー・ポラック撮った唯一のこの戦争映画は、私が今までに観た戦争映画の中でも群を抜いて変わっています。町山智浩氏は本作と並べて『僕の戦争』『まぼろしの市街戦』『キャッチ22』をヘンテコな戦争映画として紹介していましたが、このチョイスには私はもろ手を挙げて賛同いたします。 監督シドニー・ポラック・主演バート・ランカスターとくれば典型的なハリウッド映画という布陣に見えますが、撮影監督がアンリ・ドカエ・音楽がミッシェル・ルグラン、ジャン・ピエール・オーモンまで出演しているので映画前半のテイストはまるでクロード・ルルーシュが撮った戦争映画みたいな錯覚を覚えます。舞台はバルジ戦間近のアルデンヌの森にある古城と血筋が古いだけが取り柄の伯爵、そこにいかにもアメリカンな米軍の補充兵たちがやって来る。古城には名画や美術品が山の様にあって、伯爵はこの家宝と伯爵家の血統を守ることだけが関心ごとで、大戦の推移にはまるで無関心。たった八人しかいない米兵もなぜか少佐や大尉から一等兵までいて、これもどこか奇妙な集団。アルデンヌの森の中の村なのになぜかド派手な娼館があってけっこうゴージャスな娼婦がそろっている。伯爵は性的不能で妻(なんと伯爵の姪!)をバート・ランカスターの少佐に寝取らせて無事に妊娠、なんとか世継ぎを創ることに成功。ピーター・フォークが演じる軍曹は本業がパン職人、未亡人がやってる村のパン屋に入り込んで戦争そっちのけで大好きなパン焼きに精を出す。村の目抜き通りでは部隊から脱走した兵士たちがキリスト教伝道団を結成して説教している。とても戦争映画とは思えないフワフワした設定で、ほぼおとぎ話だととらえた方がよい前半部です。中盤からは独軍が怒涛のごとく攻め込んで来て血で血を洗う壮絶な攻防戦と一変してしまいます。独軍の戦車は鉄十字をつけただけのもろT―34(これでロケ地がユーゴスラビアだと判ります)、撮ってる側は「これはあくまでパンサー戦車のつもりです、脳内変換お願いします」なんですけど、この場違いなT-34の登場がおとぎ話チックなテイストを強調する予想外の効果を生んでいる気がします。そして夜になって城に攻めてくる独軍が使う兵器(?)にはたぶんこの映画を観た人すべてに強烈なインパクトを与えるでしょう、なんとサイレンを鳴らしたハシゴ消防車が登場するんですから!城壁を乗り越えるのにハシゴ車を使うというのは理にかなってはいますけど、その絵面はあまりにもシュールです。 本作は小説の映画化ですが、幻想的な雰囲気の中で史実の戦闘を描くところなんかは、ヴォネガットの小説に通じるところもあると感じました。この映画がどれだけ原作の意図を伝えているのかは、私にはわかりませんけど。
[ビデオ(字幕)] 6点(2019-09-27 22:55:33)
550.  グッバイ、レーニン! 《ネタバレ》 
欧州で冷戦終結時に消滅した国家はユーゴスラヴィアと東独だけ(チェコスロバキアは消滅というよりもスロバキアの分離という感じ)、エミール・クストリッツァが『アンダーグラウンド』でエモく訴えたようことを、ちょっと変わった視点で映像化してくれています。それはもはや存在しない東独という国とその社会へのノスタルジックな惜別の情なんですが、監督や脚本家は旧東独出身者だと思い込んでいたら、実はみな旧西独の人たちだったんで驚きました。ドイツでは旧東独出身者が昔を懐かしがる“オスタルギー”という概念があるそうですが、それを逆手に撮った映画だと言えるかもしれません。一つ言えることは、それがナチズムだろうが共産主義であろうとも、全体主義というものはアレックスの母親と同じようにその体制に疑問を持たずに参加すれば心地よいものであるということでしょう。そこが恐ろしいところです。 冒頭で反政府デモに参加していたアレックスですが、母親を欺くためにフェイクニュース番組を制作しているうちに彼自身が“オスタルギー”の沼にはまり込んでゆくところがこの映画の脚本の奥深いところです。物語の後半では、彼がフェイクとして母親に伝える社会ニュースは単なるつじつま合わせを超越して、実はアレックスが望んでいた理想の東独社会であることに気づかされます。サッカーWカップで優勝したのは史実では統一ドイツではなく西独だし、東独初の宇宙飛行士イェーンはタクシー運転手に落ちぶれたことはありませんでした。ここら辺の改変は意味深です。母親もラスト近くでララから社会の真相を聞かされたのは明らかなのに、その後は死ぬまで息子のお芝居につきあってくれます。彼女が再入院してからラストまでの15分こそが、この映画の真骨頂なのではないでしょうか。映画館で観ていたらたぶん号泣していたかもしれない15分でした。
[CS・衛星(字幕)] 9点(2019-09-23 22:26:35)
551.  ファントム・オブ・パラダイス 《ネタバレ》 
今回観直してみてつくづく実感したのは、その後のどのデ・パルマ作品にも本作と似た作風がないということです。彼はもちろんミュージカルをその後撮っていないわけですが、これほど見事なロック・オペラを撮れた人なのにそれは不思議ですらあります。ストーリーテリングがまた自由奔放の限りで、デ・パルマ印のヒッチコック・オマージュも『サイコ』のシャワー・シーンのパロディがあるぐらいなのがかえってウザくなくて好感が持てます。ストーリーは『オペラ座の怪人』+『ファウスト』+『フランケンシュタイン』というところですが、思った以上に『ロッキー・ホラー・ショー』の影響を感じました。映画製作は『ファントム』の方が早いけど、『ロッキー』の舞台版は『ファントム』の前年には上演されているので、デ・パルマはきっと観ていたに違いないと思います。ビーフのキャラを見てると、『ロッキー』のティム・カリーにそっくりだし、舞台版でも第一幕で“Science Fiction/Double Feature”が歌われる場面に仮面をつけたファントムが登場するそうです。昔名画座で『ファントム』と『ロッキー』の二本立てプログラムが流行ったのは、けっこう的を射ていたわけです。そういえば『Tommy』や『ジーザス・クライスト・スーパースター』もあったし、70年代はロック・ミュージカル映画の黄金期だったんですね。
[CS・衛星(字幕)] 9点(2019-09-21 22:54:52)
552.  羅生門(1950) 《ネタバレ》 
この映画のヴェネツィア映画祭グランプリ受賞は、今はどうなっているのか知らないけど私らの世代では中学校社会の教科書に湯川秀樹のノーベル賞受賞とともに戦後の文化の欄に必ず記載されているトピックスだった記憶があります。映画の内容はとても文部省が中学生に推奨するものような代物じゃないし、実際観ても中学生ぐらいじゃ理解できないでしょうけど、ちゃんとスチール写真付きで載ってました。教科書を執筆するお偉い大学教授なんかも実はこの映画を観てないなかった、なんてところが真相なのかもしれません。 とはいっても世界の映画作家に与えた衝撃とその影響は、『七人の侍』以上のものであることは確かです。これほど知的に撮られた時代劇は前代未聞で、そのシンプル極まりないストーリーテリングと相まって現代でもまったく色あせてないと思います。多襄丸・侍・妻の三者の言い分が全く違って、その再現劇が三人ともまるで違う人格みたいなところが面白いし、中でも京マチ子の三変化が凄まじいレベルに達しています。昨今の“me too”運動に熱心な意識の高い方々には「実にけしからん映画だ!」と上映禁止運動が起きそうな内容とも言えますが、悪いけど自分には三人の中では京マチ子がもっとも女性というか人間の本質を出している気がします。「門を造るだけだから安く上がります」と会社をだまして凝りまくった羅生門のセットは見事の一語に尽きます。そして受賞したときのドタバタというか大騒ぎのエピソードの中でやはりいちばん強烈なのは、授賞式に日本から関係者は誰も出席してなかったので、急遽街中で見つけたヴェトナム人を引っ張って来てトロフィーを渡すセレモニーを強行したことでしょう。もちろんトロフィーはすぐ回収して日本に贈られたそうですが。
[CS・衛星(邦画)] 9点(2019-09-17 23:16:09)
553.  ターミネーター3 《ネタバレ》 
『2』でスカイネットの誕生を阻止して人類の未来を救ったジョン・コナー、それから12年経って成人した彼はすっかり人生の目的を見失ってヤク中のホームレスになり果ててしまった。このつかみは、コミケで売ってる同人コミックでよくあるヒーローもののパロディみたいで、なかなか面白い。よっぽどこの不細工ジョン・コナーくんが自分探しのために四苦八苦するというお話しの映画として撮ったら面白かったろうけど、それじゃあ『ターミネーター』とは関係ないお話しになっちゃうし全世界が許してくれないでしょう(笑)。 てなわけで前作以上にタイムトリップ理論を無視した展開になるわけですが、まあこうするより他に途はなかったでしょうね。実はむかーし観てけっこう腹が立った記憶があったけど、観直してみると並みの映画ではあるがそこまで怒るほどではなかったですね、まあそこそこということです。敵方ターミネーターを女性型にするというのは誰でも思いつくことですし、肝心の武器というか機能は『2』と較べて大して進歩してないというのが正直な感想です。ただこのT-850型対TX型の肉弾戦は、つまりシュワちゃんVSクリスタナ・ローケンの闘いであるので、大男がナイスバディ美女に痛み付けられるというちょっと特殊な絵面を見せてくれます。アクション・スターとしてここまで体を張れるというのは血まみれになって戦うガメラみたいなもんで、スティーヴン・セガールはシュワちゃんの爪の垢でも煎じて飲んだ方が良いです。 けっきょく核戦争は阻止できないという絶望的な終わり方を迎えるのですが、ハリウッド映画お決まりの「未来は変えられるんだ」というスローガンを粉砕してくれたのは、シリーズを続けてカネをこれからも稼ぐためとはいえ意義があったのでは(と思いたい)。
[CS・衛星(字幕)] 6点(2019-09-14 23:21:48)
554.  台風クラブ 《ネタバレ》 
製作当時の80年代にはなかった言葉だけど、この映画は中二病を患った中三が集団発作を起こすお話しだと思います。その中で彼ら彼女たちは性の目ざめや人間の根源的な生死の問題に苦しみ、そしてその中の一人はその問題に決着をつけたってわけです。この物語は徹底的に中学生たちの世界を描いていて、大人は実質的に三浦友和が演じる数学教師とその関連人物しか登場しませんでした。この三浦友和の演じる教師がいかにもいそうないい加減な俗物で、実にリアルです。山口百恵との共演でアイドル俳優というイメージが定着していた彼がよくこんな役を引き受けたと思いますが、本人の回想にもあるようにこの役が現在まで続く俳優人生の大転機となったことは言うまでもありません(当初は糸井重里にオファーしていて断られたそうです)。半面、工藤夕貴ら生徒たちの親は家庭内のシーンがあっても全くといっていいほど登場せず(寺田農だけが暗がりで誰だか判らないようになってワンカットだけ映る)、これが本作の独特のテイストを形成しています。またこの映画には有名な『犬神家の一族』のパロディとしか思えないカットやオカリナを吹く白装束の男女など理解に苦しむところが多々ありますが、相米慎二は脚本にはほとんど異議を唱えない監督だったそうなので、これは脚本家にそういうクセがあったってことでしょう。まあ、土砂降りの中で下着姿になって『もしも明日が』を踊り狂うところをワンカットで見せるという相米らしいシーンもあるので、これは良しとしましょう。とにもかくにも、本作は日本の80年代青春映画の最高傑作だと思います。 この映画は、長野県佐久市の中学校で夏休みに集中してロケしたそうで、在校生もエキストラ出演しています。完成後に体育館に生徒を集めて披露試写会を学校は企画していたそうですが、中身やストーリーを知らずに協力していた先生たちが怖気づいてけっきょく企画は立ち消えになったそうです。これはぜひ実現して欲しかったですね、きっと家族団らんで観ているTVに突然濃厚なラブシーンが流れて気まずくなるような雰囲気だろうなと、想像しただけで笑えてきます。
[CS・衛星(邦画)] 8点(2019-09-12 18:43:46)(良:2票)
555.  スターリンの葬送狂騒曲 《ネタバレ》 
“スターリンのヒムラー”の異名を持つ秘密警察長官ラヴレンチ―・ベリヤの処刑については実は様々な異説があり、プーチン大統領はもちろん真実を把握していますが決して彼が(そしてその後のロシアの政体が)真相を明かすことは今後もないでしょう。でも本作で描かれるようにスターリンの葬儀直後に処刑されたというのはフィクション(逮捕直前の細かいディテールは一般的な通説に従っている)ですが、これはまあ許容できる創作の範囲だと思います。 スターリン死の前後のドタバタがこの映画のテーマですが、歴史上稀にみる過酷な独裁政治の終焉ですからその視点がブラックかつシニカルであるのはストーリーテリングとしては正解でしょう。スティーヴ・ブシェミのフルシチョフを始め政治局員の面々は実物と良く似せたふん装で、とくにブルガーニンやカガノヴィッチはそっくりです。この人物たちの権力欲だけは旺盛な小物ぶりは実にコミカルで、実際この人たちはスターリンに気に入れられなかったら一国の統治に関わるような資格さえ持てなかったんじゃないですかね。逆にベリヤが改革を進めようとする善玉のような見せ方になっているのが皮肉です。実際に彼はスターリンの死後いち早く収容所の開放や政治犯の釈放に取り掛かっているのですが、これはストーリーの進行上スターリン時代の悪行をほとんどスルーしてしまったためで、このことを批判する欧米の批評家も存在します。 さほど遠くない過去に起きた醜悪な歴史的人物たちが繰り広げるドタバタ劇、としかわたくしには感想が思いつきませんが、劇中NKVD内の廊下にまるで電話のベルが各部屋で鳴っているかのように響き渡る銃声が悪夢のようでした。その中で、狂言回し的なキャラだったオリガ・キュリレンコが一服の清涼剤でした。
[CS・衛星(字幕)] 7点(2019-09-07 23:23:02)
556.  ファイト・クラブ 《ネタバレ》 
俗っぽいヤッピー風ライフスタイルの男が、実は新興宗教っぽい物質文明を憎悪する思想のカリスマだった、そのギャップがストレートに面白い。そこにブラピとエドワード・ノートンを持ってきたのはまさにキャスティングの妙だといえます。ブラピのチンピラ風よりも、自分にはノートンのノンポリ社畜の方が絶妙すぎるぐらいぴったんこです。二人に絡むゴスロリ女のボナム=カーターも、20年前はこの役は彼女しか考えられない、というよりも彼女はこういうキャラしか演じられないというのが正解だったかも、現在の彼女を見るとこの間にずいぶん芸域を広げたものだと感心します。この人はもともと曽祖父が大英帝国首相アスキス伯爵という上流階級のお嬢様ですからね。 でもタイラー=ブラピが説く思想はもっともらしいけど中身がない中二病みたいな感じで、これでは彼がやろうとしていることはオウムやISと大差がないとしか言いようがありません。なので自分にはタイラーの組織がどうしてもオウムと重なってしまい、日本人としては中二病と笑ってしまうことはできなくなってしまいます。 ラストに至る展開は確かに駆け足過ぎて粗が見えてくるのも確かですが、ここは夢想社会と現実の境目をあえて曖昧にしたストーリーテリングとして愉しむべきでしょう。個人的には本部というかブラピとノートンが住む屋敷の汚らしさが生理的に我慢できる限界ギリギリでした。『セブン』もですが、デヴィッド・フィンチャーは汚く汚れた室内を撮らせたらピカイチです。
[CS・衛星(字幕)] 7点(2019-09-04 23:18:55)
557.  夜のいそぎんちゃく 《ネタバレ》 
これが一応『いそぎんちゃく』シリーズのラストとなります。前二作では石田浜子だったヒロイン渥美マリの役名は浜口洋子に変わってますが、役名は同じでも今まで一作ごとに全然違うキャラだったので大した意味はありません。もっと大きく変わったのはヒロインのキャラ付けで、色気たっぷりの銭にがめついたくましい女性というキャラのはずが、そこから“銭にがめつい”という要素がなくなっちゃてるんです。この映画は言ってみればマレーネ・ディートリッヒの『嘆きの天使』を翻案したようなもので、千秋実がエミール・ヤニングスの役柄だというわけです。この二人を取り巻く登場人物たちは単なる背景みたいな意味しか与えられていなく、渥美マリに惚れてひたすらに落ちてゆく牧師・千秋実を追いかけてゆくのがメイン・ストーリーです。東宝の名優・千秋実が軟体動物シリーズに出演しているというのは考えてみればすごいことですが、どうしても彼の演技のほうに眼がいってしまうのはやむを得ないでしょう。ラストで渥美マリに捨てられ、教会の門前で祈りの姿勢のままで固まってしまう演技は秀逸でした。肝心の渥美マリの方は、監督が第一作と同じ弓削太郎であるのにもはや脱ぎもなく、軟体動物シリーズの中では最も印象が薄かったキャラなのは残念でした。
[CS・衛星(邦画)] 5点(2019-08-31 23:09:43)
558.  ロープ 《ネタバレ》 
製作当時は一缶のフィルムで最大15分程度しか撮影できなかったので、いくら80分と短めの作品でも全編長回しで撮るのは不可能、したがって本作はあくまで“ノーカット風”と呼ぶのが正解。前半はそれなりに頑張っているけど、中盤すぎると切り返しのカットがあるうえに、明らかに編集点と判る映像もあります。まあヒッチコックは、技術的には不可能なので過去には誰も思いつかなかった全編ワンカットで撮られた映画がもし実現できるとしたらどんな風になるだろうか、という発想で実験というよりも遊び心で本作を撮ったような気がします。そうなると登場人物が少ない室内劇が題材とならざるを得ず、テーマはともかくとしても映像的には退屈な映画となってしまったわけです。そういうワンカット撮影の時間的な制約を逆手にとった、カメラが屋外を縦横無尽に動きまわるオーソン・ウェルズの『黒い罠』のオープニングが、やはりこのテクニックの最高峰となるんじゃないですかね。 肝心のストーリーですが、推理劇というか会話劇として観るとヒッチコックらしい王道だなと感じます。まるで『罪と罰』のラスコーリニコフみたいな主人公の思想は凡人には理解不能ですが、ほとんど変人の部類のひねくれたインテリであるジェームズ・スチュワートが自分たちと同種の人間だと勘違いする心理が面白い。この犯人像はモデルとなったレオポルド&ローブ事件とほぼ一緒らしいですが、現代ではこの手の人間はサイコパスと呼ばれるわけです。 この作品はヒッチコック初のカラー映画ですが、色彩設計もやはり力が入っています。劇中と実際のタイム・ランが一致していますから、窓から見える摩天楼の遠景とその背後にかかる大きな積乱雲が、鮮やかな夕焼けからマジックアワーを経て暗闇に沈んでゆく経過がとくに美しい。
[CS・衛星(字幕)] 7点(2019-08-30 22:03:58)(良:1票)
559.  インディ・ジョーンズ/最後の聖戦 《ネタバレ》 
第一作に立ち返ったかのように、今度は聖杯を巡ってナチス・ドイツと死闘を繰り広げるインディ・ジョーンズ親子です。 プロローグは若きヘンリー・ジョーンズ・ジュニアがインディ・ジョーンズとなるきっかけとなった事件ですけど、この短いシークエンスの中に小ネタが満載、でも本編にはまったく繋がらないお話しでしたね。ここでは今や伝説となったリバー・フェニックスを若きインディに持ってきましたが、それ以上の大物キャスティングはやはりショーン・コネリーのパパ・ジョーンズです。考えてみれば、ショーン・コネリーの数あるフィルモグラフィー中で、本作がもっともコメディチックな演技じゃないかと思いますが、飄々とこなしているのはさすがです。このジョーンズ親子の関係もこの当時のスピルバーグ映画の隠れテーマである“父と息子の葛藤”をコミカライズしており、ラストの大団円にまで持って行けたことでスピルバーグも少しは吹っ切れたような感じがします。またこれまで女性にはモテモテだったインディの、一種の大失恋物語という観方もできるでしょう。 アクションや小ネタの量は三部作中で最大のテンコ盛り状態でしたが、小ネタに関してはドリフのコントかひょうきん族みたいなレベルでしたが、さすがにヒトラーからサインを貰うのはやり過ぎでしょ(笑)。タイトルや撮り方からしてもこれでシリーズ・エンドというのは一目瞭然、20年近くたってから四作目が製作されたのはまさに想定外でした。私の中ではこの三部作は“大人版ハリー・ポッター・シリーズ”みたいな位置づけです。
[CS・衛星(字幕)] 7点(2019-08-26 22:55:02)
560.  5つ数えれば君の夢 《ネタバレ》 
現在日本映画界でもっとも期待されている映像作家のひとりである山戸結希の、商業映画デビュー作です。アイドルグループ東京女子流の五人をメインにした彼女たちのプロモーション・ビデオと言えなくもないが、各人のキャラやストーリーそして世界観はすべて山戸結希ワールドになっているところはさすがです。私立名門女子高の学園祭で開催されるミスコンを舞台にして、マウントとりに熱中している女子高生たちを独特の感性とセリフ回しで表現しており、この作風には観る者の好き嫌いがはっきりしてしまうかもしれません。監督じたいは女子流の活動についてはまったく予備知識がなく、初対面での各メンバーとの10分程度の面談で劇中のキャラを決めたそうなので実際のメンバーのキャラとはほぼ無関係になっているそうですが、このキャラ付けには山戸結希の感性の鋭さが感じられます。哲学を専攻したそうなので確かにセリフのロジックには理屈っぽいところがあって一昔前のATG映画を見せられるような雰囲気もありますが、ここを現代の10代が演じるというのはある意味新鮮な感じすらしました。ももクロの『幕が上がる』なんかよりはるかにささるものがありました。 アイドル運営から山戸結希にPV監督の依頼が現在殺到しているというのも、納得です。
[CS・衛星(邦画)] 7点(2019-08-24 22:38:21)
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