Menu
 > レビュワー
 > 港のリョーコ横浜横須賀 さんの口コミ一覧。3ページ目
港のリョーコ横浜横須賀さんの口コミ一覧[この方をお気に入り登録する

プロフィール
コメント数 118
性別 女性
年齢 41歳
自己紹介 前回アクセス(H30.11月)から2年ぶりに再びアクセス。
なかなか時間がないものの、地味〜に、たま〜に、映画は観ているのですが、、何故か映画鑑賞よりレビューを書く方が時間がかかる不思議…
簡潔に論理的にまとめる能力が欲しいです(泣)

<採点基準>
10  :生涯のベストムービー。理由は様々だが愛してる

9 ~8 :かなり大好き。純粋に面白い。好き!

7 ~6 :なかなか良い、悪くない。云わば平均!

5 ~4 :微妙、消化不良、苛々。あまり好きではない

3 ~2 :見たことをひたすら後悔、後悔、後悔

1 ~0 :滅多に出ないが出たら最後。永遠にさようなら

これからもよろしくお願いします!

令和2年10月10日

表示切替メニュー
レビュー関連 レビュー表示
レビュー表示(投票数)
その他レビュー表示
その他投稿関連 名セリフ・名シーン・小ネタ表示
キャスト・スタッフ名言表示
あらすじ・プロフィール表示
統計関連 製作国別レビュー統計
年代別レビュー統計
好みチェック 好みが近いレビュワー一覧
好みが近いレビュワーより抜粋したお勧め作品一覧
要望関連 作品新規登録 / 変更 要望表示
人物新規登録 / 変更 要望表示
(登録済)作品新規登録表示
(登録済)人物新規登録表示
予約データ 表示
評価順123456
投稿日付順123456
変更日付順123456
>> カレンダー表示
>> 通常表示
41.  たみおのしあわせ 《ネタバレ》 
やっぱり、結婚には幸福感って大事です。どんなに些細な事でも、くだらない事でも、何でもいいんです。「この人が大好き。この人と結婚出来て幸せだ!」そう思えることが、ある意味では一番重要だと考えています。  他人から嘲笑されるようなことでも、それが本人にとって幸せなら、それで良いのです。大切なのは『結婚する』という事に『どれほど自然に幸福感を抱いているか?』なのでしょう。結婚前から我慢や無理があっては、きっと駄目なのでしょうね。結婚後に「こんな筈じゃなかった…」と思う事もあるかもしれません。結婚はよく「我慢と忍耐」と言われていますから、結婚後には維持する努力も必要なのでしょう。でも、結婚前くらいは夢や希望があっても罰は当たらないように思います。  きっと、たみおもたみおの父も、その結婚に夢も希望も見い出せなかったのでしょう。途中までは夢も希望もあったのかもしれません。しかし、それが『単なるまやかし』でしか無かった事に気がついたのです。不安や不満を抱えたままする結婚に、明るい未来が見えるでしょうか?親なら、子供の幸せは何よりも誰よりも願って止まないもの。子供だって、親に一人前になった自分の姿を見せて安心させたいものです。ぎこちなかった親子関係が「結婚」を境に良い方向へ変化していった事が、すべてを物語っていると思います。 だから息子は、不安を抱えつつも父が願っていた結婚をやめられなかった。だからこそ父は、息子が幸せになれないであろう結婚に「待った」をかけたのでしょう。口にせずとも通じ合っている。それが親子であり、家族なのかもしれません。彼らの幸せは、結婚を通じて取り戻した『親子関係』なのでしょう。  けれど、個人的にはあのようなコミカルなオチに仕上げたことは、少々不満です。そのためこの点数ですが、悪しからず。  <2018年12月追記> と、昔の私は偉そうに結婚について語っていますが、結婚ってほんと難しいです。結婚はゴールではなくスタートなんですよね。当たり前なのですが(笑) そう考えると、たみおと父上の決断は間違いではなかったのかもしれない、と今は思います。結婚は、多くの人の人生が変わります。それなら、多くの人の人生に影響を与えてしまう前にやめる決断ができるのは、ひとつの幸せのかたちなのかもしれません。生きるって、人生って、難しいですね!
[DVD(字幕なし「原語」)] 5点(2009-10-22 18:07:26)(良:1票)
42.  クローズZEROII 《ネタバレ》 
原作未読、パート1は鑑賞済み。続編の成功は難しいのが定石ですが、本作においてはまずまずの出来具合。喧嘩のシーンは、相変わらず迫力満点です。 今回は、パート1で敵同士だった者が己の拳で相手を庇い、護り合う…という「男の友情」と「固い絆」の演出が施されていて、更に惚れ惚れとしました。  ただ、終盤に行くまで盛り上がりに欠けている気もする。肝腎の小栗旬に、またまた魅力が感じられなかったのが極めて残念。前回のような刺々しさの中に潜むお茶目な部分が少ないので、彼のエゴが目立ち、統率力やリーダーとしての資質にも疑問符が残ってしまう。それが演出的な意味での狙いなのかもしれないけれど、彼が父との一件を契機に改心して皆に助けを請う時も、どうも彼の姿勢や台詞からは「周囲への配慮」より「自分の目的」が先立っているように感じられたのだ。そう言った点で、前回よりも彼を応援したいと思えなかった事が、私にとっては致命的だったのかもしれない。  しかし、相変わらず山田孝之は存在感とカリスマ性には脱帽。それ以外の脇役陣も、皆キャラが立っていて自然と愛着が湧く魅力に溢れている。前作に引き続き実感したことは、クローズは三池監督だから成し得た作品である、ということと、本作は脇役に助けられている映画だ、ということだ。   <追記> 昨夜、久々に再鑑賞。病院でのケンさんの台詞に、とても心を打たれました。「人生は勝ち負けだけじゃない。立派な人間でなくても、生きる意味や価値は必ずある」ひたすら頂点を目指す源治たちには、今はまだこの言葉の本質は理解出来ないのかもしれませんね。それを理解できた時、果たして彼らは、どのような人生を歩んでいるのでしょう。若いからこそのひたむきさが眩しいです。
[DVD(字幕なし「原語」)] 7点(2009-10-22 00:19:41)(良:2票)
43.  クローズZERO 《ネタバレ》 
原作は未読。この映画は、私にとっては大変危険な作品だ。何故なら、私は本作で自らの動物的本能に気がついてしまったからである。  暴力が良くないのは周知の事実。けれど、拳一つでのし上がっていく男と男のぶつかり合いに、魅入ってしまう私。強い男を見た時、思わずドキッとして『あぁ…私も守られたい…』と思ってしまう心理。これではまるで、弱肉強食の世界で勝ち抜いたオスに憧れるメス…本能で生きる動物。危険だ…危険すぎる…。なのにDVDを購入して何度も鑑賞してる私は、もうダメかも分からんね。  話を作品内容に戻すと、山田孝之が素晴らしい。主役の小栗旬を完全に喰っていた。背も小さいし小デブなのに、山田孝之が最高の男前に感じられるから不思議。これが所謂「カリスマ性」ってやつなのだろう。申し訳ないけど、小栗旬からはそれが感じらなかった。もし私が「雌としてどちらの雄を選びますか?」と訊かれたら、迷わず山田だ。最後は小栗旬に負てしまったけど、それでも私は、彼に心を奪われっぱなしなのだ。男性としても人間としても、とても魅力に溢れている。…って、あれ?また雄雌の話に戻ってしまった…すみません(猛省)。  「てっぺん獲る」という単純だけど至高な目標。いつの時代でも、向上心と冒険心と野心を持って突き進む男性は素敵です。やっぱり、男性は中身だ!  三池監督ならではの雰囲気があってとても好きなのですが、あの血糊はどうにかならないものか?あれじゃまるで、口の周りにケッチャプを付けた子供みたいなんだもん(笑)  脇を固める役者さんたちが皆個性的なのに違和感がなく、愛すべき存在となっている。しかし、鑑賞後はいつも「黒木メイサはやっぱり必要ないよなぁ」と思う。
[DVD(字幕なし「原語」)] 8点(2009-10-21 23:31:43)(笑:2票) (良:2票)
44.  ノッティングヒルの恋人 《ネタバレ》 
初めてこの作品を見たのは10年前で、私はまだ高校生でした。当時の私は「こんなのありえない(笑)」と嘲笑していたのを覚えています。しかし、改めて鑑賞した今日、私はこの映画が大好きになってしまいました。  王道のラブストーリーです。世界的スター女優と街の小さな本屋さん。住む世界が違う二人が出会って恋に落ち、多くのすれ違いや波乱を乗り越え、最終的には結ばれる、という王道中の王道。初見から10年が経ち、私も多少の酸いも甘いも経験をしたからでしょうか?この映画が、ただ惚れた腫れたばかりを描いた作品ではく「人生の理不尽さ」や「生きていくことの苦しさ・難しさ」なども訴えていたことに気がつきました。  登場人物は皆それぞれに悩み、悲しみ、苦しみ、人生の辛酸を舐めています。人間は歳を重ねる毎に経験値が上がります。しかし、悲しいかなそれら全てがプラスになるとは限りません。過去の決断が正しいものであったと、誰もが信じている…いいえ、信じたいもの。それが自分の夢や希望に沿った決断であればあるほど、失敗とは考えたくないものです。それでもつまづいて、過ちを犯すのが人間なのでしょう。  けれど、本作に暗い空気は漂いません。それはきっと、登場人物たちがそれぞれの経験を活かし、時と共にそれぞれの方法で未来を創り出しているからなのかもしれません。しかも、それを自分の為でなく誰かの為に出来ていることに、大きな意味があるのです。自分にとっては無駄な経験でも、それが思わぬところで誰かの役に立つこともあるのです。そうしてまた自らも成長を重ね、過去とは違う自分になれたとき、運命の女神は微笑みかけてくれるのかもしれません。  鑑賞後は主役の二人だけではなく、彼らを取り巻く人々すべての幸せを願う私がいました。脇役の人たちの幸せまで願わせるラブストーリーとは、なんて素敵なんでしょう!10年の歳月を経て、素直な心を取り戻させてくれたこの映画に、私は今後も愛を注いで行くのだと思います。  <2018年12月追記> エルビス・コステロの「She」って本当に名曲ですよね。彼の美しい声と優しいメロディーだけでも癒されますが、愛に溢れた歌詞がまた本作を思い出させてくれて、聴いてると自然と涙がこぼれてしまいました。名作に名曲あり、ですね。
[DVD(字幕)] 10点(2009-10-21 22:52:18)(良:2票)
45.  遊星からの物体X 《ネタバレ》 
まさかSFモノがこんなに楽しいとは思いませんでした。 最後までラストが予測できず、食い入るようにして息を呑みながら鑑賞していました。  作品全体を通じて感じたのは、微妙で不気味な距離感から生まれるリアルさ。 20年以上も前の作品(私と同い年…)とは思えないほどの映像演出と迫力には脱帽です。 当時のCG技術や特殊効果を以っての出来栄えなのだと思うと、本当に制作陣には敬意を表したいと思います。  断片的に明らかになって行く”Thing”の正体は、未知なる部分とのバランスが常に不安定で、とてもスリリング。 誰が”Thing”に侵されているのかも判らず、いつ自分が侵されてしまうかも分からない恐怖。 仲間を信頼出来ぬ悲しさ、強まる猜疑心、掻き立てられる負の想像力、狂気、暴走。 彼らを纏う恐怖という空気は、果たして”Thing”によるものなのか、人の狂気によるものなのか。 極限に陥った時に人間が取るであろう行動は、非常に泥臭く生々しいです。 その人間臭さがしっかり描かれたからこそ、終盤に彼らが取る行動と決断に大きく衝撃を受けました。 彼らは、単なる英雄である事を望んだのではない。 ”Thing”に侵された現状を目の当たりにしたからこそ、『人間としての尊厳』を保ったまま死にゆく事が出来たのかもしれません。  そして、音楽が最高に良かったです。 ラップ音のように不気味で不快感な高音や、焦燥感を煽るような鈍い低音。 クライマックスでは高揚感を最高潮に導きつつ、幕引きはあくまで静かに終わる上品さ。 誰かと思えばモリコーネ。 大変納得致しました。 
[DVD(字幕)] 9点(2009-05-26 15:17:40)
46.  踊る大捜査線 THE MOVIE 《ネタバレ》 
テレビドラマを安易に映画化する風潮の先駆けは、恐らくこのドラマからでしょうか? 私は個人的にそういった風潮が好きではありませんが、それでも良作はあるので無碍に否定はしません。でも、私の予想は甘かったようです。  本作は、所詮「テレビドラマシリーズのファンのための映画」でしかありませんでした。私はドラマも見ていましたが、本当に『ただ踊る大捜査線が見れればそれでいい』と思えるようなコアなファンが楽しめる為の映画でした。  制作陣に一言申し上げたい。オマージュとパクりは違います。 二度と目にする事はないでしょう。
[DVD(邦画)] 2点(2009-05-25 14:11:41)(良:1票)
47.  グラン・トリノ 《ネタバレ》 
「贖罪」と「命の清算」という言葉が、私の脳裏に焼き付いている。この映画には、嘘がない。 この世から差別は無くならない。侮蔑は人間の真理でもある。偽善は欲望の恰好の隠れ蓑になる。誰の心の奥にもある感情であり、消すことは出来ない。人々は軋轢を生まず平穏な社会生活を送るため、それらを露見しない。 主人公のウォルトは、悪い人・物・事に対しては嫌悪感を露にして皮肉たっぷりに断罪するが、その逆に対しては素直に評価して敬意を表する。善悪の分別が付いているからこそ出来る芸当であろう。善悪の境界線が曖昧になった現代人には、見て見ぬフリをするしか逃げ道が無いのだ。  ウォルトは恐らく、妻が死んだ時点で自らの死に方を探していたのではないか。彼は戦争での行為を長い間悔い、その罪と罰を背負い続けている。彼にとって問題なのは「命令されずとも進んで殺していた」こと。それでも彼が生きてこられたのは「俺は世界で一番の女と結婚した」と豪語する妻の存在があったからこそだろう。しかし、その妻が世を去り、病魔も身を潜め、生きる意味が最早「無」に等しいと感じた彼は『死に方を探す為に生きていた』のではないかと思う。 そんな時に出会った隣人たちに当初は差別と偏見しか抱かなかったものの、次第に心が通じ合っていく。「どうにもならない身内より身近に感じる」と言う彼の表情には、なぜか悲しみの色は見えない。  深まる少年との距離や交流は、疑似の父子関係に似たものがある。”息子と上手くいかない父”による”父がいない息子”への、最期の子育てなのかもしれない。しかし、いつの世も社会の屑は存在し、人々を脅かし、牙を剥く。誰も予想しない最終手段に出たウォルトの行為は、まさにキリスト教における『自己犠牲の精神』だ。彼は最期の最期で、自らが背負い続けてきた罪と罰を命を以て清算し、神に赦されたのだ。ライターに火を灯そうとしたのは、一つの命<ウォルト>が終わると同時に、新たな命<タオ>が芽吹く瞬間でもあったのだろう。  ウォルトから譲り受けたグラン・トリノに乗るタオの表情は、切なくも優しい。一世を風靡した車の持ち主の魂と意思は、きっとこの少年に受け継がれたはずだ。この映画に出会えたことに、私は心から感謝を述べ、最大の賛辞を送りたい。
[映画館(字幕)] 10点(2009-05-25 13:45:06)(良:3票)
48.  ザ・ウォッチャー 《ネタバレ》 
「史上最も美しい殺人鬼」がキャッチコピーだと思いましたが、目も当てられないほどのキアヌの姿がそこにありました。アップで映る度に憐れに思えて、絵文字の(´・ω・`)ショボーンみたいな顔になりました。  しかし、そんな映画でも見せ場はあります。次世代の到来を感じさせるキアヌのダンスに、どうぞご注目ください。その姿は涙を誘います。色々な意味で。  ジェームズ・スペイダーも歳とったなぁ。
[DVD(字幕)] 3点(2009-04-16 17:42:14)
49.  かもめ食堂 《ネタバレ》 
縁もゆかりも無い人々が、縁もゆかりも無い土地で出会い、そこで生じた小さな縁により、それぞれの人生や生活に影響を与えていく。鑑賞後は、なんとも言えない温かい感情に包まれました。 サチエさん、ミドリさん、マサコさんが『何故フィンランドを選んだか?』の明確な理由は、最後まで明かされません。きっと理由はさほど重要ではないのでしょう。明確な目的など無くても、自らの意志さえあれば、どんな旅でも希望が持てるのです。そんな人生も楽しそうだし、とても素敵ですよね。  印象的だったのは、マサコさんのトランクの中身が開かれたシーンでした。行方不明になったトランクの所在を繰り返し尋ねていたマサコさんに、サチエさんは言います。「大切なものが入っているでしょうから、早く見つかると良いですね」と。曖昧に返事をするマサコさんは、恐らく思い返したのでしょう。『無くして困るほどの物を、いったいどれほど持ってきたのだろうか?』と。 ようやく見つかった彼女のトランクを開いてみると、中にはあの森で拾ったような美しい落ち葉が溢れ返っています。たくさん拾ったのに何処かで落としてしまった、フィンランドの森の落ち葉。木漏れ日が射し込み静寂が佇む、まるでフィンランド人の穏やかさを象徴しているかのような美しい森で拾った、鮮やかなたくさんの落ち葉。きっとマサコさんが日本から持って来たトランクの中には、彼女が心から必要としているものは無かった、という意味なのでしょう。彼女が必要としているものは、ここフィンランドにあった。だからマサコさんはフィンランドに残ることを選んだ。  フィンランドという土地で素朴な日本の姿が徐々に受け入れられていく様や、言葉の壁を物ともせずハートとハートで人間関係が繋がっていく過程は、何とも言えない充足感や幸福感を与えてくれます。人と人との出会いは、ある意味「糸」のようなもので繋がっているのかもしれません。その「糸」は「縁」あって「絆」に変わっていくのでしょう。 彼女たちの「いらっしゃいませ」は、今日も新たな縁の糸となっていることでしょう
[DVD(吹替)] 8点(2009-01-08 23:13:47)(良:1票)
50.  青い車 《ネタバレ》 
主演3人の演技は大変良かった。ARATAの繊細さ、麻生久美子の幸薄さ、宮崎あおいのあどけなさ。彼らが映し出されたとき、それぞれの美しさが溢れ出ていた。  しかし、何よりも驚いたのは、この映画の制作陣の「先見の明」だ。もし彼らが、数年後に宮崎あおいが某保険会社のCMに起用されることを知らずにいたとしたら、この映画は恐るべき預言とも言える。アヒル、事故、「ずっと幸せが続けばいいな」という台詞と裏腹の展開(”一生一緒だ”ってこと?)など、もう正にそれらを連想させているとしか思えないでしょう。  つまり、私個人としては、そういう見方をしないと楽しめなかった…ということです。しょうもない人間ですみません。
[DVD(字幕)] 4点(2008-12-11 14:47:33)(笑:1票)
51.  ゆれる 《ネタバレ》 
私には2歳下の妹がいる。姉妹仲は恐らく普通。私たちはすべてが似て非なる存在のため、家族として当たり前の慈愛、信頼、寛容はあるものの、姉妹であるが故の嫉妬、劣等感、羨望も持ち合わせていることもまた事実だろう。同じ親から生まれ、どれだけ親が平等に扱っていたとしても、環境によって育まれた立場や認識の差は、なかなか変わらないのかもしれない。  事件によって大人しかった兄は豹変し、そんな兄に戸惑う父や弟。それぞれが描く互いのイメージ(認識)がことごとく覆され、沸き起こる不安。人は「家族」という存在に、心のどこかで絶対的価値を求めているのかもしれない。絶対など存在しなと思いつつ、それでもどこかで信じているのかもしれない。だからこそ、その考えが根底から覆された時の絶望感は計り知れない。小さな波紋はじわじわと大きく広がり、心は揺さぶられ、絆も揺るがされ、互いの存在や価値さえも揺るがしてしまうほどの恐怖に変化するのだ。 兄の稔は、必死で自分を助けようとする弟の猛に深い謝意を感じてはいるものの、同時に自尊心を傷つけられ、恥と屈辱を感じてしまう。皮肉なことに、稔自身も父や弟と同様に、自らの認識と違う弟を目の当たりにして戸惑い、不安や恐怖心が生まれてしまったのだろう。証言台で話す猛の表情は悲しいほど無機質で憎しみに満ちているが、その姿を見つめる兄の表情が安堵に満ちているのは、なんとも悲しい。  しかし、猛が偶然見たホームビデオに映し出されていたのは、取り合う手と手から感じられる兄弟の確かな絆。これを見た瞬間、私も猛同様に嗚咽を漏らしてしまった。幼かったあの頃の数々の映像が頭の中を駆け巡り、苦しくなるほど胸が痛んだ。同時に、温かく優しい感情にも包まれた。私は、自分が想像していた以上に妹を大切に想っていたことに気がついたのだ。 本作のように、いつか私たちにも認識のズレを感じる時が来るかもしれない。しかし、私たちにも見えない絆があると信じたい。不安定で不確かなことばかりだが、私と妹との絆だけは消えないで欲しいと願う。  最後に猛が必死に「兄ちゃん、家へ帰ろうよ」と叫ぶ言葉の裏には、「あの頃の二人に帰ろうよ」という願いも込められていたのだろう。そして弟の声に気づき微笑んだ兄の「帰る場所」が、どうか父や猛のいる場所であることを、切に願った。
[DVD(邦画)] 9点(2008-06-19 00:30:23)(良:1票)
52.  陽だまりのグラウンド 《ネタバレ》 
鑑賞前は、ダメ男が子供たちと野球を通じて自分を見つめ直す、よくあるドラマだろうと高を括っていました。 しかし実際はお涙頂戴でも無く、子供をダシに感動を仕立てた安っぽいドラマでもなく、治安の腐敗、殺伐とした街、エゴに塗れた大人たちなど、荒廃した世界を映し出したリアルなドラマだった。  主人公は堕落したダメ人間の典型だが、そんな自分を嫌悪しつつ、そのぬるま湯から簡単には抜け出せない様子も窺える。 これはつまり、人間の根本的な弱さと、大人に成れば成るほど堕ちた時の絶望感が大きいのだ、ということを意味しているように思う。 しかし、どんな人でも変わることが出来るはずだ。 その代名詞として、愛や子供という純粋で無垢な存在があるのだろう。 綺麗事と言われるかもしれない。 だが、こんな時代や環境を恨む事無く、真っ直ぐ懸命に生きようとする子供たちの姿を前にして、自らの荒んだ生き方をどうして恥じずにいられる? 愚かな自分でも受け入れようとしてくれている人を前にして、どうして変わる事を恐れる必要がある? どんなに小さくても、自分が変わる為のキッカを何か一つでも掴めたか否かで、その後の人生がいくらでも変えられる事を、この映画は教えてくれる。  しかし、理不尽なこの世界。 生と死の前では、人はあまりにも無力なのだという事を感じざるを得ない出来事に、言い知れぬ悲しみを感じる。 目を背けたい現実を受け止めながら進むのは辛く苦しいが、人間として大きく前進する為の大切な課程であるのだろう。
[DVD(字幕)] 6点(2008-06-16 22:18:52)
53.  プラダを着た悪魔 《ネタバレ》 
この作品の人物たちは、いかなる職種・業務であろうと、自らの仕事に誇りを持っている。世界的デザイナーに多大なる影響力を持つミランダ、彼女に憧れ自らの身を削り仕えるエミリー、有能な片腕であると同時に彼女の駒になる事も厭わないナイジェル。彼らは自分の望んだ道を歩み、最大限の努力をし、成功というゴールに向けてひた走っている(来た)。しかし、努力するだけで成功するほど世の中は甘くない。ミランダは生涯の伴侶(愛)、エミリーは自らの身体(健康)、ナイジェルは才能の開花(独立心)。成功に向けた努力の影には、常に何らかの犠牲がある。  序盤のアンディは、慣れない仕事やミランダのトンデモ要求に奮闘しているように見える。しかしナイジェルは言う。「君は努力をしていない、愚痴を並べているだけだ」と。その『仕事自体を好きになろうとする努力』をしないで、どうして全力を注げる?どうして努力が周囲に伝わる?という、核心を衝いた台詞である。その後アンディは、周囲からも一目置かれるほどの変化を遂げる。彼女は『自分が変われば周りも変わる』を体現したのだ。  しかし、順調な仕事とは裏腹に不調なプライベート。アンディの恋人ネイトは訴える。「自分が愛する人々、自分を愛してくれる人々、大切な人や物を犠牲にし、自分自身を変えてまでする仕事が、君にとってどれほど価値があるのか?」と。それぞれ価値観は違って当然、だからアンディとネイトの考えは、どちらも間違っていない。アンディとは真逆の「ネイト的価値観を持つ層(鑑賞者)」にも共感されるよう、間口を広く取って訴える製作の姿勢には好感を覚える。  最終的にアンディが下した決断は、社会に生きる人々にとっては憧れに近い形だ。好きな仕事をし、大切な人との関係も維持する。しかも、急な去就にもかかわらず上司は部下の実力を認め、活躍に期待を込めている。何て恵まれているのか!しかし、これもまたアンディの努力によって勝ち取った結果なのでしょう。  誰もが皆、表舞台に立つために裏で様々な画策を練っている。仕事をするのが人間同士である以上「人と人との繋がり」で仕事は成り立っている。それが過言ではないことを、この映画は改めて教えてくれた気がする。年齢・立場・環境によって感想が変わっていく作品だと思うので、数年後にまた見直してみたい。
[DVD(字幕)] 8点(2008-06-16 20:19:00)(良:3票)
54.  変態村 《ネタバレ》 
色々な意味で凄すぎる映画でした。 邦題の通り、出演者の9割は変態(というか、サイコ)な人々ばかりです。 吹き替えで見たせいか、声優さんたちの素晴らしさを、改めて実感しました。  原題は「Ordeal=厳しい試練、不愉快な体験」だそうです。 ラストのオチには一瞬、戸惑いを隠せませんでしたが、 なるほど、確かにこの原題に沿われているようにも感じました。 主人公には、序盤から多くの不愉快な出来事が起こり、 次第にそれらがエスカレートし、厳しい(不条理)試練へと変化していきます。 これは同時に、鑑賞者にも不快感をシンクロさせているのでしょう。  しかし、終盤に主人公がグロリアの成果てを目にし、 後の場面で彼がとった言動にこそ、本当の意味があるのではないかと思いました。 逃げはしないが助けもしない、しかし相手の望む言葉は口にする。 これこそが「Ordealからの解放」を示しているような気がします。 つまり『赦し』ではないかと。 鑑賞者に対しても「目」という五感の一つを通して見えた不快感(Ordeal)を、 あの幕の下ろし方でも納得(赦し、解放)できるか?と、 あえて訴えているようにも感じました。  目を背けたくなる描写がたくさんあるのに、 思わず食い入って見てしまう、不思議な作品。 でも、私には赦しとかどうでも良いくらい不快感しか残らなかったので、この点数です。
[DVD(吹替)] 3点(2008-06-04 16:37:10)(良:1票)
55.  死霊の盆踊り 《ネタバレ》 
おっぱいがこんなに魅力的に思えなかったのは初めてでした。 
[インターネット(字幕)] 0点(2007-12-17 11:04:53)(笑:4票)
56.  エニイ・ギブン・サンデー 《ネタバレ》 
ロッカールームのシーンが衝撃的過ぎた。 黒人さん”自身”に驚いて、思わず2度ほど巻き戻して見てしまった。 だって本当にビックリしたんだもん!! 「世界基準」という言葉が私の頭の中を駆け巡りました。  広く世界を見渡していこうと誓いました。 こんな私を変態と蔑んでも構いません、きっと本当に変態です。
[DVD(字幕)] 5点(2007-12-06 16:13:49)
57.  恋空 《ネタバレ》 
原作未読です。 ケータイ小説の映画化と聞き言い表せない不安はあったものの、「百聞は一見にしかず」ということで観賞。しかし、その不安は見事に的中。むしろ予想を覆す酷さでした。この作品を表す言葉は『陳腐』『安易』『あざとい』『倫理観の欠如』ですかね。  レイプ、イジメ、妊娠、流産、失恋、両親の離婚危機、元彼の病発覚、死別。「思いつく不幸エピソードは、とりあえずぜんぶ詰め込んでみました♪」的な安易で陳腐な内容には呆れて物も言えません。終いには周囲から聞こえる嗚咽の中、一人笑いを堪えるのに必死でした。  主人公は仮にもレイプや陰湿な嫌がらせを受け、精神的にも肉体的にも大きな被害を受けた立場のはず。それなのに、被害者本人や周囲の人間達が被る深い傷や苦悩は大して描写されず、どうしてあんなに簡単に妊娠が出来るのか?彼氏もどうして避妊しない?主人公の両親も、何故あんなに冷静でいられるのか不思議だった。娘が暴行被害に遭った後にこの有様なのだから、もっと親としての怒りや情けなさなどの感情描写があっても良かったように思う。それに、たったあれだけで離婚話がアッサリ解消される程、夫婦って簡単か?取って付けたようなあざとい家族描写のせいで、誰にも感情移入出来なかった。  他にも、いくら流産した赤ちゃんの命日とは言え、今の彼氏と一緒にいる時(しかもクリスマス)にわざわざその場に行くとは、なんて思いやりの欠片も無い子なんだ…と思った。そして元彼が病魔に侵されていると知るや否や、アッサリと今彼を捨てて元サヤ。単に自己中心的なだけなのに、妙に悲劇のヒロインぶっている主人公には激しく嫌悪感を抱いた。癌患者についても、誤解を招くのであんなに綺麗に簡単に描かないで欲しい。  感性や感受性というのは様々なので、感動した人たちを否定するつもりはない。しかし、実際に劇場でも沢山の女性が涙していた光景を目の当たりにしたため、自分と彼女達の間にある小さく深い隙間を実感せざるを得なかった。 もう人が死んで涙を誘う映画(特に邦画)はいらない。それに対して簡単に泣けるほど安直で陳腐な感受性になってもいけないと思った。 ミスチルの歌が良かったのがまだ救いで2点。
[映画館(吹替)] 2点(2007-11-09 11:37:43)(良:5票)
58.  嫌われ松子の一生 《ネタバレ》 
人を愛し愛されたいと言う誰もが抱く感情を、 松子は人一倍強く持ち、大切にし、それに従うまま生き抜いた。 何度騙され裏切られても、彼女は愛する事を決して止めず、 転んでも決してタダでは起きず、どん底からでも這い上がっていった。 それでも人間とは弱く儚い生き物。 かつては愛に生き抜き、どんな逆境や不幸のどん底でも笑顔を絶やさなかった彼女が、 最後の数年はその影など跡形も無く、絶望の果ての諦めに佇んでいた。  しかし、彼女の死に際の行為は、かつての教師たる影を匂わせる。 「未来を担う前途ある若者たちに、自らのように道を踏み外して欲しくない」 「一寸先は闇。 だからこそ、時間を無駄にせず懸命に生きて欲しい」 これも彼女なりの一つの愛であったように、私には感じられた。 そんな彼女の人生の最期は、何とも呆気無い、何とも悲しい幕引き。 あまりにも救われない人生の結末と現代社会のリアルさを見せられ、 それまでのミュージカル調に明るく鮮やかな色彩が、一瞬にして闇に落ちる。  愛とは、正義とは、誠実さとは、いったい何なのだろうか。 彼女の人生を「無意味、空っぽ、下らない人生だ」と哂う人もいるかもしれない。 しかし、本当に彼女を哂えるだろうか。 幼少の頃に父親の愛情を切望していた彼女が原点だとして、それ以降も 愛を求め続けたのは、ただ単に淋しさや愛に飢えていたからではないと思う。 彼女は、ただ自分に微笑んでくれる温かさが欲しかっただけなのではないだろうか。 愛する人たちの笑顔を見れれば、彼女にとっては充分だったのかもしれない。  母のように温かく包み込み、少女のように可憐に純粋に愛でる彼女の愛は、 あまりにも大きく心地が良いため、その価値にすぐに気付くことが難しいのだろう。 失った後に初めて気がつく彼女の存在価値。 自分の中にかけがえの無い何かを確実に残していった、彼女の深さ。 心から愛した相手の心の中に自分の存在を残し、この世を巣立っていった彼女には、 それが何よりの幸せの証なのかもしれない。  鑑賞中、そんな彼女の幸せをどんどん切望している自分に気がついた。 そして終盤、なぜか涙が止まらなかった。 その後の清々しい気持ちは今でも覚えている。 「曲げてのばして」の歌が、今でもたまに私の頭の中で流れる時がある。 私の心に粋な残り方をしてくれたこの映画に、感謝の意を述べたい。
[映画館(吹替)] 9点(2007-07-31 17:10:02)(良:1票)
59.  ビフォア・サンセット 《ネタバレ》 
前作の終わり方から二人のその後が気になっていたが、下手な続編によって自分なりの想像が潰されるのがいやで、観るのを躊躇していた。が、実際に見てみると、前作に引けを取らず良い仕上がり。もしかしたら、前作より好きかもしれない。所々に顔を出す前作の内容を踏まえた粋なストーリー展開は、観客が前作で抱いた(或いは制作者側が意図的に抱かせた)疑問・希望・想像などをよく把握した上で本作を創り出しているのがよく分かる。  年を重ねた二人の会話は、以前にも増して魅力的になっている。酸いも甘いも経験した一味違った切り口が加わっている辺りに、二人が大人になったことを実感する。時間の重みや二人の変化を垣間見ることができる。そして、だんだんと二人の顔に昔のような表情が見え隠れし、流れる空気まで自然と変化していくのは素晴らしい。主演二人の魅力と力量がなせる技であろう。  今作も再びラストの結末は観客に委ねられた形だが、こんなにも二人が一緒になれる事を望んでしまう映画は、稀である。まだ経験不足な自分には、この映画を多く語れる自信がない。きっと年を重ねる毎に、感じ方も見方も変化する映画だと思う。10点を付けたい気持ちはあるが、私自身の今後の成長に期待を込め、今はあえて9点に留めておきたい。いつか、二人の関係や会話を真に理解ができる自分でありたい。
[DVD(字幕)] 9点(2007-07-31 16:36:36)
60.  アイ・ラブ・トラブル
安心して見られるドタバタラブコメ・・・かと思いきや、意外にサスペンス要素も含まれていました。 主演の二人も意外にお似合いで好感触。ニックの顔の皺に少し物悲しさを覚えたものの、皺の数に勝る素敵な壮年男性を体現できていたのは、まさに年の功。対するジュリアも、若々しさと持ち前の気の強い愛らしさが溢れていた。 しかし、ストーリー構成に稚拙さ感じてしまったのが残念。二人の騙し合いに的を絞った方がより良い出来映えになった気がする。ラブコメで売ろうとした制作者側のミスだろう。必要以上に期待せずに観れば、そこそこ楽しめると思います。
[CS・衛星(字幕)] 5点(2007-07-31 13:57:22)
021.69%
143.39%
297.63%
3108.47%
465.08%
51311.02%
61815.25%
71411.86%
82117.80%
91210.17%
1097.63%

全部

■ ヘルプ
© 1997 JTNEWS