41. 昼下りの情事
《ネタバレ》 若い奥さんの昔の男の話は、目一杯の背伸びが付かせたウソかあ。……まてよ、それって、父親の証言だものなあ。あれ?なんか、心配になってきたぞ…。 という続きの展開の妄想が、頭からはなれない。 大丈夫なのか?フラナガンさん。 [DVD(字幕)] 4点(2012-11-05 01:39:54) |
42. 空の大怪獣ラドン
《ネタバレ》 ミニチュアによる、建物の破壊シーンは、文句の付けようがない。東宝特撮の中でも、屈指の出来だろう。特に、『怪獣大戦争』の中で感心したカットが、ここからの流用であったのは驚きだ。参った事に、その撮影方法までWikipediaに書かれていた。有名なカットだったんだ…。 ヤゴの怪物とラドンの造形がチャチい事は、この際我慢する。しかし、人間側のドラマがつまらない。といか殆どドラマらしいドラマがない。また、ゴジラ映画の基本原理とも言うべき、核兵器の実験によって生み出された生き物、という説明を付けようとしているが、地理的にもかなり厳しい。 劇中、阿蘇周辺が溶岩流の被害に遭うのと、市街地に「怒りの持って行き様のない被害」に遭うのとの、択一の決断を迫るシーンがある。これに焦点を絞ったドラマを展開すると面白かったのではないだろうか。 [DVD(邦画)] 4点(2012-11-01 23:27:43) |
43. 美女と液体人間
《ネタバレ》 東宝は、放射能で生物を巨大化したと思ったら、今度は液状化までさせてしまっている。現在だったら、被爆者への偏見に繋がりかねないとして、許されなかったかも知れない表現だ。 ま、そこは目を瞑ろう。気持ち的に核兵器(実は危険なのは兵器だけじゃなかったわけだが)の、恐ろしさと批判が根底にあるだろうことは、容易にわかる。 だが、この物語はその部分を強調すること無く、超科学を信じずに右往左往振り回される、捜査陣を執拗に描写している。だから、普通の刑事ドラマのように見えるのだが、それにしてはドラマが薄い。観客が(少なくとも私の)見たいのは、事件記録ではなく、事件にまつわる人間のドラマである。 学者と女のラブストーリ-をもっと丁寧に描くとか、「精神活動を持った」という部分をもっと膨らまして、あえて女を襲わない部分を描くとかしてみれば、それなりに面白くなったのでは。 [DVD(邦画)] 4点(2012-10-09 01:29:13) |
44. 宇宙大戦争
《ネタバレ》 昔の人は律儀というか、真面目だったんだろうな。 宇宙人が人類に最初にコンタクトして、地球人が相手の月面基地を発見、出撃し攻撃、その後全面戦争になって、勝利する、なんて、一本の映画には荷が重すぎるに決まっている。が、最期まで描かないといけないという、固定観念というと時代的にかわいそうな気もするが、そういう律儀さが、スターウォーズを見ている今の我々には、なんて無謀なことを…という思いを抱かせる。もっとも、そこを解決しても、特撮技術がその分向上するわけではないのだが、少なくとも「局地的少数人数で物語が進んでいる感」は、何とかできたかも知れないのに。 で、そのムリを強引に推し通した結果、あらゆることが、安直に進む。 すでに相手の星深く入り込み、地球人の一個人を洗脳するテクノロジーを有している相手が、月面基地でまんまと敵の接近を許し、あまつさえ設備を破壊される。ここの宇宙人の描写、特に女性隊員がさらわれそうになるシーンなどを見ていると、高度なテクノロジーを持っているとは言いながら、制作陣はやっぱり侵略者を下等生物と見ているフシがあるのが、かなりイタイ。これ、当時の日本人の「外の人間観」だったりしない? ちなみに、いま見て気付いたこと。劇中登場するコンピュータ「HIPAC」ってあのパラメトロンを使った日立の国産コンピュータだったんだ。 また、カナダの国旗が今のと違うとか。 [DVD(邦画)] 4点(2011-07-26 03:37:04) |
45. 青銅の魔人 第一部
その昔、乱歩が正史に語った言葉「映像作品は、まず原作者の言う通りにはならない」を思い出さずにはいられない。 ビジュアルがしょぼい、透明人間の必然性が無い、そのトリックも画面で起きていることを解明できていない、などなど諸々の問題はある。 だが、そういう事は時代とターゲットを考慮すれば、まだ呑み込める。しかしそれでも問題なのは、いやしくもあの怪人二十面相の小悪党感である。 原作では悪役ゆえ、神(乱歩)の采配によりいつも明智にしてやられはするが、日本一の探偵と互角に渡り合う日本一の怪盗である。正体を見破られても、ビルの上に追い詰められても、平然としていて欲しいのである。 品位と威厳をもって悪事をなしてほしいのだ。町のチンピラの頭領くらいにしか見えない二十面相なんて、二十面相ではない。 ちなみに『青銅の魔人 第一部』の項だが、ビデオでは四部まで収録されており、すべてを通して観ての感想である。 [ビデオ(邦画)] 3点(2013-05-06 00:35:20) |