41. 男はつらいよ 噂の寅次郎
《ネタバレ》 シリーズの中では地味な扱いかもしれませんが、寅次郎ファミリーのギャグの掛け合いの巧みさ、暴走するタコ社長、志村喬・泉ピンコ・室田日出男といった豪華ゲスト陣の演技、そしてマドンナ大原麗子の可愛らしさ等々見応えのある作品でした。 救急車やタコ社長失踪の話等本当に腹を抱えて笑ってしまうエピソードも多かったですね。 [地上波(邦画)] 9点(2010-01-03 23:25:16) |
42. トラ・トラ・トラ!
《ネタバレ》 真珠湾攻撃に至るまでの日米間の駆け引きやそれぞれの思惑や諸事情がしっかりと描かれていて見応えのある作品でした。日本が騙し討ちのように奇襲をかけた加害者で、アメリカが何も知らない加害者であるといったような単純化がされていないことも評価したいと思います。まあ、日本外交の詰めの甘さの酷さと第二次世界大戦に参戦するための大義名分が欲しいアメリカの思惑が重なってしまったということですね・・・・・・。 戦闘シーンもCGなど無くてもド迫力でしたね。また、真珠湾攻撃成功後の山本五十六の深刻な表情も非常に印象的でした。 しかし、この映画の後でなぜ「パール・ハーバー」のようなしょうもない作品が作られるのか、不思議でなりませんね。 [地上波(字幕)] 8点(2009-12-29 23:55:29) |
43. 宵待草
《ネタバレ》 神代辰巳と長谷川和彦の黄金タッグによるジャパニーズ・ニュー・シネマです。正直粗は目立ちますけど、その粗の部分のしょうもなさも含めて、この作品に流れるユーモラスだけれども刹那的でやるせない雰囲気がとても好きです。画面的には暗い場所での場面が多かったので、ラストの夕陽がとても印象的でした(それとでんぐり返しも)。 細野晴臣の音楽も良かったです。 [ビデオ(邦画)] 8点(2009-12-08 00:17:19) |
44. 暗殺者のメロディ
《ネタバレ》 最初の方はやや退屈でしたけど、終盤の緊迫感・展開の鮮やかさは見事でした。 暗殺、しかも相手は世界中に知られており後世にもその名を残すレオン・トロツキー・・・そのプレッシャーの大きさに苦しみ悩む男の姿は非常に人間的ですが、しかし最終的に卑劣で残酷な手口で任務を遂行してしまうところに、追い詰められると本能的に勝手な自己肯定をしてしまう人間の弱さ・恐ろしさが出ていましたね。 [DVD(字幕)] 7点(2009-11-23 10:52:58) |
45. 人間の証明
《ネタバレ》 豪華なキャスティングや本格的なNYロケ、派手なファッションショーととにかく威勢は良いものの、どことなくハリボテのような薄っぺらさが目に付きましたね。まあ、娯楽作品だといってしまえばそれまでなんですけどね。 戦後日本の復興の裏に隠された悲劇(おそらく実際に同じようなことはあったと思います)をこういう風に使うのはどうなのかなと思いましたね。もう少し深みのある作品にしてもらいたかったですね。 ただ、松田優作の存在感はさすがでしたね。何というか、「ブラックレイン」の原点を見たような気がしました。 [地上波(邦画)] 6点(2009-11-07 00:19:54) |
46. 天使の恍惚
《ネタバレ》 時代を感じさせる作品です。また、テロを否定していない危険な作品です。(爆弾テロを仕掛けまくってますし・・・・・・) 「自分の身体を張って闘えるヤツ、本気で孤立できるヤツ、個的な闘いを個的に闘える奴等、孤立した精鋭こそが世界を変える、世界を創る」というセリフが(ほとんど自己陶酔の世界ですけど)非常に印象に残りました。(あとはカフェバーのシーンが海外映画風で洒落てたことと、そこで歌われてた「ここは静かな最前線~♪」という物悲しい歌が気になりました。) まあ、完全に受け入れる事は出来ない作品でしたが、かつて日本にもこういう時代があったという歴史的な視点で見ると非常に興味深い作品だと思いました。(決してオススメはしませんが) [ビデオ(邦画)] 6点(2009-09-28 09:17:44) |
47. アフリカの光
《ネタバレ》 ストーリーは多くの設定説明が省かれたまま進んでいくため、正直良くわからない部分が多かったです。ただ、スクリーンに映し出される北の海、アフリカの大地、冬の港町の風景、そして出演者たちのパワー漲る圧倒的な演技(ショーケンと田中邦衛の個性がうまい具合にぶつかりあっています)に惹きこまれ、あっという間にラストまで行ってました。 刹那的でありながらどこか温かい雰囲気につつまれた映画でした。 [映画館(邦画)] 8点(2009-07-14 08:54:21) |
48. 1900年
《ネタバレ》 イタリアでなぜファシズムが生まれ、国中を席巻していった過程を見事にドラマ化していますね。長編なんですが、まったく飽きることなく観ることができました。まあ、ドナルド・サザーランドの役はちょっとデフォルメされているような気もしますが。 しかし、ラストのまとめ方は本当に常人の想像を超越した見事なものでしたね(こうくるか・・・という感じでした)。 [ビデオ(字幕)] 8点(2009-07-05 00:52:52) |
49. レット・イット・ビー
《ネタバレ》 「ザ・ビートルズ」という奇跡とその終焉を記録した貴重な映像作品です。伝説のアップル本社屋上ライブは鳥肌が立つくらい格好よかったです。20世紀を代表するミュージシャンの華やかな舞台の裏の地味さも非常に人間くささが出ていて興味深かったです。 [ビデオ(字幕)] 8点(2009-06-30 22:13:55) |
50. 下落合焼とりムービー
《ネタバレ》 所ジョージやアルフィーの坂崎幸之助、タモリといった芸能界の大御所たちの若かりし時代の姿を記録した貴重なフィルムではあります。 しかしながら、映画全編で繰り広げられるナンセンスな世界がどうも気持ち悪くて好きになれませんでした。なんなんだろう、下品なんだけどどこか上から目線なところがどうも合わないんですよね。 [DVD(邦画)] 2点(2009-06-23 18:41:46) |
51. マッドマックス
《ネタバレ》 妙にリアルで生々しくて、爽快感というよりは不快感を感じてしまいました。何でこんなチープな作品がヒットしたのか、正直私には良くわかりません。 [ビデオ(字幕)] 3点(2009-06-19 19:00:44) |
52. ソウル奪還大作戦 大反撃
《ネタバレ》 朝鮮戦争の勃発から3ヶ月の戦況が描かれており、朝鮮半島が大混乱に陥っている様子がよくわかり興味深かったです。同じ民族がイデオロギーの違いから2手に分かれて憎しみあい、殺しあう姿は本当に哀しく無常なものだと感じました。しかも、敵と味方の支配が何度も入れ替わってしまい、そのたびに民衆は翻弄されてしまうわけですからやるせないですね・・・・。 韓国の国策映画ということもあって、韓国軍=英雄、北朝鮮軍=悪という図式が全編を貫いていますが、なかなか貴重な映像作品だと思います。 [DVD(字幕)] 7点(2009-05-02 00:28:29) |
53. 告白(1970)
《ネタバレ》 スターリニズムの下、東欧各国で起きた粛清の恐怖を描いた非常に重苦しい社会派映画ですが、エンターテイメントとしても良く出来ていて見応えがありました。 国家権力という大きな力の下では、人間なんていかに弱くちっぽけな存在であるのかが嫌というほど描かれていて息がつまりそうになりました。 「プラハの春」の終焉で終わるラストは、非常にやりきれない気持ちになりましたね・・・。 [ビデオ(字幕)] 8点(2009-04-28 20:05:24) |
54. タクシードライバー(1976)
《ネタバレ》 閉塞した時代の、閉塞した生活を送る人間にとってのヒーロー像を、デニーロが見事に演じています。ラストの展開も非常に素晴らしいと思います。 [DVD(字幕)] 8点(2009-04-24 19:52:04) |
55. ディア・ハンター
《ネタバレ》 戦争映画というよりは、誰もが持っている「HOME」という極めて普遍的なテーマについて描いたヒューマンドラマと言った方が適切でしょうね。3時間強という時間も決して長くは無い非常に心に沁みる映画でした(むしろもう少し時間が欲しいくらいでした)。 しかしながら、あのロシアン・ルーレットの緊張感は凄まじいものがありましたね。出演者たちの演技も非常に素晴らしく見応えがありました。劇中に流れる「CAVATINA」の美しい旋律が頭から離れません・・・・。 [DVD(字幕)] 8点(2009-04-11 19:59:45) |
56. 小さな恋のメロディ
《ネタバレ》 世界は無限に広がっていて、やろうと思えば出来ないことは何もないと信じて疑わなかった少年だった頃を思い出させる作品ですね。ビージーズの音楽が非常に印象的です。 [ビデオ(字幕)] 7点(2009-03-31 11:21:09) |
57. 赫い髪の女
《ネタバレ》 濃いですねえ・・・。宮下順子と石橋蓮司のマッチングがこれまた見事で、これでもかとドロドロとした情念のぶつかり合いを見せてくれます。 [ビデオ(邦画)] 7点(2009-03-30 18:42:48) |
58. 桃尻娘 ピンク・ヒップ・ガール
脳天気でアヤしいテーマソングが非常にインパクト強いですね。70年代の世相や、常にブレない内田裕也を観る事ができますが、内容は特にありません・・・・。 [DVD(邦画)] 5点(2009-03-05 12:53:16) |
59. チャイナ・シンドローム
《ネタバレ》 非常に見応えのある社会派映画でした。この映画が上映されてから30年経ちますが、いまだに原発事故を隠蔽しようとする体質が電力会社に残っているのですから恐ろしいですね。そして皮肉にもそのことが、いかに原発がとてつもなく大きな危険を抱えた施設であるかを証明してしまっているんですよね・・・・・。 しかし、利益のために安全を無視して暴走する企業の姿には、原発事故に勝るとも劣らぬ恐ろしさを感じてしまいました。 [地上波(吹替)] 8点(2009-01-28 18:49:51) |
60. 赤軍派-PFLP 世界戦争宣言
《ネタバレ》 メッセージはひたすら「武装闘争」を呼びかけるなど非常に過激ですが、映像はパレスチナゲリラの日常を結構淡々と映して、冒頭等に出てくるニュース映像との落差に「闘争の現実」を感じてしまいますね。 正直、訴えかけられるメッセージに対しては賛同しかねるのですが、当時の世界的な新左翼運動についての歴史的資料という意味では非常に興味深い作品でありました(当時の赤軍派の動向も描かれています)。 [映画館(邦画)] 7点(2009-01-13 15:54:08) |