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tottokoさんの口コミ一覧[この方をお気に入り登録する

プロフィール
コメント数 2002
性別 女性
自己紹介 周りに映画好きな人があまりいない環境で、先日はメリル・ストリープって誰?と聞かれてしまったりなのでこのサイトはとても楽しいです。
映画の中身を深く読み解いている方のレビューには感嘆しています。ワタシのは単なる感想です。稚拙な文にはどうかご容赦を。  

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41.  恋のゆくえ/ファビュラス・ベイカー・ボーイズ
酔った、酔った。ミシェル・ファイファーの身体の線に。きらきらした彼女の腕飾りに。そして苦い大人の恋に。陶然となった。これ以前のM・ファイファーの印象は、「研ナオコ顔の女優だなあ」だったのが、突然大輪の花開いた、と言う感じ。パーティの終わった後の風船が散らかったホールの寂しい美しさ、とか音楽に加えて画がしっとりとして素敵。最後に訪れたミシェルが着ているコート、初めに登場したシーンと同じものなのですよね。細部にもセンスを感じる上質な映画です。
[映画館(字幕)] 8点(2011-09-21 00:16:47)
42.  田舎の日曜日
人々の日常が淡々と、穏やかな映像美のなか交錯してゆく。フランスの片田舎のあふれんばかりの陽光と木々の緑。しっとりした邸宅。わんぱくな男の子と金髪縦ロールの女の子。挿入される音楽はなし。時折蜂の羽音がぷん、と耳をつく。うらうらと暖かい陽射しのなかでなんと心地よい音だろう。懐かしくて美しくてみんなの午睡にいっしょに引き込まれそうな心地よい退屈。
[ビデオ(字幕)] 8点(2011-09-01 00:15:33)
43.  レインマン 《ネタバレ》 
十数年ぶりに再び観ました。以前はスルーしていたアメリカの大地の広さ、美しさがこんなにきちんと挿入されていたとは。T・クルーズの芝居が大きいなあ。極めて内向きのD・ホフマンとの対照をねらってやってるのか?とはいえ、兄弟の心が交錯する場面の描き方が上手くて素直にじん、とくる。過去が現れるモーテルの洗面所だとかホテルでのダンスレッスンとか。終盤でシロップを隠した弟のいたずらをわかっちゃうレイモンド、この場面が一番好き。レイには難解な質問をあびせる医者を制するチャーリーの台詞にも泣かされた。大岡裁きみたいで。(ちょっと違う)
[CS・衛星(字幕)] 8点(2011-08-24 16:52:43)
44.  パリ、テキサス 《ネタバレ》 
崩壊した家族のかつての幸せの欠片を探すトラヴィス。やり直しのできない不器用な男を巡るこの話が独特の美しさを獲得しているのはハンターとN・キンスキーとライ・クーダーの音楽があればこそ。ハンターが好きだ。子供らしい駄々こねを見せたかと思うと、父親の精神年齢を超える明晰さをさらりと表したり。無駄にドレスアップしたトラヴィスを前に「ラッキーだったのさ」と友だちに何気なく言うシーン。「左だよ、パパ」と明確に促すシーン。泣けて泣けて。そしてナスターシャ・キンスキー。ぐらり、とバランスが崩れると異形の造形にもなりそうな危うい彼女の美貌が、薄暗く妖しい風俗店のミラーの中でとてつもない迫力。息を呑んだ。彼女とハンターが抱擁する場面、二人の金髪がさらさらと溶け合って、こんなにきれいなものは初めて見た、と思った。きっとこの先は大丈夫なんだ。いざとなったら、ハンターにはお父さんもお母さんも二人づついるんだし。
[ビデオ(字幕)] 8点(2011-08-21 01:17:48)
45.  ライトスタッフ 《ネタバレ》 
宇宙開発黎明期のアメリカ。フロンティア・スピリット旺盛な男たちのドラマはガッツに溢れてて元気いっぱい。英雄を求める世間と、それにちゃんと応えようと張り切る飛行士たち。数年時代が下っての月面着陸ミッションを描いた「ファーストマン」では任務が命がけの悲壮感に変換されていて、時代が変わるとずいぶんとテイストが変わるものだなあと思いました。 5~6名ほどのメインキャラクターは各々個性的に描き分けられていて(その奥様も)、競争心や連帯感などが程よい塩梅に散りばめられて観易いドラマに仕上がっています。 ソ連への対抗心丸出しではっちゃきになるホワイトハウス高官らのドタバタは完全に喜劇。ジョンソン副大統領がめちゃくちゃ笑。 一方、NASAとは別のところですでに人類の偉業を成し遂げていた一団がいたのだよ、という二本骨のシナリオにもなっているのですね。 わたしは寡聞にしてチャック・イェーガー氏のことはこの映画で初めて知ることになり、新しい感動を覚えました。華々しい米国のロケット技術、そこに至るまで万人の各地での努力・功績があったことをちゃんと織り込んだ脚本には品格を感じます。
[CS・衛星(字幕)] 7点(2024-03-15 21:23:05)
46.  ランブルフィッシュ 《ネタバレ》 
なんというか、青春の苦悩を描いている「ぽくて」、深「そう」で、繊細な「感じ」がする。けど、そんな大層な出来でもないような気もする。評価に困る「ぼんやりした」映画だけど、雰囲気が抜群に良いのですな。なので心に残る。 一体何が素敵なのかしら。一躍スターダムに上ったマット・ディロンが眩しいからか、秘密主義っぽいミッキー・ロークがそれほど深遠なキャラでないとバレる前だったからか、それともモノクロの映像が80年代の技術で美しく撮れているせいかしら。 尺が短めなのは大抵の場合歓迎なのだけど、この映画に関して言えばカリスマ兄の心を映すエピソードや飲んだくれの愛すべきデニス・ホッパー親父の話をもう二つ三つ入れてストーリーに厚みを持たせてくれれば傑作の域に入ったのでは、と思う。
[CS・衛星(字幕)] 7点(2023-10-10 22:45:38)
47.  ヒッチャー(1985) 《ネタバレ》 
かのスピルバーグ「激突!」型の不条理にホラー味をまぶした感。怖い怖い。殺人鬼の背景とか一切ないのね不条理だから。 怖がらせ方が上手い。洗練されていると言っていいほどに。ポテトから出てくる指はほんの手始め。しんとした署内に現れるのが、まず犬なんだよね。このじらし演出、十分びくびくさせられました。 殺人者も恐いけど、警察に疑われるというダブルのストレスも小心者のわたしにはかなりのものでした。 もうめちゃくちゃな状況の主人公にようやく現れた味方、ジェニファー・ジェイソン・リー。恐怖からの自己防衛本能が働いたせいか、わたしね彼女が無事なんだと思ってたんです。でも皆さんのコメント読んだらそうじゃない。がーーん・・。やだあ・・。
[DVD(字幕)] 7点(2023-03-18 14:49:12)
48.  ブレックファスト・クラブ 《ネタバレ》 
青春モノってそれこそたくさんの切り口があるけれど、本作は図書館という一か所に人物を留め置いて、互いのおしゃべりで高校生の心理に分け入っていく会話劇なのでした。18歳という季節の微細な揺れを忘れず記憶していないと書けない脚本だと思います。 キャラ配置はクラスカースト上位の男女2名・ガリ勉・不良・不思議系、とうまく散らしています。80年代の作品だけどこの構図は大きく変化してはいないのではなかろうか。現在の10代でもきっと共感しうる感受性が備わっています。 高校生ってのは家と学校が世界の全てだったりします。大人の目から見たら他愛のない悩みが、彼らのリアルな演技で懐かしく思い出されました。 たぶん月曜からはまた彼らは元に戻るような気がする。他の友人たちの手前、劇的に関係が変わることはないのではないかしら。でもきっと卒業してしばらく経った時、高校生活で鮮やかに思い出すのは何よりもあの図書館での半日なのだと思う。青春てやっぱり綺麗だな。綺麗であってほしいな。
[CS・衛星(字幕)] 7点(2023-01-03 17:57:44)
49.  パンチライン 《ネタバレ》 
若きトム・ハンクスが魅力的です。元コメディアンだけあって、キャスティングにぴったりハマってます。餅は餅屋という感じです。 サリー・フィールドもまた良いです。美人過ぎない容貌は普通の主婦にしか見えないので、だからこそ似つかわしくない舞台に彼女が上がるたび、こっちも変にドキドキします。 家庭を取るか夢を叶えるか、80年代は今よりずっと二択を迫られる時代だったかもしれません。母は家庭を守るべし、という考えは世間や配偶者のみならず自らにもあって、階段で頭を抱えて座り込むライラの姿はその頃の(今でもきっとまだ)多くの妻や母のそれであったことでしょう。 だからどうなのかな、ラストは賛否両論呼んだのではないかな。ライラが優勝をスティーブンに譲ったことに。家庭人を選んだことも、ライラの決断ではあるのだけど。
[CS・衛星(字幕)] 7点(2022-10-27 18:07:04)
50.  誰かがあなたを愛してる 《ネタバレ》 
ラブシーンの無い恋愛映画を観るのなんて久しぶりです。なんという控えめな恋描写でしょう。アジア人の奥ゆかしさの美質を感じますね。 チョウ・ユンファがロマンチックのロの字もないキャラクターなので、そういう雰囲気に持って行きづらいということもあります。でも良いですねこの二人。東洋人ならこういう気持ちの塩梅は良く分かるのではないでしょうか。すぐにアイラブユーとか濡れ場とか何でも丸出しにすればいいってもんじゃないよね。 プレゼントの時計とバンドの行き違いなんて、時代錯誤なほどにすれ違いの黄金パターン。や、すごく良かった(笑)。ぐっときました。
[CS・衛星(字幕)] 7点(2022-05-02 23:17:39)(良:1票)
51.  エイトメン・アウト 《ネタバレ》 
1919年のワールドシリーズ八百長事件を知るにはうってつけの教材。実録ものを扱いながら、選手一人ひとりの性格描写や入り乱れる賭博師たち、ケチんぼオーナーとスポーツ記者らの絡み、野球選手に憧れる子どもの目まで丁寧に盛り込み、なかなかドラマチックな作品になっています。 米世論からは‶アンラッキー・エイト”と呼ばれた選手たち。やっぱり同情してしまうなあ。八百長に関わっていないのに「知っていたけどチクらなかったから」追放とはこりゃ厳しい。よく知るチームメイトからたった2試合だからさ、と言われてきっぱり断るのもわたしの優柔不断な性格では難しいや。 そもそもの発端となっている吝嗇化オーナーの描写がもう少し欲しかったな。ここはひとつ逆ギレをかましてヒール役に徹してほしかったところ。 それにしても、シリーズ1試合めから早々と八百長は見抜かれていたのですね。わざと手を抜くってバレないようにやるのは難しいんだねえ。新米ピッチャーが先発で、皆つい夢中になって本気で試合に取り組んでしまった3試合目の爽やかさときたら。やはりスポーツはこうでないとね。
[CS・衛星(字幕)] 7点(2022-03-03 16:36:44)
52.  サボテン・ブラザース
ああー。ばかだー。もう恰好から馬鹿だもん。決めポーズで殺しにかかってくるもん。 屈託度は限りなく低く、純度の高いバカ。 無駄に良い身体のキレとか意外と練られている脚本とか、馬鹿をやるために投入されている労力がなんかもう尊く感じる。 観終わって脱力しつつ清々しくなっている自分がいました。
[CS・衛星(字幕)] 7点(2021-10-17 17:04:08)
53.  ドレッサー 《ネタバレ》 
いやあ劇団の内部てのもなかなか人間関係がエグイですな。そりゃあそうか人生の殆どを芸事を極めることにつぎ込んできた人間が円満な社会性を身につけてるわけないか。 人生の晩年を迎えて扱いづらいこと究極の名優と、その付き人。この二人のやりとりが出色。猛獣使いの如き付き人ノーマンの、そのムチさばきが巧みです。メンタル不安定の老俳優をなだめたり叱ったり、オネエ仕草も勇ましくばしばしと畳みかけます。 トム・コートネイが、芸術に殉じる一員として涙ぐましいほどの忠実さを体現しています。一方で、名優の唯一の理解者であるというプライドや独占欲も時折顔を覗かせます。若い女優が近づいてくると見て取るや、「(抱き上げたのは)軽い女優を欲しているからよ」と言い放つ。その勝ち誇った表情には参りました。 そんな健気なノーマンの献身が、彼の望んだように返って来ないラストシーン。ああー、人の世にありがちな苦い顛末ですけど・・、残酷ですよねえ。
[CS・衛星(字幕)] 7点(2021-09-14 23:46:45)
54.  美しき結婚 《ネタバレ》 
いやはやロメール作品にはレギュラー出演の「情緒不安定女子」のなかでも本作のサビーヌは真打ちですなあ。 情緒不安定によるヒステリーの度合いも既出のメンツより二割増し。根拠の無い自信がそこに加わって自己中暴走ぶりもロメール他作品をはるかに凌ぐ過激さです。正直引きます。 まあかなりデフォルメされた女子像ではあるのですけど誰でも少ーしずつサビーヌなのはたしか。彼女のイタさを受けて我が身を顧みましょう。 ところでサビーヌには恋愛相談のキーパーソンになる親友クラリスがいまして、この取り合わせ「レネットとミラベル」に良く似ています。片方は都会的に洗練されていて気分も安定、もう一方は垢ぬけなくて若干こじらせ気味気性。 クラリスの着こなし、素敵でした。パーティ衣装より普段使いのスカーフやコートの方がおしゃれ。ロメールの映画はモードや灯りの撮り方がいつでも眼福です。 さて弁護士から「大人のあしらい」でフラれたサビーヌ、立ち直りも早い早い。さっそく次のターゲットを決めたようでこのガッツ、ちょっとアッパレにも感じますね。
[CS・衛星(字幕)] 7点(2021-07-01 23:39:48)(良:1票)
55.  満月の夜 《ネタバレ》 
自由恋愛先進国のフランスにおいてさえ、でも最低限相手への敬意を忘れてはいけないよ、という教訓めいた一本であります。 ルイーズは美人で社交的、彼氏と同棲してても束縛されるのは嫌い。彼氏のことはもちろん好きだけど、恋ばかりで心が占められる人ではないのでしょう。まあ同棲には向いてないよね。それにちっとも他人の心が分かってないし。友人のオクターヴは下心丸出しじゃないですか。「友だち」と思っているのは彼女の方だけだよ。 「私の友だちは男性ばかりよ」と言っていたように、同性の友人が出てこないのもルイーズの自己中性格が見て取れるように感じます。ところがね困ったことにパスカル・オジェがとても魅力的にこの勝手女子を演じてしまっているんですよね。ぽわん、と憂い顔で細身、子猫を思わせるような声。わたしは女なのでスルーできますが男性ならばこのタイプに弱いのでは、と容易に想像できますなあ。
[CS・衛星(字幕)] 7点(2021-02-09 00:23:40)(良:1票)
56.  追いつめられて(1987) 《ネタバレ》 
80年代の作品で、ケビン・コスナー主演でこの邦題、どうせ女絡みの泥沼愛憎劇だろうと思ってずっとスルーしてきました。こちらのサイトの高得点につられて観てみたら、あらけっこうしっかりした構成のサスペンスだったのね。公開当時観ておけば前半のいかにも80年代ぽい、軽いちゃらちゃらした空気も鼻につかなかったろうになあ。 まったくセットにしか見えない艦と大嵐、真っ赤なオープンカーと豪華ヨットで船遊び、場所構わずすぐ発情するアメリカ人、という画もこの頃多かったよね。 なんせ軽薄な前半の中にも、数々伏線を仕込んでおいてあったとは天晴れです。時間の経過とともにどんどん袋小路に追いやられるコスナーは逃げの一手なれどいろんな手段で身をかわすギリギリ具合に手汗倍増ですし、長官付きのゲイ補佐官の意外過ぎる恋情にはぶったまげますし、ラストの大オチはそれまでの仕込みを全て回収する見事なものでした。久々に頭まで巻き戻して見直したくなる一本でありました。 ・・にしても証人としてやってきたホテルのボーイさんはあの恰好のままペンタゴンまで連れてこられたんだねえ(笑)着替える時間くらいあったでしょ。
[CS・衛星(字幕)] 7点(2020-12-22 23:28:04)
57.  友だちの恋人 《ネタバレ》 
レアとブランシュ、性格全然似てないけど友だち関係が成立しちゃうことはあるよね。ハッキリしてて恋愛偏差値の高いレアと、容姿に自信が無くて不器用なブランシュ。 現彼に飽きたので「アナタの方が合いそう。付き合っちゃいなさいよ」と堂々譲渡宣言するレアに対し、「エーでもあなたの彼氏だし・・」と尻込み気味のブランシュ。で、結局ファビアンと良い仲になっても「やっぱりレアに悪いし」と気兼ねしてばかりなのですね。その一方でレアはのびのび他の男探し、で挙句ファビとヨリを戻しちゃったりでいやーなんかもう・・。 個人的にはブランシュのうじうじぶりは身につまされるものがありますわ。せっかく全仏オープンのチケットを譲ってもらっても、想う相手に近づくことはできずにそそくさと帰路についてしまう。すごくわかる。かたやレアは堂々として美人で傲慢なまでの自信家ぶりが、眩しくもあります。 リアルな等身大の女の子を描くロメールのタクトは本作でもキレが良くて、ずっとうんうんと頷きながらの鑑賞となりました。男性陣が皆受け身なのがちょっと笑えます。 昔の映画だけどファッションが今回も素敵なロメール映画。黄や青といった原色をさらっと着こなし、合わせるアクセサリーも大ぶりなイヤリングやベルトがとてもおしゃれ。さすがパリジェンヌ、と言いたいとこだけど彼女らはパリ郊外に住んでるんでした。 青とグリーンが交差してベストカップルに落ち着くラストシーンは、互いの勘違いがほどけてゆく爽快さと合わせて目にも鮮やか。
[CS・衛星(字幕)] 7点(2020-10-19 23:22:58)
58.  ザ・クラッカー/真夜中のアウトロー 《ネタバレ》 
マイケル・マンとJ・カーンというのも幸福な取り合わせだと思う。「男」でなく「漢」を撮りたい監督と、武骨でちょっと粗野な感じも併せ持つカーン。この手の男優さんはめっきり少なくなりました。最近はみんな小ぎれいでデリカシーも満タンになっちゃって。 徹頭徹尾男汁が溢れ出る。金庫破りのシーンひとつにしても実に丹念に時間をかけてカメラ固定で「男子一生の仕事」ぶりを描写。ついでに仕事を成功させた直後のカーンの埃ですすけた顔も長映し。この時の満足げな表情もまた渋い。 嗚呼、己はカタギになれぬ身と悟った男は幻想を破り捨て、女房を追い出し手を血に染めに向かうのだ。自宅も店も後腐れなく破壊して。ボンネットに映える電飾の煌めき、夜の空を焦がす炎。映像も美しい。 どうですこのハードボイルド気質。撮っててシビれちゃっただろうなー。わたしはハードボイルド苦手なんですがね。
[CS・衛星(字幕)] 7点(2020-08-17 23:18:46)
59.  殺し屋たちの挽歌 《ネタバレ》 
例えば銃撃戦や激しいアクションなどは目が慣れてしまうことがありますが、静かなまま、ひりひりと最後まで手に汗握らされる心理戦ドラマがあります。この映画がまさにそれ。 殺し屋2名とターゲット一人、巻き添え人質が一人。四者四様の思惑が交錯し、狭い車内に充満する不可思議な空気。不可思議オーラはもっぱら殺られる運命のT・スタンプが醸します。死を恐れぬ淡々とした死生観に、さしものベテランヒットマンである非情のJ・ハートも心を動かされるのでした。・・が、いやこれがね、まさかのラストへの慎重に敷いた伏線とはね。人の心は測りがたし。心に生じた静かな感銘をアッサリ裏切られたJ・ハートの狼狽したような表情たるや。気持ち、分かる。 逆らう新米手下は切ってしまおう、というところまではジョンの心の内にあったことでしょう。でもいっとき「天晴だ」と感嘆し本名まで明かしたテレンスに気持ちをスカされるとは予定外。かくして彼の判断が狂い、女を逃がしたばかりに自らの首を絞めることになるのですねえ。人生一寸先は闇ですね。 皆良い芝居をしています。なかでも映画初出演のティム・ロスがチンピラ顔を大いに活かしてのびのび子分役を演っており、印象強烈です。
[CS・衛星(字幕)] 7点(2020-08-08 23:24:38)
60.  ウォー・ゲーム(1983) 《ネタバレ》 
コンピュータオタクの高校生が思いがけず軍のプログラムにアクセスできちゃって起こる大騒動。ありそうでなさそう、いやでもこの時代ならけっこうあるんじゃないか、と思わせる絶妙脚本ですね。なんせ自軍のコンピュータ画面の方を相手国の人間の言い分より信を置く。「ソ連の言うことなんか信じられるか」・・いかにも冷戦下の状況を反映していて妙にリアルです。 モニター画面の画はコンピュータが作った単なるシミュレーション。なのに緊迫するお偉いさんたち。同時進行でソ連側では「アメリカが勝手にパニクって言いがかりつけてきた」と思ったろうな。米国各空軍基地ではイキナリ将軍から直電かかってきて「なんだなんだ」と慌てただろうし、と想像するのも楽しい。いやAIがさらに進んだ現代では笑いごとではないか。 ‟フェリス”まんまのマシュー・ブロデリックが小賢しい顔つきで今作もハマッてますし、マシューのハラハラ脱出劇や高速で情報分析するコンピュータを見守るしかできない緊張感漲るクライマックスは見ごたえあり。さすがベテラン監督の手腕が光ります。
[CS・衛星(字幕)] 7点(2020-07-05 23:52:34)
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