601. 噂の二人
女性同士の親友の間に結婚相手の男性が挟まれば何かが起こりそう。その火をつけたのがくそがきみたいな女子生徒なのだが、すごく印象に残る映画だった。最初見たときは結末にどうしてもていこうがあったのだけど、今回見直してマーサの気持ちもわからないではなくなった。ヘプバーンめあてに見た映画だったけど、シャーリー・マクレーンの方に味方したい映画だった。 [DVD(字幕)] 7点(2015-07-10 16:15:22) |
602. ハイジ(2005)
すごくあっさりと物語が進んでしまうけど、1回きりの子ども向け映画としてはこれで良いと思うし、わかりやすくよくまとまっていると思う。途中猫嫌いのロッテンマイヤー夫人との騒動もおもしろい。物足りない人にはアニメだけでなく実写映画も他にもあるし、この映画ではアルプスの自然がとてもきれい。 [DVD(字幕)] 7点(2015-07-04 21:11:38) |
603. 皇帝円舞曲
皇帝に呼び出され自分の再婚話かと思ったら犬の縁談だとか、蓄音機のセールスに来たら時限爆弾に間違えられるなど、最初からコメディ満載ストーリーとしてはビリー・ワイルダーらしくなかなかおもしろい。チロル地方の音楽やダンスもからませ、ルビッチ風オペレッタをめざしたのはいいが、ビリー・ワイルダーとミュージカルはどうも相性がよくないみたい。挿入曲として「口笛吹きと犬」や「奥様お手をどうぞ」なども入っているのだが・・・。それに湖に浮かぶ島がいかにも人工的に作られた島で愛を語るにはどうかなと思う。ところでジョーン・フォンテインの伯爵夫人だが、米国映画ならばジョアンナ、オーストリアを舞台にした映画だったらヨハンナだろうが、DVDではジョハンナになっている。まるでバトンズとシェヘラザードの子どものように。 [DVD(字幕)] 7点(2015-06-30 11:17:28) |
604. 地中海殺人事件
全員のアリバイがあるにもかかわらず、ちょっとしたことや矛盾点をついてひとつの推理を作りあげるのは見事。だけど推理は推理、証拠はないじゃないかと犯人から開き直られる始末、最後に出てきた証拠もちょっと偶然すぎか。最初のうちは人物関係がつかめず苦労したが、映画としてはおもしろく良かった。 [映画館(字幕)] 7点(2015-06-23 15:48:46) |
605. 星になった少年 Shining Boy and Little Randy
いくら家族ぐるみで動物を飼育しているからって象使いになるのは大変だし、ましてや一人でタイの象学校に留学するなんてびっくり仰天。主演の柳楽君だってタイ語を覚えたうえでの象の訓練も大変だったろう。映画としてはやや甘く感動はいまいちだが、実話ものとしてはそれなりの価値があるというものだ。それに得体の知れない薄気味悪いものをおいしいからさあ食えと出されても誰だって躊躇するだろう。 [DVD(邦画)] 7点(2015-06-21 10:41:29) |
606. クリスタル殺人事件
クリスティの推理小説はたくさん読んだが、探偵ポアロに比べミス・マープルのシリーズはどうも印象が薄い。この映画の原作も読んだことに途中まで気づかなかったほどだけど、映画自体はまずまずおもしろい。往年の大女優エリザベス・テイラーもとうとう太ったおばさんになってしまったけど、存在感はさすが。対するキム・ノヴァクは年齢はほとんど同じなのにグラマーさは健在。そういえばロック・ハドソンとエリザベス・テイラーは「ジャイアンツ」でも共演していたんだった。 [DVD(字幕)] 7点(2015-06-19 19:08:28) |
607. 霧の波止場
女はどんな女なのか、男はどういう過去を持つのか、台詞の断片から想像はつくものの映画の中では説明はほとんどない。それこそ霧に包まれ重苦しさだけが漂う。そしてその霧が晴れようかという寸前に悲劇が起こり、恩を受けた犬が主人?の元へと走る。理屈でなく感覚で見て感じとる映画で深く印象に残る。少女にはおよそ見えない大人びたミシェル・モルガン、30代前半にして中年の渋さが光るジャン・ギャバン、この独特の雰囲気がたまらなく良い。 [DVD(字幕)] 7点(2015-06-05 21:20:00) |
608. きみがぼくを見つけた日
タイムトラベルものとなると都合の良さや矛盾の指摘などあらさがしをしたくなるものだが、この映画そういうことが気にならずロマンスものとして楽しめた。また幼い頃のクレアや5歳と8歳の二人のアルバも登場し、切なさのなかに家族愛を感じることができる。子役が皆かわいいし、「タイムトラベラーの妻」を「きみがぼくを見つけた日」に変えたのは夢とロマンがあってとても良かったと思う。 [DVD(字幕)] 7点(2015-05-27 06:24:37) |
609. 讃歌
原作は春琴抄だが、作者が春琴の家で働いていた女中にインタビューするというおもしろい形で作られている。わがままな娘とひたすら尽くす男という点は痴人の愛とも似通っている。いわゆるSとMと言ってしまえば通俗的になるが、それを耽美な世界として表現しているのが谷崎文学。渡辺督子の裸体は非常に美しい。 [映画館(邦画)] 7点(2015-05-15 11:00:51) |
610. 男はつらいよ 寅次郎ハイビスカスの花
相思相愛の男女であっても結ばれるとは限らない。寅さんとリリー、誰が見てもぴったりと思える仲なのにちょっとした食い違いですれ違う。その心理のあやがうまく描かれた映画だと思う。だがたとえ夫婦にならなくても、寅さんとリリーはしっかりした絆で結ばれている。男女間の友情というものだろうか。この映画の終盤はすがすがしく後味良い。 [DVD(邦画)] 7点(2015-05-06 19:19:01) |
611. カーネギー・ホール
この映画の評価は大変難しい。クラシック音楽ファンならば満点に近い高得点をつけるかもしれないし、そうでなかったらどんな点数になるのかわからないからである。というのも映画全体の半分いやそれ以上かもしれないと思えるほどの膨大な演奏シーンがあるからだ。(一部途中省略されている曲もあるが、ほとんどが一曲丸ごとだったり一楽章丸ごとの演奏)そして純然たる俳優のサレルノ父子を除くと演奏者はすべて本物、当時の世界一流の音楽家ばかりで、モノラルや初期のステレオレコードでしか聴けなかったブルーノ・ワルターらが映像として鑑賞できる。映画はカーネギー・ホールで働くノラという女性が主人公であり、その夫とジュニアの物語であり、音楽映画としてもなかなかのものである。またカーネギー・ホール設立に貢献した指揮者ウォルター・ダムロッシュを初め、何人もの演奏家がサレルノ父子と共演したり、アドバイスを送るなど映画と一体になっているので、常識的にはキャストでなく出演とするところかもしれないが、台詞のあるなしに関わらずすべてキャスト扱いにしていいのではなかろうか。ちなみにストコフスキーは指揮をした後、サレルノジュニアと曲目を紹介する役を演じている。 [DVD(字幕)] 7点(2015-05-05 16:18:15) |
612. 平成狸合戦ぽんぽこ
人をだます動物といえば狐か狸、ずるがしこいイメージの狐に対して狸の方はちょっと間が抜けているというか化かし方にも愛嬌が感じられるものだ。そういう狸の世界を日本各地に残る言い伝えや昔話、童謡、宮沢賢治の詩を加え、余すとこなく描いている。大変おもしろいといえばおもしろいのだが、滅び行く動物に哀悼を表しつつもこの映画の結末には違和感を感じた。 [DVD(邦画)] 7点(2015-04-04 08:35:03) |
613. 櫂
作家宮尾登美子の出世作であり自伝小説の映画化。女義太夫巴吉の娘綾子が宮尾自身なのだが、大正から昭和初期にかけての男尊女卑社会が赤裸々に描かれている。どんなに酷い仕打ちに遭おうとも妻は夫に従うものとされていたことがよくわかる。 [DVD(邦画)] 7点(2015-03-28 18:10:36) |
614. セロ弾きのゴーシュ(1982)
子どもの頃読んだ宮沢賢治の童話に驚くほど忠実、いやそれ以上かもしれない。間宮芳生の音楽と相まってすばらしいものとなった。演奏会の曲目は原作では第六交響曲としか書いてないらしいが、やはりベートーヴェンの「田園」以外には考えられないだろう。毎晩の訪れる動物たちによってゴーシュが成長していくのもよくわかる。素朴だけどそれがやはり賢治の世界だろう。 [DVD(邦画)] 7点(2015-03-23 20:42:31) |
615. イントゥ・ザ・ウッズ
ミュージカルとしてはもちろん歌の合間の台詞や仕草に滑稽さがみなぎる大変おもしろい舞台劇である。童話の世界の主人公たちを絡ませ、おとぎ話以降の物語を描き出すという試みは大人向きの新しい趣向だ。舞台では表現できなかった神秘の森の世界を作り出し、巨人や魔法目に見えるものとして表現できるのはまさに映画という映像の賜と言ってよい。白い牝牛、赤い頭巾、黄色い髪、黄金の靴の4つのアイテムを探し出す第1幕はミュージカルになじみがなくても大変魅力的なのだが、ハッピーエンドで終わったその後の第2幕がこの映画の真価。ところが前半の馴染み深い物語について行けても、ファンタジー映画にしたため後半はどうもとっつきにくいので、"No One is Alone"などの楽曲に親しみがないと十分楽しめないかもしれない。 [映画館(字幕)] 7点(2015-03-18 11:11:43) |
616. ナイト ミュージアム
あんなに暴れ回っていたら翌朝は元に戻るはずがないとか、理屈では「?」と思うような展開もおもしろさのあまりその点は忘れてしまっていた。博物館の陳列品が動き出すというのは子ども向けかもしれないが、歴史上の人物など興味深いものがたくさんありそうだ。ところであの夜警さん、昼勉強して夜働いていつ寝たんだろう、気になるな。 [DVD(字幕)] 7点(2015-02-17 13:40:16) |
617. 画家と庭師とカンパーニュ
何十年ぶりかに巡り会った友が再会し友情を深めていく過程が何と言ってもすばらしい。画家にとっては人生の大きな転機になったであろう。バイクの後を追う子犬や釣った大きな魚を湖に戻すシーンなどたくさんの場面がこころに残る。最後にモーツァルトのクラリネット協奏曲のもの悲しい旋律が切ない。 [DVD(字幕)] 7点(2015-02-14 13:30:51) |
618. 煙突の見える場所
前半のホームドラマ調から、突如舞い込んだ赤ん坊、一転してシリアスなドラマとなる。自分の赤ん坊じゃなかったら死んでしまってもいいから寝ずの看病だったりしていろいろ浮き沈みのある映画だ。まさにお化け煙突、4本が3本だったり、2本に見えたりおしまいにはとうとう1本になる。見方を変えればどのようにも見える人間模様であり、この映画だった。 [CS・衛星(邦画)] 7点(2015-02-10 22:36:25) |
619. マエストロ!
こういった音楽ものは役者が演じるため、音は一流の吹き替えでも手の動きと音楽がかみ合わず違和感を覚えたりするものだが、この映画ではそれがほとんどない。これはプロの指揮者佐渡裕を初めとする専門家がきっちり指導をしたからだそうだ。それだけでも見応え十分で、西田敏行演じるマエストロには威厳と風格を感じるし、オーケストラにとって指揮者とは何なのかを知ることができる。ただストーリー的には感動できるかというと疑問。 [映画館(邦画)] 7点(2015-02-02 15:37:05) |
620. 酒井家のしあわせ
ウザイ、空気読めよ、なんやねんの私とあまり縁のない世界から思わぬ展開、一転して家族のしあわせとは何かの世界になって引きつけられた。心がストレートに通じ合う良い映画だったと思う。 [DVD(邦画)] 7点(2015-02-01 11:25:42) |